(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777799
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】自己タイミング型デジタル/アナログ変換器
(51)【国際特許分類】
H03M 1/38 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
H03M1/38
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-505258(P2014-505258)
(86)(22)【出願日】2012年4月11日
(65)【公表番号】特表2014-514855(P2014-514855A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】US2012033141
(87)【国際公開番号】WO2012142173
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2013年11月5日
(31)【優先権主張番号】13/085,887
(32)【優先日】2011年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503062253
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・カプスタ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンホア・シェン
(72)【発明者】
【氏名】ドリス・リン
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/010661(WO,A1)
【文献】
特開平07−115365(JP,A)
【文献】
特開平07−288437(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/090703(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/026440(WO,A1)
【文献】
特開2008−203098(JP,A)
【文献】
特開平04−118587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00−1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換される電圧用の入力を有するコンパレータと、
コンパレータ出力に連結されている入力を有し、デジタルコード用の出力を有する論理回路と、
前記デジタルコード用の入力、およびDAC入力に連結されているスイッチドキャパシタを備えているデジタル/アナログ変換器(DAC)であって、前記DAC出力への前記スイッチドキャパシタの寄与が、デジタルコードに応答するスイッチによって管理され、前記DAC出力が前記コンパレータの前記入力に連結されている、デジタル/アナログ変換器(DAC)と、
前記DACと一致するセッティング特性を有し、前記デジタルコードによって駆動される補助トラッキング回路であって、前記変換される電圧用の前記コンパレータの動作を開始するように、その出力が前記コンパレータに連結されている補助トラッキング回路と、を備え、
前記補助トラッキング回路が、
前記デジタルコード内の各ビット位置に従うサイズのスイッチと、
前記スイッチの出力に接続されており、前記DAC内の前記スイッチドキャパシタと同じチップ上に形成されているキャパシタと、を備えており、前記キャパシタが、前記DAC内の前記スイッチドキャパシタを形成する前記キャパシタと実質的に同じ時間で充電された電圧レベルにセッティングする、
アナログ/デジタル変換器(ADC)。
【請求項2】
前記補助トラッキング回路が、前記DACの前記少なくとも一つのスイッチドキャパシタと一致するスイッチドキャパシタを備えている、請求項1記載のADC。
【請求項3】
前記複数のスイッチドキャパシタが2進加重キャパシタである、請求項2記載のADC。
【請求項4】
前記ADCが単一集積チップ上に形成されている、請求項1記載のADC。
【請求項5】
前記DACおよび前記補助トラッキング回路が、前記デジタルコードの追加によって同期化される、請求項1記載のADC。
【請求項6】
自己タイミング型デジタル/アナログ変換器(DAC)であって、
各スイッチがデジタルコードワードに応答するスイッチのアレイと、
前記アレイの各キャパシタがスイッチのアレイ内の各スイッチに連結されているキャパシタのアレイと、
前記デジタルコードワードのための入力を有する補助回路と、を備えており、前記補助回路が、前記キャパシタのアレイのセッティング特性と一致するセッティング特性を有し、
前記デジタルワードが前記スイッチのアレイに追加されたときに駆動し、前記DAC出力が所望の精度をセッティングしたことを表す前記補助回路の出力を有し、
前記補助回路が、容量性素子および前記デジタルコードに応答するスイッチを含む少なくとも一つの容量性要素をさらに備え、
前記容量性要素が複数の容量性要素のうちの一つであり、前記複数の容量性要素の少なくとも一つが、前記DACによって異なるデジタルコードの変換を追跡するように異なるサイズに形成されている、
自己タイミング型デジタル/アナログ変換器(DAC)。
【請求項7】
前記補助回路が、
前記出力に接続されているラッチと、
前記複数のスイッチのうちの各スイッチが、前記デジタルコードの追加によって作動したときに充電されるキャパシタと、
前記複数のスイッチと前記キャパシタとの間の前記出力のための接続点と、をさらに備えている、請求項6記載の自己タイミング型DAC。
【請求項8】
デジタルコードワード出力をデジタル/アナログ変換器によってアナログ信号に変換するためのビットトライアルを実行するように構成されているデジタル/アナログ変換器と、
トラッキング回路と、を備えており、
前記トラッキング回路の出力が、前記デジタル/アナログ変換器が前記個々のビットトライアルを完了したことを表す電圧を供給するように構成されており、
前記トラッキング回路が複数のキャパシタを備えており、前記複数のキャパシタの各々が、前記個々のビット値に特有のキャパシタンス値を提供するように、前記個々のビットを表す前記信号に応じた電圧に選択的に接続される、
集積回路チップ上の逐次比較型レジスタアナログ/デジタル変換器。
【請求項9】
前記トラッキング回路がさらにスイッチのアレイを含み、前記スイッチの各々が、前記個々のビット値に関連する電圧に対応するサイズである、請求項8記載のアナログ/デジタル変換器。
【請求項10】
デジタル/アナログ変換器(DAC)の動作を追跡するための方法であって、
前記DACおよびトラッキング回路において、予期されるDAC出力を表す入力信号を受信することと、
前記入力信号に応答して、前記トラッキング回路においてスイッチを作動させて電圧を容量性素子に印加することと、
ビット値に対応する速さで前記容量性素子を充電することと、
前記DACが所望の精度をセッティングしたことを表す信号を出力することと、を含み、
前記スイッチのサイズは、前記入力信号における個々のビット値に関連付けられた電圧に対応して決まる、
方法。
【請求項11】
各スイッチがデジタルコードワードに応答するスイッチのアレイと、
前記スイッチのアレイの各要素が前記スイッチのアレイ内の各スイッチに連結されているDAC要素のアレイと、
前記デジタルコードワードのための入力を有する補助回路と、を備えており、前記補助回路が、前記DAC要素のアレイのセッティング特性と一致するセッティング特性を有し、
前記デジタルワードが前記スイッチのアレイに追加されたときに駆動し、前記DAC出力が所望の精度をセッティングしたことを表す前記補助回路の出力を有し、
前記スイッチのアレイ内の各スイッチのサイズは、前記デジタルコードワード内の各ビット位置に従って決まる、
自己タイミング型デジタル/アナログ変換器(DAC)。
【請求項12】
前記DAC要素がレジスタで構成されている、請求項11記載の自己タイミング型DAC。
【請求項13】
前記DAC要素が電流源で構成されている、請求項11記載の自己タイミング型DAC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号プロセッサに関するものであり、より詳細には、自己でタイミングをとることができるデジタル/アナログ変換器(DAC)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DACは、現代の集積回路、特に、スイッチドキャパシタCMOS構造として一般的である。これらは、アナログ/デジタル変換器(ADC)アーキテクチャ、例えば、パイプライン型および逐次比較型(SAR)ADCを含む多くの用途に用いられる。用途に応じて、主要な性能測定基準は、DACのセッティング速度およびセッティング時間となることがある。セッティングは、DACに起こる事象、例えば、電荷再分配、電流およびレジスタラダーである。DACが新規の機器構成に設定されると、信頼性のある値に達する前の不確定な時間の間、さまざまな理由に起因して出力電圧が変動することがある。出力電圧は、セッティングが完了するまで他のシステムコンポーネントによって処理されない。それ故、セッティング速度によってDACの全体スループットが制限される。
【0003】
従来の3ビット電荷再分配型DAC100を
図1に示す。これは、各キャパシタンス1C,1C,2Cおよび4Cを持つ2進加重キャパシタ102,104.1,104.2および104.3からなる。DAC入力は、キャパシタに接続されたスイッチ106.1,106.2および106.3の各切り替えを制御する、各ビットを持つ3ビット2進デジタルワードである。スイッチ106.1,106.2および106.3の他の側は、DAC入力ワードの対応するビットに応じて、基準電圧VREFまたはアースGNDに至る。通常、デジタル「1」は、基準電圧VREFに接続された対応するスイッチを制御し、デジタル「0」は、アースGNDに接続された対応するスイッチを制御する。DAC出力は、等式Vout=VREF
*Cselected/Ctotalによって決定され、ここで、Cselectedは、DACワードによって選択されたキャパシタンス量であり、Ctotalは、キャパシタンス全ての合計である。例として、DACコードが101である場合には、スイッチ106.1と基準電圧VREF、およびスイッチ106.3と基準電圧VREFとを接続することによって、キャパシタ104.1および104.3を選択し、スイッチ106.2がキャパシタ104.2とアースGNDとを接続する。出力は、Vout=VREF
*(4C+1C)/(4C+2C+1C+1C)=5/8
*VREFとなるであろう。しかしながら、DACは、デジタル論理に直ぐには応答して出力Voutをセッティングしない。それ故、変換される各デジタルコードワードごとに適切な出力電圧Voutをセッティングするためのいくらかの時間をDACに配分する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
標準的なスイッチドキャパシタ(電荷再分配)デジタル/アナログ変換器(DAC)では、DACの動作は多くの条件に影響を受け得る。例として、DACは、より低温、または高い電源電圧が印加されたときにより高速で動作することができる。DACの動作に影響を与え得る他の条件には製造プロセス(例えば、低速または高速コーナー)がある。DACが値をセッティングする間(すなわち、セッティング時間)のビットトライアル期間に固定されたDACタイムを配分することによって、最悪条件(たとえば、製造プロセスにおける低速コーナー、低電源電圧および高温、または、概して、プロセス、電圧および温度(PVT)変化)を考慮する必要が生じる。加えて、最上位ビット(MSB)は、通常、DACが変換するように設計されたビット数に関わらず、変換に最長の時間が必要となる。それ故、所望の精度レベルに達する必要がある場合には、これらの条件を考慮して固定されたDACタイムを決める必要がある。その結果、固定されたDACタイムは、これらの最悪条件に対して設定され、最悪条件が発生しないときには、この使用は非能率的となる。例として、固定されたタイムクロックがタイムアウトした時、DACはその動作を完了し、出力値をセッティングし、実質的な定常状態のままであることがある。同様に、ADCを形成する他のコンポーネントも、処理を完了し、DACからの変換結果を待機する間もアイドル状態であることがある。DACが入力信号の変換(すなわち、出力値のセッティング)を完了したときを表すことができ、固定された時間枠ではなくその動作条件に従いDACを動作させることが可能であれば有益となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は、前述の問題の解決法を認識し、前述の恩典を実現するための方法および装置を開発した。その結果、DACのセッティング時間の一部を省き、それを信号供給チェーンの他のコンポーネントに配分することができる。これらの全てにより、結果として、全体の電力消費量をより低くし、DACおよび関連装置のノイズ特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的なスイッチドキャパシタ変換器(DAC)を例証する図である。
【
図2】本発明の態様に係る、逐次比較型レジスタ(SAR)アナログ/デジタル変換器(ADC)の例示的な実施態様を例証する図である。
【
図3A】本発明の第一の態様に係る、デジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する図である。
【
図3B】本発明の第二の態様に係る、デジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する図である。
【
図4】本発明の別の態様に係る、例示的な特異な実施態様のデジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する図である。
【
図5】本発明の態様に係る、デジタル/アナログ変換器のセッティングを追跡するための例示的な方法を例証する図である。
【
図6】本発明の別の態様に係る、デジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する図である。
【
図7】本発明のさらなる別の態様に係る、デジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示に記述する態様では、自己タイミング型DACを提供できる。自己タイミング型DACは補助回路を含むことができる。この補助回路の抵抗値およびキャパシタンス特性は、DAC内のキャパシタアレイのそれらと同様である。動作中、DACが駆動すると補助回路も駆動することができ、この補助回路が使用する制御入力および電源電圧はDACと同じである。補助回路内部で生み出される電圧は、DAC内部で生み出される電圧を模倣する。これらの電圧を利用して、DACの動作がセッティングした時、およびアナログ/デジタル変換処理の他のプロセスが開始し得る時を決定できる。この手法では、回路がDACキャパシタアレイの動作を非侵略的に監視し、それが属するシステムの全体の動作を速めることができる。
【0008】
本開示に記述する他の態様では、デジタル/アナログ変換器(DAC)、およびトラッキング回路を含み得る逐次比較型レジスタ(SAR)アナログ/デジタル変換器(ADC)を提供できる。トラッキング回路は、コンポーネント、例えば、DACにも供給される入力信号に応答できるキャパシタおよびスイッチを用いて構成することができる。入力信号はビット値を表す電圧でもよい。トラッキング回路は、DACが入力信号に基づいてビット値を決定するのに要するのと実質的に同じ時間で出力信号を生成することによって、DACの性能を追跡することができる。
【0009】
さらに別の記述した態様では、デジタル/アナログ変換器(DAC)の性能を追跡するための方法を提供できる。この方法は、トラッキング回路およびDACにおいてビット値を表す入力信号を受信することを含むことができる。トラッキング回路は、入力信号に応答してスイッチを作動させることができる。スイッチが作動すると、入力信号の終了に応答してスイッチが作動するまで、キャパシタンスに電圧を充電することができる。トラッキング回路は、DACの動作の完了を表す信号を出力できる。
【0010】
図2に、本発明の態様に従い実施される逐次比較型レジスタアナログ/デジタル変換器(SAR ADC)を例証する。SAR ADC200は、サンプルホールドアンプ(SHA)202、コンパレータ204、論理および逐次比較型レジスタ(SAR)206、およびデジタル/アナログ変換器(DAC)モジュール210を含むことができる。DACモジュール210は、DAC208およびDACトラッキング回路209を含むことができる。別の態様では、SHA202がDACモジュール210に組み込まれてもよい。
【0011】
SHA202は、入力信号VINを受信するための入力を有することができる。入力信号VINは、SAR ADC200によってデジタル信号に変換することができるアナログ入力信号でもよい。SHA202は、一定時間後、VINを増幅したアナログバージョンを、コンパレータ204の第一の入力に供給する。コンパレータ204は、DACモジュール210内のDAC208からの基準信号を受信するための第二の入力を有することができる。コンパレータ204は、論理206への出力を有することができる。論理206は、組み合わせ制御論理および逐次比較型レジスタ(SAR)を含むことができる。論理206は、コンパレータ204からの出力を受信するための入力を有することができる。論理206は出力も有することができ、この出力により、コンパレータから受信した信号、SARの状態および/または他のパラメータの少なくとも一つ以上に応答して制御論理に基づいた信号を出力する。論理206からの出力は、SAR ADC200から出力することができるNビットデジタルコードでもよい。Nビットデジタルコードは、変換されたアナログ入力信号VINを表すことができる。Nビットデジタルコードは、DACモジュール210内のDACトラッキング回路209およびDAC回路208に供給することができる。DACトラッキング回路209は、論理206が出力した信号を受信するための入力、およびコンパレータ204に接続された出力を有することができる。例として、DACモジュール210は、基準電圧、例として、電圧VREFを受け入れ、制御信号、例えば、RESETを受信するための入力も有することができる。DACモジュール210は、コンパレータ204に接続された出力を有することができる。これらを分離して示すが、DACトラッキング回路209はDAC208を組み込むことができる。この場合では、DACの「done」出力信号を出力するための追加の出力を、DAC208は有することができる。
【0012】
動作中、アナログからデジタルに変換するための入力信号は、SHA202に適合し得る信号VINでもよい。SHA202は、入力信号VINをサンプリングし、サンプルを増幅し、それをコンパレータ204に保持させることができる。SHA202は、制御信号、例えば、クロック信号(図示せず)に基づいて、アナログ信号を、別の信号との比較のためにコンパレータ204に出力することができる。コンパレータ204は、SHA202から出力されたアナログ信号、およびDACトラッキングモジュール210内のDAC208からの入力信号VDACを受信することができる。コンパレータ204は、SHA202から受信したアナログ信号と、DACモジュール210から受信したアナログ信号VDACとを比較できる。比較の結果を、比較出力信号として、コンパレータ204から論理206に出力できる。論理206は、コンパレータ204から受信した出力信号に基づいて、論理206から受信した比較出力信号に応じたデジタル値を決定できる。決定したデジタル値は、Nビットデジタル信号でもよく、SAR ADC200からDOUTとして出力できる。決定したデジタル値は、DACモジュール210、通例、DAC208およびDACトラッキング回路209にも供給することができる。
【0013】
DAC208は、公知のDACと同じ手法で動作することができる。DAC208は、
図1に示すような、スイッチドキャパシタ(または、電荷再分配型)DACでもよい。例として、DAC208は、論理206の出力信号DOUTとの比較のために、入力基準信号VREFを受信することができる。DAC208は、比較結果に基づいて、デジタル信号値のその決定値をアナログ信号VDACとして出力できる。
【0014】
DACトラッキングモジュール209は、出力信号DOUTも受信することができ、DOUTのビットの変化に基づいて、DACが適切な精度の電圧をセッティングした時を表す結果を生成することができる。例として、DOUTの最上位ビットが0から1に変化した場合には、DACトラッキングモジュール209は、DACがセッティングした時を表す前の一定の遅延時間待機することができる。しかしながら、DOUTのより重要でないビットが0から1に変化した場合には、DACトラッキングモジュール209は、DACがセッティングした時を表す前の一定の異なる遅延時間待機することができる。これらの遅延時間の差異は、ことによるとDACキャパシタのサイズまたは他の要素の差異に起因するDACのセッティング作用の差異に相当し得る。適切な精度は、DACトラッキングモジュール209を形成する回路部品によって決定することができる。DACトラッキングモジュール209は、信号DOUTに関する動作を完了するとすぐに、動作の完了を表す信号を出力できる。DACトラッキングモジュール209は、DAC209を形成するのと同じ回路部品から作ることができる。それゆえに、DACトラッキングモジュール209は、DAC208と同じ環境および回路入力(たとえば、VDDおよび製造プロセスにおける変化)に応答することができる。例として、ある回路条件に応答するDAC208の電気回路は、より低速または高速で動作することができる。DAC208がより高速で動作する場合には(たとえば、VDDが標準よりも高く、温度が標準よりも低いときなどでは)、DAC208はその出力値に達することができ、コンパレータがDAC208出力を受け入れるのを待機するアイドル状態となる。アイドル状態になることによって、DAC208は、電力を浪費し、その能率を最大限にできない。DACトラッキングモジュール209は、DOUT信号の処理もでき、その動作またはDAC208を模倣して、DAC208と実質的に同じ時間に出力値に達することもできる。DACモジュール210は、DAC208が出力信号DOUTの処理を終了したことを表す信号(DONE)をコンパレータ204に出力することによって、コンパレータ204をトリガして、DAC208出力と入力信号との比較を始めさせることができる。
【0015】
あるいは、ADC200は、コンパレータ204をトリガできるクロックを利用して、DAC208出力と入力信号との比較を開始させることができる。コンパレータ204は、DACトラッキングモジュール209からのDONE信号を受信すると、タイムアウトするためにクロック信号の間待機するのではなく、DAC208出力とSHA202出力との比較を開始することができる。コンパレータ204はラッチを含むことができ、このラッチは、コンパレータ204がその比較を開始することができる時点である、DACトラッキングモジュール209が2値DONE信号を出力するまでリセットに保持され得る。DONE信号は、DONE信号か否かを確認するために閾値とも比較され得る。DONEの確認は、例として、DACトラッキングモジュール209の出力時に論理バッファによって行うことができる。閾値は、強度が等しいNMOSおよびPMOS素子を含む論理バッファに基づいてキャパシタがVDD/2を充電する時でもよい。
【0016】
図3Aに、本発明の第一の態様に係るDACトラッキングモジュールの例示的な態様を示す。
図3Aの例示的なDACトラッキングモジュール300Aは、複数のスイッチ301〜301.5、出力307、リセットスイッチ303、容量性素子302、および任意的な容量性素子305を含むことができる。複数のスイッチのうちのスイッチ301〜301.5の数は、追跡されるDAC(例として、
図2のDAC208)が変換するように設計されたビット数に応じて決めることができる。一部の態様では、スイッチ301〜301.5の数は、変換されるビット数に対応する。各スイッチ301〜301.5は、容量性素子302に接続することができる。各スイッチ301〜301.5のサイズは異なっていてもよく、これにより、容量性素子302を、選択したスイッチに応じた、異なる速さおよび異なる電圧で充電することができる。スイッチ301〜301.5は、異なる性能特性を与えるように互いのサイズが異なるトランジスタでもよい。例として、スイッチ301〜301.5のサイズは、入力デジタルコードB[n]内の各ビット位置に対応するサイズでもよい。制御信号、例えば、デジタルコードB[n]を、各スイッチ301〜301.5のゲート端子(すなわち、制御入力)に加えることによって、スイッチを作動させることができる。
【0017】
例示では、(追跡される)DACは、6ビットデジタルコードをアナログ信号に変換すると予期することができる。この場合では、サイズの異なる6個のスイッチを用いることができる。DACトラッキングモジュール内の複数のスイッチ301〜301.5の各々は、電源電圧、例えば、VDD、および共通ノードに接続することができる。各スイッチ301〜301.5は異なるコードを有し、このコードには、変換される各デジタルコードの各ビットを表すものが加えられる。DACの動作とDACトラッキングモジュール300Aの動作とは、マルチビットデジタルコードの追加によって同期化することができる。例として、ビットトライアル中、デジタルコードの最上位ビット(MSB)を表すnビットのデジタルコードB[n]によって、スイッチ301を作動させることができる。DACにおいて、MSBは、通例、変換に最も長い時間を要する。このため、スイッチ301のサイズは、容量性素子302の充電に概算の時間を割り当てることができるサイズとなる。容量性素子302は、追加されたデジタルコードの持続期間の間に適切な電圧に充電することができる。この場合、この適切な電圧は、DACが同じデジタルコードを変換するのに要するはずである時間の長さを表すものでもよい。適切な電圧は、出力307において「Done」信号としてDACトラッキングモジュール300Aから出力される。コンパレータ(図示しないが、例えば、
図2のコンパレータ204)を、その後、リセットすることができる。DACトラッキングモジュール300Aをリセットするために、RESETスイッチ303を作動させることによって、容量性素子302を放電できる(この機器構成では、アースまたはVSSに放電する)。容量性素子302のリセット後、別のビットトライアルを開始することができ、別のビット値、例えば、B[n−1]を表すデジタルコードを、次のスイッチ、例えば、スイッチ301.1に加えることができる。スイッチ301.1のサイズは、ビット値の変換に必要な時間がMSBよりも短くなるようにスイッチ301と異なっていてもよい。スイッチ301.1は、そのようなものとして、より低い抵抗値を有することができ、スイッチ301よりも多くの電流を流すことが可能になる。この場合では、容量性素子302を、より迅速にその最終値に充電することができる。これは、「Done」信号として出力307から出力される。同様に、残りのスイッチ301.2〜301.5のサイズも、前述のスイッチ、たとえば、スイッチ301および301.1よりも迅速に容量性素子302を充電することができる大きさでもよい。
【0018】
代替態様では、複数の容量性素子305を、容量性素子302と並列にグループ化できる。スイッチ301〜301.5ごとに異なるサイズのスイッチを用いる代わりに、または異なるスイッチサイズのスイッチ301〜301.5を補完するために、複数の容量性素子305を用いてもよい。例として、異なるサイズのスイッチ301〜301.5と組み合わせて、(スイッチサイズの相違を考慮して)DACの性能を再現するのに適切なキャパシタンス量を可能にするように、個々の容量性素子305を、スイッチ306を通して回路に選択的に組み込んでもよい。別の代替態様では、スイッチ301〜301.5を単一スイッチと取り換えてもよい。また、個々の容量性素子305を、容量性素子302と並列(または、直列もしくは両方)に設置してもよいし、個別に使用してもよいし、いくつかの他の組み合わせで設置してもよい。これにより、適切なキャパシタンスを供給して個々のビットトライアルごとにDACの動作を再現できる。
【0019】
例として、コントローラ、またはADCの外部または内部にある他の装置から受信した制御信号(図示せず)に応答して、複数のスイッチ306のうちの個々のスイッチを選択的に動かすことによって、容量性素子305のうちの選択した容量性素子の組み合わせを連結することができる。制御信号は、DACによって変換されるデジタルビットを表すデジタルコードに基づくものでもよい。例として、デジタルコードが最上位ビット(MSB)である場合には、より多くのキャパシタをDACトラッキングモジュール300Aに挿入することができる。スイッチ301〜301.5、RESETスイッチ303、およびスイッチ306は、トランジスタ、または同様の素子を用いて実施することができる。リセットスイッチ303を利用して、容量性素子302をアース(または、VSS)に放電することができる。リセットスイッチ303は、コントローラ、またはDACトラッキングモジュール300Aに実装することができるADCの外部または内部にある他の装置からのリセット信号RESETを受信することができる。
【0020】
代替態様において、
図3Bの例示的なDACトラッキングモジュール300Bは、スイッチ310、出力330、リセットスイッチ315、容量性素子320、任意的な容量性素子325、および任意的なスイッチ327を含むことができる。スイッチ310の第一の端子は、電源電圧VDDに接続することができる。スイッチ310の第二の端子は、出力330および容量性素子320の端子に接続することができる。容量性素子320の他方の端子は、アース(または、VSS)に接続することができる。任意的な容量性素子325は、スイッチ327を介して、容量性素子320とスイッチ310の第二の端子との間の共通ノードにおいて、容量性素子320と並列して接続することができる。当然ながら、任意的な容量性素子325のさまざまな配置を想定することができる。例として、容量性素子325は、容量性素子320と組み合わせて直列または並列に、または容量性素子320に対する適当な位置に選択的に配置することができる。これにより、DAC、例えば、
図2のDAC208の動作を追跡するための好適なキャパシタンスを提供することができる。
【0021】
スイッチ310は、デジタルコードB[n]、例えば、
図2のNビットデジタル信号DOUTの印加によって作動させることができる。デジタルコードB[n]によって、ある長さの時間スイッチ310を作動させることによって、デジタル信号に対応する値を表す電圧を容量性素子320に充電することができる。デジタルコードB[n]の値に対応するある電圧を容量性素子320に充電するのに要する時間の長さは、DAC、例えば、DAC208がデジタル信号を変換し、出力値をセッティングするのに要する時間の長さとも実質的に等しいはずである。例として、MSBビットは、最下位ビット(LSB)よりも変換により長い時間を要することがある。出力307における電圧「Done」も、デジタルコードB[n]がもはや追加されていないときの、充電された容量性要素にかかる電圧と同様に上昇する。電圧「Done」はまた、DACがセッティングもした可能性が高いことを表す最終電圧をセッティングする。電圧「Done」を利用して、接続されているDACの出力が安定的であることをコンパレータ、例えば、コンパレータ204に示すことができる。
【0022】
スイッチ310を作動させるためのデジタルコードB[n]は、変換される個々のビット値、たとえば、MSBを表すデジタルコードでもよい。デジタルコードB[n]の各ビットは、DACトラッキング回路300Bと同様の回路にも追加することができる。あるいは、デジタルコードB[n]は、入力ビットの論理結合でもよく、データを変換に利用可能であるときはいつでも追加することができる。
【0023】
リセットスイッチ315を利用して、容量性素子320をアース(または、VSS)に放電することができる。リセットスイッチ315は、コントローラ、またはDACトラッキングモジュール300Bに実装することができるADCの外部または内部にある他の装置からのリセット信号RESETを受信することができる。
【0024】
任意的な容量性素子325に関しては、個々の容量性素子を、スイッチ327によって回路内またはその外に選択的に切り替えることができる。個別、選択グループごと、または全体としてのスイッチ327の選択的作動は、例として、コントローラ、またはDACトラッキングモジュール300に実装することができるADCの外部または内部にある他の装置から受信した制御信号(図示せず)に基づいて行うことができる。制御信号は、DACによって決定されるデジタル信号B[n]に基づくものでもよい。例として、デジタル信号が最上位ビットである場合には、より多くのキャパシタをDACトラッキングモジュール300に挿入することができる。スイッチ327、RESETスイッチ315、およびスイッチ310は、トランジスタ、または同様の素子を用いて実施することができる。
【0025】
図3Aおよび
図3Bに例証するDACトラッキングモジュール300Aまたは300Bは、それぞれ、DAC、例えば、
図2のDAC208と同じチップ上に実装することができる。このため、DACトラッキングモジュール300Aまたは300Bは、同じ電源電圧を用い、同じ動作温度で反応し、同じプロセスで組み立てることができる。変化のある態様では、例証するDACトラッキングモジュール300Aまたは300Bは、VDDではなくVSSを電圧源として構成することができる。この場合では、例として、容量性素子302または320をVDDに短絡してもよい。
【0026】
図4に、本発明の別の態様に係る、例示的な特異な実施態様のデジタル/アナログ変換器トラッキング回路を例証する。
図4のDACトラッキングモジュール400は、ラッチ410、ならびに容量性要素431および433を含むことができる。ラッチ410は、一組のクロスカップルPMOSトランジスタ411および421、ならびに一組のNMOSトランジスタ413および423を含むことができる。
【0027】
例証する態様では、ラッチは、VDDに接続されているPMOSトランジスタ411および421各々のソース端子、ならびにNMOSトランジスタ413および423のドレインに接続されている各ドレイン端子に実装することができる。トランジスタ411のゲート端子は、PMOSトランジスタ421およびNMOSトランジスタ423の共通接続ドレインに接続することができる。同様に、トランジスタ421のゲート端子は、PMOSトランジスタ411およびNMOSトランジスタ413の共通接続ドレインに接続することができる。NMOSトランジスタ413および423の各ソース端子は、アース(または、VSS)に接続することができる。NMOSトランジスタ413および423のゲートは、容量性回路431および433、例えば、
図3に関して記述したものに接続することができる。DACトラッキングモジュール400の出力415は、トランジスタ411および413の共通接続ドレイン端子のノードに接続することができる。出力415は「done」信号を出力することができる。
【0028】
容量性回路431は、制御信号のための入力、リセットスイッチ442、容量性素子432、スイッチ452、およびNMOSトランジスタ413のゲート端子との接続部を含むことができる。容量性回路431は、スイッチ452としてNMOSトランジスタを用いて実施できる。そのような実施態様では、容量性素子432は、VDDとトランジスタ452のドレイン端子とを接続することができる。トランジスタ452のゲート端子は、デジタル入力コードB[n]を受信する入力として用いることができる。同様に、容量性回路433は、制御信号のための入力、リセットスイッチ444、容量性素子454、スイッチ434、およびNMOSトランジスタ423のゲート端子との接続部を含むことができる。容量性回路433は、スイッチ434としてPMOSトランジスタを用いて実施できる。そのような実施態様では、容量性素子434は、トランジスタ434のドレイン端子とアース(または、VSS)とを接続することができる。トランジスタ434のゲート端子は、デジタル入力コード
【数1】
を受信する入力として用いることができる。リセットスイッチ444を用いて、容量性素子434をアース(または、VSS)に放電することができる。容量性素子432および454がキャパシタ、キャパシタとして構成されたトランジスタ、または容量特性を持つ他の装置でもよいことに留意されたい。
【0029】
例として、デジタルコードB[n]は、DACトラッキングモジュール400を実装することができるSAR ADCからの出力でもよい。変換されるデジタルコードの各ビットは、別個の容量性回路431および433を有することができる。このため、例として、デジタルコードのMSBは別個の容量性回路を有することができ、このため、LSB以外の全てのビットを有することができる。代替態様では、一組の容量性回路、例えば、431および433は、単一制御信号B[n]を有することができる。単一制御信号B[n]は、変換されるデジタルコード内の他のビットの全ての論理結合でもよい。B[n]が追加される時と、出力信号「Done」が出力される時との間の時間は、変換される各ビットをDACがセッティングするのに要する時間に相当する。
【0030】
動作中、容量性素子432および434を、リセットスイッチ442および444の動作によって各電圧VDDおよびアース(または、VSS)の初期にリセットすることができる。そして、NMOSトランジスタ452をオフすることによって容量性素子432が放電しないようにし、PMOSトランジスタ434をオフすることによって容量性素子434が充電しないようにする。この場合では、出力415における「Done」信号は、トランジスタ413がオンではローから始まり、トランジスタ423はオフになる。出力ノード、およびPMOSトランジスタ421のゲート端子における電圧が低い状態では、VDDと実質的に等しい電圧がPMOSトランジスタ411のゲートに印加されるため、PMOSトランジスタ421が導電し、これにより、トランジスタ411が非導電となる。
【0031】
信号B[n]をNMOSトランジスタ452およびPMOSトランジスタ434に加えると、トランジスタ452およびPMOSトランジスタ434は導電を開始することができる。容量性素子432は、VDDと実質的に等しい電圧において、トランジスタ452を通じてアース電圧に向けて放電を開始することができる。そして、容量性素子434は、トランジスタ434を通じてVDDに向けて充電を開始することができる。最終的に、トランジスタ413にかかるゲート電圧は閾値未満となることがあり、この場合ではトランジスタ413のスイッチをオフすることができる。トランジスタ413および423が同じ種類のトランジスタであるため、各々の閾値電圧は実質的に同一である。このため、トランジスタ423にかかるゲート電圧は、トランジスタ413にかかる電圧とほぼ同時に、その閾値電圧まで上昇し得、トランジスタ423をスイッチオンできる。これにより、トランジスタ411および421の各クロスカップルのゲート端子にかかる電圧によってそれらのスイッチを入れることができる。この場合では、出力電圧「Done」は高くなり、トランジスタ411のゲート端子にかかる電圧は低くなる。この機器構成の恩恵は、トランジスタの閾値に関わる問題に影響が少なく、DACのセッティング時間におけるトラッキング精度を改善できる特異な解決法を提供できることである。
【0032】
代替態様では、容量性回路431および433を、対応する異なる入力信号B[n]を持つ異なるビット位置ごとに再現することができる。
図3Aおよび
図3Bに関して前に説明したように、容量性回路431および433におけるスイッチ、例えば、トランジスタ452および434のサイズは、各ビット位置およびビットコードに対応するデジタルコードごとに異ならせることができる。あるいは、容量性素子432および454を、複数の容量性素子から選択された容量性素子と取り換え、またはそれらによって補完することができる。容量性素子は、DACのセッティング時間を追跡するための好適なキャパシタンスを提供するように、並列または直列に構成することができる。
【0033】
図5に、本発明の態様に係る、DACのセッティングを追跡するための例示的な方法を例証する。DACのセッティングを追跡する例示的な方法500では、第一のステップ510において、DACおよびトラッキング回路が、第一のビットトライアルの間にビット値を表す入力信号を受信することができる。520において、入力信号に応答して、トラッキング回路内のスイッチを作動させて電圧を容量性素子に印加することができる。入力信号を用いて、DACの動作とトラッキング回路の動作とを同期化することができる。530において、トラッキング回路の容量性素子に、ビット値に対応する速さで、入力信号の電圧と実質的に等しい電圧を充電することができる。540において、トラッキング回路が、DACが第一のビットトライアルを完了したことを表す電圧を出力できる。
【0034】
図6に、電流DAC610およびDACトラッキングモジュール620を含むDACトラッキングシステム600の態様を例証する。電流DAC610は、入力に印加される基準電圧VREF、および特異な出力電圧VOUTに変換されるデジタルコードB[n]に関する入力を有する。電流DACトラッキングモジュール620は、電流DAC610と実質的に同じコンポーネントを含むことができる。電流DAC610はまた、追加されたデジタルコードが変換されたときにあるセッティング特性(たとえば、電流変動)も示すことができる。DACトラッキングモジュール620の動作パラメータがDAC610のそれと実質的に同じであるため、DACトラッキングモジュール620のセッティング特性もDAC610のそれと同様である。換言すると、DACトラッキングモジュール620の動作性能は、DAC610の動作性能を実質的にモデルしている。DACトラッキングモジュール620は、DAC610と実質的に同じに構成されており、バイナリサイズのレジスタ(2R,4R,8R,16R)を含むことができる。これらのバイナリサイズのレジスタは、デジタルコードB[n]に応答するスイッチ(A,B,C,D)によって切り替えることができる。各ビット(Im,Im/2,Im/4およびIm/8)に関連する電流がセッティングすると直ぐに出力電圧を生成し、これをDAC完了信号DONEとして出力することができる。DACトラッキングモジュール620の性能は、DAC610のそれと実質的に同じである。なぜならば、DACトラッキングモジュール620の構成部品は、DAC610の構成部品と実質的に同じであるからである。電流DACに加えて、DACトラッキング方法論も、
図7に関して記述するようなレジスタラダーDACに応用することができる。
【0035】
図7に、本発明のさらなる別の態様に係る、レジスタラダーDACトラッキングシステム700を例証する。レジスタラダーDACトラッキングシステム700は、レジスタラダーDAC710およびDACトラッキングモジュール720を含むことができる。DACトラッキングモジュール720は、高電源電圧HS(たとえば、VDD)に対する入力、および低電源電圧LS(たとえば、アース)に対する入力に加えて、変換されるデジタルコードの各ビットごとの入力も含むことができる。例示では、デジタルコードは8ビットコードである。当然ながら、デジタルコードは、1ビットコードでもよいし、14ビットコードでもよい。DACトラッキングモジュール720は、出力信号DONEがDAC710の動作の完了を表すこと以外は、公知のレジスタラダーDACと同じように動作する。DACトラッキングモジュール720は、レジスタラダーDAC710と実質的に同じコンポーネントを含むことができる。レジスタラダーDAC710はまた、追加されたデジタルコードが変換されたときに、あるセッティング特性(たとえば、電圧または電流変動)も示すことができる。DACトラッキングモジュール720の動作パラメータがDAC710のそれと実質的に同じであるため、DACトラッキングモジュール720のセッティング特性もDAC710のそれと同様である。換言すると、DACトラッキングモジュール720の動作性能は、DAC710の動作性能を実質的にモデルしている。
【0036】
例示では、各ビットコードを、DAC710およびDACトラッキングモジュール720に追加する。DAC710およびDACトラッキングモジュール720の両方は、各ビットによって動作する。DAC710は、デジタルコードのアナログ値を表すアナログ電圧を出力し、DACトラッキングモジュール720は、DAC710が動作を完了したことを表す信号を出力する。DACトラッキングモジュール720の性能は、DAC710のそれと実質的に同じである。なぜならば、DACトラッキングモジュール720の構成部品は、DAC710の構成部品と実質的に同じであるからである。
【0037】
例示では、多くの種類のユニット要素、例えば、キャパシタ、レジスタ、または電流源からDACを組み立てることができることを示した。DACユニット要素の各々の種類(または、それらの組み合わせ)に応じて、DACトラッキングモジュールは、同様の要素から組み立てることができ、DACの要素を実質的に追跡するセッティング特性を有する。
【0038】
本発明のいくつかの態様を、本明細書に具体的に例証および記述する。しかしながら、本発明の変更および変化が、前述の教示によってカバーされ、本発明の精神および意図される範囲から逸脱することなく、請求項の範囲内にあることが理解される。例として、NMOS装置をPMOS装置と置き換えることができ、逆も同じである。印加電圧も、適宜に変化させることができる。
【符号の説明】
【0039】
202……サンプルホールドアンプ
204……コンパレータ
206……論理および逐次比較型レジスタ
208……DAC
209……DACトラック