特許第5777628号(P5777628)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777628
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】事前成形バイアスを有する医療リード線
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A61N1/05
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-532084(P2012-532084)
(86)(22)【出願日】2010年8月19日
(65)【公表番号】特表2013-506494(P2013-506494A)
(43)【公表日】2013年2月28日
(86)【国際出願番号】US2010045993
(87)【国際公開番号】WO2011066002
(87)【国際公開日】20110603
【審査請求日】2013年8月8日
(31)【優先権主張番号】12/571,103
(32)【優先日】2009年9月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508148345
【氏名又は名称】レスピカーディア, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウエストランド, ランディー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】リン, マーク シー.
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/094349(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/094345(WO,A1)
【文献】 米国特許第5938694(US,A)
【文献】 特表平10−507373(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/094348(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/094344(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/045274(WO,A1)
【文献】 国際公開第02/058785(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0109914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.リード線本体軸を有するリード線本体であって、該リード線本体がコイル直径およびバイアス軸を有する事前形成された螺旋形のバイアスを備え、前記リード線本体軸と前記バイアス軸との間の角度が30度よりも大きい、リード線本体と、
B.複数の電極であって、各電極の少なくとも一部分は、前記螺旋形のバイアスの単一の四分円内にあり、前記複数の電極のうち少なくとも2つが、前記螺旋形のバイアスの単一の四分円内において、該螺旋形のバイアス上の異なる径方向位置にある、電極
を含み、
C.該コイル直径と該少なくとも1つの電極の長さとの比率は、少なくとも4:1である、医療電気リード線。
【請求項2】
前記コイル直径と前記電極の長さとの比率は、少なくとも5:1である、請求項1に記載の医療電気リード線。
【請求項3】
前記コイル直径と前記電極の長さとの比率は、少なくとも6:1である、請求項1に記載の医療電気リード線。
【請求項4】
前記事前形成された螺旋形のバイアスは、収束する螺旋形のバイアスであり、前記コイル直径は、該バイアスの最小コイルの直径として規定される、請求項1に記載の医療電気リード線。
【請求項5】
前記コイル直径と前記電極の長さとの比率は、少なくとも5:1である、請求項4に記載の医療電気リード線。
【請求項6】
前記コイル直径と前記電極の長さとの比率は、少なくとも6:1である、請求項4に記載の医療電気リード線。
【請求項7】
前記事前形成された螺旋形のバイアスは発散する螺旋形のバイアスであり、前記コイル直径は該バイアスの最小コイルの直径として規定される、請求項1に記載の医療電気リード線。
【請求項8】
前記コイル直径と前記電極の長さとの比率は、少なくとも5:1である、請求項7に記載の医療電気リード線。
【請求項9】
前記リード線本体軸と前記バイアス軸との間の角度は、45度よりも大きい、請求項1に記載の医療電気リード線。
【請求項10】
A.リード線本体軸を有するリード線本体であって、該リード線本体がコイル直径およびバイアス軸を有する事前形成された螺旋形のバイアスを備え、前記リード線本体軸と前記バイアス軸との間の角度が45度よりも大きい、リード線本体と、
B.電極の各々が、前記コイル直径と電極の長さとの比率が少なくとも4:1となるような長さを有する、複数の電極と
を含み、
C.該複数の電極の各々の少なくとも一部分は、前記螺旋形のバイアスの単一の四分円内にあり、前記複数の電極のうち少なくとも2つが、前記螺旋形のバイアスの単一の四分円内において、前記螺旋形のバイアス上の異なる径方向位置にある、医療電気リード線。
【請求項11】
前記電極の各々は、前記コイル直径と前記電極の長さとの比率が少なくとも5:1であるような長さを有する、請求項10に記載の医療電気リード線。
【請求項12】
前記電極の各々は、前記コイル直径と前記電極の長さとの比率が少なくとも6:1であるような長さを有する、請求項10に記載の医療電気リード線。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
医療を提供する電気的刺激または感知リード線は、益々多くの用途に用いられている。リード線は、適切な医療を送達するかまたは生理的状態を感知するために、脊柱に沿って患者の心臓、および他の位置に移植されてきた。益々多くのリード線が、内腔近くの組織を刺激するかまたは感知するために、静脈、動脈、または他の内腔に移植される。
【0002】
内腔への電気リード線の移植は、好機を提供する。なぜなら、リード線は、神経カフおよび他の外科手術的に移植される電極を設置するのに必要な外科手術なしで患者の体内に供給され、移植されるからである。内腔にリード線を移植することはまた、刺激されるかまたは感知される組織への外科手術後の外傷または損傷の可能性を減少させる。内腔にリード線を移植することに関連付けられる困難は、リード線移動を有する組織と、リード線および電極を配向させる困難とを含む。
【0003】
典型的な電気リード線は、電気パルス発生器にかまたはリード線上の電極によって感知された信号を処理するように構成される回路に接続される近位端を有する。リード線上の電極は、可撓性および耐久性のある導体によって遠位端に接続され、可撓性および耐久性のある導体は、最終的に、感知された信号を検出するかまたは刺激療法を送達するために必要とされる回路を含む外部のまたは移植可能な医療デバイスに接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本発明に従う一実施形態において、医療電気リード線は、コイル直径を有する事前形成螺旋形のバイアスを有するリード線本体を含む。リード線はまた、少なくとも1つの電極を有し、コイル直径と少なくとも1つの電極の長さとの比率は、少なくとも4:1である。他の実施形態において、この比率は、少なくとも5:1または6:1である。
【0005】
本発明に従う別の実施形態において、医療電気リード線は、コイル直径を有する事前形成された螺旋形のバイアスを有するリード線本体を含む。この実施形態の事前形成された螺旋形のバイアスは、収束する螺旋形のバイアスであり、コイル直径は、バイアスの最小コイルの直径として規定される。リード線はまた、少なくとも1つの電極を有し、コイル直径と少なくとも1つの電極の長さとの比率は、少なくとも4:1である。他の実施形態において、この比率は、少なくとも5:1または6:1である。
【0006】
本発明に従う別の実施形態において、医療電気リード線は、コイル直径を有する事前形成された螺旋形のバイアスを有するリード線本体を含む。この実施形態の事前形成された螺旋形のバイアスは、発散する螺旋形のバイアスであり、コイル直径は、バイアスの最小コイルの直径として規定される。リード線はまた、少なくとも1つの電極を有し、コイル直径と少なくとも1つの電極の長さとの比率は、少なくとも4:1である。他の実施形態において、この比率は、少なくとも5:1または6:1である。
【0007】
本発明に従う別の実施形態において、医療電気リード線は、コイル直径を有する事前形成された螺旋形のバイアスを有するリード線本体を含む。この実施形態のリード線は、複数の電極を含み、複数の電極の各々の少なくとも一部分は、螺旋形のバイアスの単一の四分円内にある。別の実施形態において、電極の各々は、コイル直径と電極の長さとの比率が少なくとも4:1であるような長さを有する。他の実施形態において、この比率は、少なくとも5:1または6:1である。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態において、医療電気リード線は、リード線本体軸を有するリード線本体を含む。リード線本体に事前形成されたバイアスがあり、バイアスはバイアス軸を有する。この実施形態のリード線本体軸とバイアス軸との間の角度は、30度よりも大きい。他の実施形態において、リード線本体軸とバイアス軸との間の角度は、45度よりも大きい。
【0009】
本発明に従う別の実施形態は、内腔にリード線を移植する方法であり、方法は、内腔にリード線を挿入するステップであって、リード線は、螺旋形のバイアスと、複数の電極とを有し、複数の電極の各々の少なくとも一部分は、螺旋形のバイアスの単一の四分円内にある、ステップを含む。方法はまた、四分円が放射状外側に延びると、対象の組織が四分円内にあるように内腔内にリード線の位置を決めるステップを有する。
【0010】
別の実施形態において、リード線を内腔に移植する方法は、内腔にリード線を挿入するステップであって、リード線は、螺旋形のバイアスと、複数の電極とを有し、複数の電極の各々の少なくとも一部分は、螺旋形のバイアスの単一の四分円内にある、ステップを含む。方法はまた、四分円が放射状外側に延びると、対象の組織が四分円内にあるように内腔内にリード線の位置を決めるステップを含み、内腔は右腕頭静脈を含み、対象の組織は右横隔膜神経を含む。他の実施形態において、内腔は左腕頭静脈を含み、対象の組織は右横隔膜神経を含み、内腔は上大静脈を含み、対象の組織は右横隔膜神経を含み、内腔は右内頚静脈を含み、対象の組織は舌下神経を含み、または内腔は、右腕頭静脈と右鎖骨下静脈との間に接合部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に従うリード線の平面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に従う、患者に移植されたリード線の概略図である。
図7図7は、本発明の実施形態に従う、患者に移植されたリード線の概略図である。
図8図8は、本発明の実施形態に従う移植されたリード線の内腔の断面での概略図面である。
図9図9は、図8におけるような本発明の実施形態に従う、Bなどの軸に沿って見たリード線の概略図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
図1は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。リード線は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を有する。電極40は、リード線本体10の遠位部分に沿って分布している。遠位端近くのバイアス領域50は、螺旋形または円形の態様で形成される。このバイアス領域50は、他の形状形成構造のスピンドルの周りにリード線を巻き付けること、およびリード線がこのプレフォームされた形状に戻るように付勢される方法で、リード線本体10を熱処理するかまたはさもなければ形作ることによって形成され得る。リード線本体は、形状記憶ポリマーもしくは金属から組み立てられ得るかまたはこの目的に適している任意の材料で構成され得る。例えばポリウレタンなどの形状記憶ポリマーから構成される場合、リード線本体の厚さもしくは直径または他のパラメータは、バイアスの剛性の程度を調整するために変化させられ得る。
【0013】
バイアスは、螺旋形または概して円形であり得る。螺旋形のバイアスとして本明細書に説明されるものと円形のバイアスとして本明細書に説明されるものとの間の主な相違は、螺旋形のピッチである。円形のバイアスは、螺旋形のピッチがリード線の厚さ以下であるバイアスである。すなわち、リード線がその応力のない位置にある場合、螺旋形のコイルは、互いに触れ合うかまたは一部重なり合う。螺旋形のピッチがリード線の厚さよりも大きい場合、バイアスは本明細書において螺旋形と呼ばれる。この考察の目的のために、ピッチが本質的に唯一の相違であるので、特に言及されない限り、円形のバイアスと螺旋形のバイアスとは互いに交換可能である。
【0014】
図1に示されるバイアス50は、概して一定直径の螺旋形である。この実施形態は、比較的大きい内腔内にリード線を固定することが可能である。実際上は螺旋形の直径は、螺旋形が移植される内腔よりもわずかに大きいように設計され、内腔壁に対するバイアスの圧力は内腔内にリード線を保持する。一旦そのように保持されると、電極は、近くの組織における活動を感知するかまたは近くの組織を電気的に刺激する位置にある。
【0015】
一実施例として図1の実施形態は、患者の右または左の腕頭静脈または上大静脈内に移植され得る。右および左の両方の腕頭静脈は、直径がおよそ15mm〜22mmの範囲にわたるサイズにおいて類似している。この用途に対する実施形態は、例えば20mmの螺旋形/コイル径を有し得る。第1の湾曲からリード線の端部までの螺旋形の軸に沿って計測された螺旋形/コイルの長さは、この実施例において30〜40mmであり得る。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。図1における実施形態のように、この実施形態は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を有する。電極40は、リード線本体の概ね遠位に配置される。バイアス50は、遠位端の近くに螺旋形または円形の態様で形成される。このバイアス50は、集束する円形または螺旋形として形勢され、コイルは、近位部分20から遠位端30の方に減少する直径を有している。
【0017】
図2に従うリード線は、2つ以上の内腔の接合部において内腔内に電極を固定するために使用可能であり得る。内腔または管が分岐して例えば2つを形成する場合、このリード線は、より小さい直径のコイルが、接合部において形成される単一の内腔内にありながら、内腔が分岐する、より大きい直径の領域内に螺旋形のより大きい直径のコイルが配備されるように用いられ得る。この態様において整合固定圧力(consistent anchoring pressure)は、内腔の接合に起因して、発散する直径の領域において提供され得る。
【0018】
図3は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。図3の実施形態は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を含む。1つ以上の電極40が、リード線本体に沿って配置される。バイアス50は、遠位端30に隣接して形成される。この実施形態におけるバイアスは、発散する円形または螺旋形を有し、この場合、コイルの直径は、近位部分20から遠位端30に向かって増加する。2つの内腔または管が収束して例えば1つを形成する場合、このリード線は、より小さい直径のコイルが、接合部において形成される単一の内腔内にありながら、内腔が一緒になる、より大きい直径の領域内に螺旋形のより大きい直径のコイルが配備されるように用いられ得る。この態様で整合固定圧力は、内腔の接合に起因して、収束する直径の領域に提供され得る。
【0019】
図4は、本発明の実施形態に従うリード線の斜視図である。図4の実施形態は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を含む。円形または螺旋形のバイアス50は、遠位端に隣接する。電極40は、例示的平面60によって規定されるように、概ね螺旋形の部分の1つの四分円にあるリード線本体部分に沿って配置される。例示的平面60は線70で交わり、線70はバイアス50の軸を規定する。この実施形態の各電極の少なくともある部分は、四分円内にある。この態様で電極を分布させることによって、移植時に電極によって刺激または感知される領域は、近くに配向される最大数の電極を有し得る。
【0020】
例えば、図4のリード線が、右腕頭静脈に移植され、右横隔膜神経を刺激するかまたは神経トラフィックを感知するという所望の効果を有する場合、平面60によって規定されるバイアス50の四分円は、腕頭静脈の右横側に沿って配向させられて、電極40によって提供されるあらゆる刺激または信号感知の有効性を最大にする。
【0021】
図5は、本発明の実施形態に従うリード線の平面図である。この実施形態は、近位部分と、遠位端とを有するリード線本体10を有する。円形または螺旋形の基底のバイアス50が、遠位端30に隣接している。電極40は、各電極の少なくとも一部分が例示的平面60によって規定されるような螺旋形50の四分円内にあるように分配される。この図は、図4にあるリード線についてのものであり、線70に沿って取られている。
【0022】
本発明の実施形態に従ってリード線を移植することは、内部ワイヤもしくはスタイレットまたは外部ガイドカテーテルなどのある種の剛性化デバイスもしくは直線化デバイスの助力によって所望の位置にリード線を前進させることを伴う。リード線が所望の位置に前進させられ、剛性化デバイスが除去されると、バイアスがその所与の形状または自然の形状に戻ることが可能となる。リード線位置は、X線および標準の静脈造影技術によって測定される。リード線は、剛性化デバイスを用いるか、用いないで、必要に応じて適切な位置に前進させられるかまたは後退させられ得る。リード線はまた、再び、剛性化デバイスを用いるか、用いないで、必要に応じて回転させられ得る。実際、剛性化部材なしに、リード線は、回転させられて、電極を適切な位置に再位置決めし得るか、またはいくつかの事例において、バイアス50を「締め得る」かもしくは「緩め得る」かもしくは「拡張し得る」。各電極の少なくとも一部分がバイアスの四分円内に位置を決められるようにリード線上の電極が配置される場合において、リード線は、感知されるかまたは刺激される対象とする組織がその四分円の範囲内入るように配向される。すなわち、リード線が移植されていながら、図4および図5の平面60を線70から放射状に離れるように延ばす場合、対象とする組織は、四分円内に、好ましくは四分円の中心の方に入る。
【0023】
図6は、本発明の実施形態に従う、患者に移植されたリード線の概略図である。リード線は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を有する。電極40はリード線本体に配置され、リード線本体はバイアス部分50を含む。リード線は、鎖骨下静脈130を通って患者の右腕頭静脈80に配置され、上大静脈90の中に延びる。右腕頭から上大静脈への移行は不正確であり、特に指示されない限り、この開示内において右腕頭静脈という場合、右腕頭および上大静脈の両方をいう。電極40は、患者の右横隔膜神経100を刺激するかまたは右横隔膜神経100神経活動を感知するように構成される。この実施形態において、バイアス50は、不変のコイル径か、収束するコイル径か、または発散するコイル径であり得る。
【0024】
胸郭内の静脈は、横隔膜収縮によって引き起こされる胸郭内圧を受ける。横隔膜が収縮すると、横隔膜は、負の胸郭内圧を作り、負の胸郭内圧は、胸郭内の静脈を膨張させ、静脈容積を増加させ、静脈の断面積を拡大する。さらに、心臓110および肺の下方への並進があり、このことは、上大静脈90および腕頭静脈80、120を引き伸ばし、長くし得る。心臓周期からのパルシングはまた、上大静脈90および腕頭静脈80、120へと並進させられ得る。これらの生理的力学は、多くの課題を作り、本発明者は、本発明の実施形態に従うリード線においてこれらの課題を克服した。
【0025】
いくつかの実施形態のバイアス50の形状は、螺旋形の形式または真円形の形式の円形である。円形の形状および螺旋形の形状は、静脈の内腔表面に対して力を加え、静脈にリード線を保持する摩擦力を作る。この放射方向定力は、脈管直径よりも「わずかに」大きい直径であるリード線に形状またはバイアスを形成することによって作られる。この関係は、いくつかの実施形態において1.1:1〜1.3:1のバイアス直径対脈管直径として説明され得る。これらの実施形態におけるバイアス50の直径は、これらの実施形態が移植される、より大きい静脈の一部がかなり展性であるので、わずかにより大きく、発明者は、これらの静脈が、リード線を有意に抑制せず、結果として移植前のバイアスの抑制されない位置と実質的に同様である移植時のバイアス配向をもたらすことを見出した。発明者は、ほぼ同じ構成で次いで移植される所望のバイアス形状を作るためにこの知識を用いた。
【0026】
バイアス50は、一定直径の態様、発散する螺旋形もしくは円形、または収束する螺旋形もしくは円形に形成され得る。異なる形状は、様々な解剖学的構造および異なる位置に多かれ少なかれ適し得る。リード線が鎖骨下静脈130と腕頭静脈80との接合部に意図された場合、収束する螺旋形は上部の固定および電極接触を提供し得る。目標部位が腕頭静脈接合部または上大静脈を含む場合、発散する螺旋形がより優れている場合がある。各場合においてコイルの様々な直径は、より良好な固定および電極接触ために脈管壁とのより密着した接触が証明され得る。螺旋形の最近位部分(全回転までの最初の1/2)は、分離する機構として働き得る。この特徴は、電極から外部の力(すなわち、腕、肩などの運動)を分離させ得る。この特徴はまた、静脈を係合する部分のリード線のバイアス50が近位リード線部分20から独立して動く(この運動は、呼吸、せき、くしゃみ、心悸動から来る)ことを可能にし得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、電極40は、電極40が対象の組織を刺激するかまたは感知するのにより適切であるようにバイアス50の四分円内に配置される。右横隔膜神経100が対象である場合、リード線は、最近位の電極が鎖骨下静脈に位置を定められ、電極40を含むバイアス50の四分円が右腕頭80の右横部分に配置されるように位置付けられ得る。各電極の少なくとも一部分が規定された四分円内にあるようにリード線上の電極が配向される場合、リード線は、四分円が延ばされると、右横隔膜神経の有意の部分を含むようにさらに配向され得る。
【0028】
図7は、本発明の実施形態に従う、患者に移植されたリード線の概略図である。リード線は、近位部分20と、遠位端30とを有するリード線本体10を有する。電極40はリード線本体に配置され、リード線本体はバイアス部分50を含む。リード線は、患者の左腕頭静脈150に配置される。電極40は、患者の左横隔膜神経140を刺激するかまたは左横隔膜神経140神経活動を感知するように構成される。この実施形態において、バイアス50は、不変のコイル直径か、収束するコイル直径か、または発散するコイル直径であり得る。
【0029】
左横隔膜神経140は、左腕頭静脈150に対していくらか斜めの角度で左腕頭静脈150の後ろまたは前を通過する。いくつかの実施形態において、電極40は、リード線が移植されると電極がバイアス50の前四分円にあるようにデバイス50に配置され得る。これらおよび他の実施形態のいくつかにおいて、バイアス50のコイルのピッチが、螺旋形より比較的円形であることにより、神経140が静脈150に最接近して通過するところに、より接近して電極を集中させ得る。上記に考察されたように、いくつかの実施形態においてバイアスは、リード線に移植され、応力がなく移植されていないリード線の構成と実質的に同様な構成をとる。
【0030】
図8は、本発明の実施形態に従う内腔の断面内に移植されたリード線の概略図面である。リード線は、リード線本体10と、それに配置された電極40とを有する。リード線本体10は、リード線本体10の少なくとも複数の部分を内腔の壁160に押し付ける事前形成されたバイアス50を有する。内腔は主軸Bを有し、主軸Bはバイアス軸(これもB)と同軸である。リード線本体は、この場合、例示的電極において計測される主軸Aを有する。コイル軸Bとリード線軸Aとの間の角度Cは、一般的にスキューと呼ばれ得る。リード線本体10が、コイル軸Bにより平行な軸Aを有する場合、リード線本体10は、潜在的に運動アーティファクトの影響をより受け易い細長い螺旋形を規定する傾向がある。発明者は、複数のリード線本体であって、それらの軸Aがコイル軸Bに垂直である複数のリード線本体が、おそらく内腔壁160を横断するように加えられるより大きい力によって内腔内においてより大きい安定性を有する螺旋形を規定することを知った。
【0031】
角度Cが有意の程度までスキューであるという事実は、リード線本体が軸方向よりも横方向に内腔を横断していることを意味する。このことは、刺激または感知のためにリード線10および電極40が内腔壁160に接近するために、リード線10と電極40との組み合わせは内腔壁の湾曲に近似しなければならないことを意味する。
【0032】
図9は、図8におけるような本発明の実施形態に従う、Bなどの軸に沿って見たリード線の概略図面である。リード線は、円形または螺旋形のバイアス50(そのうちの1つのコイルが図示されている)におけるリード線本体10形式と、電極40とを有する。コイルは直径Dを有し、電極は長さLを有する。いくつかの実施形態において、電極は、コイル直径Dに対して長さLの適切なサイズで作られる。いくつかの場合、電極が長すぎると、脈管壁と電極との密着した接触を分離し得るか、押して離し得るかまたは妨げ得る円形の不連続が作られ、間隙170を生じさせる。
【0033】
発明者は、いくつかの実施形態に対して電極の長さLとバイアス50のコイルの径Dとの比率が関連し得ることを見出した。脈管内に移植されるように構成されるコイルおよび右または左の腕頭静脈のサイズに対して、例えば効果的なD:L比率は、4:1以上であり得る。この比率は、図8に関して考察されたように、主リード線軸Aが内腔軸Bに対して特に斜めである場合、特に適切である。十分なL:D比率は、結果として、内腔表面160に対して置かれる、より連続的な円形形状を採用するリード線本体をもたらし得る。より連続的な円形形状が、角を有する周期性平坦領域/セクションを有する形状よりもより小さい応力、内腔損傷のより低い機会、および従って電極部位における消極的な組織応答のより低い可能性を誘引することが考えられる。この比率は、適切な位置での螺旋形および円形状の形状の両方への適用を有する。
【0034】
当業者、本発明が開示された実施形態以外の実施形態で実施され得ることを理解する。開示された実施形態は、例示の目的で提示されるのであり、限定する目的ではなく、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、本発明に関連する方法として、以下のものも挙げられる。
(1)内腔にリード線を移植する方法であって、該方法は、
A.内腔にリード線を挿入することであって、該リード線は、螺旋形のバイアスと、複数の電極とを有し、該複数の電極の各々の少なくとも一部分は、該螺旋形のバイアスの単一の四分円内にある、ことと、
B.該四分円が放射状に外側に延びると、対象の組織が該四分円内にあるように該内腔内に該リード線の位置を決めることと
を包含する、方法。
(2)前記内腔は右腕頭静脈を含み、前記対象の組織は右横隔膜神経を含む、上記(1)に記載の方法。
(3)前記内腔は左腕頭静脈を含み、前記対象の組織は左横隔膜神経を含む、上記(1)に記載の方法。
(4)前記内腔は上大静脈を含み、前記対象の組織は右横隔膜神経を含む、上記(1)に記載の方法。
(5)前記内腔は右内静脈を含み、前記対象の組織は舌下神経を含む、上記(1)に記載の方法。
(6)前記内腔は、右腕頭静脈と右鎖骨下静脈との間に接合部を含む、上記(1)に記載の方法。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9