特許第5777566号(P5777566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777566
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】フルオロオレフィンを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20150820BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20150820BHJP
   A62D 1/08 20060101ALN20150820BHJP
   C09K 3/00 20060101ALN20150820BHJP
   C09K 3/30 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   C09K5/04 F
   C09K5/04 E
   C09K5/04 C
   F25B1/00 396A
   !A62D1/08
   !C09K3/00 111B
   !C09K3/30 J
   !C09K3/30 T
【請求項の数】7
【全頁数】102
(21)【出願番号】特願2012-116166(P2012-116166)
(22)【出願日】2012年5月22日
(62)【分割の表示】特願2009-502752(P2009-502752)の分割
【原出願日】2006年8月29日
(65)【公開番号】特開2012-229422(P2012-229422A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2012年6月20日
(31)【優先権主張番号】11/393,109
(32)【優先日】2006年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/486,791
(32)【優先日】2006年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ・ハヴィランド・マイナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェリユール・ノット・マリカルジュナ・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・バーナード・ビーヴェンス
(72)【発明者】
【氏名】ディーパク・パーティ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・スティーヴン・バウンチョーク
【審査官】 服部 芙美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/105947(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/103192(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/103190(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/103191(WO,A1)
【文献】 米国特許第06503417(US,B1)
【文献】 特開平07−269924(JP,A)
【文献】 特開2000−063300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K5/00−5/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
30質量パーセント〜99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび70質量パーセント〜1質量パーセントのHFC−125からなる組成物。
【請求項2】
1質量パーセント〜98質量パーセントのトランス−HFC−1234ze、1質量パーセント〜98質量パーセントのHFC−32、および1質量パーセント〜98質量パーセントのCF3Iからなる組成物。
【請求項3】
10質量パーセント〜80質量パーセントのトランス−HFC−1234ze、1質量パーセント〜70質量パーセントのHFC−32、および1質量パーセント〜80質量パーセントのCF3Iからなる請求項に記載の組成物。
【請求項4】
冷熱を生成させるための方法であって、冷却しようとする本体の近くで請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を蒸発させること、およびその後上記組成物を凝縮させることを含む方法。
【請求項5】
温熱を生成させるための方法であって、加熱しようとする本体の近くで請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を凝縮させること、およびその後上記組成物を蒸発させることを含む方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を伝熱流体組成物として使用する方法であって、該組成物を熱源からヒートシンクに運ぶことを含む方法。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を含有する冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロオレフィンと少なくとも1つの他の成分とを含む、冷凍、エアコン、およびヒートポンプシステムでの使用のための組成物に関する。本発明の組成物は、伝熱流体、発泡剤、エアゾール噴射剤、ならびに火抑制剤および消火剤として、冷却を行うまたは熱を産生させるための方法で有用である。
【背景技術】
【0002】
冷凍業界は、モントリオール議定書(Montreal Protocol)の結果として段階的に廃止されつつあるオゾン破壊クロロフルオロカーボン(CFC)およびハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代替冷媒を見つけるために過去二,三十年の間努力してきた。ほとんどの冷媒製造業者にとっての解決策は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒の商業化であった。現時点で最も広く使用されつつある新たなHFC冷媒、HFC−134aはゼロのオゾン破壊係数を有し、従ってモントリオール議定書の結果としての現行規制上の段階的廃止による影響を受けない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第11/062044号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/062044号明細書
【特許文献3】再発行米国特許第Re36,951号明細書
【特許文献4】米国特許第5,759,430号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】1990年アシュラエ・ハンドブック、冷凍システムおよび適用(1990 ASHRAE Handbook,Refrigeration Systems and Applications)、第8章、表題「冷凍システムでの潤滑油(Lubricants in Refrigeration Systems)」、8.1−8.21ページ
【非特許文献2】R.L.シュブキン(R.L.Shubkin)編、「合成潤滑油および高性能流体(Synthetic Lubricants and High−Performance Fluids)」、Marcel Dekker社、1993年
【非特許文献3】サウンダース(Saunders)、フリッシュ(Frisch)著、「ポリウレタン化学および技術(Polyurethanes Chemistry and Technology)」、第IおよびII巻、ニューヨーク州ニューヨーク、John Wiley and Sons社、1962年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらなる環境規制は究極的には、ある種のHFC冷媒のグローバルな段階的廃止をもたらすかもしれない。現在、自動車業界は、移動式エアコンに使用される冷媒に対する地球温暖化係数にかかわる規制に直面しているところである。それ故、移動式エアコン市場向けに減少した地球温暖化係数の新たな冷媒を特定する、大きな現在の必要性が存在する。規制が将来より広く適用されれば、冷凍およびエアコン業界のすべての分野に使用できる冷媒に対してさらにより大きい必要性が感じられるであろう。
【0006】
現在提案されているHFC−134aの代替冷媒には、HFC−152a、ブタンもしくはプロパンなどの純炭化水素、またはCOなどの「天然」冷媒が含まれる。これらの提案された代替品の多くは有毒であり、引火性であり、および/または低いエネルギー効率を有する。それ故、新たな代替冷媒が捜し求められつつある。
【0007】
本発明の目的は、低いまたはゼロのオゾン破壊係数および現在の冷媒と比べてより低い地球温暖化係数という要求を満たすために独特の特性を提供する新規な冷媒組成物および伝熱流体組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、HFC−1225yeとNHを含む組成物に関する。
【0009】
本発明はさらに、HFC−1234zeとHNを含む組成物に関する。
【0010】
本発明は、少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む組成物に関する。本発明の組成物はさらに、第2のフルオロオレフィン、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、炭化水素、ジメチルエーテル、ビス(トリフルオロメチル)スルフィド、CFI、またはCOであってもよい少なくとも1つの追加の成分を含む。本発明のフルオロオレフィン化合物および他の成分は表1にリストされる。
【0011】
【表1】
【0012】
表1にリストされた個々の成分は、当該技術で公知の方法によって製造されてもよい。
【0013】
本発明の組成物に使用されるフルオロオレフィン化合物、HFC−1225ye、HFC−1234ze、およびHFC−1234yeは、異なる立体配置異性体または立体異性体として存在してもよい。本発明は、すべての単一立体配置異性体、単一立体異性体またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を含むことを意図される。例えば、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFC−1234ze)は、シス−異性体、トランス−異性体、または任意の比での両異性体の任意の組み合わせもしくは混合物を表すことを意図される。別の例はHFC−1225yeであり、それによってシス−異性体、トランス−異性体、または任意の比での両異性体の任意の組み合わせもしくは混合物が表される。本発明の組成物はHFC-1225yeのシスまたはZ異性体を主に含む。
【0014】
本発明の組成物は下記を含む:
HFC−1225yeならびにHFC−1234ze、HFC−1234yf、HFC−1234ye、HFC−1243zf、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC
−365mfc、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、CFSCF、CO、NHおよびCFIからなる群から選択された少なくとも1つの化合物、
HFC−1234zeならびにHFC−1234yf、HFC−1234ye、HFC−1243zf、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC−365mfc、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、CFSCF、COおよびCFIからなる群から選択された少なくとも1つの化合物、
HFC−1234yfならびにHFC−1234ye、HFC−1243zf、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC−365mfc、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、CFSCF、COおよび、NHおよびCFIからなる群から選択された少なくとも1つの化合物、
HFC−1243zfならびにHFC−1234ye、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC−365mfc、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、CFSCF、COおよびCFIからなる群から選択された少なくとも1つの化合物、ならびに
HFC−1234yeならびにHFC−1243zf、HFC−32、HFC−125、HFC−134、HFC−134a、HFC−143a、HFC−152a、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−245fa、HFC−365mfc、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、CFSCF、COおよびCFIからなる群から選択された少なくとも1つの化合物。
【0015】
本発明の組成物は、フルオロオレフィンが約1質量パーセント〜約99質量パーセント、好ましくは約20質量パーセント〜約99質量パーセント、より好ましくは約40質量パーセント〜約99質量パーセント、そしてさらにより好ましくは50質量パーセント〜約99質量パーセントで存在するときに一般に有用であるかもしれない。
【0016】
本発明はさらに、表2にリストされるような組成物を提供する。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】
【表8】
【0024】
表2にリストされた本発明の最も好ましい組成物は一般に、成分がリストされたような濃度±2質量パーセントで存在するときに所望の特性および機能性を維持すると予期される。COを含有する組成物は、COがリストされた濃度±0.2質量パーセントで存在するときに所望の特性および機能性を維持すると予期されるであろう。
【0025】
本発明の組成物は共沸または擬共沸組成物であってもよい。共沸組成物とは、単一物質として挙動する2つ以上の物質の定沸点混合物を意味する。共沸組成物を特徴づける一方法は、液体の部分蒸発または蒸留によって生み出された蒸気が、それがそれから蒸発するまたは蒸留される液体と同じ組成を有する、すなわち、混合物が組成変化なしに蒸留される/還流することである。定沸点組成物は、同じ化合物の非共沸混合物のそれと比べて、それらが最高沸点か最低沸点かのどちらかを示すので、共沸として特徴づけられる。共沸組成物は、システムの効率を低下させるかもしれない、運転中に冷凍またはエアコンシステム内で分別蒸留しないであろう。さらに、共沸組成物は冷凍またはエアコンシステムからの漏洩時に分別蒸留しないであろう。混合物の1成分が引火性である状況では、漏洩中の分別蒸留は、システム内かシステム外かのどちらかで引火性組成物につながり得るであろう。
【0026】
擬共沸組成物(一般に「共沸様組成物」とも言われる)は、本質的に単一物質として挙動する2つ以上の物質の実質的に定沸点の液体混合物である。擬共沸組成物を特徴づける一方法は、液体の部分蒸発または蒸留によって生み出された蒸気が、それがそれから蒸発したまたは蒸留された液体と実質的に同じ組成を有する、すなわち、混合物が実質的な組成変化なしに蒸留される/還流することである。擬共沸組成物を特徴づける別の方法は、ある特定の温度での組成物のバブルポイント蒸気圧および露点蒸気圧が実質的に同じものであることである。本明細書では、組成物の50質量パーセントが蒸発またはボイリングオフなどによって除去された後に、元の組成物と元の組成物の50質量パーセントが除去された後に残る組成物との間の蒸気圧の差が約10パーセント未満である場合に組成物は擬共沸である。
【0027】
特定の温度での本発明の共沸組成物は表3に示される。
【0028】
【表9】
【0029】
【表10】
【0030】
【表11】
【0031】
さらに、三成分共沸混合物組成物が表4にリストされるように見いだされた。
【0032】
【表12】
【0033】
【表13】
【0034】
【表14】
【0035】
【表15】
【0036】
特定の温度での本発明の擬共沸組成物が表5にリストされる。
【0037】
【表16】
【0038】
【表17】
【0039】
【表18】
【0040】
フルオロオレフィンを含む三成分およびより高次の擬共沸混合物組成物がまた表6にリストされるように特定された。
【0041】
【表19】
【0042】
【表20】
【0043】
【表21】
【0044】
【表22】
【0045】
本発明の組成物の幾つかは非共沸組成物である。表2の好ましい範囲内に入るが、表5および表6の擬共沸範囲外の本発明の組成物は非共沸であると考えられてもよい。
【0046】
非共沸組成物は共沸または擬共沸混合物よりも幾つかの利点を有するかもしれない。非共沸組成物は、単一物質としてよりもむしろ混合物として挙動する2つ以上の物質の混合物である。非共沸組成物を特徴づける一方法は、液体の部分蒸発または蒸留によって生み出された蒸気が、それがそれから蒸発したまたは蒸留された液体と実質的に異なる組成を有する、すなわち、混合物が実質的な組成変化ありで蒸留される/還流することである。非共沸組成物を特徴づける別の方法は、ある特定の温度での組成物のバブルポイント蒸気圧および露点蒸気圧が実質的に異なることである。本明細書では、組成物の50質量パーセントが蒸発またはボイリングオフなどによって除去された後に、元の組成物と元の組成物の50質量パーセントが除去された後に残った組成物との間の蒸気圧の差が約10パーセントより大きい場合に組成物は非共沸である。
【発明の効果】
【0047】
本発明の組成物は、ゼロまたは低いオゾン破壊係数および低い地球温暖化係数(GWP)を有する。さらに、本発明の組成物は、現在使用中の多くのハイドロフルオロカーボン冷媒より少ない地球温暖化係数を有するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の組成物は、所望量の個々の成分を組み合わせるための任意の便利な方法によって調製されてもよい。好ましい方法は、所望成分量を量り、そしてその後成分を適切な容
器で組み合わせることである。必要ならば、かき混ぜが用いられてもよい。
【0049】
本発明の組成物の代替製造方法は冷媒ブレンド組成物の製造方法であって、前記冷媒ブレンド組成物が本明細書に開示されるような組成物を含み、(i)冷媒組成物の1つまたは複数の成分のある容量を少なくとも1つの冷媒容器から回収する工程と、(ii)回収成分の前記1つまたは複数の再使用を可能にするのに十分なほど不純物を除去する工程と、(iii)場合により、前記回収容量の成分のすべてまたは一部を少なくとも1つの追加の冷媒組成物または成分と組み合わせる工程とを含む方法であってもよい。
【0050】
冷媒容器は、冷凍装置、エアコン装置またはヒートポンプ装置に使用されてきた冷媒ブレンド組成物がその中に貯蔵される任意の容器であってもよい。前記冷媒容器は、冷媒ブレンドがそれに使用された冷凍装置、エアコン装置またはヒートポンプ装置であってもよい。さらに、冷媒容器は、加圧ガスシリンダーを含むがそれに限定されない、回収冷媒ブレンド成分を集めるための貯蔵容器であってもよい。
【0051】
残留冷媒は、冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分を移すために公知の任意の方法によって冷媒容器から移動させられてもよい任意の量の冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分を意味する。
【0052】
不純物は、冷凍装置、エアコン装置またはヒートポンプ装置でのその使用のために冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分中に存在するいかなる成分であってもよい。かかる不純物には、本明細書で前に記載されたものである冷凍潤滑油、冷凍装置、エアコン装置またはヒートポンプ装置から出てきたかもしれない、金属、金属塩またはエラストマー粒子を含むがそれらに限定されない微粒子、および冷媒ブレンド組成物の性能に悪影響を及ぼすかもしれない任意の他の汚染物質が含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
かかる不純物は、冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分がそれに使用されるであろう機器の性能に悪影響を及ぼすことなく冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分の再使用を可能にするのに十分なほど除去されるかもしれない。
【0054】
所与の製品に要求される規格を満たす組成物を生み出すために残留冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分に追加の冷媒ブレンドまたは冷媒ブレンド成分を提供することが必要であるかもしれない。例えば、冷媒ブレンドが特定の質量百分率範囲で3つの成分を有する場合、組成物を規格限界内に戻すために所与の量で成分の1つまたは複数を追加することが必要であるかもしれない。
【0055】
本発明の一態様は、1000未満、500未満、150未満、100未満、または50未満の地球温暖化係数の冷媒を提供することである。本発明の別の態様は、前記混合物にフルオロオレフィンを加えることによって冷媒混合物のGWPを低下させることである。
【0056】
本発明の組成物は、R134a(またはHFC−134a、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、R22(またはHCFC−22、クロロジフルオロメタン)、R123(またはHFC−123、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン)、R11(CFC−11、フルオロトリクロロメタン)、R12(CFC−12、ジクロロジフルオロメタン)、R245fa(またはHFC−245fa、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、R114(またはCFC−114、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン)、R236fa(またはHFC−236fa、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、R124(またはHCFC−124、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、R407C(52質量パーセントのR134a、25質量パーセントのR125(ペンタフルオロエタン)、および23質量
パーセントのR32(ジフルオロメタン)のブレンドに対するアシュラエ(ASHRAE:米国暖房冷凍空調学会)呼称)、R410A(50質量パーセントのR125および50質量パーセントのR32のブレンドに対するアシュラエ呼称)、R417A(46.6質量パーセントのR125、50.0質量パーセントのR134a、および3.4質量パーセントのn−ブタンのブレンドに対するアシュラエ呼称)、R422A、R422B、R422C、R422D(85.1質量パーセントのR125、11.5質量パーセントのR134a、および3.4質量パーセントのイソブタンのブレンドに対するアシュラエ呼称)、R404A(44質量パーセントのR125、52質量パーセントのR143a(1,1,1−トリフルオロエタン)、および4.0質量パーセントのR134aのブレンドに対するアシュラエ呼称)ならびにR507A(50質量パーセントのR125および50質量パーセントのR143aのブレンドに対するアシュラエ呼称)を含むがそれらに限定されない、現在使用されている冷媒の低い地球温暖化係数(GWP)代替品として有用であるかもしれない。さらに、本発明の組成物は、R12(CFC−12、ジクロロジフルオロメタン)またはR502(51.2質量パーセントのCFC−115(クロロペンタフルオロエタン)および48.8質量パーセントのHCFC−22のブレンドに対するアシュラエ呼称)の代替品として有用であるかもしれない。
【0057】
しばしば代替冷媒は、異なる冷媒のためにデザインされた元の冷凍機器に使用することができる場合に最も有用である。本発明の組成物は、元の機器で前述の冷媒の代替品として有用であるかもしれない。さらに、本発明の組成物は、上述の冷媒を使用するようデザインされた機器で上述の冷媒の代替品として有用であるかもしれない。
【0058】
本発明の組成物は潤滑油をさらに含んでもよい。本発明の潤滑油は冷凍潤滑油、すなわち、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置での使用に好適なそれらの潤滑油を含む。これらの潤滑油の中には、クロロフルオロカーボン冷媒を利用する圧縮冷凍装置に通常使用されるものがある。かかる潤滑油およびそれらの特性は1990年アシュラエ・ハンドブック、冷凍システムおよび適用(1990 ASHRAE Handbook,Refrigeration Systems and Applications)、第8章、表題「冷凍システムでの潤滑油(Lubricants in Refrigeration Systems)」、8.1−8.21ページに議論されている。本発明の潤滑油は、圧縮冷凍潤滑の分野で「鉱油」として一般に知られるものを含んでもよい。鉱油はパラフィン(すなわち、直鎖および分岐鎖炭素鎖、飽和炭化水素)、ナフテン(すなわち、環式パラフィン)ならびに芳香族化合物(すなわち、交互二重結合によって特徴づけられる1つまたは複数の環を含有する不飽和の環式炭化水素)を含む。本発明の潤滑油は、圧縮冷凍潤滑の分野で「合成油」として一般に知られるものをさらに含む。合成油はアルキルアリール(すなわち線状および分岐アルキルのアルキルベンゼン)、合成パラフィンおよびナフテン、ならびにポリ(アルファオレフィン)を含む。本発明の代表的な通常の潤滑油は、商業的に入手可能なBVM 100 N(BVAオイルズ(BVA Oils)によって販売されるパラフィン系鉱油)、スニソ(Suniso)(登録商標)3GSおよびスニソ(登録商標)5GS(クロンプトン社(Crompton Co.)によって販売されるナフテン系鉱油)、ソンテックス(Sontex)(登録商標)372LT(ペンズオイル(Pennzoil)によって販売されるナフテン系鉱油)、カルメット(Calumet)(登録商標)RO−30(カルメット・リューブリカンツ(Calumet Lubricants)によって販売されるナフテン系鉱油)、ゼロール(Zerol)(登録商標)75、ゼロール(登録商標)150およびゼロール(登録商標)500(シュリーブ・ケミカルズ(Shrieve Chemicals)によって販売される線状アルキルベンゼン)ならびにハブ(HAB)22(新日本石油株式会社によって販売される分岐アルキルベンゼン)である。
【0059】
本発明の潤滑油はハイドロフルオロカーボン冷媒と一緒の使用をデザインされたものを
さらに含み、圧縮冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置運転条件下で本発明の冷媒と混和性である。かかる潤滑油およびそれらの特性はR.L.シュブキン(R.L.Shubkin)編、「合成潤滑油および高性能流体(Synthetic Lubricants and High−Performance Fluids)」、Marcel Dekker社、1993年に議論されている。かかる潤滑油には、キャストロール(Castrol)(登録商標)100(キャストロール、英国(Castrol、United Kingdom))などのポリオールエステル(POE)、ダウ(Dow)(ダウ・ケミカル、ミシガン州ミッドランド(Dow Chemical,Midland,Michigan))製のRL−488Aなどのポリアルキレングリコール(PAG)ならびにポリビニルエーテル(PVE)が含まれるが、それらに限定されない。これらの潤滑油は様々な商業的供給業者から容易に入手可能である。
【0060】
本発明の潤滑油は、所与の圧縮機の要件および潤滑油が曝されるであろう環境を考慮することによって選択される。本発明の潤滑油は好ましくは40℃で少なくとも約5cs(センチストークス)の動粘度を有する。
【0061】
一般に使用される冷凍システム添加剤が場合により、潤滑性およびシステム安定性を高めるために本発明の組成物に、要望通り加えられてもよい。これらの添加剤は、冷凍圧縮機潤滑の分野内で一般に公知であり、耐摩耗性試剤、極圧潤滑油、腐食および酸化防止剤、金属表面不活性化剤、フリーラジカル捕捉剤、発泡および発泡防止制御剤、漏洩検出剤などを含む。一般に、これらの添加剤は、全体潤滑油組成物に対して少量でのみ存在する。それらは典型的には、各添加剤の約0.1%未満から約3%ほどに多くまでの濃度で使用される。これらの添加剤は、個々のシステム要件に基づいて選択される。かかる添加剤の幾つかの典型的な例には、リン酸のおよびチオリン酸のアルキルまたはアリールエステルなどの、潤滑増強添加剤が挙げられるが、それらに限定されない。さらに、金属ジアルキルジチオホスフェート(例えばジチオリン酸ジアルキル亜鉛またはZDDP、リューブリゾール(Lubrizol)1375)およびこの族の化学薬品の他のメンバーが本発明の組成物に使用されてもよい。他の耐摩耗性添加剤には、天然物油、およびシナーゴル(Synergol)TMS(インターナショナル・リューブリカンツ(International Lubricants))などの非対称ポリヒドロキシル潤滑添加剤が含まれる。同様に、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、および水捕捉剤などの安定剤が用いられてもよい。このカテゴリーの化合物には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびエポキシドが含まれ得るが、それらに限定されない。
【0062】
本発明の組成物は、例えば、安定剤、フリーラジカル捕捉剤および/または酸化防止剤などの約0.01質量パーセント〜約5質量パーセントの添加剤をさらに含んでもよい。かかる添加剤には、ニトロメタン、ヒンダードフェノール、ヒドロキシルアミン、チオール、ホスファイト、またはラクトンが含まれるが、それらに限定されない。単一の添加剤または組み合わせが使用されてもよい。
【0063】
本発明の組成物は約0.01質量パーセント〜約5質量パーセントの水捕捉剤(乾燥化合物)をさらに含んでもよい。かかる水捕捉剤は、オルトギ酸トリメチル、トリエチル、またはトリプロピルなどのオルトエステルを含んでもよい。
【0064】
本発明の組成物は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(NO)およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたトレーサーをさらに含んでもよい。トレーサー化合物は、2005年2月18日出願の米国特許出願第11/062044号明細書に記載されているように、組成物の任意の希釈、汚染または他の変更の検出を可能にするため
の前もって測定された量で組成物に加えられる。
【0065】
本発明の組成物での使用のための典型的なトレーサー化合物は表7にリストされる。
【0066】
【表23】
【0067】
【表24】
【0068】
【表25】
【0069】
【表26】
【0070】
表7にリストされた化合物は(化学品卸売業者から)商業的に入手可能であるか、または当該技術で公知の方法によって製造されてもよい。
【0071】
単一トレーサー化合物が本発明の組成物で冷媒/加熱流体と組み合わせて使用されてもよく、または多数のトレーサー化合物がトレーサーブレンドとして役立つための任意の割合で組み合わせられてもよい。トレーサーブレンドは同じクラスの化合物からの多数のトレーサー化合物かまたは異なるクラスの化合物からの多数のトレーサー化合物を含有してもよい。例えば、トレーサーブレンドは、2つ以上の重水素化ハイドロフルオロカーボン、または1つまたは複数のパーフルオロカーボンと組み合わせた1つの重水素化ハイドロフルオロカーボンを含有してもよい。
【0072】
さらに、表7の化合物の幾つかは、多数の構造または光学異性体として存在する。同じ化合物の単一異性体または多数異性体がトレーサー化合物を調製するために任意の割合で使用されてもよい。さらに、所与の化合物の単一または多数異性体がトレーサーブレンドとして役立つために任意の数の他の化合物と任意の割合で組み合わせられてもよい。
【0073】
トレーサー化合物またはトレーサーブレンドは百万質量部当たり約50質量部(ppm)〜約1000ppmの総濃度で組成物中に存在してもよい。好ましくは、トレーサー化合物またはトレーサーブレンドは約50ppm〜約500ppmの総濃度で存在し、最も好ましくは、トレーサー化合物またはトレーサーブレンドは約100ppm〜約300ppmの総濃度で存在する。
【0074】
本発明の組成物は、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカンからなる群から選択された混和剤(compatibilizer)をさらに含んでもよい。混和剤は、通常の冷凍潤滑油へのハイドロフルオロカーボン冷媒の溶解度を向上させるために使用される。冷凍潤滑油は、冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置の圧縮機を潤滑にするために必要とされる。潤滑油は冷媒と共に装置の全体にわたって移動しなければならず、特にそれは、潤滑油として機能し、そして圧縮機破壊を回避し続けるために非圧縮機ゾーンから圧縮機へ戻らなければならない。
【0075】
ハイドロフルオロカーボン冷媒は一般に、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテンおよびポリ(アルファ)オレフィンなどの慣例冷凍潤滑油と相溶性ではない。多くの代替潤滑油が提案されてきたが、ハイドロフルオロカーボン冷媒との使用のために提案された、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステルおよびポリビニルエーテルは高価であり、水を容易に吸収する。冷凍、エアコンシステムまたはヒートポンプでの水は腐食および粒子の形成につながり得るし、粒子はシステム中の毛細管および他の小さなオリフィスを塞き、究極的にシステム破壊を引き起こすかもしれない。さらに、既存機器では、時間のかかる、費用のかかるフラッシング手順が新たな潤滑油に変えるために必要とされる。それ故、可能ならば、元の潤滑油を使用し続けることが望ましい。
【0076】
本発明の混和剤は、通常の冷凍潤滑油へのハイドロフルオロカーボン冷媒の溶解性を向上させ、こうして圧縮機への油戻しを改良する。
【0077】
本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤は、xが1〜3の整数であり、yが1〜4の整数であり、Rが水素ならびに1〜6個の炭素原子およびy個の結合部位を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rが2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rが水素ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つが前記炭化水素基である、式R[(ORORで表され、ここで、前記ポリオキシアルキレングリコールエーテルは約100〜約300原子質量単位の分子量を有する。本明細書で用いるところでは、結合部位は、他の基と共有結合を形成するために利用可能な基サイトを意味する。ヒドロカルビレン基は二価の炭化水素基を意味する。本発明では、好ましいポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤は、xが好ましくは1〜2であり、yが好ましくは1であり、RおよびRが好ましくは独立して水素ならびに1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rが好ましくは2または3個の炭素原子、最も好ましくは3個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される、R[(ORORで表され、ポリオキシアルキレングリコールエーテル分子量は好ましくは約100〜約250原子質量単位、最も好ましくは約125〜約250原子質量単位である。1〜6個の炭素原子を有するRおよびR炭化水素基は線状、分岐ま
たは環式であってもよい。代表的なRおよびR炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤上の遊離のヒドロキシル基がある種の圧縮冷凍装置構築資材(例えばマイラー(Mylar)(登録商標))と相性が悪いかもしれない場合、RおよびRは好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは1個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基である。2〜4個の炭素原子を有するR脂肪族ヒドロカルビレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、およびオキシブチレン基を含む繰り返しオキシアルキレン基−(OR−を形成する。1つのポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤分子中にRを含むオキシアルキレン基は、同じものであってもよいし、または1つの分子は異なるRオキシアルキレン基を含有してもよい。本発明のポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤は好ましくは少なくとも1つのオキシプロピレン基を含む。Rが1〜6個の炭素原子およびy個の結合部位を有する脂肪族または脂環式炭化水素基である場合、該基は線状、分岐または環式であってもよい。2個の結合部位を有する代表的なR脂肪族炭化水素基には、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロペンチレン基およびシクロヘキシレン基が含まれる。3または4個の結合部位を有する代表的なR脂肪族炭化水素基には、それらのヒドロキシル基を除去することによって、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサンおよび1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの、ポリアルコールに由来する残基が含まれる。
【0078】
代表的なポリオキシアルキレングリコールエーテル混和剤には、CHOCHCH(CH)O(HまたはCH)(プロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、CHO[CHCH(CH)O](HまたはCH)(ジプロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、CHO[CHCH(CH)O](HまたはCH)(トリプロピレングリコールメチル(またはジメチル)エーテル)、COCHCH(CH)O(HまたはC)(プロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールエチル(またはジエチル)エーテル)、COCHCH(CH)O(HまたはC)(プロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールn−プロピル(またはジ−n−プロピル)エーテル)、COCHCH(CH)OH(プロピレングリコールn−ブチルエーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(ジプロピレングリコールn−ブチル(またはジ−n−ブチル)エーテル)、CO[CHCH(CH)O](HまたはC)(トリプロピレングリコールn−ブチル(またはジ−n−ブチル)エーテル)、(CHCOCHCH(CH)OH(プロピレングリコールt−ブチルエーテル)、(CHCO[CHCH(CH)O](HまたはC(CH)(ジプロピレングリコールt−ブチル(またはジ−t−ブチル)エーテル)、(CHCO[CHCH(CH)O](HまたはC(CH)(トリプロピレングリコールt−ブチル(またはジ−t−ブチル)エーテル)、C11OCHCH(CH)OH(プロピレングリコールn−ペンチルエーテル)、COCHCH(C)OH(ブチレングリコールn−ブチルエーテル)、CO[CHCH(C)O]H(ジブチレングリコールn−ブチルエーテル)、トリメチロールプロパントリ−n−ブチルエーテル(CC(CHO(CHCH)およびトリメチロールプロパンジ−n−ブチルエーテル(CC(C
OC(CHCHCHOH)が含まれるが、それらに限定されない。
【0079】
本発明のアミド混和剤は、R、R、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、Rが3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される、式RC(O)NRおよびシクロ−[RC(O)N(R)−]で表されるものを含み、ここで、前記アミドは約100〜約300原子質量単位の分子量を有する。前記アミドの分子量は好ましくは約160〜約250原子質量単位である。R、R、RおよびRは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択された非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。R、R、RおよびRは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子からなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がR1〜3中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。好ましいアミド混和剤は炭素、水素、窒素および酸素からなる。代表的なR、R、RおよびR脂肪族および脂環式炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの立体配置異性体が含まれる。アミド混和剤の好ましい実施形態は、前述の式シクロ−[RC(O)N(R)−]中のRがヒドロカルビレン基(CRで表されてもよいもの、言い換えれば、式シクロ−[(CRC(O)N(R)−](ここで、分子量について前に述べられた値が適用され、nは3〜5の整数であり、Rは1〜12個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基であり、RおよびRは独立してR1〜3の定義で前に提供された規則によって(各nについて)選択される)のものである。式シクロ−[(CRC(O)N(R)−]で表されるラクタムで、すべてのRおよびRは好ましくは水素であるか、またはn個のメチレン単位の中に単一の飽和炭化水素基を含有し、Rは3〜12個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基である。例えば、1−(飽和炭化水素基)−5−メチルピロリジン−2−オン。
【0080】
代表的なアミド混和剤には、1−オクチルピロリジン−2−オン、1−デシルピロリジン−2−オン、1−オクチル−5−メチルピロリジン−2−オン、1−ブチルカプロラクタム、1−シクロヘキシルピロリジン−2−オン、1−ブチル−5−メチルピペリド−2−オン、1−ペンチル−5−メチルピペリド−2−オン、1−ヘキシルカプロラクタム、1−ヘキシル−5−メチルピロリジン−2−オン、5−メチル−1−ペンチルピペリド−2−オン、1,3−ジメチルピペリド−2−オン、1−メチルカプロラクタム、1−ブチル−ピロリジン−2−オン、1,5−ジメチルピペリド−2−オン、1−デシル−5−メチルピロリジン−2−オン、1−ドデシルピロリド−2−オン、N,N−ジブチルホルムアミドおよびN,N−ジイソプロピルアセトアミドが含まれるが、それらに限定されない。
【0081】
本発明のケトン混和剤は、RおよびRが独立して1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択され、そして約70〜約300原子質量単位の分子量を有する、式RC(O)Rで表されるケトンを含む。前記ケトン中のRおよびRは好ましくは独立して1〜9個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される。前記ケトンの分子量は好ましくは約100〜200原子質量単位である。RおよびRは一緒になって連結ヒドロカルビレン基を形成し、5、6、または7員環環式ケトン、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、およびシクロヘプタノンを形成してもよい。RおよびRは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロ
ゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択された非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。RおよびRは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子からなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(ケト−、オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がRおよびR中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。一般式RC(O)R中の代表的なRおよびR脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基には、フェニル、ベンジル、クメニル、メシチル、トリル、キシリルおよびフェネチルだけでなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの立体配置異性体が含まれる。
【0082】
代表的なケトン混和剤には、2−ブタノン、2−ペンタノン、アセトフェノン、ブチロフェノン、ヘキサノフェノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−オクタノン、3−オクタノン、ジイソブチルケトン、4−エチルシクロヘキサノン、2−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、4−デカノン、2−デカロン、2−トリデカノン、ジヘキシルケトンおよびジシクロヘキシルケトンが含まれるが、それらに限定されない。
【0083】
本発明のニトリル混和剤は、Rが5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される、式RCNで表されるニトリルであって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリルを含む。前記ニトリル混和剤中のRは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から好ましくは選択される。前記ニトリル混和剤の分子量は好ましくは約120〜約140原子質量単位である。Rは場合により置換炭化水素基、すなわち、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素)およびアルコキシド(例えばメトキシ)から選択された非炭化水素置換基を含有する基を含んでもよい。Rは場合によりヘテロ原子置換炭化水素基、すなわち、さもなければ炭素原子よりなる基鎖中に原子窒素(アザ−)、酸素(ケト−、オキサ−)または硫黄(チア−)を含有する基を含んでもよい。一般に、3つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基およびヘテロ原子がR中の各10個の炭素原子につき存在するだろうし、任意のかかる非炭化水素置換基およびヘテロ原子の存在は、前述の分子量制限を適用する際に考慮されなければならない。一般式RCN中の代表的なR脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基には、フェニル、ベンジル、クメニル、メシチル、トリル、キシリルおよびフェネチルだけでなく、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの立体配置異性体が含まれる。
【0084】
代表的なニトリル混和剤には、1−シアノペンタン、2,2−ジメチル−4−シアノペンタン、1−シアノヘキサン、1−シアノヘプタン、1−シアノオクタン、2−シアノオクタン、1−シアノノナン、1−シアノデカン、2−シアノデカン、1−シアノウンデカンおよび1−シアノドデカンが含まれるが、それらに限定されない。
【0085】
本発明のクロロカーボン混和剤は、xが整数1または2から選択され、Rが1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される、式RClで表されるクロロカーボンであって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボンを含む。前記クロロカーボン混和剤の分子量は好ましくは約120〜150原子質量単位である。一般式RCl中の代表的なR脂肪族および脂環式炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルおよびそれらの立体配置異性体が含まれる。
【0086】
代表的なクロロカーボン混和剤には、3−(クロロメチル)ペンタン、3−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1,6−ジクロロヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、1−クロロノナン、1−クロロデカン、および1,1,1−トリクロロデカンが含まれるが、それらに限定されない。
【0087】
本発明のエステル混和剤は、RおよびRが独立して線状および環式の、飽和および不飽和の、アルキルおよびアリール基から選択される、一般式RCOで表されるエステルを含む。好ましいエステルは本質的には元素C、HおよびOからなり、約80〜約550原子質量単位の分子量を有する。
【0088】
代表的なエステルには、(CHCHCHOOC(CH2〜4OCOCHCH(CH(二塩基酸ジイソブチルエステル)、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸n−プロピル、安息香酸エチル、フタル酸ジ−n−プロピル、安息香酸エトキシエチルエステル、炭酸ジプロピル、「イグザート(Exxate)700」(市販の酢酸Cアルキル)、「イグザート800」(市販の酢酸Cアルキル)、フタル酸ジブチルおよび酢酸第三ブチルが含まれるが、それらに限定されない。
【0089】
本発明のラクトン混和剤は構造[A]、[B]、および[C]で表されるラクトンを含む:
【0090】
【化1】
【0091】
これらのラクトンは、構造[A]および[B]について、R〜Rが独立して水素または線状、分岐、環式、二環式、飽和および不飽和ヒドロカルビル基から選択される、6原子(A)、または好ましくは5原子(B)の環中に官能基−CO−を含有する。各R〜Rは別のR〜Rと連結されて環を形成してもよい。ラクトンは、R〜Rが独立して水素または線状、分岐、環式、二環式、飽和および不飽和ヒドロカルビル基から選択される、構造[C]のように環外アルキリデン基を有してもよい。各R〜Rは別のR〜Rと連結されて環を形成してもよい。ラクトン混和剤は約100〜約300原子質量単位、好ましくは約100〜約200原子質量単位の分子量範囲を有する。
【0092】
代表的なラクトン混和剤には、表8にリストされる化合物が含まれるが、それらに限定
されない。
【0093】
【表27】
【0094】
【表28】
【0095】
【表29】
【0096】
【表30】
【0097】
ラクトン混和剤は一般に40℃で約7センチストーク未満の動粘度を有する。例えば、両方とも40℃で、ガンマ−ウンデカラクトンは5.4センチストークの動粘度を有し、シス−(3−ヘキシル−5−メチル)ジヒドロフラン−2−オンは4.5センチストークの粘度を有する。ラクトン混和剤は商業的に入手可能であるかもしれないし、または参照により本明細書に援用される、2004年8月3日出願の米国特許出願第10/910,495号明細書に記載されているような方法によって製造されてもよい。
【0098】
本発明のアリールエーテル混和剤は、Rが6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rが1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される、式RORで表されるアリールエーテルであって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテルをさらに含む。一般式ROR中の代表的なRアリール基には、フェニル、ビフェニル、クメニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチルおよびピリジルが含まれる。一般式ROR中の代表的なR脂肪族炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチルおよび第三ブチルが含まれる。代表的な芳香族エーテル混和剤には、メチルフェニルエーテル
(アニソール)、1,3−ジメトキシベンゼン、エチルフェニルエーテルおよびブチルフェニルエーテルが含まれるが、それらに限定されない。
【0099】
本発明のフルオロエーテル混和剤は、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素基、好ましくは第一、線状、飽和アルキル基から選択される、一般式ROCFCFHで表されるものを含む。代表的なフルオロエーテル混和剤には、C17OCFCFHおよびC13OCFCFHが含まれるが、それらに限定されない。冷媒がフルオロエーテルである場合、そのときは混和剤が同じフルオロエーテルであってはならないことは留意されるべきである。
【0100】
フルオロエーテル混和剤は、フルオロオレフィンとポリオールとから誘導されたエーテルをさらに含んでもよい。フルオロオレフィンは、Xが水素、塩素またはフッ素であり、Yが塩素、フッ素、CFまたはRがCF、CもしくはCであるORである、タイプCF=CXYのものであってもよい。代表的なフルオロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびパーフルオロメチルビニルエーテルである。ポリオールは線状または分岐であってもよい。線状ポリオールは、RおよびR’が水素、またはCH、またはCであり、そしてxが0〜4の整数であり、yが0〜4の整数である、タイプHOCH(CHOH)(CRR’)CHOHのものであってもよい。分岐ポリオールは、Rが水素、CHまたはCであってもよく、mが0〜3の整数であってもよく、tおよびuが0または1であってもよく、vおよびwが0〜4の整数であり、そしてまたここで、t+u+v+w=4である、タイプC(OH)(R)(CHOH)[(CHCHOH]のものであってもよい。代表的なポリオールはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ブタンジオール、およびエチレングリコールである。
【0101】
本発明の1,1,1−トリフルオロアルカン混和剤は、Rが約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基、好ましくは第一、線状、飽和アルキル基から選択される、一般式CFで表される1,1,1−トリフルオロアルカンを含む。代表的な1,1,1−トリフルオロアルカン混和剤には、1,1,1−トリフルオロヘキサンおよび1,1,1−トリフルオロドデカンが含まれるが、それらに限定されない。
【0102】
混和剤の有効量とは、組成物への潤滑油の有効な可溶化につながり、こうして冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置の運転を最適化するのに十分な油戻しを提供する混和剤の量を意味する。
【0103】
本発明の組成物は典型的には、約0.1〜約40質量パーセント、好ましくは約0.2〜約20質量パーセント、最も好ましくは約0.3〜約10質量パーセントの混和剤を本発明の組成物に含有するであろう。
【0104】
本発明はさらに、圧縮冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置での圧縮機へのオイル−リターンの改良方法であって、前記装置での混和剤を含む本発明の組成物の使用を含む前記方法に関する。混和剤は、炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ケトン、ニトリル、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、ハイドロフルオロエーテル、炭化水素エーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカンからなる群から選択される。
【0105】
本発明はさらに、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択された冷凍潤滑油への本発明の組成物を含む冷媒または伝熱流体の可溶化方法であって、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル
、フルオロエーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカンからなる群から選択される、有効量の混和剤の存在下で前記潤滑油を前記組成物と接触させる工程を含む方法に関する。
【0106】
本発明の組成物は、紫外線(UV)染料および場合により可溶化剤をさらに含んでもよい。UV染料は、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置の漏洩ポイントでまたは該装置の近くで組成物中の染料の蛍光を観察させることによって組成物の漏洩を検出するために有用な成分である。紫外光下に染料の蛍光を観察してもよい。可溶化剤は、幾つかの組成物へのかかるUV染料の不満足な溶解性のために必要とされるかもしれない。
【0107】
「紫外線」染料とは、電磁スペクトルの紫外または「近」紫外領域の光を吸収するUV蛍光組成物を意味する。10ナノメートル〜750ナノメートルのどこかの波長の放射線を発するUV光による照明下にUV蛍光染料によって生み出される蛍光が検出されてもよい。それ故、かかるUV蛍光染料を含有する組成物が冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置の所与のポイントから漏洩しつつある場合、蛍光を漏洩ポイントで検出することができる。かかるUV蛍光染料には、ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセイン、およびそれらの誘導体または組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0108】
本発明に従って、圧縮冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置での前述のような染料を含む本発明の組成物の検出方法が提供される。本方法は、本組成物を装置に提供する工程と、装置の漏洩ポイントでまたは装置の近くで本組成物を検出するための好適な手段を提供する工程とを含む。
【0109】
本発明の可溶化剤は、炭化水素、炭化水素エーテル、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカンからなる群から選択された少なくとも1つの化合物を含む。ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカン可溶化剤は通常の冷凍潤滑油と一緒での使用のための混和剤であるとして本明細書に前に定義された。
【0110】
本発明の炭化水素可溶化剤は、他の官能基が全くなしの5個またはそれより少ない炭素原子および水素だけを含有する直鎖、分岐鎖または環式アルカンまたはアルケンを含む炭化水素を含む。代表的な炭化水素可溶化剤はプロパン、プロピレン、シクロプロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタンおよびn−ペンタンを含む。組成物が炭化水素を含有する場合、そのときは可溶化剤が同じ炭化水素であってはならないことは留意されるべきである。
【0111】
本発明の炭化水素エーテル可溶化剤は、ジメチルエーテル(DME)などの、炭素、水素および酸素だけを含有するエーテルを含む。
【0112】
本発明の可溶化剤は、単一化合物として存在してもよいし、または2つ以上の可溶化剤の混合物として存在してもよい。可溶化剤の混合物は、同じクラスの化合物からの2つの可溶化剤、例えば2つのラクトン、または、ラクトンおよびポリオキシアルキレングリコールエーテルなどの、2つの異なるクラスからの2つの可溶化剤を含有してもよい。
【0113】
冷媒およびUV蛍光染料を含む、または伝熱流体およびUV蛍光染料を含む本発明の組成物で、組成物の約0.001質量パーセント〜約1.0質量パーセント、好ましくは約
0.005質量パーセント〜約0.5質量パーセント、最も好ましくは0.01質量パーセント〜約0.25質量パーセントがUV染料である。
【0114】
ケトンなどの可溶化剤は臭いマスキング剤または香料の添加によってマスクすることができる不快臭を有するかもしれない。臭いマスキング剤の典型的な例には、d−リモネンおよびピネンだけでなく、すべて商業的に入手可能なエバーグリーン(Evergreen)、フレッシュ・レモン(Fresh Lemon)、チェリー(Cherry)、シナモン(Cinnamon)、ペパーミント(Peppermint)、フローラル(Floral)またはオレンジ・ピール(Orange Peel)が挙げられるかもしれない。かかる臭いマスキング剤は、臭いマスキング剤と混和剤との組み合わせ質量を基準にして約0.001%から約15質量%ほどに多い濃度で使用されてもよい。
【0115】
本発明の組成物へのこれらのUV蛍光染料の溶解性は不満足であるかもしれない。それ故、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置へのこれらの染料の導入方法は厄介で、コストが高くつき、時間のかかるものであった。再発行米国特許第Re36,951号明細書は、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置の部品へ挿入されてもよい染料粉末、染料の固体ペレットまたはスラリーを利用する方法を記載している。冷媒および潤滑油が装置のすみずみまで循環されるので、染料は溶解または分散されて装置の全体にわたって運ばれる。染料を冷凍またはエアコン装置へ導入するための多数の他の方法が文献に記載されている。
【0116】
理想的には、UV蛍光染料は冷媒それ自体に溶解することができ、それによって冷凍、エアコン装置、またはヒートポンプへの導入のためのいかなる特別な方法も必要としないであろう。本発明は、冷媒中の溶液としてシステムへ導入されてもよい、UV蛍光染料を含む組成物に関する。本発明の組成物は、染料を溶液に維持したまま低温でさえ染料含有組成物の貯蔵および移送を可能にするであろう。
【0117】
冷媒、UV蛍光染料および可溶化剤を含む、または伝熱流体およびUV蛍光染料および可溶化剤を含む本発明の組成物中で、組み合わせられた組成物の約1〜約50質量パーセント、好ましくは約2〜約25質量パーセント、最も好ましくは約5〜約15質量パーセントが可溶化剤である。本発明の組成物中にUV蛍光染料は約0.001質量パーセント〜約1.0質量パーセント、好ましくは0.005質量パーセント〜約0.5質量パーセント、最も好ましくは0.01質量パーセント〜約0.25質量パーセントの濃度で存在する。
【0118】
本発明はさらに、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置に、紫外線蛍光染料、および場合により、可溶化剤をさらに含む組成物の使用方法に関する。本方法は、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置へ本組成物を導入する工程を含む。これは、可溶化剤の存在下でUV蛍光染料を本組成物に溶解し、該組み合わせを装置へ導入することによって行われてもよい。あるいはまた、これは、可溶化剤とUV蛍光染料とを組み合わせ、前記組み合わせを、冷媒および/または伝熱流体を含有する冷凍またはエアコン装置へ導入することによって行われてもよい。生じた組成物は、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置で使用されてもよい。
【0119】
本発明はさらに、漏洩を検出するための紫外線蛍光染料を含む組成物の使用方法に関する。組成物中の染料の存在は、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置での漏洩冷媒の検出を可能にする。漏洩検出は、装置もしくはシステムの非能率的な運転または機器破壊に対処する、それを解決するまたは予防するのに役立つ。漏洩検出はまた、装置の運転に使用される化学薬品を封じ込めるのを助ける。
【0120】
本方法は、本明細書に記載されるような冷媒、紫外線蛍光染料、そして場合により本明細書に記載されるような可溶化剤を含む本発明による組成物を冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置に提供する工程と、装置の漏洩ポイントでまたはその装置の近くでUV蛍光染料含有冷媒を検出するための好適な手段を用いる工程とを含む。染料を検出するための好適な手段には、しばしば「ブラックライト」または「ブルーライト」と言われる、紫外線ランプが含まれるが、それに限定されない。この目的にために特にデザインされた、かかる紫外線ランプは多数の供給業者から商業的に入手可能である。いったん紫外線蛍光染料含有組成物が冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置に導入され、そしてシステムの全体にわたって循環させられてしまったら、漏洩は、前記紫外線ランプを装置に当て、任意の漏洩ポイントの近くで染料の蛍光を観察することによって見つけることができる。
【0121】
本発明はさらに、冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置での高GWP冷媒を置換える方法であって、前記高GWP冷媒がR134a、R22、R123、R11、R245fa、R114、R236fa、R124、R12、R410A、R407C、R413A、R417A、R422A、R422B、R422CおよびR422D、R423A、R507A、R502およびR404Aからなる群から選択され、前記高GWP冷媒を使用する、使用したまたは使用するようデザインされている前記冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置に本発明の組成物を提供する工程を含む方法に関する。
【0122】
上の段落に記載されたような本方法の特定の実施形態では、高GWP冷媒は、上記のようなR134a、R22、R123、R11、R245fa、R114、R236fa、R124、R12、R410A、R407C、R413A、R417A、R422A、R422B、R422CおよびR422D、R423A、R507A、R502およびR404Aからなる群から選択される。本方法は、前記高GWP冷媒を使用する、使用したまたは使用するようにデザインした前記冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置に、約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a、約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1234yf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのトランス−HFC−1234ze;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1243zf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−134a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−227ea;ならびに約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのCFIからなる群から選択される組成物を提供する工程をさらに含む。
【0123】
蒸気−圧縮冷凍、エアコン、またはヒートポンプシステムには、エバポレーター、圧縮機、凝縮器、および膨張デバイスが含まれる。蒸気−圧縮サイクルは、一工程で冷却効果、そして異なる工程で加熱効果をもたらす多段工程で冷媒を再使用する。サイクルは次の通り簡単に説明することができる。液体冷媒は膨張デバイスを通ってエバポレーターに入り、液体冷媒はエバポレーターにおいて低温で沸騰してガスを形成し、冷却を行う。低圧ガスは圧縮機に入り、そこでガスは圧縮されてその圧力および温度を上げる。より高い圧力の(圧縮された)ガス状冷媒は次に凝縮器に入り、そこで冷媒は凝縮し、その熱を周囲に吐出する。冷媒は膨張デバイスに戻り、それによって液体は凝縮器におけるより高い圧力レベルからエバポレーターにおける低い圧力レベルに膨張し、このようにサイクルを繰
り返す。
【0124】
本発明によれば、本発明の組成物を含有する冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置が提供される。特に、冷凍またはエアコン装置は移動式装置であってもよい。
【0125】
本明細書で用いるところでは、移動式冷凍装置または移動式エアコン装置は、道路、鉄道、海または空用の輸送ユニットへ組み入れられた任意の冷凍またはエアコン装置を意味する。加えて、「共同一貫輸送」システムとして知られる、任意の移動キャリヤーから独立したシステムに冷凍またはエアコンを提供することを意図される装置も本発明に包含される。かかる共同一貫輸送システムには、「スワップボディ」(組み合わせられた道路/鉄道輸送)だけでなく「コンテナ」(組み合わせられた海/陸輸送)も含まれる。本発明は、自動車エアコン装置または冷凍道路輸送機器などの、道路輸送冷凍またはエアコン装置向けに特に有用である。
【0126】
本発明の組成物はまた、固定エアコンおよびヒートポンプ、例えば冷却装置、高温ヒートポンプ、住宅ならびに軽商業および商業エアコンシステムにも有用であるかもしれない。固定冷凍用途では、本発明の組成物は、家庭冷蔵庫、製氷機、ウォーク−インおよびリーチ−イン・クーラーおよびフリーザー、ならびにスーパーマーケットシステムなどの機器に有用であるかもしれない。
【0127】
本発明はさらに、冷却されるべき本体の近くで本発明のいかなる組成物も蒸発させる工程と、その後前記組成物を凝縮させる工程とを含む冷却を行う方法に関する。
【0128】
本発明はさらに、加熱されるべき本体の近くで本発明のいかなる組成物も凝縮させる工程と、その後前記組成物を蒸発させる工程とを含む熱を産生させる方法に関する。
【0129】
本発明はさらに、本発明の組成物を含有する冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置であって、前記組成物が少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む装置に関する。
【0130】
本発明はさらに、本発明の組成物を含有する移動式エアコン装置であって、前記組成物が少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む装置に関する。
【0131】
本発明はさらに、冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置での冷媒漏洩の早期検出方法に関する。本方法は、前記装置で非共沸組成物を使用する工程と、冷却性能の低下を監視する工程とを含む。非共沸組成物は、冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置からの漏洩時に分別蒸留し、より低沸点(より高い蒸気圧)成分が最初に装置から漏洩するであろう。これが起こるとき、当該組成物中のより低沸点成分が冷凍能力の大部分を提供する場合には、装置の能力、従って性能の著しい低下があろう。例として、自動車エアコンシステムでは、自動車の乗客はシステムの冷却能力の低下に気付くであろう。冷却能力のこの低下は、冷媒が漏洩中であること、およびシステムが修理を要することを意味すると解釈することができる。
【0132】
本発明はさらに、伝熱流体組成物としての本発明の組成物の使用方法に関する。本方法は、前記組成物を熱源からヒートシンクに運ぶ工程を含む。
【0133】
伝熱流体は、輻射、伝導、または対流によって熱を一空間、場所、物体または本体から異なる空間、場所、物体または本体へ移す、移動させるまたは除去するために利用される。伝熱流体は、遠く離れた冷凍(または加熱)システムから冷却(または加熱)のための移送の手段を提供することによって二次クーラントとして機能してもよい。幾つかのシステムでは、伝熱流体は、移送プロセスの全体にわたって一定の状態のままであってもよい
(すなわち、蒸発しないまたは凝縮しない)。あるいはまた、蒸発冷却プロセスは同様に伝熱流体を利用してもよい。
【0134】
熱源は、それから熱を移す、移動させるまたは除去することが望まれる任意の空間、場所、物体または本体と定義されてもよい。熱源の例は、冷蔵庫またはスーパーマーケットでのフリーザーケースなどの、冷凍もしくは冷却を必要とする空間(開かれたまたは閉ざされた)、エアコンを必要とする建物空間、またはエアコンを必要とする自動車の客室であってもよい。ヒートシンクは、熱を吸収することができる任意の空間、場所、物体または本体と定義されてもよい。蒸気圧縮冷凍システムは、かかるヒートシンクの一例である。
【0135】
ある種の実施形態では、上記の成分の特定の組み合わせが特定の質量百分率で使用されてもよい。以下の組成物は、本発明の組成物の範囲を下記に限定することなく、かかる実施形態の模範的なものであることを意図している。
【0136】
一実施形態では、本発明は、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択された少なくとも1つの潤滑油と、約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1234yf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのトランス−HFC−1234ze;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1243zf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−134a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−227ea;ならびに約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのCFIからなる群から選択された組成物とを含む組成物に関する。
【0137】
別の実施形態では、本発明は、約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1234yf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのトランス−HFC−1234ze;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1243zf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−134a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−227ea;ならびに約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのCFIからなる群から選択された冷媒または伝熱流体組成物を含む組成物に関する。本組成物はまた、i)式R[(OROR(式中、xは1〜3の整数であり、yは1〜4の
整数であり、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子およびy個の結合部位を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rは2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つは前記炭化水素基から選択される)で表されるポリオキシアルキレングリコールエーテルであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するポリオキシアルキレングリコールエーテル;ii)式RC(O)NRおよびシクロ−[RCON(R)−](式中、R、R、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基、ならびに6〜12個の炭素原子を有する多くても1つの芳香族基から選択され、Rは3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表されるアミドであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するアミド;iii)式RC(O)R(式中、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択される)で表されるケトンであって、約70〜約300原子質量単位の分子量を有するケトン;iv)式RCN(式中、Rは5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される)で表されるニトリルであって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリル;v)式RCl(式中、xは1または2であり、Rは1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるクロロカーボンであって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボン;vi)式ROR(式中、Rは6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される)で表されるアリールエーテルであって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテル;vii)式CF(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表される1,1,1−トリフルオロアルカン;viii)式ROCFCFH(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素から選択される)で表されるフルオロエーテルであって、フルオロオレフィンとポリオールとから誘導され、ここで、前記フルオロオレフィンがタイプCF=CXY(式中、Xは水素、塩素またはフッ素であり、Yは塩素、フッ素、CFまたはOR(ここで、RはCF、C、またはCである)のものであり、そして前記ポリオールが線状または分岐であり、ここで、前記線状ポリオールがタイプHOCH(CHOH)(CRR’)CHOH(式中、RおよびR’は水素、CHまたはCであり、xは0〜4の整数であり、yは0〜3の整数であり、zは0か1かのどちらかである)のものであり、そして前記分岐ポリオールがタイプC(OH)(R)(CHOH)[(CHCHOH](式中、Rは水素、CHまたはCであってもよく、mは0〜3の整数であり、tおよびuは0または1であり、vおよびwは0〜4の整数であり、そしてまた式中t+u+v+w=4である)のものであるフルオロエーテル;ならびにix)構造[B]、[C]、および[D]:
【0138】
【化2】
【0139】
(式中、R〜Rは独立して、水素、線状、分岐の環式、二環式の、飽和および不飽和ヒドロカルビル基である)で表され、分子量が約100〜約300の妥当な原子質量単位であるラクトン;ならびにx)一般式RCO(式中、RおよびRは独立して、線状および環式の、飽和および不飽和アルキルおよびアリール基である)で表されるエステルであって、約80〜約550原子質量単位の分子量を有するエステルからなる群から選択された混和剤を含む。
【0140】
本発明によれば、上の段落に記載されたような組成物を含有する冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置が提供される。特に、冷凍またはエアコン装置は移動式装置であってもよい。
【0141】
さらに本特定の実施形態に従って、本発明は、圧縮冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置での圧縮機へのオイル−リターンの改良方法に関する。本方法は、上の段落に記載されたような組成物を圧縮冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置に使用することを含む。
【0142】
別の特定の実施形態では、本発明は、(a)ナフタルイミド、ペリレン、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン、フルオレセイン、前記染料の誘導体およびそれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも1つの紫外線蛍光染料と、(b)約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1234yf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのトランス−HFC−1234ze;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1243zf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−134a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−227ea;ならびに約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのCFIからなる群から選択された組成物と含む組成物に関する。
【0143】
本発明に従って、圧縮冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置での前の段落に記載され
たような染料を含む組成物の検出方法が提供される。本方法は、本組成物を装置に提供する工程と、装置の漏洩ポイントでまたは装置の近くで本組成物を検出するための好適な手段を提供する工程とを含む。
【0144】
本発明によれば、2段落前に記載されたような組成物を含有する冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置が提供される。特に、冷凍またはエアコン装置は移動式装置であってもよい。
【0145】
さらに本特定実施形態に従って、3段落前に記載された(a)および(b)を含む組成物は、炭化水素、ジメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ケトン、ニトリル、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、ハイドロフルオロエーテルおよび1,1,1−トリフルオロアルカンからなる群から選択された可溶化剤をさらに含む。
【0146】
本発明に従って、圧縮冷凍、エアコンまたはヒートポンプ装置での前の段落に記載されたような染料を含む組成物の検出方法が提供される。本方法は、本組成物を装置に提供する工程と、装置の漏洩ポイントでまたは装置の近くで本組成物を検出するための好適な手段を提供する工程とを含む。
【0147】
上の段落に記載された本組成物の可溶化剤は、i)式R[(OROR(式中、xは1〜3の整数であり、yは1〜4の整数であり、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子およびy個の結合部位を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rは2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つは前記炭化水素基から選択される)で表されるポリオキシアルキレングリコールエーテルであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するポリオキシアルキレングリコールエーテル;ii)式RC(O)NRおよびシクロ−[RCON(R)−](式中、R、R、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基、ならびに6〜12個の炭素原子を有する多くても1つの芳香族基から選択され、Rは3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表されるアミドであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するアミド;iii)式RC(O)R(式中、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択される)で表されるケトンであって、約70〜約300原子質量単位の分子量を有するケトン;iv)式RCN(式中、Rは5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される)で表されるニトリルであって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリル;v)式RCl(式中、xは1または2であり、Rは1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるクロロカーボンであって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボン;vi)式ROR(式中、Rは6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される)で表されるアリールエーテルであって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテル;vii)式CF(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表される1,1,1−トリフルオロアルカン;viii)式ROCFCFH(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素から選択される)で表されるフルオロエーテルであって、フルオロオレフィンとポリオールとから誘導され、ここで、前記フルオロオレフィンがタイプCF=CXY(式中、Xは水素、塩素またはフッ素であり、Yは塩素、フッ素、CFまたはOR(ここで、RはCF、C、またはCである)のものであり、そして前記ポリオールが線状または分岐
であり、ここで、前記線状ポリオールがタイプHOCH(CHOH)(CRR’)CHOH(式中、RおよびR’は水素、CHまたはCであり、xは0〜4の整数であり、yは0〜3の整数であり、zは0か1かのどちらかである)のものであり、そして前記分岐ポリオールがタイプC(OH)(R)(CHOH)[(CHCHOH](式中、Rは水素、CHまたはCであってもよく、mは0〜3の整数であり、tおよびuは0または1であり、vおよびwは0〜4の整数であり、そしてまた式中t+u+v+w=4である)のものであるフルオロエーテル;ならびにix)構造[B]、[C]、および[D]:
【0148】
【化3】
【0149】
(式中、R〜Rは独立して、水素、線状、分岐の環式、二環式の、飽和および不飽和ヒドロカルビル基である)で表され、分子量が約100〜約300原子質量単位であるラクトン;ならびにx)一般式RCO(式中、RおよびRは独立して、線状および環式の、飽和および不飽和アルキルおよびアリール基である)で表されるエステルであって、約80〜約550原子質量単位の分子量を有するエステルからなる群から選択される。
【0150】
上記のような混和剤を含む、または上記のような染料を含む、または上記のような染料および可溶化剤を含む特定の組成物は冷却を行う方法に使用されてもよい。冷却を行う方法は、冷却されるべき本体の近くで本組成物を蒸発させる工程と、その後前記組成物を凝縮させる工程とを含む。これらの特定の組成物はまた、熱を産生させる方法に使用されてもよい。熱を産生させる本方法は、加熱されるべき本体の近くで本組成物を凝縮させる工程と、その後前記組成物を蒸発させる工程とを含む。
【0151】
別の特定の実施形態では、本発明はさらに、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択された冷凍潤滑油での本発明の冷媒または伝熱流体組成物の可溶化方法であって、
a)式R[(OROR(式中、xは1〜3の整数であり、yは1〜4の整数であり、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子およびy個の結合部位を有する脂肪族炭化水素基から選択され、Rは2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択され、Rは水素、ならびに1〜6個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択され、RおよびRの少なくとも1つは前記炭化水素基から選択される)で表されるポリオキシアルキレングリコールエーテルであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するポリオキシアルキレングリコールエーテル;b)式RC(O)NRおよびシクロ−[RCON(R)−](式中、R、R、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素
基、ならびに6〜12個の炭素原子を有する多くても1つの芳香族基から選択され、Rは3〜12個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビレン基から選択される)で表されるアミドであって、約100〜約300原子質量単位の分子量を有するアミド;c)式RC(O)R(式中、RおよびRは独立して、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式またはアリール炭化水素基から選択される)で表されるケトンであって、約70〜約300原子質量単位の分子量を有するケトン;d)式RCN(式中、Rは5〜12個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式およびアリール炭化水素基から選択される)で表されるニトリルであって、約90〜約200原子質量単位の分子量を有するニトリル;e)式RCl(式中、xは1または2であり、Rは1〜12個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表されるクロロカーボンであって、約100〜約200原子質量単位の分子量を有するクロロカーボン;f)式ROR(式中、Rは6〜12個の炭素原子を有するアリール炭化水素基から選択され、Rは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基から選択される)で表されるアリールエーテルであって、約100〜約150原子質量単位の分子量を有するアリールエーテル;g)式CF(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素基から選択される)で表される1,1,1−トリフルオロアルカン;h)式ROCFCFH(式中、Rは約5〜約15個の炭素原子を有する脂肪族および脂環式炭化水素から選択される)で表されるフルオロエーテルであって、フルオロオレフィンとポリオールとから誘導され、ここで、前記フルオロオレフィンがタイプCF=CXY(式中、Xは水素、塩素またはフッ素であり、Yは塩素、フッ素、CFまたはOR(ここで、RはCF、C、またはCである)のものであり、前記ポリオールがタイプHOCHCRR’(CH(CHOH)CH(CHOH)(式中、RおよびR’は水素、CHまたはCであり、xは0〜4の整数であり、yは0〜3の整数であり、zは0か1かのどちらかである)のものであるフルオロエーテル;ならびにi)構造[B]、[C]、および[D]:
【0152】
【化4】
【0153】
(式中、R〜Rは独立して、水素、線状、分岐の環式、二環式の、飽和および不飽和ヒドロカルビル基である)で表され、分子量が約100〜約300原子質量単位であるラクトン;ならびにj)一般式RCO(式中、RおよびRは独立して、線状および環式の、飽和および不飽和アルキルおよびアリール基である)で表されるエステルであって、約80〜約550原子質量単位の分子量を有するエステル
からなる群から選択される、有効量の前記混和剤の存在下で前記潤滑油を前記冷媒または伝熱流体組成物と接触させる工程を含む前記方法に関する。
【0154】
特定の実施形態では、上の段落の冷媒または伝熱流体組成物は、約1質量パーセント〜
約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1234yf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのトランス−HFC−1234ze;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのHFC−1225yeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−1243zf;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−134a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−152a;約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのHFC−227ea;ならびに約1質量パーセント〜約99質量パーセントのトランス−HFC−1234zeおよび約99質量パーセント〜約1質量パーセントのCFIからなる群から選択され、ここで、前記冷媒または伝熱流体はそれらからなる群から選択された組成物を含む。
【0155】
別の実施形態では、本発明は、発泡体の製造での使用について本明細書に記載されるような本発明のフルオロオレフィン含有組成物を含む発泡剤組成物に関する。他の実施形態では、本発明は、発泡性組成物、好ましくはポリウレタンおよびポリイソシアネート発泡体組成物、ならびに発泡体の製造方法を提供する。かかる発泡体実施形態では、本発明フルオロオレフィン含有組成物の1つまたは複数が発泡性組成物に発泡剤として含まれ、その組成物は好ましくは、適切な条件下に反応し、発泡して発泡体または気泡質構造体を形成することができる1つまたは複数の追加成分を含む。参照により本明細書に援用される、サウンダース(Saunders)、フリッシュ(Frisch)著、「ポリウレタン化学および技術(Polyurethanes Chemistry and Technology)」、第IおよびII巻、ニューヨーク州ニューヨーク、John Wiley and Sons社、1962年に記載されているものなどの、当該技術で周知の方法のいずれかが本発明の発泡体実施形態に従った使用のために用いられるかまたは構成されてもよい。
【0156】
本発明はさらに、(a)本発明のフルオロオレフィン含有組成物を発泡性組成物に加える工程と、(b)発泡体を形成するのに有効な条件下に発泡性組成物を反応させる工程とを含む発泡体の形成方法に関する。
【0157】
本発明の別の実施形態は、スプレー可能な組成物での噴射剤としての使用のための本明細書に記載されるようなフルオロオレフィン含有組成物の使用に関する。さらに、本発明は、本明細書に記載されるようなフルオロオレフィン含有組成物を含むスプレー可能な組成物に関する。不活性成分、溶剤および他の物質と一緒にスプレーされるべき活性成分もまた、スプレー可能な組成物中に存在してもよい。好ましくは、スプレー可能な組成物はエアゾールである。スプレーされるべき好適な活性物質には、無制限に、抗喘息および抗口臭薬剤などの医薬物質だけでなく脱臭剤、香料、ヘアスプレー、クリーナー、および艶出剤などの化粧品物質が含まれる。
【0158】
本発明はさらに、本明細書に記載されるようなフルオロオレフィン含有組成物をエアゾール容器中の活性成分に加える工程を含むエアゾール製品の製造方法であって、前記組成物が噴射剤として機能する方法に関する。
【0159】
さらなる態様は、火炎の抑制方法であって、火炎を本開示のフルオロオレフィン含有組成物を含む流体と接触させる工程を含む方法を提供する。火炎を本発明の組成物と接触させるための任意の好適な方法が用いられてもよい。例えば、本開示のフルオロオレフィン
含有組成物は火炎上へスプレーされても、かけられるなどされてもよく、または火炎の少なくとも一部が火炎抑制組成物中に浸けられてもよい。本明細書での教示を考慮に入れると、当業者は、様々な従来の装置および火炎抑制の方法を本開示での使用のために容易に構成することができるであろう。
【0160】
さらなる実施形態は、本開示のフルオロオレフィン含有組成物を含む試剤を提供する工程と、該試剤を加圧吐出システムに配置する工程と、該試剤をある区域へ吐出して当該区域で火を消すまたは抑制する工程とを含むトータル−フラッド(total−flood)用途での火の消火または抑制方法を提供する。
【0161】
別の実施形態は、本開示のフルオロオレフィン含有組成物を含む試剤を提供する工程と、該試剤を加圧吐出システムに配置する工程と、該試剤をある区域へ吐出して火災または爆発が起こるのを防ぐ工程とを含む火災または爆発を防止するための区域の不活性化方法を提供する。
【0162】
用語「消火」は通常火の完全な排除を意味するために用いられるが、「抑制」はしばしば、火災または爆発の減少を意味するために用いられるが、それらの完全排除を必ずしも意味しない。本明細書で用いるところでは、用語「消火」および「抑制」は同じ意味で用いられるであろう。4つの一般的なタイプのハロカーボン火災および爆発防護用途がある。(1)トータル−フラッド消火および/または抑制用途では、試剤は、既存の火を消すまたは抑制するのに十分な濃度を達成するために空間へ吐出される。トータルフラッディング用途には、航空機エンジン室および車両でのエンジン室などの特殊な、しばしば占有されていない空間だけでなくコンピュータ室などの閉鎖された、潜在的に占有された空間の防護が含まれる。(2)ストリーミング用途では、試剤は火上へまたは火の領域へ直接適用される。これは通常、手動操作のホイール付きまたは持ち運びできるユニットを用いて成し遂げられる。ストリーミング用途として含まれる第2の方法は、試剤を1つまたは複数の固定ノズルから火に向けて吐出する「局在化」システムを用いる。局在化システムは手動でかまたは自動的にかのどちらかで活性化されてもよい。(3)爆発抑制では、本開示のフルオロオレフィン含有組成物は、既に開始した爆発を抑制するために吐出される。用語「抑制」は、爆発が通常自己限定的であるのでこの用途で一般に用いられる。しかしながら、この用語の使用は、爆発が試剤によって消滅されないことを必ずしも暗示しない。本出願では、検出器が通常爆発からの火柱の拡大を検出するために用いられ、試剤が爆発を抑制するために迅速に吐出される。爆発抑制は、防御用途で主として、しかし専らではなく用いられる。(4)不活性化(inertion)では、本開示のフルオロオレフィン含有組成物がある空間へ吐出されて爆発または火災が開始されるのを防ぐ。しばしば、トータル−フラッド消火または抑制のために用いられるものに類似のまたは同一のシステムが用いられる。通常、危険な状態(例えば、引火性または爆発性ガスの危険な濃度)の存在が検出され、本開示のフルオロオレフィン含有組成物が次に吐出されて状態が改善され得るまで爆発または火災が起こるのを防ぐ。
【0163】
消火方法は、火を取り囲む閉鎖区域へ組成物を導入することによって実施することができる。導入の公知方法のいずれかを、適切な量の組成物が適切な間隔で閉鎖区域へ計量供給されるという条件で利用することができる。例えば、組成物は、火を取り囲む閉鎖区域へ組成物を、例を挙げると、通常の持ち運びできる(または固定の)消火機器を用いて、ストリーミングすることによって、噴霧することによって、またはフラッディングすることによって、例を挙げると、放出することによって(適切な配管、バルブおよびコントロールを用いて)導入することができる。組成物は場合により、利用されるストリーミングまたはフラッディング機器からの組成物の吐出の速度を上げるために、不活性の噴射剤、例を挙げると、窒素、アルゴン、グリシジルアジドポリマーの分解生成物または二酸化炭素と組み合わせることができる。
【0164】
好ましくは、消火プロセスは、本開示のフルオロオレフィン含有組成物を火または火炎を消すのに十分な量で火または火炎に導入することを含む。当業者は、特定の火を消すために必要とされる火炎抑制剤の量は危険の性質および程度に依存することを認めるであろう。火炎抑制剤がフラッディングによって導入されるべきであるとき、カップバーナー試験データがある特定タイプおよびサイズの火を消すために必要とされる火炎抑制剤の量および濃度を決定するのに有用である。
【0165】
トータル−フラッド用途または火不活性化において火の消火または抑制と併せて使用されるときにフルオロオレフィン含有組成物の有効濃度範囲を測定するために有用な実験室試験は、例えば、米国特許第5,759,430号明細書に記載されている。
【実施例】
【0166】
(実施例1)
(蒸気漏洩の影響)
容器に−25℃か、明記される場合には25℃でかのどちらかの温度で初期組成物を装入し、組成物の初期蒸気圧を測定する。初期組成物の50質量パーセントが除去されるまで、温度を一定に保持しながら、組成物を容器から漏洩させ、その時点で容器に残っている組成物の蒸気圧を測定する。結果を表9に示す。
【0167】
【表31】
【0168】
【表32】
【0169】
【表33】
【0170】
【表34】
【0171】
【表35】
【0172】
【表36】
【0173】
【表37】
【0174】
【表38】
【0175】
【表39】
【0176】
【表40】
【0177】
【表41】
【0178】
【表42】
【0179】
【表43】
【0180】
【表44】
【0181】
【表45】
【0182】
【表46】
【0183】
【表47】
【0184】
【表48】
【0185】
【表49】
【0186】
【表50】
【0187】
【表51】
【0188】
【表52】
【0189】
【表53】
【0190】
【表54】
【0191】
【表55】
【0192】
元の組成物と50質量パーセントが除去された後に残った組成物との間の蒸気圧の差は、本発明の組成物について約10パーセント未満である。これは、本発明の組成物が共沸または擬共沸であろうことを示唆する。
【0193】
(実施例2)
(冷却性能データ)
表10は、HFC−134aと比べて本発明の様々な冷媒組成物の性能を示す。表10において、Evap Presはエバポレーター圧力であり、Cond Presは凝縮器圧力であり、Comp Disch Tは圧縮機吐出温度であり、COPはエネルギー効率であり、CAPはキャパシティである。データは次の条件に基づいている。
エバポレーター温度 40.0°F(4.4℃)
凝縮器温度 130.0°F(54.4℃)
サブクール量 10.0°F(5.5℃)
リターンガス温度 60.0°F(15.6℃)
圧縮機効率は 100%である。
過熱は冷却能力に含められていることに留意されたい。
【0194】
【表56】
【0195】
【表57】
【0196】
【表58】
【0197】
【表59】
【0198】
【表60】
【0199】
幾つかの組成物は、より低い吐出圧力および温度を維持しながらHFC−134aよりさらに高いエネルギー効率(COP)を有する。表10にリストされた本組成物についての能力はまたR134aに似ており、これらの組成物が冷凍およびエアコンにおいて、ならびに特に移動式エアコン用途においてR134aの代替冷媒であり得るだろうことを示唆する。結果はまた、HFC−1225yeの冷却能力がHFC−32、HFC−134a、COまたはHFC−1234yfなどの他の化合物の添加で改善できることを示す。炭化水素を含有するそれらの組成物はまた、従来の鉱油およびアルキルベンゼン潤滑油で油溶解度を向上させるかもしれない。
【0200】
(実施例3)
(冷却性能データ)
表11は、R404AおよびR422Aと比べて本発明の様々な冷媒組成物の性能を示す。表11において、Evap Presはエバポレーター圧力であり、Cond Presは凝縮器圧力であり、Comp Disch Tは圧縮機吐出温度であり、EERはエネルギー効率であり、CAPはキャパシティである。データは次の条件に基づいている。
エバポレーター温度 −17.8℃
凝縮器温度 46.1℃
サブクール量 5.5℃
リターンガス温度 15.6℃
圧縮機効率は 70%である。
過熱は冷却能力に含められていることに留意されたい。
【0201】
【表61】
【0202】
【表62】
【0203】
【表63】
【0204】
【表64】
【0205】
【表65】
【0206】
【表66】
【0207】
【表67】
【0208】
【表68】
【0209】
【表69】
【0210】
【表70】
【0211】
幾つかの組成物は、R404AおよびR422Aに匹敵するエネルギー効率(EER)を有する。吐出温度はまたR404AおよびR507Aより低い。表11にリストされている組成物についてのキャパシティはまたR404A、R507A、およびR422Aに似ており、これらの組成物が冷凍およびエアコンでのR404A、R507A、およびR422Aのための代替冷媒であり得るだろうことを示唆する。炭化水素を含有するそれらの組成物はまた、従来の鉱油およびアルキルベンゼン潤滑油で油溶解度を向上させるかもしれない。
【0212】
(実施例4)
(冷却性能データ)
表12は、HCFC−22、R410A、R407C、およびR417Aと比べて本発
明の様々な冷媒組成物の性能を示す。表12において、Evap Presはエバポレーター圧力であり、Cond Presは凝縮器圧力であり、Comp Disch Tは圧縮機吐出温度であり、EERはエネルギー効率であり、CAPはキャパシティである。データは次の条件に基づいている。
エバポレーター温度 4.4℃
凝縮器温度 54.4℃
サブクール量 5.5℃
リターンガス温度 15.6℃
圧縮機効率は 100%である。
過熱は冷却能力に含められていることに留意されたい。
【0213】
【表71】
【0214】
組成物は、低い吐出温度を維持しながらR22、R407C、R417A、およびR410Aに匹敵するエネルギー効率(EER)を有する。表12にリストされている組成物についてのキャパシティはまたR22、R407CおよびR417Aに似ており、これらの組成物が冷凍およびエアコンでのR22、R407CおよびR417Aための代替冷媒であり得るだろうことを示唆する。炭化水素を含有するそれらの組成物はまた、従来の鉱油およびアルキルベンゼン潤滑油で油溶解度を向上させるかもしれない。
【0215】
(実施例5)
(冷却性能データ)
表13は、HCFC−22およびR410Aと比べて本発明の様々な冷媒組成物の性能を示す。表13において、Evap Presはエバポレーター圧力であり、Cond Presは凝縮器圧力であり、Comp Disch Tは圧縮機吐出温度であり、EERはエネルギー効率であり、CAPはキャパシティである。データは次の条件に基づいている。
エバポレーター温度 4℃
凝縮器温度 43℃
サブクール量 6℃
リターンガス温度 18℃
圧縮機効率は 70%である。
過熱は冷却能力に含められていることに留意されたい。
【0216】
【表72】
【0217】
【表73】
【0218】
【表74】
【0219】
【表75】
【0220】
【表76】
【0221】
【表77】
【0222】
【表78】
【0223】
【表79】
【0224】
組成物は、適度な吐出温度を維持しながらR22およびR410Aに匹敵するエネルギー効率(EER)を有する。表13にリストされたある種の組成物についての能力はまたR22に似ており、これらの組成物が冷凍およびエアコンでのR22の代替冷媒であり得るだろうことを示唆する。さらに、R410Aについてのそれに近いまたはそれに同等の能力を持った表13にリストされた組成物があり、それらの組成物が冷凍およびエアコンでR410Aの代替溶媒である得るだろうことを示唆する。
【0225】
(実施例6)
(引火性)
引火性化合物は、電子点火源で、ASTM(米国材料試験協会(American Society of Testing and Materials))E681−01下で試験することによって特定されてもよい。引火性のかかる試験は、引火性下限界(LFL)および引火性上限界(UFL)を測定するために、空気中の様々な濃度で、HFC−1234yf、HFC−1225yeおよび本開示の混合物について101kPa(14.7psia)、100℃(212°F)、および50パーセント相対湿度で行った。結果を表13に与える。
【0226】
【表80】
【0227】
結果は、HFC−1234yfが引火性であるが、HFC−1225yeの添加が引火性を下げることを示唆する。それ故、約1質量パーセント〜約49質量パーセントのHFC−1234yfおよび約99質量パーセント〜約51質量パーセントのHFC−1225yeを含む組成物が好ましい。結果はまた、HFC−1225yeがHFC−32の引火性を下げ、65/35質量%HFC−1225ye/HFC−32で非引火性組成物をもたらすことを示す。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本発明の組成物は、冷凍、エアコンおよびヒートポンプ装置に使用できる。また、本発明の組成物は、伝熱流体、発泡剤、エアゾール噴射剤、火抑制剤および消火剤としても使用できる。