(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケイ素含有化合物が、反応性基で末端化されたオルガノシランであり、前記反応性基が、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、又は(メチル)アクリルオキシ基を有する有機基である、請求項1に記載の反射防止コーティング組成物。
【背景技術】
【0002】
光線が空気中から別の媒体に進入するとき、光線の一部は、2つの媒体の屈折率の差に起因する反射により空気中に戻されて、望ましくないぎらつき又は光損失をもたらす。したがって、反射防止特性を持つコーティング及びコーティング膜が、光線の反射を低減する目的で多様な分野、例えばディスプレイ及び太陽エネルギー又は他の光電分野に徐々に使用されるようになってきている。
【0003】
従来の反射防止コーティングでは、過度に大きな屈折率の差に起因する反射光線損失を低減するために、基材(ガラス基材では、屈折率は約1.52である)と空気(屈折率は約1である)との間に屈折率の勾配的変化が生じるように、1つ又は複数のコーティング層が基材上に形成される。従来技術では、コーティング層材料の選択において、樹脂への固体粒子の添加が産業界において広く採用されている。しかし、固体粒子は高い屈折率を有するので、これらから調製される反射防止コーティング層の効果は限定的である。
【0004】
中空粒子は孔を有するので、そのような粒子の屈折率を、孔に充填された空気層又は樹脂により更に低減することができる。したがって、低屈折率を有する反射防止コーティング層を調製する研究の1つの焦点は、中空粒子の使用を検討することであった。しかし、一般的な固体粒子の調製と比較すると、中空粒子の調製方法は、複雑、高価、及び困難であり、工業生産の目的を達成することを困難にする。
【0005】
産業界において中空粒子を調製するための現在の方法は、鋳型法に基づいている。鋳型法では、鋳型をコアとして使用する工程、望ましい粒子材料で鋳型の表面にシェルを形成する工程、最後にエッチング又は高温焼成などの方法により鋳型を除去する工程によって中空粒子を調製する。例えば、米国特許公開第2010/0015433A1号では、コアシェル粒子を含有する反射防止コーティングが最初に調製され、基材にコーティングされ、次に高温処理に付されて、コア材料が除去される。しかし、コア又は鋳型材料がコーティング後に高温加熱で除去される技術は、高温処理が必要であるため、PET、PC及びPMMAなどの一般的な従来のプラスチック基材には適用することができない。
【0006】
しかし、鋳型により中空粒子を調製する方法では、鋳型が有機ポリマーであるかまたは無機材料であるかに関わらず、鋳型が高温焼成又は強酸(例えばフッ化水素酸)若しくは強塩基腐食によって除去される必要がある、熱水法又は加熱法が必要であり、そのためこの方法は工業生産にとって複雑であり、高価であり、実用的ではない。
【0007】
中国特許公開第1931718A号は、ゾルゲル法を使用して、シリカ前駆体を高分子電解質に重合させ、次に、高分子電解質及びシリカを、遠心分離及び洗浄を繰り返すことにより分離することによって中空粒子を調製する、中空シリカ粒子の調製方法を開示している。しかし、この方法は、複雑であり、採用されている遠心分離は、大規模工業生産にとって有利ではない。
【0008】
反射防止コーティング層を調製する一般的な方法、例えば中国特許公開第101312909A号及び同第1989070A号に開示されている方法では、粉末中空粒子を最初に調製し、次に接着剤及び溶媒と混合して反射防止コーティングを調製し、次にこの反射防止コーティングを基材に適用して、コーティング層を調製する。しかし、得られる中空粒子はナノ粒子であり、この中空粒子は、混合の際に衝突に起因して容易に凝集し、寸法安定性を保持することができない。加えて、この中空粒子には、コーティング層における不均一分布を回避し、かつ、反射防止効果に対する有害な影響を排除するために、コーティング中で高い分散性を有することが求められる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のコーティング組成物に含有される中空粒子は、ケイ素、チタン、ジルコニウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される元素を含有する無機酸化物粒子、好ましくはケイ素を含有する無機酸化物粒子、例えば中空シリカ粒子である。
【0015】
中空粒子の大きさは特に限定されず、ナノメートル又はマイクロメートルのレベルであり、好ましくは10nm〜100nmの範囲、より好ましくは50nm〜80nmの範囲でありうる。
【0016】
本発明に使用される接着剤は、疎水性基によって、疎水性有機溶媒に効果的に溶解及び分散されうる。疎水性基には、例えば、フェニル、ベンジル、アルキル、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、アルキルとしてはC
1-5アルキルが好ましい。加えて、本発明に使用される接着剤は、基:-Si(OR
1)
n(R
2)
3-n(式中、nは2又は3から選択される整数であり、R
1は、それぞれ独立に、H又はC
1-4アルキルであり、R
2は、それぞれ独立に、H又はC
1-4アルキルである)を有する。したがって、本発明の接着剤は、縮合によって中空粒子の表面のヒドロキシル基と化学的に結合することができ、そのため中空粒子は接着剤中に均一に分散することができ、それによって凝集又は沈降が回避される。
【0017】
接着剤の種類は特に限定されず、例えば、ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂又はポリシロキサン樹脂が含まれるが、これらに限定されない。当業者ならば、反射コーティング層に求められる物理化学的特性又はコーティングされる基材の種類に応じて、基材と良好な接着力を有する接着剤を選択するであろう。例えば、基材がガラス基材である場合には、ポリシロキサン樹脂を選択することができ、基材が、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)基材などのプラスチック基材である場合には、ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂又はポリシロキサン樹脂を選択することができる。
【0018】
ポリアクリル酸樹脂は、重合単位としての1種又は複数の以下のモノマーから得られる:アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレート。
【0019】
本発明に適した改質のためのケイ素含有化合物は、好ましくは、末端反応性基を有するオルガノシランである。反応性基には、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、又は(メタ)アクリルオキシ基が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
改質のためのケイ素含有化合物の例には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β-(メトキシエトキシ)シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及びγ-メルカプトプロピルトリメトキシシランが含まれるが、これらに限定されない。これらのうち、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β-(メトキシエトキシ)シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシルシラン、並びにこれらの組み合わせが好ましい。
【0021】
ポリシロキサン樹脂は、重合単位としての1種又は複数の酸化ケイ素モノマーから得られ、酸化ケイ素モノマーは、式SiR
3(OR
4)
3(式中、R
3は、ビニル、フェニル又はC
1-5アルキルであり、R
4は、それぞれ独立に、H又はC
1-4アルキルである)により表される。
【0022】
本発明に適した市販の酸化ケイ素モノマーには、例えば、KBE-903、KBM-1003、KBM-1403、KBM-303、KBM-403、KBE-402、KBM-503、KBM-502、KBE-502、KBM-603、KBM-602、KBE-603、KBM-903、KBE-903、KBE-9007、KBE-9103、KBM-573、KBM-802、KBM-803、KBM-103及びKBM-13(Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明によれば、中空粒子の、接着剤の固形分に対する重量比は、1:2〜1:20の範囲であり、好ましくは1:3〜1:20の範囲であり、より好ましくは1:3〜1:10の範囲である。粒子含有量が過度に低い場合には、光線の反射を効果的に減少することができず、粒子含有量が過度に高い場合には、基材への接着力は悪影響を受け、接着剤は中空粒子を完全に覆うことができず、そのため中空粒子を接着剤に効果的に分散することができない。
【0024】
本発明に有用な疎水性有機溶媒は、特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、又はエステルが含まれ得るがこれらに限定されない。芳香族炭化水素には、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレンが含まれるがこれらに限定されず;脂肪族炭化水素には、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、及びヘプタンが含まれるがこれらに限定されず;エステルには、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸ブチルが含まれるがこれらに限定されない。好ましくは、本発明に有用な疎水性有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0025】
疎水性有機溶媒の量は、樹脂成分を効果的に溶解させることができ且つ都合良くコーティングすることができる限り、特に限定されない。本発明の実施の態様によると、疎水性有機溶媒の重量の、中空粒子及び接着剤固形分の総重量に対する比は、1.5:1〜40:1、好ましくは2:1〜15:1の範囲であり、最も好ましくは2:1〜11:1の範囲である。
【0026】
場合により、本発明のコーティング組成物は、顔料、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、つや消し剤、安定剤、熱除去助剤、又は浮き色防止剤(anti-flooding agent)が含まれるがこれらに限定されない、当業者に常用される添加剤を含有することができる。
【0027】
本発明のコーティング組成物を、反射防止機能が必要な部品又は基材にコーティングして、反射防止コーティング層を形成させることができる。本発明のコーティング組成物は、ナノメートルレベルでの中空粒子に特に適している。その理由は、そのような中空粒子は、接着剤中に分散させ、接着剤と化学的に結合させて、それによって中空粒子の凝集又は沈降を防止することができるからであり、また、本発明の組成物が、流動性が良好であることにより薄い反射防止層の調製に適し、その結果、光線がコーティングを貫通する際に樹脂又は他の成分への吸収によってもたらされる光損失が低減されるからである。したがって、本発明のコーティング組成物は、ディスプレイ又は太陽エネルギーの分野に特に有用であり、効果的に光エネルギーの反射損失を低減すること及び光線透過率を改善することができ、それによってそれらの性能を更に改善する。
【0028】
本発明の実施の態様によると、本発明のコーティング組成物を基材にコーティングすることができ、溶媒が除去された後、反射防止コーティング層が形成される。
【0029】
コーティング方法は、当業者に周知の任意のものであることができ、例えば、ナイフコーティング、ローラーコーティング、マイクログラビアコーティング、流し塗り、浸漬コーティング、噴霧コーティング、スロットダイコーティング、スピンコーティング、及びカーテンコーティングが含まれるがこれらに限定されない。
【0030】
反射防止コーティングの厚さは特に限定されず、主に、中空粒子の大きさ及び中空粒子を基材に接着するのに必要な接着剤の含有量によって決まる。本発明の実施の態様によると、中空粒子の大きさがナノメートルレベルである場合、反射防止コーティング層は、100nm〜1,000nmの範囲、好ましくは100nm〜150nmの範囲の厚さを有する。
【0031】
本発明に使用される基材は、当業者に既知の任意の種であることができ、例えば、ガラス又はプラスチック基材が含まれる。適切なプラスチック基材は特に限定されず、当業者に周知の任意のものであることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリレート樹脂;ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂;ポリシクロオレフィン樹脂;ナイロン6、ナイロン66若しくはMXDナイロン(m-キシレンジアミン/アジピン酸のコポリマー)などのポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);トリアセチルセルロース(TAC);ポリ乳酸;ポリ酢酸ビニル若しくはポリビニルアルコールなどの置換オレフィンポリマー;EVA、エチレン/ビニルアルコールのコポリマー若しくはエチレン/テトラフルオロエチレンのコポリマーなどのコポリマー樹脂;又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
本発明のコーティング組成物は、任意の従来の中空粒子、接着剤、及び疎水性有機溶媒を使用して配合することができる。しかし、本発明のコーティング組成物は、好ましくは、適切な量の反応剤及び溶媒を使用することによって、本発明の方法(下記に詳細に記載する)によってその場で調製される。
【0033】
上述したように、本発明は、中空粒子を含有する反射防止コーティング組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(a)高分子電解質を塩基と混合し、次にプロトン性溶媒を得られた混合物に加える工程;
(b)工程(a)で得られた溶液に無機酸化物前駆体をゆっくりと加えることによって、無機酸化物で高分子電解質の表面を覆って、複合粒子を形成させる工程と、
(c)工程(b)で得られた溶液に接着剤を加える工程と、
(d)工程(c)で得られた溶液に疎水性有機溶媒を加えることによって、高分子電解質を複合粒子の中心から溶出させ、中空粒子を調製し、相分離を生じさせ、中空粒子、接着剤、及び疎水性有機溶媒を上相の液体に分布させ、高分子電解質、プロトン性溶媒及び残りの成分を下相の液体に分布させる工程と、
(e)上相の液体を取り出して、本発明のコーティング組成物を得る工程と
を含む方法を更に提供する。
【0034】
図1は、本発明の方法のフローチャートである。
【0035】
工程(a)の高分子電解質を、中空粒子を合成する鋳型材料として使用する。ここで、高分子電解質の組成単位は、1つ又は複数の開裂可能な基を有し、ミセル構造を形成することができる。本発明に有用な高分子電解質には、例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム(PAS)、ポリメタクリル酸ナトリウム(PMAS)、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸、メラミン-ホルムアルデヒドコロイド粒子、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、及びポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。これらのうち、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAS)、及びポリメタクリル酸ナトリウム(PMAS)が好ましい。
【0036】
工程(a)における使用に適した塩基は、高分子電解質を覆う無機酸化物を有する複合粒子の形成に有利である任意の無機塩基又は有機塩基であってよい。本発明によると、塩基は、好ましくはアンモニア又はアンモニア水、より好ましくはアンモニア水である。これらは、高分子電解質の外側の官能基とイオン対を形成できるので、高分子電解質の親水性を向上させ、ゾルゲル法において無機酸化物前駆体が高分子電解質の外側上で反応し、それによって無機酸化物を合成することを促進する。その結果、無機酸化物は高分子電解質の外側を覆って複合粒子を形成し、高分子電解質は、続く相分離工程において溶出され、プロトン性溶媒中に残る。本発明の実施形態によると、アンモニア水の濃度は、アンモニアの重量%に基づいて15%〜25%の範囲である。
【0037】
工程(a)に使用されるプロトン性溶媒は、極性のプロトン性溶媒である。このプロトン性溶媒の種類は特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、又はプロパノールなどのアルコール;ギ酸、酢酸、又はプロパン酸などの有機酸、及びこれらの組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。これらのうち、アルコール、有機酸、又はこれらの組み合わせが好ましく、アルコールがより好ましい。
【0038】
工程(a)において、高分子電解質の、塩基に対する重量比は、1:30〜1:60の範囲であり、プロトン性溶媒の量は、複合粒子の合成の前後に凝集又は沈殿が生じない限り、特に限定されない。本発明によると、プロトン性溶媒の、塩基に対する重量比は、1:1〜99:1の範囲、好ましくは5:1〜35:1の範囲である。本発明の実施形態によると、プロトン性溶媒の添加後、工程(a)の溶液は、好ましくは9〜12のpHを有する。
【0039】
工程(b)に使用される無機酸化物前駆体は、ケイ素、チタン、ジルコニウム、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される元素を含有する材料であり、ケイ素含有材料が好ましい。ケイ素含有材料は、好ましくは下記式:
R
5mSi(OR
6)
4-m
(式中、R
5は、それぞれ独立に、C
1-4アルコキシ、C
2-4アルケニル、フェニル、C
1-4アルキル、及びエポキシ基から選択され、R
6は、それぞれ独立に、C
1-4アルキルから選択され、mは0又は1、好ましくは0である)
を有する。
【0040】
ケイ素含有材料の例には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、及びメチルトリエトキシシラン、並びにこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されず、テトラエトキシシラン(TEOS)が好ましい。
【0041】
無機酸化物前駆体の、塩基に対する重量比は、20:1〜1:10の範囲、好ましくは6:1〜1:6の範囲である。
【0042】
本発明によると、場合により、水洗浄工程を工程(b)の後及び工程(c)の前に実施して、過剰の塩基を除去してよい。
【0043】
工程(b)は撹拌しながら実施される。反応時間は、特に限定されず、無機酸化物前駆体が高分子電解質上で十分に反応して、高分子電解質を覆う無機酸化物を形成できる限り、所望される中空粒子の大きさ及び壁厚によって決まる。本発明の実施形態によると、常温では、工程(b)の反応時間は、1時間から12時間の範囲であり、好ましくは5時間から8時間の範囲である。
【0044】
工程(c)は、撹拌しながら実施される。反応時間は、接着剤が、高分子電解質を覆う無機酸化物と化学的に結合でき且つ工程(b)で調製された粒子が接着剤中に均一に分布されて、接着剤と共に全体的に樹脂状態を形成することができる限り、特に限定されない。本発明の実施形態によると、常温では、工程(c)の反応時間は、1時間から12時間の範囲であり、好ましくは5時間から8時間の範囲である。
【0045】
工程(c)に使用される接着剤の種類は、前述により定義したとおりである。
【0046】
工程(c)に使用される接着剤の固形分の、工程(b)に使用される無機酸化物前駆体に対する重量比は、2:1〜20:1の範囲である。無機酸化物前駆体の重量は、調製される中空粒子の重量である。
【0047】
本発明の好ましい実施形態によると、使用される接着剤は、ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂又はポリシロキサン樹脂であり、高分子電解質を覆う無機酸化物は、シリカであり、ここでシリカの表面のケイ素原子は、溶液分子と-Si-OH結合を形成し、これらの結合を使用することによって、接着剤の-Si-OR基との結合反応が生じ、それによって中空粒子が接着剤に均一に分散され、接着剤と全体的に樹脂状態を形成する。したがって、中空粒子の凝集又は沈降が防止されるのみならず、中空粒子は、落下することなくコーティング層に効果的に固定され、均一に分散される。
【0048】
工程(d)に使用される疎水性有機溶媒の種類は、前述により定義したとおりである。
【0049】
工程(d)に使用される疎水性有機溶媒の量は、特に限定されず、疎水性有機溶媒を、高分子電解質が複合粒子の中心から溶出するまでゆっくりと加えることができ、それによって中空粒子が形成され、相分離が生じる。無機酸化物前駆体及び接着剤固形分の総重量に基づいて、疎水性有機溶媒の量は、1.5:1〜40:1の範囲、好ましくは2:1〜15:1の範囲、最も好ましくは2:1〜11:1の範囲である。
【0050】
工程(a)〜(e)を常温で実施することができるが、反応を加速するために、工程(a)〜(e)を高温、例えば、25℃〜60℃の範囲の温度で実施することもできる。
【0051】
本発明の方法は、常温で疎水性有機溶媒を加えることにより実施して、粒子の中心から親水性高分子電解質を溶出することができ、相分離が同時に生じ、それによって、中空粒子、接着剤、及び疎水性有機溶媒を含有するコーティング組成物が容易に調製される。本発明の方法における全ての工程が室温で実施することができ、粒子中心の鋳型を高温焼成又はフッ化水素酸での腐食を実施することなく除去できるので、本発明の方法は比較的簡素であり、方法の工程は簡素化され、製造時間は低減され、エネルギー消費及び費用が低減され、それによって迅速な大規模生産を達成することができる。
【0052】
本発明の方法により調製されるコーティング組成物を、更なる配合又は処理をすることなく直接適用して、コーティング層を形成させることができ、これによって、その後の工程の複雑さに関連する問題が排除される。しかし、望ましい場合は、本発明により調製される組成物を、中空粒子が必要とされる他の技術分野に適用する前に、後処理に付すことができる。
【0053】
更に、本発明のコーティング組成物が適用された後は、単に溶媒の除去だけが必要とされ、凝固又は加熱により鋳型を除去する工程が必要とされない。したがって、コーティング組成物を、低温コーティング法に適したポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、又はポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック基材に適用することができ、更に、中空粒子の凝集又は沈降が低減される。加えて、良好な分散性のため、本発明のコーティング組成物を、良好な均一性及び反射防止特性を有するコーティング層の調製に使用することができる。
【0054】
本発明のコーティング組成物を適用した後に形成されるコーティング層は、一般に、45%〜70%の多孔度を有する。多孔度は、ゆるい顆粒状材料の堆積物中の粒子間の空隙容量の割合を意味する。本発明では、多孔度は、得られたコーティング層の屈折率に影響を与える1つの要素であり、多孔度を測定するのに一般に使用される器具は、光学膜厚モニター又はエリプソメーターである。本発明の好ましい実施形態により得られるコーティング層は、好ましくは上述した範囲の多孔度を有する。
【0055】
以下の実施例は、本発明を更に記載するために使用されるが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。当業者により容易に行われる変更及び変形は、本明細書及び添付の特許請求の範囲の開示の範囲内である。
【実施例】
【0056】
調製例1(ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂の調製)
107gの、n-ブタノールと酢酸ブチルとの等しい割合の混合溶媒を、120℃に加熱し、その温度で保持した。次に、10gのアクリル酸(Formosa Plastics Corp.)、50gのメタクリル酸(Formosa Plastics Corp.)、40gのn-ブチルメチルアクリレート(Formosa Plastics Corp.)、及び熱開始剤としての0.1gのアゾジイソブチロニトリル(V60、Guangzhou Xiaoyu Chemical Corp.)を均質に混合した後、120℃に保持された前記溶媒にゆっくりと滴下し、3時間から8時間反応させた。次に、6.5gのγ-グリシドキシプロピルトリメチルシラン(KBM403、Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)、次に触媒としての0.1gのトリフェニルホスフィン(Anhwei Wotu Chemical Co., Ltd.)を更に加え、110℃で4時間から6時間反応させて、213.7gの、ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂(固形分約50%)を得た。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(型:Waters 2414 RI)を使用して測定して12,000であった。
【0057】
調製例2(ポリシロキサン樹脂の調製)
100gのイソブタノール及び1.5gの酢酸を反応フラスコに加え、45℃に加熱し、この温度で保持し、次に20gのビニルトリメトキシシラン(KBM1003、Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)を、約1時間以内かけてこのフラスコにゆっくりと滴下し、75℃に加熱し、この温度で保持し、続いて、15gのフェニルトリメトキシシラン(KBM103、Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)及び15gのメチルトリメトキシシラン(KBM13、Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)を、約2時間以内かけてフラスコにゆっくりと滴下し、75℃で4時間反応させて、固形分が約30%のポリシロキサン樹脂を得た。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(型:Waters 2414 RI)を使用して測定して3,000であった。
【0058】
実施例1(中空粒子:接着剤固形分=1:3)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃でこの混合物に加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させて、複合粒子Aを得た。この複合粒子A(ポリアクリル酸鋳型を含有するシェルコア粒子)を、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して分析し、結果を
図2に示した。
図2に示されているように、100nm未満の粒径を有する粒子を、本発明の方法を使用して調製することができる。
【0059】
得られた複合粒子Aを水で洗浄し、27.6gの、調製例1のポリアクリル酸樹脂(固形分50%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体層を取り出して、本発明のコーティング組成物を得た。上相の液体層は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、ここで中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:3であった。
【0060】
得られた上相の液体層(本発明のコーティング組成物)を、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して分析し、結果を
図3に示した。
図3に示されているように、粒子(図に示されているとおりの球形の形態)が樹脂で覆われているので、中空構造を観察することができず、球状体は外層が樹脂で覆われ、統合された樹脂状構造が形成されていることが、
図3から分かる。したがって、本発明のコーティング組成物は、樹脂状態である。
【0061】
実施例2(中空粒子:接着剤固形分=1:20)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に184gの、調製例1のポリアクリル酸樹脂(固形分50%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体を取り出して、本発明のコーティング組成物を得た。上相の液体は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:20であった。
【0062】
実施例3(中空粒子:接着剤固形分=1:10)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に92gの、調製例1のポリアクリル酸樹脂(固形分50%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体を取り出して、本発明のコーティング組成物を得た。上相の液体は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:10であった。
【0063】
実施例4(中空粒子:接着剤固形分=1:3)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に46 gの、調製例2のポリシロキサン樹脂(固形分30%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体を取り出して、本発明のコーティング組成物を得た。上相の液体は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:3であった。
【0064】
実施例5(中空粒子:接着剤固形分=1:20)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に307gの、調製例2のポリシロキサン樹脂(固形分30%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体を得て、本発明のコーティング組成物を得た。上相の液体は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:20であった。
【0065】
比較例1(接着剤のみを含有)
調製例1のポリアクリル酸樹脂及びイソプロパノールを直接配合して、4重量%のポリアクリル酸樹脂を含有するコーティング組成物にした。
【0066】
比較例2(中空粒子:接着剤固形分=1:1)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に9.2gの、調製例1のポリアクリル酸樹脂(固形分50%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体をコーティング組成物として得た。上相の液体は、中空粒子を有さないでトルエン及び接着剤のみを含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法にしたがって計算して1:1であった。
【0067】
比較例3(中空粒子:接着剤固形分=1:35)
0.5gのポリアクリル酸(model:06519-250、Polyscience Corp.;重量平均分子量(Mw):5000、固形分:50%)及び25gのアンモニア水(25%)を十分に混合し、200gのエタノール溶液(95%)を50℃で加え、次に約4.6gのテトラエトキシシラン(TEOS)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら5時間反応させた。得られた生成物を水で洗浄し、次に322gの、調製例1のポリアクリル酸樹脂(固形分50%)をゆっくりと加え、連続的に撹拌しながら50℃で5時間反応させて、粒子を含有する混合溶液を得た。この混合溶液を25℃に冷却し、相分離のために200gのトルエンを加え、次に上相の液体をコーティング組成物として得た。上相の液体は、トルエン、接着剤、及び中空粒子を含有し、中空粒子の、接着剤固形分に対する重量比は、試験方法により計算すると1:35であった。
【0068】
<試験方法>
1.上相の液体の組成を決定する方法
(a)減圧下でトルエンを除去した後、得られた総固体重量を測定し、
(b)接着剤は下相の液体に不溶性であるので、接着剤の固形分の重量を総固体重量から差し引いて、中空粒子の含有量を求め、
(c)前記実施形態及び比較例で得られた結果を記録する。
【0069】
2.透過率試験方法
(a)基材の材料:ガラス基材(Jianhui Companyにより供給された100mmのウルトラホワイト(ultrawhite)ガラス)
(b)試験すべき膜の調製:前記実施形態及び比較例で得られた上相の液体を、浸漬コーティングによりガラス基材に適用し、オーブンにより60℃で5分間加熱して溶媒を除去し、それによって基材の2つの面に125nmの厚さを有するコーティング層を形成させた。
(c)Ultraviolet Absorption Spectrophotometer(Perkin Elmer Corp., Lamda 900)を使用して、試験すべきガラス基材及びコーティング層の透過率を測定し、得られた結果を
図4及び表1に記録した。
【0070】
図4は、本発明の実施例1〜2及び比較例1のコーティング組成物を使用して調製した膜の透過率スペクトルである。
【0071】
【表1】
【0072】
中空粒子:接着剤固形分の比が1:20であるコーティング組成物(実施例2)で両面コーティングすることによって、元のガラス基材の透過率は、91.7%から94.6%に2.9%増加すること、中空粒子:接着剤固形分の比が1:10であるコーティング組成物(実施例3)で両面コーティングすることによって、元のガラス基材の透過率は、91.7%から95.6%に3.9%増加すること、及び中空粒子:接着剤固形分の比が1:3であるコーティング組成物(実施例1)で両面コーティングすることによって、元のガラス基材の透過率は、91.7%から96.5%に4.8%増加することが、表1及び
図4の膜の550nmの可視光線の透過率を比較することによって分かる。これらの結果は、本発明のコーティング組成物を使用して調製されたコーティング層が、基材の透過率を効果的に向上できること、及び光線反射の損失を効果的に低減できること、更には、中空粒子の含有量が高いほど、効果が著しいことを示す。
【0073】
実施例1〜2により実証されているように、透過率の増加は、実施例4〜5においても生じている。これらの結果は、本発明の接着剤が、ケイ素含有化合物で改質されたポリアクリル酸樹脂に限定されないことを示す。ポリシロキサン樹脂を使用して、透過率の増加に同様の効果を得ることもできる。
【0074】
比較例1〜3のコーティング組成物を使用して調製した膜では、透過率は、それぞれ93.6%、93.6%及び93.8%にすぎず、中空粒子の、接着剤固形分に対する比が過度に高いか又は過度に低い場合には、光線透過率を効果的に高めることができないことを示している。
【0075】
中空粒子の高い含有量(中空粒子:接着剤固形分=1:1)を比較例2に使用したが、最終的に得られた上相の液体は、接着剤及びトルエンのみを含有していた。中空粒子の含有量が過度に高い場合、接着剤は、中空粒子と効果的に結合して中空粒子を覆うことができないこと及び中空粒子は、接着剤に効果的に分散することができないことが、この実験結果から分かる。したがって、相分離の後、上相の液体は、中空粒子を含まないで接着剤及びトルエンのみを含有し、得られた透過率は、比較例1の場合(接着剤のみが存在する)と類似している。
【0076】
比較例3の組成物の接着剤固形分の比が過度に高い場合には、中空粒子の相対的な含有量が低下し、それによって透過率を効果的に高めることができず、得られる透過率は、比較例1の接着剤のみを含有する組成物の場合と類似している。