【文献】
水谷,Windows2000徹底探究 MAT300,ASCII DOS/V ISSUE,日本,株式会社アスキー,2000年 4月 1日,第6巻、第4号,第170−171頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置、画像表示装置、画像表示方法、及び表示方法を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係わる超音波診断装置1の外観を示す図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、表面に表示画面3を備える表示用筐体H1、表面に操作パネル5を備える操作用筐体H2、及び操作用筐体H2にケーブル7を介して接続された超音波プローブ10を搭載する。表示用筐体H1と操作用筐体H2とは、筐体接続部C1を介して接続されている。このように本実施形態に係る超音波診断装置1は、表示画面3と操作パネル5とが一体に形成され小型・軽量化されたノートPC型の超音波診断装置である。
【0011】
操作用筐体H2の内部には、後述する超音波診断装置1の機能を実行する電子部品が装着された基板が搭載されている。操作用筐体H2には、超音波プローブ10を操作用筐体H2に接続するためのプローブ接続部C2が設けられている。また、操作用筐体H2には、図示しないマウス等やキーボード等の入力デバイスが接続されていてもよい。この入力デバイスを操作用筐体H2に接続するために、デバイス接続部C3が操作用筐体H2に設けられている。
【0012】
表示画面3には、後述する表示部22により表示画像I1が表示される。表示画像I1は、超音波画像に関する画像表示領域I2と、表示パネルに関するパネル表示領域I3とを備える。画像表示領域I2には、超音波検査のための各種アプリケーションのウィンドウが表示され、ウィンドウには、典型的には、超音波画像が表示される。また、アプリケーションのウィンドウには、アプリケーションのパラメータや計測値等の付加データが表示される。パネル表示領域I3には、超音波検査に関する様々な操作を後述するシステム制御部30に指示するための表示スイッチ群IS(表示パネル)が表示される。表示パネルISには、複数のスイッチIS1、IS2、IS3が表示される。これらスイッチISは、GUI(graphical user interface)の技術により表示される。
【0013】
操作パネル5は、超音波検査に関する様々な操作を後述するシステム制御部30に指示するための機械的なスイッチ群MSを搭載している。具体的には、操作パネル5には、トラックボールMS1やボタンMS2、つまみMS3、切り替えスイッチMS4等のスイッチ群MSが搭載される。
【0014】
超音波診断装置1の小型化に伴い、操作パネル5の面積は、縮小傾向にある。従って、操作パネル5に無駄なスイッチを設けるのは避け、超音波検査を行なうための基本的なスイッチのみが操作パネル5に搭載されると良い。操作パネル5に搭載されなかったスイッチは、表示画面3のパネル表示領域I3にGUIとして表示されると良い。
【0015】
筐体接続部C1は、表示用筐体H1と操作用筐体H2とがD1方向に沿って開閉可能なように表示用筐体H1と操作用筐体H2とを機械的に接続する。D1方向は、開閉軸(表示用筐体H1の長軸に平行であり筐体接続部C1に交わる軸)Z1を中心として表示用筐体H1と操作用筐体H2とを開いたり閉じたりする方向に規定される。また、筐体接続部C1は、表示用筐体H1と操作用筐体H2とが筐体接続部C1周りにD2方向に沿って回転可能なように表示用筐体H1と操作用筐体H2とを機械的に接続する。D2方向は、回転軸(表示用筐体H1の短軸に平行であり筐体接続部C1に交わる軸)Z2周りの方向に規定される。筐体接続部C1は、例えば、ヒンジ(hinge)によって実現される。なお、
図1においてはD1方向の開閉とD2方向の回転との両方を可能にする1つの筐体接続部C1が示されている。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、D1方向の開閉を実現する筐体接続部(図示せず)とD2方向の回転を実現する筐体接続部(図示せず)とが別々に設けられていても良い。
【0016】
D1方向の開閉とD2方向の回転とにより、超音波診断装置1は、表示画面3と操作パネル5との間の接続状態に応じて異なる2つの表示形態を実現する。1つ目の表示形態は、
図1に例示しているような、オープンモード(open mode)である。すなわちオープンモードでは、ディスプレイ3と操作パネル5とが向き合うように、表示用筐体H1と操作用筐体H2とが支持されている状態にある。このオープンモードは、超音波検査において標準的に用いられる表示形態である。2つ目の表示形態は、
図2に例示しているような、タブレットモード(tablet mode)である。すなわちタブレットモードでは、表示画面3が超音波診断装置1の外側から見えるように、表示用筐体H1と操作用筐体H2とが折りたたまれている状態にある。換言すれば、タブレットモードでは、表示画面3の裏面が操作パネル5の表面に向き合うように、表示用筐体H1と操作用筐体H2とが折りたたまれている状態にある。オープンモードからタブレットモードへの移行は、オープンモードにある表示用筐体H1をD2方向に沿って180°回転させ、表示用筐体H1と操作用筐体H2とが密着するように表示用筐体H1をD1方向に沿って閉じることで達成される。タブレットモードからオープンモードへの移行は、逆の操作により達成される。すなわち、タブレットモードにある表示用筐体H1をD1方向に沿って開き、表示用筐体H1をD2方向に沿って180°回転させることで達成される。
【0017】
次に、操作用筐体H2の内部に収容された電子部品により実現される超音波診断装置1の機能を第1実施例と第2実施例とに分けて説明する。
【0018】
(第1実施例)
図3は、第1実施例に係る超音波診断装置1の機能ブロック図である。
図3に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ10、送受信部12、Bモード処理部14、ドプラ処理部16、スキャンコンバータ18、記憶部20、表示部22、操作部24、接続状態認識部26、表示制御部28、及びシステム制御部30を備える。
【0019】
超音波プローブ10は、送受信部12からの駆動パルスに応じて超音波を被検体へ向けて送波する。送波された超音波は、被検体の体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射される。反射された超音波は、エコー信号として超音波プローブ10に受信される。受信されたエコー信号は、超音波プローブ10を介して送受信部12へ供給される。
【0020】
送受信部12は、超音波プローブ10を介して被検体に超音波を送信し、被検体により反射された超音波をエコー信号として受信する。
【0021】
より詳細には、送受信部12は、超音波の送信用に図示しないレートパルス発生回路、送信遅延回路、及び駆動パルス発生回路等を有している。レートパルス発生回路は、所定のレート周波数frHz(周期;1/fr秒)で、レートパルスをチャンネル毎に繰り返し発生する。遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束させ且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を各レートパルスに与える。駆動パルス発生回路は、各遅延されたレートパルスに基づくタイミングで超音波プローブ10に駆動パルスを印加する。
【0022】
また、送受信部12は、超音波の受信用に図示しないアンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、及び加算器等を有している。アンプ回路は、超音波プローブ10からのエコー信号を受信し、受信されたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をチャンネル毎にアナログ信号からデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に対し、チャンネル毎にビーム状に集束させ且つ受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた各エコー信号を加算する。この加算処理により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波ビームが形成される。1つの超音波ビームは、1つの超音波走査線に対応する。走査線毎のエコー信号は、Bモード処理部14とドプラ処理部16とに供給される。
【0023】
Bモード処理部14は、送受信部12からのエコー信号を対数増幅し、対数増幅されたエコー信号を包絡線検波することで、エコー信号の強度を輝度で表現するBモード信号のデータを生成する。生成されたBモード信号のデータは、スキャンコンバータ18に供給される。
【0024】
ドプラ処理部16は、送受信部12からのエコー信号を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度や分散、パワー等の血流情報の強度をカラーで表現するドプラ信号のデータを生成する。生成されたドプラ信号のデータは、スキャンコンバータ18に供給される。
【0025】
スキャンコンバータ18は、Bモード処理部14からのBモード信号やドプラ処理部16からのドプラ信号に基づいて、被検体に関する超音波画像のデータを発生する。すなわちスキャンコンバータ18は、超音波画像のデータの発生部として機能する。具体的には、スキャンコンバータ18は、Bモード信号やドプラ信号の位置情報に従ってメモリ上に配置し、走査線間のデータを補間する。この配置処理と補間処理とによって、超音波画像のデータが発生される。
【0026】
記憶部20は、スキャンコンバータ18により発生された超音波画像のデータを記憶する。また、記憶部20は、第1実施例に特有な表示画像切り替え処理のためのプログラムを記憶する。
【0027】
表示部22は、ディスプレイ3に表示画像I1を表示する。上述のように表示画像I1は、超音波画像に関する画像表示領域I2と、表示パネルに関するパネル表示領域I3とを有する。
【0028】
操作部24は、操作パネル5を搭載する。上述のように操作パネル5は、超音波検査に関する様々な操作をシステム制御部30に指示するための機械的なスイッチ群MSを搭載する。また操作部24は、マウス等の入力デバイスを備え、表示部22上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標をシステム制御部30に出力する。また、操作部5は表示画面3を覆うように設けられたタッチパネルを備え、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号としてシステム制御部30に出力する。
【0029】
接続状態認識部26は、表示画面3すなわち表示用筐体H1と操作パネル5すなわち操作用筐体H2との機械的な接続状態を認識する。典型的には、接続状態認識部26は、接続状態として表示用筐体H1と操作用筐体H2とがオープンモードにあるかタブレットモードにあるのかを電気的、磁気的、あるいは光学的に認識する。例えば、接続状態認識部26は、筐体接続部(ヒンジ)C1に埋め込まれた光センサにより実現される。また、接続状態認識部26は、磁石と磁気センサとの組み合わせでもよい。例えば、磁石は、表示用筐体H1の上部中央付近に埋め込まれる。この場合、磁気センサは、タブレットモード下において磁石に対向する操作用筐体H2の部分に埋め込まれる。磁気センサは、閾値以上の磁場を検出する。閾値は、例えば、タブレットモードの場合に検出される磁石由来の磁場と、オープンモードの場合に検出される磁石由来の磁場との間に設定される。従って磁気センサは、磁石から発生される磁場を検出することによって、磁石が近傍に位置するか否か、すなわちタブレットモードにあるか否かを認識できる。
【0030】
表示制御部28は、接続状態認識部26により認識された機械的な接続状態に応じて、表示画像I1上の画像表示領域I2とパネル表示領域I3との表示位置、大きさ、及び形状の少なくとも1つを変形させる。具体的には、オープンモードであると認識された場合、表示制御部28は、通常の表示位置、大きさ、及び形状で表示画像I1に画像表示領域I2とパネル表示領域I3とを表示する。タブレットモードであると認識された場合、表示制御部28は、例えば、表示画面3いっぱいに画像表示領域I2のみを表示させる。表示制御部28は、表示部を制御する。
【0031】
システム制御部30は、本実施形態における超音波診断装置1の全ての処理を統括する。システム制御部30は、記憶部20に記憶されている専用プログラムを読み出してメモリ上に展開し超音波診断装置1の各部を制御することによって、表示画像の切り替え処理を実行する。
【0032】
次に、システム制御部30の制御のもとに行われる第1実施例に係る表示画像切り替え処理について詳細に説明する。典型的には、表示制御部28は、接続状態と表示画像の表示レイアウトとを関連付けているテーブルを保持している。表示制御部28は、このテーブルを用いて、接続状態認識部26により認識された接続状態を入力とし、入力した接続状態に関連付けられた表示レイアウトを示すコードを出力する。そして表示制御部28は、出力されたコードに対応する表示レイアウトで表示画像を表示部22に表示させる。
【0033】
図4は、オープンモードにおける表示画像I1の表示レイアウトの1例を示す図である。
図4に示すように、オープンモードにおける表示レイアウトにおいて、画像表示領域I2とパネル表示領域I3とは、通常の超音波検査に用いられる表示位置、大きさ、及び形状に設定されている。オープンモードの表示レイアウトは、超音波画像I4の表示と超音波診断装置1の操作とが両方可能なように設定されている。超音波画像I4の視認性向上ため、例えば、パネル表示領域I3の表示位置は表示画面3の端部に設定され、パネル表示領域I3の大きさはオープンモードに必要なスイッチが表示される程度の大きさに設定され、パネル表示領域I3の形状は縦長や正方形、横長等に設定される。表示レイアウトは、予め設定されていてもよいが、操作者により任意に設定可能としてもよい。
【0034】
図5は、タブレットモードにおける表示画像I1の表示レイアウトの1例を示す図である。タブレットモードにおける表示レイアウトにおいて、画像表示領域I2の表示位置、大きさ、及び形状は、画像表示領域I2のみが表示画面3いっぱいに表示されるように設定されている。すなわち、パネル表示領域I3は、存在しない。
【0035】
また、タブレットモードは、他の表示レイアウトも可能である。
図6は、タブレットモードにおける他の表示レイアウトを示す図である。
図6に示すように、タブレットモードにおける他の表示レイアウトにおいて、画像表示領域I2の表示位置、大きさ、及び形状は、画像表示領域I2が表示画面3いっぱいに表示されるように設定され、パネル表示領域I3の表示位置、大きさ、及び形状は、パネル表示領域I3が表示画面3の端部に表示されるように設定されていてもよい。パネル表示領域I3の表示位置は、表示画面3の端部に設定され、大きさはタブレットモードに必要なスイッチが表示される程度の大きさに設定され、形状は縦長や正方形、横長等に設定される。この場合、パネル表示領域I3に表示されるスイッチ数は、オープンモードの場合に比して削減されている。表示レイアウトは、予め設定されていてもよいが、操作者により任意に設定可能としてもよい。
【0036】
図7は、タブレットモードにおけるさらなる他の表示レイアウトを示す図である。
図7に示すように、このタブレットモードにおける表示レイアウトにおいては、パネル表示領域I3は、表示画面3の両端部にそれぞれ表示される。
【0037】
また、タブレットモードのパネル表示領域の表示レイアウトが複数用意されていてもよい。例えば、パネル表示領域の表示レイアウトとして、スイッチ数に応じて通常レイアウトと簡易レイアウトとが用意されるとよい。タブレットモードはオープンモードよりも簡易な操作が要求されるので、タブレットモードにおける通常レイアウトのスイッチ数は、オープンモードにおけるスイッチ数に比して少ない。簡易レイアウトでは、超音波診断装置1そのものの操作に関して必要最小限に厳選されたスイッチのみが設定される。すなわち、簡易レイアウトにおけるスイッチ数は、通常レイアウトにおけるスイッチ数に比してさらに少ない。
【0038】
次に第1実施例に係わる超音波診断装置の臨床応用例について説明する。臨床応用の場において、超音波診断装置は、主に
図8に示すようなオープンモードで使用される。この際、操作者は、超音波診断装置1を手元に置き、表示画像I1を観察しながら、超音波プローブ10を用いて被検体を超音波検査する。この時、表示画像I1には、画像表示領域I2とパネル表示領域I3とが含まれている。
【0039】
図9に示すように、操作者以外の人物が同一の表示画像I1を見ながら検査する場合がある。以下、操作者以外の人物を総称して、観察者と呼ぶことにする。例えば、操作者である技師が超音波プローブ10を操作し、観察者である医師が画像を確認する場合が挙げられる。この時、外部のディスプレイ等の特別な設備がない状況では、小型の表示画面3を複数の人物が覗き込むことになる。このため、表示画面3に表示されている表示画像I1の視認性が悪化する。
【0040】
そこで複数の人物による表示画像I1の視認性を向上するため、
図9に示すように、超音波診断装置1は、操作者からある程度離れた位置に配置される。超音波診断装置1の配置方法は、例えば、壁に掛ける、机に置く等である。この際、超音波診断装置1は、タブレットモードで使用される。逆に言えば、タブレットモードで使用されている場合、超音波診断装置1は、操作者から離れた位置に配置されていると想定される。このように、操作者から離れた位置に配置されている場合、操作者は超音波診断装置1そのものの操作よりも超音波プローブ10の操作と表示画面3とに集中していると考えられる。すなわち、表示画像上のパネル表示領域I3は不要となる。そこでタブレットモードで使用されていることが接続状態認識部26により認識された場合、表示制御部28は、表示画像I1上のパネル表示領域I3を消去し、表示画面3いっぱいに画像表示領域I2を拡大表示させる。このように表示画面3に超音波画像と付加データとを拡大して表示させることで、超音波画像の視認性が向上する。すなわち、操作者によりオープンモードからタブレットモードに変更されたことを契機として、表示制御部28は、超音波画像を表示画面3いっぱいに表示させるために、超音波画像を拡大する。
【0041】
ただしタブレットモード使用下においても超音波診断装置1そのものを操作する場合も考えられる。そのため、画像表示領域I2が拡大表示される場合であっても、操作部24により画面が触れられたことが検出された場合、表示制御部28は、
図11に示すように、一時的にパネル表示領域I3を表示画面3に表示させてよい。この際、超音波画像の視認性向上のため、表示制御部28は、パネル表示領域I3を通常の表示モードに比して縮小させて簡易レイアウトで表示させてもよい。上述のように、パネル表示領域I3を縮小表示させる場合、超音波画像の視認性を確保するため、表示スイッチは、超音波診断装置の操作に関して必要最小限のものであると厳選されたものに限られると良い。
【0042】
また、タブレットモード使用下において、複数の人物がパネル表示領域上のスイッチを操作する場合が考えられる。この場合、表示制御部28は、パネル表示領域I3を表示画面3の複数個所にそれぞれ表示するとよい。例えば
図12に示すように、表示制御部28は、簡易レイアウト版のパネル表示領域I3を表示画面3の両端部にそれぞれ表示する。パネル表示領域I3が両端部にそれぞれ表示されることで、パネル表示領域I3の複数人による操作を容易にできる。
【0043】
上記構成により、超音波診断装置1は、オープンモード使用下にあるか又はタブレットモード使用下にあるか、すなわち操作者の手元にあるか又は離れたところにあるかに応じて、表示画面上の画像表示領域とパネル表示領域との表示位置、大きさ、及び形状の少なくとも1つを変化させる。これにより超音波画像の視認性が向上し、超音波検査に係る時間が減少する。換言すれば、超音波診断装置1は、接続状態(使用モード)に適した表示レイアウトで表示画像を表示することができる。従って超音波診断装置1は、使用モードに応じて異なる操作者の推定注目部分を見やすく表示することができる。かくして、第1実施例に係わる超音波診断装置1は、超音波検査のスループットの向上を実現することができる。また、スループットの向上に伴い、超音波検査の質の向上も期待できる。
【0044】
(第2実施例)
図13は、本実施形態の第2実施例に係わる超音波診断装置1の機能ブロック図である。
図13に示すように、第2実施例に係わる超音波診断装置1は、超音波プローブ10、送受信部12、Bモード処理部14、ドプラ処理部16、スキャンコンバータ18、記憶部20、表示部22、操作部24、接続状態認識部26、表示制御部28、システム制御部30、及びデバイス認識部32を備える。なお以下の説明において、第1実施例と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0045】
デバイス認識部32は、
図14に示すように、操作用筐体H2に設けられたデバイス接続部C3に入力デバイスが接続されているか否かを認識する。接続されていると認識した場合、デバイス認識部32は、接続されている入力デバイスの種類を認識する。例えば、デバイス認識部32は、入力デバイスの種類として、接続された入力デバイスがマウス等のポインティングデバイスであるのか、キーボードであるのかを認識する。また、デバイス認識部32は、接続されたマウスが有線型であるのか、無線型であるのかを認識する。
【0046】
表示制御部28は、デバイス認識部32によりマウス等のポインティングデバイスPDが接続されたと認識された場合、表示画面の表示態様を変化させる。具体的には、ポインティングデバイスPDが超音波診断装置1に接続された場合、表示画面3にGUI操作を行なうためのカーソルCUを表示させたり、文字の大きさを変化させたり、輝度を変化させたりする。また、表示制御部28は、ポインティングデバイスPDが接続された場合、パネル表示領域I3の表示レイアウトを通常レイアウト又は簡易レイアウトから検査シーケンスレイアウトに変更する。検査シーケンスレイアウトは、検査シーケンスに沿ったスイッチを含んでいる。また、表示制御部28は、接続されたマウスが有線型か無線型かに応じて表示態様を変更する。
【0047】
次に、システム制御部30の制御のもとに行われる第2実施例に係る表示画面切り替え処理について詳細に説明する。
【0048】
通常の超音波検査におけるポインティングデバイスとしては、
図15に示すようなトラックボールMS1かあるいはタッチパネルが用いられている。しかしGUI操作としては、Windows(登録商標)やMackintosh(登録商標)、Unix(登録商標)等のOSにおいて、通常、マウスが利用されている。従って操作者は、マウスの利用には熟練していると想定できる。すなわち、ポインティングデバイスとして、トラックボールやタッチパネルを使用可能とするより、マウスを使用可能とする方が、操作者は操作し易い。
【0049】
そこで表示制御部28は、デバイス認識部32によりマウスPDが接続されたと認識されたことを契機として、表示画面3にGUI操作を行なうためのマウスカーソルCUを表示させる。また、デバイス認識部32によりマウスPDが接続されたと認識されたことを契機として、システム制御部30は、接続されたマウスPDからの操作を受付ける。これにより、自動的にマウスを認識して表示画面3に一般的なマウスカーソルCUを表示し、マウスPDで全てのGUI操作が行なえるようにする。逆にデバイス認識部32によりマウスPDが超音波診断装置1から取り外されたと認識された場合、表示制御部28は、マウスカーソルCUを表示画面3から消去する。
【0050】
換言すれば、デバイス認識部32は、操作用筐体H2とポインティングデバイスとの接続状態を認識する。認識された接続状態に応じて、表示制御部は、ポインティングデバイスによる表示パネルの操作のためのカーソルの表示を制御する。
【0051】
また、タブレットモードにおいては、操作パネル5が表示用筐体H1に隠れてしまい操作不可能となる。つまりタブレットモードにおいては、パネル表示領域I3に表示されているスイッチISのみで超音波診断装置1を操作できなければならない。従って、一連の検査シーケンスにおける各検査に応じたスイッチを用意し、押されたスイッチに割り付けられた検査の処理が実行できるようにすると良い。そこで表示制御部28は、パネル表示領域I3に検査シーケンスに沿ったスイッチを表示する検査シーケンスレイアウトを用意している。
【0052】
図16は、検査シーケンスレイアウトの一例を示す図である。検査シーケンスレイアウトにおいては、一連の検査シーケンスにおける各検査に応じたスイッチSSが用意されている。スイッチとしては、検査の順に「CDI」スイッチSS1、「Freeze」スイッチSS2、「UnFreeze」スイッチSS3、「PWD」スイッチSS4、「Sweep spd」スイッチSS5、「Base line +」スイッチSS6、「Base line −」スイッチSS7、「Quick scan」スイッチSS8が用意されている。各スイッチSS1〜SS8が押されることを契機としてシステム制御部30は、各部を制御して、各スイッチSS1〜SS8割り付けられた処理を実行する。
【0053】
また、
図17に示すように、タブレットモード使用下において、マウスPDが接続される場合も想定される。この場合、簡便な操作により検査を進められるような表示レイアウトであることが望ましい。従って、タブレットモード且つマウスPDが接続されている場合、表示制御部28は、スイッチSSを表示画面3に表示してもよい。また、
図18に示すように、タブレットモード使用下において、マウスPDが接続されていない場合、スイッチSSが表示されてもよい。
【0054】
逆にタブレットモードからオープンモードへ変更されたと接続状態認識部26により認識された場合、表示制御部28は、検査シーケンスレイアウトから通常モードへ変更する。また、タブレットモードにおいてマウスPDが取り外されたと認識されたとデバイス認識部32により認識された場合、検査シーケンスレイアウトから通常レイアウト又は簡易レイアウトへ変更する。
【0055】
また、
図19に示すように、無線型のマウスPD´が超音波診断装置1に接続された場合、操作者と超音波診断装置1とが比較的離れていると想定される。そこで表示制御部28は、デバイス認識部32により無線型のマウスPD´が接続されたと認識されたことを契機として、表示画像I1中の表示態様を変更する。例えば、表示制御部28は、無線型のマウスPD´でスイッチ(例えば、SS4´)が選択された場合、選択されたスイッチを拡大表示する。無線型のマウスPDが接続された場合、有線型のマウスPDが接続された場合に比して、表示制御部28は、操作者による視認性が向上するように、表示画像I1中の文字を拡大表示したり、マウスカーソルCUを拡大表示したり、表示画像I1中の輝度分布を明るくしたりする。
【0056】
上記構成により、超音波診断装置1は、ポインティングデバイスが接続されたか否かに応じて、操作性や視認性を向上させるために表示画面にマウスカーソルを表示したり、表示画像上の表示態様を変化させたりする。また、超音波診断装置1は、ポインティングデバイスの接続の有無に応じて、操作性を向上させるために表示画面のレイアウトを切り替える。このように超音波診断装置1の操作性が向上することにより、超音波検査に係る時間が減少する。かくして、第2実施例に係わるノートPC型の超音波診断装置1は、超音波検査のスループットの向上を実現することができる。また、スループットの向上に伴い、検査の質の向上も期待できる。
【0057】
なお上述の実施形態は、上述のオープンモードとタブレットモートとの切り替えが可能なノートPC構造を有する画像表示装置にも適用可能である。この本実施形態に係る画像表示装置は、超音波スキャン以外の、例えば、超音波画像の画像処理や画像読影、画像観察、レポート作成等の既存のあらゆる超音波検査に利用されうる。本実施形態に係る画像表示装置は、
図1や
図2、
図14に示される超音波診断装置と同様の構造を有している。また、本実施形態に係る画像表示装置は、少なくとも記憶部20、表示部22、操作部24、接続状態認識部26、表示制御部28、システム制御部30、及びデバイス認識部32の機能を有している。
【0058】
かくして本実施形態に係るノートPC型の超音波診断装置1、画像表示装置、画像表示方法、及び表示方法は、超音波検査のスループットの向上を実現することができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。