(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例1]
図1に、実施例1による電力変換装置に用いられる筐体の斜視図を示す。理解を容易にするために、xyz直交座標系を定義する。筐体20は、z方向と交差する第1の面21、及び第1の面21の外周からz方向の正の向きに伸びる第2の面22を含む。筐体20は、z方向の正の向きに向かって開放された開口部(第1の開口部)24を有する。開口部24の外形は、第1の面21の外形を反映している。
【0016】
一例として、第1の面21の外形は、x方向及びy方向に平行な辺を持つ長方形である。第2の面22は、yz面に平行な一対の面と、zx面に平行な一対の面とで構成される。第1の面21を底面と考えると、第2の面22は底面の外周線から立ち上がった側面と考えることができる。
【0017】
第1の面21に開口部(第2の開口部)23が形成されている。第2の面22に、複数のコネクタ孔25が形成されている。さらに、第2の面22に、冷却媒体用の流出入口2
6が形成されている。
【0018】
図2に、実施例1による電力変換装置の断面図を示す。
図3に、
図2の一点鎖線3−3における断面図を示す。
【0019】
電力変換装置は、z方向に並ぶ複数の電力変換ユニット30を含む。電力変換ユニット30の各々は、筐体20及び電力変換回路32を含む。電力変換回路32は、筐体20内に収容されている。
【0020】
複数の筐体20は、各々の開口部24がz方向の正の側を向く姿勢で積み重ねられている。相互に隣り合う筐体20のz方向の負側の筐体20の開口部24が、z方向の正側の筐体20の第1の面21で覆われている。z方向の正側の端に位置する筐体20の開口部24が、第1の蓋33で覆われている。z方向の負側の端に位置する筐体20の開口部23が、第2の蓋34で覆われている。
【0021】
筐体20に形成されたコネクタ孔25に、シールコネクタ35が取り付けられている。シールコネクタ35を介して、電力変換ユニット30への電力の供給、電力変換ユニット30からの電力の取り出し、電力変換回路32への制御信号の入力が行われる。
【0022】
電力変換回路32は、スイッチング素子37及びキャパシタ38を含む。例えば、1つの電力変換ユニット30に、2個のキャパシタ38が収容されている。スイッチング素子37は、冷却板39を介して底面21に固定されている。冷却板39の内部に冷却流路40が形成されている。冷却流路40の両端は、それぞれ流出入口26に連続する。冷却流路40に冷却媒体を流通させることにより、スイッチング素子37を冷却することができる。
【0023】
キャパシタ38が、yz面に平行な第2の面22に取り付けられている。キャパシタ38の各々は、P端子38P及びN端子38Nを有する。P端子38P及びN端子38Nは、xy面内に関して、開口部23の内部に位置する。導電部材43Pが、開口部23を通過して、異なる電力変換ユニット30に収容されたキャパシタ38のP端子38P同士を電気的に接続する。同様に、導電部材43Nが、開口部23を通って、異なる電力変換ユニット30に収容されたキャパシタ38のN端子38N同士を電気的に接続する。これにより、複数のキャパシタ38が並列接続される。一部の電力変換ユニット30のキャパシタ38のみで十分な静電容量を確保できる場合には、残りの電力変換ユニット30からキャパシタ38を取り外してもよい。
【0024】
図4に、
図2及び
図3の一点鎖線4−4における断面図を示す。金属板で形成された導電部材43Pと導電部材43Nとの間に絶縁シート44が挟まれている。絶縁シート44により、導電部材43Pと導電部材43Nとが電気的に絶縁される。導電部材43Nがキャパシタ38に対向し、導電部材43Pが、キャパシタ38から遠ざかる方向を向く。yz面内に関して、導電部材43NがP端子38Pと重ならないように、導電部材43Nに開口46Nが形成されている。同様に、yz面内に関して、導電部材43PがN端子38Nと重ならないように、導電部材43Pに開口46Pが形成されている。
【0025】
接続部材45Pが、P端子38Pと導電部材43Pとを電気的に接続し、接続部材45Nが、N端子38Nと導電部材43Nとを電気的に接続する。接続部材45Pは、P端子38Pから、開口46N内を通過し、絶縁シート44を貫通して、導電部材43Pまで達する。接続部材45Nは、N端子38Nから、導電部材43N及び絶縁シート44を貫通し、開口46P内まで達している。開口46N及び開口46Pは、接続部材45P、45Nを介した導電部材43Pと43Nとの電気的な短絡を防止する。
【0026】
図5Aに、筐体20同士の接続部分の拡大断面図を示す。第2の面22の端面に、段差27が形成されている。第1の面21の外側の表面に、外周線に沿って段差28が形成されている。段差27と段差28とが嵌合することにより、2つの筐体20がxy面内方向に関して位置決めされる。
【0027】
第2の面22の端部に、内側に向かって張り出した鍔26が形成されている。z方向の正側の筐体20の第1の面21と、z方向の負側の筐体20の鍔26とを貫通する締結具29が、2つの筐体20を相互に固定する。2つの筐体20の間に配置されたシール部材としてのOリング31により、2つの筐体20の接続箇所の気密性が確保されている。シール部材として、Oリングの代わりにパッキンを用いてもよい。
【0028】
図5Bに、筐体20と第1の蓋33との接続部分の拡大断面図を示す。第1の蓋33の外周線に沿って段差50が形成されている。筐体20の段差27と、第1の蓋33の段差50とが嵌合することにより、xy面内方向に関して、第1の蓋50と筐体20とが位置決めされる。第1の蓋33と筐体20の鍔26とを貫通する締結具29によって、第1の蓋33が筐体20に固定される。筐体20と第1の蓋33との間に配置されたOリング31により、筐体20と第1の蓋33との接続箇所の気密性が確保されている。これにより、筐体20の開口部26が第1の蓋33で密閉される。
【0029】
図6に、筐体20と第2の蓋34との接続部分の拡大断面図を示す。開口部23が第2の蓋34で塞がれている。第2の蓋34及び筐体20の第1の面21を貫通する締結具52により、第2の蓋34が筐体20に固定される。第2の蓋34と第1の面21との間に配置されたOリング51により、両者の接続箇所の気密性が確保されている。
【0030】
図5A、
図5B、
図6に示したように、複数の筐体20、第1の蓋33、及び第2の蓋34により、複数の筐体20内に密閉された空間が形成される。このため、塵埃の多い劣悪な環境下でも、電力変換回路32(
図2)の安定した動作が保証される。
【0031】
実施例1による電力変換装置においては、各電力変換ユニット30の筐体20(
図2)によって密閉された空間が確保される。このため、電力変換回路32(
図2)を塵埃等の環境から隔離するための専用の筐体を準備する必要がない。
【0032】
相互に隣り合う筐体20の内部の空間を隔てる隔壁は、一方の筐体20の第1の面21のみである。このため、隔壁部分が二重構造を持つ電力変換装置に比べて、軽量化を図ることができる。
【0033】
電力変換ユニット30の積み重ね個数は、必要に応じて変更することができる。例えば、
図7に示すように、例えば5個の電力変換ユニット30を積み重ねることも可能である。5個の電力変換ユニット30を積み重ねる場合でも、筐体20、第1の蓋33、及び第2の蓋34により、密閉された空間を形成することができる。このように、実施例1による電力変換装置は、部品の種類を増やすことなく、電力変換回路32(
図2)の個数の変動に柔軟に対応することができる。
【0034】
上記実施例1では、筐体20内に密閉された空間が形成されたが、必ずしも厳密な意味で気密性を保証する必要はない。筐体20の内外で、大気が流通可能な状態でもよい。
【0035】
[実施例2]
図8〜
図12を参照して、実施例2による作業機械について説明する。実施例2では、実施例1の電力変換装置が搭載される作業機械として、ハイブリッド型ショベルが例示さ
れる。
【0036】
図8に、実施例2によるハイブリッド型ショベルの概略平面図を示す。上部旋回体70に、旋回軸受け73を介して、下部走行体(走行装置)71が取り付けられている。上部旋回体70に、エンジン74、メインポンプ75、旋回用電動モータ76、油タンク77、冷却ファン78、座席79、蓄電モジュール80、電動発電機83、及び電力変換装置84が搭載されている。電力変換装置84には、上記実施例1による電力変換装置が用いられる。エンジン74は、燃料の燃焼により動力を発生する。エンジン74、メインポンプ75、及び電動発電機83が、トルク伝達機構81を介して相互にトルクの送受を行う。メインポンプ75は、ブーム82等の油圧シリンダに圧油を供給する。
【0037】
電動発電機83は、エンジン74の動力によって駆動され、発電を行う(発電運転)。発電された電力は、電力変換装置84を介して蓄電モジュール80に供給され、蓄電モジュール80が充電される。また、電動発電機83は、蓄電モジュール80から電力変換装置84を介して供給される電力によって駆動され、エンジン74をアシストするための動力を発生する(アシスト運転)。油タンク77は、油圧回路の油を貯蔵する。冷却ファン78は、油圧回路の油温の上昇を抑制する。操作者は、座席79に着座して、ハイブリッド型ショベルを操作する。
【0038】
蓄電モジュール80から電力変換装置84を介して供給される電力によって、旋回用電動モータ76が駆動される。また、旋回用電動モータ76は、運動エネルギを電気エネルギに変換することによって回生電力を発生する。発生した回生電力は、電力変換装置84を介して蓄電モジュール80に供給される。これにより、蓄電モジュール80が充電される。
【0039】
図9に、実施例2によるハイブリッド型ショベルの側面図を示す。下部走行体71に、旋回軸受け73を介して上部旋回体70が搭載されている。旋回用電動モータ76(
図8)が、その駆動対象である上部旋回体70を、下部走行体71に対して、時計回り、または反時計周りに旋回させる。上部旋回体70に、ブーム82が取り付けられている。ブーム82は、油圧駆動されるブームシリンダ107により、上部旋回体70に対して上下方向に揺動する。ブーム82の先端に、アーム85が取り付けられている。アーム85は、油圧駆動されるアームシリンダ108により、ブーム82に対して前後方向に揺動する。アーム85の先端にバケット86が取り付けられている。バケット86は、油圧駆動されるバケットシリンダ109により、アーム85に対して揺動する。蓄電モジュール80及び電力変換装置84が、上部旋回体70に搭載されている。
【0040】
図10に、実施例2によるハイブリッド型ショベルのブロック図を示す。
図10において、機械的動力系を二重線で表し、高圧油圧ラインを太い実線で表し、電気系統を細い実線で表し、パイロットラインを破線で表す。
【0041】
エンジン74の駆動軸がトルク伝達機構81の入力軸に連結されている。エンジン74には、電気以外の燃料によって駆動力を発生するエンジン、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関が用いられる。エンジン74は、作業機械の運転中は、常時駆動されている。
【0042】
電動発電機83の駆動軸が、トルク伝達機構81の他の入力軸に連結されている。電動発電機83は、電動(アシスト)運転と、発電運転との双方の運転動作を行うことができる。電動発電機83には、例えば磁石がロータ内部に埋め込まれた内部磁石埋込型(IPM)モータが用いられる。
【0043】
トルク伝達機構81は、2つの入力軸と1つの出力軸とを有する。この出力軸には、メ
インポンプ75の駆動軸が連結されている。
【0044】
エンジン74に加わる負荷が大きい場合には、電動発電機83がアシスト運転を行い、電動発電機83の駆動力がトルク伝達機構81を介してメインポンプ75に伝達される。これにより、エンジン74に加わる負荷が軽減される。一方、エンジン74に加わる負荷が小さい場合には、エンジン74の駆動力がトルク伝達機構81を介して電動発電機83に伝達されることにより、電動発電機83が発電運転される。電動発電機83のアシスト運転と発電運転との切り替えは、電動発電機83に接続されたインバータ118により行われる。インバータ118は、制御装置130により制御される。
【0045】
制御装置130は、中央処理装置(CPU)130A及び内部メモリ130Bを含む。CPU130Aは、内部メモリ130Bに格納されている駆動制御用プログラムを実行する。制御装置130は、表示装置135に、各種装置の劣化状態等を表示することにより、運転者の注意を喚起する。
【0046】
メインポンプ75は、高圧油圧ライン116を介して、コントロールバルブ117に油圧を供給する。コントロールバルブ117は、運転者からの指令により、油圧モータ101A、101B、ブームシリンダ107、アームシリンダ108、及びバケットシリンダ109に油圧を分配する。油圧モータ101A及び101Bは、それぞれ
図8、
図9に示した下部走行体71に備えられた左右の2本のクローラを駆動する。
【0047】
電動発電機83の電気系統の入出力端子が、インバータ118を介して蓄電回路190に接続されている。インバータ118は、制御装置130からの指令に基づき、電動発電機83の運転制御を行う。蓄電回路190には、さらに、他のインバータ120を介して旋回用電動モータ76が接続されている。蓄電回路190及びインバータ120は、制御装置130により制御される。
【0048】
電動発電機83がアシスト運転されている期間は、必要な電力が、蓄電回路190からインバータ118を通して電動発電機83に供給される。電動発電機83が発電運転されている期間は、電動発電機83によって発電された電力が、インバータ118を通して蓄電回路190に供給される。
【0049】
旋回用電動モータ76は、インバータ120によって交流駆動され、力行動作及び回生動作の双方の運転を行うことができる。旋回用電動モータ76には、例えばIPMモータが用いられる。IPMモータは、回生時に大きな誘導起電力を発生する。
【0050】
旋回用電動モータ76の力行動作中は、旋回用電動モータ76が、減速機124を介して、上部旋回体70(
図8、
図9)を旋回させる。この際、減速機124は、回転速度を遅くする。これにより、旋回用電動モータ76で発生した回転力(トルク)が増大する。また、回生運転時には、上部旋回体70の回転運動が、減速機124を介して旋回用電動モータ76に伝達されることにより、旋回用電動モータ76が回生電力を発生する。この際、減速機124は、力行動作の時とは逆に、回転速度を速める。これにより、旋回用電動モータ76の回転数を上昇させることができる。
【0051】
レゾルバ122が、旋回用電動モータ76の回転軸の回転方向の位置を検出する。検出結果は、制御装置130に入力される。旋回用電動モータ76の運転前と運転後における回転軸の回転方向の位置を検出することにより、旋回角度及び旋回方向が導出される。
【0052】
メカニカルブレーキ123が、旋回用電動モータ76の回転軸に連結されており、機械的な制動力を発生する。メカニカルブレーキ123の制動状態と解除状態とは、制御装置
130からの制御を受け、電磁的スイッチにより切り替えられる。
【0053】
パイロットポンプ115が、油圧操作系に必要なパイロット圧を発生する。発生したパイロット圧は、パイロットライン125を介して操作装置126に供給される。操作装置126は、レバーやペダルを含み、運転者によって操作される。操作装置126は、パイロットライン125から供給される1次側の油圧を、運転者の操作に応じて、2次側の油圧に変換する。2次側の油圧は、油圧ライン127を介してコントロールバルブ117に伝達されると共に、他の油圧ライン128を介して圧力センサ129に伝達される。
【0054】
圧力センサ129で検出された圧力の検出結果が、制御装置130に入力される。これにより、制御装置130は、下部走行体71、旋回用電動モータ76、ブーム82、アーム85、及びバケット86(
図9)の操作の状況を検知することができる。
【0055】
図11に、蓄電回路190の等価回路図を示す。一対のバスライン191の間に、昇圧用の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)202Aと降圧用のIGBT202Bとの直列回路が接続されている。昇圧用IGBT202Aのエミッタが接地側のバスライン191に接続され、降圧用IGBT202Bのコレクタが、高圧側のバスライン191に接続されている。昇圧用IGBT202Aと降圧用IGBT202Bの相互接続点が、リアクトル201を介して、蓄電モジュール80の高圧側の端子に接続されている。蓄電モジュール80の低圧側の端子は、接地側のバスライン191に接続されている。
【0056】
昇圧用IGBT202A及び降圧用IGBT202Bに、それぞれダイオード202a、202bが、エミッタからコレクタに向かう向きが順方向になる向きで並列接続されている。
【0057】
高圧側及び接地側のバスライン191の間に、キャパシタ38が接続されている。バスライン191に発生している電圧が、電圧計211により測定される。蓄電モジュール80に並列接続された電圧計206が、蓄電モジュール80の端子間電圧を測定する。リアクトル201に直列に挿入された電流計207が、蓄電モジュール80の充放電電流を測定する。電圧及び電流の測定結果が、制御装置130に入力される。
【0058】
制御装置130が、昇圧用IGBT202A及び降圧用IGBT202Bのゲート電極に、制御用のパルス幅変調(PWM)電圧を印加する。
【0059】
以下、昇圧動作(放電動作)について説明する。昇圧用IGBT202Aのゲート電極にPWM電圧を印加する。昇圧用IGBT202Aのオフ時に、リアクトル201に、高圧側の電源接続端子203Aから昇圧用IGBT202Aのコレクタに向かって電流を流す向きの誘導起電力が発生する。この起電力が、ダイオード202bを介してDCバスライン210に印加される。これにより、バスライン191が昇圧される。
【0060】
次に、降圧動作(充電動作)について説明する。降圧用IGBT202Bのゲート電極に、PWM電圧を印加する。降圧用IGBT202Bのオフ時に、リアクトル201に、降圧用IGBT202Bのエミッタから、蓄電モジュール80に向かって電流を流す向きの誘導起電力が発生する。この誘導起電力により、蓄電モジュール80が充電される。
【0061】
図12に、インバータ118の等価回路図を示す。インバータ120(
図10)の等価回路も、インバータ118の等価回路と同一である。
【0062】
一対のバスライン191の間に、U相用IGBT直列回路192U、V相用IGBT直列回路192V、及びW相用IGBT直列回路192Wが並列に挿入されている。これら
IGBT直列回路の各々は、直列接続された2つのIGBT、及びIGBTの各々に並列に挿入されたダイオードを含む。2つのIGBTの相互接続点が、それぞれ電動発電機83のU相、V相、W相の端子に接続される。各IGBTのゲート電極には、制御装置130からPWM変調された制御信号が印加される。
【0063】
実施例2においては、電力変換装置84(
図8、
図9)に実施例1による電力変換装置が用いられている。このため、電力変換装置84の部品の種類を増やすことなく、インバータや昇降圧コンバータが収容される空間を密閉することができる。
【0064】
[実施例3]
図13に、実施例3による作業機械の蓄電回路及びインバータのブロック図を示す。以下、
図10に示した実施例2による蓄電回路及びインバータとの相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。インバータ118、120、蓄電回路190、電動発電機83、及び旋回用電動モータ76の構成は、実施例1の構成と同一である。
【0065】
実施例3においては、蓄電回路190のバスライン191(
図11)に、さらにインバータ195が接続されている。インバータ195は、ブーム回生用発電機197を制御する。ブームシリンダ107にブーム用油圧モータ196が接続されている。ブーム用油圧モータ196が、ブーム回生用発電機197の回転軸を駆動する。ブーム82(
図9)が重力の作用によって下降するとき、ブーム用油圧モータ196を介してブーム回生用発電機197が駆動され、発電を行う。発電された電力は、インバータ195を介して蓄電回路190に供給される。インバータ195と、蓄電回路190内のキャパシタ38(
図11)とが、1つの電力変換ユニット30(
図2)で実現される。
【0066】
実施例2では、合計3個の電力変換ユニット30、すなわちインバータ118、120(
図10)、及び昇降圧コンバータ200が作業機械に搭載される。これに対し、実施例3においては、3つのインバータ118、120、195、及び蓄電回路190内の昇降圧コンバータ200に対応して、4個の電力変換ユニット30が搭載される。実施例1に示した構造の電力変換ユニット30(
図2)を用いることにより、搭載すべき電力変換ユニット30の個数の変動に柔軟に対応することができる。
【0067】
作業機械に複数の電力変換ユニット30が搭載される場合、すべての電力変換ユニット30をまとめて1つの電力変換装置を構成する必要はない。一部の電力変換ユニット30で1つ目の電力変換装置を構成し、残りの電力変換ユニット30で2つ目の電力変換装置を構成してもよい。さらに、3個以上の電力変換装置を搭載する構成としてもよい。どの電力変換ユニット30をまとめて1つの電力変換装置を構成するかは、電力変換ユニット30の駆動対象が搭載される場所等に基づいて決定すればよい。
【0068】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。