特許第5777728号(P5777728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

特許5777728車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置
<>
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000002
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000003
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000004
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000005
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000006
  • 特許5777728-車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777728
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   B60S1/08 Z
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-545132(P2013-545132)
(86)(22)【出願日】2011年11月16日
(65)【公表番号】特表2014-501192(P2014-501192A)
(43)【公表日】2014年1月20日
(86)【国際出願番号】EP2011070293
(87)【国際公開番号】WO2012084355
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】102010063862.5
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ライト
(72)【発明者】
【氏名】フェレーナ リップス
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ボーン
(72)【発明者】
【氏名】オアランド シュテアンス
(72)【発明者】
【氏名】パウル ゴイベル
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00498949(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00711689(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第03920731(DE,A1)
【文献】 特開昭59−140148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置であって、1つの伝動装置ケーシング(13)内に収容された伝動装置エレメント(3,5,11)が設けられていて、該伝動装置エレメントは、駆動モータ(14)の駆動運動を、出力側の伝動装置エレメント(3)に結合された出力軸(2)に伝達しており、該出力軸(2)の回転角度を制限するストッパ装置(18)が設けられていて、該ストッパ装置(18)は、前記出力軸(2)と一緒に回動するストッパ部分(19)を有しており、該ストッパ部分(19)は、二腕状のばねエレメントとして形成されており、該ばねエレメントの、互いに逆方向に突出するばね脚(22,23)の旋回軌道に、ケーシング側のストッパ部分(26,27)が位置している、車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置において、
前記ばねエレメントはトーションばね(20)として形成されていて、該トーションばね(20)の中央部分(21)は前記出力軸(2)に回転可能に巻き付けられて配置されており、
前記ばね脚(22,23)はそれぞれ、前記出力側の伝動装置エレメント(3)に設けられた支持手段(24,25)を介して、前記トーションばね(20)の巻き付け方向とは反対方向で支持されており、出発位置で前記支持手段(24,25)に当接する前記両ばね脚(22,23)によって出力軸(2)を中心とした所定の円弧領域(29)が区切られており、
前記ばね脚(22,23)の前記旋回軌道は、前記円弧領域(29)内に位置するケーシング側のストッパ部分(26,27)に向かう方向で、該ストッパ部分(26,27)によって区切られていることを特徴とする、車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置。
【請求項2】
前記出力側の伝動装置エレメント(3)は、前記出力軸(2)に配置されたピニオン(4)によって形成されている、請求項記載の駆動装置。
【請求項3】
前記出力軸(2)に位置固定された前記支持手段(24,25)は、前記出力側の伝動装置エレメント(3)に設けられている、請求項1又は2記載の駆動装置。
【請求項4】
前記支持手段(24,25)は、前記出力側の伝動装置エレメント(3)に設けられた付加部又は成形部によって形成されている、請求項記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ケーシング側のストッパ部分(26,27)は、前記出力側の伝動装置エレメントに重なって位置するストッパエレメント(28)に設けられていて、該ストッパエレメント(28)は、伝動装置ケーシング(13)の一部によって形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項6】
車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置であって、1つの伝動装置ケーシング(13)内に収容された、駆動モータ(14)の駆動運動を出力軸(2)に伝達する伝動装置エレメント(3,5,11)が設けられていて、前記出力軸(2)は、出力側の1つの伝動装置エレメント(3)に結合されていて、該伝動装置エレメント(3)は別の伝動装置エレメント(5)に噛み合っており、前記出力軸(2)の回転角度を制限するためのストッパ装置(31)が設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載の駆動装置であって、
前記出力軸(2)に結合された伝動装置エレメント(3)に、別の伝動装置エレメントとして、揺動旋回可能な伝動装置エレメント(5)が係合し、該伝動装置エレメント(5)の旋回距離が、ケーシング側のストッパ部分(32)によって制限されていることを特徴とする、車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置。
【請求項7】
前記揺動旋回可能な伝動装置エレメント(5)は、スイングアーム(6)によって形成されている、請求項記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ストッパ部分は前記旋回距離を緩衝するようにかつ/又は制限するように形成されている、請求項又は記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ストッパ部分は、旋回平面に対して横方向に突出し、揺動する伝動装置エレメント(5)に設けられた対応ストッパの旋回領域に位置している、請求項からまでのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項10】
前記対応ストッパは、前記伝動装置エレメント(5)に設けられた成形部によって形成されている、請求項記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置に関する。
【0002】
背景技術
電気モータにより駆動される、車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置は例えば、ドイツ連邦共和国特許第3920731号明細書により公知である。この駆動装置は伝動装置(歯車装置)を有しており、その出力軸は回動可能に揺動駆動されていて、入力側の伝動装置エレメントとして、ウォームを介して駆動されるウォームギアを有しており、該ウォームギアは、クランク機構を介して、伝動装置の出力軸上に装着された出力側の伝動装置エレメントにトルク伝達式に接続されている。この接続は、ウォームギアに偏心的に枢着された、クランク機構のカップリングを介して行われ、このクランク機構のスイングアームは、出力軸に装着された出力側の伝動装置エレメントに噛み合っている。
【0003】
出力軸の揺動回転運動をその反転位置において制限するために、ストッパ装置が設けられている。ストッパ装置は、ケーシング側に設けられたストッパ部分と、出力軸に相対回動不能に結合されたストッパ部分とを有している。出力軸に結合されたストッパ部分は、旋回アームに設けられていて、二股のばね体によって形成されている。ばね体のばね脚は、出力軸の方向で開いた角度を取り囲んでおり、ばねの頂点を介して旋回アームに結合されており、ばねの頂点は、出力軸に向かって開かれたばね湾曲部として形成されている。このようなストッパ装置は、駆動装置の構成を複雑にする。
【0004】
発明の開示
本発明の課題は、車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置を、特にその統合化並びに組み立てに関して、機能的に損なうことなく構造的に簡単化し、かつ/又は改善することにある。
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴により解決される。従属請求項には本発明の有利な別の構成が示されている。
【0006】
本発明による手段では、ストッパ装置が、出力軸の周りに同心的に、特に出力軸に対して同軸的に、出力軸に回動不能に結合された出力側の伝動装置エレメントの領域に配置されている。特に、出力軸、及び出力軸に回動不能に結合された伝動装置エレメントと一緒に回転するように結合された、トーションばねとしてのストッパ部分の構成と関連して、出力軸は、ループ状の、場合によっては巻き付けられたトーションばねの中央部分のためのガイド部分として使用され、トーションばねの位置決めが得られる。トーションばねは、出力軸並びに出力軸に回動不能に結合された出力側の伝動装置エレメントに対する回転位置に関して、簡単な支持手段によって規定されることができる。この支持手段の位置によりさらに、緊張していない基本位置におけるばね脚の角度位置に関連して、トーションばねは場合によっては所望の予荷重で、出力側の伝動装置エレメントに固定することができ、これにより出力側の伝動装置エレメントの回転時の、ケーシング側のストッパ部分に対して、当接特性を所望の形式で調節することができる。これは、ケーシング側のストッパ部分が、出力側の伝動装置エレメントの周囲に関して、互いに突出したばね脚を介して制限された円弧領域に配置されていることにより得られ、ばね脚の旋回距離は、出力側の伝動装置エレメントによって規定する支持手段によって前記円弧領域の方向で当接制限されている。
【0007】
位置に応じた配属により、簡単に、ストッパ位置(当接位置)で、出力軸に結合された伝動装置エレメントへの傾動力をほぼ回避することもできる。何故ならば、ばね脚と、ケーシング側のストッパ部分と、ばね脚に配属された支持手段とを、ストッパ位置で生じる力を好ましくは1つの作用平面に位置するように互いに配置することができるからである。
【0008】
出力側の伝動装置エレメントが、別の揺動旋回可能な伝動装置エレメントに噛み合って結合されていて、この別の伝動装置エレメントに別のストッパ装置が配属されているならば、出力軸の周りに同心的に配置されたストッパ装置を備えた本発明による駆動装置を好ましくは別のストッパ装置によって補うことができる。別の伝動装置エレメントが、旋回距離を当接制限されるように受容されたスイングアームとして形成されているならばこれは特に簡単に可能である。これは特に、スイングアームとして形成された伝動装置エレメントがケーシング側の凹部内に位置していて、該凹部の側壁が、堅固なストッパとして働き、場合によってはその手前に緩衝エレメントが配置されていることにより得られる。付加的なストッパ装置と記載したこのストッパ装置は独立的なストッパ装置として使用することもできる。
【0009】
相応の旋回距離制限は、旋回アームに、この旋回アームによって通過される面に向かって突出した成形部又は突出した付加部を設け、その旋回距離内に、ケーシング側のストッパ部分が位置していることによっても行うことができる。このために好ましくは、各突出部又は各付加部が、例えば深絞り法によって製造される成形部によって形成することができ、この成形部には、旋回アームによって通過される面に設けられた、端部側にストッパを備えた相応の溝状の収容部が配属されている。
【0010】
上述した、2つのストッパ装置の使用により、最終的にはケーシングによって受け止められる局所的な力を低減することができ、これにより全体として、駆動装置のより軽量な構造と共に、駆動装置のノイズ特性の改善も得られる。
【0011】
車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置では、揺動駆動される出力軸の回転角度を制限するストッパ装置は好ましくは、出力軸に結合された出力側の伝動装置エレメントによって各回転方向で連行されるトーションばねが設けられており、そのばね脚のうち、両ばね脚間の円弧領域に位置するケーシング側のストッパ部分の一方に当接するばね脚が、出力側の伝動装置エレメントのその都度の回転方向に反して旋回されることにより得られる。
【0012】
本発明の特徴のさらなる詳細は、請求の範囲、明細書、図面に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】車両のウインドウガラスワイパ装置用の駆動装置を概略的に示した図である。
図2図1のIIの部分を拡大して示した図である。
図3図2のIII−III線に沿った断面図である。
図4】出力軸に配置された出力側の伝動装置エレメントに噛み合う、スイングアームの形の伝動装置エレメントを、本発明によるストッパ装置の部分と共に示した平面図である。
図5図4のスイングアームの形の伝動装置エレメントを詳しく示した図である。
図6図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【0014】
その他の部分は図示されていない車両用のウインドウワイパ装置について、図1では駆動装置1が概略的に示されている。ウインドウワイパ(図示せず)は、出力軸2に接続されており、出力軸2を介してウインドウ上を、例えばフロントガラス又はリヤウインドウ上を揺動運動しながら移動する。
【0015】
出力軸2の駆動は、出力軸2上に配置された出力側の伝動装置エレメント3を介して行われ、この伝動装置エレメント3は、ピニオン4として示されているが、例えば、出力軸2の周面の単に一部にわたって歯が形成された、歯車セグメントの形のような伝動装置エレメントによって形成されていても良い。出力側の伝動装置エレメント3には、スイングアーム6として形成された別の伝動装置エレメント5が噛み合っていて、このスイングアーム6は、歯列が設けられた周面領域7を介してピニオン4に係合しており、歯列が設けられた周面領域7とは反対側で、軸8に旋回可能に支承されている。
【0016】
スイングアーム6はクランク機構9の部分であり、クランク機構9は、ジョイントロッドの形のカップリング10を介して、駆動される伝動装置エレメント、ここではウォームギア11に偏心的に枢着されている。ウォームギア11は、伝動装置のケーシング13にフランジ結合された電気的な駆動モータ14を介して駆動されているウォーム12に噛み合っている。スイングアーム6へのカップリング10の枢着は、スイングアーム6に位置固定されたピン15を介して行われ、このピン15は、スイングアーム6の揺動平面に関して、カップリング10とは反対側で、ケーシングの底面17に設けられたガイド軌道16に係合している。駆動側の伝動装置エレメントは平歯車として形成されていても良い。
【0017】
図2及び図3には、出力軸2の回転角度を制限する本発明によるストッパ装置18の構成が示されている。ストッパ装置18は、トーションばね20として形成されたばねエレメントの形の、出力軸2と一緒に回転するストッパ部分19を有している。トーションばね20はその中央部分21で、出力軸2に巻き付けられて配置されている。トーションばね20の脚22,23は中央部分21から互いに反対側に向かって、ピニオン4として形成された伝動装置エレメント3を越えて延びており、トーションばね20の巻き付き方向とは反対方向で、ピニオン4に設けられた支持手段24,25を介して制限されている。これらの支持手段24,25は、トーションばね20に面したピニオン4の側面に設けられた段状の付加部によって形成することができ、又は、ピニオン4に設けられた突起、ピニオン4に対して打ち抜かれた舌片、又はピニオン4に結合されたストッパピンによっても形成することができる。
【0018】
支持手段24,25を介して、その中央部分21で出力軸2に巻き付けられて配置されたトーションばね20のために、ピニオン4に関する、ひいては出力軸2に関する出発位置が規定される。この出発位置において、トーションばね20は、脚22,23を介して、予荷重をもって支持手段24,25に当接することもできる。トーションばね20は、両ばね脚22,23で対応する支持手段24,25に当接している状態で、出力軸2に関して所定の出発位置を占めており、そのばね脚22,23でもって、出力軸2、ひいてはピニオン4と一緒に回動する、ストッパ装置18のストッパ部分19を形成している。ストッパ装置18は、それぞれ各脚22,23に対応して配置されたそれぞれ1つの別のケーシング側のストッパ部分26,27を有している。これらのストッパ部分26,27はこの実施例では一体的に、ケーシング側のストッパエレメント28に形成されている。このストッパエレメント28は、円弧領域29の内側のばね脚22,23の旋回軌道に位置しており、この円弧領域29は、出発位置に関して支持手段24,25に当接するばね脚22,23によって制限され、かつ、相応の形式で、ばね脚22,23に対する支持手段24,25の当接面によって制限されている。
【0019】
出力軸2とピニオン4の揺動回転運動に応じて、ピニオン4と一緒に回転するトーションばね20の一方のばね脚22,23が所属のストッパ部分26,27、即ちこの実施例ではストッパエレメント28の相応の端面に当接するとすぐに、ストッパ装置18を介して回転距離の制限が行われる。その結果、当接したばね脚22,23は所属の支持手段24,25との当接位置から押し離され、従ってトーションばね20は緊張される。何故ならば、その都度他方のばね脚22若しくは23は、所属の支持手段24,25との当接により、ピニオン4若しくは出力軸2に対する位置を維持しているからである。
【0020】
これにより本発明によれば、構造的に標準的な部材を用いて構成できるストッパ装置18が形成され、このストッパ装置18は、出発位置におけるトーションばね20の場合によっては生じる予荷重によってもそのばね特性に影響が及ぼされるので、ワイパ装置は折り返し位置に入る際にばね弾性的に受け止められ、このような折り返し位置及び/又は休止位置又は停止位置から出る際には蓄えられたばね力によって支援される。この場合、ストッパ装置、従ってそのストッパがばねに対して相対的に位置決めされていて、即ちこの場合、ばねの緊縮が、各折り返し位置及び/又は休止位置に達する前の小さな角度範囲、特に約10°の角度範囲で開始するように位置決めされているならば有利である。
【0021】
図3には、ケーシング側のストッパエレメント28が、例えば、ケーシング13のカバー又は底面からカラー状に突出したアームによって形成されていることが示されている。このアームは、図2に示したように、支持手段24,25に対して支持されている、ばね脚22,23の間の円弧領域29に進入している。この円弧領域29は、ばね脚22,23が、ケーシング側のストッパ部分26,27に当接する際に旋回して進入する円弧領域と向き合っている。
【0022】
本発明によれば、ばね脚22,23のこのような旋回も、即ち、各支持手段に対する支持位置からの変位の程度も、ケーシング側の支持装置を介して制限され、この場合、この支持装置も、ケーシングのカバー側又は底面側のカラーアームによって形成することができ、このカラーアームは場合によっては、付加的な緩衝エレメントの支持体であっても良い。
【0023】
折り返し位置における揺動距離を場合によっては緩衝して制限できることが図4図6に示されている。この場合、ここに示した手段は、特に図2及び図3に示したストッパ制限装置に対して付加的に使用することができるものである。 従って、特に、図2及び図3に示したばね弾性的に可撓性のストッパ制限装置を、場合によっては図4図6に示したストッパ制限装置に組み合わせることができ、これを介して、特に折り返し位置又は停止位置で、位置固定された当接を実現することもできる。
【0024】
図4には、出力側の伝動装置エレメント3に噛み合い、伝動装置ケーシング13に対して軸8を中心として旋回可能なスイングアーム6として形成された伝動装置エレメント5に対するストッパ装置31の配置関係が示されている。スイングアーム6として形成され、揺動運動する伝動装置エレメントに配属された、ケーシング側に設けられたストッパ32は、緩衝エレメント33として形成されていて、この緩衝エレメント33は伝動装置エレメント5を介して押圧されて、ケーシング13の接触部に向かって圧縮されるので、最終的は終端位置でケーシングに対して堅固に支持される。
【0025】
図4では、ストッパ装置31が、スイングアーム5とケーシング13との間の旋回距離において、スイングアーム5がその周縁部で各緩衝エレメント33に当接するように配置されている。
【0026】
図5及び図6には、スイングアーム6の一構成が示されており、この構成ではスイングアーム6に、その延在平面に対して横方向延びる成形部34が設けられている。この成形部により、伝動装置エレメントに配属され一緒に回転するストッパ部分36を直接形成することができ、又は、伝動装置エレメントに配属されたストッパ部分を伝動装置エレメントに、例えば差し込み結合により結合することができる。 それぞれケーシング側の、対応するストッパ部分(図示せず)は、例えば、ケーシングの底面等に配置されたリブによって形成することができる。
【0027】
この場合も、協働する両ストッパ部分の少なくともそれぞれ一方又は両ストッパ部分を、剛性的に又は弾性的に形成することができ、これにより特に簡単な構成が得られ、この構成は特に、このようなストッパ装置と図2及び図3のストッパ装置との組み合わせを、殆ど手間を増やすことなく可能にし、これにより、当接力を種々様々な伝動装置部分及びケーシング領域に分配することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6