(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
出力画像の色プレーンを分割して得られる所定サイズのブロック画像について、前記ブロック画像内のすべての画素が前記色プレーンの色を有さない場合、前記ブロック画像内のすべての画素が前記色プレーンの色を有さないことを示す所定の第1値をセットした第1ブロック特性データを生成し、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有することを示す所定の第2値をセットした第1ブロック特性データを生成するブロック化部と、
前記第1ブロック特性データに前記第2値がセットされている前記ブロック画像に対してガンマ補正を実行し、前記第1ブロック特性データに前記第1値がセットされている前記ブロック画像に対してガンマ補正を実行しないガンマ補正部と、
前記ガンマ補正後の前記ブロック画像に対してスクリーン処理を実行してブロックドット画像を生成するスクリーン処理部と、
ブロック画像について色値とトナー付着量との対応関係を示し、そのトナー付着量として、1つの前記色値に対して、標準トナー付着量、およびそのブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データの値の複数のパターンに応じた、前記標準トナー付着量より多い複数のトナー付着量を有するトナー付着量テーブルと、
ある色プレーンにおけるある注目ブロック画像についてのトナー付着量を算出する際に、(a)前記注目ブロック画像のドットパターンに対応する色値および(b)前記注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値に対応するトナー付着量を、前記トナー付着量テーブルに基づいて特定し、特定した前記トナー付着量と前記注目ブロックの画素数とに基づいて、前記注目ブロックのトナー付着量を特定するトナー付着量算出部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像の幅方向または高さ方向に隣接する2つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第1値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、前記標準トナー付着量より多いトナー付着量とし、前記注目ブロック画像の幅方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像および前記注目ブロック画像の高さ方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第2値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、前記標準トナー付着量とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像の幅方向および高さ方向に隣接する4つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第1値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、前記標準トナー付着量より多いトナー付着量とし、前記注目ブロック画像の幅方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像および前記注目ブロック画像の高さ方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第2値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、前記標準トナー付着量とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
前記ブロック化部は、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合において、前記ブロック画像内のすべての画素の色値が同一ではない場合、前記ブロック画像の各画素の色値を有するブロック画像データを生成し、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合において、前記ブロック画像内のすべての画素の色値が同一である場合、その色値をセットした第2ブロック特性データを生成し、前記ブロック画像データを生成せず、
前記ガンマ補正部は、前記ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされている場合には、前記第2ブロック特性データの前記色値に対してガンマ補正を実行し、前記ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされていない場合には、前記ブロック画像データの各画素に対してガンマ補正を実行し、
前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされていない場合には、前記ブロックドット画像のドットパターンを特定し、特定した前記ドットパターンから、前記注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定し、前記注目ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされている場合には、(c)前記第2ブロック特性データの色値および(d)前記注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値に対応するトナー付着量を、前記トナー付着量テーブルの前記対応関係に基づいて特定し、特定した前記トナー付着量と前記注目ブロックの画素数とに基づいて、前記注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、注目ドット周辺のドットパターンを特定し、そのドットパターンを考慮してトナー付着量を特定する場合、ドットパターンを特定する対象となる周辺領域を広くするほど、トナー付着量がより正確に特定される。しかし、ドットパターンを特定すべき周辺領域を広くすると、注目ドット周辺のドットパターンがどのようなドットパターンかを特定するための演算時間が長くなってしまう。
【0007】
例えば、周辺領域にドットが存在する場合に比べ、周辺領域にドットが存在しない場合のほうが、エッジ効果が強くなり、トナー付着量が増加することがある。周辺領域にドットが存在しない場合に比べ、周辺領域にドットが存在する場合のほうが、ハロー現象が強くなり、トナー付着量が減少することがある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、短い演算時間でより正確にトナー付着量を特定する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、出力画像の色プレーンを分割して得られる所定サイズのブロック画像について、前記ブロック画像内のすべての画素が前記色プレーンの色を有さない場合、前記ブロック画像内のすべての画素が前記色プレーンの色を有さないことを示す所定の第1値をセットした第1ブロック特性データを生成し、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有することを示す所定の第2値をセットした第1ブロック特性データを生成するブロック化部と、前記第1ブロック特性データに前記第2値がセットされている前記ブロック画像に対してガンマ補正を実行し、前記第1ブロック特性データに前記第1値がセットされている前記ブロック画像に対してガンマ補正を実行しないガンマ補正部と、前記ガンマ補正後の前記ブロック画像に対してスクリーン処理を実行してブロックドット画像を生成するスクリーン処理部と、
ブロック画像について色値とトナー付着量との対応関係を示し、そのトナー付着量として、1つの前記色値に対して、標準トナー付着量、およびそのブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データの値の複数のパターンに応じた、前記標準トナー付着量より多い複数のトナー付着量を有するトナー付着量テーブルと、ある色プレーンにおけるある注目ブロック画像についてのトナー付着量を算出する際に、
(a)前記注目ブロック画像のドットパターンに対応する色値および(b)前記注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値
に対応するトナー付着量を、前記トナー付着量テーブルに基づいて特定し、
特定した前記トナー付着量と前記注目ブロックの画素数とに基づいて、前記注目ブロックのトナー付着量を特定するトナー付着量算出部とを備える。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像の幅方向または高さ方向に隣接する2つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第1値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、
前記標準
トナー付着量より多いトナー付着量とし、前記注目ブロック画像の幅方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像および前記注目ブロック画像の高さ方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第2値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、
前記標準
トナー付着量とする。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像の幅方向および高さ方向に隣接する4つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第1値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、
前記標準
トナー付着量より多いトナー付着量とし、前記注目ブロック画像の幅方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像および前記注目ブロック画像の高さ方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値が前記第2値である場合、前記注目ブロック画像のトナー付着量を、
前記標準
トナー付着量とする。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記ブロック化部は、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合において、前記ブロック画像内のすべての画素の色値が同一ではない場合、前記ブロック画像の各画素の色値を有するブロック画像データを生成し、前記ブロック画像内の少なくとも1つの画素が前記色プレーンの色を有する場合において、前記ブロック画像内のすべての画素の色値が同一である場合、その色値をセットした第2ブロック特性データを生成し、前記ブロック画像データを生成しない。前記ガンマ補正部は、前記ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされている場合には、前記第2ブロック特性データの前記色値に対してガンマ補正を実行し、前記ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされていない場合には、前記ブロック画像データの各画素に対してガンマ補正を実行する。前記トナー付着量算出部は、前記注目ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされていない場合には、前記ブロックドット画
像のドットパターンを特定し、特定した前記ドットパターンから、前記注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定し、前記注目ブロック画像について前記第2ブロック特性データに前記色値がセットされている場合には、
(c)前記第2ブロック特性データの色値および(d)前記注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の前記第1ブロック特性データにセットされている値に対応するトナー付着量を、前記トナー付着量テーブルに基づいて特定し、特定した前記トナー付着量と前記注目ブロックの画素数とに基づいて、前記注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記トナー付着量算出部は、前記ブロック画像内のすべての画素
における各画素の色値が、0または最大値であるときには、前記ブロックドット画
像のドットパターンを特定せずに、前記最大値を有する画素の個数と、前記最大値に対応する1画素あたりのトナー付着量とから、前記注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記ブロック画像の前記所定サイズは、前記スクリーン処理におけるスクリーンのサイズと同一である。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、前記出力画像の色プレーンは、当該画像形成装置において使用されるトナーのトナー色ごとに存在する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、短い演算時間でより正確にトナー付着量を特定する画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2は、
図1に示す画像形成装置のデータフローについて説明するブロック図である。
【0023】
図1および
図2に示す画像形成装置は、通信装置1、スキャン部2、操作パネル3、出力エンジン4、演算処理装置5、および記憶装置6を有する。
【0024】
通信装置1は、ネットワークや周辺機器インターフェイス用の通信装置であって、図示せぬホスト装置とデータ通信を行う内部装置である。スキャン部2は、原稿の画像を光学的に読み取り、電気信号として出力する内部装置である。操作パネル3は、液晶ディスプレイなどの表示装置およびタッチパネルなどの入力装置を有するユーザーインターフェイスである。出力エンジン4は、所定のトナー色(ここでは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、およびブラック(K)の4色)の現像装置を有し、その現像装置を使用して画像を電子写真方式で印刷する。
【0025】
例えば、間接転写方式の画像形成装置の場合、出力エンジン4は、トナー色ごとに、感光体ドラム、露光装置、および現像装置を有し、ドット画像データに基づいて、露光装置で感光体ドラム上に静電潜像を形成し、現像装置で、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラムから中間転写ベルトへトナー画像を転写し、中間転写ベルトから印刷用紙へトナー画像を転写し、定着器でトナー画像を印刷用紙に定着させる。
【0026】
演算処理装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターおよび/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有し、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで各種処理部を実現する装置である。記憶装置6は、不揮発性の記憶装置であって、各種データを記憶している。なお、記憶装置6は、演算処理装置5に内蔵されていてもよい。
【0027】
演算処理装置5では、PDLデータ受信部11、PDLデータ解釈部12、入力画像データ作成部13、入力画像データ受信部14、色変換部15、ブロック化部16、ブロック画像処理部17、トナー付着量算出部18、および課金算出部19が実現される。
【0028】
記憶装置6には、ドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42が記憶されている。
【0029】
PDLデータ受信部11は、通信装置1を使用して、図示せぬホスト装置からPDL(Page Description Language)データを受信する。
【0030】
PDLデータ解釈部12は、PDLデータ受信部11により受信されたPDLデータを解釈する。
【0031】
入力画像データ作成部13は、PDLデータ解釈部12によるPDLデータの解釈に基づいて、入力画像データを作成する。例えば、入力画像データは、8ビットのRGBデータである。
【0032】
入力画像データ受信部14は、スキャン部2を制御して、スキャン部2から原稿画像のデータを受信し、入力画像データとして出力する。
【0033】
色変換部15は、入力画像データ(RGBデータ)を出力画像データ(CMYKデータ)へ変換する。なお、出力画像データは、CMYKのそれぞれの色プレーンに分割されている。また、出力画像データの解像度は、入力画像データの解像度と同一である。
【0034】
なお、出力画像の色プレーンは、当該画像形成装置において使用されるトナーのトナー色ごとに存在する。
【0035】
ブロック化部16は、出力画像の解像度を印刷解像度に変換し、印刷解像度の出力画像の色プレーンを分割して得られる所定サイズのブロック画像について、ブロック特性データを生成するとともに、必要に応じてブロック画像データを生成する。例えば、印刷解像度が600dpiであり、出力画像の解像度が200dpiである場合、3倍に拡大した後の出力画像のブロック画像についてのブロック特性データおよびブロック画像データが生成される。
【0036】
また、ブロック化部16は、入力画像データとともに得られる画素属性データから、ブロック画像ごとにそのブロック画像が文字属性を有するか非文字属性を有するかを示すブロック属性データを生成し、ブロック画像処理部17およびトナー付着量算出部18に供給する。
【0037】
このブロック化部16は、ブロック特性データ生成部21およびブロック画像データ生成部22を有する。
【0038】
ブロック特性データ生成部21は、出力画像の色プレーンを分割して得られる所定サイズのブロック画像について、ブロック画像内のすべての画素が色プレーンの色を有さない場合、ブロック画像内のすべての画素が色プレーンの色を有さないことを示す所定の第1値をセットした第1ブロック特性データ(以下、非白フラグともいう)を生成し、ブロック画像内の少なくとも1つの画素が色プレーンの色を有する場合、ブロック画像内の少なくとも1つの画素が色プレーンの色を有することを示す所定の第2値をセットした第1ブロック特性データを生成する。なお、第2値は、第1値とは異なり、ここでは、第1値はゼロであり、第2値は1である。
【0039】
なお、ブロック画像の上述の所定サイズは、後述のスクリーン処理におけるスクリーンのサイズと同一である。ここでは、幅4画素、高さ4画素のサイズとされる。
【0040】
ブロック画像データ生成部22は、ブロック画像内の少なくとも1つの画素が色プレーンの色を有する場合において、ブロック画像内のすべての画素の色値が同一ではない場合、ブロック画像の各画素の色値を有するブロック画像データを生成し、ブロック画像内の少なくとも1つの画素が色プレーンの色を有する場合において、ブロック画像内のすべての画素の色値が同一である場合、その色値(以下、フィル色値という)をセットした第2ブロック特性データを生成し、ブロック画像データを生成しない。なお、この実施の形態では、ブロック画像内の画素の色値が同一ではない場合、第2ブロック特性データには値ゼロがセットされる。
【0041】
図3は、ブロック特性データの一例を示す図である。ブロック特性データは、各ブロック画像について、色プレーン属性(CMYKのいずれか)、ブロック座標値、非白フラグ、フィル色値、およびブロック画像データアドレスを有する。
【0042】
第1ブロック特性データD1(非白フラグ)は、ブロック画像内のすべての画素が色プレーンの色を有さない場合には、値ゼロをセットされ、ブロック画像内のすべての画素が色プレーンの色を有する場合には、値1をセットされる。
【0043】
第2ブロック特性データD2は、ブロック画像内のすべての画素の色値が同一である場合、フィル色値をセットされ、そうではない場合、ゼロをセットされる。ただし、非白フラグの値がゼロである場合には、第2ブロック特性データは、ゼロがセットされる。
【0044】
ブロック画像データアドレスは、ブロック画像データが保存されているRAMの記憶領域の先頭アドレスを示す。なお、ブロック画像データが生成されない場合には、ブロック画像データアドレスには、ゼロがセットされる。
【0045】
ブロック画像処理部17は、ガンマ補正部23およびスクリーン処理部24を有する。
【0046】
ガンマ補正部23は、出力エンジン4の特性に合わせた階調補正を出力画像の色プレーンに対して施す。ガンマ補正部23は、第1ブロック特性データに第2値がセットされているブロック画像(つまり、色を有するブロック画像)に対してガンマ補正を実行し、第1ブロック特性データに第1値がセットされているブロック画像に対してガンマ補正を実行しない。
【0047】
また、ガンマ補正部23は、ブロック画像について第2ブロック特性データにフィル色値がセットされている場合には、そのフィル色値に対してガンマ補正を実行し、ブロック画像について第2ブロック特性データにフィル色値がセットされていない場合には、ブロック画像データの各画素に対してガンマ補正を実行する。
【0048】
スクリーン処理部24は、ガンマ補正後のブロック画像に対してスクリーン処理を実行してブロックドット画像を生成し、ブロックドット画像データとして出力する。
【0049】
この実施の形態では、スクリーン処理部24は、幅4画素、高さ4画素のスクリーンサイズで16階調のドット画像を生成し、出力エンジン4は、ブロックドット画像データの示す値に対応して、各ドットのサイズ(つまり、露光パルス幅)を16段階のいずれかに設定する。
【0050】
したがって、ブロックドット画像のサイズは、幅4画素、高さ4画素であり、ブロックドット画像データは、4ビット(0〜15)で表現される各画素の値を有する。
【0051】
トナー付着量算出部18は、ブロック特性特定部31、ブロックトナー付着量算出部32、およびドットパターン比較部33を有する。
【0052】
ブロック特性特定部31は、ある色プレーンにおけるある注目ブロック画像についてのトナー付着量を算出する際に、注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の第1ブロック特性データを読み出し、それらにセットされている値を特定する。
【0053】
ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像のトナー付着量を、ブロック特性特定部31により特定された第1ブロック特性データにセットされている値に応じて異なる値とする。
【0054】
この実施の形態では、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像の幅方向または高さ方向に隣接する2つのブロック画像の第1ブロック特性データにセットされている値が第1値である場合(つまり、それらの隣接ブロック画像がすべて色を有さない場合)、注目ブロック画像のトナー付着量を、所定の標準値とは異なる値とする。
【0055】
なお、この標準値は、実験などで求められた、均一な色値を有する出力画像での単位面積あたりのトナー付着量の値から特定される値である。この実施の形態では、各色値について、単位面積あたりのトナー付着量の値から、所定の印刷解像度での1画素の面積でのトナー付着量の値が予め求められ、後述のトナー付着量テーブル42に登録される。
【0056】
また、この実施の形態では、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像の幅方向および高さ方向に隣接する4つのブロック画像の第1ブロック特性データにセットされている値が第1値である場合、注目ブロック画像のトナー付着量を、所定の標準値とは異なる値とする。
【0057】
さらに、この実施の形態では、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像の幅方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像および注目ブロック画像の高さ方向に隣接する少なくとも1つのブロック画像の第1ブロック特性データにセットされている値が第2値である場合(つまり、それらの隣接ブロック画像の少なくとも1つが色を有する場合)、注目ブロック画像のトナー付着量を、所定の標準値とする。
【0058】
ドットパターン比較部33は、注目ブロック画像について第2ブロック特性データが存在しない場合には、ブロックドット画像データのドットパターンを特定する。
【0059】
ブロックトナー付着量算出部32は、ドットパターン比較部33により特定されたドットパターンから、注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。なお、注目ブロック画像について第2ブロック特性データにフィル色値がセットされている場合には、ブロックドット画像データのドットパターンの特定(後述のドットパターンテーブル41内のドットパターンとの比較)を行わずに、ブロックトナー付着量算出部32は、第2ブロック特性データのフィル色値から、注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。
【0060】
ドットパターンテーブル41は、ブロックドット画像のドットパターンと、そのブロック画像の色値との対応関係を示すデータを有する。トナー付着量テーブル42は、ドットパターンに対応する色値および第2ブロック特性データの色値とトナー付着量(所定の印刷解像度での1画素あたりのトナー付着量の値)との対応関係を示すデータを有する。つまり、ドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42により、ドットパターンおよび第2ブロック特性データの色値とトナー付着量との対応関係が特定される。
【0061】
なお、この実施の形態では、非文字属性のブロック画像用のドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42、文字属性のブロック画像用のドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42、並びに予め登録されたドットパターンのドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42が使用される。
【0062】
図4は、非文字属性のブロック画像用のドットパターンテーブル41の一例を示す図である。
図5は、文字属性のブロック画像用のドットパターンテーブル41の一例を示す図である。
図6は、予め登録されたドットパターンのドットパターンテーブル41の一例を示す図である。
【0063】
図7は、非文字属性のブロック画像用のトナー付着量テーブル42の一例を示す図である。
図8は、文字属性のブロック画像用のトナー付着量テーブル42の一例を示す図である。
図9は、予め登録されたドットパターンについてのトナー付着量テーブル42の一例を示す図である。
【0064】
図7〜
図9に示すトナー付着量テーブル42には、ガンマ補正前の色値およびガンマ補正後の色値の両方に対応するトナー付着量が登録されている。
【0065】
なお、
図4および
図5、並びに
図7および
図8に示すドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42は、全画素の色値が一定であるブロック画像についてのものであり、その他のブロック画像についてのドットパターンやトナー付着量は、
図6および
図9に示すドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42に適宜予め登録される。
【0066】
また、ガンマ補正前の色値に対するガンマ補正後の色値は、階調キャリブレーションによって変更されることがあるが、階調キャリブレーションによってガンマ補正後の色値が変更された場合でも、ガンマ補正前の色値のトナー付着量とガンマ補正後の色値のトナー付着量とが同一になるように、ドットパターンテーブル41内のドットパターンやプロセス条件が設定される。
【0067】
ブロックトナー付着量算出部32は、ドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42を参照して、特定されたドットパターンから、注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。このとき、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像のブロック属性データの値に応じて、ドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42を選択し、選択したドットパターンテーブル41およびトナー付着量テーブル42でトナー付着量を特定する。
【0068】
また、ブロックトナー付着量算出部32は、トナー付着量テーブル42を参照して、第2ブロック特性データの色値から、注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。このとき、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像のブロック属性データの値に応じて、トナー付着量テーブル42を選択し、選択したトナー付着量テーブル42でトナー付着量を特定する。
【0069】
この実施の形態では、トナー付着量テーブル42は、1つのドットパターン(ドットパターンに対応する色値)および1つの第2ブロック特性データのフィル色値に対して、隣接する複数のブロック画像の第1ブロック特性データの値の複数のパターンに応じた複数のトナー付着量を有している。
【0070】
例えば、トナー付着量テーブル42は、トナー付着量の標準値、ブロック画像の幅方向(左右)に隣接する2つのブロック画像の第1ブロック特性データの値が第1値である場合のトナー付着量、ブロック画像の高さ方向(上下)に隣接する2つのブロック画像の第1ブロック特性データの値が第1値である場合のトナー付着量、およびブロック画像の幅方向および高さ方向(上下左右)に隣接する4つのブロック画像の第1ブロック特性データの値が第1値である場合のトナー付着量を有している。
【0071】
そして、ブロックトナー付着量算出部32は、トナー付着量テーブル42を参照して、注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の第1ブロック特性データの値のパターンに応じたトナー付着量を特定する。
【0072】
さらに、ブロックトナー付着量算出部32は、ブロック画像内のすべての画素の色値が、0または最大値であるときには、ブロックドット画像データのドットパターンを特定せずに、その最大値を有する画素の個数と、その最大値に対応する1画素あたりのトナー付着量とから、注目ブロック画像についてのトナー付着量の値を特定する。
【0073】
また、課金算出部19は、印刷ページ数、印刷枚数、トナー付着量などから印刷の課金額を算出する。
【0074】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0075】
上述のように、ブロック化部16は、各ブロック画像について、ブロック特性データを生成し、ブロック画像内のすべての画素の色値が同一ではない場合、ブロック画像データを生成し、それらのデータを図示せぬRAMなどに記憶する。
【0076】
また、ブロック画像処理部17では、ガンマ補正部23が、各ブロック画像について、フィル色値またはブロック画像データに対してガンマ補正を行い、スクリーン処理部24が、ガンマ補正後のフィル色値またはブロック画像データに対応するブロックドット画像データを生成する。
【0077】
トナー付着量算出部18は、これらのデータからブロック(ここでは、幅4画素、高さ4画素)ごとに、トナー付着量を特定する。
図10は、
図1および
図2におけるトナー付着量算出部18の動作について説明するフローチャートである。
【0078】
トナー付着量算出部18は、トナー付着量を算出していない(つまり、未処理の)ブロック画像のうちの1つを注目ブロック画像として選択する(ステップS1)。なお、各ブロック画像は、
図3に示すブロック座標値で特定される。つまり、トナー付着量算出部18は、ブロック座標値に従って、処理対象のブロック画像を順番に選択していく。
【0079】
ブロック特性特定部31は、注目ブロック画像の上下左右に隣接する4つのブロック画像についての非白フラグの値を読み出す(ステップS2)。
【0080】
また、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像のフィル色値またはブロック画像データを参照して、注目ブロック画像内の全画素が0または255の色値を有するか否かを判定する(ステップS3)。
【0081】
注目ブロック画像内の全画素が0または255の色値を有する場合、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像内で色値が255である画素の個数、およびトナー付着量テーブル42において色値255に対応するトナー付着量を特定し、その個数とそのトナー付着量との積を、注目ブロック画像についてのトナー付着量とする(ステップS4)。
【0082】
一方、注目ブロック画像内の少なくとも1つの画素が0および255以外の色値を有する場合、ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像の全画素値が一定であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0083】
ブロックトナー付着量算出部32は、注目ブロック画像の全画素値が一定である場合(具体的には、注目ブロック画像の非白フラグが第2値(=1)であり、かつ、フィル色値にゼロ以外の数値がセットされている場合)、トナー付着量テーブル42を参照して、そのフィル色値および隣接するブロック画像の非白フラグの値に対応するトナー付着量を特定し、そのトナー付着量に注目ブロック画像内の画素数(=16)を乗算して、注目ブロック画像のトナー付着量を特定する(ステップS6)。
【0084】
このとき、RAMなどに記憶されているフィル色値がガンマ補正前のものであれば、そのフィル色値に一致する
図7および
図8に示すトナー付着量テーブル42におけるガンマ補正前の色値に対応するトナー付着量の値が選択される。一方、RAMなどに記憶されているフィル色値がガンマ補正後のものであれば、そのフィル色値に一致する
図7および
図8に示すトナー付着量テーブル42におけるガンマ補正後の色値に対応するトナー付着量の値が選択される。
【0085】
一方、注目ブロック画像の全画素値が一定ではない場合、ドットパターン比較部33は、注目ブロック画像のブロックドット画像データから、注目ブロック画像に対応するブロックドット画像のドットパターンを特定し、ドットパターンテーブル41を参照して、そのドットパターンに対応する色値を特定する(ステップS7)。そして、ブロックトナー付着量算出部32は、トナー付着量テーブル42を参照して、その色値および隣接するブロック画像の非白フラグの値に対応するトナー付着量を特定し、そのトナー付着量に注目ブロック画像内の画素数(=16)を乗算して、注目ブロック画像のトナー付着量を特定する(ステップS8)。
【0086】
このとき、ブロックドット画像データは、ガンマ補正後のブロック画像から得られているので、
図4および
図5に示すドットパターンテーブル41で特定された色値に一致する
図7および
図8に示すトナー付着量テーブル42におけるガンマ補正後の色値に対応するトナー付着量の値を選択する。
【0087】
なお、特定されたドットパターンが、予め登録されたドットパターン(
図6)である場合、ドットパターンテーブル41に基づいて、そのドットパターンに関連付けられている識別子(ID)が特定され、トナー付着量テーブル42に基づいて、その識別子(ID)に関連付けられているトナー付着量の値が使用される。
【0088】
このようにして、注目ブロック画像のトナー付着量が特定されると、トナー付着量算出部18は、未処理のブロック画像があるか否かを判定し(ステップS9)、未処理のブロック画像があれば、ステップS1に戻り、次の注目ブロック画像を選択し、ステップS2以降の処理を再度行う。
【0089】
そして、未処理のブロック画像がなくなると、この処理を終了し、1つの出力画像についてのトナー付着量が、全ブロック画像のトナー付着量の合計として計算される。そして、そのトナー付着量が、課金算出部19などの他の処理部へ出力されたり、操作パネル3に表示されたりする。
【0090】
ここで、ブロック画像のトナー付着量の例について説明する。
【0091】
図11は、幅1画素で色値255の斜細線を有する場合の出力画像の例を示す図である。
図11(A)は、この場合の出力画像であり、
図11(B)は、
図11(A)に示す出力画像をブロックごとにスクリーニングした後のブロックドット画像である。ブロック画像61からは、幅1画素で値15の斜細線を有するブロックドット画像71が生成される。
【0092】
この場合、注目ブロック画像61の全画素の色値は0または255であるので、ブロックトナー付着量算出部32は、トナー付着量テーブル42を参照して、色値255に対応するトナー付着量を特定する。例えば、注目ブロック画像61が文字属性を有する場合、
図8に示すトナー付着量テーブル42における色値255に対応するトナー付着量0.0948マイクログラム/ピクセルが特定される。このため、ブロックトナー付着量算出部32は、色値255の画素の個数(=4)に、このトナー付着量0.0948マイクログラム/ピクセルを乗算して、注目ブロック画像61のトナー付着量を0.379マイクログラムと特定する。
【0093】
図12は、幅4画素で色値64の高さ方向に延びる領域を有する場合の出力画像の例を示す図である。
図12(A)は、この場合の出力画像であり、
図12(B)は、
図12(A)に示す出力画像をブロックごとにスクリーニングした後のブロックドット画像である。ブロック画像62からは、幅1画素で値15の斜線を有するブロックドット画像72が生成される。
【0094】
この場合、注目ブロック画像62の全画素の色値は同一であり、ガンマ補正前のフィル色値が64であり、上下に隣接するブロック画像62U,62Dの非白フラグが1であり、左右に隣接するブロック画像62L,62Rの非白フラグが0であるので、例えば、注目ブロック画像61が文字属性を有する場合、ブロックトナー付着量算出部32は、ガンマ補正前のフィル色値64に対応し、左右の非白フラグが0である場合のトナー付着量の値0.0235マイクログラム/ピクセルを、
図7に示すトナー付着量テーブル42に基づき特定する。そして、ブロックトナー付着量算出部32は、このトナー付着量0.0235マイクログラム/ピクセルにブロック画像内の画素数16を乗算して、注目ブロック画像62のトナー付着量を0.376マイクログラムと特定する。
【0095】
以上のように、上記実施の形態によれば、ブロック化部16は、ブロック画像について、ブロック画像内のすべての画素が色を有さない場合、所定の第1値をセットした第1ブロック特性データを生成し、ブロック画像内の少なくとも1つの画素が色を有する場合、所定の第2値をセットした第1ブロック特性データを生成する。トナー付着量算出部18は、注目ブロック画像についてのトナー付着量を算出する際に、注目ブロック画像に隣接する複数のブロック画像の第1ブロック特性データにセットされている値を特定し、注目ブロック画像のトナー付着量を、特定した第1ブロック特性データにセットされている値に応じて異なる値とする。
【0096】
これにより、ブロック画像ごとにガンマ補正やスクリーン処理を効率良く実行するために生成されるブロック特性データを利用して、簡単な処理で、注目ブロック画像の周辺領域のブロック画像の特性を考慮して、注目ブロック画像のトナー付着量を特定するため、短い演算時間でより正確にトナー付着量が特定される。
【0097】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。