(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5777768
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム制御方法、および、コンピュータ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/426 20140101AFI20150820BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20150820BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20150820BHJP
A63F 13/573 20140101ALI20150820BHJP
A63F 13/46 20140101ALI20150820BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20150820BHJP
【FI】
A63F13/426
A63F13/80 B
A63F13/2145
A63F13/573
A63F13/46
A63F13/837
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-104460(P2014-104460)
(22)【出願日】2014年5月20日
【審査請求日】2014年5月20日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(72)【発明者】
【氏名】中村 正太郎
【審査官】
植田 泰輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−125535(JP,A)
【文献】
特開2007−34634(JP,A)
【文献】
特開2003−190629(JP,A)
【文献】
特開2011−177203(JP,A)
【文献】
特開平7−155441(JP,A)
【文献】
特開2010−167140(JP,A)
【文献】
ファミリーコンピュータゲーム必勝法スペシャル 完ペキ版スーパーマリオブラザーズ3特別号,株式会社勁文社,1989年 1月19日,初版,P.5、101、103
【文献】
筋肉番付VOL.1〜俺が最強の男だ!〜,電撃PlayStation D KONAMI FanBook 1/7臨時増刊号Vol.128,メディアワークス,2000年 1月 7日,第5巻第35号通巻124号,P.24−25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、
コンピュータに、
ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、前記ユーザの操作が前記入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得機能と、
前記第1指定位置から前記第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得機能と、
前記距離取得機能によって取得された距離に応じた強さで、前記方向取得機能によって取得された方向に、所定のシンボルが対応づけられた複数のゲーム媒体であって、いくつかのゲーム媒体が異なるサイズで表示されるゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる情報を供給し、当該選択体によって当該ゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体に対応付けられた当該所定のシンボルを前記ユーザに視認可能となるように表示させる表示処理機能と、
前記選択体によって選択された少なくとも2つのシンボルが前記ユーザにそれぞれ視認可能となった場合、当該2つのシンボルとしてのキャラクタ画像は互いに異なるが、当該キャラクタ画像にそれぞれ表されるキャラクタは同じである場合に、当該2つのシンボルが同一であると判定する判定機能とを実現させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記表示処理機能は、前記所定のシンボルが前記ユーザに視認不可能となるように、当該所定のシンボルが対応付けられたゲーム媒体を表示させるとともに、前記選択体によって前記ゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体に対応付けられた前記所定のシンボルをユーザに視認可能となるように表示させることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記判定機能によって同一と判定されたシンボルのペア数が最多となるユーザを、前記ゲームの勝者として決定する第1決定機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記判定機能によって同一と判定された場合、前記ユーザに所定の特典を付与する付与機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記付与機能は、前記ユーザがゲーム媒体をあらかじめ指定し、当該ゲーム媒体を前記選択体によって選択した場合に、前記判定機能によって同一と判定されたとき、指定しなかった場合よりも多い特典を前記ユーザに付与することを特徴とする請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ユーザによって指定されたゲーム媒体と、指定されなかったゲーム媒体とは、異なる態様で表示されることを特徴とする請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記所定の特典は、前記ゲーム媒体の属性または前記ユーザの指定に応じて定まるポイントを少なくとも含み、
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記ポイントの累積値が最大となるユーザを、前記ゲームの勝者として決定する第2決定機能をさらに実現させることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記付与機能は、前記選択体によって2つのゲーム媒体が選択された場合であって、当該2つのゲーム媒体にそれぞれ対応づけられた所定のシンボルが同一である場合、当該所定のシンボルに応じて定められた、前記ゲームとは異なる他のゲームにおいて使用可能なゲーム媒体を示す情報を、前記ユーザを一意に識別するユーザ識別子に対応づけてユーザ情報格納部に格納することによって、当該他のゲームにおいて使用可能なゲーム媒体を前記所定の特典として少なくとも付与することを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記第1指定位置から前記第2指定位置までに至る軌跡を取得する軌跡取得機能をさらに実現させ、
前記表示処理機能は、前記軌跡取得機能によって取得された軌跡に応じた経路で前記選択体が前記ゲーム媒体に向かうように、当該選択体を表示させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記選択体によって前記ゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体とは異なる他のゲーム媒体を移動させる移動機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記表示処理機能は、前記強さが所定のしきい値を超過した場合、前記選択体によって選択された前記ゲーム媒体の周囲に表示される他のゲーム媒体に、それぞれ対応づけられた前記所定のシンボルの全部または一部を、前記ユーザが一時的に視認可能となるように表示させることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、
前記ゲームが複数のユーザによってプレイされる場合、プレイする順番を前記所定のシンボルに応じて変更する変更機能をさらに実現させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
ゲームの進行を処理する、コンピュータによって実行されるゲーム制御方法であって、
ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、前記ユーザの操作が前記入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得ステップと、
前記第1指定位置から前記第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得ステップと、
前記距離取得ステップにおいて取得した距離に応じた強さで、前記方向取得ステップにおいて取得した方向に、所定のシンボルが対応づけられた複数のゲーム媒体であって、いくつかのゲーム媒体が異なるサイズで表示されるゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる情報を供給し、当該選択体によって当該ゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体に対応付けられた当該所定のシンボルを前記ユーザに視認可能となるように表示させる表示処理ステップと、
前記選択体によって選択された少なくとも2つのシンボルが前記ユーザにそれぞれ視認可能となった場合、当該2つのシンボルとしてのキャラクタ画像は互いに異なるが、当該キャラクタ画像にそれぞれ表されるキャラクタは同じである場合に、当該2つのシンボルが同一であると判定する判定ステップとを含む、コンピュータによって実行されるゲーム制御方法。
【請求項14】
ゲームの進行を処理するコンピュータであって、
ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、前記ユーザの操作が前記入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得部と、
前記第1指定位置から前記第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得部と、
前記距離取得部によって取得された距離に応じた強さで、前記方向取得部によって取得された方向に、所定のシンボルが対応づけられた複数のゲーム媒体であって、いくつかのゲーム媒体が異なるサイズで表示されるゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる情報を供給し、当該選択体によって当該ゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体に対応付けられた当該所定のシンボルを前記ユーザに視認可能となるように表示させる表示処理部と、
前記選択体によって選択された少なくとも2つのシンボルが前記ユーザにそれぞれ視認可能となった場合、当該2つのシンボルとしてのキャラクタ画像は互いに異なるが、当該キャラクタ画像にそれぞれ表されるキャラクタは同じである場合に、当該2つのシンボルが同一であると判定する判定部とを備えたコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を処理するゲームプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ティーグラウンド内を始点としたスライド操作によって、プレイヤキャラクタに対するショット操作を入力可能なプログラムが、従来から提供されている(例えば、特許文献1)。また、液晶表示機に複数のカードを表示させ、タッチ操作によって神経衰弱を楽しめるスロットマシンと連動したゲームも、提供されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−251202号公報
【特許文献2】特開2013−039443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1に開示されたプログラムは、ゴルフゲームにおいてショット入力を実現するプログラムに過ぎず、例えば、カードなどの標的に対して弾を接触させることによって、当該標的の表示を変化させることができるものではない。
【0005】
また、上記の特許文献2に記載されているスロットマシンによれば、所望のカードを選択する場合、ユーザは当該カードの表示領域を直接タッチ操作するだけでよいため、上記スロットマシンは、例えば、射的のようにカードが選択されるか否かについての不確実性をゲームの要素にすることができない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のゲームよりも興趣性の高いゲームを実現可能なゲームプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、ユーザの操作が入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得機能と、第1指定位置から第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得機能と、距離取得機能によって取得された距離に応じた強さで、方向取得機能によって取得された方向に、所定のシンボルが対応づけられたゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる表示処理機能とを実現させる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、表示処理機能は、所定のシンボルがユーザに視認不可能となるように、当該所定のシンボルが対応付けられたゲーム媒体を表示させるとともに、選択体によってゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体に対応付けられた所定のシンボルをユーザに視認可能となるように表示させ、ゲームプログラムは、コンピュータに、少なくとも2つのシンボルがユーザに視認可能となった場合、当該2つのシンボルが同一か否かを判定する判定機能をさらに実現させてよい。
【0009】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、判定機能によって同一と判定されたシンボルのペア数が最多となるユーザを、ゲームの勝者として決定する第1決定機能をさらに実現させてよい。
【0010】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、判定機能によって同一と判定された場合、ユーザに所定の特典を付与する付与機能をさらに実現させてよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、所定の特典は、ゲーム媒体の属性またはユーザの指定に応じて定まるポイントを少なくとも含み、ゲームプログラムは、コンピュータに、ポイントの累積値が最大となるユーザを、ゲームの勝者として決定する第2決定機能をさらに実現させてよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、選択体によって2つのゲーム媒体が選択された場合であって、当該2つのゲーム媒体にそれぞれ対応づけられた所定のシンボルが同一である場合、所定の特典は、当該所定のシンボルに応じて定められた、ゲームとは異なる他のゲームにおいて使用可能なゲーム媒体を少なくとも含んでよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、第1指定位置から第2指定位置までに至る軌跡を取得する軌跡取得機能をさらに実現させ、表示処理機能は、軌跡取得機能によって取得された軌跡に応じた経路で選択体がゲーム媒体に向かうように、当該選択体を表示させてよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、選択体によってゲーム媒体が選択された場合、当該ゲーム媒体とは異なる他のゲーム媒体を移動させる移動機能をさらに実現させてよい。
【0015】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムにおいて、表示処理機能は、強さが所定のしきい値を超過した場合、選択体によって選択されたゲーム媒体の周囲に表示される他のゲーム媒体に、それぞれ対応づけられた所定のシンボルの全部または一部を、ユーザが一時的に視認可能となるように表示させてよい。
【0016】
また、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、コンピュータに、ゲームが複数のユーザによってプレイされる場合、プレイする順番を所定のシンボルに応じて変更する変更機能をさらに実現させてよい。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータの制御方法は、ゲームの進行を処理するコンピュータの制御方法であって、ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、ユーザの操作が入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得ステップと、第1指定位置から第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得ステップと、距離取得ステップにおいて取得した距離に応じた強さで、方向取得ステップにおいて取得した方向に、所定のシンボルが対応づけられたゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示する表示ステップとを含んでいる。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンピュータは、ゲームの進行を処理するコンピュータであって、ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、ユーザの操作が入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得部と、第1指定位置から第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得部と、距離取得部によって取得された距離に応じた強さで、方向取得部によって取得された方向に、所定のシンボルが対応づけられたゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる表示処理部とを備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、および、コンピュータは、第1指定位置から第2指定位置までの距離および方向に基づいて、所定のシンボルが対応づけられたゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させることができる。したがって、上記ゲームプログラム等は、興趣性の高いゲームを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。
【
図2】本実施の形態に係る情報処理システムの機能構成ブロック図である。
【
図3】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図4】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図5】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図6】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図7】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図8】上記情報処理システムにおけるゲームの処理の図である。
【
図9】上記情報処理システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】上記情報処理システムのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜
図10に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
〔情報処理システム1の概要〕
図1は、表示部80に表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。情報処理システム(コンピュータ)1は、タッチパネルを含む表示部80を有する情報処理端末を備える。情報処理システム1は、情報処理端末の上記タッチパネルを介して取得するユーザの指示に応じて、あらかじめ定められた情報処理を順次実行することによってゲームを進行させる。
【0023】
上記情報処理端末としては、例えば、スマートフォンもしくは携帯電話などの携帯通信端末、またはタッチパネルを備えるタブレット端末やノートPCなどの情報処理システムが挙げられる。そして、本実施の形態に係る情報処理システム1において実行されるゲームプログラムは、一例として、射的要素を含む神経衰弱ゲームのプログラムである。
【0024】
例えば、情報処理システム1は、タッチパネル上で連続的に少なくとも2点(
図1に例示するように、第1の点200および第2の点202)が選択された場合、これら2点間の距離を示す情報、および一方の点から他方の点への方向を示す情報を取得する。そして、情報処理システム1は、取得した情報に基づいて決定される場所に向けて、所定の場所から移動する「弾」の画像100を表示部80に表示させる。例えば、情報処理システム1は、始点としての第1の点200と終点としての第2の点202とがこの順で指定された場合、第2の点202から第1の点200に向かう方向に沿って、第1の点200と第2の点202との間の距離に応じた速度で移動する画像100を、表示部80に表示させる。
【0025】
そして、情報処理システム1は、表示部80にあらかじめ表示されているカード300に上記弾の画像100が接触した場合(すなわち、カード300が表示されている領域に「弾」の位置座標が含まれた場合、換言すれば、上記取得した情報に基づいて決定される位置座標が、カード300が表示されている領域に含まれる場合)、カード300にあらかじめ対応づけられている画像を表示する。
【0026】
情報処理システム1は、ユーザの指示に応じて同様の情報処理をさらに一度実行することによって、2枚のカード(例えば、カード300およびカード302)にそれぞれ対応づけられている画像を表示する。そして、情報処理システム1は、表示された各画像があらかじめ定められたルールに基づいて、ペアを形成するか否かを判断することによって神経衰弱ゲームを実行する。
【0027】
なお、情報処理システム1および/または情報処理端末において実行されるゲームプログラムは、情報処理システム1が備えるサーバに格納されていてもよい。本実施の形態におけるサーバは、1つ以上のサーバであって、複数のサーバを含んで構成することもできる。また、情報処理システム1は複数の情報処理端末を含むことができる。以下の説明では説明を簡略化するため、1つの情報処理端末を用いる例を説明する。
【0028】
〔情報処理システム1の構成〕
図2は、本実施の形態に係る情報処理システム1の機能構成ブロックの一例を示す。
【0029】
情報処理システム1は、ユーザ操作を受け付ける入力面10と、入力面10上におけるユーザ操作の位置を検知する位置検知部12と、入力面10上における2点間の距離を取得する距離取得部20と、当該2点により決定される方向を取得する方向取得部22と、ユーザ操作の入力面10上における軌跡を取得する軌跡取得部24と、表示部80の表示を制御する表示処理部30と、ゲーム媒体などの画像情報を格納する画像格納部32と、少なくとも2つのゲーム媒体に対応づけられているシンボルが互いに一致するか否かを判定する判定部40と、判定部40の結果に応じてユーザに特典を付与する付与部50と、複数のゲーム媒体の表示部80上における表示位置を移動させる移動部60と、複数のユーザがゲームを実行する場合にユーザのプレイする順番を変更させる変更部70と、ゲーム媒体などを表示する表示部80とを備える。
【0030】
(入力面10、位置検知部12)
入力面10は、ユーザの操作によって指定された位置を検知する。具体的に、位置検知部12は、入力面10上においてユーザが指(または、スタイラスなどの指示具)で指定した位置を示す情報を取得する。例えば、位置検知部12は、入力面10上でユーザが初めに指で指定する第1指定位置を示す情報と、ユーザが入力面10上に沿って指を移動させ、当該指の移動を停止させることによって次に指定する第2指定位置を示す情報とを検知し、取得する。位置検知部12は、取得した情報を、距離取得部20、方向取得部22、および軌跡取得部24に供給する。
【0031】
(距離取得部20)
距離取得部20は、位置検知部12から供給される情報に基づいて、ユーザが入力面10上で指定した2点間の距離を示す情報を取得する。例えば、距離取得部20は、上記第1指定位置から上記第2指定位置までの距離を示す情報を取得する。距離取得部20は、取得した情報を表示処理部30に供給する。
【0032】
(方向取得部22)
方向取得部22は、位置検知部12から供給される情報に基づいて、入力面10上でユーザにより指定された方向を示す情報を取得する。具体的に、方向取得部22は、上記第1指定位置から上記第2指定位置に向かう方向を示す情報を取得する。方向取得部22は、取得した情報を表示処理部30に供給する。
【0033】
(軌跡取得部24)
軌跡取得部24は、ユーザの入力面10上における操作の軌跡を示す情報を取得する。具体的に、軌跡取得部24は、入力面10上の第1の位置(第1指定位置)から第2の位置(第2指定位置)までユーザが指(または、スタイラスなどの指示具)をスライドさせた場合、第1の位置から第2の位置までの指の経路(軌跡)を示す情報を取得する。軌跡取得部24は、取得した軌跡を示す情報を表示処理部30に供給する。
【0034】
(表示処理部30)
表示処理部30は、ゲーム媒体などを表示する表示部80の表示動作を制御する。表示処理部30は、画像格納部32から所定の画像を取得して、表示部80に表示する。一例として、表示部80にゲーム媒体としての複数のカード(例えば、当該カードにはそれぞれ少なくとも2種類の画像が対応づけられている。そして、ここでは、一方の画像がカードの裏面画像、他方の画像がカードの表面画像であって、当該表面画像は所定のシンボルとしてのキャラクタ画像である)が表示されるとともに、ユーザの操作に応じて、表示部80のあらかじめ定められた領域から「弾」(選択体)の画像が射出される場合を説明する。
【0035】
具体的に、表示処理部30は、距離取得部20から供給される距離を示す情報に基づいて、「弾」があらかじめ定められた位置から射出される強さもしくは速度を決定する。また、表示処理部30は、方向取得部22から供給される方向を示す情報に基づいて、当該「弾」が射出される方向を決定する。そして、表示処理部30は、決定した強さもしくは速度で、決定した方向に「弾」が射出される動画および/または静止画を表示部80に表示させる。
【0036】
表示処理部30は、選択体としての「弾」の画像がゲーム媒体としての「カード」に接触するまで、当該カードに対応づけられているシンボルとしてのキャラクタ画像(表面画像)をユーザに視認不可能にする。例えば、表示処理部30は、当該表面画像を表示部80に表示させず、裏面画像を表示部80に表示する。そして、表示処理部30は、選択体によりゲーム媒体が選択された場合(すなわち、「弾」の画像が「カード」の画像に接触した場合)、ゲーム媒体としての「カード」に対応づけられたキャラクタ画像(表面画像)をユーザに視認可能に表示部80に表示させる(すなわち、表示処理部30は、カードの表裏を反対にすることで、当該キャラクタ画像を表示部80に表示させる)。
【0037】
また、表示処理部30は、軌跡取得部24から供給される軌跡を示す情報に基づいて、選択体の移動を示す画像を表示部80に表示させる。すなわち、表示処理部30は、当該選択体が、当該軌跡に応じた経路に沿って、あらかじめ定められた位置からゲーム媒体に向けて進むように、当該選択体が移動する画像を表示部80に表示する。一例として、表示処理部30は、当該軌跡が蛇行する軌跡である場合、選択体をゲーム媒体に向けて当該蛇行する軌跡に沿って表示部80上を移動させる。
【0038】
また、表示処理部30は、距離取得部20から供給される距離を示す情報に基づいて決定される、選択体が射出される強さが、所定のしきい値を超過するか否かを判定する。そして、表示処理部30は、当該強さが当該所定のしきい値を超過した場合、選択体によって選択されたゲーム媒体の周囲に表示される他のゲーム媒体にそれぞれ対応づけられた所定のシンボル(すなわち、キャラクタ画像)の全部または一部を、ユーザが一時的に視認可能となるように表示する。
【0039】
すなわち、表示処理部30は、「弾」が一のカードに接触した場合における当該「弾」の射出の強さが上記所定のしきい値以上の場合、当該一のカードの周囲に表示されている、少なくとも一枚の他のカードの少なくとも一部分が捲れるように、表示部80に表示させる。表示処理部30は、表示部80におけるゲーム媒体および/または選択体などの表示状況を示す情報を、判定部40に供給する。なお、表示処理部30は、選択体とゲーム媒体との間に所定の障害物などのオブジェクトを、表示部80に表示させることもできる。
【0040】
(画像格納部32)
画像格納部32は、シンボルとしてのキャラクタ画像(表面画像)、カードの裏面を表す画像(裏面画像)、「弾」の画像、および/または背景画像を格納する。画像格納部32は、表示処理部30からの働きかけに応じ、格納している画像情報を表示処理部30に供給する。
【0041】
(判定部40)
判定部40は、表示処理部30から供給される情報が、一方のカードに対応づけられているシンボルと他方のカードに対応づけられているシンボルとがユーザに視認可能に表示部80に表示されていることを示す場合、当該2つのシンボルが同一か否かを判定する。判定部40は、判定結果を示す情報を付与部50に供給する。
【0042】
(付与部50)
付与部50は、判定部40の判定結果に応じて、あらかじめ定められた特典をユーザに付与する。すなわち、付与部50は、判定部40が2つのシンボルが同一であると判定した場合、ユーザに所定の特典を付与する。付与部50は、ユーザに所定の特典が付与されたことを示す情報を表示部80に表示させる。
【0043】
ここで、上記特典は、ゲーム媒体の属性(例えば、カードの大きさ、カードの移動速度など)、またはユーザの指定(これから狙うカードを予告すること、
図8を参照して後述する)に応じて定まるポイントであってよい。また、上記特典は、上記ゲーム媒体に対応付けられたシンボルとしてのキャラクタ画像によって表される、当該ゲームまたは他のゲームで使用可能なキャラクタ、アイテムなどであってもよい。
【0044】
例えば、複数のユーザが本実施の形態に係る情報処理システム1でゲームを実行する場合を説明する。この場合、付与部50は、上記ポイントを累積して得られる累積ポイントが最大のユーザを勝者として決定することができる。または、付与部50は、判定部40が2つのシンボルが同一であると判定した回数が最多となるユーザを勝者と決定してもよい。なお、付与部50は、ユーザを一意に識別するユーザ識別子に対応付け、例えば、(1)当該ユーザが獲得した特典を示す情報、および/または(2)シンボルが同一と判定した回数などを格納するユーザ情報格納部を有することができる。
【0045】
また、ユーザは、上記特典として付与されたアイテムを当該ゲームにおいて使用することによって、例えば、(1)同一のシンボルがそれぞれ対応付けられたゲーム媒体の位置に関するヒントが当該ユーザに提示される、(2)他のユーザによるプレイをスキップする、(3)ゲーム媒体の大きさが変化する(例えば、カードが大きくなることによって狙いを定めやすくなる)、および/または(4)ゲーム媒体の位置を変更する(例えば、他のユーザが狙おうとしていたカードの位置を変更する)などの効果を発生させることができる。
【0046】
(移動部60)
移動部60は、選択体がゲーム媒体を選択した場合、例えば「弾」の画像が「カード」の画像が表示されている領域に重なる場合、当該「カード」とは異なる他の「カード」を移動させる。一例として、あらかじめ定められた特定のシンボルに対応づけられたゲーム媒体を選択体が選択した場合、移動部60は、当該ゲーム媒体を除く他のゲーム媒体の表示部80上における表示位置を、表示処理部30を介して変化させる。
【0047】
(変更部70)
変更部70は、情報処理システム1において実行されるゲームが複数のユーザによってプレイされる場合、プレイする順番を所定のシンボルに応じて変更する。例えば、変更部70は、選択体があらかじめ定められた特定のシンボルに対応づけられたゲーム媒体を選択した場合、当該特定のシンボルに応じて、複数のユーザによるプレイの順序をあらかじめ定められた順序に変更する(例えば、プレイする順序を反転させる)。
【0048】
図3は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。一方のカード304に対応づけられているシンボルとしてのキャラクタ画像に表されるキャラクタと、他方のカード306に対応づけられているシンボルとしてのキャラクタ画像に表されるキャラクタが、同一のキャラクタであると、判定部40によって判定された場合を説明する。この場合、判定部40は、両カード304、306には同一のシンボルがそれぞれ対応づけられていると判定し、当該判定した結果を付与部50に供給する。なお、判定部40は、両キャラクタが同じでありさえすれば、上記2つのキャラクタ画像自体は異なっていても、「同一のシンボルが対応づけられている」と判定する。例えば、同一のキャラクタが、カード304に対応づけられているキャラクタ画像と、カード306に対応づけられているキャラクタ画像とで異なるポーズをとっている場合であっても(すなわち、キャラクタ画像は互いに異なるが、当該キャラクタ画像にそれぞれ表されるキャラクタは同じである場合)、判定部40は、「同一のシンボルが対応づけられている」と判定する。
【0049】
付与部50は、両カード304、306に表示されている上記キャラクタを表示部80の表示領域308に表示させるとともに、当該キャラクタに関するアイテムをユーザが取得したことを示す情報(例えば、テキストデータ)を、表示領域308の近傍に表示させる。付与部50は、例えば、ユーザ情報格納部に当該キャラクタに関するアイテムを示す情報をユーザ識別子に対応づけて格納する。これにより、付与部50は、ユーザに、当該キャラクタに関するアイテムを当該ゲームまたは他のゲームにおいて使用させることができる。
【0050】
図4は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。ユーザが入力面10において第1の点200と第2の点202とを指定するに際し、所定の軌跡を描いた場合を説明する。この場合、表示処理部30は、軌跡取得部24が取得した軌跡を示す情報に応じて、当該軌跡に対応する軌跡で選択体がゲーム媒体に向けて移動する画像を表示部80に表示させる。
【0051】
例えば、
図4に示すように、表示処理部30は、選択体を射出点400から到達点402に移動させる画像を表示部80に表示させるに際し、軌跡取得部24が取得した軌跡と相似する軌跡に沿って選択体が移動する画像を表示部80に表示させる。これにより表示処理部30は、ユーザのドラッグ操作の軌跡に対応する軌道で移動する選択体の画像を表示部80に表示することができる。また、表示処理部30は、ドラッグ操作に不慣れなユーザに対して、軌跡に対応する補助線を表示部80に表示させてもよい。
【0052】
図5は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。ここでは、表示処理部30が、距離取得部20から供給された距離を示す情報に基づいて決定される選択体の射出強さが、所定のしきい値を超過すると判定した場合を説明する。この場合、表示処理部30は、選択体の画像100が所定のゲーム媒体に接触した場合に、当該ゲーム媒体の周囲にあるゲーム媒体(例えば、カード310)に対応づけられているシンボルの少なくとも一部を表示部80に表示させる。これにより、表示処理部30は、選択体(例えば、「弾」)がゲーム媒体に勢いよく接触した場合に、当該ゲーム媒体の周囲に配置されているゲーム媒体があたかも当該接触によって発生する風圧によって捲れるかのような表示効果を実現することができる。
【0053】
図6は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。ここでは、あらかじめ定められたキャラクタに対応づけられたカード312に選択体が接触した場合を説明する。この場合、移動部60は、複数のゲーム媒体としての複数のカードの画像を移動させる。例えば、移動部60は、複数のカードの画像を所定の方向に回転させることによって、各カードの表示部80上における配置位置を変更させる。移動部60の複数のゲーム媒体としての複数のカードの移動方法としては、時計回り/反時計回りにカードを移動させることや、複数のカードをランダムにシャッフルすることなどが挙げられる。
【0054】
図6に示すようにカードの画像が移動する場合、上記選択体によって選択するカードに狙いを定めたり、同一のシンボルがそれぞれ対応付けられたカード(ゲーム媒体)の位置を記憶したりすることが困難になる。したがって、情報処理システム1は、従来のゲームよりもさらに興趣性の高いゲームを実現することができる。
【0055】
図7は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。表示処理部30は、複数のゲーム媒体を表示部80に表示させる場合に、各ゲーム媒体の表示部80上における表示サイズを異ならせることができる。例えば、表示処理部30は、カード316、カード314、カード318の順にサイズが小さくなるように、各カードを表示部80に表示させることができる。なお、付与部50は、一方のカードと他方のカードとに同一のシンボルがそれぞれ対応づけられた、それぞれ2枚のカードからなる第1のペアおよび第2のペアが存在し、当該第1のペアを構成する2枚のカードより当該第2のペアを構成する2枚のカードの表示サイズが小さいのであれば、当該第2のペアに選択体が接触した場合に、当該第1のペアを選択した場合に比べて高いポイントを付与してもよい。
【0056】
また、表示処理部30は、一方のカードと他方のカードとが表示部80上でその少なくとも一部が重なって表示されている場合であって、両カードのいずれかに選択体が接触した場合に、両カードにそれぞれ対応づけられているシンボルを同時に表示可能に表示部80に表示してもよい。
【0057】
図8は、情報処理システム1におけるゲームの処理の一例を示す。付与部50は、ユーザが所定のカード(例えば、指定カード320)を、例えば(1)タッチ操作を受け付けることによって、および/または(2)カードを配置する位置に関する入力を受け付けることによって、あらかじめ指定し、当該カードに選択体を接触させた場合、指定しなかった場合に比べてより高いポイントをユーザに付与することができる。この場合、情報処理システム1は、ユーザによって指定されたカードと、指定されていないカードとを異なる態様(例えば、上記指定されたカードを点滅させたり、表示色を変更したりするなど)で表示することができる。
【0058】
なお、付与部50は、ユーザにあらかじめ定められた選択体の射出回数や選択体を射出することができる期間を設定し、当該設定内においてユーザが獲得したポイントに応じて、ユーザに所定の報酬(例えば、ポイント、選択体が接触したカードに対応づけられているキャラクタ画像に表されるキャラクタなど)を与えてよい。また、情報処理システム1において実行されるゲームは、複数のユーザにより実行可能に構成することができる。
【0059】
情報処理システム1によって提供されるゲームは、単独でプレイすることもできるし(シングルプレイ)、複数人でプレイすることもできる(マルチプレイ)。
【0060】
上記シングルプレイでは、例えば、選択体を発射できる回数や時間が決まっており、その間に神経衰弱を行うようにすることができる。情報処理システム1は、(1)プレイの結果として各ユーザが得たポイント、および/または(2)すべてのカードがペアになるまでに選択体を射出した回数などにしたがって、他のユーザとの間でランキングを決定し、上位入賞者には特典を付与することができる。
【0061】
一方、上記マルチプレイでは、例えば、選択体を発射できる回数や時間が決まっており、その間に神経衰弱を行うようにすることができる。ペアが形成された場合、同一ユーザが連続してプレイできるようにしてもよい。情報処理システム1は、(1)プレイの結果として各ユーザが得たポイント、(2)すべてのカードがペアになるまで継続して得たポイント、および/または(3)上記ペアを形成した回数などにしたがって、他のユーザとの間で対戦結果を決定し、勝ったユーザには特典を付与することができる。また、情報処理システム1は、負けたユーザが神経衰弱によって得たゲーム媒体を、勝ったユーザが負けたユーザから獲得可能としてもよい。
【0062】
〔情報処理システム1が実行する処理〕
図9は、情報処理システム1におけるゲームの処理の流れの一例を示す。なお、以下の説明において、カッコ書きの「〜ステップ」は、コンピュータの制御方法に含まれる各ステップを表す。
【0063】
まず、位置検知部12は、ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面10上における第1指定位置を検知するとともに、第1指定位置からユーザの操作が入力面10に沿って移動し、停止した位置を第2指定位置として検知する(ステップ10。以下「ステップ」を「S」と略記する)。次に、距離取得部20は、位置検知部12が検知した第1指定位置から第2指定位置までの距離を示す情報を取得する(S20、距離取得ステップ)。さらに、方向取得部22は、第1指定位置から第2指定位置に向かう方向を示す情報を取得する(S30、方向取得ステップ)。そして、表示処理部30は、距離取得部20が取得した距離を示す情報、および方向取得部22が取得した方向を示す情報に基づいて、ゲーム媒体を選択可能な選択体を表示部80に表示させる(S40、表示処理ステップ)。
【0064】
〔情報処理システム1のハードウェア構成〕
図10は、情報処理システム1のハードウェア構成の一例を示す。本実施の形態に係る情報処理システム1は、CPU1500と、グラフィックコントローラ1520と、Random Access Memory(RAM)、Read-Only Memory(ROM)、および/またはフラッシュROMなどのメモリ1530と、データを記憶する記憶装置1540と、記録媒体からデータを読み込み、および/または記録媒体にデータを書き込む読込み/書込み装置1545と、データを入力する入力装置1560と、外部の通信機器とデータを送受信する通信インターフェース1550と、CPU1500とグラフィックコントローラ1520とメモリ1530と記憶装置1540と読込み/書込み装置1545と入力装置1560と通信インターフェース1550とを互いに通信可能に接続するチップセット1510とを備える。
【0065】
チップセット1510は、メモリ1530と、メモリ1530にアクセスして所定の処理を実行するCPU1500と、外部の表示装置の表示を制御するグラフィックコントローラ1520とを相互に接続することにより、各構成要素間のデータの受渡しを実行する。CPU1500は、メモリ1530に格納されたプログラムに基づいて動作して、各構成要素を制御する。グラフィックコントローラ1520は、メモリ1530内に設けられたバッファ上に一時的に蓄えられた画像情報に基づいて、画像を所定の表示装置に表示させる。
【0066】
また、チップセット1510は、記憶装置1540と、読込み/書込み装置1545と、通信インターフェース1550とを接続する。記憶装置1540は、情報処理システム1のCPU1500が使用するプログラムとデータとを格納する。記憶装置1540は、例えば、フラッシュメモリである。読込み/書込み装置1545は、プログラムおよび/またはデータを記憶している記憶媒体からプログラムおよび/またはデータを読み取って、読み取ったプログラムおよび/またはデータを記憶装置1540に格納する。読込み/書込み装置1545は、例えば、通信インターフェース1550を介し、インターネット上のサーバから所定のプログラムを取得して、取得したプログラムを記憶装置1540に格納する。
【0067】
通信インターフェース1550は、通信ネットワークを介して外部の装置とデータの送受信を実行する。また、通信インターフェース1550は、通信ネットワークが不通の場合、通信ネットワークを介さずに外部の装置とデータの送受信を実行することもできる。そして、キーボード、タブレット、マウスなどの入力装置1560は、所定のインターフェースを介してチップセット1510と接続する。
【0068】
記憶装置1540に格納される情報処理システム1用のゲームプログラムは、インターネットなどの通信ネットワーク、または磁気記録媒体、光学記録媒体などの記録媒体を介して記憶装置1540に提供される。そして、記憶装置1540に格納された情報処理システム1用のゲームプログラムは、CPU1500により実行される。
【0069】
本実施の形態に係る情報処理システム1により実行されるゲームプログラムは、CPU1500に働きかけて、情報処理システム1を、
図1〜
図9において説明した入力面10、位置検知部12、距離取得部20、方向取得部22、軌跡取得部24、表示処理部30、画像格納部32、判定部40、付与部50、移動部60、変更部70、および表示部80として機能させる。
【0070】
なお、本発明に係るゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、前記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた携帯端末と、前記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
【0071】
〔情報処理システム1が奏する効果〕
本実施の形態に係る情報処理システム1によれば、射的要素を加味した神経衰弱ゲームを提供すると共に、射的の熟練度と記憶力との双方を要するようにしたことにより、興趣性の高いゲームを提供できる。
【0072】
〔サーバが機能を提供する構成〕
以上では、ゲームの進行を処理するゲームプログラムが、情報処理システム1において実行される構成を説明した。一方、上記ゲームプログラムの一部または全部がサーバにおいて実行され、当該実行された処理の結果が上記情報処理端末に返される構成であってもよい。本発明のコンピュータが、プレイヤ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置として機能する場合、ゲームの進行画面を上記サーバ装置が生成したデータに基づいて、上記プレイヤ端末において表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面などを当該プレイヤ端末にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とするなどの、上記サーバ装置と上記プレイヤ端末のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0073】
〔付記事項〕
本発明は上述したそれぞれの実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、サーバ、ワークステーション、メインフレームなど、任意のコンピュータに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1:情報処理システム、10:入力面、12:位置検知部、20:距離取得部、22:方向取得部、24:軌跡取得部、30:表示処理部、32:画像格納部、40:判定部、50:付与部、60:移動部、70:変更部、80:表示部、100:画像、200:第1の点、202:第2の点、300、302、310、312、314、316、318:カード、304、306:キャラクタカード、308:表示領域、320:指定カード、400:射出点、402:到達点
【要約】
【課題】従来のゲームよりも興趣性の高いゲームを実現する。
【解決手段】本発明は、ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、ユーザの操作によって指定された位置を検知可能な入力面によって第1指定位置が検知された場合、当該第1指定位置から、ユーザの操作が入力面に沿って移動することによってさらに検知された第2指定位置までの距離を取得する距離取得機能と、第1指定位置から第2指定位置に向かう方向を取得する方向取得機能と、距離取得機能によって取得された距離に応じた強さで、方向取得機能によって取得された方向に、所定のシンボルが対応づけられたゲーム媒体を選択可能な選択体が射出されるように、当該選択体を表示させる表示処理機能とを実現させる。
【選択図】
図1