特許第5777824号(P5777824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777824
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-549501(P2014-549501)
(86)(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公表番号】特表2015-506545(P2015-506545A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】EP2013003025
(87)【国際公開番号】WO2014075751
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】102013008264.1
(32)【優先日】2013年5月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501016102
【氏名又は名称】ノイトリーク・アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドブラー オリバー
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−243565(JP,A)
【文献】 実公平01−029985(JP,Y2)
【文献】 特開2000−164296(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1172897(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグ接続および光学的プラグ接続のうち少なくとも一方のためのプラグコネクタ(1)であって、
前記プラグコネクタ(1)は第1コネクタ要素(2)および少なくとも1つの第2コネクタ要素(3)を備え、
前記第1コネクタ要素(2)は少なくとも1つの縦長の挿入部(4)を備え、前記第2コネクタ要素(3)は挿入口(6)を有する少なくとも1つの縦長の収容鞘部(5)を備え、
前記挿入部(4)は、前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)の完全連結位置において前記挿入口(6)を通じて前記収容鞘部(5)に挿入され、かつ、前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)の完全連結解除位置において前記収容鞘部(5)から完全に抜去され、
前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)が前記完全連結位置において同一の中心軸線(7)について相互に同軸に配置され、
前記プラグコネクタ(1)は、前記完全連結位置において前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)を相互に連結するための、前記中心軸線(7)から離間して配置されている2つの連結突起(9)を有する少なくとも1つの連結機構(8)を備え、
前記連結突起(9)が、少なくとも前記完全連結位置において前記収容鞘部(5)および前記挿入部(4)のうち一方または両方の内側に配置され、前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)が連結されている連結位置と、前記第1コネクタ要素(2)および前記第2コネクタ要素(3)の連結が解除されている連結解除位置との間で、前記中心軸線(7)から見て少なくとも接線方向成分を有する軌道に沿って移動可能であり、
前記挿入部(4)は、正面から見て茸形状の輪郭を有し、
前記挿入部(4)には、前記中心軸線(7)からみて径方向(20)に対して平行に延在する一対の側面(27)が構成され、前記側面(27)には、前記連結突起(9)が貫通されていることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のプラグコネクタ(1)において、前記軌道は前記中心軸線(7)から見て接線方向に配置されていることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項3】
請求項1または2記載のプラグコネクタ(1)において、前記2つの連結突起(9)は、前記連結機構(8)の揺動可能な連結レバー(10)に対して作動可能である、または、揺動可能な連結レバー(10)の一部であることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のプラグコネクタ(1)において、前記連結レバー(10)は手動で操作可能であることを特徴とすることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のプラグコネクタ(1)において、前記プラグコネクタ(1)は前記連結レバー(10)の手動操作のための作動面(11)を備えていることを特徴とすることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のプラグコネクタ(1)において、2つの前記連結突起(9)が、前記第1コネクタ要素(2)または前記第2コネクタ要素(3)に取り付けられ、代替的または付加的に前記第1コネクタ要素(2)または前記第2コネクタ要素(3)の一部であり、連結のために他方のコネクタ要素(3)の連結相手(12)に係合することを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のプラグコネクタ(1)において、前記連結相手(12)が、前記他方のコネクタ要素(3)のアンダーカットであることを特徴とすることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項8】
請求項7記載のプラグコネクタ(1)において、前記連結相手(12)を構成するアンダーカットが挿入部(4)または収容鞘部(5)に配置されていることを特徴とすることを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載のプラグコネクタ(1)において、代替的または付加的に前記収容鞘部(5)の前記挿入口(6)が正面から見て茸形状の輪郭を有することを特徴とするプラグコネクタ。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載のプラグコネクタ(1)において、前記第1コネクタ要素(2)または前記第2コネクタ要素(3)のうち少なくとも一方がケーブルプラグまたはデバイスソケットであることを特徴とすることを特徴とするプラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気プラグコネクタおよび光学用プラグコネクタのうち少なくとも一方のためのプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なプラグコネクタは、たとえば一のケーブルおよび他のケーブル、またはケーブルおよび電気装置の間の電気的接続を実現するためにオーディオ分野で使用されている。それはたとえばマイクプラグとして使用される。一般的なプラグコネクタは、たとえば光ファイバーケーブルを相互に連結するための光学的接続を実現するために用いられる。同時に電気的および光学的なデータおよび出力のうち一方または両方の伝達のための混合形態が可能である。
【0003】
一般的なプラグコネクタ用の連結機構は、プラグコネクタのコネクタ要素の偶発的な乖離を防止するために使用される。従来技術では、連結突起がその連結位置および連結解除位置の間で、中心軸線からみて径方向に動かされる。それは、外部からアクセス可能であり、かつ、収容鞘部および挿入部から外に突出している。
【0004】
純粋に電気的接続を実現するためのこの種の一般的なプラグコネクタが提案されている(特許文献1参照)。径方向に移動可能な連結突起を有する従来技術の連結機構における欠点は、一方では連結突起が外側に突出し、他方ではそれによって広いスペースが必要になることにより、特に細長くて小さいプラグコネクタの実現を困難にしていることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許公報 EP1416588A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、プラグコネクタの構成の著しい省スペース化およびコンパクト化が可能になるように、プラグコネクタおよび特に一般的なプラグコネクタ用の連結機構を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電気的プラグ接続および光学的プラグ接続のうち少なくとも一方のためのプラグコネクタであって、第1コネクタ要素および少なくとも1つの第2コネクタ要素を備え、前記第1コネクタ要素は少なくとも1つの縦長の挿入部を備え、前記第2コネクタ要素は挿入口を有する少なくとも1つの縦長の収容鞘部を備え、前記挿入部は、前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素の完全連結位置において前記挿入口を通じて前記収容鞘部に挿入され、かつ、前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素の完全連結解除位置において前記収容鞘部から完全に抜去され、前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素が前記完全連結位置において同一の中心軸線について相互に同軸に配置され、前記プラグコネクタは、前記完全連結位置において前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素を相互に連結するための、前記中心軸線(7)から離間して配置されている2つの連結突起を有する少なくとも1つの連結機構を備えているプラグコネクタに関する。
【0008】
本発明のプラグコネクタは、前記連結突起が、少なくとも前記完全連結位置において前記収容鞘部および前記挿入部のうち一方または両方の内側に配置され、前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素が連結されている連結位置と、前記第1コネクタ要素および前記第2コネクタ要素の連結が解除されている連結解除位置との間で、前記中心軸線から見て少なくとも接線方向成分を有する軌道に沿って移動可能であり、前記挿入部は、正面から見て茸形状の輪郭を有し、前記挿入部には、前記中心軸線7からみて径方向に対して平行に延在する一対の側面が構成され、前記側面には、前記連結突起が貫通されていることを特徴とすることを特徴とする。
【0009】
本発明は換言すると2つの構成を備えている。第1に、コネクタ要素の完全連結位置において、連結突起が収容鞘部および挿入部の一方または両方の内側に配置され、外側に突出していない。第2に、連結突起の連結位置および連結解除位置の間で、少なくとも接線方向成分を有する軌道に沿って動かされる一方、中心軸線からみて径方向にはそれ以上動かされない。軌道は径方向成分を有していてもよいものの、少なくとも接線方向成分を有している必要があり、単純に径方向に移動することはない。本発明の特に好ましい実施形態において、軌道は中心軸線からみて接線方向に配置されている。当該実施形態によれば、軌道に沿った移動は純粋に接線方向である。当該実施形態では、軌道は径方向成分を有していない。好ましい実施形態における軌道は、純粋な接線方向としての移動方向に対して±45°の角度範囲、好ましくは±30°の角度範囲に延在している。
【0010】
本発明のプラグコネクタおよびその連結機構の構成により、連結機構の信頼性を犠牲にすることなく、非常に省スペース化された小型のコネクタが実現されうる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、連結機構は、中心軸線または好ましくは中心軸線に沿って延在する平面に関して反対側に配置されている少なくとも2つの連結突起を備えている。中心長手方向軸から離れている。これにより、特に安定した連結機構が構成される。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態は、連結機構の揺動可能な連結レバーにより作動可能であり、あるいは、揺動可能な連結レバーの一部である2つの連結突起が設けられている。
連結レバーはこれにより固定された揺動軸線回りに揺動可能に設けられている。連結レバーの揺動可能な軸受が、揺動突起がなくても軸受凹部により構成されうる。このよう凹部軸受により、物理的に実際に存在する揺動突起が省略されうる。
【0012】
連結レバーが手動で操作可能であり、プラグコネクタが手動で連結レバーを作動させるための作動面を有することが好ましい。物理的に実際に揺動突起の形態で存在する、あるいは凹部軸受の場合には視認できない揺動軸線(この回りで連結レバーが揺動可能である)は、作動面が直接的にまたは押圧要素もしくは案内要素を介して間接的に連結レバーに作用するような点および領域のうち一方または両方と、一または複数の連結突起との間に存在することが好ましい。これにより、小さなストロークによって確実に連結および連結解除が可能となるような好ましい梃子比が実現される。
【0013】
本発明の第1実施形態群によれば、2つの連結突起が第1コネクタ要素に設けられ、付加的または代替的に第1コネクタ要素の一部であり、連結のために第2コネクタ要素の連結相手に係合する。本発明の第2実施形態群によれば、2つの連結突起が第2コネクタ要素に設けられ、付加的または代替的に第2コネクタ要素の一部であり、連結のために第1コネクタ要素の連結相手に係合する。各連結突起が固有の連結相手に割り当てられることが好ましい。一または複数の連結相手が、たとえば(好ましくはちょうど第1コネクタ要素または第2コネクタ要素の)アンダーカットの形態で構成されている。本発明の特に好ましい変形実施形態によれば、連結相手を構成するアンダーカットが挿入部または収容鞘部に配置されている。本発明の他の変形実施形態において、付加的または代替的に収容鞘部が正面視で茸形状を有する。挿入部および第1コネクタ要素のその他のハウジングの間の移行、付加的または代替的に収容鞘部および第2コネクタ要素のその他のハウジングの間の移行は好ましくは階段状に構成されている。
【0014】
本発明のプラグコネクタのコネクタ要素は、ケーブルプラグとしてならびにデバイスソケットとして構成されうる。プラグコネクタの両方のコネクタ要素がケーブルプラグであってもよい。この構成は2本のケーブルを連結する際に採用される。プラグコネクタの両方のコネクタ要素がケーブルに対して固定されるケーブルプラグとして構成され、これと接触する他方のコネクタ要素が増幅器などの電気に取り付けられたまたは取り付けられるデバイスソケットとして構成されてもよい。第1コネクタ要素がケーブルプラグであり、かつ、第2コネクタ要素がデバイスソケットであってもよく、その逆であってもよい。ケーブルが相応するプラグコネクタを介してデバイスに接続される場合、ケーブルプラグおよびデバイスソケットの組み合わせが常に採用される。
【0015】
本発明のプラグコネクタは、たとえばオーディオプラグとして純粋な電気的接続のみならず、純粋な光学的接続として構成される。電気的伝送路のみならず光学的伝送路を相互に連結するために用いられる混合型プラグコネクタであってもよい。各実施形態にかかわらず、第2コネクタ要素の中空部分のような収容鞘部に関して、挿入口の形態の中空部分入口を通じて第1コネクタ要素の挿入部が当該中空部分に案内されうる。
【0016】
本発明のプラグコネクタの様々な特徴および詳細は次の図面に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図2】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図3】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図4】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図5】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図6】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図7】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図8】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図9】本発明の第1実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図10】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図11】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図12】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図13】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図14】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図15】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図16】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図17】本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図18】本発明の他の実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図19】本発明の他の実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
図20】本発明の他の実施形態としてのプラグコネクタの構成説明図。
【0018】
図1には、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の完全連結位置における本発明の第1実施形態としてのコネクタ1が示されている。本実施形態において、第1コネクタ要素2はケーブルプラグである。図示されていないケーブルが、後述する電気コンタクト15に対して接続されるように、既知の方法で後方からケーブルスリーブ13を介して第1コネクタ要素2のハウジング25の内部に案内される。ケーブルスリーブ13は、第1実施形態における図1図5および図9において、他の実施形態における図10図14および図17図20におけるのと同様に、第1コネクタ要素2のハウジング25または第2コネクタ要素3のハウジング26に対して完全に螺合されていない位置にある。堅固に取り付けられた位置において、ケーブルスリーブ13は、それに応じてそれぞれのハウジング25または26に対してある程度まで螺合される。当該螺合がケーブルの直径に依存してもよい。
【0019】
第1実施形態において、第2コネクタ要素3は、保護板16を含むハウジング26が通常は各デバイスの内側に隠されて配置されているデバイスソケットである。第2コネクタ要素3の各デバイスが堅固に取り付けられている位置において、通常は保護板16のみが収容鞘部5と同様に露出している。
【0020】
図1には、連結機構8の作動面11が示されている。これは、第1コネクタ要素2のハウジング25に対応する凹部18に存在する。第1コネクタ要素2が第2コネクタ要素3から抜去されることが可能な連結解除位置に連結機構8を移動させるため、たとえば1本の指で作動面11が押される必要がある。連結機構8を連結位置に固定するため、作動面11または連結機構8に対して手の力が不要であることが好ましい。連結機構8に対する適当な付勢力または弾性力が、連結位置に向かう方向について作用することが好ましい。本実施形態では、図5(a)に明確に示されているように当該付勢力のために付勢バネ29が設けられている。
【0021】
図2には、縦長の挿入部4を有し、ケーブルプラグを構成する第1コネクタ要素2が示されている。図3には、本実施形態ではデバイスソケットを構成する第2コネクタ要素3が示されている。第2コネクタ要素3は、その挿入口6を通じて第1コネクタ要素2の挿入部4が挿入される、中空で縦長の収容鞘部5を有している。図1および図2には中心軸線7が示されている。第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の連結位置において、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3は、中心軸線7の方向について同軸に配置されている。連結位置において、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の両方に共通の中心軸線7が問題となる。図2から、本実施形態では第1コネクタ要素材2の挿入部4が茸形状の外側輪郭を有することがよくわかる。第2コネクタ要素3および挿入口6の正面図を示している図4から、収容鞘部5の挿入口6が正面視においてマッシュルーム形状または茸形状を有することがよくわかる。挿入部4が挿入口6を通じて収容鞘部5に挿入されうるように、挿入部4および鞘収納部5の茸形状の輪郭は相互に対応している。第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の連結状態で、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の両方が相互に回転可能に構成されている。図2からよくわかるように、挿入部4の茸形状によって、挿入部4の外側輪郭において径方向20(図7参照)に対して平行に延在する側面27が構成されている。本実施形態では、当該径方向に対して平行に延在する側面27の部分に連結突起9が設けられている。連結突起9は隠れているものの図2に示されている。
【0022】
前述のように、本発明の実施形態としてのプラグコネクタ1は、電気的プラグコネクタおよび光学的プラグコネクタの実現のため、ならびに、これらの組み合わせのために構成されている。プラグコネクタ1は、本実施形態ではUSB(ユニバーサルシリアルバス)プラグと同様に構成されている。これは、図4図6および図9に示されている。この種の電気接続に際して、弾性舌片として構成されている、第1コネクタ要素2または第2コネクタ要素3の電気コンタクト15は、平板状のコンタクト保持要素14に対して当接している。コンタクト保持要素14および電気コンタクト15はコンタクトハウジング17の内部に配置されている。この種の電気コネクタの特性は、電気コンタクト15およびコンタクト保持要素14のそれぞれの相互に接続される2つの部分が同じ幾何学的形状を有することである。図4において、第2コネクタ要素3の収容鞘部5がよくみえるが、本実施形態ではコネクタ要素ごとに2つの電気コンタクト15がコンタクト保持要素14に設けられている。電気コンタクト15の数およびコンタクト保持要素14の大きさが変更されうることは当然である。図6には、図5(a)のB−B線に沿った断面が示されている。これから明らかなように、電気的接続の実現のため、連結している第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の電気コンタクト15が相互に当接する。図9のプラグコネクタ1の連結位置における部分的切欠図から、この種の接続のほか、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3のそれぞれの電気コンタクト15が対をなして相互に当接することがわかる。連結状態における第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3のそれぞれのコンタクトハウジング17が相互に係合し、あるいは、連結しているので、電気コンタクト15の周辺部が外部から遮断されることがわかる。特に図9から、本実施形態におけるコンタクトハウジング17が、この種の電気コンタクト15およびコンタクト保持要素14の周囲の遮断ケースを構成することがわかる。
【0023】
図5(a)は、図1の断面線A−Aに沿った縦断面を示している。図5(a)に示されている第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の連結位置における当該断面には、本実施形態における連結機構8の機能が示されている。図5(a)には、連結位置において第2コネクタ要素材3から第1コネクタ要素材2から引き抜かれることが防止されるように、連結機構8の連結突起9が、対応するアンダーカットの形態で構成されている第2コネクタ要素3の連結相手12に後ろから係合している連結位置が示されている。図5(a)には、本実施形態では軸穴23により第1コネクタ要素2の揺動突起21に揺動可能に設けられている連結機構8の連結レバー10も示されている。揺動突起21は揺動軸線を構成する。揺動軸線は、前述のように、作動面11と連結突起9との間に延在し、作動面11の比較的小さな作動ストロークが、連結レバー10に設けられている連結突起9が図5(a)および(b)に示されている連結位置から、図示しない連結解除位置まで比較的大きな連結解除動作をもたらすような特に良好な梃子比を付与する。図6および図8から明らかなように、前記他の実施形態と同様に、本実施形態でも連結機構8が、中心軸線7または中心軸線7に沿って延在する平面(図示略)について相互に反対側にあって、当該中心軸線7から離間している2つの連結突起9を備えている。図8には、揺動突起21が勘合されている軸穴23が示されている。連結レバー10がその回りに揺動可能であり、第1実施形態では揺動突起21を通じて延在している揺動軸線28が図8に破線で示されている。
【0024】
本発明の連結突起9の連結位置および連結解除位置の軌道またはその逆軌道の例示のため、図7を参照する。ここには中心軸線7および連結突起9のみが示されている。連結突起9が連結相手12に係合している連結位置に変位する。図示されている連結解除位置において連結突起9が点で示されている。連結解除位置および連結位置の間の軌道およびその逆の軌道は、図7に矢印で示されているように接線方向19に沿って延在している。接線方向19は径方向20に対して垂直である。次に説明するように、軌道は接線方向19にのみ延在する必要はなく、接線方向成分を有していればよい。軌道が接線方向19に対して±45°、好ましくは±30°の角度をなして、あるいは、接線方向19そのものではない方向に延在している。連結突起9の連結位置および連結解除位置の間の当該接線方向の軌道は、わずかのスペースしか必要としないので、プラグコネクタ1の外径を小さく維持することができる。当該実施形態におけるさらなる利点は、挿入部4の連結突起9が、前述のように基本的には曲がっているその特別な外側輪郭によって、曲げ、折れまたはその他の損傷から保護されることである。
【0025】
図10図17に示されている本発明の第2実施形態としてのプラグコネクタ1において、第1コネクタ要素2はデバイスソケットを構成し、かつ、第2コネクタ要素3がケーブルプラグを構成する。本発明に係るプラグコネクタ1である。本実施形態では、連結機構8は第1コネクタ要素2の構成要素である。連結位置が示されている図10から、作動面11の構成がよくわかる。図11および図12には、相互離間位置における第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3が示されている。図13には、本実施形態の第1コネクタ要素2の挿入部4が示されている。図14には、図10の断面線A−Aに沿った断面図が示されている。図15には、図14の断面線D−Dに沿った断面図が示されている。図16には、第2実施形態のプラグコネクタ1において、連結機構8を構成する他の部分が分離されて示されている。図9と実質的に同様の図17には、第1実施形態と同様に構成されている、本実施形態における電気コンタクトが示されている。
【0026】
電気コンタクトの構成のタイプに加えて、図面10〜17記載の第2実施形態および図1〜9記載の第1実施形態にはより多くの類似点があるので、相違点を中心に以下説明する。そのほかの点では、第2実施形態は第1実施形態に対して適用可能である。図11には、ケーブルプラグとして構成されている第2コネクタ要素3の収容鞘部5の、挿入口6を通じてみた様子が示されている。これから、収容鞘部5においてアンダーカットの形態で構成されている連結相手12がよくわかる。図13の正面図から、デバイスソケットとして構成されている第1コネクタ要素2の挿入部4がよくわかる。挿入部4は、連結状態において、第2コネクタ要素3の収容鞘部5に挿入されている。図11および13には、本実施形態においても、挿入部4が収容鞘部5と同様に相互に対応する茸形状を有することが示されている。側面27は、第1実施形態と同様に構成されている。当該側面27には、本実施形態の連結突起9が貫通されている。図13からわかるように、作動面1 1は、実質的に矩形状を基本形状として有する保護板16の隅角部に配置され、保護板16および作動面11に対して比較的小さなスペースが必要とされる。これは、デバイスソケットの形態の第1コネクタ要素3が、対応する電気機器に対して比較的近接して配置されるという利点を有する。
【0027】
図14は、第2実施形態の連結機構8の動作および構成を示している。図16は、他の構成要素から分離された状態の連結機構8を示している。連結機構8は、揺動可能に設けられている連結レバー10と、連結突起9の縦中心軸線7の相互に反対側に配置されている2つの連結突起9を備えている。第1実施形態に対する第1の相違点は、連結レバー10の凹部軸受である。第1実施形態とは異なり、揺動突起21が設けられていない。図14に示されているように連結レバー10は、軸穴23を省略することができるように、むしろカップ軸受24において揺動可能に設けられている。第1実施形態との第2の相違点は、作動面11が直接的にではなく押圧要素22を介して連結レバー10と相互作用することである。第1実施形態に対する共通点は、図16に破線で示されている揺動軸線28が一方では固定突起9と、他方では作動面11が(押圧要素22を介して)連結レバー10と相互作用する領域との間に配置されている。これは、作動面11の比較的小さなストロークにより、連結突起9の比較的大きな揺動を可能にするような前記好ましい梃子比を実現する。
【0028】
本実施形態の押圧要素22は非常に幅狭の薄い舌片により構成されており、それは省スペース化を図りながら相応に小さくかつ幅狭のスリットを通じて第1コネクタ要素2に通されている。
【0029】
本発明の連結突起9の連結位置および連結解除位置の間の軌道は図7およびその説明が参照される。これは、第1実施形態、第2実施形態およびその他の実施形態に適用される。
【0030】
本実施形態では、付勢バネ29により、図14に示されている連結位置に向かう方向に連結レバー10が付勢されている。本実施形態では付勢バネ29は、コンタクト保持要素および軸受カップ24に対して同時に位置が維持されている。
【0031】
たとえば2本のケーブルを相互に連結するため、第1実施形態の第1コネクタ要素2および第2実施形態の第2コネクタ要素3が、本発明に係るプラグコネクタ1を構成してもよい。
【0032】
図1図17の前記実施形態では、連結突起9および連結レバー10のそれぞれは、縦長の挿入部4を有する第1コネクタ要素2に設けられ、あるいは、第1コネクタ要素材2の一部を構成する。当該実施形態において、連結突起9は連結のため、第2コネクタ要素3の連結相手12に対して係合する。図18図20には、当該実施形態が回避されている本発明の他の実施形態が示されている。当該他の実施形態では、連結突起9およびロッキングレバー10が、第2コネクタ要素3に設けられ、あるいは、第2コネクタ要素3の一部を構成する。当該実施形態では、連結突起9が、連結のために第1コネクタ要素2の一部である連結相手12に係合する。
【0033】
図18において挿入部4を有する第1コネクタ要素2がデバイスソケットとして構成され、その一方で収容鞘部5を有する第2コネクタ要素3はケーブルプラグとして構成されている。本実施形態において連結レバー10は、第2コネクタ要素3において揺動軸線回りに揺動可能に設けられている。嵌合連結位置における縦断面が示されている図18において、連結突起9が、デバイスソケットとして構成されている第1コネクタ要素2の挿入部4においてアンダーカットの形態の連結相手12に対して後方から係合している。本実施形態の連結機構8は図18に対応している。付勢バネ29および作動面11の位置は図5と同様である。図18に示されている本実施形態では、連結レバー10は固定された揺動軸線28回りに揺動可能である。
【0034】
図19はさらなる実施形態を示している。ここでも、連結機構8は第2コネクタ要素3に設けられまたはその一部として構成されている。ただし、第2コネクタ要素3は、ここではデバイスソケットとして構成されている。連結相手12を有する挿入部4を備えている第1コネクタ要素2は、ここではケーブルプラグとして構成されている。図19に示されている実施形態では、軸線をもたない連結レバー10は軸受カップ24に取り付けられ、付勢バネ29によって付勢されている。これは、図14に示されている変形実施形態と同様に解除される。図19に示されている変形実施形態では、連結機構8の方式は、基本的に図16と同様に実現される。作動面11の押圧によって、または、付勢バネ29により作動面11が解放された際に連結レバー10が動かされる。
【0035】
図20は、2本のケーブルを接続するため、図19に示されている挿入部4を有する第1コネクタ要素2が、図18に示されている収容鞘部5を有する第2コネクタ要素3に挿入されうることが示されている。
【0036】
本発明の当該最後の変形実施形態で、連結突起9は少なくとも完全連結位置において収容鞘部5および挿入部4のうち一方または両方の内側に設けられ、かつ、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3が連結された連結位置と、第1コネクタ要素2および第2コネクタ要素3の連結が解除された連結解除位置との間で、中心軸線7からみて接線成分を有する軌道にしたがって移動する。接線方向移動のため、連結突起9は本実施形態では図7にしたがって再び動かされる。
【0037】
最後に、第1コネクタ要素2のハウジング25および第2コネクタ要素3のハウジング26、ならびにとりわけ挿入部4および収容鞘部5は金属または樹脂などのさまざまな物質により構成されていてもよい。製造方法として、金属鋳造法、金属噴入鋳造法、樹脂噴入鋳造法、粉末冶金製法のほか、機械加工等の切削加工またはこれに相当する方法が採用されてもよい。同様に、技術水準に鑑みて公知の方法または新たに開発される方法が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1‥プラグコネクタ、2‥第1コネクタ要素、3‥第2コネクタ要素、4‥挿入部、5‥収容鞘部、6‥挿入口、7‥中心軸線、8‥連結機構、9‥連結突起、10‥連結レバー、11‥作動面、12‥連結相手、13‥ケーブルスリーブ、14‥コンタクト保持要素、15‥電気コンタクト、16‥保護板、17‥コンタクトハウジング、18‥凹部、19‥接線方向、20‥径方向、21‥揺動突起、22‥押圧要素、23‥軸穴、24‥軸受カップ、25‥ハウジング、26‥ハウジング、27‥側面、28‥揺動軸線、29‥付勢バネ。
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10
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