【実施例】
【0015】
図1は、本発明による菓子類の整列装置100の平面図である。整列装置100は、平ベルトのコンベヤ13を横切って掛け渡されるフレーム5を有し、また、コンベヤ13の上に複数の縦列(本実施例では縦7列)に載置された菓子9の後方側を押して、菓子9を搬送方向に送り出し、横一列に整列させる整列板8を有する。整列板8は、整列板8を上下方向に昇降させるエアシリンダ12の下端に連結され、エアシリンダ12の上端は、エアシリンダ12及び整列板8を搬送方向に往復動作させるクランク4に連結されている。クランク4は、ロータリーアクチュエータ1の回転軸18で駆動される。ロータリーアクチュエータ1の回転軸18は、0〜180度の角度で往復回動する。ロータリーアクチュエータ1は、一定角度(180度)の回動を行なうものとしたが、モータなどの回転運動するものでもよい。クランク4は、ロータリーアクチュエータ1の回転運動を直線運動に変換し、整列板8を搬送方向に往復動作させる。
【0016】
スライド軸2は、第1スライド軸2aと第2スライド軸2bからなり、テーブル15に第1軸受6と第2軸受7によってスライド可能に保持されている。第1スライド軸2aと第2スライド軸2bの先端が、エアシリンダ12に連結される。これによりクランク4が搬送方向に伸長されると、エアシリンダ12が搬送方向にスライドするが、第1スライド軸2aと第2スライド軸2bもスライドするので、エアシリンダ12と整列板8を安定して水平に保持できる。第1軸受6と第2軸受7と、これによってスライド可能に保持される第1スライド軸2aと第2スライド軸2bが、整列板8の水平保持手段20となっている。なお、スライド軸2は、レールであってもよい。
図1では、クランク4で搬送方向に菓子を送り出す前の状態と、搬送方向に送り出した後の状態を図示している。整列板8は、前後ストローク10の長さで直線運動の往復動作を行なう。整列板8が送り出されることにより菓子9の後方側を押す。整列板8には、菓子の形状に合わせた7個の凹部が設けられており、菓子9を囲い込むように位置合わせできる。
【0017】
図2は、整列装置100の正面図である。フレーム5は矩形状でコンベヤ13を横切るように設けられる。エアシリンダ12は、整列板8を上下方向に昇降可能に支持している。
図2には、整列板8を上昇させた状態と、整列板8を下降させた状態を示す。整列板8は、上下ストローク11を有して昇降動作を行なう。整列板8は、菓子を整列させる送り出し動作が終了すると、上昇され後続の菓子9の後方に位置づけられ、下降される。
【0018】
図3は、整列装置100の左側面図である。フレーム5は、縦の断面で図示している。ロータリーアクチュエータ1の上方には、クランク4が設けられており、クランク4は回転軸18に取り付けられる。クランク4は
図3の右方向に延びてエアシリンダ12の側板23に連結される。側板23には、水平保持手段20の第1スライド軸2aと第2スライド軸2bの一端も連結されている。エアシリンダ12は、クランク4が伸長すれば、2点鎖線で示す位置まで送り出される。整列板8は、高さ調整部材を介してエアシリンダ12に接続される。高さ調整ノブ14は、高さ調整部材の長さを変更可能に固定できる。
図3では、エアシリンダ12を作動させ、整列板8を上昇させた状態と、整列板8を下降させて菓子9を搬送方向に送り出す状態と、整列板8が搬送方向に送り出された状態を示す。前後調整ノブ16は、これを回すことで、ロータリーアクチュエータ1を搭載したテーブル15を搬送方向に移動させ、初期位置を調整することができる。
【0019】
図4は、
図3のA−A矢視図である。ロータリーアクチュエータ1と、第1スライド軸2aと第2スライド軸2bは、テーブル15に設置される。テーブル15はフレーム5の下部の支持台17にスライド可能に取り付けられる。前後調整ノブ16を回すと、フレーム5に対してテーブル15がスライドするので、整列板8の初期位置を調整することができる。第1軸受6と第2軸受7と、これによってスライド可能に保持される第1スライド軸2aと第2スライド軸2bが、エアシリンダ12と整列板8の水平保持手段20となっている。
【0020】
図5は、ロータリーアクチュエータ1の動作説明図である。(a)〜(c)は、平面図にて回転軸18を0度から180度まで回動させる動作を示し、(d)〜(f)は、平面図にて回転軸18を180度から0度に戻す動作を平面図で示す。ロータリーアクチュエータ1はシリンダ1aを有しており、シリンダ1aの内部は、第1室1cと第2室1dからなる。エアー19が、第1空気口1eと第2空気口1fから出入りできる。回転軸18にはベーン(羽根)1bが取り付けられている。
図5(a)〜(c)に示すように、第1空気口1eから第1室1cにエアー19が送り込まれると、ベーン1bが時計回りに回動し、
図5(b)の状態を経由して、
図5(c)の状態となる。ベーン1bは、180度の角度で停止するようストッパが設けられている。回転軸18を180の位置から0度の位置に戻すには、
図5(d)の状態で第2空気口1fから第2室1dにエアー19を送り込む。これによってベーン1bが反時計回りに回動し、
図5(e)の状態を経由して、
図5(f)の状態となる。ロータリーアクチュエータには、エアーで駆動されるラックとピニオン形式のものもある。どちらを使用してもよい。
【0021】
図6は、クランク4の動作説明図である。
図6の(a)〜(e)は平面図で、クランク4が縮んだ状態から伸長した状態になるまでを示す。この実施例では、クランク4は、第1アーム4aと第2アーム4bからなるとした。これに限らず、3本のアームで構成してもよい。第1アーム4aは、一端がロータリーアクチュエータ1の回転軸18に連結される。回転軸18が0度の場合、
図6(a)に示すように、第1アーム4aは12時の方向を指している。回転軸18を時計回りに90度回動させると、
図6(c)に示すように第1アーム4aは3時の方向を指し、第2アーム4bは6時の方向に次第に送り出される。回転軸18が時計回りに180度回動すると、第2アーム4bが6時の方向に最大に伸長され、
図6(e)に示すように、第1アーム4aと第2アーム4bが一直線に並んだ状態となる。
図5(d)〜(f)に示すように、回転軸18を180度の位置から0度の位置に回動させると、クランク4は、
図6(e)から
図6(d)、
図6(c)、
図6(b)を経由して
図6(a)の状態に戻る。
【0022】
図7は、ロータリーアクチュエータ1とクランク4の位置関係を示す平面図である。
図6(d)に示すように、第1アーム4aの一端をUとし、第3アーム4cの一端をVとすると、符号UとVは、
図7に示すような位置関係となる。符号Uは等速円運動しているとして22.5の角度ごとに丸印をつけた。一方、符号Vは、直線運動であり、符号Uに対応して丸印をつけた。符号Vは加速と減速が滑らかであることがわかる。特に静止した菓子の場合、整列ラインに移動させ、菓子をソフトに停止できる。
【0023】
図8は、コンベヤ上で菓子が横一列に整列される様子を示す説明図である。コンベヤ13は一定の速度で連続運転されているとする。整列装置100は、
図8の点線で示す位置に設けられているとする。また、菓子9の搬送方向の間隔Wは、実線で示す一定の間隔とし、菓子が間隔Wを移動する時間の約半分の時間で整列が行えるものとする。
図8(A)に示すように、最初の菓子9の列が整列装置100に到着したとする。
図8(B)はコンベヤ13が、
図8(A)から間隔Wの半分の距離だけ進んだ状態を示す。
図8(A)から
図8(B)に至るまでの時間内に、整列板8の送り出しにより、菓子9を横一列に整列ライン22に整列させる動作が行なわれて、菓子9は
図8(B)に示すように整列された状態となる。その場合、菓子は、クランク4の送り出し速度がコンベヤ13の速度より遅くなった時点で、整列板8から搬送方向に離れる。
【0024】
図8(C)はコンベヤ13が、さらに0.5Wの距離だけ進んだ状態を示す。
図8(B)から
図8(C)に至るまでの時間内に、整列板8は次の菓子列の後方に戻される。
図8(D)はコンベヤ13が、
図8(C)から0.5Wの距離だけ搬送方向に進んだ状態を示す。
図8(c)から
図8(D)に至るまでの時間内に、整列板8の送り出しにより、菓子9を横一列に整列ライン22に整列させる動作を行なうので、菓子9は
図8(D)に示すように整列された状態となる。なお、コンベヤ13が間欠運転されて、菓子がコンベヤ上で停止状態中に整列が行なわれてもよい。
【0025】
図9は、本発明による菓子類の整列方法を示すフローチャートである。コンベヤ13で一定間隔をあけて搬送される複数列の菓子9を、横一列に整列させる菓子類の整列方法のフローチャートである。S1は、エアシリンダ12によりコンベヤ13上の菓子の後方側に整列板を下降させる段階である。S2は、ロータリーアクチュエータ1の往復回動(回転運動でもよい)を直線運動に変換するクランク4で整列板8を水平に保持して搬送方向に送り出し、菓子9を横一列に整列させる段階である。S3は、整列板8を上昇させる段階である。S4は、クランク4を縮退させて、整列板8を元の位置に戻す段階である。これを繰り返して、コンベヤ上の菓子を横一列にする。なお、S3の整列板8の上昇と、S4のクランク4の縮退を同時に行って、整列板8を斜め上、後方に戻してもよい。
【0026】
なお、本実施例では、回転軸を0〜180度の角度で往復回動させるロータリーアクチュエータを使用したが、回転軸が一定方向に回転するサーボモータを使用してもよい。その場合は、回転軸を180度から360度の角度でクランクの戻り動作が行なわれる。