特許第5777750号(P5777750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777750不動産登記申請情報検索装置及び不動産登記申請情報検索方法ならびにそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777750
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】不動産登記申請情報検索装置及び不動産登記申請情報検索方法ならびにそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20150820BHJP
【FI】
   G06Q50/16
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-30092(P2014-30092)
(22)【出願日】2014年2月19日
(62)【分割の表示】特願2012-275050(P2012-275050)の分割
【原出願日】2008年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-89775(P2014-89775A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2014年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】511300396
【氏名又は名称】NTT空間情報株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508200366
【氏名又は名称】全日本地理空間情報収集活用推進株式会社ACA
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南橋 丈二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】中川 寿一
(72)【発明者】
【氏名】真木 仁
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−348711(JP,A)
【文献】 特開2001−034212(JP,A)
【文献】 特開2004−093974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登記申請の受付年月に対応する情報、登記の目的を示す情報、および、登記申請された不動産の地番及び家屋番号に対応する情報、を含む登記申請情報を記憶する登記申請情報記憶手段と、
地番及び家屋番号の一部である親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力する親番表示地図表示出力手段と、
前記親番表示地図上に表示された親番の選択を受付ける親番選択受付け手段と、
前記親番選択受付け手段によって選択が受付けられた親番を前記地番及び家屋番号に対応する情報において含む登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から抽出し、前記受付年月に対応する情報および前記登記の目的を示す情報を列挙して表示出力をする登記申請情報表示出力手段と、を有する、
ことを特徴とする不動産登記申請情報検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載された不動産登記申請情報検索装置であって、
親番に対応する公図を記憶する公図記憶手段と、
前記親番選択受付け手段によって選択が受付けられた親番に対応する公図を、前記親番表示地図とは別に表示出力する公図表示出力手段と、をさらに有する、
ことを特徴とする不動産登記申請情報検索装置。
【請求項3】
登記申請情報記憶手段が、登記申請の受付年月に対応する情報、登記の目的を示す情報、および、登記申請された不動産の地番及び家屋番号に対応する情報、を含む登記申請情報を記憶し、
親番表示地図表示出力手段が、地番及び家屋番号の一部である親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力し、
親番選択受付け手段が、前記親番表示地図上に表示された親番の選択を受付け、
登記申請情報表示出力手段が、前記親番選択受付け手段によって選択が受付けられた親番を前記地番及び家屋番号に対応する情報において含む登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から抽出し、前記受付年月に対応する情報および前記登記の目的を示す情報を列挙して表示出力をする、
ことを特徴とする不動産登記申請情報検索方法。
【請求項4】
登記申請の受付年月に対応する情報、登記の目的を示す情報、および、登記申請された不動産の地番及び家屋番号に対応する情報、を含む登記申請情報を記憶する登記申請情報記憶手段を備えた不動産登記申請情報検索装置のコンピュータを、
地番及び家屋番号の一部である親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力する親番表示地図表示出力手段、
前記親番表示地図上に表示された親番の選択を受付ける親番選択受付け手段、
前記親番選択受付け手段によって選択が受付けられた親番を前記地番及び家屋番号に対応する情報に含む登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から抽出し、前記受付年月に対応する情報および前記登記の目的を示す情報を列挙して表示出力をする登記申請情報表示出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の登記申請情報の中から所望の情報を検索する不動産登記申請情報検索装置及び不動産登記申請情報検索方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産の売却、購入、遺贈、などを行う場合には不動産に関する登記申請を行う必要がある。ここで、不動産業者などは、登記申請が行われた物件を地図(世界測地座標で表された)や公図(土地の境界や建物の位置を確定するために国で管理される地図)を参照して特定し、その繰り返しにより、登記申請の行われた不動産物件等の調査を行って、後のビジネスに利用している。なお、関連する技術として、検索要求に基づいて、地図情報と登記情報をモニタなどの画面に表示する登記地図システムの技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−302051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、不動産登記申請情報では、国の行政機関である登記所が付した土地の番号である「地番」によって不動産の特定が行われている。一方、通常の地図では住所によって不動産の位置が特定されている。したがって、不動産業者などの登記申請情報に基づいて不動産の物件の位置を特定する者は、その不動産の位置を確認する手間を要している。また、不動産登記申請情報は、不動産にどのような権利の移動(売却、遺産相続、贈与など)が行われたかの情報が記載されているが、そのような情報に基づいて、将来ビジネス価値が向上する不動産を検索するといったシステムの開発が望まれていた。
【0005】
そこでこの発明は、不動産登記申請情報を用いて不動産会社等の業者がビジネス価値の向上する不動産を検索でき、容易にその位置を把握することができる不動産登記申請情報検索装置及び不動産登記申請情報検索方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、地番の親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力する親番表示地図表示出力手段と、前記親番に対応する公図を記憶する公図記憶手段と、前記親番の選択を受け付けることにより、前記親番に対応する公図を前記親番表示地図とは別に表示出力する公図表示出力手段と、前記地番における登記申請情報を記憶する登記申請情報記憶手段と、前記親番の選択に基づいて、当該親番に対応する地番における前記登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から読み取って表示出力する登記申請情報表示出力手段と、を備えることを特徴とする不動産登記申請情報検索装置である。
【0007】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索装置において、ローン借換え見込み対象物件の検索指示の入力を受け付けるローン借換え検索入力受付手段と、ローン借換え発生対象期間の入力を受け付けるローン借換え発生対象期間入力受付手段と、前記ローン借換え発生対象期間と金利固定期間とに基づいて、前記ローン借換え発生対象期間より金利固定期間で示される期間分前の期間を示すローン開始期間を算出するローン開始期間算出手段と、前記ローン借換え見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が新規を示す情報と、当該登記対象の物件の用途が家屋を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第1条件と、前記登記の目的が所有権保存を示す情報と、前記登記の目的が抵当権設定を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第2条件と、前記ローン開始期間を示すローン借換え見込み検索第3条件と、に合致するローン借換え対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索してローン借り換え見込み対象物件となる登記申請情報を抽出するローン借り換え見込み対象物件抽出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索装置において、新築見込み対象物件の検索指示の入力を受け付ける新築見込み検索入力受付手段と、前記新築見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記対象の物件の用途が土地を示す情報と、登記の目的が所有権移転かつ売買を示す情報とからなる新築見込み検索第1条件と、現在から所定の期間過去の申請年月日である土地登記申請日特定情報を示す新築見込み検索第2条件と、に合致する新築見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その新築見込み対象第1次検索結果を抽出する新築見込み対象第1次検索手段と、前記新築見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、関連する建物の登記申請情報が有ることを示す外筆情報が記録されている登記申請情報、または申請番号が連番で地番表記に同一地番が記録されている建物の登記申請情報が前記登記申請情報記憶手段から検索できる登記申請情報を削除して、新築見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する新築見込み対象物件抽出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索装置において、売却見込み対象物件の検索指示の入力を受け付ける売却見込み検索入力受付手段と、前記売却見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が所有権移転であってかつ相続または遺贈を示す売却見込み検索第1条件に合致する売却見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その売却見込み対象第1次検索結果を抽出する売却見込み対象第1次検索手段と、前記売却見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、前記登記の目的が所有権移転かつ売買を示す登記申請情報を特定して、売却見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する売却見込み対象物件抽出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、親番表示地図表示出力手段が、地番の親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力し、公図記憶手段が、前記親番に対応する公図を記憶し、公図表示出力手段が、前記親番の選択を受け付けることにより、前記親番に対応する公図を前記親番表示地図とは別に表示出力し、登記申請情報記憶手段が、前記地番における登記申請情報を記憶し、登記申請情報表示出力手段が、前記親番の選択に基づいて、当該親番に対応する地番における前記登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から読み取って表示出力することを特徴とする不動産登記申請情報検索方法である。
【0011】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索方法において、ローン借換え検索入力受付手段が、ローン借換え見込み対象物件の検索指示の入力を受け付け、ローン借換え発生対象期間入力受付手段が、ローン借換え発生対象期間の入力を受け付け、ローン開始期間算出手段が、前記ローン借換え発生対象期間と金利固定期間とに基づいて、前記ローン借換え発生対象期間より金利固定期間で示される期間分前の期間を示すローン開始期間を算出し、ローン借り換え見込み対象物件抽出手段が、前記ローン借換え見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が新規を示す情報と、当該登記対象の物件の用途が家屋を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第1条件と、前記登記の目的が所有権保存を示す情報と、前記登記の目的が抵当権設定を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第2条件と、前記ローン開始期間を示すローン借換え見込み検索第3条件と、に合致するローン借換え対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索してローン借り換え見込み対象物件となる登記申請情報を抽出することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索方法において、新築見込み検索入力受付手段が、新築見込み対象物件の検索指示の入力を受け付け、新築見込み対象第1次検索手段が、前記新築見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記対象の物件の用途が土地を示す情報と、登記の目的が所有権移転かつ売買を示す情報とからなる新築見込み検索第1条件と、現在から所定の期間過去の申請年月日である土地登記申請日特定情報を示す新築見込み検索第2条件と、に合致する新築見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その新築見込み対象第1次検索結果を抽出し、新築見込み対象物件抽出手段が、前記新築見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、関連する建物の登記申請情報が有ることを示す外筆情報が記録されている登記申請情報、または申請番号が連番で地番表記に同一地番が記録されている建物の登記申請情報が前記登記申請情報記憶手段から検索できる登記申請情報を削除して、新築見込み対象物件となる登記申請情報を抽出することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上述の不動産登記申請情報検索方法において、売却見込み検索入力受付手段が、売却見込み対象物件の検索指示の入力を受け付け、売却見込み対象第1次検索手段が、前記売却見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が所有権移転であってかつ相続または遺贈を示す売却見込み検索第1条件に合致する売却見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その売却見込み対象第1次検索結果を抽出し、売却見込み対象物件抽出手段が、前記売却見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、前記登記の目的が所有権移転かつ売買を示す登記申請情報を特定して、売却見込み対象物件となる登記申請情報を抽出することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、地番の親番に対応する公図を記憶する公図記憶手段と、前記地番における登記申請情報を記憶する登記申請情報記憶手段と、を備えた不動産登記申請情報検索装置のコンピュータを、前記地番の親番を地図上に表示した親番表示地図を表示出力する親番表示地図表示出力手段、前記親番の選択を受け付けることにより、前記親番に対応する公図を前記親番表示地図とは別に表示出力する公図表示出力手段、前記親番の選択に基づいて、当該親番に対応する地番における前記登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から読み取って表示出力する登記申請情報表示出力手段、として機能させるためのプログラムである。
【0015】
また本発明は、上記各手段に加え、さらに、前記コンピュータをローン借換え見込み対象物件の検索指示の入力を受け付けるローン借換え検索入力受付と、ローン借換え発生対象期間の入力を受け付けるローン借換え発生対象期間入力受付手段、前記ローン借換え発生対象期間と金利固定期間とに基づいて、前記ローン借換え発生対象期間より金利固定期間で示される期間分前の期間を示すローン開始期間を算出するローン開始期間算出手段、前記ローン借換え見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が新規を示す情報と、当該登記対象の物件の用途が家屋を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第1条件と、前記登記の目的が所有権保存を示す情報と、前記登記の目的が抵当権設定を示す情報とからなるローン借換え見込み検索第2条件と、前記ローン開始期間を示すローン借換え見込み検索第3条件と、に合致するローン借換え対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索してローン借り換え見込み対象物件となる登記申請情報を抽出するローン借り換え見込み対象物件抽出手段、として機能させるためのプログラムである。
【0016】
また本発明は、上記各手段に加え、さらに、前記コンピュータを、新築見込み対象物件の検索指示の入力を受け付ける新築見込み検索入力受付手段、前記新築見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記対象の物件の用途が土地を示す情報と、登記の目的が所有権移転かつ売買を示す情報とからなる新築見込み検索第1条件と、現在から所定の期間過去の申請年月日である土地登記申請日特定情報を示す新築見込み検索第2条件と、に合致する新築見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その新築見込み対象第1次検索結果を抽出する新築見込み対象第1次検索手段、前記新築見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、関連する建物の登記申請情報が有ることを示す外筆情報が記録されている登記申請情報、または申請番号が連番で地番表記に同一地番が記録されている建物の登記申請情報が前記登記申請情報記憶手段から検索できる登記申請情報を削除して、新築見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する新築見込み対象物件抽出手段、として機能させるためのプログラムである。
【0017】
また本発明は、上記各手段に加え、さらに、前記コンピュータを、売却見込み対象物件の検索指示の入力を受け付ける売却見込み検索入力受付手段、前記売却見込み対象物件の検索指示に基づいて、登記の目的が所有権移転であってかつ相続または遺贈を示す売却見込み検索第1条件に合致する売却見込み対象となる物件の登記申請情報を前記登記申請情報記憶手段から検索し、その売却見込み対象第1次検索結果を抽出する売却見込み対象第1次検索手段、前記売却見込み対象第1次検索結果として検索された登記申請情報中から、前記登記の目的が所有権移転かつ売買を示す登記申請情報を特定して、売却見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する売却見込み対象物件抽出手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザは、指定した住所に対応する地図と、公図を労力なく閲覧することができ、またその公図内の地番の親番号で特定される不動産登記申請情報を容易に閲覧することができる。したがって、所望の地域における登記申請情報に基づいて、不動産に関する権利移動等によるビジネスの検討において、労力なく不動産の動向調査を行うことができる。また、不動産登記申請情報を用いて将来のビジネス価値が向上すると予測できる物件を検索したい事業者のユーザが、そのような不動産に関する登記申請情報の抽出を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】不動産登記申請情報検索装置の構成を示すブロック図である。
図2】検索画面の例を示す図である。
図3】不動産登記申請情報検索装置の処理フローを示す第1の図である。
図4】検索結果画面の生成例を示す図である。
図5】検索結果画面の例を示す図である。
図6】不動産登記申請情報検索装置の処理フローを示す第2の図である。
図7】登記申請情報のデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態による不動産登記申請情報検索装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による不動産登記申請情報検索装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1は不動産登記申請情報検索装置である。この図が示すように、不動産登記申請情報検索装置1は、入力受付部11、表示処理部12、検索処理部13、予測処理部14、制御部15、地番親番データベース16、住宅地図データベース17、公図データベース18、登記申請情報データベース19を備えている。また本実施形態において不動産登記申請情報検索装置1は、通信ネットワークを介して外部の端末装置2と接続されている。本実施形態による不動産登記申請情報検索装置1は、端末装置2からの要求に基づいて登記申請情報の検索等の処理を行い、その結果を端末装置2に送信する。なお、端末装置2からの要求に基づいて検索処理を行う場合以外にも、直接要求を受け付けて、自装置に接続されているモニタに検索結果を出力する形態であってもよい。
【0021】
ここで、入力受付部11は通信ネットワークを介して端末装置2から情報の入力を受け付ける処理部である。また表示処理部12は検索結果などを表示した画面情報を生成して端末装置2等へ送出する処理部である。また検索処理部13は、端末装置2を利用するユーザ所望の登記申請情報や、その登記申請情報に記載されている不動産の位置を特定するための地図や公図を検索する処理部である。また予測処理部14は、検索処理部13の検索結果の中から、将来的にビジネス価値が向上すると予測できる不動産に関する登記申請情報を抽出する処理部である。また制御部15は不動産登記申請情報検索装置1の各処理部を制御する制御部である。また地番親番データベース16は地番の親番号と、その親番号のアイコンを地図上に重ねて表示するための親番号画像とを記憶している。なお親番号とは、たとえば○○町100−1とうい表記であれば100が親番号である。またハイフォン以下の「1」が枝番号となる。また住宅地図データベース17は地番の親番号に対応する住所情報と住宅地図画像の情報を記憶している。また公図データベース18は地番の親番号に対応する公図画像の情報を記憶している。また登記申請情報データベース19は登記申請された情報を記憶している。
【0022】
そして、本実施形態における不動産登記申請情報検索装置1は、地番の親番の選択を受け付けることにより、当該地番の親番に対応する公図を親番表示地図とは別に表示出力する処理や、当該地番の親番の選択に基づいて、当該親番に対応する登記申請情報を表示出力する処理を行う。また、不動産登記申請情報検索装置1は、検索した登記申請情報の中から、将来的にビジネス価値が向上すると予測できる不動産に関する登記申請情報を抽出する処理を行う。
【0023】
図2は検索画面の例を示す図である。
この図は不動産登記申請情報検索装置1が、端末装置2からのアクセスに基づいて当該端末装置2に送信する検索画面を示す図である。この検索画面には図2で示すように、住所検索の指示を行うための情報入力欄、登記目的の指定を行うための情報入力欄、期間の指定を行うための情報入力欄、将来的にビジネス価値が向上すると予測できる不動産に関する登記申請情報の抽出の指示を行うための情報入力欄(ロジックボタン)などが表示されている。端末装置2を利用するユーザは、この端末装置2のモニタに表示された検索画面において、各情報の指定、選択を行い、検索の開始等の指示を行う。
【0024】
図3は不動産登記申請情報検索装置の処理フローを示す第1の図である。
次に、不動産登記申請情報検索装置の処理の詳細について説明する。
ユーザが特定の地域における登記申請情報を閲覧したいと希望する場合、ユーザは端末装置2を操作して不動産登記申請情報検索装置1へアクセスする。すると、不動産登記申請情報検索装置1の表示処理部12は、検索画面(図2)のデータを端末装置2へ送信し(ステップS101)、これにより端末装置2のモニタに検索画面が表示される。ユーザはこの検索画面において、検索したい住所の入力、登記目的の入力、期間(登記申請情報が申請された期間)の入力を行い、検索ボタンを押下する。すると端末装置2は検索画面で入力された情報を格納した検索要求を不動産登記申請情報検索装置1へ送信し、不動産登記申請情報検索装置1の入力受付部11がその検索要求を受け付ける(ステップS102)。そして、不動産登記申請情報検索装置1の検索処理部13は検索要求に格納されている端末装置2で入力された情報を検出し、その検索条件に基づいて検索処理を開始する(ステップS103)。
【0025】
まず、検索処理部13は入力を受け付けた検索要求に格納された検索対象の住所の情報に基づいて、住宅地図データベース17から地番の親番号を特定する(ステップS104)。例えば、住所が東京都新宿区である場合には、当該東京都新宿区の情報に対応付けられて記録されている所定の地点の地番の親番号を地図データベース17から読み取る。そして、その特定した地番の親番号を中心とする所定の表示範囲の親番号画像を地番親番データベース16から読み取る(ステップS105)。また、特定した地番の親番号に対応する前記所定の地点を中心とする所定の表示範囲の地図画像を住宅地図データベース16から読み取り(ステップS106)、また地番親番データベース16から読み取った地番とその親番号に対応付けられて公図データベース18に記録されている公図画像を読み取る(ステップS107)。さらに検索処理部13は、地番親番データベース16から読み取った地番とその親番号を情報に含む登記申請情報を登記申請情報データベース19から検索する(ステップS108)。例えば、住所が東京都新宿区である場合には、その東京都新宿区に対応する地番とその親番号に基づいてその番号が記録された登記申請情報が複数検索される。そして検索処理部13は検索結果である地図画像と公図画像と親番号画像の各データと、登記申請情報のデータを表示処理部12に出力する。表示処理部12は、検索処理部13から出力された地図画像のデータ、公図画像のデータ、親番号画像データ、および登記申請情報に基づいて、それら地図画像、公図画像、親番号画像、検索結果の登記申請情報を端末装置2に表示させる検索結果画面を生成し、その検索結果画面のデータを、通信ネットワークを介して端末装置2へ送信する(ステップS109)。そして、端末装置2においては、検索結果画面をモニタに表示する。
【0026】
図4は検索結果画面の生成例を示す図である。
図5は検索結果画面の例を示す図である。
図4で示すように、表示処理部12は、特定した地番の親番号を基準にして、当該地番の親番号の前記所定の地点の位置を中心とする所定の表示範囲の地図画像と親番号画像とを重ねる処理を行い、地図画像に親番号が表示された親番号表示地図画像を生成する。そして、その親番号表示地図画像と、公図画像および登記申請情報とを別々に表示する検索結果画面のデータを生成して、端末装置2に送信する。なお、地図画像に表示される親番号は、例えばアイコンとして地図画像に埋め込まれており、この親番号のアイコンの表示範囲をユーザがマウス等で選択することにより、その地番と親番号を格納した登記申請情報抽出要求を端末装置1が送信するためのプログラムが検索結果画面のデータに格納されているものとする。したがって、ユーザは検索結果画面に表示された複数の親番号から特定の親番号をマウスなどで選択することにより、その親番号が記録された登記申請情報を絞り込んで検索することができる。なお、不動産登記申請情報検索装置1においては登記申請情報抽出要求に基づいて、指定された地番の親番号の記載されている登記申請情報のみを抽出して、その抽出結果を端末装置2へ送信する処理を行うこととなる。
【0027】
これにより、検索の指示を行ったユーザは、指定した住所に対応する地図と、公図を労力なく閲覧することができ、またその公図内の地番の親番号で特定される不動産登記申請情報を容易に閲覧することができる。したがって、所望の地域における登記申請情報に基づいて、不動産に関する権利移動等によるビジネスの検討において、労力なく不動産の動向調査を行うことができる。
【0028】
図6は不動産登記申請情報検索装置の処理フローを示す第2の図である。
次に、不動産登記申請情報検索装置の予測処理部14の処理フローについて説明する。
端末装置1のユーザは、検索結果画面に表示された登記申請情報、または登記申請情報データベース19に格納された登記申請情報の中から、将来的にビジネス価値が向上すると予測できる不動産に関する登記申請情報の抽出指示を行うことができる。本実施形態においては、将来的にローンの借り換えが発生する人の居住する不動産(戸建、マンション)に関する登記申請情報(以下、ローン借り換え見込み対象物件)、将来的に新築が見込まれる土地に関する登記申請情報(以下、新築見込み対象物件)、将来的に売却が見込まれる土地や建物に関する登記申請情報(以下、売却見込み対象物件)の抽出を行う。なお、ローン借り換え見込み対象物件に関する登記申請情報を抽出することにより、金融機関などの業者は、その不動産を保有する人がローンの借り換えを行う可能性があることを把握することができ、これによりローンの借り換えを自社で行うよう勧誘することが可能となる。また新築見込み対象物件に関する登記申請情報を抽出することにより、建築業者は、その不動産を保有する人に対して自社に建築依頼をするよう勧誘することが可能となる。また売却見込み対象物件に関する登記申請情報を抽出することにより、不動産売買仲介業者は、その不動産を保有する人に対して自社で不動産仲介を行うよう勧誘することが可能となる。
【0029】
そして、この処理においては、まず、端末装置2はユーザより、検索画面に表示されている登記申請情報の抽出の指示を行うための情報入力欄(ロジックボタン)のうち、「ローン借り換え見込み対象物件」、「新築見込み対象物件」、「売却見込み対象物件」のいずれかの抽出対象物件の選択を受け付ける(ステップS201)。すると、端末装置2は、必要な場合には、その選択された抽出対象物件情報(ローン借り換え見込み対象物件、新築見込み対象物件、売却見込み対象物件)を検索するための検索条件の入力欄を表示する。検索条件の入力欄が検索画面にあらかじめ表示されていてもよい。また検索条件の入力欄が特に表示されない場合があってもよい。そして、選択された抽出対象物件情報(ローン借り換え見込み対象物件、新築見込み対象物件、売却見込み対象物件)と、必要であれば、検索条件の入力欄で入力された情報とを格納した抽出要求を不動産登記申請情報検索装置1へ送信する(ステップS202)。不動産登記申請情報検索装置1が抽出要求を受信すると(ステップS203)、予測処理部14がその抽出要求から抽出対象物件情報(ローン借り換え見込み対象物件または新築見込み対象物件または売却見込み対象物件)と検索条件とを抽出し、それらの情報に基づいて、抽出対象物件情報に該当する登記申請情報の抽出を行う(ステップS204)。そして、表示処理部12がその抽出結果を示す抽出結果画面を生成して(ステップS205)、端末装置2へ送信する(ステップS206)。これにより、端末装置2が抽出結果画面を表示することにより(ステップS207)、ユーザは、ローン借り換え見込み対象物件、築見込み対象物件、新築見込み対象物件に関する登記申請情報を参照することができる。
【0030】
次に、ローン借り換え見込み対象物件の抽出の処理の詳細について説明する。
まず、ローン借り換え見込み対象物件の選択を受けた場合、端末装置1は、ローン借換え発生対象期間の入力を受け付けるための検索条件の入力欄をモニタに表示する。ローン借り換え発生対象期間とは、その期間の間に、ローンの金利がローン開始後当初の固定金利から変動金利に変更される不動産物件を特定するための期間である。不動産住宅ローンは、借り入れ後3年や5年などで固定金利期間が終了し、その後、変動金利へと移行するローンが存在する。したがって、ローン借り換え発生対象期間を検索条件と指定することで、その期間に固定金利期間が終了する物件を検索できるため、その不動産物件の保有者に対してローンの借り換えを行うよう勧誘することが可能となる。そして、端末装置1は検索条件の入力欄にローン借換え発生対象期間の入力を受け付けると、ローン借り換え見込み対象物件を示す情報と、ローン借換え発生対象期間と、を格納した抽出要求を不動産登記申請情報検索装置1へ送信する。
【0031】
次に、不動産登記申請情報検索装置1が抽出要求を受信すると、予測処理部14が、その抽出要求からローン借り換え見込み対象物件を示す情報と、ローン借換え発生対象期間とを検出する。そして、予測処理部14は、予めメモリなどで記憶する金利固定期間(3年または5年などの情報)を読み取る。なお、この金利固定期間は端末装置1のユーザが検索条件の入力欄に入力してそれを受け付けるようにしてもよい。そして、予測処理部14はローン借換え発生対象期間より金利固定期間で示される期間分前の期間を示すローン開始期間を算出する。つまり、ローン借換え発生対象期間として現在の年月日から半年後〜1年後の各年月日の入力を受け付けた場合、金利固定期間が3年であれば、現在の年月日から2年半前〜2年前の各年月日のローン開始期間が算出される。なお、このローン開始期間に登記申請されている場合には、ローン借換え発生対象期間においてローンの借り換えが発生するローン借り換え見込み対象物件である可能性があると判定できる。
【0032】
そして予測処理部14は、登記の目的が新規を示す情報(登記目的=表題)と、登記申請対象の物件の用途が家屋を示す情報(用途=建物、区分建物)とからなるローン借換え見込み検索第1条件と、登記の目的が所有権保存を示す情報(登記目的=所有権保存)と、登記の目的が抵当権設定を示す情報(登記目的=抵当権設定)とからなるローン借換え見込み検索第2条件と、ローン開始期間を示すローン借換え見込み検索第3条件と、に合致するローン借換え対象となる物件の登記申請情報をローン借り換え見込み対象第1次検索結果として、登記申請情報データベース19または、検索結果画面に出力した登記申請情報の中から抽出する。
【0033】
図7は登記申請情報のデータ例を示す図である。
この図が示すように、登記申請情報は、その申請を特定するID、その申請に関連する関連ファイル名、登記申請の請求が行われた請求日、請求期間の開始日および終了日、法務局名、登記申請の受付年月日、受付番号、登記申請された対象物件を特定する情報としての都道府県名、市区町村名、大字・町名、地番及び家屋番号、分筆後地番、外筆数、住所、登記の目的、用途、などが対応付けられたデータであり、登記申請情報ごとに、これらの図6で示す情報が記録されている。
【0034】
つまり、予測処理部14の上記処理によれば、まず、登記目的が「表題」と記録されている登記申請情報を抽出する。これは登記目的が「表題」となっていれば新規の登記申請であることを示し、新しく家屋やマンションなどの建物が購入された場合には、登記目的が「表題」として登記申請されるためである。また予測処理部14は、その抽出結果から、用途が「建物」もしくは「区分建物」と記録されている登記申請情報を抽出する。これは用途が「建物」であれば一戸建住宅の登記申請情報であり、また用途が「区分建物」であればマンションの登記申請情報であると判定できるためである。また次に予測処理部14は、その抽出結果から、登記目的が「所有権保存」と記録されている登記申請情報を抽出する。これは登記目的が「所有権保存」であれば、それは登記申請者が不動産物件の所有権を自身に保存するという申請をしていることを示しており、これにより不動産の保有の権利がその登記申請者に渡ることを示しているためである。また予測処理部14は、その抽出結果から登記目的が「抵当権設定」と記録されている登記申請情報を抽出する。これは登記目的が「抵当権設定」であれば、金融機関が融資を行ったことによりその物件に抵当権の設定を行ったことが明確な登記申請情報と特定できるからである。そして予測処理部14は、最後にその抽出結果から、上記算出したローン開始期間に登記申請された、つまりその期間の年月日が登記申請情報の受付年月日に記録された登記申請情報を抽出する。これは、上記算出したローン開始期間に登記申請されていれば、ユーザより入力を受け付けたローン借換え発生対象期間(例えば半年後〜1年後)にローン借り換えの発生する可能性のある物件であると判定できるためである。
【0035】
以上の予測処理部14におけるローン借り換え見込み対象物件の抽出の処理によれば、金融機関などの業者は、その不動産を保有する人がローンの借り換えを行う可能性があることを把握することができ、これによりローンの借り換えを自社で行うよう勧誘することが可能となる。
【0036】
次に、新築見込み対象物件の抽出の処理の詳細について説明する。
まず、新築見込み対象物件の選択を受けた場合、端末装置1は、検索条件の入力欄を表示せずに、新築見込み対象物件を示す情報を格納した抽出要求を不動産登記申請情報検索装置1へ送信する。次に、不動産登記申請情報検索装置1が抽出要求を受信すると、予測処理部14が、その抽出要求から新築見込み対象物件を示す情報を検出する。そして、予測処理部14は、登記対象の物件の用途が土地を示す情報(用途=土地)と、登記の目的が所有権移転かつ売買を示す情報(登記目的=所有権移転(売買))とからなる新築見込み検索第1条件と、現在から所定の期間過去の申請年月日である土地登記申請日特定情報を示す新築見込み検索第2条件と、に合致する登記申請情報(新築見込み対象第1次検索結果)を、登記申請情報データベース19または検索結果画面に出力した登記申請情報の中から抽出する。なお、現在から所定の期間過去の申請年月日を示す土地登記申請日特定情報は、現在より所定の期間過去の日までの間に申請された、用途が「土地」の登記申請情報を特定するための情報である。例えば所定の期間を6ヶ月とすると、6ヶ月前の日以降に、用途が「土地」の登記申請が行われていれば、その土地に新築が立てられる可能性があると判定できる。なお、6ヶ月前の日より以前に用途が「土地」の登記申請情報は、すでに建物が建築されてしまっている可能性もあるため除外することが必要である。この現在から所定の期間過去の申請年月日を示す土地登記申請日特定情報の値は、予め不動産登記申請情報検索装置1が記憶していても良いし、端末装置2が表示する検索条件の入力画面においてユーザが入力するようにしても良い。
【0037】
また予測処理部14は、新築見込み検索第1条件と新築見込み検索第2条件によって抽出された新築見込み対象第1次検索結果から、さらに、関連する建物の登記申請情報が有ることを示す外筆情報が記録されている登記申請情報、または申請番号が連番で地番表記に同一地番が記録されている建物の登記申請情報が登記申請情報データベース19から検索できる登記申請情報を削除して、新築見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する。
【0038】
つまり、予測処理部14の上記新築見込み対象物件の抽出処理によれば、まず、用途が「土地」と記録されている登記申請情報を抽出する。これはつまり、家が建てられる場合にはまず土地が購入され、該購入者が登記申請を行うはずであるから、まず、用途が「土地」の登記申請を抽出する必要があるためである。また予測処理部14は、その抽出結果から、登記目的が「所有権移転(売買)」と記録されている登記申請情報を抽出する。これは土地の登記申請であって、所有権が移転したということは、その土地に家が建築される可能性があるためである。また次に予測処理部14は、その抽出結果から、土地登記申請日特定情報に基づいて、現在から所定の期間過去の申請年月日を記録した登記申請情報を抽出して抽出結果から削除する。これは、ある所定の期間(例えば6ヶ月)前の日より以前に土地の登記申請がされた場合には、すでに建物が建築されてしまっている可能性があり、そのような登記申請情報を削除するために必要な抽出処理である。
【0039】
また次に予測処理部14は、その抽出結果において、関連する建物の登記申請情報が有ることを示す外筆情報が記録されている登記申請情報を削除する。つまり、外筆とは、土地の登記申請に関連して、その土地に建てられる建物の登記申請が行われたかどうかを示す情報である。例えば登記申請情報内の外筆の情報として「1」という値が記録されていれば、登記申請された土地に建てられた建物1つの登記申請が別途行われているということを示す。したがって、外筆が記録された土地の登記申請情報を抽出しても、その土地に建物が建てられている可能性が大きいため不必要であるから、そのような登記申請情報は削除することが必要となる。
【0040】
また次に予測処理部14は、これまでに抽出した登記申請情報から申請番号と地番を読み取る。そして、当該読み取った申請番号に前または後ろで連番となる登記申請情報を記申請情報データベース19から検索する。さらに予測処理部14はその検索結果から、前記読み取った地番の親番と、同一の地番の親番が記録されている建物の登記申請情報があるかを判定し、ある場合にはその登記申請情報に連番となる登記申請情報を抽出結果から削除する。つまり、ある土地の登記申請情報と連番の建物の登記申請情報がある場合には、土地と建物とが対になって一緒に登記申請された場合であるから、すでに建物は建てられており、新築見込みとはならない。ある土地の登記申請情報に記録されている地番と同一地番の親番の建物に関する登記申請が行われている場合にも、すでに建物が建てられている可能性が高いと判定することができる。したがって、これらについて抽出結果から削除する必要がある。
【0041】
以上の予測処理部14における新築見込み対象物件の抽出の処理によれば、建築業者などは、その不動産を保有する人に対して自社に建築依頼をするよう勧誘することが可能となる。
【0042】
次に、売却見込み対象物件の抽出の処理の詳細について説明する。
まず、売却見込み対象物件の選択を受けた場合、端末装置1は、検索条件の入力欄を表示せずに、売却見込み対象物件を示す情報を格納した抽出要求を不動産登記申請情報検索装置1へ送信する。次に、不動産登記申請情報検索装置1が抽出要求を受信すると、予測処理部14が、その抽出要求から売却見込み対象物件を示す情報を検出する。そして、予測処理部14は、登記の目的が所有権移転であってかつ相続または遺贈を示す情報(登記の目的=所有権移転(相続,遺贈))を示す売却見込み検索第1条件に合致する登記申請情報(売却見込み対象第1次検索結果)を登記申請情報データベース19または、検索結果画面に出力した登記申請情報の中から抽出する。
また予測処理部14は、その抽出結果から、売却見込み検索第1条件によって抽出された売却見込み対象第1次検索結果から、さらに、登記の目的が所有権移転かつ売買を示す登記申請情報(登記の目的=所有権移転(売買))を削除して、売却見込み対象物件となる登記申請情報を抽出する。
【0043】
つまり、予測処理部14の処理によれば、まず、登記の目的が「所有権移転(相続,遺贈)」と記録されている登記申請情報を抽出する。これはつまり、相続や遺贈(遺言による財産の他人への贈与)の登記申請が行われた場合には、その登記申請がされた不動産物件について所有権の移転が発生するため、新たに不動産を所有する者がその物件を売却する可能性があるためである。また予測処理部14は、その抽出結果から得られる登記申請情報の地番の親番を読み取って、当該地番の親番と、同一の地番の親番が記録されている登記申請情報であって、登記の目的が「所有権移転(売買)」となる登記申請情報を登記申請情報データベース19から検索する。そして、同一の地番の親番が記録されている登記申請情報であって、登記の目的が「所有権移転(売買)」となる登記申請情報が登記申請情報データベース19にある場合には、その同一の地番の親番の登記申請情報を、登記の目的が「所有権移転(相続,遺贈)」と記録されている登記申請情報の抽出結果の中から削除する。つまり、相続や遺贈の登記申請が行われた場合でも、所有権者移転(売買)の登記申請が行われていれば、すでに他人に売却されてしまった可能性があるからである。
【0044】
以上の予測処理部14における売却見込み対象物件の抽出の処理によれば、不動産売買仲介業者などは、その不動産を保有する人に対して自社で不動産仲介を行うよう勧誘することが可能となる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、ユーザは、指定した住所に対応する地図と、公図を労力なく閲覧することができ、またその公図内の地番の親番号で特定される不動産登記申請情報を容易に閲覧することができる。したがって、所望の地域における登記申請情報に基づいて、不動産に関する権利移動等によるビジネスの検討において、労力なく不動産の動向調査を行うことができる。また、不動産登記申請情報を用いて将来のビジネス価値が向上すると予測できる物件を検索したい事業者のユーザが、そのような不動産に関する登記申請情報の抽出を容易に行うことができる。
【0046】
なお、上述の不動産登記申請情報検索装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0047】
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1・・・不動産登記申請情報検索装置
2・・・端末装置
11・・・入力受付部
12・・・表示処理部
13・・・検索処理部
14・・・予測処理部
15・・・制御部
16・・・地番親番データベース
17・・・住宅地図データベース
18・・・公図データベース
19・・・登記申請情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7