特許第5777617号(P5777617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777617
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】新規ペプチダーゼ基質
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/37 20060101AFI20150820BHJP
   C07D 277/64 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   C12Q1/37
   !C07D277/64
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-522222(P2012-522222)
(86)(22)【出願日】2010年7月27日
(65)【公表番号】特表2013-500319(P2013-500319A)
(43)【公表日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】FR2010051588
(87)【国際公開番号】WO2011012807
(87)【国際公開日】20110203
【審査請求日】2013年6月14日
(31)【優先権主張番号】0903759
(32)【優先日】2009年7月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】304043936
【氏名又は名称】ビオメリュー
【氏名又は名称原語表記】BIOMERIEUX
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ファブレーガ, オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ, アーサー
(72)【発明者】
【氏名】オレンガ, シルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ペリー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サルワトゥラ, ヴィンディヤ ラクシカ
(72)【発明者】
【氏名】スタンフォース, スティーヴン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−516401(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/016888(WO,A1)
【文献】 国際公開第2003/106439(WO,A1)
【文献】 特表2004−506723(JP,A)
【文献】 Bulletin of the Chemical Society of Japan,1985年,Vol.58, No.12,pp.3587-3592
【文献】 EMINE OKSUZOGLU,A STUDY ON THE GENOTXIC ACTIVITIES OF SOME NEW BENZOXAZOLES,MEDICINAL CHEMISTRY RESEARCH,2007年 6月 1日,V16 N1,P1-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D275/00−277/84
C12Q 1/00− 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化の検出のための酵素基質としての以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、又はHである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルであるカルボキシルエステル、カルボキシルアミド、スルホニルエステルまたはスルホニルアミドを含む)。]
及びその塩類の使用。
【請求項2】
がペプチドである、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項3】
前記ペプチドが、グリシン、アラニン及びピログルタミルから選択される、請求項1又は2に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項4】
n=1である、請求項1から3の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項5】
、W、W及びWが独立にHである、請求項1からの何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項6】
XがS又はCZであ、請求項1からの何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項7】
CZがCCHCHである、請求項6に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項8】
YがN、N又はNCHである、請求項1からの何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項9】
、Z、Z及びZがHである、請求項1からの何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項10】
前記化合物は、
L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、
β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、
L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド、
グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド、 ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド、
L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピルベンゾチアゾリウム ヨージド、及び
L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−1,3,3−トリメチルインドリニウム ジブロミド
から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項11】
微生物のペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化の検出のための方法であって、
a)以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、又はHである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルであるカルボキシルエステル、カルボキシルアミド、スルホニルエステルまたはスルホニルアミドを含む)。]
及びその塩類を含む検出及び/又は同定のための培地を提供し、
b)培地に試験される生物試料を接種し、
c)インキュベートに置き、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性又はpHの変化の存在を明らかにする工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
ペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化を検出するための以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、又はHである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルであるカルボキシルエステル、カルボキシルアミド、スルホニルエステルまたはスルホニルアミドを含む)。]
及びその塩類を含む微生物を検出及び/又は同定するための培地。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペプチダーゼ活性の検出のための酵素基質としておよび/またはpH指示薬として使用できる新規化合物に関する。これらの基質は、特に微生物学、生化学、免疫学、分子生物学、組織学等の、物理化学的信号を産生している酵素加水分解工程を含む適用において使うことができる。本発明は、上記基質を含む反応培地、ペプチダーゼ活性の検出のための培地の使用および/またはグラム陰性菌からグラム陽性菌の区別、及び使用の方法にも関する。
【0002】
現在、微生物検出用に非常に多数の培地が存在する。この検出は、特に検出することが要求される微生物の酵素に特異的な基質の特定の使用に基づく場合がある。一般に、酵素の合成基質は、基質と、標的酵素によるその代謝の生成物が異なる生理化学的性質を有し、それらを区別することができ、且つ基質の全部または一部が酵素によって生成物に変換されたかどうかが評価できる方法で形成される。ヒドロラーゼ基質は、一般に検出される酵素活性に特異的な第1の部分及び一般に発色性又は蛍光性であるマーカーとして働く第2の部分からなる。したがって、細菌の場合、基質の選択によって、反応があるか否かに従い、微生物の性質を特徴づけることが可能である。ペプチダーゼ活性は、特に、細菌のグループ、属また種を明らかにするために用いることができる。したがって、アラニンアミノペプチダーゼ活性は、例えば、グラム陽性菌からグラム陰性菌を区別することを可能にする。
【0003】
ペプチダーゼ活性の検出のための酵素の発色性基質は、従来技術において知られている。特に、微生物学で使用される酵素基質のレビューであるManafi(Manafi et al., Microbiol Rev 55(3):335-348,1991)の刊行物を挙げることができる。しかしながら、アミノペプチダーゼ基質は、培地に拡散する化合物(β−ナフチルアミン、7−アミノ−4−メチルクマリン)を加水分解によって放出すると記載された。その結果、不均一反応培地(シャーレ、組織学的断面などのコロニー)において、正確に加水分解の場所を局所化することは可能でない。さらに、本出願人によって出願された特許出願WO98/04735及びWO99/38995に記載されている基質を挙げることができる。しかしながら、これらの基質が培養培地にほとんど拡散しないにもかかわらず、それらには特定の欠点がある:それらは合成が困難であり、純度が低く、収率が低く、特定の微生物に関して有毒である。
【0004】
従って、本発明は、微生物の検出を可能にするpH指示薬として、又はペプチダーゼ基質として、新規化合物の使用を提案する。既存の基質と比較して、これらの新規な化合物は合成が容易であり、それらは反応培地においてほとんど又は全く拡散しない呈色を産生するので、微生物の検出のためのゲル化培地において、特に使用することができる。酵素基質としての使用に関して、これは、ペプチダーゼ活性を発現しているコロニーまたはオルガネラを、それを発現しないものの中から特定することを可能にする。
【0005】
本発明の説明を更に続ける前に、本発明の開示を容易にするために下記の定義を与える。
「酵素基質」なる用語は、酵素によって代謝されうる基質であって、生成物を生じることで、微生物、細胞又はオルガネラの直接的または間接的な検出を可能にするものを意味することを意図する。この基質は、検出される酵素活性に特異的な第1の部分とマーカーとして働く第2の部分を特に含む。
【0006】
本発明の化合物は基質として使用される場合にフローサイトメトリにおける使用に適しており、それは加水分解の産物が酵素活性を発現する細胞に主として局在化されたままであるためであり、この活性を発現する細胞を特異的にカウントすること、あるいは試料の残りからそれらを分離することさえ可能である。
本発明の化合物は基質として使用される場合に組織酵素学における使用に適しており、それは加水分解の産物が酵素活性を発現する細胞に主として局在化されたままであるためであり、組織内でこの活性を発現する細胞又はオルガネラを特異的に同定することが可能である。
それらの低い毒性のために、本発明の化合物は、pH指示薬として、または細胞培養のペプチダーゼ活性を監視するために、それぞれ非常に適している。
【0007】
本発明の化合物は、反応培地において拡散しない呈色または蛍光を産生するので、特に検出および/または同定培地における使用に特に適している。
本出願において、「呈色」なる用語は、可視スペクトルにおける光の吸収である呈色、又はある波長での吸収(λex)とより高い波長での放出である蛍光(λem、λem>λex)をカバーするために使用される。
本発明の化合物は、塩を形成してもよく、すなわち塩化物、臭化物、ヨウ化物またはトリフルオロ酢酸塩のような塩の形態でもよい。
【0008】
「pH指示薬」なる用語は、色及び/又は蛍光が培地のpHの修飾に従って変化する化学物質を意味することを目的とし、場合により前記修飾は前記培地上で増殖する微生物の代謝と関連がある。
「ペプチダーゼ」なる用語は、加水分解によって、ペプチドのアシル残基と一級アミンとの間で形成されるアミド基を切断することができる酵素を意味することを目的とする。
「アミノペプチダーゼ」なる用語は、加水分解によって、アミノ酸のアシルと一級アミンとの間で形成されるアミド基を切断することができる酵素を意味することを目的とする。
本出願において、「ペプチダーゼ」なる用語は、適切には、上に定義のペプチダーゼとアミノペプチダーゼを意味することができる。
「ペプチド」なる用語は、1から10アミノ酸、好ましくは1から4アミノ酸を含むペプチド鎖を意味することを目的とする。ペプチドはジアラニンまたはトリアラニンであることが望ましい。「アミノ酸」なる用語は、当業者に知られている任意の天然または非天然アミノ酸を意味することを目的とする。本発明のある実施形態によれば、アミノ酸はβ−アラニンまたはL−アラニンまたはD−アラニン、またはグリシン、ピログルタミル等である。
上記ペプチドは、そのN末端終端に遮断剤を含んでもよい。本発明に係る遮断剤は、アミンを保護することができる当業者に知られている任意の遮断剤を含む。例えば、t−ブトキシカルボニル(N−tBOC)、9−フルオレニルオキシカルボニル、サクシニルのような可溶化剤、または非代謝性アミノ酸、すなわち、ピペコリン酸のような非天然アミノ酸またはD−フェニルアラニンようなD型のアミノ酸を挙げることができる。遮断剤は、本発明の化合物に体系的に存在しない。
【0009】
「アルキル基」なる用語は、飽和炭化水素ベースの基の鎖、特にC−Cアルキル、すなわち1から6の炭素原子を含む直鎖または分枝状アルキルを意味することを目的とする。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル及びヘキシルを挙げることができる。
「アリール基」なる用語は、芳香環、例えばC−C10芳香環、特にフェニル、ベンジル、1−ナフチルまたは2−ナフチルに由来する官能基(または置換基)を意味することを目的とする。
「カルボキシル基」なる用語は、第1の酸素原子に二重結合により、及び第2の酸素原子(それ自体が負に荷電しているか、又は水素原子に結合している)に単結合により結合された炭素原子から成る官能基を意味することを目的とする。分子のpK及び培地のpHに応じて、カルボキシル基はイオン化型、すなわち第2の酸素原子に結合するHを有さないで負に帯電していてもよい。
「反応培地」なる用語は、微生物、細胞又はオルガネラの代謝の発現および/または増殖のために必要な全ての成分を含んで成る培地を意味することを目的とする。この反応培地は、フローサイトメトリ、組織酵素学、細胞培養などにおいて、又は微生物を検出及び/又は同定するための培地として使用することができる。
反応培地は、一つ以上の成分、例えばアミノ酸、ペプトン、糖質、ヌクレオチド、ミネラル、抗生物質、界面活性剤、バッファー、リン酸塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩又は金属塩を組合せて含むことができる。培地は、着色剤を更に含んでもよい。例えば、着色剤として、エバンスブルー、ニュートラルレッド、ヒツジの血液、ウマの血液、乳白剤(例えば酸化チタン)、ニトロアニリン、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーンなどを挙げることができる。
【0010】
反応培地は、固体、半固体または液体であってもよい。「固形培地」なる用語は、例えばゲル化培地を意味することを目的とする。寒天は微生物を培養するための微生物学の従来のゲル化剤であるが、ゼラチンまたはアガロースを使用することも可能である。いくつかの数の製品が市販されており、コロンビア寒天、トリプチカーゼ大豆寒天、マッコンキー寒天、サブロー寒天またはさらに一般的にはthe Handbook of Microbiological Media (CRC Press)に記載されているものである。
反応培地は、検出(revealing)及び/又は同定培地、すなわち検出培地又は培養且つ検出培地であってもよい。前者の場合、微生物の培養は接種される前に実施され、後者の場合は検出及び/又は同定培地は更に培養培地も構成する。
【0011】
「生物試料」なる用語は、生体液に由来する臨床試料、又は任意の種類の食品に由来する食品試料、又は任意の化粧品又は医薬品調製物に由来する化粧品又は医薬品試料を意味することを目的とする。従って、この試料は液体又は固体でもよく、血液、血漿、尿または糞便、鼻、のど、皮膚、傷又は脳脊髄液試料の臨床試料、水又例えば牛乳または果汁等の飲料の試料;ヨーグルト、肉、卵、野菜、マヨネーズまたはチーズの試料;魚等の試料に由来する食品試料、あるいは、特に動物の餌のような動物飼料に由来する食品試料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。更に、試料は、臨床環境標本、家畜標本又は食物、化粧品又は医薬品標本由来であってもよい。「環境標本」なる用語は、特に、表層標本、液体標本、生原料標本または製品標本を意味することを目的とする。「試料」なる用語は、従って、標本自体(ぬぐい液、大便、食物など)及び前記標本から生じた微生物のコロニー(例えば、ゲル化された培養培地上に分離後)、または前記標本から生じた微生物を含有する培地(例えば、前記標本を接種した濃縮ブロス)の両方を意味することを目的とする。
【0012】
本発明の目的において、「微生物」なる用語は、細菌、酵母、糸状菌、さらに一般的にいえば、通常は単細胞生物であって、肉眼では見えず、且つ実験室で増殖させ及び操作できる生物を含む。
グラム陰性菌について、以下の属のバクテリアを挙げることができる:シュードモナス属、エシェリヒア属、サルモネラ属、赤痢菌属、エンテロバクター属、クレブシェラ属、セラシア属、プロテウス属、カンピロバクター属、ヘモフィルス属、モルガネラ属、ビブリオ属、エルシニア属、アシネトバクター属、ブランハメラ属、ナイセリア属、バークホルデリア属、シトロバクター属、ハフニア属、エドバルシエラ属、エーロモナス属、モラクセラ属、パスツレラ属、プロビデンシア属、アクチノバチルス属、アルカリゲネス属、ボルデテラ属、セデセア属、エルウィニア属、パントエア属、ラルストニア属、ステノトロホモナス属、キサントモナス属及びレジオネラ属。
グラム陽性菌について、以下の属のバクテリアを挙げることができる:アエロコッカス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、桿菌属、乳酸桿菌属、リステリア属、クロストリジウム属、ガルドネレラ属、コクリア属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、ミクロコッカス属、ファルカミア属(Falkamia)、ゲメラ属、ペジオコックス属、マイコバクテリア属及びコリネバクテリウム属。
酵母について、以下の属の酵母を挙げることができる:カンジダ属、クリプトコックス属、サッカロミセス属及びトリコスポロン属。
好ましくは、微生物は、大腸菌、セラチア・マルセスセンス、エンテロバクター・クロアカ、又はエンテロコッカス・フェカーリスから選択される。
【0013】
この点で、本発明はペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化の検出するための以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、H又はアルキルである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNRであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルである(カルボキシルまたはスルホニルエステルまたはアミドを含む)。]
及びその塩類の使用に関する。
前記式(I)の化合物がpHの変化だけを検出するために使われる場合、YはH又はアルキルである。
前記式(I)の化合物がペプチダーゼ活性の検出のための酵素基質として使われる場合、Yはペプチドである。
前記式(I)の化合物がペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための酵素基質として使われる場合、Yはペプチドである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Yはペプチドであり、好ましくはグリシン、アラニン及びピログルタミルから選択され、好ましくはグリシンである。
本発明の好ましい一実施形態によれは、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W、W、W及びWは独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、XはS又はCZであり、好ましくはCCHCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、YはN、N、またはNCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z、Z、Z、及びZはHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド、グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド、ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピルベンゾチアゾリウム ヨージド及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−1,3,3−トリメチルインドリニウム ジブロミドから選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は
・β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA塩
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド
・グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピルベンゾチアゾリウム ヨージド
から選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記ペプチドはグリシンであり、n=1であり、W、W、W及びWは独立にHであり、XはNHであり、YはNであり、Z、Z、Z、及びZはHである。
【0014】
更に、本発明は、微生物のペプチダーゼ活性及び/又はpH変化を検出する方法であって、
a)以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、H又はアルキルである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNRであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルである(カルボキシルまたはスルホニルエステルまたはアミドを含む)。]
及びその塩類を含む検出および/または同定培地を提供し、
b)培地に試験される生物試料を接種し、
c)インキュベーションに置き、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性の存在またはpHの変化を明らかにする工程を含むか又はそれからなることを特徴とする方法に関する。
【0015】
微生物の接種は、当業者に知られている任意の接種技術によって実施できる。インキュベーション工程は、検出が要求される酵素活性にとって最適な温度で実行されてもよく、検出される酵素活性に応じて、当業者は容易に選択することができる。工程d)は、目視検査によって、あるいは比色法または蛍光測定法によって実行できる。工程d)の間、ペプチダーゼ活性の存在又はpHの変化を、単独で、または少なくとも一つの他の酵素活性との組合わせにより、明らかにすることが可能である。
【0016】
前記方法がpHの変化だけを検出する方法である場合、YはHまたはアルキルである。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性を検出する方法である場合、Yはペプチドである。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための方法である場合、Yはペプチドである。
【0017】
本発明の好ましい一実施形態によれば、Yはペプチドであり、好ましくはグリシン、アラニン及びピログルタミルから選択され、好ましくはグリシンである。
本発明の好ましい一実施形態によれは、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W、W、W及びWは独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、XはS又はCZであり、好ましくはCCHCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、YはN、NまたはNCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z、Z、Z、及びZはHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド、グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム・ヨージド、ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム・ヨージド、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピル・ベンゾチアゾリウム ヨージド及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−1,3,3−トリメチルインドリニウム ジブロミドから選択される。
【0018】
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は
・β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA塩
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド
・グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピルベンゾチアゾリウム ヨージド
から選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記ペプチドはグリシンであり、n=1であり、W、W、W及びWは独立にHであり、XはNHであり、YはNであり、Z、Z、Z、及びZはHである。
好ましくは、微生物は、大腸菌、セラチア・マルセスセンス、エンテロバクター・クロアカ、又はエンテロコッカス・フェカーリスから選択される。
【0019】
更に、本発明は、それらがグラム陽性菌に又はグラム陰性菌に属するかどうかに関して細菌を区別する方法であって、
a)以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、H又はアルキルである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNRであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルである(カルボキシルまたはスルホニルエステルまたはアミドを含む)。]
及びその塩類を含む検出および/または同定培地を提供し、
b)培地に試験される生物試料を接種し、
c)インキュベーションに置き、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性の存在を明らかにする工程を含むか、それから成ることを特徴とする方法に関する。
【0020】
上記のように、微生物の接種は、当業者に知られている任意の接種技術によって実施できる。インキュベーション工程は、検出が要求される酵素活性にとって最適な温度で実行されてもよく、検出される酵素活性に応じて、当業者は容易に選択することができる。工程d)は、目視検査によって、あるいは比色法または蛍光測定法によって実行できる。工程d)の間、ペプチダーゼ活性の存在又はpHの変化を、単独で、または少なくとも一つの他の酵素活性との組合わせにより、明らかにすることが可能である。特定の場合、酸、例えば酢酸の存在する場合、工程d)を実施することは有利である場合がある。
【0021】
前記方法がpHの変化だけを検出する方法である場合、YはHまたはアルキルである。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性を検出する方法である場合、Yはペプチドである。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための方法である場合、Yはペプチドである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Yはペプチドであり、好ましくはグリシン、アラニン及びピログルタミルから選択され、好ましくはグリシンである。
本発明の好ましい一実施形態によれは、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W、W、W及びWは独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、XはS又はCZであり、好ましくはCCHCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、YはN、N、またはNCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z、Z、Z、及びZは、独立にHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、L−アラニル−2−(4’−アミド・スチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム クロリド、グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム・ヨージド、ピログルタミル−2−(4’−アミド・スチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム・ヨージド、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピル・ベンゾチアゾリウム ヨージド及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−1,3,3−トリメチルインドリニウム ジブロミドから選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は
・β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA塩
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド
・グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピル・ベンゾチアゾリウム ヨージド
から選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記ペプチドはグリシンであり、n=1であり、W、W、W及びWは独立にHであり、XはNHであり、YはNであり、Z、Z、Z、及びZはHである。
好ましくは、微生物は、大腸菌、セラチア・マルセスセンス、エンテロバクター・クロアカ、又はエンテロコッカス・フェカーリスから選択される。
【0022】
また、本発明は、微生物を検出および/または同定するための培地であって、ペプチダーゼ活性および/またはpHの変化を検出するために以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Yは、ペプチド、H又はアルキルである;
・W、W、W及びWは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(そのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・XはNR、CZ、S又はOであり、RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルであり、Z及びZはアルキルである;
・YはN又はNRであり、Rはアルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z、Z、Z、及びZは、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニルである(カルボキシルまたはスルホニルエステルまたはアミドを含む)。]
及びその塩類を含む培地に関する。
前記培地がpHの変化だけを検出する方法である場合、YはHまたはアルキルである。
前記培地が微生物のペプチダーゼ活性を検出する方法である場合、Yはペプチドである。
前記培地が微生物のペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための培地である場合、Yはペプチドである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Yはペプチドであり、好ましくはグリシン、アラニン及びピログルタミルから選択され、好ましくはグリシンである。
本発明の好ましい一実施形態によれは、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W、W、W及びWは独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、XはS又はCZであり、好ましくはCCHCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、YはN、N、またはNCHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z、Z、Z、及びZはHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾール TFA、L−アラニル−2−(4’−アミド・スチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム クロリド、グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチル・ベンゾチアゾリウム・ヨージド、ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム・ヨージド、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピル・ベンゾチアゾリウム ヨージド及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−1,3,3−トリメチルインドリニウム ジブロミドから選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物は
・β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)ベンゾチアゾールTFA塩
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム クロリド
・グリシル−2−(4’−アミノスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルベンゾチアゾリウム ヨージド
・L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−プロピル・ベンゾチアゾリウム ヨージド
から選択される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記ペプチドはグリシンであり、n=1であり、W、W、W及びWは独立にHであり、XはNHであり、YはNであり、Z、Z、Z、及びZはHである。
好ましくは、微生物は、大腸菌、セラチア・マルセスセンス、エンテロバクター・クロアカ、又はエンテロコッカス・フェカーリスから選択される。

【0023】
好ましくは、前記反応培地は、微生物の検出及び/又は同定のための培地であって、前記培地は酵素基質又は上記のpH指示薬として使用される少なくとも一つの分子を含む。
好ましくは、前記化合物、酵素基質またはpH指示薬は、1から1000mg/l、好ましくは10から500mg/lの濃度である。
本発明のある特定の実施形態によれば、本発明の上記検出及び/又は同定のための培地は、本発明に係る分子によって検出されるペプチダーゼ活性とは異なる酵素活性に特異的である少なくとも一つの他の酵素基質を含む。
本発明の別の特定の実施態様によれば、本発明の前記検出および/または同定のための培地は、更にpHの変異によって示されたもの以外の酵素活性に特異的な少なくとも一つの基質を含む。他の基質の酵素の代謝は、検出可能な信号を生み出し、それは酵素基質として又はpH指示薬として使用される本発明の化合物によって生み出される信号とは異なっており(例えば異なる色又は蛍光の生成物)、それは一つ以上の微生物の検出および/または同定および/または定量の視覚化を可能にするためである。他の特異的な基質として、従来微生物の検出に使用されている任意の他の基質を使用してもよい。他の特異的な酵素基質の濃度は、通常は0.01から1g/lである。当業者は、使用する基質に従って上記の濃度を容易に決定することができる。例えば、ペプチダーゼ、オシダーゼ、エステラーゼまたはレダクターゼ酵素基質と本発明の化合物を組合わせることが可能である。
特に、ペプチドがβ−アラニンである本発明の基質を、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−グルコシドまたはアリザリン−β−ガラクドシドのようなオシダーゼ基質と組合わせることが可能である。更に、ペプチドがL−アラニンである本発明の基質を、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル・オクタノエートまたは5−ブロモ−3−インドキシル・フォスフェートのようなエステラーゼ基質と組合わせることが可能である。
【0024】
本発明のある特定の実施態様によれば、本発明の検出及び/又は同定培地は、ペプチダーゼ活性に特異的な又はpH指示薬として使用される発明に係る化合物によって検出される酵素活性に特異的な少なくとも一つの他の酵素基質を含む。従って、基質の特定の選択によって、同じ酵素活性を発現している微生物のグループを同定することが可能である。他の特異的な酵素基質の濃度は、通常0.01から1g/lである。当業者は、使用する基質に従って、上記の濃度を容易に決定することが可能である。特に、ペプチドがL−アラニンである本発明の基質と、出願WO2006030119に記載されているL−アラニンアミノペプチダーゼ基質(例えばL−アラニン−ペンチル−レゾルフアミン)を組合わせることが可能である。本発明のある特定の実施態様によれば、本発明の前記検出および/または同定培地は、基質として又はpH指示薬として使用する本発明の化合物によって検出されるもの以外の代謝活性に特異的な、少なくとも一つの代謝指示薬を含む。この代謝指示薬は、特に炭素または窒素源であってもよく、場合によりその代謝を検出する試薬と組合わせられる。ある特定の実施態様によれば、炭素または窒素源は、この点で使用される本発明の化合物以外のpH指示薬と組合わせる。別の特定の実施態様によれば、炭素または窒素源は、カチオンと組合わせる。別の特定の実施態様によれば、代謝指示薬は、トリプトファナーゼ活性を検出することが可能であり、インドールの産生物を検出することを可能にする試薬とトリプトファンを組合わせる。
【実施例】
【0025】
実施例1−基質の合成
2-(4’-アミノスチリル)ベンゾチアゾールはGrozinger et al. (K.G. Grozinger, R.J. Sorcek and J.T. Olivier, European Journal of Medicinal Chemistry - Chim. Ther., 1985, 20, 487-491)の方法に従って調製した。
この化合物のアミノアシル化は、混合酸無水物法に従って、保護アミノ酸を有する4-(4’-アミノスチリル)アリールを得るために、実施された。典型的な基質の別の例は、上述のものと類似の方法で得られた:
二塩化L-アラニン-N-メチル-2-(4’アミノスチリル)ベンゾチアゾリウム. 1H-NMR: (DMSO) δ 1.48 (3H, d, J=7 Hz, -CH3), 4.15 (1H, m, >CH3-), 4.33 (3H, s, N-CH3), 7.75-8.45 (11H, Ar-H, -CH=, >NH).
【0026】
実施例2−ペプチダーゼ活性を検出するための本発明の式Iの基質の使用
a)ペプチダーゼ基質
グリシル-2-(4’-アミノスチリル)-N-メチル-ベンゾチアゾリウム ヨージド(Gly-ASBM+)は実施例1に記載のとおりに合成した。
b)培地の調製
40mgの基質は、4mlのジメチルスルホキシドに溶解し、先にオートクレーブしたコロンビア培地の400mlに加えた。培地は、直径90mmのシャーレに、シャーレごとに20mlの割合で分配された。
c)接種とインキュベーション
コレクションに由来し、様々な種類の細菌及び酵母に属する微生物の17の菌株は約10000コロニー形成単位のスポットに接種される。
培地は、37℃で24時間インキュベートされ、次に形成されたコロニーは視覚的に調べられる。
d)結果の読みとり
得られた結果は、以下の表に示される。
e)結論
本発明の培地上で、コロニーの呈色又は蛍光によって、微生物のペプチダーゼ活性を検出することは可能である。
本発明の基質は、任意の種類の微生物、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母などの増殖を可能にする。
本発明のペプチダーゼ基質のさまざまな構造的な変異によって、微生物のさまざまなグループを区別することは可能である。色が反応培地中に拡散しないので、ペプチダーゼ活性を発現しないものからペプチダーゼ活性を発現している細胞またはコロニーを区別して、前記細胞またはコロニーをカウントすることが可能である。