特許第5777614号(P5777614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5777614-薬剤容器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777614
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】薬剤容器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/24 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A61M5/24 510
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-520021(P2012-520021)
(86)(22)【出願日】2010年7月14日
(65)【公表番号】特表2012-532719(P2012-532719A)
(43)【公表日】2012年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2010060125
(87)【国際公開番号】WO2011006923
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年7月4日
(31)【優先権主張番号】09009188.5
(32)【優先日】2009年7月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ナゲル
(72)【発明者】
【氏名】レーネ・リヒター
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ヴィット
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02805662(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0016710(US,A1)
【文献】 特開平06−063133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮手段(3)により圧縮可能である、流出口(2.2)を備えたバッグ(2.1)を含んでなり、バッグ(2.1)が非可撓性であるよう構成され、そして圧縮手段(3)にかけられる領域において可撓性になるよう構成される薬剤容器(2)であって、バッグ(2.1)が、感熱性のスキン又はスキン層を含んでなり、それは、加熱圧縮手段(3)にかけられたとき可撓性になり、そして加熱後加熱されないか又は冷却したとき、加熱圧縮手段(3)に既にかけられた領域において非可撓性になるよう構成されることを特徴とする、薬剤容器(2)
【請求項2】
圧縮手段(3)により圧縮可能である、流出口(2.2)を備えたバッグ(2.1)を含んでなり、バッグ(2.1)が非可撓性であるよう構成され、そして圧縮手段(3)にかけられる領域において可撓性になるよう構成される薬剤容器(2)であって、バッグ(2.1)、スキン又はスキン層を含んでなり、それは化学剤、放射、磁場、電場、電流、加熱された圧縮手段、及び機械的影響の少なくとも一つにかけられることにより局部的に軟化し、又は可撓性になり得ることを特徴とする、薬剤容器(2)。
【請求項3】
スキン層が外層であることを特徴とする、請求項またはに記載の薬剤容器(2)。
【請求項4】
圧縮手段(3)により圧縮可能である、流出口(2.2)を備えたバッグ(2.1)を含んでなり、バッグ(2.1)が非可撓性であるよう構成され、そして圧縮手段(3)にかけられる領域において可撓性になるよう構成される薬剤容器(2)であって、バッグ(2.1)が、少なくとも一つの可撓性層、及び圧縮手段(3)にかけられるとき取り外し可能である、硬質外部スキン層を備えたスキンを含んでなることを特徴とする、薬剤容器(2)。
【請求項5】
スキン層が、糖、塩、及びワックスの一つを含んでなることを特徴とする、請求項に記載の薬剤容器(2)。
【請求項6】
スキン又はスキン層が、銀又はUV感受性ポリマーを含んでなり、前記スキン又はスキ
ン層が可撓性にされるか、或いは可視光又は紫外光の放射にかけられることによって、スキン層が取り外されるか、又は溶融するよう配置されることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の薬剤容器(2)。
【請求項7】
袋(2.1)が、平面状で、硬質の支持体(4)上に配置され、そして圧縮手段(3)として機能するローラが、支持体(4)に抗してバッグ(2.1)を局部的に押圧し、バッグ(2.1)の縦方向に前進するように配置されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の薬剤容器(2)。
【請求項8】
請求項1〜の内のいずれか1項に記載の薬剤容器(2)を含んでなる、液体薬剤を送達するための注射装置(1)。
【請求項9】
患者の皮膚を穿刺するためのバルブ(5)及び中空ニードル(6)が流出口(2.2)に配置されることを特徴とする、請求項に記載の注射装置(1)。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の薬剤容器(2)を含んでなる液体薬剤を送達するための吸入器配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮手段により圧縮可能である流出口を備えたバッグを含んでなる薬剤容器に関する。
【0002】
多くの薬剤は体内へ注射する必要がある。これは、特に、例えば、タンパク質(インスリン、成長ホルモン、インターフェロンなどの)、炭水化物(例えば、ヘパリン)、抗生物質、及び大部分のワクチンのような、経口投与により非活性化し、又は効率を著しく低下させる薬剤に適用する。そのような薬剤は、主として、注射器、薬剤ペン、又は薬剤ポンプにより注射される。
【背景技術】
【0003】
幾つかの薬剤はいわゆる吸入器からそれらを吸入することにより投与する必要がある。
【0004】
特許文献1は吸入器を開示し、ここで、吸入すべき薬剤は、バッグの形状をした薬剤容器内に貯蔵される。
【0005】
特許文献2は、流出口を有する可撓性バッグ、圧縮手段により圧縮可能なバッグを含む薬剤容器を備えた輸液ポンプを開示する。
【0006】
特許文献3は、流出口を有する可撓性バッグ、圧縮手段で圧縮可能なバッグを含む薬剤容器を備えた薬剤送達デバイスを開示している。
【0007】
特許文献4は、流出口を備えたバッグ、圧縮手段で圧縮可能なバッグを含む薬剤容器を開示する。バッグは、非可撓性の下半分及び可撓性の上半分を有する。可撓性の上半分は、圧縮手段にかけられることが意図されている。
【0008】
特許文献5は、喉用の薬剤溶液用のポータブルな薬剤溶液の容器を開示し、容器は流出口を有する可撓性バッグを含み、バッグは圧縮手段で圧縮可能である。
【0009】
特許文献6は、流出口を有する可撓性バッグを含む薬剤容器を備えた輸液ポンプを開示し、バッグは圧縮手段により圧縮可能である。
【0010】
特許文献7は、ホットメルト素材を保持するための容器を開示している。容器はサセプタ(susceptor)層、マイクロ波透過(microwave transparent)層、並びに熱伝達可能及びマイクロ波透過層を有する。含まれるホットメルト素材は、マイクロ波照射により発生する熱で軟化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO第2009/069518号A1
【特許文献2】US第5330431号
【特許文献3】US第2001/016710号
【特許文献4】US第2805662号
【特許文献5】EP第2042207号
【特許文献6】US第2005/277887号
【特許文献7】US第5368199号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、改良した薬剤容器を提供することである。
【0013】
本発明の更なる目的は、遅延滴下(delayed dripping)を回避し、そして用量精度を改良する注射装置を提供することである。
【0014】
その目的は請求項1に記載の薬剤容器で達成される。
【0015】
発明の好ましい実施態様は、従属項で与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明に記載の薬剤容器を備えた注射装置は、流出口を備えたバッグを含む。好ましくは、相対的に薄いスキンを備えたバッグは、徐々にバッグの体積を低下させ、そして結果として、練り歯磨きのチューブと同様、流出口からバッグに貯蔵されている薬剤を搾り出すために、圧縮手段により圧縮可能である。流出口は、通常、ある種のボトルネックを示し、特に、バルブ、及び/又は、注射ニードルを備えているときにそうであるので、バッグの圧縮は、バッグ内部の内部圧力を生成させる。バッグは、圧縮手段にかけられる領域で可撓性又は軟質であるよう配置され、そして、残りの領域、又は圧縮手段に未ださらされたことのない領域では本質的に非可撓性であるように配置される。バッグを圧縮するのに費やされる努力が、バッグの膨張よりむしろ流出口を通して、実質的に、完全に、薬剤を送達することに割かれるので、この挙動は、増大する内部圧力により、圧縮手段にかけられていない領域におけるバッグの一時的膨張を避けることになる。本発明の配置は、圧縮手段の前進が停止したとき、膨張したバッグの緩和による遅延滴下を避ける。更にその上、投与が改良された精度で実施できる。
【0017】
バッグは加熱圧縮手段にかけられる(subjection)と可撓性になり、そして加熱しないとき、又は加熱後、冷却したとき、本質的に非可撓性になるよう配置される、感熱性のスキン又はスキン層を有する。これは、特に、液体内容物よりむしろ圧縮手段に直接接触する外部スキン層に適用される。
【0018】
発明の別の実施態様において、バッグは化学剤、放射、磁場、電場、電流及び機械的影響の少なくとも一つへさらされることにより局部的に軟化し、又は可撓性になり得るスキン又はスキン層を含む。これは、特に、液体内容物よりむしろ圧縮手段に直接接触する外部スキン層に適用される。
【0019】
尚、別の実施態様において、バッグは、少なくとも一つの可撓性層を有するスキン、及び硬質の外部スキン層を含み、それは、圧縮手段にかけられるとき取り外し可能である。
【0020】
スキン層は、本質的に非可撓性素材である糖、塩、及びワックスの内一つを含んでもよい。
【0021】
スキン又はスキン層は、また、銀、例えば、銀イオンの形体で含んでもよく、ここで、スキン又はスキン層は、可撓性になるように配置され、又はここで、スキン層が可視光又は紫外光放射にかけられることにより、取り外し又は溶解するよう配置される。銀を保持している物質の性質は、放射に対してそれらをさらすと変化する白黒写真処理から公知である。スキン又はスキン層は、また、UV感受性ポリマーを含んでもよく、ここで、スキン又はスキン層は、可撓性になるように配置され、又はここで、スキン層は、ウエーハー曝露から公知の通り、紫外光放射にかけられるとき、除去又は溶解するよう配置される。
【0022】
発明の好ましい実施態様において、バッグは、本質的に、平面状で、硬質の支持体上に配置され、ローラは、支持体に対してバッグを局部的に押圧し、そしてバッグの縦方向に前進するよう配置される。ローラは、あるいは、バッグを押圧し、そして回転せずに前進するシュー又はワイパにより代替され得る。
【0023】
薬剤容器は、ヒト又は動物に対して液体薬剤を送達するための注射装置、又は吸入器配置の部分であり得る。
【0024】
注射装置は、患者の皮膚を穿刺するため、バルブ及び中空ニードル含んでもよく、バルブ及びニードルは、薬剤容器の流出口に配置される。ジェット注射器の場合、ニードルの代わりに、ジェットノズルを配置し得る。
【0025】
薬剤容器は、好ましくは、鎮痛薬、抗凝固剤、インスリン、インスリン誘導体、ヘパリン、ロベノックス、ワクチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、タンパク質、及び複合炭化水素の一つを送達するために用いられる。
【0026】
スキン又は外部スキン層は、また、周囲の影響に対してバッグの内容物の保護を改良できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下に示す詳細な説明から明白になるであろう。しかし、発明の精神及び範囲内における様々な変更及び改変は、この詳細な説明から当業者に対しては明白になるので、詳細な説明及び具体的な実例は、本発明の好ましい実施態様を示すが、図解としてのみで与えられたものであることは当然である。
【0028】
本発明は、以下に与えられた詳細な説明、及び図解としてのみ与えられ、そしてそれ故、本発明の限界を示すものではない添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】薬剤容器、圧縮手段、及び支持体を含む注射装置の概略図である。
【0030】
図1は薬剤容器2、圧縮手段3、及び支持体4を含む注射装置の概略図を示す。
【0031】
薬剤容器2は流出口2.2を備えたバッグ2.1を含む。バッグ2.1は、相対的に薄いスキンを有し、そして圧縮手段3で圧縮可能である。それにより、バッグ2.1の体積は徐々に低下し、結果として、バッグ2.1内に貯蔵された薬剤は、流出口2.2から搾り出される。注射装置1は、更に、流出口2.2に配置されたバルブ5及び中空ニードル6を含む。圧縮手段は、反作用力F′が負荷される支持体4に対して力Fで押圧できるローラの形状である。この作用に基づき、バッグ2.1は、圧縮手段3と支持体の間で局部的に圧縮される。圧縮手段は、その後、vで割り当てられる矢印で示される方向において、速度vで前進でき、それにより、徐々にバッグ2.1の体積を低下させる。
【0032】
バッグ2.1が圧縮されるとき、バッグ2.1の内側の内部圧力が上昇する。バッグ2.1は、圧縮手段3にかけられる領域において、それぞれ、可撓性又は軟質になるよう配置され、そして残りの領域、又は圧縮手段3に、未だ、さらされていない領域において、本質的に非可撓性になるよう配置される。
【0033】
バッグ2.1は感熱性のスキン、スキン層を含み、それは加熱圧縮手段にかけられると可撓性になるように、そして加熱しないとき、又は加熱後、冷却したとき、本質的に非可撓性になるよう配置される。これは、特に、液体内容物よりむしろ圧縮手段3に直接接触する外部スキン層に適用される。
【0034】
発明の別の実施態様において、バッグ2.1は、化学剤、放射、磁場、電場、電流及び機械的影響の少なくとも一つへさらすことにより、局部的に軟化し、又は可撓性になり得るスキン又はスキン層を含む。個々の媒体への曝露は圧縮手段3により、又は圧縮手段3で前進する分離装置により負荷される。
【0035】
尚、別の実施態様によると、バッグ2.1は、少なくとも一つの可撓性層を有するスキン、及び硬質の外部スキン層を含み、それは圧縮手段3にかけられるとき、又はその前に取り外し可能である。例えば、スキン層は、圧縮手段3、又は圧縮手段3の前方へ走行する別の配置により、スキンから剥がせるか、又はほどける。
【0036】
スキン層は糖、塩、及びワックスの一つを含んでもよい。
【0037】
スキン又はスキン層は、また、銀、例えば、銀イオンの形体で含んでもよく、ここで、スキン又はスキン層は、可撓性になるように配置され、又はここで、スキン層は、可視光又は紫外光放射にかけられるとき、除去又は溶解するよう配置される。
【0038】
ローラ形状の圧縮手段3は、あるいは、バッグ2.1を押圧するシュー又はワイパにより代替でき、そして、回転することなく前進する。
【0039】
薬剤容器は、ヒト又は動物に対して液体薬剤を送達するための、いかなる種類の注射装置又は吸入器配置の部分であってもよい。
【0040】
図で示す中空ニードル6の代わりに、ジェットノズルが提供されてもよい。
【0041】
薬剤容器2は、好ましくは、鎮痛剤、抗凝固剤、インスリン、インスリン誘導体、ヘパリン、ロベノックス、ワクチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、タンパク質、及び複合炭化水素の一つを送達するために用いられる。
【0042】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0043】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0044】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0045】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0046】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0047】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0048】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0049】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0050】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0051】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0052】
参照番号リスト:
1:注射装置;
2:薬剤容器;
2.1:バッグ;
2.2:流出口;
3:圧縮手段;
4:支持体;
5:バルブ;
6:中空ニードル;
F:力;
F′:反作用力;
v:速度;
図1