【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、被験者又は被験動物の眼の非侵襲性検査、測定及び/又はモニタリングで使用するデバイスであって、照明光を眼の選択された構造上に選択的に誘導してそこからの直接反射率又はそれ以外の反射率を得て1つ又は複数のパルスの照明光を提供する照明手段と、照明光による照明の結果として眼から戻る光を受光し、戻る光を照明光のパルスに対して選択されたタイミングで間欠的に記録して選択された構造から戻る直接反射光と拡散反射光とを区別して上記直接及び拡散戻り反射光の両方を分析するように構成された受光手段とを備える第1の光学システムを有するデバイスが提供される。
【0006】
本発明は、眼の特定の特徴を、眼の解剖学的及び生理学的特徴の検査及び/又は分析又は測定及びモニタリングのための分光光度計の一部として採用するように構成できる限り、特に有利であることが分かる。
【0007】
以下に詳述するように、被験者の眼、及びその様々な構造的特徴は、後眼房内の選択された構造からの直接反射率によって被験者の眼をモニタ/分析することが必要なときにキュベットとして機能することができる。その一方で、本発明は、有利には、積分球として機能するときに後眼房内からの拡散反射率を検査し、モニタするという選択肢を有する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、被験者又は被験動物の眼の非侵襲性検査、測定及び/又はモニタリング方法であって、照明光の1つ又は複数のパルスが眼のある構造上に選択的に誘導されてそこからの直接反射率又はそれ以外の反射率が得られ、そのような照明の結果として眼から戻る光が上記1つ又は複数のパルスに対するあるタイミングで間欠的に記録されて、選択された構造から戻る直接反射光と他の反射光とを区別して上記直接戻り反射光が分析される方法が提供される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、被験者又は被験動物の眼の非侵襲性検査、測定及び/又はモニタリング方法であって、照明光の1つ又は複数のパルスが前眼房内のある構造上に選択的に誘導されてそこからの直接及び/又は拡散反射率又はそれ以外の反射率が得られ、そのような照明の結果として前眼房から戻る光が上記1つ又は複数のパルスに対するあるタイミングで間欠的に記録されて、選択された構造から戻る直接及び/又は拡散反射光と他の反射光とを区別して上記直接及び/又は拡散戻り反射光が分析される方法が提供される。
【0010】
したがって、デバイスは、眼の特徴を照明し、戻り照明光パルスを記録して、眼又はその内部の異なる部分からの直接及び/又は拡散反射を明確に識別又は区別できるようにする照明光の1つ又は複数のパルスを提供するように構成することができる。記録期間は、照明パルスの終了後直ちに、又はその後の所定期間に開始してもよく、あるいは照明パルスの終了と重なっていてもよい。
【0011】
照明光パルスと受光パルスとの間の制御された関係によって必要な反射光とその他の反射光とを区別するステップに加えて、有利には、眼の内部の構造の光学的特性をさらに本発明に採用することができる。
【0012】
例えば、硝子体液内の水は、一般に1400nmを超える波長を吸収するように作用し、したがって、有利には、反射光を考慮するときに、これを天然のフィルタとして使用できる。光が水晶体と成人の眼の裏にある網膜との間を移動する約48mmの硝子体液の距離は、このフィルタの重要な側面である。
【0013】
例えば、反射光を受光し分析する際に、1400nmを超えるいかなる光も対象の部位ではなく、他の構造からの直接又は拡散反射率によって生成される。同様に、積分球としての眼の使用によって発生する任意の反射率を考慮すると、すなわち、拡散反射率を考慮すると、1400nmを超える波長の光は無視することができ、したがって、網膜からの拡散反射率の成分を構成しないであろう。
【0014】
したがって、積分球としての眼についての本発明のデバイス及び方法は、有利には、硝子体液内の液体の天然のフィルタリング能力を考慮した適切に選択された波長の光を使用できる。
【0015】
次に、戻り光の大部分が網膜からの戻り光、好ましくは瞳を通して出射する前に眼の内部で複数回反射した拡散光であるか、又は眼の1つ又は複数の特定の特徴から直接及び/又は拡散反射した光であるかを決定できる。したがって、必要であれば、眼の他の部分に直接又は拡散反射した照明光が処理されないか、あるいは眼の特定の特徴に反射した光だけが処理される構成が好ましい。次に、有利には、眼をキュベット及び/又は積分球として用いて、眼の照明が照明光の空間、角度又は偏光の変化に影響されないように役立てることができる。以下に詳述するように、これによって、照明と記録が同時に実行され、直接反射率が区別される公知のデバイスに対してさらに大きい利点を提供する。
【0016】
以下の説明から分かるように、本発明を利用する光学システムは、パルス又は間欠光信号を記録する標準の分光光度計を変更することで提供できる。そのような分光分析技術を用いる一般原理が上記のWO90/12534に記載されている。
【0017】
眼は光を透過させる身体の唯一の部分であるため、分光法の分野では、眼は実際には身体のキュベット及び/又は積分球である。したがって、眼に反射した光の特性の測定は、眼の身体的及び生理学的特徴と身体機能一般の特徴との指標を与える。さらに、本発明は、眼が同時にキュベットと積分球として動作する能力を可能にする。
【0018】
好ましい構成では、デバイスは、例えば、米国特許第5,784,145号などに記載の標準の瞳孔計を変更することで、瞳のサイズを測定する第2の光学システムを備えてもよい。さらに、本明細書で瞳孔計を使用する一般原理は、本出願人の以前の国際特許出願WO90/12534号及びWO02/071932号に記載されている。
【0019】
好ましくは、デバイスは、例えば、手動で操作するレバー、ボタン、ジョイスティック、及び/又は1つ又は複数のコンピュータマウスを使用することで被験者が直接に、又は被験者から独立して制御可能な、WO02/071932に記載されているようなアライメント手段をさらに備える。アライメント手段は、システムに可変焦点機能を提供し、オプションとして、被験者又は臨床医の人的介在なしに自動的に動作できる。実際、そのようなアライメントの起動も、瞳の場所が決定されると、第1の光学システムによって自動的に開始できる。これは、検査又はモニタリングを必要とする眼の該当部分に出力光を誘導するために本発明の必要な「合焦」を達成する特に有利な構成である。
【0020】
一実施形態では、第2の光学システムは、瞳の中心を計算できるように、瞳の縁部の場所を決定するように構成されている。また、第2の光学システムを用いて被験者の識別を決定して記録する虹彩認識を提供することができる。
【0021】
本発明の幾つかの態様では、照明光は瞳面に合焦することが好ましいのは当然であるが、幾つかの実施態様では、これは実行する必要がなく、光を眼に向けて瞳を通して網膜を照明するだけでよい。このようにして、対象の部位を照明する光の量が制御される。代替的に又は追加的に、角膜、眼房水、水晶体、虹彩、硝子体液及び/又は網膜などの眼の特定の構造特徴に光を合焦させるという要件がある。
【0022】
一構成では、第1及び第2の光学システムは、眼に向けて光を伝送する1つ又は複数の光ファイバを備えてもよい。特に好しい構成では、光ファイバは、光入力手段と受光手段の両方として機能するように構成できる。
【0023】
第1の光学システムを眼の網膜から戻る選択した波長の光の強度をモニタするように構成できるのは言うまでもない。
【0024】
あるいは、第1の光学システムを眼の1つ又は複数の構造から異なる波長の光の強度をモニタするように構成して、構造、例えば、網膜の吸光度/反射特性を決定できるように構成することができる。
【0025】
第1及び第2の光学システムは部分を共有してもよい。したがって、例えば、同じユニットによって第1及び第2の受光手段を提供してもよい。同様に、所望であれば、第1及び第2の光学システムは同じ処理手段を使用してもよい。
【0026】
当然であるが、本発明のデバイスは、照明光を被験者又は被験動物の眼の所望の構造形成部分に誘導する有利に構成可能で正確な合焦手段を使用して、そのような構造要素の固有の特性の容易で正確なモニタリング、測定及び/又は分析を可能にすることが理解されよう。
【0027】
本発明の別の態様によれば、眼の内部の構造の身体的及び/又は生理学的な変化の非侵襲性検査、測定及び/又はモニタリングのための眼の1つ又は複数の構造の光学的検査、測定及び/又はモニタリングにおけるキュベット及び/又は積分球としての被験対象の眼の使用が提供される。
【0028】
本発明のその他の好ましい、又はオプションの特徴は、以下の説明と明細書の従属請求項とから明らかになろう。
【0029】
本明細書で使用する「被験者又は被験動物の身体機能」という表現は、医師又は獣医師が非侵襲的に検査、モニタ又は測定できる様々な異なる機能を含むことが意図されている。特に、網膜血のいずれかの物質及び変化と被験対象の網膜の細胞内のいずれかの生化学的(有機又は無機の)変化の測定及び/又はモニタリングを含むことが意図されている。さらに、上記いずれかの又はすべての変化を、網膜又は脳の電気的、生化学的又は病理学的活動の変化と共に、また眼の内部の身体的変化及び/又は生理学的変化に加えて測定及び/又はモニタすることができる。
【0030】
また、本明細書で使用する「光」という用語は、他に別段の指定がない限り、眼及び眼の内部に含まれる構造にとって有害でない可視波長及び赤外線、近赤外線及び紫外線などの不可視波長を含むように意図されている。直接反射率のためにキュベット内で不可視波長を使用することの利点は、眼がそのような波長を受光したときに瞳のサイズが変化しないという点である。拡散反射率の場合、その逆が利点となり、可視光が瞳の収縮を引き起こすため、積分球としての眼の効率を上げる。
【0031】
添付の図面を参照しながら詳細な説明によって本発明について詳述するが、単なる例示としてのものであって、本発明を限定するものではない。