特許第5777629号(P5777629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777629薬物送達デバイス用のアセンブリ及び薬物送達デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777629
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス用のアセンブリ及び薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A61M5/315
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-537357(P2012-537357)
(86)(22)【出願日】2010年11月1日
(65)【公表番号】特表2013-509926(P2013-509926A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】EP2010066552
(87)【国際公開番号】WO2011054775
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2013年10月25日
(31)【優先権主張番号】09174962.2
(32)【優先日】2009年11月3日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】フィリッペ・ヌツィーケ
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン・ラープ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ダースバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ベーザー
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ・ブリューグゲマン
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−535255(JP,A)
【文献】 特開平6−296691(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/128373(WO,A1)
【文献】 特開昭63−318952(JP,A)
【文献】 特表2010−503434(JP,A)
【文献】 特表2008−541907(JP,A)
【文献】 特表2008−515471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(1)用のアセンブリであって、
−ハウジング(5)、
薬物(11)の用量を送達するために第一の回転方向にハウジング(5)に対して回転するように適合される回転部材(15)、及
用量を送達するために回転部材(15)に連結可能である駆動部材(16)、
−少なくとも一つの修正部材(7)、を含んでなり、
ここで、送達モードにおいて、駆動部材(16)及び回転部材(15)が、駆動部材(16)が回転部材(15)と駆動部材(16)の機械的相互作用による、第一の回転方向への回転部材(15)の回転運動に従動するように連結され、
そして、修正モードにおいて、回転部材(15)及び駆動部材(16)は、回転部材(15)が駆動部材(16)に対して第一の回転方向に回転可能なように連結解除され、送達モードから修正モードへと切り替えるために、修正部材(7)がハウジング(5)に対して可動であり、そして
アセンブリは、ハウジング(5)に対する修正部材(7)の動きが、駆動部材(16)と回転部材(15)の連結解除のために、駆動部材(16)と回転部材(15)の間の相対運動に変換されるように構成される、上記アセンブリ。
【請求項2】
設定モードにおいて、回転部材(15)が、薬物(11)の用量を設定するために、駆動部材(16)に対して第二の回転方向に回転するように適合され、そして、送達モードにおいて及び設定モードにおいて、駆動部材(16)及び回転部材(15)が、第一の回転方向への回転部材(15)の回転中、回転部材(15)と駆動部材(16)の間の相対回転運動を防止するように、そして第二の回転方向への回転部材(15)の回転中、回転部材(15)と駆動部材(16)の間の相対回転運動を可能にするように構成される、一方向摩擦クラッチ機構を用いて互いに連結される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
停止部材(20)を含んでなり、駆動部材(16)及び停止部材(20)が、第一の回転方向への回転部材(15)の回転中、停止部材(20)と駆動部材(16)の間の相対
回転運動を可能にするように構成される、他の一方向摩擦クラッチ機構によって互いに連結される、請求項2に記載のアセンブリ
【請求項4】
他の一方向摩擦クラッチ機構が、第二の回転方向への回転部材(15)の回転中、停止部材(20)と駆動部材(16)の間の相対回転運動を防止するように構成される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
ピストンロッド(14)を含んでなり、駆動部材(16)及びピストンロッド(14)が互いに回転的にロックされる、請求項1〜4の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
修正モードに切り替えるため、駆動部材(16)及び回転部材(15)は、回転部材(15)及び駆動部材(16)の連結を解除するために、互いに相対的に、ピストンロッド(14)に対して動かされ、そして駆動部材(16)が回転部材(15)に対して動かされるとき、停止部材(20)は駆動部材(16)と一緒に動かされる、請求項3又はに記載のアセンブリ。
【請求項7】
送達モードにおいて及び設定モードにおいて、回転部材(15)及び停止部材(20)は、弾力部材(18)によって供される力によって駆動部材(16)と隣接して保持される、請求項3〜6の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
修正モードに切り替えるために、修正力は、弾力部材(18)によって及ぼされる力に抗して作用するのに、適用される必要がある、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
駆動部材(16)及び回転部材(15)の少なくとも一つが、少なくとも一つの相互作用エレメント(17)を含み、そして修正モードに切り替えるため、修正部材(7)は、相互作用エレメント(17)と機械的に相互作用して修正部材(7)の動きを駆動部材(16)と回転部材(15)の間の相対運動に変換する、請求項1〜8の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
相互作用エレメント(17)が傾斜外面(17A)を有し、そして修正部材(7)が相互作用エレメント(17)上に半径方向に向かう力を及ぼし、ここでこの力は、修正部材(7)及び傾斜外面(17A)の機械的協動によって軸方向に向かう力に変換される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
修正部材(7)が、ハウジング(5)に対する回転運動に抗して、及びハウジング(5)の主縦軸(19)に沿った動きに抗して固定され、そして修正部材(7)及び相互作用エレメント(17)が軸方向に重なる、請求項9又は10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
修正部材(7)が外部から作動可能である、請求項1〜11の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
修正部材(7)が弾力部材又は弾力的に取り付けられた部材である、請求項1〜12の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
二つの等しく構成された修正部材(7)を含んでなり、ここで修正部材(7)は反対向きに配列される、請求項1〜13の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
ハウジング(5)に対する修正部材(7)の動きが、駆動部材(16)と回転部材(15)の連結解除のために、駆動部材(16)と回転部材(15)の間の相対的な軸方向の運動に変換されるように構成される、請求項1〜14の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
ハウジング(5)に対して動くことができ、かつハウジング(5)にスプライン結合される用量部材(6)を含む、請求項1〜15の何れか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
用量部材(6)は薬物(11)の用量を設定するためにハウジング(5)に対して近位方向に動き、用量部材は送達モードにおいて薬物の用量を送達するためにハウジングに対して遠位方向に動き、そして用量部材は修正モードにおいて設定された用量を修正するためにハウジングに対して遠位方向に動く、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
用量部材(6)が回転部材(15)にねじで連結される、請求項16又は17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
請求項1〜18の何れか一項に記載のアセンブリを含んでなる薬物送達デバイス(1)であって、薬物(11)の複数の用量を保持するカートリッジ(3)を更に含み、ここでアセンブリが、設定された用量を修正することを可能にする用量修正機構を備える;上記薬物送達デバイス(1)。
【請求項20】
固定された用量のデバイスである、請求項19に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、薬物送達デバイス用のアセンブリ及びそのようなアセンブリを組み込んでいる薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスにおいては、薬物を含有するカートリッジ内の栓が供えられ得る。この栓は、カートリッジから薬物の設定された用量を送達するために、カートリッジに対して変位され得る。一般に、薬物の送達された用量が、使用者によって前に設定された用量と合致することが望ましく、つまり、用量の正確さは高くあるべきである。更に、後で投与された薬物の用量が望まれる用量と正確に合致するように、薬物の不正確に設定された用量が使用者によって調節され得る、特に、修正され得ることが望ましい。
【0003】
薬物送達デバイスは、例えば、特許文献1及び特許文献2において述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2008/031238 A1
【特許文献2】米国特許第2007/0197976 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、新規な、好ましくは、改善された薬物送達デバイスの提供を容易にするアセンブリを供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の主題によって達成され得る。更なる特長及び有利な実施態様は従属請求項の主題である。
【発明の効果】
【0007】
一つの態様によれば、薬物送達デバイス用のアセンブリが供される。アセンブリはハウジングを含む。アセンブリは回転部材を含む。回転部材は、薬物の用量を送達するために第一の回転方向にハウジングに対して回転するように適合される。第一の回転方向歯、例えば、反時計回りであり得る。アセンブリは駆動部材を含む。駆動部材は、用量を送達するために回転部材に、好ましくは、解除可能に、連結可能であり得る。アセンブリは少なくとも一つの修正部材を含む。送達モードにおいて、駆動部材及び回転部材は、駆動部材が回転部材と駆動部材の機械的相互作用故に(例えば、回転部材及び駆動部材は回転的にロックされ得る)、第一の回転方向への回転部材の回転運動に従動するように都合よく連結される。送達モードにおいて、回転部材ひいては駆動部材は共通回転軸の周りに回転し得る。回転軸はハウジングの主縦軸であり得る。修正モードにおいて、回転部材及び駆動部材は、回転部材が駆動部材に対して第一の回転方向に回転できるように都合よく連結解除される。修正モードにおいて、回転部材及び駆動部材は、都合よく回転的にロック解除される。送達モードから修正モードへと切り替えるために、修正部材はハウジングに対して、好ましくは、半径方向に内側に向かって動き得る。アセンブリは、ハウジングに対する修正部材の動き、好ましくは、半径方向に内側に向かう動きが、駆動部材と回転部材の連結解除のための、駆動部材と回転部材の間の相対的な動き、好ましくは、相対的な軸方向の動きに変換されるように構成される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
更なる態様は薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは、上述のアセンブリを都合よく含む。薬物送達デバイスは、カートリッジを含み得る。カートリッジは薬物の複数の用量を保持し得る。アセンブリは用量修正機構を供し得る。用量修正機構は薬物の設定された用量を修正することを可能にし得る。
【0009】
用量修正機構は、修正作用中に薬物がカートリッジから投与されることなく、前に、特に、不正確に設定された薬物の用量の修正を都合よく可能にする。このように、高い用量の正確さを供する、容易に取り扱え、使用者に優しい薬物送達デバイスの提供が助けられる。
【0010】
修正モードに切り替えるために、使用者は修正部材上を押し得て、そうすることによってハウジングに対して修正部材を変位させる。この修正部材の好ましくは、半径方向に内側に向いた動きは、回転部材及び駆動部材の、互いに対する及びハウジングに対する軸方向の動きに変換され得る。回転部材及び駆動部材の相対的な動きは、回転部材に対する駆動部材の軸方向の動きを含み得る。この場合、回転部材はハウジングに対して静止状態にあり得る。追加的に又は代わりに、回転部材及び駆動部材の相対的な動きは、駆動部材に対する回転部材の軸方向の動きを含み得る。この場合、駆動部材はハウジングに対して静止状態にあり得る。
【0011】
該相対的連結解除の動きせいで、回転部材及び駆動部材は連結解除され得て、例えば、係合解除され得る。特に、駆動部材及び回転部材は、回転部材と駆動部材の相対的な動きのせいで、もはや回転的にロックされない。回転部材及び駆動部材が連結解除されるとき、デバイスは修正モードにあり得る。薬物の設定された用量はここで容易に修正され得る。駆動部材の回転運動が防止される。このように、使用者に優しい薬物送達デバイスが達成される。
【0012】
実施態様によれば、設定モードにおいて、回転部材は、薬物の用量を設定するために、駆動部材に対して第二の回転方向に回転するように適合される。第二の回転方向は第一の回転方向とは反対であり得る。第二の回転方向、例えば、時計回りであり得る。送達モードにおいて及び/又は設定モードにおいて、駆動部材及び回転部材は、一方向性(uni-directional)摩擦クラッチ機構、例えば、滑りクラッチを用いて互いに連結され得て、例えば係合され得る。摩擦クラッチ機構は、第一の回転方向への回転部材の回転中に、例えば、送達モードにおいて、回転部材と駆動部材の間の相対回転運動を防止するように構成され得る。摩擦クラッチ機構は、第二の回転方向への回転部材の回転中に、例えば、設定モードにおいて、回転部材と駆動部材の間の相対回転運動を可能にするように構成され得る。
【0013】
設定モードにおいて、 回転部材及び駆動部材は都合よく連結され、特に、一方向摩擦クラッチ機構を用いて係合される。しかしながら、駆動部材は第二の回転方向への回転部材の回転に従動することを防がれ得る。これは、用量の正確さを増すことに役立つ。
【0014】
送達モードにおいて、回転部材及び駆動部材も連結され得て、特に、一方向摩擦クラッチ機構を用いて係合され得る。駆動部材は、設定された用量を送達するための駆動部材と回転部材の機械的協動のせいで、第一の回転方向への回転部材の回転に従動し得る。
【0015】
修正モードにおいて、回転部材は第一の回転方向へ再び回転する。しかしながら、修正モードにおいて、回転部材及び駆動部材は都合よく連結解除され、特に、係合解除され、ひいては、駆動部材は、第一の回転方向への回転部材の回転に従動することを防止される。従って、修正モードにおいて、回転部材は、駆動部材の動きなしで第一の回転方向へ回転し得る。このように、薬物の不正確に設定された用量の修正が容易になる。
【0016】
実施態様によれば、停止部材が供される。駆動部材及び停止部材は、一方向摩擦クラッチ機構、例えば、滑りクラッチによって互いに連結され、好ましくは、恒久的に連結される。摩擦クラッチ機構は、第一の回転方向への回転部材の回転中に、例えば、送達モードにおいて、停止部材と駆動部材の間の相対回転運動を可能にするように都合よく構成される。摩擦クラッチ機構は、第二の回転方向への回転部材の回転中に、例えば、設定モードにおいて、駆動部材と停止部材の間の相対回転運動を防止するように構成され得る。
【0017】
停止部材と駆動部材の機械的協動のせいで、用量を設定するとき、駆動部材の動き、特に、回転が防止される。これは、用量の正確さを増すことに役立ち得る。
【0018】
実施態様によれば、ピストンロッドが供される。駆動部材及びピストンロッドは互いに回転的にロックされる。
【0019】
ピストンロッドは、薬物の設定された用量をカートリッジから排出するために、カートリッジに対して栓を変位するように構成され得る。好ましくは、ピストンロッドは駆動部材にスプライン結合される。特に、第一の回転方向への駆動部材の回転運動は、駆動部材とピストンロッドのスプライン結合された連結のせいで、ハウジングに対するピストンロッドの動きに変換され得る。
【0020】
設定モードにおいて、駆動部材は、停止部材との機械的協動のせいで、ハウジングに対する回転を防止される。修正モードにおいて、駆動部材は、駆動部材及び回転部材の連結解除、特に、係合解除のせいで、ハウジングに対する回転を防止される。従って、設定モードにおいて及び修正モードにおいて、ピストンロッドと駆動部材のスプライン結合された連結のせいで、ピストンロッドの動きが防止される。このようにして、用量の正確さが増大され得る。
【0021】
実施態様によれば、修正モードに切り替えるために、駆動部材及び回転部材は、回転部材及び駆動部材を連結解除するために、互いに対して相対的に及びピストンロッドに対して動かされる。駆動部材が回転部材に対して動かされるとき、停止部材は駆動部材と一緒に都合よく動かされる。
【0022】
実施態様によれば、送達モードにおいて及び設定モードにおいて、回転部材及び/又は停止部材は、弾力部材によって供される力によって駆動部材と隣接状態に、好ましくは、恒久的な隣接状態に保持される。好ましくは、弾力部材は、ばね部材、例えば、螺旋コイルばねである。弾力部材は、用量を設定し、修正し及び送達するときに、停止部材、駆動部材及び回転部材上に力をかけ得る。好ましくは、その力は回転軸に沿ってかけられる。好ましくは、回転軸は、ピストンロッドの伸びの主方向に沿って伸びる。
【0023】
実施態様によれば、修正モードに切り替えるために、修正力がかけられなければならず、該力は弾力部材によってかけられた力に抗して作用する。
【0024】
修正力は、駆動部材及び回転部材を連結解除するべく、互いに相対的に回転部材及び駆動部材を動かすために、弾力部材によってかけられた力に抗してかけられ得る。修正力は、回転軸に沿って、そして好ましくは、弾力部材によってかけられた力と比べて反対方向に都合よくかけられる。もし、修正力がもはやかけられないならば、例えば、修正が完了した後、回転部材及び駆動部材は、弾力部材によって自動的に再度、連結されることになり得る。このように、修正モードから送達モード及び/又は設定モードへの自動的切り替えが容易になる。このように、使用者に優しい薬物送達デバイスが達成される。
【0025】
実施態様によれば、駆動部材及び回転部材の少なくとも一つは、少なくとも一つの相互作用エレメントを含む。修正モードに切り替えるために、修正部材は、相互作用エレメントと機械的に相互作用し得る。修正部材の動きは、修正部材と相互作用エレメントと機械的な相互作用によって、駆動部材と回転部材の間の相対的な動きに変換され得る。
【0026】
もし、駆動部材と回転部材の間の相対的動きが、回転部材に対する駆動部材の動きを含むならば、相互作用エレメントは駆動部材の部分であり得るか、又はそれに固定され得る。追加的に又は代わりに、もし、駆動部材及び回転部材を連結解除するために、回転部材が駆動部材に対して動かされるならば、相互作用エレメントは回転部材の部分であり得るか、又はそれに固定され得る。好ましくは、相互作用エレメントは駆動部材及び/又は回転部材と一緒に単体的に形成される。
【0027】
実施態様によれば、相互作用エレメントは傾斜外面を有する。外面はハウジングの主縦軸に対して傾斜し得る。外面は相互作用エレメントの周りを円周方向に伸び得る。修正部材は、修正モードに切り替えるために、相互作用エレメント上に半径方向に向かう、好ましくは、半径方向に内側に向かう力をかけ得る。この力は、修正部材及び傾斜外面の機械的協動によって、軸方向に向かう力、例えば、修正力に変換され得る。
【0028】
実施態様によれば、修正部材は、ハウジングに対する回転運動に抗して固定される。修正部材は、ハウジングの主縦軸に沿った動きに抗して固定され得る。修正部材及び相互作用エレメントは、特に、回転部材が駆動部材と連結されるとき、例えば、設定モードにおいて及び送達モードにおいて、軸方向に都合よく重なる。
【0029】
好ましくは、修正部材は、ハウジングの主縦軸に対する修正部材の半径方向の動きが可能とされ、一方、回転運動及びハウジングの主縦軸に沿った動きが都合よく防止されるように、ハウジング固定される。好ましくは、修正部材はスイッチ修正ボタンである。
【0030】
実施態様によれば、修正部材は外部的に作動可能である。
【0031】
このように、使用者に優しい薬物送達デバイスの提供によって、薬物の不正確に設定された用量の容易かつ迅速な修正を可能にすることが容易になる。
【0032】
実施態様によれば、修正部材は弾力部材又は弾力的に取り付けられた部材である。
【0033】
好ましくは、修正部材は、変形可能な、特に、弾力的に変形可能な部材を含むか又は部材として具体化される。このように例えば、修正部材を始動位置へと戻すように動かし得る復元力のせいで、修正部材が、一旦、解除されると、修正モードから送達モードに戻るよう自動的な切り替えが可能になり得る。
【0034】
実施態様によれば、二つの等しく構成された修正部材が供され得る。修正部材は反対向きに配列され得る。
【0035】
好ましくは、修正部材は、使用者が、修正モードに切り替えるために、二本の指のみを用いて修正部材上を容易に押すことができるように配置される。このように、容易に取り扱える薬物送達デバイスの提供が容易になる。
【0036】
好ましい実施態様によれば、薬物送達デバイス用のアセンブリが供される。アセンブリはハウジングを含む。アセンブリは回転部材を含み、ここで、回転部材は、薬物の用量を送達するために、ハウジングに対して第一の回転方向に回転するように適合される。アセンブリは駆動部材を含み、ここで、駆動部材は、用量を送達するために、回転部材と連結可能である。アセンブリは少なくとも一つの修正部材を含む。送達モードにおいて、駆動部材及び回転部材は、回転部材と駆動部材の機械的相互作用のせいで、駆動部材が、第一の回転方向への回転部材の回転運動に従動するように連結される。修正モードにおいて、回転部材及び駆動部材は、駆動部材に対して第一の回転方向に回転部材が回転できるように連結解除される。送達モードから修正モードに切り替えるために、修正部材はハウジングに対して動くことができ、ここで、アセンブリは、ハウジングに対する修正部材の動きが、駆動部材及び回転部材を連結解除するための、駆動部材と回転部材の間の相対的な動きに変換されるように構成される。
【0037】
このように、以前の、特に、正しくない、薬物の設定された用量の修正が容易になる。従って、容易に取り扱え、そして使用者に優しい薬物送達デバイスが達成される。
【0038】
勿論、異なる態様及び実施態様と関連して上で述べられた特長は互いに、そして以下に述べる特長と組合せられ得る。
【0039】
更なる特長及び詳細が、添付図面に関連した例示的実施態様の以下の記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】薬物送達デバイスの例示的な実施態様の斜視断面図を概略的に示す。
図2図1の薬物送達デバイスの断面側面図を概略的に示す。
図3】設定モードにおける図1において示された薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。
図4】修正モードに切り替える最中の図3の薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。そして
図5】修正モードにおける図4の薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。
【0041】
類似のエレメント、同じ種類のエレメント及び同じように作用するエレメントには、図において同じ参照番号が付与され得る。
【0042】
図1において、薬物送達デバイス1が示される。薬物送達デバイス1はカートリッジホルダ2を含む。デバイス1はカートリッジ3を含む。カートリッジ3はカートリッジホルダ2中に留められる。カートリッジホルダ2はカートリッジ3を機械的に安定化させる。
【0043】
カートリッジ3は薬物の複数の用量を保持し得る(図2の薬物11を参照)。薬物11は、好ましくは、例えば、即効性の又は持続性のインスリンのようなインスリン、ヘパリン及び/又は成長ホルモンを含む液体薬剤である。
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0044】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0045】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン; B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル) ヒトインスリンである。
【0046】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0047】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0048】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0049】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0050】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0051】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Ma
rk Publishing社,Easton, Pa., U.S.A主縦軸1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0052】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0053】
カートリッジ3は、図2において示される通り、出口10を有する。薬物11は出口10を通してカートリッジ3から投与され得る。出口10は膜によって覆われ得る。膜は、カートリッジ3の貯蔵中に外部の影響に対して薬物11を保護し得る。
【0054】
薬物送達デバイス1は、針を含む(明確には示されていない)針アセンブリを含み得る。針アセンブリは、例えば、係合手段4、例えば、ねじ山を用いてカートリッジホルダ2に解除可能に取り付けられ得る。膜は薬物11の用量を投与するために、針によって穿孔され得る。また、薬物送達デバイス1は針無しデバイスであり得る。
【0055】
薬物送達デバイス1は注射デバイスであり得る。薬物送達デバイス1はペン型のデバイス、特に、ペン型の注射器であり得る。デバイス1は使い捨て可能な又は再使用可能なデバイスであり得る。 好ましくは、デバイス1は、変更可能な、好ましくは、使用者が設定できる薬物11の用量を投与するように構成される。また、デバイス1は固定された用量のデバイス、特に、使用者によって変更され得ない薬物11の用量を投与するように構成されたデバイスであり得る。薬物送達デバイス1は、手動で、特に、非電気的に駆動されるデバイスであり得る。
【0056】
薬物送達デバイスはハウジング5を含む。薬物送達デバイス1及びハウジング5は遠位端及び近位端を有する。用語「遠位端」は、薬物送達デバイス1の投与端に最も近くに配置される又は配置されることになる薬物送達デバイス1の端部又はその部品を表す。デバイス1の遠位端は矢印8によって示される。用語「近位端」は、デバイス1の投与端から最も遠く離れて配置される又は配置されることになる薬物送達デバイス1の端部又はその部品を表す。デバイス1の近位端は矢印9によって示される。
【0057】
ハウジング5は、薬物送達デバイス1の安全で快適な取り扱いを可能にするように設計され得る。ハウジング5は、薬物送達デバイス1の内部部品、例えば、後ほどより詳細に述べられる駆動機構の部品を収容し、固定し、保護し又は案内するように構成され得る。好ましくは、ハウジング5は、内部部品が液体、埃又は粉塵のような汚染物質に暴露されることを制限し又は防止する。ハウジング5は単体又は複数部分の部品であり得る。ハウジング5は図1において示される通り、チューブ状の形を含み得る。また、ハウジング5は非チューブ状の形を含み得る。
【0058】
カートリッジホルダ2及びハウジング5は、好ましくは、恒久的に又は解除可能に、例えば、ねじ連結によって互いに固定され得る。もし、カートリッジホルダ2がハウジング5に解除可能に固定されるならば、デバイス1は再使用可能なデバイスであり得る。この場合、もし、薬物11の用量の全てが既に投与されていたならば、カートリッジホルダ2は新しいカートリッジ3を備えるためにハウジング5から取り外され得る。その後、カートリッジホルダ2はハウジング5に再度取り付けられる。もし、カートリッジホルダ2がハウジング5に解除不能に固定されるならば、薬物送達デバイス1は使い捨て可能なデバイスであり得る。
【0059】
薬物送達デバイス1は栓12を含む(図2を参照)。栓12はカートリッジ3内に留められ得る。栓12はカートリッジ3に対して動くことができる。栓12はカートリッジ3を近位でシールし得る。カートリッジ3に対する遠位方向への栓12の動きによって薬物11が出口10を通ってカートリッジ3から投与されることになる。
【0060】
デバイス1はピストンロッド14を含む(図2を参照)。ピストンロッド14は薬物送達デバイス1のハウジング5を通して操作し得る。ピストンロッド14は、例えば、薬物11を投与する目的で薬物送達デバイス1を通して軸方向の動きを伝達するように設計され得る。特に、ピストンロッド14は栓12に力を伝達するように設計され得て、それによってカートリッジ3に対して遠位方向に栓12が押される。このように、薬物11の用量は、もし、出口10が開いておれば、例えば、上述の通り、膜が針によって穿孔された後、カートリッジ3から投与され得る。投与された用量のサイズは、カートリッジ3に対して遠位方向に栓12が変位される距離によって定められる。
【0061】
ピストンロッド14は可撓性材料又は剛性材料で作られ得る。ピストンロッド14は円形の又は非円形の断面を有し得る。ピストンロッド14は単純な棒、親ねじ、ラック、ピニオンシステムなどであり得る。ピストンロッド14は単体又は複数部分の構造であり得る。
【0062】
ベアリング部材13(図2を参照)は栓12を前進させるため栓12とピストンロッド14の間に配置され得る。ベアリング部材13はハウジング5に対してピストンロッド14と一緒に変位され得る。ピストンロッド14はベアリング部材13に対して回転し得る。ベアリング部材13は、例えば、スナップ嵌め連結を用いてピストンロッド14に軸方向にロックされ得る。
【0063】
デバイス1は駆動機構を含む。駆動機構は、薬物送達デバイス1のハウジング5内に配置される。デバイス1は用量部材6を含む。用量部材6は用量ボタン6Aを含む。用量部材6は駆動機構の部分であり得る。用量部材6はハウジング5に対して動き得る。用量部材6はハウジング5にスプライン結合され得る。用量部材6は薬物11の用量を設定するためにハウジング5に対して近位方向に動き得る。用量部材6は薬物11の用量を送達するためにハウジング5に対して遠位方向に動き得る。好ましくは、用量部材6は、設定された用量を修正するために、例えば、用量のサイズを減少するために又は用量を設定解除するためにハウジング5に対し遠近位方向に動くことができるが、それは後ほどより詳細に述べる。
【0064】
薬物11の用量を設定するためにハウジング5に対して近位で用量部材6が動かされる距離によって、設定される用量のサイズが定められ得る。ハウジング5に対する用量部材6の近位端位置及び遠位端位置は、ハウジング5に対する用量部材6の近位及び遠位の動きを制限する(明確には示されていない)各停止機構によって定められ得る。
【0065】
用量ボタン6Aは、用量を設定するために使用者によって引かれるように構成され得る。用量ボタン6Aは、設定された及び/又は修正された用量を投与するために使用者によって押され得る。用量ボタン6Aは用量部材6の部分であり得るか又は用量部材6に連結され得る。
【0066】
ハウジング5に対して遠位に用量部材6が動かされることになる力、好ましくは、使用者によってかけられた力は、設定された用量を投与するために駆動機構によってピストンロッド14に伝達され得るが、それは後ほどより詳しく述べられる。好ましくは、駆動機構は、用量を設定するためにハウジング5に対して近位方向に、そして設定された用量を修正するためにハウジング5に対して遠位方向に用量部材6が動かされるとき、ピストンロッド14がハウジング5に対して静止状態にしておくように構成される。
【0067】
駆動機構は駆動部材16を含む。駆動機構は回転部材15を含む。駆動機構は停止部材20を含む(図2〜5を参照)。
【0068】
回転部材15は、後ほどより詳しく述べられる限定された状態でハウジング5に対して軸方向に変位し得る。回転部材15はハウジング5に対して回転できる。回転部材15は用量部材6の内部に配置され得る。用量部材6は回転部材15に連結され得て、好ましくは、ねじで連結され得る。この目的のために、回転部材15は、図2において示される通り、雄ねじ15Aを含み得る。用量部材6は対応物28、例えば、ねじ山(図2を参照)を含み得る。対応物(counterpart)28は用量部材6内に備えられ得る。用量部材6及び回転部材15は、用量部材6の軸方向の動きが回転部材15の回転運動に都合よく転換されるように、ねじで係合され得る。
【0069】
このように、デバイス1の設定モードにおいて、薬物11の用量を設定するためのハウジング5に対する近位方向への用量部材6の動きは、ハウジング5に対する第二の回転方向への回転部材15の回転に変換され得る。第二の回転方向は、例えば、時計回りであり得る。
【0070】
デバイス1の送達モードにおいて、設定された用量を送達するためのハウジング5に対する遠位方向への用量部材6の動きは、ハウジング5に対する第一の回転方向への回転部材15の回転に変換され得る。第一の回転方向は、第二の回転方向とは反対であり得る。第一の回転方向は、反時計回りであり得て、そして第二の回転方向は、例えば、時計回りであり得る。
【0071】
デバイス1の修正モードにおいて、設定された用量を修正するためのハウジング5に対する遠位方向への用量部材6の動きは、ハウジング5に対する第一の回転方向への回転部材15の回転に変換され得る。
【0072】
駆動部材16は、後ほどより詳しく述べられる限定された状態でハウジング5に対して軸方向に変位し得る。駆動部材16はハウジング5に対して回転できる。駆動部材16及び回転部材15は、好ましくは、設定された用量を送達するとき、共通回転軸の周りに回転するように構成される。回転軸はハウジング5又はデバイス1の主縦軸19であり得る。好ましくは、回転軸はピストンロッド14に沿って、特に、ピストンロッド14の伸びの主方向に沿って伸びる。
【0073】
回転部材15は、デバイス1が設定モードにあるとき、好ましくは、恒久的に、駆動部材16に連結され得て、例えば、係合され得る。回転部材15は、デバイス1が送達モードにあるとき、好ましくは、恒久的に、駆動部材16に連結され得る。しかしながら、回転部材15及び駆動部材16は、例えば、薬物11の誤って設定された用量を修正するためにデバイス1が修正モードにあるとき、好ましくは、連結解除、特に、係合解除されるが、それは後ほどより詳しく述べられる。
【0074】
設定モードにおいて及び送達モードにおいて、回転部材15は、一方向性クラッチ機構、特に、摩擦クラッチ機構、例えば、滑りクラッチによって駆動部材16に連結される。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジング5に対して第二の回転方向に回転するとき、例えば、設定モードにおいて、駆動部材16に対する回転部材15の回転運動が可能になる。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジング5に対して第一の回転方向に回転するとき、例えば、送達モードにおいて、駆動部材16に対する回転部材15の回転運動が防止される。
【0075】
設定モードにおいて及び送達モードにおいて、駆動部材16は回転部材15と隣接するように又は係合するように配置され得る。回転部材15を係合するために、駆動部材16は歯部22を含む(図3を参照)。歯部22は、例えば、駆動部材16の近位端部セクションに配置され得る。また、回転部材15は歯部21を含む(図3を参照)。歯部21は、例えば、回転部材15の遠位端部セクションに配置され得る。特に、歯部21は、駆動部材16に面する回転部材15の端部セクションに配置され得る。歯部21及び歯部22は互いに対になるように構成され得る。歯部21は複数の歯を含む。歯部21の歯は回転部材15の外周に沿って配列され得る。歯部22の歯は駆動部材16の外周に沿って配列され得る。歯部22は複数の歯を含む。各停止部材20、21の歯は回転軸に沿って伸び得る。
【0076】
停止部材20、21の各々の歯は、特に、回転軸に対して方位角方向に沿って斜面の形であり得る。各々の歯の斜面は、該歯の険しい端面、例えば、回転軸に平行に伸びる歯の面によって方位角方向に制限される。歯部20及び21の二つの各々の歯が隣接し、そして回転部材15がハウジング5に対して更に第一の回転方向に回転するとき、険しい側部は隣接状態に留まり、従って駆動部材16は回転部材15の回転に従動する。
【0077】
回転部材15がハウジング5に対して第二の回転方向に回転するとき、停止部材20及び21の歯の斜面は互いに沿って滑り、そのため、回転部材15は駆動部材16に対して回転する。従って、デバイス1は設定モードにある。停止部材20、21の次の歯が互いに係合するとき、聞くことができ及び/又は触れることができるフィードバックが使用者に与えられ得る。
【0078】
駆動部材16はピストンロッド14を係合する。好ましくは、駆動部材16はピストンロッド14にスプライン結合される。駆動部材16及びピストンロッド14のスプライン結合された連結によって、ピストンロッド14に対する駆動部材16の相対回転運動が防止される。従って、駆動部材16及びピストンロッド14は恒久的に回転的にロックされる。
【0079】
駆動部材16はピストンロッド14に、力を、好ましくは、トルクを伝達するように構成される。伝達された力によって、ハウジング5に対してピストンロッド14が回転させられることになり得る。追加的に又は代わりに、伝達された力によって、薬物11の設定された用量を送達するために、ハウジング5に対して遠位方向にピストンロッド14が変位されることになる。
【0080】
ピストンロッド14はねじ山14Aを含む。ねじ山14Aはピストンロッド14の外表面に配置され得る。対応物、例えば、更なるねじ山が、ハウジング5とピストンロッド14のねじ係合のためにハウジング5の内部に備えられ得る。ピストンロッド14の回転運動は、ピストンロッド14とハウジング5のねじ係合のために、ハウジング5に対して遠位方向へのピストンロッド14の軸方向の動きに変換され得る。
【0081】
駆動部材16は、停止部材20と回転部材15の間に配置され得る。停止部材20は、薬物11の用量を設定するとき、ハウジング5に対して第二の回転方向への駆動部材16の回転運動を防止するように構成される。従って、設定モードにおいて、回転部材15は駆動部材16に対して及び停止部材20に対して回転する。停止部材20は、好ましくは、ハウジング5に対する回転に抗して固定されるか又はハウジング5に対して統合的に形成される。停止部材20はハウジング5に対して軸方向に移動し得る。停止部材20はハウジング5にスプライン結合され得る。
【0082】
停止部材20は、更なる一方向性クラッチ機構、例えば、滑りクラッチを用いて駆動部材16に連結され得る。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジングに対して第二の回転方向に回転するとき、例えば、薬物11の用量を設定するとき、停止部材20に対する駆動部材16の回転運動が防止される。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジング5に対して第一の回転方向に回転するとき、例えば、薬物11の設定された用量を送達するとき、停止部材20に対する駆動部材16の回転運動が可能になる。
【0083】
停止部材20は、好ましくは、用量を設定するとき、設定された用量を修正するとき、そして、設定された用量を送達するとき、例えば、デバイス1のいずれかの操作モードにおいて、駆動部材16に隣接するように又は係合するように配置され得る。停止部材20は、駆動部材16に面する一つの端部セクションで、例えば、停止部材20の近位端部セクションで歯部24(図3を参照)を含む。歯部24は斜面の形であり得て、そして停止部材20の外周に沿って配列され得る。
【0084】
駆動部材16は、好ましくは、駆動部材16の遠位端部セクションで、更なる歯部23(図3を参照)を含む。そうすることによって、駆動部材16の歯部23及び歯部22は反対側に配列される。歯部23は回転部材15の歯部21に従って構成され得る。歯部23及び24は、薬物11の用量を設定するとき、ハウジング5に対する及び停止部材20に対する駆動部材16の回転を防止するべく協動するように構成され得る。
【0085】
ハウジング5に対して第二の回転方向への駆動部材16の回転が防止されるので、ハウジング5に対する近位方向へのピストンロッド14の動き、並びに用量を設定する際のハウジング5に対する第二の回転方向へのピストンロッド14の回転も防止される。これは用量の正確さを増すために役立ち得る。
【0086】
駆動機構は、弾力部材18、例えば、ばね部材を更に含む。好ましくは、弾力部材18は螺旋コイルばねである。弾力部材18は、デバイス1が送達モードにある、修正モードにある、及び設定モードにあとき、例えば、デバイス1のいずれかの操作モードにおいて、停止部材20及び回転部材15と恒久的な機械的協動、例えば、係合状態に駆動部材16を保持する傾向にある力を供する。好ましくは、力は回転軸に沿ってかけられる。
【0087】
駆動部材16、回転部材15、停止部材20及び用量部材6は、各々、スリーブを含み得るか又はスリーブとして具体化され得る。ピストンロッド14は、該スリーブの少なくとも一つの又はそれ以上の又は全てに配列され得て、及び/又はそれを通して駆動され得る。
【0088】
駆動部材16は、少なくとも一つの相互作用エレメント17を含む。好ましくは、相互作用エレメント17は、図2において示された通り、駆動部材16の遠位端部セクションに配置される。相互作用エレメント17は駆動部材16の周りに供される。好ましくは、駆動部材16及び相互作用エレメント17は単体的に形成される。
【0089】
相互作用エレメント17はスカート17Bを含む。スカート17Bは、例えば、リング状部分として具体化され得るか又はそれを含み得る。スカート17Bは、ハウジング5の主縦軸19に沿って伸び得る。スカート17Bは、傾斜外面17Aを含む。傾斜外面17Aは、好ましくは、スカート17Bの遠位端部セクションにおいて配置される。傾斜外面17Aは、ハウジング5の主縦軸19に対して傾斜し得る。傾斜外面17Aは、駆動部材16の周りに、好ましくは、その全外周に沿って及び/又は主縦軸の周りに伸び得る。
【0090】
デバイス1は少なくとも一つの修正部材7を含む。好ましくは、デバイス1は、図2において示されるように、二つの修正部材7を含む。修正部材7は、等しく構成され得る。修正部材7は、例えば、修正部材7上を押すことによって使用者が作動し得る。修正部材7は、使用者が二本の指、例えば、親指と人差し指を用いて修正部材7上を容易に押すことができるように、反対に配列され得る。また、デバイス1は3つ又はそれ以上の修正部材7を含む。好ましくは、修正部材7は、デバイス1を修正モードに切り替えるためのスイッチボタンを含むか又はそれとして具体化される。
【0091】
修正部材7はハウジング5に対する回転に抗して固定される。修正部材7はハウジング5の主縦軸19に沿った動きに抗して固定される。しかしながら、修正部材7はハウジング5に対して半径方向に動き得るように適合され得る。
【0092】
各々の修正部材7はディスク状部分7Aを含む。ディスク状部分7Aは、好ましくは、使用者がディスク状部分7A上を押すことができるように、ハウジング5の外表面に配置される。その結果、各修正部材7は外部的に作動でき、特に、使用者によって作動できる。各修正部材7が使用者によって解除されるとき、デバイス1は、例えば、修正モードから送達モードへと又は設定モードに戻るよう自動的に切り替えられ得る。
【0093】
修正部材7は修正部材7Bを含む。好ましくは、7A及び修正部材7Bは単体的に形成される。修正部材7Bはハウジング5に対して半径方向に内側に向かって突き出る。修正部材7Bはディスク状部分7Aから最も遠くに離れている修正部材7Bの端部に配置された先端を含み得る。
【0094】
修正部材7、特に、突き出し部分7Bは、デバイス1を修正モードに切り替えるために、相互作用エレメント17と、特に、傾斜外面17Aと機械的に相互作用するように構成される。好ましくは、修正部材7は傾斜外面17Aと軸方向に重なる。好ましくは、ハウジング5に対する各修正部材7の軸位置は、駆動部材16及び回転部材15が互いに連結されるとき、ハウジング5に対して相互作用エレメント17、特に、斜めの外面17Aが有するその軸位置によって画成される。このように、各修正部材7は、修正部材7がハウジング5に対して動かされるとき、各相互作用エレメント17と、特に、傾斜外面17Aと機械的に相互作用し得る。
【0095】
好ましくは、修正部材7は弾力部材、特に、弾力的に変形可能な部材である。また、修正部材7は弾力的に取り付けられる部材であり得る。この場合、ばね部材、例えば、コイルばねはディスク状部分7Aと修正部材7Bの間に配置され得る。ばね部材は、修正部材7が使用者によって内側に向かって押されるとき、半径方向に内側に向かって付勢され得る。付勢されたばね部材は、ディスク状部分7Aが解除されるとき、例えば、用量が修正された後、半径方向に外側に向かって弛緩され得て、そうすることによって修正部材7が自動的に半径方向に外側に向かって変位される。このように、デバイス1は、各修正部材7が解除されるとき、修正モードから設定モードに戻るように又は送達モードへと自動的に切り替えられ得る。
【0096】
修正モードへと切り替えるために(図4も参照)、修正部材7は、特に、ディスク状部分7Aは、使用者によって押される。そうすることによって、修正部材7はハウジング5に対して半径方向に内側に向かって、そして傾斜外面17Aに向かって変位される。ばね部材はこのように半径方向に内側に向かって付勢される。
【0097】
修正部材7が半径方向に内側に向かって変位されるとき、修正部材7Bの先端は傾斜外面17Aと隣接し得る。そうすることによって、修正部材7は相互作用エレメント17上に半径方向に内側に向かう力をかける。半径方向に内側に向かう力は、傾斜外面17Aに沿って動かされる修正部材7Bの先端及び傾斜外面17Aの機械的協動によって軸方向に向かう力、例えば、修正力に変換される。
【0098】
特に、傾斜外面17Aは、駆動部材16及び回転部材15を連結解除するために、ハウジング5に対する修正部材7の半径方向に内側に向かう動きが、ハウジング5に対するそして回転部材15に対する(図4参照)駆動部材16の、ひいては停止部材20の遠位での動きに変換されるように、修正部材7と特に、修正部材7Bの先端と機械的に相互作用するように適合され得る。
【0099】
従って、ハウジング5に対して半径方向に内側に向かう方向への修正部材7の動きは、駆動部材16及び回転部材15を連結解除するために、駆動部材16と回転部材15の間の相対的な(軸方向の)動きに変換される。
【0100】
駆動部材16、ひいては停止部材20が回転部材15に対して遠位に変位されるとき、使用者が適用した修正力は、前述のように、回転部材15及び停止部材20を駆動部材16と隣接状態に保持する傾向にある弾力部材18によってかけられた力に抗して作用し、そしてそれに打ち克つ。その結果、弾力部材18は、駆動部材16及び回転部材15を連結解除するために、駆動部材16及び停止部材20が回転部材15に対して遠位に変位されるとき、軸方向に付勢される。駆動部材16、ひいては停止部材20が回転部材15に対して動かされるとき、停止部材20及び駆動部材16は、弾力部材18によってかけられた力のせいで、隣接状態に保持される。駆動部材16と回転部材15の間の相対的な動き、つまり、連結解除の動きによって、駆動部材16と回転部材15の間に隙間が生まれることになる(図4及び5を参照)。隙間は、回転部材15の歯部21及び駆動部材16の歯部22が係合解除される、つまり、回転部材15及び駆動部材16が係合解除されるようなサイズを有する。従って、相対的な変位は停止部材20、21の各歯の深さより大きいか又は少なくとも等しくなければならない。
【0101】
駆動部材16及び回転部材15が連結解除されるとき、駆動部材16及び回転部材15はもはや第一の方向に回転的にロックされない。駆動部材16及び回転部材15が連結解除されるとき、デバイス1は修正モードにある(図5も参照)。修正モードにおいて、回転部材15は駆動部材16に対して第一の回転方向に回転し得る。従って、設定された用量は、駆動部材16、ひいてはピストンロッド14の動きなしで修正され得る。
【0102】
修正モードから送達モードへ、又は設定モードに戻るよう切り替えるために、各々の修正部材7は解除され得る。ディスク状部分7Aと修正部材7Bの間に配置されたばね部材は半径方向に外側に向かって弛緩する。従って、各修正部材7は、修正部材7と相互作用エレメント17の間にもはや機械的な相互作用がないように、半径方向に外側に向かって自動的に変位される。その結果、修正力は、駆動部材16及び回転部材15を係合解除状態に保つために駆動部材16上にもはやかけられない。
【0103】
このように、弾力部材18は軸方向に弛緩し得る。これは、駆動部材16及び回転部材15を連結解除する、連結する、特に、係合することに関して反対方向への、駆動部材16と回転部材15の間の相対的な動きに繋がり得る。特に、駆動部材16、ひいては停止部材20は、連結解除中に弾力部材18内に前もって蓄積されたエネルギによって近位方向に駆動される。
【0104】
回転部材15及び駆動部材16が係合状態に戻されるとき、修正された用量が送達され得るか又は、意図せずに設定された用量を設定解除してデバイス1が片付けられ得る。
【0105】
図3は、設定モードにおける図1において示された薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。
【0106】
用量を設定するために、使用者は用量部材6をハウジング5に対して近位方向(矢印25)に変位させる。そうするために、使用者は、用量ボタン6Aを掴み得て、そしてそれを、例えば、近位方向に引き得る。用量部材6は回転部材15に対しても近位に動く。
【0107】
ハウジング5に対する用量部材6の近位の変位は、特に、用量部材6及び回転部材15のねじ係合のせいで、ハウジング5に対する第二の回転方向への回転部材15の回転運動に変換される。回転部材15は駆動部材16に対して及び停止部材20に対しても回転する。聞くことができる及び/又は触れることができるフィードバックが、駆動部材16の歯部22の次の歯が回転部材15の歯部21の各歯によって係合されるときに、使用者に与えられ得る。
【0108】
ピストンロッド14が駆動部材16に連結され、そして駆動部材16の第二の回転方向への回転によって、ピストンロッド14が近位方向に変位されることになるであろう故に、ピストンロッド14は停止部材20と駆動部材16の相互作用によって近位方向に駆動されることを防止される。用量の正確さがこのようにして増大され得る。
【0109】
設定された用量はハウジング5中の(明確には示されていない)窓開口部を通して見ることができ得る。使用者が、選択された用量が高すぎるか又は(固定された)用量が間違って設定されたと認識するとき、使用者はデバイス1を修正モードに切り替えることによって、設定された用量を修正し得る。
【0110】
図4は、修正モードに切り替える最中の図3の薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。
【0111】
図5は、修正モードにおける図4の薬物送達デバイスの斜視断面図を概略的に示す。
【0112】
使用者が、前に設定された用量を修正することを望むとき(図3を参照)、使用者は、修正モードに切り替えるために、各修正部材7(矢印26)上を押す。図2に関連して述べた通り、ハウジング5に対する修正部材7の半径方向の内側に向いた動きは駆動部材16及び回転部材15の相対的な連結解除の動きに変換される。
【0113】
駆動部材16及び回転部材15が連結解除されるとき、例えば、デバイス1が修正モードにあるとき、前に設定された用量を修正するために、用量部材6はハウジング5に対して遠位方向に変位され得る(矢印27を参照)。用量部材6は、ハウジング5の(明確には示されていない)窓開口部に表示され得る、望まれた用量サイズに達するまで、又は用量が設定解除されるまで、遠位に変位される。
【0114】
用量部材6の修正運動の最中に、回転部材15はハウジング5に対して第一の回転方向に回転する。回転部材15及び駆動部材16が連結解除されるので、駆動部材16は第一の回転方向に回転することが防止される。従って、駆動部材16によって駆動されるピストンロッド14はハウジング5に対して動くことが防止される。このように、設定された用量は容易に修正され得て、そして薬物11の無駄が避けられ得る。
【0115】
用量が修正されたとき、例えば、望まれた用量サイズが窓開口部に表示されるとき、使用者は、各修正部材7を開放することによってデバイス1を修正モードから送達モードに切り替え得る。そうすることによって、回転部材15及び駆動部材16は、図2と関連してそれが述べられた通り、係合状態に戻される。従って、回転部材15及び駆動部材16は、修正された用量を投与するために、第一の回転方向に再び回転的にロックされる。
【0116】
修正された用量を投与するために、用量ボタン6Aが押され、ひいては、用量部材6がハウジング5に対して遠位方向に変位される。従って、回転部材15はハウジング5に対して第一の回転方向に回転する。駆動部材16は、停止部材20に対して第一の回転方向への回転部材15の回転運動に従動する。聞くことができる及び/又は触れることができるフィードバックは、停止部材20の歯部24の次の歯が係合されるときに、使用者に与えられ得る。
【0117】
第一の回転方向への駆動部材16の回転運動は、第一の回転方向へのピストンロッド14の回転運動に変換される。該運動は、ピストンロッド14及びハウジング5のねじ係合のせいで、遠位方向へのピストンロッド14の動きに変換される。従って、栓12は−−3に対して遠位方向に変位され、そして薬物11の修正された用量はカートリッジ3から投与される。
【0118】
上述の通り、回転部材15及び駆動部材16は、回転部材15に対する駆動部材16のひいては停止部材20の動きのせいで連結解除され得る。また、図において明確には示されていない実施態様において、駆動部材16及び回転部材15を連結解除するための回転部材15と駆動部材16の間の相対的動きは、駆動部材16に対する、そして、特に、停止部材20に対する15の軸方向の、特に近位の動きを含み得る。この場合、駆動部材16及び停止部材20はハウジング5に対して静止状態に留まり得る。
【0119】
回転部材15が駆動部材16と相対的に動かされるとき、相互作用エレメント17又は追加の相互作用エレメントは回転部材15に配置され得る。従って、傾斜外面17Aは、ハウジング5に対する修正部材7の半径方向の内側に向かう動きが、駆動部材16及び停止部材20に対する回転部材15の近位の動きに変換されるべく、修正部材7Bの先端と機械的に相互作用するように適合され得る。しかしながら、駆動部材16に対する回転部材15の動きによって、用量の設定解除中に又は修正中に、6の動きが引き起こされ得る。用量部材6の動きは使用者をいらだたせ得る。駆動部材16が回転部材15に対して動かされるとき、用量部材6の該動きは避けられ得る。
【0120】
他の実行例は以下の請求項の範囲内にある。異なる実行例のエレメントは、本明細書に特別には述べられていない実行例を形成するために組合せられ得る。
【符号の説明】
【0121】
1 薬物送達デバイス
2 カートリッジホルダ
3 カートリッジ
4 係合手段
5 ハウジング
6A 用量ボタン
6 用量部材
7 修正部材
7A ディスク状部分
7B 突き出し部分
8 遠位端
9 近位端
10 出口
11 薬物
12 栓
13 ベアリング部材
14 ピストンロッド
14A ねじ山
15 回転部材
15A ねじ山
16 駆動部材
17 相互作用エレメント
17A 表面
17B スカート
18 弾力部材
19 主縦軸
20 停止部材
21 歯
22 歯
23 歯
24 歯
25 矢印
26 矢印
27 矢印
28 対応物
図1
図2
図3
図4
図5