特許第5777779号(P5777779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5777779
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ケーシングの防水構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20150820BHJP
   B29C 65/20 20060101ALI20150820BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   H05K5/06 A
   B29C65/20
   H04N5/64 501Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-141974(P2014-141974)
(22)【出願日】2014年7月10日
【審査請求日】2014年9月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】中川 敏彦
【審査官】 飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−303040(JP,A)
【文献】 特開2010−263117(JP,A)
【文献】 特開2000−128166(JP,A)
【文献】 特開平02−307249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00−5/06
B29C 63/00−65/82
F16B 5/00−5/12
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電子部品を内蔵するケーシングの防水構造において、電子部品を収納する樹脂製のケーシング本体と、このケーシング本体に溶着される樹脂製の蓋板とでケーシングが構成され、ケーシング本体に蓋板を取り付けた状態で蓋板を囲繞する周壁をケーシング本体に形成すると共に、蓋板の周縁を立ち上げてケーシングの周壁と対峙する周壁を蓋板に形成し、両周壁が対峙した状態で両周壁の先端側から加熱して溶融し、両周壁を相互に溶着することにより蓋板をケーシング本体に水密に溶着するものであって、上記ケーシング本体の内部空間が隔壁によって複数個の区画に分割されており、隔壁に上記周壁を1個設け、この隔壁に設けた1個の周壁を両側から2個の蓋体の周壁で挟んだ状態で3個の周壁を相互に溶着して、各区画を個別に水密構造とすることを特徴とするケーシングの防水構造。
【請求項2】
上記ケーシングは浴室内に設置される浴室テレビのケーシングであって、蓋板を浴室テレビの背面側に溶着して、溶着部分が正面から隠れるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のケーシングの防水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室テレビなどの、内部に電子部品を内蔵している電子機器のケーシングの防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような浴室テレビでは、ケーシングの内部に湯水が浸入すると、内部の電子部品がショートして故障の原因となったり、モニタ部分が内側から曇ってテレビ画面の鑑賞に支障が生じるおそれがある。そのため、ケーシングを防水構造にする必要がある。
【0003】
このような防水構造として、例えば電子部品が収納されるケーシング本体と、このケーシング本体に合わさる蓋体とを共に樹脂で形成し、両者が合わさる周縁部分に電熱線を挟み、その電熱線に通電することによってケーシング本体の周縁と蓋体の周縁とを同時に溶融させ、蓋体をケーシング本体に押し付けることによってケーシングと蓋体とを溶着させる防水構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−167946号公報(図4乃至図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のものでは、電熱線を加熱する際に電熱線が軸線方向に膨張して延びるため、特にケーシングの大きさが大きくなり電熱線が長くなると、電熱線が延びすぎてケーシングから外側に飛び出してしまうという不具合が生じる。なお、このような不具合を解消するため、上記特許文献1に記載された構造では電熱線の中央部分に線膨張分を吸収する折り曲げ部分を設けているが、この折曲部分を収納するための湾曲部をケーシングの内側に突出するように形成しなければならず、ケーシング内に収納する回路基板などのレイアウ
トを制限するという新たな不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、電熱線を使うことなく大型のケーシングでも防水効果を確保することのできるケーシングの防水構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によるケーシングの防水構造は、内部に電子部品を内蔵するケーシングの防水構造において、電子部品を収納する樹脂製のケーシング本体と、このケーシング本体に溶着される樹脂製の蓋板とでケーシングが構成され、ケーシング本体に蓋板を取り付けた状態で蓋板を囲繞する周壁をケーシング本体に形成すると共に、蓋板の周縁を立ち上げてケーシングの周壁と対峙する周壁を蓋板に形成し、両周壁が対峙した状態で両周壁の先端側から加熱して溶融し、両周壁を相互に溶着することにより蓋板をケーシング本体に水密に溶着するものであって、上記ケーシング本体の内部空間が隔壁によって複数個の区画に分割されており、隔壁に上記周壁を1個設け、この隔壁に設けた1個の周壁を両側から2個の蓋体の周壁で挟んだ状態で3個の周壁を相互に溶着して、各区画を個別に水密構造とすることを特徴とする。
【0008】
ケーシング本体側の周壁と蓋体側の周壁とを相互に溶着するので、防水性を確保することができる。なお、両周壁間に電熱線を挟み込まないので、電熱線が線膨張により飛び出すという従来の防水構造での不具合が生じない。
【0009】
なお、上記ケーシング本体の内部空間が隔壁によって複数個の区画に分割されている場合に、隔壁に上記周壁を1個設け、この隔壁に設けた1個の周壁を両側から2個の蓋体の壁で挟んだ状態で3個の壁を相互に溶着して、各区画を個別に水密構造とする。
【0010】
また、上記ケーシングは浴室内に設置される浴室テレビのケーシングであって、蓋板を浴室テレビの背面側に溶着して、溶着部分が正面から隠れるようにすることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、ケーシング本体と蓋体との間に電熱線を挟み込んでいないので、ケーシングが大型化しても電熱線が線膨張によりケーシングから飛び出すおそれがなく、確実に防水性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明が適用される浴室テレビの正面図
図2】浴室テレビの背面の状態を示す斜視図
図3】溶着工程を示す断面図
図4】蓋体を分割した場合の溶着工程を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、1は本発明が適用される浴室テレビである。本浴室テレビ1には正面側に化粧パネル11とスピーカカバー12とが着脱自在に取り付けられている。図2を合わせて参照して、これら化粧パネル11及びスピーカカバー12は樹脂製のケーシング本体2と、同じく樹脂製の蓋体3とからなるケーシングに取り付けられている。
【0014】
ケーシング本体2は前側に位置して図示しない回路基板その他の電子部品が収納されており、後方に開く開口を蓋体3が閉鎖している。このケーシング本体2と蓋体3とは蓋体3の全周部分で相互に溶着されており(Mは溶着部分を示す)、従って、溶着部分は完全な防水性を有している。
【0015】
蓋体3をケーシング本体2に溶着する工程を、図3を参照して説明する。蓋体3の開口の周縁には周壁21が形成されている。一方、蓋体3の周縁にも同様の周壁31が形成されており、蓋体3をケーシング本体2の開口にセットすると、両周壁21,31は同図(a)に示すように相互に接触して対峙することになる。
【0016】
その対峙した部分を上方から覆う型押し部41を備えた溶着治具4を図示のようにセットする。この溶着治具4には図示しない複数個のセラミックヒータが適宜の間隔を存して取り付けられており、各セラミックヒータに通電すると型押し部41が均一に加熱されるように構成されている。
【0017】
図3(a)に示す、型押し部41が両周壁21,31に当接せず上方に位置している状態で、セラミックヒータに通電を開始して型押し部41の温度が、ケーシング本体2及び蓋体3を構成する樹脂の融点温度以上まで上昇すると、溶着治具4を下降させる。
【0018】
すると、同図(b)に示すように、型押し部41が両周壁21,31の上部を溶融させ、溶融した樹脂が一体となり、溶着部Mが形成される。このように両周壁21,31が相互に溶着されると、セラミックヒータへの通電を停止して溶着治具4を冷却する。なお、この冷却の際に、溶着治具4に空気などの気体を吹き付けることにより冷却速度を上げるようにしてもよい。
【0019】
型押し部41の温度がケーシング本体2及び蓋体3を構成する樹脂の融点以下に冷却されると、溶着部Mは硬化して溶着構成が終了する。なお、上述の実施の形態では、1個のケーシング本体2に対して1個の蓋体3を溶着する場合について説明したが、ケーシング本体2の内部を、回路基板を収納する部分とスピーカを収納するスピーカボックスとに区画し、各区画毎に別々の蓋体を溶着する場合が考えられる。上述の浴室テレビ1では蓋体が3個になることになる。
【0020】
このような場合には、図4に示すように、ケーシング本体2の区画部分に周壁21を形成し、その周壁21を挟むように2個の蓋体3A,3Bをセットし、両蓋体3A,3Bの各々に周壁31を設けておけば、1個の周壁21を2個の周壁31で挟んだ状態で、3個の周壁21,31,31を相互に溶着すればよい。
【0021】
このように、本発明によれば、複数の区画されたケーシング本体に対して各区画毎に別個の蓋体を設け、それら複数の蓋体をケーシング本体に溶着させることができる。
【0022】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0023】
1 浴室テレビ
2 ケーシング本体
3 蓋体
3A 蓋体
3B 蓋体
4 溶着治具
21 周壁
31 周壁
M 溶着部
【要約】
【課題】電子部品が収納されるケーシング本体と、このケーシング本体に合わさる蓋体とを共に樹脂で形成し、両者が合わさる周縁部分に電熱線を挟み、その電熱線に通電することによってケーシング本体の周縁と蓋体の周縁とを同時に溶融させ、ケーシングと蓋体とを溶着させる防水構造が知られているが、電熱線を加熱する際に電熱線が軸線方向に膨張して延びるため、特にケーシングの大きさが大きくなると、電熱線が延びすぎてケーシングから外側に飛び出してしまう。
【解決手段】ケーシング本体に蓋板を取り付けた状態で蓋板を囲繞する周壁をケーシング本体に形成すると共に、蓋板の周縁を立ち上げてケーシングの周壁と対峙する周壁を蓋板に形成し、両周壁が対峙した状態で両周壁の先端側から加熱して溶融し、両周壁を相互に溶着する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4