特許第5777729号(P5777729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777729
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ウインドウガラスワイパ装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   B60S1/08 A
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-545133(P2013-545133)
(86)(22)【出願日】2011年11月17日
(65)【公表番号】特表2014-501193(P2014-501193A)
(43)【公表日】2014年1月20日
(86)【国際出願番号】EP2011070315
(87)【国際公開番号】WO2012084359
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】102010064024.7
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ライト
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール アルブレヒト
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 独国実用新案第202009017054(DE,U1)
【文献】 国際公開第2008/028710(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102009002842(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインドウガラスワイパ装置(1)であって、ワイパモータ(2)を備えており、該ワイパモータ(2)は、伝動装置ケーシング(3)に収容された伝動装置ユニットを介して、ワイパレバーを作動させる出力軸(4)を駆動し、前記伝動装置ユニットは、前記ワイパモータ(2)の回転運動を、前記出力軸(4)の揺動式の回動運動に変換するために、伝動装置を有していて、該伝動装置は、前記伝動装置ケーシング(3)内で、複数の支承箇所を介して支承されている、ウインドウガラスワイパ装置(1)において、
前記支承箇所は、前記伝動装置ケーシング(3)に挿入された、又は挿入可能な、前記伝動装置ケーシング(3)内に位置固定可能な支承板(12)に形成されており
該支承板(12)は、前記伝動装置ケーシング(3)の側方の内壁の輪郭に沿うように形成されていることを特徴とする、ウインドウガラスワイパ装置。
【請求項2】
前記伝動装置ケーシング(3)の少なくとも1つの壁部分が、前記伝動装置ケーシング内で前記支承板(12)を位置決め及び/又は位置固定するための当接面を形成するように、前記支承板(12)が前記伝動装置ケーシング(3)に挿入されている、又は挿入可能である、請求項1記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項3】
前記支承板(12)の位置決め用の少なくとも1つの位置決めノーズが、前記伝動装置ケーシング(3)内に設けられている、請求項1又は2記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項4】
前記支承板(12)は、該支承板(12)を取り囲むように射出成形を施すことにより、前記伝動装置ケーシング(3)内に位置固定されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項5】
前記支承板(12)は、前記伝動装置ユニットの支承箇所を形成する複数の支承ピン(13)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項6】
前記支承ピン(13)は、深絞り加工によって前記支承板(12)に形成されている、請求項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項7】
前記支承板(12)に、前記出力軸(4)の支承用の焼結軸受けが挿入可能な切抜き部(14)が設けられている、請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項8】
前記伝動装置は、コネクティングロッド(6)と、該コネクティングロッド(6)に枢着式に結合された歯セグメント(8)と、前記ワイパモータ(2)を介して駆動されるウォーム歯車(10)とを有する変換伝動装置(5)であり、前記歯セグメント(8)は、前記出力軸(4)に相対回動不能に結合されて前記歯セグメント(8)と噛み合うピニオン(11)に対して等間隔に配置されており、前記ウォーム歯車(10)と、前記歯セグメント(8)とは、前記支承板(12)に形成された2つの支承ピン(13)を介して、前記伝動装置ケーシング(3)に収容されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項9】
前記ウインドウガラスワイパ装置(1)は、自動車のリヤウインドウガラスワイパ用である、請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置。
【請求項10】
請求項1からまでのいずれか1項記載のウインドウガラスワイパ装置(1)の製造方法において、
−支承板(12)を打ち抜いて、出力軸(4)用の少なくとも1つの支承箇所(14)を形成し、
−伝動装置(5)を取り付けるために、深絞り加工により、前記支承板(12)に複数の支承ピン(13)を形成し、
−前記支承板(12)の周囲を取り囲むように射出成形を施して、伝動装置ケーシング(3)を形成し、
−前記伝動装置(5)を前記伝動装置ケーシング(3)に組み込むことを特徴とする、ウインドウガラスワイパ装置(1)の製造方法。
【請求項11】
更に、
−前記出力軸(4)用の真円軸受けをプレス嵌めし、
−前記出力軸(4)を、前記支承板(12)の前記支承箇所(14)に挿入する、請求項10記載のウインドウガラスワイパ装置(1)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車のリヤウインドウガラスワイパ用のウインドウガラスワイパ装置であって、ワイパモータを備えており、該ワイパモータは、伝動装置ケーシングに収容された伝動装置ユニットを介して、ワイパレバーを作動させる出力軸を駆動し、前記伝動装置ユニットは、前記ワイパモータの回転運動を、前記出力軸の揺動式の回動運動に変換するために、伝動装置を有していて、該伝動装置は、前記伝動装置ケーシング内で、複数の支承箇所を介して支承されている、ウインドウガラスワイパ装置に関する。
【0002】
背景技術
このようなウインドウガラスワイパ装置は、一般に公知である。特に、リヤウインドウガラスワイパモータにおいて、伝動装置の支承箇所は、伝動装置ケーシング内で、ねじ込まれた支承ピンと、プレス嵌めされた真円軸受けを有する貫通開口とによって実現される。したがって、このような伝動装置ケーシングの構造は、極めて複雑である。更に、伝動装置ケーシングを製造するために、種々様々な伝動装置タイプに特化された複数の工具を製造することが必要である。
【0003】
したがって本発明の課題は、伝動装置ケーシングをより簡単且つ廉価に製造することができ、且つよりフレキシブルに、即ち臨機応変に使用することのできる、ウインドウガラスワイパ装置を提供することである。
【0004】
発明の開示
この課題は本発明に基づき、前記支承箇所が、前記伝動装置ケーシングに挿入された、又は挿入可能な、前記伝動装置ケーシング内に位置固定された、又は位置固定可能な支承板に形成されていることによって解決される。
【0005】
発明の利点
換言すると、別個の支承板を設けることによって、伝動装置ケーシングは種々異なる複数の伝動装置タイプに関して、1つの同じ基本構造を有していてよい、ということが達成される。支承板は、複数の支承箇所を個別に形成することにより、外側寸法を変えずに、挿入されるべき種々様々な伝動装置タイプに適合され得る。これにより、伝動装置ケーシング用の射出成形工具(金型)を著しく簡単に製造することができ、また、伝動装置ケーシングの内部構造を、支承板の変更によって得るという手段に基づいて、伝動装置ケーシングを製造するためには、従来技術に比べて著しく簡単な構造を有する、唯一つの射出成形工具しか必要とされない。
【0006】
有利には、伝動装置ケーシングの少なくとも1つの壁部分が、伝動装置ケーシング内に支承板を位置決めし且つ/又は位置固定するための当接面を形成するように、支承板が伝動装置ケーシングに挿入されてよい。これにより、支承板の挿入用の位置決めノーズを伝動装置ケーシング内に設けることは最早不要になるので、部品の多様性が低下される。他方では、前記当接面に基づき、ワイパモータの作動中に伝動装置により支承板にもたらされる力作用が、伝動装置ケーシングの壁部分の当接面を介して吸収されるようになっており、このことは、前記力が逸れる可能性に基づく支承板の支承箇所の損傷が生じないように寄与する。
【0007】
択一的又は付加的に、少なくとも1つの位置決めノーズが、支承板を位置決めするために、伝動装置ケーシング内に設けられていてよい。
【0008】
支承板が、伝動装置ケーシングの側方の内壁の輪郭に沿うように形成されていることにより、特に正確な位置決めが達成され得る。本発明の意味での「輪郭に沿うように」とは、支承板の外表面が実質的に伝動装置ケーシングの内側輪郭と合致していることを意味する。このことは例えば、支承板の周囲を取り囲むように射出成形を施して、これにより支承板が伝動装置ケーシング内に位置固定されていることによって、極めて簡単に実現され得る。
【0009】
伝動装置ケーシングに設けられた支承ピンを代替する支承箇所は、例えば支承板に設けられた複数の支承ピンによって形成されていてよい。
【0010】
これらの支承ピンを支承板に設ける1つの手段は、支承ピンを深絞り加工によって支承板に形成することにより得られる。もちろん、支承ピンを支承板にねじ込むことや、支承板に接着すること、又は従来技術において公知の別の位置固定形式、例えばろう接、溶接及び類似の形式を選択することも可能である。
【0011】
別の構成では、支承板に、出力軸を支承するための焼結軸受けを挿入することができる切抜き部が設けられている。
【0012】
焼結軸受けをできるだけ安定的に構成できるようにして、支承板から真円軸受けが弛緩すること若しくは外れることを阻止し、且つ高い荷重がかけられた状態でも、支承箇所相互の高精度を保証することができるようにするために、板の剛性を、発生する力を吸収できるように選択することが有利である。このことは例えば、十分な壁厚さと適当な材料とを備えた板によって達成可能である。
【0013】
別の構成では、伝動装置は変換伝動装置であり、この変換伝動装置は、コネクティングロッドと、該コネクティングロッドに枢着式に結合されたウェブと、ワイパモータを介して駆動されるウォーム歯車とを有しており、前記ウェブは、該ウェブと一体的に形成された歯セグメントを、出力軸に相対回動不能に結合されて歯セグメントと噛み合うピニオンに対して等間隔に(つまり、噛合が維持されるように)保持しており、ウォーム歯車と、歯セグメントとは、それぞれ支承板に形成された支承ピンを介して、伝動装置ケーシングに収容されている。
【0014】
本発明によるウインドウガラスワイパ装置を製造するために、本発明では以下の方法ステップを有する方法を提案する:
−支承板を打ち抜いて、出力軸の支承箇所用の切抜き部を形成し、
−伝動装置を取り付けるために、深絞り加工により、支承板に複数の支承ピンを形成し、
−支承板の周囲を取り囲むように射出成形を施して、伝動装置ケーシングを形成し、
−伝動装置を伝動装置ケーシングに挿入する。
【0015】
焼結軸受け用の特に安定的な支承箇所を形成するために、支承板には、出力軸用の真円軸受けをプレス嵌めすることができる切抜き部が設けられていて、これにより、次いで出力軸を、支承板の支承箇所に挿入することができるようになっている。真円軸受けは、例えば焼結軸受けであってよい。
【0016】
本発明の別の有利な構成については、添付した図面の記載並びに従属請求項を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術によるウインドウガラスワイパ装置の部分的な斜視図である。
図2】従来技術によるウインドウガラスワイパ装置の部分的な斜視図である。
図3】2つの支承箇所を備えた、本発明による支承板を上から見た図である。
図4図3に示した支承板の断面線A−Aに沿った断面図である。
【0018】
実施形態
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。
【0019】
図1及び図2には、従来技術に基づく自動車のリヤウインドウガラスワイパ用のウインドウガラスワイパ装置1の部分的な斜視図が示されている。
【0020】
ウインドウガラスワイパ装置1は、ワイパモータ2を有しており、このワイパモータ2は、伝動装置ケーシング3に収容された伝動装置ユニットを介して出力軸4を駆動し、この出力軸4を介して、ワイパレバー(図示せず)が自動車のウインドシールド上で往復運動することができるようになっている。
【0021】
伝動装置ユニットは、ワイパモータ2の回転運動を、出力軸4の揺動式の回動運動に変換するために、図示の実施形態では変換伝動装置5を有している。この変換伝動装置5は、コネクティングロッド6と、このコネクティングロッド6と支承ピン7を介して枢着式に結合された歯セグメント8とを有している。歯セグメント8は、出力軸4の回転軸線から間隔をあけて配置されていて、取り外し可能な支承ピン9を介して伝動装置ケーシング3内に定置で回転可能に支承されており、且つコネクティングロッド6を介してウォーム歯車10と枢着式に結合されている。歯セグメント8は、出力軸4に相対回動不能に取り付けられたピニオンと噛み合っている。
【0022】
ウォーム歯車10若しくは歯セグメント8に作用する、例えば横方向力等の力や、出力軸4に作用する力は、主として伝動装置ケーシング3に設けられた複数の支承ピン9,9若しくは真円軸受け11によって吸収される。このことは、支承ピン9が互いに相対運動すること、若しくは真円軸受け11が伝動装置ケーシング3からはずれることにつながる恐れがある。
【0023】
このことを阻止するために、本発明では、図3及び図4により詳細に示した、本実施形態では実質的に三角形に形成された支承板12を、伝動装置ケーシング3に挿入することを提案する。支承板12は、本実施形態では鋼板から製造されていて、発生する力に相応した材料厚さを有しており、これにより、支承板12に形成された複数の支承箇所13の極めて正確な相対位置を、特に荷重がかけられた状態で保証するために十分な、支承板12の剛性が得られる。支承板12は、その角隅領域に丸み付けられた壁区分を有していて、伝動装置ケーシング3の側方の内壁の輪郭に沿うように、相応に形成されている。支承板12の、前記輪郭に沿った、正確に適合する形状は、支承板12の製造後に支承板12の周囲を取り囲むように射出成形を施して、伝動装置ケーシング3を形成することにより、完全を期することができる。本実施形態では、支承板12に2つの支承箇所13が、深絞り加工によって設けられている。更に、支承板12は切抜き部14を有していて、この切抜き部14には、出力軸4を支承する真円軸受け、特に焼結軸受けが挿入可能である。
【0024】
つまり、本発明によるウインドウガラスワイパ装置1を製造するには、まず最初に、支承板12を打ち抜いて、出力軸4用の支承箇所としての切抜き部14を形成する。次いで、深絞り加工によって支承板12に複数の支承ピン13を形成し、これらの支承ピン13には、伝動装置(本実施形態では伝動装置ケーシング3内の変換伝動装置のウォーム歯車10と歯セグメント8)が取り付けられることになる。次いで、支承板12の周囲を取り囲むように伝動装置ケーシング材料の射出成形を行い、伝動装置ケーシング3を形成し、変換伝動装置5の前記構成部材を伝動装置ケーシング3に組み込む。その後、出力軸4用の真円軸受けを、このために支承板12に設けられた切抜き部14に挿入し、最後に、出力軸4を、切抜き部14を介して真円軸受けに挿入する。
図1
図2
図3
図4