特許第5777719号(P5777719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777719自動車ヘッドライトの光源を直流電流により作動させる方法および電気回路、ならびにこのような回路を備える自動車ヘッドライトのライトモジュール、およびこのようなライトモジュールを備える自動車ヘッドライト
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777719
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】自動車ヘッドライトの光源を直流電流により作動させる方法および電気回路、ならびにこのような回路を備える自動車ヘッドライトのライトモジュール、およびこのようなライトモジュールを備える自動車ヘッドライト
(51)【国際特許分類】
   H05B 41/24 20060101AFI20150820BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20150820BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20150820BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20150820BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20150820BHJP
   F21Y 101/00 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   H05B41/24
   F21S8/10 100
   F21V23/00 102
   F21V23/00 103
   F21S8/10 150
   B60Q1/04 E
   F21W101:10
   F21Y101:00 300
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-533177(P2013-533177)
(86)(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公表番号】特表2013-539902(P2013-539902A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】EP2011067694
(87)【国際公開番号】WO2012049152
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年8月8日
(31)【優先権主張番号】102010048604.3
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508256558
【氏名又は名称】オートモーティブ ライティング ロイトリンゲン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ルーベンシュタイン リュディガー
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−135195(JP,A)
【文献】 特開2010−129341(JP,A)
【文献】 特表2009−527871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B41/24−41/298
B60Q1/00−1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それ自体として交流電流による作動のために設けられた自動車ヘッドライト(1)の光源(11)を直流電流により作動させる方法であって、
前記光源(11)は、
誘導負荷(Lz)を有しており、
4つの半導体スイッチ(HSL、HSR、LSL、LSR)を有する電気的なHブリッジ回路(25)のそれぞれのブリッジ分枝の間に配置されており、
交流電流動作のときに前記Hブリッジ回路(25)を介して交流電流の供給を受け、
前記Hブリッジ回路(25)の上側に配置された両方の半導体スイッチ(HSL、HSR)はブートストラップコンデンサ(Cb)をそれぞれ有するブートストラップ回路(24)を通じてそれぞれ制御される、
そのような方法において、
直流電流動作のときに前記Hブリッジ回路(25)の閉じた半導体スイッチ(HSL、LSR;HSR、LSL)のうち少なくとも1つが再充電プロセスのために時おり一時的にオフにされ、再充電プロセスの終了時に再びオンになり、
前記再充電プロセスは、前記Hブリッジ回路のブリッジ分枝を介して流れる電流(I(Lz))が0アンペアの値に達するよりも前に終了すること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記再充電プロセスは5マイクロ秒以下、特に2マイクロ秒以下、特別に好ましくは1マイクロ秒以下だけ続くことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
連続する2回の再充電プロセスの間隔は、前記ブートストラップ回路(24)の前記ブートストラップコンデンサ(Cb)の電荷が、次回の再充電プロセスの前に、前記Hブリッジ回路(25)の少なくとも1つの閉じたハイサイドスイッチ(HSL;HSR)を確実に制御するために十分に大きいように選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
連続する2回の再充電プロセスの間隔はミリ秒単位で選択され、特に約2.5ミリ秒であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
直流電流動作のとき再充電のために、ハイサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(HSL;HSR)だけでなく、ローサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(LSR;LSL)も時おり一時的にターンオフされることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
直流電流動作のとき再充電のために、ハイサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(HSL;HSR)だけが時おり一時的にターンオフされることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
それ自体として交流電流による作動のために設けられた自動車ヘッドライト(1)の光源(11)を直流電流により作動させるための電気回路であって、
前記光源(11)は誘導負荷(Lz)を有しており、
前記電気回路は、
交流電流動作のときに前記光源(11)に交流電流を供給するための4つの半導体スイッチ(HSL、HSR、LSL、LSR)を有する電気的なHブリッジ回路(25)を含んでおり、前記光源(11)は前記Hブリッジ回路(25)のそれぞれのブリッジ分枝の間に配置されており、
ブートストラップコンデンサ(Cb)をそれぞれ有するブートストラップ回路(24)を含んでおり、前記ブートストラップ回路(24)は前記Hブリッジ回路(25)の上側に配置された両方の半導体スイッチ(HSL、HSR)のうちの一方をそれぞれ制御するためのものである、
そのような電気回路において、
前記電気回路は直流電流動作のときに前記Hブリッジ回路(25)の閉じた半導体スイッチ(HSL、LSR;HSR、LSL)のうち少なくとも1つの一時的なターンオフと再度のターンオンによって前記ブートストラップコンデンサ(Cb)を時おり再充電することが可能であり
再充電プロセスの時間は、前記Hブリッジ回路(25)のブリッジ分枝を通って流れる電流(I(Lz))が0アンペアの値に達するよりも前に再充電プロセスが終了するように設定されていること、を特徴とする電気回路。
【請求項8】
再充電プロセスの時間は5マイクロ秒以下、特に約2マイクロ秒以下、特別に好ましくは約1マイクロ秒以下であることを特徴とする、請求項7に記載の電気回路。
【請求項9】
連続する2回の再充電プロセスの間隔は、前記ブートストラップ回路(24)の前記ブートストラップコンデンサ(Cb)の電荷が、次回の再充電プロセスの前に、前記Hブリッジ回路(25)の少なくとも1つの閉じたハイサイドスイッチ(HSL;HSR)を確実に制御するために十分に大きいように選択されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の電気回路。
【請求項10】
連続する2回の再充電プロセスの間隔はミリ秒単位で選択されており、特に約2.5ミリ秒であることを特徴とする、請求項9に記載の電気回路。
【請求項11】
前記電気回路は直流電流動作のときに、ハイサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(HSL;HSR)だけでなく、ローサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(LSR;LSL)も時おり一時的に切り換えることを特徴とする、請求項7から10のいずれか1項に記載の電気回路。
【請求項12】
前記電気回路は直流電流動作のときに、ハイサイドスイッチとして作用する前記Hブリッジ回路(25)の閉じられた半導体スイッチ(HSL;HSR)だけを時おり一時的に切り換えることを特徴とする、請求項7から10のいずれか1項に記載の電気回路。
【請求項13】
誘導負荷(Lz)を備える光源(11)と、前記光源(11)を作動させるための電気回路とを含む、自動車ヘッドライト(1)のライトモジュール(6;7)において、前記電気回路は請求項7から12のいずれか1項に基づいて構成されていることを特徴とするライトモジュール。
【請求項14】
前記電気回路は前記光源(11)の制御装置(8)の一部であることを特徴とする、請求項13に記載のライトモジュール(6;7)。
【請求項15】
前記光源(11)はガス放電ランプとして構成されており、特に、内蔵された点火装置と内蔵された制御装置とを有する型式D5の25ワット型ガス放電ランプとして構成されていることを特徴とする、請求項13または14に記載のライトモジュール(6;7)。
【請求項16】
透明なカバーガラス(4)により閉じられた光射出口(5)を備えるハウジング(2)と、前記ハウジング(2)の中に配置された少なくとも1つのライトモジュール(6;7)とを含む自動車ヘッドライト(1)において、少なくとも1つの前記ライトモジュール(6;7)は請求項13から15のいずれか1項に基づいて構成されていることを特徴とする自動車ヘッドライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車ヘッドライトの光源を直流電流により作動させる方法および電気回路、ならびにこのような回路を備える自動車ヘッドライトのライトモジュール、およびこのようなライトモジュールを備える自動車ヘッドライト
【0002】
本発明は、それ自体として交流電流による作動のために設けられた自動車ヘッドライトの光源を、直流電流により作動させる方法に関する。このとき光源は誘導負荷を有している。光源は、回路工学的には、4つの半導体スイッチを有する電気的なHブリッジ回路のそれぞれのブリッジ分枝の間に配置されている。交流電流動作のとき、光源はHブリッジ回路を介して交流電流を供給される。このとき、Hブリッジ回路の上側に配置された両方の半導体スイッチが(ハイサイド)、少なくとも1つのブートストラップコンデンサをそれぞれ含むブートストラップ回路をそれぞれ介して制御される。
【0003】
本発明は、それ自体として交流電流による作動のために設けられた自動車ヘッドライトの光源を、直流電流により作動させるための電気回路にも関するものであり、光源は誘導負荷を有している。この回路は次のものを含んでいる:
−交流電流動作のときに光源に交流電流を供給するための4つの半導体スイッチを有する電気的なHブリッジ回路。光源は、回路工学的には、Hブリッジ回路のそれぞれのブリッジ分枝の間に配置されている。
−ブートストラップコンデンサをそれぞれ有するブートストラップ回路。ブートストラップ回路は、Hブリッジ回路の上側に配置された両方の半導体スイッチのうちの一方をそれぞれ制御するためのものである。
【0004】
さらに本発明は、自動車ヘッドライトのライトモジュールに関する。ライトモジュールは、誘導負荷を有する光源と、光源を作動させるための回路とを含んでいる。
【0005】
最後に本発明は、透明なカバーガラスにより閉じられた光射出口を備えるハウジングと、ハウジングの中に配置された少なくとも1つのライトモジュールとを含む自動車ヘッドライトに関する。
【背景技術】
【0006】
ガス放電ランプ(Gas Discharge Lamp、 GDL)は、たとえば誘導負荷を有する光源である。誘導負荷は、ガス放電ランプを点火、作動させるための高圧イグニショントランスミッタの誘導特性に基づいて生じる。ガス放電ランプは、自動車ヘッドライトのライトモジュールで利用される。
【0007】
ガス放電ランプを備えるライトモジュールは、自動車前方の車道上で所望の光分布を生成するためにガス放電ランプから発せられた光がリフレクタによって反射される、反射モジュールとして構成されていてよい。光分布を少しだけ変化させるために、たとえば円柱レンズやプリズムのような形態の光学的に作用する異形断面が光路に設けられていてよい。光学的な異形断面は、自動車ヘッドライトのカバーガラス(散乱ガラス)に構成されていてよく、リフレクタで反射された光が自動車ヘッドライトから射出されるときにこれを通過する。生成される光分布が、実質的に水平方向の明暗境界を有する減光された光分布であるべき場合、リフレクタの形状を相応に選択することができ、それにより、反射されてヘッドライトから射出される光がすでに所望の明暗境界を有するようになり、そのために、反射された光線の一部を覆うための追加の手段を必要とすることがない。このように成形されたリフレクタは、フリーフォームリフレクタとも呼ばれる。
【0008】
別案として、ガス放電ランプを備えるライトモジュールは、ガス放電ランプから発せられた光がまず一次光学系(たとえばリフレクタ)により集束され、次いで二次光学系(たとえば投影レンズ)により、自動車前方の車道での所望の光分布の生成のために結像される、いわゆる投影モジュールとして構成されていてもよい。生成される光分布が、実質的に水平方向の明暗境界(たとえばロービームやフォグライトのような減光された光分布を生成するため)、および/または垂直方向の明暗境界(たとえば部分ハイビームを具体化するため(車両前方の他の導通関与者がハイビーム分布から的確にフェードアウトされる))、またはマーキングライト(車両前方の物体や人物が的確に照射される)を有しているべきである場合、一次光学系と二次光学系の間の光路に、集束された光線の一部を遮る少なくとも1つの相応の絞り構造が配置されていてよい。絞り構造の、実質的に水平方向に延びる上辺(水平方向の明暗境界を生成するため)、および/または実質的に垂直方向に延びる側辺(垂直方向の明暗境界を生成するため)が、二次光学系により、車両前方の車道に明暗移行部として結像される。
【0009】
投影モジュールによって生成される光分布を変更するために、絞り構造を離したり近づけたりして光路に挿入することができる。このようにして、生成される光分布をたとえばハイビームとロービームの間で切り換えることができ、あるいは、遮られる領域(部分ハイビームの場合)や照明される領域(マーキングライトの場合)の位置および/または長さを変えることができる。さらに光分布を変更するために、絞り構造の結像される辺の形状を変えることが可能であってよい。さらに、たとえばロービームとハイビームの間でさらに別の光分布を選択できるようにすることが考えられ、このような光分布は、ロービームの位置とハイビームの位置との間の絞り構造の中間位置によって定義され、および/または二次光学系により結像される絞り構造の辺の形状の変更によって定義される。このような種類の別の光分布は、たとえば市街地用の光分布、幹線道路用の光分布、高速道路用の光分布、雨天用、降雪用、もしくは悪天候用の光分布などである。
【0010】
ガス放電ランプは、通常、交流電流により作動するが、それは特に、アークが間で生成される電極の過熱や、これと結びついたガス放電ランプの故障にまで至る帰結を回避するためである。ガス放電ランプは限定的にしか減光することができず、すなわち、低い電流で作動させることができない。電流が小さいと電極が冷却され、そのために、その電子の仕事関数が高くなり、または放出能力が低下するからである。電流が小さくなるほど、いっそう高い再点火電圧を、交流電流による動作での電流方向反転のために印加しなければならない。つまり低い電流または出力は整流の問題につながり、それが光のちらつきとして目に見えるようになり、アークの完全な消滅につながる可能性さえある。
【0011】
ガス放電ランプの減光が交流電流動作で可能になるように、ガス放電ランプのための制御回路を構成することが考えられよう。電極の過度の冷却、およびこれと結びついた整流の問題を回避するためには、制御回路が切換の直前に出力を高めて、たとえば動作について通常の値(たとえば600mA)から電流が引き上げるようにしなければならない(たとえば約1Aまで)。すなわち、これは約50%前後の出力増加である。それによって電極を切換前に加熱させることができ、その結果、仕事関数およびこれに伴って切換に必要な電圧が低くなる。しかし、このことはいっそう高いエネルギー消費量と結びついており、ならびに、制御回路やガス放電ランプのいっそう高い負荷と結びついており、およびその結果として、電極の間欠的な加熱に基づいて短くなる耐用寿命と結びついている。
【0012】
新たな型式のガス放電ランプは、その特別な構造に基づき、クリティカルでない特定の電極温度以降に交流電流動作から直流電流動作への切り換えを行い、その際にランプを損傷させないという可能性を提供する。このときガス放電ランプの電極は、一方では電極に到来する電子/イオンによる温度上昇、他方では電極の素材を通じての熱排出による温度低下を考慮した熱平衡が、直流電流動作中に電極で生じるように構成されている。直流電流動作では、整流の問題に基づく上述した光のちらつきやアークの完全な消滅を生じさせることなく、大幅に低い出力が可能である。
【0013】
ガス放電ランプの交流電流動作のために、制御可能な4つの半導体スイッチング素子を特にトランジスタの形態で含み、中間回路直流電圧を矩形の交流電圧に変換する、いわゆるHブリッジ回路が用いられるのが通常であり、これは、負荷の一方の側が配置されているHブリッジ回路のブリッジ分枝が特定の周波数で正の供給電圧とアースとの間で切り換えられるとともに、負荷の他方の側が配置されている他方のブリッジ分枝がアースと正の供給電圧との間で切り換えられることによって行われる。このとき負荷における電圧は、正と負の中間回路電圧の間を往復するように切り換えられるブリッジ分枝の電圧差として生じる。従来技術から知られている回路では、半導体回路とその制御エレクトロニクスの施工形態に応じて程度の差こそあれ高いコストをかけなければ、連続的な直流電流動作を維持することができない。
【0014】
ドレインが正の中間回路電圧V+(たとえばV+=500V)と接続された、nチャネルMOSFETまたはIGBTがハイサイドスイッチとして用いられる場合、ゲート電位は制御のために少なくとも閾値電圧Uth(たとえばUth=2から4V)の分だけ、ソース電位よりも高くなければならない。ドレインとソースはオン状態のとき(半導体スイッチが導通状態のとき)ほぼ等しい電位になっているので、中間回路電圧V+よりも少なくとも閾値電圧Uthだけ高い電圧Vgがゲートに提供されなくてはならない(たとえばVg=510V)。このことは従来技術では、通常、いわゆるブートストラップ回路によって具体化される。これはゲートドライバを含んでおり、ゲートドライバはレベルシフタを介して制御され、その電圧供給部は充電式のブートストラップコンデンサで構成されており、そのベースはハイサイドスイッチのソース(ローサイドスイッチのドレインおよびHブリッジ回路の出力部Uoutに相当)につながれるとともに、その反対極は高圧ブートストラップダイオードを介して供給電圧Vs(たとえばVs=10から12V)につながれている。ローサイドスイッチが制御されると、Hブリッジ回路の出力部Uoutはアースにつながれ、ブートストラップコンデンサは、ブートストラップダイオードを介して、ほぼ供給電圧Vsまで充電することができる。ブリッジ回路を切り換えようとするときは、ローサイドスイッチがオフになり(遮断され)、次いで、ハイサイドスイッチが制御される(導通される)。それにより、ブートストラップコンデンサからの電荷がゲートドライバを介してハイサイドスイッチのゲートとソースの間で切り換えられ、それにより、ソースの電位(Hブリッジ回路の出力電圧Uoutに相当)が中間回路電圧V+まで飛躍する。それに伴い、ブートストラップ回路全体が電位に関して中間回路電圧V+まで引き上げられ(シフトされ)、ブートストラップダイオードが阻止状態になり、ハイサイドスイッチのゲート電圧はブートストラップ電圧(約10から12V)の分だけ中間回路電圧V+(約500V)よりも高くなる。
【0015】
漏れ電流(ゲートドライバへの供給+ブートストラップダイオードの逆電流+レベルシフタの逆電流)によってブートストラップコンデンサが放電し、それにより閾値電圧Uthを下回ると、ハイサイドスイッチが意図せず自動的に再びオフになる。このことは、ガス放電ランプの交流電流動作では問題とはならないが、ガス放電ランプが直流電流動作で作動することができる時間の明らかな制約につながる。ハイサイドスイッチを連続してオンのままに保つことができる最大時間は、ブートストラップコンデンサの容量、漏れ電流、供給電圧Vs、および半導体スイッチの閾値電圧Uthから定義される。しかし、この最大時間はいかなるケースでも時間的に限られており、それによって交流電流動作の最低限の作業周波数が規定される。このように、従来技術から知られている上述した制御回路によっては、ガス放電ランプの長い直流電流動作は不可能であり、ましてや無制限の直流電流動作は不可能である。
【0016】
それにもかかわらずガス放電ランプの直流電流動作を可能にするには、ブートストラップコンデンサから流出する電荷を補充しなければならない。このことは従来技術では、高いコストのかかる高圧ポンプ回路(容量式の電荷ポンプ、または電位のないトランスミッタ巻線および整流器を有するレベルシフタ)によって具体化される。たとえばブートストラップコンデンサから流出する電荷の補充のために、独国特許出願公表第112007000465T2号明細書より、すでに使用されている低圧トランスミッタの追加の変圧器巻線と、漏れ電流が特別に少ない追加の高圧ダイオード(たとえば最大600V用に設計)と、ブートストラップコンデンサと並列につながれた追加のツェナーダイオードとを利用することが公知である。このような追加の回路素子により、ブートストラップコンデンサを直流電流動作中に一時的な電流パルスで充電し、そのようにして、流出する電荷を補充することができる。しかしながら提案されている解決法は、エネルギー消費量に関して、または追加的に必要となるコンポーネントに関して、著しい追加のコストを有するという欠点がある。この理由により独国特許出願公表第112007000465T2号明細書では、必要となる追加のコンポーネントは1つのブートストラップ回路用としてのみ意図されている。このことは、直流電流動作が1つの方向でしか可能でないという欠点がある。しかも変圧器巻線は、中間回路電圧V+(約500V)の電位にあり、そのため、低圧トランスミッタの低電圧に対して高いコストをかけて絶縁しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】独国特許出願公表第112007000465T2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した従来技術を前提とする本発明の課題は、直流電流動作でのガス放電ランプの減光または出力抑制を、ブートストラップ制御を適用するにもかかわらず、高いコストのかかる追加の方策またはコンポーネントなしに可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題を解決するために、冒頭に述べた種類の方法を前提とした上で、直流電流動作のときにHブリッジ回路の閉じた半導体スイッチのうち少なくとも1つが再充電プロセスのために時おり一時的にターンオフされ、再充電プロセスの終了時に再びターンオンされ、再充電プロセスは、Hブリッジ回路のブリッジ分枝を介して流れる電流が0アンペアの値に達するよりも前に終了することが提案される。
【0020】
本発明の1つの主要な側面は、時間的に非常に短いHブリッジ回路のパルス状のターンオフにより、光源をその際に消すことなしに、ブートストラップ制御部のブートストラップコンデンサを再充電することにある。光源の誘導負荷に基づき、Hブリッジ回路が一時的にターンオフされると、Hブリッジ回路のブリッジ分枝を介して流れる電流は急激に変化するのではなく、比較的ゆっくりと、たとえば指数関数(e−Funktion)に従って変化する。Hブリッジ回路の半導体スイッチには、いわゆるソース・ドレイン・ボディ・ダイオードが並列につながれており、これが半導体スイッチのターンオフ後にフリーホイーリングダイオードとして作動し、そのようにして、Hブリッジ回路のブリッジ分枝を介してのフリーホイーリング電流の流れを可能にし、それにより、当該ブリッジ分枝は電位に関して自動的にアースに傾き、このことがひいてはブートストラップコンデンサの充電につながる。本発明は、たとえば特許文献1で必要とされるような、追加のコンポーネントや、高いコストのかかる既存の制御回路へのその電気的な統合を省くことができるという利点がある。さらに本発明は、両方の方向での直流電流動作を追加コストなしに可能にする。
【0021】
ガス放電ランプの交流電流動作では、Hブリッジ回路の一時的な切換プロセス(整流プロセス)のたびに、Hブリッジ回路の出力電圧Uoutが同じ大きさ(中間回路電圧V+)になるように、ただし異なる正負記号で極反転するが、これは、左側と右側のブリッジ辺がそれぞれアースから正の中間回路電圧(+V+)へ、または正の中間回路電圧(V+)からアースに切り換えられることによって行われる。それにより、ブリッジ分枝を通って流れるランプ電流は、誘導負荷に基づいて一定の時間定数をもつ指数関数の形状で低下していき、ある程度の時間がたつと電流ゼロ通過に達して方向を切り換え、反対方向へ再び数値的に増加していく。
【0022】
Hブリッジ回路のオンになっている(導通状態の)半導体スイッチがオフ(遮断または高抵抗)になる瞬間に、光源の誘導負荷のインダクタンスがランプ電流を同じ方向でさらに駆動し、それによってブリッジ辺の出力電位が自動的に傾き、このことは、半導体スイッチに並列につながれたフリーホイーリングダイオードが電流を受け取るようになるまで、出力キャパシタンスが充電または放電されることによって行われる。
【0023】
それまで中間回路電圧V+に切り換えられていてそのブートストラップコンデンサがこの段階中に漏れ電流により電荷を失ったブリッジ辺は、ハイサイドスイッチのターンオフによってアースに傾き、それにより、このブートストラップコンデンサをブートストラップダイオードを介して再び充電することができる。
【0024】
本発明ではこのような現象を利用し、そのようにしてランプ電流が電流ゼロ通過に達する前に、すなわち交流電流動作へ切り換えることなしに、直流電流動作で比較的短い時間のあいだにブートストラップコンデンサを充電することを可能にする。それにより、通常のように交流電流動作で極反転された方向で再びターンオンをして、電流を全面的に整流するのではなく、当初の方向で再びターンオンをして、ゼロ通過に達する前に電流を当初の方向で再び上昇させることが可能である。このようにして光源の直流電流動作が得られ、ブートストラップ回路のブートストラップコンデンサは、流出する電荷を補充するために時おり充電される。
【0025】
本発明により、誘導負荷を備える光源を、特にガス放電ランプを、Hブリッジのハイサイドスイッチのブートストラップ・ゲート制御部を備えるHブリッジ回路を使用して、極端に低い出力で、または比較的大幅な減光で作動させることが可能となる。それと同時に、高価な追加のポンプ回路のための追加コストが回避される。高圧変圧器巻線および/または高圧ダイオードまたは高圧トランジスタを備える追加トランスミッタも、本発明では必要ない。むしろ本発明を具体化するには、制御回路の既存のコンポーネントを利用するだけでよい。最終的に本発明は、ブートストラップコンデンサのキャパシタンスを縮小し、これを従来よりも小型に設計するという可能性ももたらす。直流電流動作中に時おり再充電されるからである。それにより一方では、キャパシタンスが縮小されたブートストラップコンデンサのいっそう小型の設計形態に基づいて配線板の上のスペース節減が得られ、他方ではコスト削減が得られる。
【0026】
ブートストラップコンデンサの再充電は、特定の時間的な間隔をおいて定期的に行うことができる。あるいは再充電は時間に関わりなく、ブートストラップコンデンサの電圧が設定可能な閾値に達したとき、またはこれを下回ったときにいつでも行うこともできる。この閾値は、コンデンサにまだ存在する電圧が、いかなる場合にも、Hブリッジの1つまたは複数の半導体スイッチをまだ設定可能な時間のあいだ確実に高い信頼度で制御し、または開いたまま保つのに十分であるように定義されるのが好ましい。このようにして、Hブリッジの半導体スイッチを確実に高い信頼度で制御し、または開いたまま保つことができなくなる程度まで、ブートストラップコンデンサの電圧が低下することが決してないことを保証することができる。むしろブートストラップコンデンサは再充電が完了するまで、いかなる場合にも十分に高い電圧を有している。
【0027】
次に、本発明のその他の構成要件や利点について、図面を参照しながら詳しく説明する。記載されている構成要件はそれぞれ単独で、または相互の任意の組み合わせの形で、本発明を形成することができる。図面は次のとおりである:
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】好ましい実施形態に基づく本発明の自動車ヘッドライトである。
図2】好ましい実施形態に基づく本発明のライトモジュールである。
図3】第1の実施形態に基づく本発明の方法を具体化するための本発明の回路である。
図4図3の回路の作動中に生じるさまざまな信号推移を0から300μsの時間帯で示す図である。
図5図4の信号推移を0から6μsの間の時間帯で示す図である。
図6】第2の実施形態に基づく本発明の方法を具体化するための本発明の回路である。
図7図6の回路の作動中に生じるさまざまな信号推移を0から300μsの時間帯で示す図である。
図8図7の信号推移を0から6μsの間の時間帯で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1では、本発明によるヘッドライトがその全体として符号1を付されている。ヘッドライト1は、特にプラスチックで製作されるハウジング2を含んでいる。ヘッドライト1は、自動車ボディの前面にある適当な取付開口部に組み付けられ、そこで固定される。ヘッドライトハウジング2は、光射出方向3に、透明なカバーガラス4で閉止された光射出口5を含んでいる。カバーガラス4は、光学的に作用する異形断面をもついわゆる散乱ガラスとして(たとえば円柱レンズやプリズム)、または、光学的に作用する異形断面のないいわゆるクリアガラスとして構成されていてよい。ハウジング2の内部には、図示した実施例では2つのライトモジュール6、7が配置されている。当然ながら、図示している2つのライトモジュール6、7よりも多い、または少ないライトモジュールがハウジング2に配置されていてもよい。ライトモジュール6、7は、ヘッドライト機能すなわち照明機能を具体化する役目を果たす。ヘッドライトハウジング2の中のライトモジュール6、7は、反射モジュールまたは投影モジュールとして構成されていてよい。ライトモジュール6、7に加えて、特定の照明機能(たとえば方向指示ライト、デイドライビングライト、コーナリングランプなど)を果たすためのさらに別のモジュールが設けられていてよいが、これらは図1には図示していない。ヘッドライトハウジング2の外面には、図示した実施例では、ヘッドライト1および/または個々のライトモジュール6、7および/またはライトモジュール6、7の個々のコンポーネントを制御するための制御装置8が配置されている。制御装置8は、たとえばライトモジュール6、7のうちの一方のガス放電ランプのための制御回路を有することができる。当然ながら、照明装置1のハウジング2の外部または内部でこれ以外の任意の個所に、制御装置8が配置されることが考えられる。特に、制御装置8またはその機能性が、ガス放電ランプ(たとえば型式D5Sのランプ)の裏面に配置された点火装置の一体化された構成要素であることが考えられよう。
【0030】
次に図2を参照して、ライトモジュール6、7の一方を一例として詳しく説明する。図2は、投影モジュールとして構成されたライトモジュール6を示している。他方のライトモジュール7も同様に構成されていてよく、または、たとえば反射モジュールとして構成されていてよい。ライトモジュール6は、水平方向の回転軸を定義する2つの軸受9bを介して、保持フレーム9aのそれぞれ向かい合う側で水平方向の軸9dを中心に回転可能なようにヘッドライトハウジング2に支承された外側の保持フレーム9aを含んでいる。水平方向の軸9dを中心としてライトモジュール6を旋回させることで、照明距離を変えることができる(いわゆるヘッドライトレンジコントロール、LWR)。ハウジング2に対して相対的に保持フレーム9aを位置調節するために、保持フレーム9aの1つの個所9cに、たとえば電磁石や電動モータの形態の操作部材が枢支されている。照明距離調節のための操作部材はヘッドライトハウジング2に取り付けられており、図2には示していない。
【0031】
保持フレーム9aの内部にはリフレクタ10が配置されている。リフレクタ10aは、特に垂直方向の回転軸10bを中心として水平方向へ旋回可能なように、保持フレーム9aで支承されている。垂直方向の軸10bを中心としてリフレクタ10aを旋回させることで、発せられる光束の方向を水平方向に変えることができ、特に、ダイナミックコーナリングランプ機能を具体化することができる。リフレクタ10aの裏面には光源11が配置されており、リフレクタネック部12を介してリフレクタ10aに取り付けられている。光源11はガス放電ランプとして構成されており、特に、一体化された点火装置と一体化された制御装置とを備える型式D5Sのガス放電ランプとして構成されている。点火装置と制御装置はいずれも光源11の裏面で金属製にハウジング13に含まれているのが好ましい。光源11のガラス球(図示せず)が、リフレクタ10aの頂点に形成された開口部を通って、リフレクタ10aの内部に突入している。ガラス球の中では2つの電極の間でアークが点火され、ガス放電ランプ11の作動中に維持される。アークにより放出される光は、リフレクタ10aの内面の反射面により集束されて、実質的に光射出方向3へ反射される。リフレクタ10aで反射された光は、光路に配置された投影レンズ14により、車両前方の車道で特定の光分布を生成するために投影される。レンズ14は、リフレクタ10aの前側縁部に取り付けられたレンズホルダ15によって光路で保持される。
【0032】
リフレクタ10aと投影レンズ14の間には、リフレクタ10aで反射される光の一部を遮る絞り構造16が配置されている。絞り構造16の上側エッジ17が、光分布の実質的に水平方向の明暗境界を生成するために、投影レンズ14によって車道に結像される。絞り構造16の上側エッジ17の位置、ならびにその形状は、可変であるのが好ましい。上側エッジ17を昇降させることにより、結果として生じる光分布の明暗境界を昇降させることができる。上側エッジ17の形状を変更することで、光分布の明暗境界の形状を変えることができる。そのようにして、ライトモジュール6はたとえばロービームとハイビームの間で切換を行うことができる。さらに、ロービーム光分布とハイビーム光分布の中間にあるさまざまな光分布を具体化することができ、たとえば市街地用の光分布、幹線道路用の光分布、高速道路用の光分布などを具体化することができる。さらに、絞り構造16の有効な上側エッジ17の形状を変えることで、たとえば部分ハイビームの機能(対向または先行する交通関与者がハイビーム光分布で的確に照明される)や、マーキング光(車両前方の人物や対象物が、明暗境界の上方に配置された光束で的確に照明される)を具体化することができる。
【0033】
垂直方向の回転軸を中心とするリフレクタ10aの旋回運動を具体化するために、および、絞り構造16の上側エッジ17の位置や形状を変えるために、ライトモジュール6の下側には2つの別々の操作部材が配置されており、そのうち一方の操作部材18だけが図2に見えている。操作部材18は、方向転換ギヤを含むギヤボックス19の外側にフランジ接合されている。操作部材18は、電動モータとして、特にステッピングモータとして構成されているのが好ましい。ギヤボックス19の中の方向転換ギヤは、モータ18の回転運動を、軸10bを中心とするリフレクタ10aの旋回運動のために、ならびに絞り構造16の上側エッジ17の位置および/または形状の変更のために、実質的に線形の操作運動に変換する。
【0034】
ガス放電ランプ11を備えるライトモジュール6は、それ自体としては交流電流による動作用として設計されている。したがってライトモジュール6の通常動作では、ライトモジュールは交流電流により作動する。しかし、ガス放電ランプ11は動作中に比較的多くの熱を放出するため、特に外気温が比較的高いときや冷房に不具合が生じたとき(たとえば車両エンジンおよびエンジンルーム全体の著しい加熱につながる中断のない長時間の走行の後に、車両を急に停車したとき)、照明装置1および/または制御装置8のライトモジュール6周辺の温度が許容される程度を超えて上昇し、そのために、ガス放電ランプ11の確実な信頼度の高い動作を保証できなくなるという事態が生じることがある。そのようなケースでは、損失出力の低減によって、放出される熱を引き下げなくてはならない。このことは、低い出力での、特に低い電流での、ガス放電ランプ11の作動によって実現される。この理由により、現代のガス放電ランプは、比較的長い時間帯にわたって減光することができるように、すなわち低い電流で作動できるように設計され、または制御されるのが望ましい。
【0035】
交流電流によるガス放電ランプ11の作動によって、特に、アークが間で点火されてランプ11の作動中に維持される電極の過熱を回避することができる。しかし、交流電流が低下すると電極が冷却されることになり、その電子の仕事関数が高くなり、または放出能力が低くなる。この理由により、交流電流動作で作動するガス放電ランプ11は限定的にしか減光可能でない。原則として、電流が低くなればなるほど、いっそう多くの再点火電圧を電流方向反転のために印加しなくてはならないと言える。つまり、ガス放電ランプの低い電流または出力は整流の問題につながり、それが光のちらつきとして知覚できるようになり、アークの消滅にまでつながる可能性がある。最近の型式のいくつかのガス放電ランプでは、出力削減に際して、クリティカルでない特定の電極温度を過ぎると、交流電流動作から直流電流動作へ切り換えることが可能であり、その際にランプ11を損傷させることがない。直流電流動作では大幅に低い出力が可能である。しかし、比較的長い直流電流動作を可能にすることは、追加のコストや費用を引き換えにせざるを得ない。
【0036】
交流電流動作については、図3に符号HSL、HSR、LSL、LSRが付された、たとえばトランジスタの形態の制御可能な4つの半導体スイッチを含むHブリッジ回路(図3の符号25)が用いられるのが通常である。Hブリッジ回路25のそれぞれのブリッジ分枝の間(UoutLとUoutRの間)に、ガス放電ランプ11(GDL)が接続されている。点火器に基づくその誘導負荷は、符号Lzで示されている。Hブリッジ回路25は、中間回路直流電圧V+を、ブリッジ分枝に印加される矩形の交流電圧に変換する。半導体スイッチHSL、HSR、LSL、LSRおよびその制御エレクトロニクスの施工形態に応じて、程度の差こそあれ高いコストをかけて、連続的な直流電圧動作を維持することが可能である。
【0037】
ドレインが正の中間回路電圧V+と接続された、nチャネルMOSFETまたはIGBTがハイサイドスイッチ(HSLまたはHSR)として使用される場合、ゲート電位は制御のために少なくとも閾値電圧Uthだけソース電位より高くなければならない。中間回路電圧V+はたとえば500Vである。ドレインSとソースSはオン状態(導通状態)のときにほぼ同一の電位になるので、ゲートGには、中間回路電圧V+より少なくとも閾値電圧Uthだけ高い電圧Vgが提供されなければならない。ゲートには、たとえば電圧Vg=510Vが提供される。
【0038】
Hブリッジ回路25のローサイドスイッチ(LSLまたはLSR)の制御は、図示している制御部20を介して直接行うことができる。Hブリッジ回路25のハイサイドスイッチ(HSLまたはHSR)の制御は、図3に示す例では、いわゆるブートストラップ回路24を介して行われる。回路24は、レベルシフタ23を介して制御されるゲートドライバ22を含んでいる。ゲートドライバ22の電圧供給部は、充電されたブートストラップコンデンサCbで構成されており、そのベースはハイサイドスイッチHSLのソースS(ローサイドスイッチLSLのドレインDおよびHブリッジ回路25の出力部UoutLに相当)につながれるとともに、その反対極は高圧ブートストラップダイオードDbを介して供給電圧Vsにつながれている。供給電圧Vsは、たとえば10Vである。図3では、左側のハイサイドスイッチHSLのためのブートストラップ回路24だけが示されている。その代替または追加として、当然ながら、相応のブートストラップ回路が他方のハイサイドスイッチHSRのために設けられていてもよい。ブートストラップ回路24を介してのハイサイドスイッチHSLのゲートGの制御に関するここでの説明で、これ以前またはこれ以後に行う記述は、相応のブートストラップ回路を介しての他方のハイサイドスイッチHSRのゲートGの制御についても相応の形で当てはまる。
【0039】
交流電流動作でローサイドスイッチLSLまたはLSRが制御されると(閉じられると、すなわち導通状態になると)、Hブリッジ回路25の出力部UoutLまたはUoutRはアースにつながれ、相応のハイサイドスイッチHSLまたはLSRについて設けられたブートストラップ回路24のブートストラップコンデンサCbは、当該回路24のブートストラップダイオードDbを介して、ほぼ供給電圧Vsの値まで充電される。Hブリッジ回路25が切り換えられるべきときには、ローサイドスイッチLSLまたはLSRがオフになり(開かれ、すなわち遮断状態になり)、次いでハイサイドスイッチHSLまたはHSRが制御される(導通状態になり、すなわち閉じられる)。それにより、ブートストラップコンデンサCbの電荷は、ゲートドライバ22を介して、ハイサイドスイッチHSLまたはHSRのゲートGとソースSの間で切り換えられ、それにより、ソースSの電位(Hブリッジ回路25の出力部UoutLまたはUoutRに相当)は中間回路電圧V+へと跳躍する。それにより、全体のブートストラップ回路24は電位に関して中間回路電圧V+(たとえば500V)にシフトされ、ブートストラップダイオードDbが阻止状態になり、ハイサイドスイッチHSLまたはHSRのゲート電圧Vgは中間回路電圧V+よりもブートストラップ電圧(ブートストラップコンデンサCbの電位)の分だけ高くなる。
【0040】
漏れ電流(ゲートドライバ22への供給+ダイオードDbの逆電流+レベルシフタ23の逆電流)によってブートストラップコンデンサCbが放電し、閾値電圧Uthを下回ることで、ハイサイドスイッチHSLまたはHSRは意図せず自動的に再びオフになる。すなわち、ハイサイドスイッチHSLまたはHSRを連続してオンのままに保つことができる最大時間は、ブートストラップコンデンサCbの容量、漏れ電流、供給電圧Vs、および半導体スイッチHSL、HSRの閾値電圧Uthから定義される。しかし、この最大時間はいかなるケースでも時間的に限られており、それによって交流電流動作の最低限の作業周波数が規定される。ガス放電ランプ11のこれよりも長い無制限の直流電流動作を可能にするためには、ブートストラップコンデンサCbから流出する電荷を補充しなければならず、このことは、図3に示す回路によって簡単かつ迅速に可能である。
【0041】
交流電流動作では、整流プロセス(Hブリッジ回路25の切換プロセス)のたびに、Hブリッジ回路25の出力電圧Uoutが同じ大きさ(中間回路電圧V+)になるように、ただし異なる正負記号で極反転するが、これは、左側と右側のブリッジ辺がそれぞれアースから正の中間回路電圧(+V+)へ、または正の中間回路電圧(+V+)からアースに切り換えられることによって行われる。それにより、ランプ電流I(Lz)は誘導負荷Lzに基づいて一定の時間定数をもつ指数関数に準じて低下していき、電流ゼロ通過に達して方向を切り換え、反対方向へ再び増加していく。
【0042】
半導体スイッチHSL、HSR、LSL、LSRがオフ(遮断または高抵抗)になる瞬間に、点火インダクタンスLzがランプ電流を同じ方向でさらに駆動し、それによってブリッジ辺の出力電位が自動的に傾き、このことは、半導体スイッチHSL、HSR、LSL、LSRに並列につながれたフリーホイーリングダイオード26が電流を受け取るようになるまで、出力キャパシタンスが充電または放電されることによって行われる。最初に正の中間回路電圧V+へと切り換えられ、この段階中に、ブートストラップコンデンサCbが漏れ電流により電荷を失ったブリッジ辺は、ハイサイドスイッチHSLのターンオフによってアースへと傾き、それにより当該ブートストラップコンデンサCbを、ブートストラップダイオードDbを介して引き続き充電することができる。
【0043】
本発明は、ランプ電流I(Lz)が電流ゼロ通過に達する前に、コンデンサCbを時間的に再び充電できるという効果を利用するものであり、このことは数マイクロ秒後にすでに成立する可能性がある。つまりこのような効果は、直流電流動作でのブートストラップ回路24のコンデンサCbの再充電を可能にする。このときランプ電流I(Lz)は、交流電流動作で通常であるように、ゼロ通過に達した後に反対極の方向で再びオンになって全面的に整流されるのではなく、ゼロ通過に達する前に当初の方向で再びオンになり上昇していく。
【0044】
本発明によると回路の直流電流動作のとき、Hブリッジ回路25の閉じている半導体スイッチHSL、LSRまたはHSR、LSLのうち少なくとも1つが時おり再充電プロセスの一環として一時的にターンオフされ(遮断され、すなわち開かれ)、少なくとも1つの半導体スイッチHSL、LSRの再充電プロセスは、Hブリッジ回路25のブリッジ分枝を介して流れる電流が0アンペアの値に達する前に終了する。再充電プロセスは5μs以下、特に2μs以下だけ続くのが好ましく、特別に好ましくは1μs以下である。連続する2回の再充電プロセスの間隔は、すなわち再充電の周波数は、ブートストラップ回路24のブートストラップコンデンサCbの電荷が、次回の再充電プロセスの前に、Hブリッジ回路25の少なくとも1つの閉じたハイサイドスイッチHSLまたはHSRを確実に制御して閉じた状態に保つために十分に大きいように選択される。連続する2回の再充電プロセスの間隔はミリ秒単位で選択されるのが好ましく、特に約2.5msである(約400Hzの再充電周波数)。
【0045】
図3は、第1の実施形態に基づく本発明の回路を示している。この回路の信号推移が図4にプロットされており、および拡大して図5にプロットされている。図3から図5の第1の実施形態では、直流電流動作のときに、ハイサイドスイッチとして作用するHブリッジ回路25の閉じられた半導体スイッチHSLまたはHSRだけでなく、ローサイドスイッチとして作用するHブリッジ回路25の閉じられた半導体スイッチLSRまたはLSLも時おり一時的にターンオフされる。すなわち、負荷電流27を通す両方の半導体スイッチHSL、LSRまたはHSR、LSLがターンオフされる。それによりHブリッジ回路25が全面的にターンオフされる。このような機能は、本発明のために必要な迅速性を有する、現在普及している大半のドライバ22で具体化可能なので、この実施形態は、ガス放電ランプ11のための現在普及している制御回路によって、特に現在普及しているブートストラップ回路24によって、具体化することができる。
【0046】
半導体スイッチHSL、LSRのターンオフにより、その前に操作されたハイサイドスイッチが配置されている側のブリッジ辺が、すなわち図3の例では左側のブリッジ辺が、自動的にアースへと傾く。しかし他方のブリッジ辺も、中間回路電圧V+へと自動的に傾く。それによりHブリッジ回路25の出力電圧Uoutが極反転する。したがって電流はフリーホイーリングダイオード28で、その前に無通電になっていた両方の半導体スイッチHSR、LSLを通って、正の中間電圧V+の出力コンデンサCdcへと流れ、これを上昇させる。図3では、負荷電流回路が矢印で図示されており、符号27およびフリーホイーリング回路が同じく矢印で図示されており、符号28が付されている。
【0047】
直流電流動作でガス放電ランプ11が作動すると、点火インダクタンスLzによるフリーホイーリング電流28がランプ電圧そのものによって、およびこれに加えて当初は同じ大きさである中間回路電圧V+によって抑制される。しかし電圧V+は、この段階中にいっそう高くなりさえする。出力コンデンサCdcが充電されるからである。ランプ電流I(Lz)は、このような種類の回路では負の初期値に近づいていき、それに伴い、一定の時間後には電流ゼロ通過を通ることになる。これは交流電流動作のときの通常の整流に相当することになる。再充電プロセスの開始から、電流がゼロ通過に達するまでの時間中に、ブートストラップコンデンサCbが再充電される。この実施形態が特別に好ましいのは、高速のブートストラップDb(比較的短いパルスに基づく)または大きな点火インダクタンスLzが存在している場合である。このような態様は、十分に迅速に作動する、どのような通常の制御回路でも具体化することができる。
【0048】
図4aと図5aには、本発明に基づく直流電流動作中のランプ電流I(Lz)の推移が示されている。ランプ電流I(Lz)は、たとえば1.0μsのときの再充電プロセスの開始時における一例として300mAの当初の値から、再充電プロセスの時間中に、一例として3.0μsでの再充電プロセスの終了時における150mA以下の値まで低下することがわかる。そして再充電プロセスの終了後、ランプ電流I(Lz)は当初の300mAの値まで再び上昇していく。図5aでは再充電プロセスは、電流I(Lz)がゼロ通過に達するよりも明らかに前で終わっている。再充電プロセスの適時の終了がなされなければ、すなわち、半導体スイッチHSL、LSRの適時の再ターンオンがなされなければ、電流は(従来式の交流電流動作で普通であるように)ゼロ点に達し、他の半導体スイッチHSR、LSLがターンオンされたときに反転して、−300mAの方向に延びていくはずである。その様子が、図5aには破線で図示されている。
【0049】
図4bと図5bは、中間回路電圧V+の推移、ブリッジ回路25の左辺の出力電圧UoutLの推移、および、左と右のブリッジ辺のブリッジ・出力電圧差Uout=UoutL−UoutRの推移、すなわち、ブリッジ回路25のそれぞれのブリッジ分枝の間で低下する電圧の推移を示している。左のブリッジ辺の電位UoutLの推移は破線で図示されているのに対して、ブリッジ出力部Uoutの電位の推移は図5bに実線で図示されている。図からわかるように、Hブリッジ回路25の左辺は自動的にアース(0V)へと傾いており(破線)、Hブリッジ回路25の出力電圧は、負の中間回路電圧V+の値(本例では−60V)へと傾いている。再充電プロセス中のHブリッジ回路25の左辺または出力部における電位のそれぞれ異なる推移を、図5bに明らかに見ることができる。純粋な直流電流動作中には、すなわち再充電プロセスの範囲外では、電位の推移はほぼ合同である。図4bには、再充電プロセス中における中間回路電圧V+の若干の上昇(一点鎖線)を認めることができる。その要因は、出力コンデンサCdcの帰還に帰せられる。Hブリッジ回路25の出力Uoutは、再充電プロセス中、図示した例では中間回路電圧V+の負の値になっており、すなわち−60Vになっている。中間回路電圧V+の推移は、図4bと図5bに一点鎖線で図示されている。図4図5のグラフでは、電圧の表記V(Ux,Uy)は、結節点xおよびyの電圧差Ux−Uyを意味しており、電圧の表記V(UoutL,UoutR)は、電圧差UoutL−UoutRすなわちUoutを意味している。電圧表記V(UgHSL,UoutL)は、電圧差UgHSL−UoutL=Ugate−Usource=Ugs(HSL)を意味している。
【0050】
図4cと図5cは、ハイサイドスイッチHSLのゲート・ソース電圧UgHSLについての、およびこれに伴ってターンオフプロセスの開始と終了についての、制御信号の推移を示している。ゲート制御信号は、t=1.0μsのときに下降エッジを有しており、t=3.0μsのときに上昇エッジを有している。さらに図4c、図5cは、ブートストラップコンデンサCbに印加される電圧Vb−UoutLの推移、およびこれに伴ってコンデンサCbの充電状態を示している。ハイサイドスイッチHSLのゲートGについての制御信号V(VGHSL−UoutL)は実線で図示されており、それに対してコンデンサCbに印加される電圧V(Vb−UoutL)の推移は破線で図示されている。図4cを参照すると明らかにわかるとおり、ブートストラップコンデンサCbの充電は、通常の直流電流動作中に、すなわち再充電プロセスの範囲外で、漏れ電流に基づいて連続的に減少していく。さらに明らかに見られるとおり、充電は再充電プロセス中に最短の時間内で再び当初の値まで上昇している。
【0051】
好ましい実施形態に基づいて本発明を具体化するためのさらに別の制御回路が、図6に示されている。相応の信号推移が図7にプロットされており、図8には拡大してプロットされている。この実施形態では直流電圧動作のときに時おり、Hブリッジ回路25のハイサイドスイッチとして作用する当初は閉じられた半導体スイッチHSLだけが一時的に切り換えられる。すなわち、導通状態のハイサイドスイッチだけがターンオフされる(開かれ、すなわち遮断される)。これは、左上から右下に向かって通電されるときには、左側のハイサイドスイッチHSLである(図6、負荷電流27参照)。これは、右上から左下に向かって通電されるときには、右側のハイサイドスイッチHSRである(図6には図示せず)。このブリッジ辺のローサイドスイッチLSRまたはLSLはターンオンされなくてよいが、ターンオンすることはできる。他方のブリッジ辺は接地されたままに保たれるので、ローサイドスイッチLSLまたはLSRはターンオンされたまま保たれる。それにより、ブートストラップコンデンサCbが充電されるべきブリッジ辺だけが自動的にアースへと傾く。したがって、Hブリッジ回路25の出力電圧Uoutは0Vである。それにより電流はフリーホイーリング28で、両方の下側のローサイドスイッチLSL、LSRだけを通って流れる。点火インダクタンスLzを通り、およびこれに伴ってHブリッジ回路25のブリッジ辺を介して流れる電流は、ランプ電圧そのものによってのみ抑制される。電流I(Lz)は、この回路形態では比較的ゆっくりと指数関数に従ってゼロ通過(0アンペア)に近づくことになるが、電流ゼロ通過を通ることはない。それによりこの実施形態では、ガス放電ランプ11でアークが消滅することになる程度までランプ電流が小さくなるまでに、図3から図5の第1の実施形態の場合よりも、ブートストラップコンデンサCbを再充電するために明らかに多くの時間が残される。第2の実施形態は、ハイサイドスイッチHSLまたはHSRを個別に制御することが可能であることを前提としており、このことは、現在市場で入手できるいくつかのHブリッジドライバ22またはブートストラップ回路24ではまだ意図されていない。
【0052】
図7図8に示す信号推移は、第1の実施形態についての図4および図5と同じ量について図示したものである。明らかに見られるとおり、第2の実施形態では再充電プロセスは同じく1μsから3μsの間に作動し、すなわち合計で2μs続くものの、ランプ電流I(Lz)は第1の実施形態(図5a参照)よりも明らかにゆっくりと低下していく(図8a参照)。ランプ電流I(Lz)はターンオフプロセスの最後に、225mAを若干下回るところまでしか降下していないからである。図8bが示すように、ターンオフプロセスの開始時には、Hブリッジ回路25の左辺は自動的にアースへと傾く。再充電プロセスの終わりごろ、Hブリッジ回路25の出力Uoutはアース電位となっている。図7cと図8cにおける再充電プロセスのオンとオフ、ならびにブートストラップコンデンサCbの充電のプロセスは、基本的に、第1の実施形態(図4cおよび図5c参照)における再充電プロセスのオンとオフ、ならびにコンデンサCbの充電プロセスに対応している。
【0053】
ガス放電ランプ11については、再充電プロセスの時間は数マイクロ秒単位であり、それに対して、それぞれの再充電プロセスの間の純粋な直流電流段階はミリ秒単位である。すなわち、再充電パルスの反復率は、本来の交流電流動作のときの周波数であってよく、すなわち400Hz前後であってよい。このとき再充電パルス中における電流I(Lz)の一時的な急落は(図4aおよび図7a参照)、ライトモジュールから発せられる光では人間の目に見ることができない。本発明では、直流電流動作中に繰り返し一時的に再充電プロセスが実行されるが、それにもかかわらず、本発明ではガス放電ランプ11は直流電流動作で作動するのであって、交流電流動作のように作動するのではないと言うことができる。決定的に重要なのは、本発明では、交流電流動作のときに該当するような電流の整流(方向の変更)が、直流電流動作のときに行われないことである。
【0054】
数マイクロ秒単位の短い再充電時間は、再充電プロセスを制御するマイクロコントローラが、マイクロ秒単位の非常に短い制御パルスを出力することができなければならないことを意味している。
【0055】
本発明の第1の実施形態では、25Wガス放電ランプを直流電流動作で15W以下にまで減光することができる。第2の実施形態、またはそのために意図される高速のドライバ22および個々の半導体スイッチの別々の制御可能性を、新たに開発されるべきHブリッジモジュールに組み込むことができるであろう。その場合には、25Wランプを10W以下の出力まで抑制制御することが考えられる。
【0056】
本発明は、出力低減のために直流電流動作が意図されるガス放電ランプで適用することができる。このことは特に、現在開発が進んでいる型式D5の25Wガス放電ランプで該当する場合がある。内蔵された点火装置と内蔵された制御装置とを有する25Wガス放電ランプは、現在、「D5S」の名称で流通している。さらに本発明により、任意の型式のガス放電ランプで、アークの点火後に電極の加熱のために必要となる、必要な比較的長い両方の最初の直流電圧段階を延長し、または、非常に小型のブートストラップコンデンサCbによって行うことが可能であり、すなわち、これを設計形態/容量の点から削減することが可能である。あるいは当然ながら本発明により、切換式に制御されるべき、ブートストラップHブリッジ回路の適用が考えられる、たとえば電動モータや電磁石のような他の誘導負荷を、直流電流により作動させることもできる。

図1
図2
図3
図4a-4c】
図5a-5c】
図6
図7a-7c】
図8a-8c】