特許第5777840号(P5777840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57778402−(2,3−ジメチルフェニル)−1−プロパナールを調製するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777840
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】2−(2,3−ジメチルフェニル)−1−プロパナールを調製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/51 20060101AFI20150820BHJP
   C07C 47/228 20060101ALI20150820BHJP
   C07C 15/44 20060101ALI20150820BHJP
   C07C 1/24 20060101ALI20150820BHJP
   C07C 33/20 20060101ALI20150820BHJP
   C07C 29/40 20060101ALI20150820BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20150820BHJP
   C07D 233/56 20060101ALI20150820BHJP
   B01J 27/122 20060101ALI20150820BHJP
   B01J 31/02 20060101ALI20150820BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   C07C45/51
   C07C47/228
   C07C15/44
   C07C1/24
   C07C33/20
   C07C29/40
   C11B9/00 K
   C07D233/56
   B01J27/122 Z
   B01J31/02 103Z
   B01J31/02 Z
   !C07B61/00 300
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-510661(P2015-510661)
(86)(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公表番号】特表2015-517473(P2015-517473A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2012072797
(87)【国際公開番号】WO2013011156
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2014年11月18日
(31)【優先権主張番号】12167135.8
(32)【優先日】2012年5月8日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/644,198
(32)【優先日】2012年5月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12187354.1
(32)【優先日】2012年10月5日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2012/070873
(32)【優先日】2012年10月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12192621.6
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502336151
【氏名又は名称】ロンザ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サラゴサ・デールバルト,フロレンシオ
(72)【発明者】
【氏名】クレシャ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】エルツナー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ブヨク,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ローベル,ズビグニェフ
(72)【発明者】
【氏名】ボイチェホフスキ,クシシュトフ
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−103037(JP,A)
【文献】 特開昭58−018365(JP,A)
【文献】 特表2010−508332(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/172119(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/172120(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/172121(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/172122(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/011155(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/011156(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/011157(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/011158(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(XXI)
【化1】
の化合物を調製するための方法であって、
方法は、ステップ(N)を含み、
ステップ(N)は、反応(N−reac)を含み、
反応(N−reac)は、式(XXII)
【化2】
の化合物と触媒(N−cat)との反応であり、
触媒(N−cat)は、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、HCl、HBr、HSO、HNO、HPO、HClO、BCl、BBr、BFOEt、BFSMe、BFTHF、MgCl、MgBr、MgI、AlCl、Al(O−C1−4アルキル)、SnCl、TiCl、Ti(O−C1−4アルキル)、ZrCl、Bi、BiCl、ZnCl、PbCl、FeCl、ScCl、NiCl、Yb(OTf)、Yb(Cl)、GaCl、AlBr、Ce(OTf)、LiCl、Cu(BF、Cu(OTf)、NiBr(PPh、NiBr、NiCl、Pd(OAc)、PdCl、PtCl、InCl、酸性無機固体物質、酸性イオン交換樹脂、無機酸で処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
触媒(N−cat)が、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HSO、HPO、BCl、BFOEt、MgCl、MgBr、AlCl、ZnCl、Cu(BF、アルミノシリケート、酸性イオン交換樹脂、HCl、HSOまたはHNOで処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
反応(N−reac)が、溶媒(N−solv)中で行われ、
溶媒(N−solv)は、水、tert−ブタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、メチル−THF、NMP、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の方法であって、
式(XXII)の化合物が、ステップ(O)でまたは2つのステップで調製され、2つのステップは、ステップ(O1)およびステップ(O2)であり、
ステップ(O)は、反応(O−reac)を含み、
反応(O−reac)は、式(XXIII)
【化3】
の化合物と試薬(O−reag)との反応であり、
試薬(O−reag)は、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、3−クロロ過安息香酸、モノ過フタル酸、ジメチルジオキシラン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、酸素、空気、次亜塩素酸ナトリウム、KHSO、Na、H水溶液、酢酸に溶解したH、トリフルオロ酢酸に溶解したHおよびこれらの混合物からなる群から選択され、
ステップ(O1)は、反応(O1−reac)を含み、
反応(O1−reac)は、式(XXIII)の化合物と水および化合物(O1−comp)との反応であり、
化合物(O1−comp)は、臭素、N−ブロモスクシンイミド、塩素、N−クロロスクシンイミド、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、IBr、BrClおよびこれらの混合物からなる群から選択され、
ステップ(O2)は、反応(O2−reac)を含み、
反応(O2−reac)は、反応(O1−reac)からの反応生成物と塩基(O2−base)との反応であり、
塩基(O2−base)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
試薬(O−reag)が、過酢酸、tert−ブチルヒドロペルオキシド、酸素、空気、次亜塩素酸ナトリウム、H水溶液、酢酸に溶解したH、トリフルオロ酢酸に溶解したHおよびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、
式(XXIII)の化合物が、ステップ(P)で調製され、
ステップ(P)は、反応(P−reac)を含み、
反応(P−reac)では、式(XXIV)
【化4】
の化合物は温度(P−temp)に曝され、
温度(P−temp)は、0から300℃である、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
式(XXIV)の化合物が、3つのステップで調製され、3つのステップは、ステップ(Q1)、ステップ(Q2)およびステップ(Q3)であり、
ステップ(Q1)は、式(XXV)
【化5】
の化合物と試薬(Q1−reag)との反応による反応(Q1−reac)を含み、
Qは、Br、ClまたはIであり、
試薬(Q1−reag)は、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびこれらの混合物からなる群から選択され、
ステップ(Q2)は、反応(Q2−reac)を含み、
反応(Q2−reac)は、反応(Q1−reac)の反応生成物とアセトンとの反応であり、
ステップ(Q3)は、反応(Q3−reac)を含み、
反応(Q3−reac)は、反応(Q2−reac)の反応生成物と試薬(Q3−reag)との反応であり、
試薬(Q3−reag)は、水、メタノール、エタノール、シュウ酸、クエン酸、NHCl、HCl、HBr、HNO、HSO、HPO、酢酸、プロピオン酸、ギ酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
フレグランスとしての、請求項1に記載の式(XXI)の化合物の使用。
【請求項9】
メデトミジンを調製するための、請求項1に記載の式(XXI)の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、1−ブロモ2,3−ジメチルベンゼンおよびアセトンから2−(2,3−ジメチルフェニル)−1−プロパナールを調製するための方法、香水でのこの使用およびメデトミジンを調製するためのこの使用を開示する。
【0002】
【背景技術】
芳香族アルデヒドは、化粧品、香水および数多くの家庭用品で、フレーバーおよびフレグランスとして広く使用されている。置換桂皮アルデヒドなどのα,β−不飽和芳香族アルデヒドは、明らかなフレグランスを有することが公知であり、したがって香水産業で使用される。
【0003】
WO 98/45237 Aは、ある種の芳香族アルデヒド、アセトフェノンアセタールから出発してこれらを生成するための方法、香水としてのこれらの使用および3−アリールプロパナールを調製するための中間体としてのこれらの使用を開示する。芳香族アルデヒドは、ムスク様フレグランスを有する。
【0004】
Mukherjee−Mullerら、Helvetica Chimica Acta、1977、60、1758−1780は、3種の未確認の異性体の混合物として、2−(ジメチルフェニル)プロパンアルデヒドを調製するためのプロセスを開示している。芳香族基上のメチルの位置は不明である。これらの化合物は、ある三環系アルコールからの、酸性触媒(硫酸)の存在下での転位反応によって調製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第98/45237号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Mukherjee−Mullerら、Helvetica Chimica Acta、1977、60、1758−1780
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
香水および家庭用品産業では、フレグランスの利用可能な選択肢を増やすためおよびフレグランスを常に変化する流行のニーズに合わせるために、興味深く新しいが未だ利用不可能なフレグランスを持つ新しい香水が常に求められる。さらに、それぞれの物質は、経済的に、一定の品質で合成する必要がある。高純度で強力なフレグランスが望まれる。本発明は、強力で興味深い、アルデヒド様フレグランスを持ち、極めてスパイシーで甘い、新しいα、β−不飽和芳香族アルデヒドおよびこれを生成するための改善された方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
下記の本文において、
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIを意味し、好ましくはCl、BrまたはIであり;
「アルキル」は、他に指示されていない場合、直鎖状、分枝状、環状またはシクロアルキルを意味し、好ましくは、一般に許容される意味の直鎖状または分枝状アルキルを意味する。「アルキル」の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニルおよびアダマンチルなどが含まれる;
「環状アルキル」または「シクロアルキル」は、シクロ脂肪族、ビシクロ脂肪族およびトリシクロ脂肪族残基を含むものとし;
「アルカン」は、直鎖状、分枝状または環状アルカン好ましくは直鎖状または分枝状アルカンを意味し;
「アルカノール」は、ヒドロキシアルカンを意味し、このアルカンは、その好ましい実施形態も有する上記にて定義された意味を有する;
Ac アセチル;
tBu 第3級ブチル;
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;
DABCO 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;
DIPEA N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン;
DMA N,N−ジメチルアセトアミド;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
EDTA−Na エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム;
ヘキサン 異性体のヘキサンの混合物;
NMP N−メチル−2−ピロリドン;
OTf トリフレートとしても知られるトリフルオロメタンスルホネート;
MPS KHSO、ペルオキシモノ硫酸カリウムまたはモノ過硫酸カリウムとしても公知であり、式2KHSOKHSOSOを有する三重塩としてCaroat(登録商標)およびOxone(登録商標)という商標名で販売されており、したがってKHSOは、この三重塩の形でしばしば使用される;
サレン サリチルアルデヒドまたは置換サリチルアルデヒド誘導体と、エチレンジアミンまたは置換エチレンジアミンとの縮合から得られる配位子;
スルファミン酸 HO−SO−NH
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル;
THF テトラヒドロフラン;
キシレン 1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼンまたはこれらの混合物;
但し、他に指示されていないことを前提とする。
【0009】
本発明の対象は、式(XXI);
【0010】
【化1】
の化合物を調製するための方法であって、
方法は、ステップ(N)を含み、
ステップ(N)は、反応(N−reac)を含み、
反応(N−reac)は、式(XXII)
【0011】
【化2】
の化合物と触媒(N−cat)との反応であり、
触媒(N−cat)は、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、HCl、HBr、HSO、HNO、HPO、HClO、BCl、BBr、BFOEt、BFSMe、BFTHF、MgCl、MgBr、MgI、AlCl、Al(O−C1−4アルキル)、SnCl、TiCl、Ti(O−C1−4アルキル)、ZrCl、Bi、BiCl、ZnCl、PbCl、FeCl、ScCl、NiCl、Yb(OTf)、Yb(Cl)、GaCl、AlBr、Ce(OTf)、LiCl、Cu(BF、Cu(OTf)、NiBr(PPh、NiBr、NiCl、Pd(OAc)、PdCl、PtCl、InCl、酸性無機固体基質、酸性イオン交換樹脂、無機酸で処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましくは、酸性無機固体基質は、アルミノシリケートである。
【0013】
好ましくは、酸性イオン交換樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンとのコポリマー、および過フッ素化分枝状または直鎖状ポリエチレンからなる群から選択され、これらのポリマーは、SOH基により官能化され;
より好ましくは、酸性イオン交換樹脂は、好ましくはマクロ網状構造である、ジニビルベンゼンを5%超含有するスチレンとジニビルベンゼンとのコポリマー、および過フッ素化ポリエチレンからなる群から選択され、これらのポリマーは、SOH基により官能化される。
【0014】
好ましくは、炭素が処理される無機酸は、HCl、HSO、およびHNOからなる群から選択される。
【0015】
好ましくは、触媒(N−cat)は、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HSO、HPO、BCl、BFOEt、MgCl、MgBr、AlCl、ZnCl、Cu(BF、アルミノシリケート、酸性イオン交換樹脂、HCl、HSOまたはHNOで処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択され;
より好ましくは、触媒(N−cat)は、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、HCl、HSO、BFOEt、Cu(BF、アルミノシリケート、酸性イオン交換樹脂およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0016】
好ましくは、反応(N−reac)は、溶媒(N−solv)中で行われ;
溶媒(N−solv)は、水、tert−ブタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、メチル−THF、NMP、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸およびこれらの混合物からなる群から選択され;
好ましくは、水、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチル−THF、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸、ギ酸およびこれらの混合物からなる群から選択され;
より好ましくは、水、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチル−THF、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチルおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
さらにより好ましくは、アセトニトリル、THF、2−メチル−THF、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
触媒(N−cat)は、純粋な形でまたは水和物として使用することができる。
【0018】
触媒(N−cat)は、溶媒(N−solv)中溶液として使用することができる。
【0019】
好ましくは、触媒(N−cat)と式(XXII)の化合物とのモル比は、1:1000から10:1であり、より好ましくは1:100から5:1であり、さらにより好ましくは1:20から1:1であり、特に1:10から1:2である。
【0020】
好ましくは、反応(N−reac)の反応温度は−20から200℃であり、より好ましくは0から150℃であり、さらにより好ましくは10から100℃である。
【0021】
反応(N−reac)は、大気に対して閉じているまたは開いている系内で行うことができる。
【0022】
閉じた系において、圧力は、主に溶媒(N−solv)の沸点に依存し、反応(N−reac)の反応温度に依存する。
【0023】
好ましくは、反応(N−reac)は、0.01barから20barの圧力、より好ましくは0.1から10barの圧力、さらにより好ましくは大気圧から5barで行われる。
【0024】
より好ましくは、反応(N−reac)は開いた系で行われる。
【0025】
好ましくは、反応(N−reac)の反応時間は30分から72時間であり、より好ましくは1時間から48時間であり、さらにより好ましくは2時間から24時間である。
【0026】
また、反応(N−reac)は、蒸発した式(XXII)の化合物を触媒(N−cat)上に通すことによって、連続気相反応として行うことができる。この気相反応は不活性ガスの存在下で行うことができ、不活性ガスは、好ましくは窒素、希ガスおよび二酸化炭素からなる群から選択される。
【0027】
反応(N−reac)後、式(XXI)の化合物は、それ自体が当業者に公知である、揮発性成分の蒸発、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、濾過、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーおよびこれらの任意の組合せなどの標準的な方法により単離することができる。
【0028】
好ましくは、反応混合物のまたは添加されたまたは後処理中に発生した任意の揮発性成分は、減圧下で蒸発させることによって除去することができる。
【0029】
好ましくは、反応(N−reac)から得られた反応混合物または反応(N−reac)後のワーク後処理中の任意の水相は、溶媒(M−extract)で抽出することができ、
溶媒(M−extract)は、好ましくは水、トルエン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸C1−8アルキルエステルおよびこれらの組合せからなる群から選択され;
酢酸C1−8アルキルエステルは、好ましくは酢酸C1−4アルキルエステルであり、より好ましくは酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択され;
好ましくは溶媒(M−extract)は、トルエン、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
好ましくは、反応(N−reac)後の任意の有機相の任意の洗浄は、水で、塩基(M−basify)で、塩基(M−basify)の水溶液で、酸(M−acid)の水溶液でまたはブラインで行うことができる。
【0031】
好ましくは、塩基(M−basify)は、NaHCO、NaCO、NaOHおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
好ましくは、塩基(M−basify)は、得られる混合物のpHが7から12であり、より好ましくは8から10であり、さらにより好ましくは8から9であるような量で添加される。
【0033】
好ましくは、酸(M−acid)は、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、NHCl、HCl、HBr、HSO、HPOおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0034】
任意の抽出または洗浄は、その後に、抽出物または洗浄混合物の濾過と濃縮を行うことができる。
【0035】
別の好ましい実施形態では、式(XXI)の化合物は、クロマトグラフィーにより反応(N−reac)後に精製される。
【0036】
任意の有機相は、好ましくはMgSOまたはNaSOで脱水することができる。
【0037】
任意の濃縮は、好ましくは蒸留によって、好ましくは減圧下で行われる。
【0038】
式(XXI)の化合物は、ステップ(N)で、式(XXI)で示されるようにアルデヒドとして、しかしその水和物またはヘミアセタールの形でも得ることができる。ステップ(N)からの生成物として得ることができる式(XXI)の化合物のヘミアセタールは、式(XXI)に示されるアルデヒドと、tert−ブタノールおよびイソプロパノールからなる群から選択されたアルコールとの間、または式(XXI)に示されるアルデヒドと、反応(N−reac)後の単離中に使用されるアルコールとの間の付加反応の生成物とすることができる。
【0039】
したがって、本発明の目的に合わせた式(XXI)は、アルデヒド、水和物およびヘミアセタールを包含する。
【0040】
式(XXI)の化合物が、その水和物またはヘミアセタールの形で反応(N−reac)から得られる場合、水和物またはヘミアセタールは、当業者に公知の標準的な反応によってアルデヒドに変換することができる。
【0041】
好ましくは、式(XXII)の化合物は、ステップ(O)でまたは2つのステップで調製され、これら2つのステップはステップ(O1)およびステップ(O2)であり;
ステップ(O)は反応(O−reac)を含み;
反応(O−reac)は、式(XXIII)
【0042】
【化3】
の化合物と試薬(O−reag)との反応であり;
試薬(O−reag)は、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、3−クロロ過安息香酸、モノペルフタル酸、ジメチルジオキシラン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、酸素、空気、次亜塩素酸ナトリウム、KHSO、Na、H水溶液、酢酸に溶解したH、トリフルオロ酢酸に溶解したHおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
ステップ(O1)は反応(O1−reac)を含み;
反応(O1−reac)は、式(XXIII)の化合物と水および化合物(O1−comp)との反応であり;
化合物(O1−comp)は、臭素、N−ブロモスクシンイミド、塩素、N−クロロスクシンイミド、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド、IBr、BrClおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
ステップ(O2)は反応(O2−reac)を含み;
反応(O2−reac)は、反応(O1−reac)からの反応生成物と塩基(O2−base)との反応であり;
塩基(O2−base)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
好ましくは、試薬(O−reag)は、過酢酸、tert−ブチルヒドロペルオキシド、酸素、空気、次亜塩素酸ナトリウム、H水溶液、酢酸に溶解したH、トリフルオロ酢酸に溶解したHおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
より好ましくは、試薬(O−reag)はH水溶液である。
【0044】
好ましくは、反応(O−reac)は溶媒(O−solv)中で行われ;
溶媒(O−solv)は、水、NaHCO、NaCO、(NH)HCO、(NHCO、KHCOまたはKCOの水溶液、ベンゼン、トルエン、NMP、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、tert−ブタノール、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタンおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
好ましくは、水、NaHCO、NaCO、KHCOまたはKCOの水溶液、トルエン、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジクロロメタンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0045】
反応(O−reac)は、触媒(O−cat)の存在下で行うことができ;
触媒(O−cat)は、トリフルオロ酢酸、トリフルオロアセトン、Mn(サレン)錯体、アルデヒド、N−メチルモルホリンN−オキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
アルデヒドは、好ましくはイソブチルアルデヒドまたはベンズアルデヒドである。
【0046】
反応(O−reac)は、緩衝液(O−buff)の存在下で行うことができ;
好ましくは、緩衝液(O−buff)は、水性緩衝液であり、KCO/EDTA−Na緩衝液、リン酸緩衝液および当業者に公知のその他の緩衝液からなる群から選択され;
より好ましくは、緩衝液(O−buff)はKCO/EDTA−Na緩衝液である。
【0047】
好ましくは、反応(O−reac)の反応温度は−20から100℃であり、より好ましくは−10から80℃であり、さらにより好ましくは0から50℃である。
【0048】
反応(O−reac)は、大気に対して閉じているまたは開いている系で行うことができる。
【0049】
閉じた系では、圧力は、溶媒(O−solv)の沸点に、および反応(O−reac)の反応温度に左右される。
【0050】
好ましくは反応(N−reac)は、0.01barから20barの圧力で、より好ましくは0.1から10barの圧力で、さらにより好ましくは大気圧から5barの圧力で行われる。
【0051】
より好ましくは、反応(O−reac)は、開いた系で行われる。
【0052】
好ましくは、反応(O−reac)の反応時間は30分から72時間であり、より好ましくは1時間から48時間であり、さらにより好ましくは2時間から24時間である。
【0053】
反応(O−reac)後、式(XXII)の化合物は、揮発性成分の蒸発、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーおよびこれらの任意の組合せなどの標準的な方法によって、単離することができる。
【0054】
好ましくは、反応(O1−reac)および反応(O2−reac)は、溶媒(O−solv)中で、上記にて定義された溶媒(O−solv)中で、またその好ましい実施形態の全てで実施される。
【0055】
好ましくは、反応(O1−reac)および反応(O2−reac)の反応温度は、同一でありまたは異なり、互いに独立して−20から100℃であり、より好ましくは−10から80℃であり、さらにより好ましくは0から50℃である。
【0056】
反応(O1−reac)および反応(O2−reac)は、互いに独立して、大気に対して閉じているまたは開いている系内で行うことができる。
【0057】
閉じた系において、圧力は、溶媒(O−solv)の沸点に左右され、それぞれ反応(O1−reac)および反応(O−reac)の反応温度に左右される。
【0058】
好ましくは、反応(O1−reac)および反応(O2−reac)は、互いに独立して、0.01barから20barの圧力で、より好ましくは0.1から10barの圧力で、さらにより好ましくは大気圧から5barの圧力で行われる。
【0059】
より好ましくは、反応(O1−reac)および反応(O2−reac)は、開いた系で行われる。
【0060】
好ましくは、反応(O1−reac)および反応(O2−reac)の反応時間は、互いに独立して、30分から72時間であり、より好ましくは1時間から48時間であり、さらにより好ましくは2時間から24時間である。
【0061】
反応(O1−reac)の反応生成物および反応(O2−reac)からの式(XXII)の化合物は、揮発性成分の蒸発、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、濾過、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーおよびこれらの任意の組合せなどの標準的な方法によって、単離することができる。
【0062】
反応(O1−reac)および反応(O2−reac)は、反応(O1−reac)の反応生成物を単離することなく連続的に行うことができ、ワンポットで行うことができる。
【0063】
好ましくは、式(XXII)の化合物は単離されず、ステップ(N)は、それぞれステップ(O)またはステップ(O2)後にワンポットで直接行われる。この場合、触媒(N−cat)は、反応(O−reac)からまたは反応(O2−reac)からそれぞれ得られる反応混合物に単に添加される。
【0064】
好ましくは、式(XXIII)の化合物はステップ(P)で調製され;
ステップ(P)は反応(P−reac)を含み;
反応(P−reac)において、式(XXIV)
【0065】
【化4】
の化合物は温度(P−temp)に曝され;
温度(P−temp)は0から300℃である。
【0066】
好ましくは、温度(P−temp)は5から200℃であり、より好ましくは100から150℃である。
【0067】
反応(P−reac)は、溶媒(P−solv)中で行うことができ;
溶媒(P−solv)は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、1,2−ジクロロエタン、NMP、ジクロロメタン、クロロホルムおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
好ましくは、反応(P−reac)は触媒(P−cat)の存在下で行われ;
触媒(P−cat)は、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、HCl、HBr、HSO、KOH、NaOH、KHSO、HNO、HPO、HClO、BCl、BBr、BFOEt、BFSMe、BFTHF、MgCl、MgBr、MgI、AlCl、Al(O−C1−4アルキル)、I、Al、SnCl、TiCl、Ti(O−C1−4アルキル)、ZrCl、Bi、BiCl、ZnCl、PbCl、FeCl、Yb(OTf)、Yb(Cl)、GaCl、AlBr、Ce(OTf)、LiCl、酸性の不溶性無機固体、酸性イオン交換樹脂、無機酸で処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択され;
好ましくは、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、HSO、KHSO、HPO、酸性の不溶性無機固体、酸性イオン交換樹脂、無機酸で処理された炭素およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0069】
好ましくは、酸性の不溶性無機固体は、酸性アルミノシリケートまたはシリカゲルである。
【0070】
好ましくは、炭素を処理した無機酸は、HCl、HSOおよびHNOからなる群から選択される。
【0071】
好ましくは、酸性イオン交換樹脂は、スチレンおよびジビニルベンゼンのコポリマー、および過フッ素化分枝状または直鎖状ポリエチレンからなる群から選択され、これらのポリマーはSOH基で官能化されており;
より好ましくは、酸イオン交換樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンとのコポリマーであってジビニルベンゼンを5%超含有し好ましくはマクロ網状構造であるコポリマーと、過フッ素化ポリエチレンからなる群から選択され、これらのポリマーはSOH基により官能化されている。
【0072】
反応(P−reac)が触媒(P−cat)の存在下で行われる場合、温度(P−temp)は、好ましくは0から200℃であり、より好ましくは10から150℃であり、さらにより好ましくは10から100℃である。
【0073】
反応(P−reac)は、蒸発した式(XXIV)の化合物を加熱されたチューブ内に通すことによって気相中で行うことができ、加熱されたチューブには触媒(P−cat)を充填することができる。
【0074】
反応(P−reac)後、式(XXIII)の化合物は、揮発性成分の蒸発、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーおよびこれらの任意の組合せなど、標準的な方法によって単離することができる。
【0075】
好ましくは、式(XXIV)の化合物は3つのステップで調製され、これら3つのステップは、ステップ(Q1)、ステップ(Q2)およびステップ(Q3)であり;
ステップ(Q1)は、式(XXV)
【0076】
【化5】
の化合物と試薬(Q1−reag)との反応による反応(Q1−reac)を含み;
式中、QはBr、ClまたはIであり;
試薬(Q1−reag)は、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
ステップ(Q2)は、反応(Q2−reac)を含み;
反応(Q2−reac)は、反応(Q1−reac)の反応生成物とアセトンとの反応であり;
ステップ(Q3)は、反応(Q3−reac)を含み;
反応(Q3−reac)は、反応(Q2−reac)の反応生成物と試薬(Q3−reag)との反応であり;
試薬(Q3−reag)は、水、メタノール、エタノール、シュウ酸、クエン酸、NHCl、HCl、HBr、HNO、HSO、HPO、酢酸、プロピオン酸、ギ酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0077】
好ましくは、QがBrである。
【0078】
好ましくは、試薬(Q1−reag)は、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0079】
反応(Q1−reac)は、触媒(Q1−cat)で触媒することができる。
【0080】
触媒(Q1−cat)は、ヨウ素、1,2−ジブロモエタン、TiCl、AlCl、PbCl、BiCl、LiClおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0081】
好ましくは、試薬(Q3−reag)は水またはNHCl水溶液である。
【0082】
好ましくは、反応(Q1−reac)は溶媒(Q1−solv)中で行われる。
【0083】
好ましくは、反応(Q2−reac)は溶媒(Q2−solv)中で行われる。
【0084】
好ましくは、反応(Q3−reac)は溶媒(Q3−solv)中で行われる。
【0085】
好ましくは、溶媒(Q1−solv)、溶媒(Q2−solv)および溶媒(Q3−solv)は、同一でありまたは異なり、互いに独立して、THF、メチル−THF、NMP、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メトキシシクロペンタン、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、トリC1−4アルキルアミンおよびこれらの混合物から選択され;
より好ましくは、THF、2−メチル−THF、1,2−ジメトキシエタン、メチル−tert−ブチルエーテル、メトキシシクロペンタン、トリC1−4アルキルアミンおよびこれらの混合物から選択され;
さらにより好ましくは、THF、2−メチル−THF、1,2−ジメトキシエタン、トリエチルアミンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0086】
好ましくは、溶媒(Q1−solv)、溶媒(Q2−solv)および溶媒(Q3−solv)が同一である。
【0087】
反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)の反応温度は同一でありまたは異なっており、互いに独立して、好ましくは−100から150℃であり、より好ましくは−60から100℃であり、さらにより好ましくは−20から80℃である。
【0088】
反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)は、一定温度で行うことができまたは温度は、反応の進行中に修正されてもよい。例えば反応は、第1の温度で、ある時間にわたって実行することができ、次いで第1の温度とは異なる第2の温度で、後続の時間にわたり行うことができる。また、温度は、反応中に連続して変更されてもよい。
【0089】
反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)の反応時間は同一でありまたは異なっており、互いに独立して、好ましくは30分から48時間であり、より好ましくは1から24時間であり、さらにより好ましくは2から12時間である。
【0090】
溶媒(Q1−solv)、溶媒(Q2−solv)および溶媒(Q3−solv)の量は、同一でありまたは異なっており、互いに独立して、それぞれ、式(XXV)の化合物の重量の、反応(Q1−reac)の反応生成物の重量の、および反応(Q2−reac)の反応生成物の重量の、好ましくは2から40倍であり、より好ましくは3から10倍であり、さらにより好ましくは5から7倍である。
【0091】
好ましくは、1.0から10モル当量、より好ましくは1.1から5モル当量、さらにより好ましくは1.1から3モル当量の試薬(Q1−reag)が使用され、このモル当量は、式(XXV)の化合物のモル数に基づく。
【0092】
好ましくは、1.0から10モル当量、より好ましくは1.1から5モル当量、さらにより好ましくは1.1から3モル当量のアセトンが使用され、このモル当量は、式(XXV)の化合物のモル数に基づく。
【0093】
好ましくは、1.0から100モル当量、より好ましくは1.1から50モル当量、さらにより好ましくは1.1から30モル当量の試薬(Q3−reag)が使用され、このモル当量は、式(XXV)の化合物のモル数または反応(Q2−reac)の反応生成物のモル数に基づく。
【0094】
好ましくは、反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)は、大気圧で行われる。
【0095】
好ましくは、反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)は、不活性雰囲気中で行われる。好ましくは、不活性雰囲気は、アルゴン、別の希ガス、より低い沸点のアルカン、窒素およびこれらの混合物からなる群から選択された希ガスを使用することによって実現される。
【0096】
より低い沸点のアルカンは、好ましくはC1−3アルカンであり、即ちメタン、エタンまたはプロパンである。
【0097】
反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)後、それぞれ反応(Q1−reac)の反応生成物、反応(Q2−reac)の反応生成物および式(XXIV)の化合物を、揮発性成分の蒸発、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーおよびこれらの任意の組合せなどの標準的な方法により単離することができる。
【0098】
好ましくは、反応(Q1−reac)の反応生成物および反応(Q2−reac)の反応生成物は単離されない。
【0099】
好ましくは、反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)は、継続的に行われ、好ましくは、反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および反応(Q3−reac)は、ワンポットで行われる。
【0100】
別の好ましい実施形態では、反応(Q1−reac)および反応(Q2−reac)は、試薬(Q1−reag)を、溶媒(Q1−solv)中で式(XXV)の化合物とアセトンとの混合物に添加することにより、ワンポットで行うことができ;反応(Q3−reac)は、その後、好ましくは同じポットで行われる。
【0101】
式(XXIV)の化合物は、好ましくは、揮発性成分の蒸発、加水分解および場合によるより高い沸点の残留物の酸性化、抽出および蒸留などの従来の方法を使用して単離される。
【0102】
任意の水相を抽出することができ、好ましくは抽出は、溶媒(Q−extract)で行われる。溶媒(Q−extract)は、ベンゼン、トルエン、酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルである。
【0103】
任意の有機相を、好ましくは硫酸マグネシウムで乾燥することができる。
【0104】
任意の濃縮は、好ましくは蒸留により、好ましくは減圧下で行われる。
【0105】
式(XXIV)の化合物は、好ましくは減圧下での結晶化または蒸留によって精製することができる。
【0106】
式(XXI)および(XXII)の化合物は、キラル化合物であり、式は、それぞれ式(XXI)の、および式(XXII)の化合物の、任意の鏡像異性体ならびに鏡像異性体の任意の混合物を含む。
【0107】
式(XXV)の化合物は公知の化合物であり、公知の方法に従い調製することができる。
【0108】
反応、即ち反応(N−reac)、反応(O−reac)、反応(O1−reac)、反応(O2−reac)、反応(P−reac)、反応(Q1−reac)、反応(Q2−reac)および、反応(Q3−reac)のいずれかの進行は、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外線分光法(IR)、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー質量分光法(LCMS)または薄層クロマトグラフィー(TLC)などの標準的な技法によってモニターすることができ、反応混合物の後処理は、出発材料の変換が95%を超えたときに、または出発材料をこれ以上検出できなかったときに開始することができる。これを引き起こすのに必要な時間は、精密な反応温度および全ての試薬の精密な濃度に左右されることになり、バッチごとに変えてもよい。
【0109】
一般に、任意の有機相は、他に指示されない限り、好ましくはMgSOまたはNaSOで脱水することができる。
【0110】
本発明のその他の対象は、フレグランスとしての、好ましくは香水または家庭用品での、式(XXI)の化合物の使用である。
【0111】
本発明のその他の対象は、メデトミジンを調製するための式(XXI)の化合物の使用である。
【0112】
メデトミジンは、式(XX)
【0113】
【化6】
の化合物であり、獣医学用鎮静薬および鎮痛薬として現在使用されており麻酔薬として評価されるα2アドレナリン作動薬である。
【0114】
WO2011/070069Aは、メデトミジンを調製するためのプロセスであって、イミダゾール環が、市販されている2,3−ジメチル安息香酸から出発して多段階プロセス中に構築されるプロセスを開示する。
【0115】
式(XX)の化合物は、好ましくは、反応(M1)を含む方法によって式(XXI)の化合物から調製され;
反応(M1)は、式(XXI)の化合物、イソシアン化物、および窒素源として作用する化合物の間の反応であり;
イソシアン化物は、好ましくは試薬(M)であり、試薬(M)は、イソシアン化p−トルエンスルホニルメチル、イソシアン化トリフルオロメタンスルホニルメチル、イソシアン化メタンスルホニルメチル、イソシアン化ベンゼンスルホニルメチル、イソシアン化4−アセトアミドベンゼンスルホニルメチルおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
窒素源として作用する化合物は、好ましくは試薬(M−A)であり、試薬(M−A)は、アンモニア、スルファミン酸、p−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、4−アセトアミドベンゼンスルホンアミド、トリチルアミン、ホルムアミド、尿素、ウロトロピン、カルバミン酸エチル、アセトアミドおよびこれらの混合物からなる群から選択され;
好ましくは反応(M1)は、溶媒(M)中で行われ、好ましくは溶媒(M)は、N,N−ジメチルホルムアミド、C1−6アルカノール、ホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、NMP、トルエン、アセトニトリル、プロピオニトリル、カルバミン酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、水、アセトアミドおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0116】
試薬(M)および試薬(M−A)と式(XXI)の化合物との反応の、反応(M1)における任意の順序を使用することができ:
式(XXI)の化合物を最初に試薬(M)と反応させ、次いで試薬(M−A)を添加することができ;または
まず式(XXI)の化合物を試薬(M−A)と最初に反応させ、次いで試薬(M)を添加することができ;または
式(XXI)の化合物を、試薬(M)および試薬(M−A)と同時に反応させることができ、この実施形態は、好ましくは、試薬(M−A)および溶媒(M)が同一であり、ホルムアミド、カルバミン酸エチルまたはアセトアミドである場合に適しており;好ましくはホルムアミドである。
【0117】
本発明のその他の対象は、式(XXI)の化合物を調製するための式(XXII)の化合物の使用である。
【0118】
本発明のその他の対象は、式(XXII)の化合物を調製するための式(XXIII)の化合物の使用である。
【0119】
本発明のその他の対象は、式(XXIII)の化合物を調製するための式(XXIV)の化合物の使用である。
【0120】
本発明のその他の対象は、式(XXIV)の化合物を調製するための式(XXV)の化合物の使用である。
【0121】
従来技術と比較すると、本発明の方法はいくつかの利点を提供し:重要なことは、式(XXI)の化合物の全炭素骨格が、2、3の化学的ステップで、安価な試薬のみ使用して構築されることである。保護基は必要とせず、したがって使用される材料の全体的な量が低減され、モル量に基づくバッチサイズが増大する。
【0122】
特にトリチルまたはアセタール保護基は使用されず、イミダゾールの保護を必要としない。それによって、例えばトリチルまたはアセタール保護基が使用される場合とは対照的に、必要な試薬の数および量が低減され、保護または脱保護ステップを必要とせず、廃棄物が低減される。方法は、良好な収率を有する。
【0123】
式(XXI)の化合物は、容易に精製することができ、香気の高いフレグランス純度または高いフレグランス純度の形で得ることができる。これは、フレグランスとしての使用に向けた製品には特に重要である。
【0124】
製品は、フレグランス産業で探求される非常に特殊なフレグランスにより区別される。
【実施例】
【0125】
方法
Hおよび13C NMRスペクトルを、CDClでVarian VNMRS 500(Hに関して500MHz、および13Cに関して125MHz)機器に記録した。化学シフトは、TMSに対する百万分率を単位として表され、結合定数(J)はヘルツを単位として表される。
【0126】
EIは、電子イオン化質量スペクトル(70eV)を意味し、AMD−604分光計で得られた。
【0127】
ESIは、電子スプレーイオン化質量スペクトルを意味する。
【0128】
THFを、使用前にナトリウム/ベンゾフェノンケチルから蒸留し:得られた無水THFを、以下の文において「乾燥THF」と呼ぶ。
【0129】
[実施例1] 2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパン−2−オール、式(XXIV)の化合物、有機マグネシウム中間体を介して調製されたもの
1−ブロモ−2,3−ジメチルベンゼン(式(XXV)の化合物、QはBrである;8.43g、45.6mmol)を、乾燥THF(15ml)中に溶解し、滴下漏斗内に置いた。これとは別に、乾燥THF(5ml)中のMgワイヤ(1.10g、45.3mmol)を、上述の滴下漏斗、撹拌子および還流冷却器を備えたフラスコに入れた。1−ブロモ−2,3−ジメチルベンゼン溶液(1.0mL)を、滴下漏斗を介して添加し、1,2−ジブロモエタン(3滴)を添加することによって反応を開始させ、次いで1−ブロモ−2,3−ジメチルベンゼン溶液の残りを添加した。滴下漏斗の内容物を、僅かな還流が維持される速度で添加した。添加終了後、混合物を1時間還流し、次いで0℃に冷却した。乾燥アセトン(4.2mL、58mmol)の乾燥THF(15mL)中溶液を1滴ずつ添加し、混合物を、0から20℃の間の温度で3時間撹拌した。混合物を、NHCl飽和水溶液(100mL)中に注ぎ、ヘキサンで抽出し(それぞれ50mLで5回)、NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させた。主な生成物を、ヘキサン:酢酸エチルを溶離剤(v/v 15:1から10:1勾配)として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを介して単離した結果、標題の化合物が3.50g(47%)得られた。
H NMR:1.68(s,6H),1.70(s,1H),2.29(s,3H),2.50(s,3H),7.03−7.10(m,2H),7.29−7.32(m,1H).
13C NMR:17.72,21.08,31.24,73.71,123.11,125.02,129.02,135.09,138.69,145.47.
MS(EI):164(12),149(35),146(100),131,116,105,91.
【0130】
[実施例2] 2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパン−2−オール、式(XXIV)の化合物、有機リチウム中間体を介して調製されたもの
1−ブロモ−2,3−ジメチルベンゼン(式(XXV)の化合物、QはBrである;4.25g、23.0mmol)を、温度計および撹拌棒を備えたフラスコ内で、乾燥THF(20mL)に溶解した。混合物を、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、17.5mL、28.0mmol)を、シリンジを介して1滴ずつ添加し、温度を−70℃よりも低く保った。添加が終了したら、混合物を−78℃で維持し、この温度で1時間撹拌した。次いで乾燥アセトン(1.85mL、25.2mmol)の乾燥THF(5mL)中溶液を、−78℃で添加した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、冷却浴を除去し、混合物をそのまま室温に到達させた。混合物を、NHCl飽和水溶液(100mL)中に注ぎ、ヘキサンで抽出し(それぞれ50mLで4回)、NaSOで脱水し、ヘキサン:酢酸エチルを溶離剤(v/v 32:1)として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを介して精製した結果、標題の化合物が3.45g(91%)得られた。測定されたNMRスペクトルは、実施例1で記録されたものと同一であった。
【0131】
[実施例3] 1,2−ジメチル−3−(2−プロペニル)ベンゼン、式(XXIII)の化合物
2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパン−2−オール、式(XXIV)の化合物であって、実施例1または実施例2のいずれかにより調製されたもの(1.10g、6.70mmol)を、ベンゼン(20mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(35mg、0.18mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。シリカゲル(200mg)を添加し、撹拌を約16時間継続し、次いで反応混合物を30分間還流した。室温まで冷却後、混合物を濾過し、KCO水溶液で洗浄し、従来通り乾燥し、減圧下で濃縮した結果、標題の化合物が0.90g(92%)得られた。
H NMR:2.02(m,3H),2.21(s,3H),2.28(s,3H),4.82(m,1H),5.17(m,1H),6.97(m,1H),7.05(m,2H).
【0132】
[実施例4] 2−(2,3−ジメチルフェニル)メチルオキシラン、式(XXII)の化合物
緩衝液を、KCO(20.7g)およびEDTA−Na(11.5mg)を水(100mL)中に溶解することによって調製した。実施例3により調製された1,2−ジメチル−3−(2−プロペニル)ベンゼン、式(XXIII)の化合物(0.90g、6.16mmol)をジクロロメタンとアセトニトリルとの混合物(v/v 1:1、60mL)に溶解し、上述のように調製された緩衝液(9.3mL)を添加した。得られた混合物に、まず1,1,1−トリフルオロアセトン(60μL)を、次いで過酸化水素(水中30%、6.2mL、60.7mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した(それぞれ50mLで2回)。合わせた有機相をNaSOで脱水し、減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン:酢酸エチルを溶離剤(v/v 32:1)として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを介することにより精製した結果、標題の化合物が851mg(85%)得られた。
H NMR:1.59(s,3H),2.28(s,3H),2.31(s,3H),2.83(br d,J=5.4,1H),2.98(d,J=5.4Hz,1H),7.08(m,2H),7.21(m,1H).
MS(EI):162,147,133,117(100).
【0133】
[実施例5] 2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパナール、式(XXI)の化合物
2−(2,3−ジメチルフェニル)メチルオキシラン、式(XXII)の化合物であって、実施例4により調製されたもの(0.84g、5.18mmol)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)に溶解し、粉末化したCu(BF水和物(318mg)を室温で添加した。室温で2時間後、混合物を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した結果、標題の生成物が0.84g(100%)得られた。
H NMR:1.40(d,J=7.1Hz,3H),2.25(s,3H),2.32(s,3H),3.89(qd,J=7.1,1.0Hz,1H),6.89−6.92(m,1H),7.12(m,2H),9.67(d,J=1.0Hz,1H).
【0134】
[実施例6] メデトミジン、式(XX)の化合物
2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパナール、式(XXI)の化合物であって、実施例5により調製されたもの(2.43g、15.0mmol)、およびイソシアン化p−トルエンスルホニルメチル(2.73g、14.0mmol)を、EtOH(30mL)と混合した。撹拌された懸濁液に、粉末化NaCN(73mg、1.5mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発乾固させた。残留物をアンプル内に入れ、NHで飽和させたMeOH(50mL)で処理した。アンプルを、油浴中で3日間にわたり110℃まで加熱した。
【0135】
この実験を、もう1回繰り返した(2−(2,3−ジメチルフェニル)プロパナール:3.24g、20.0mmol;イソシアン化p−トルエンスルホニルメチル:3.90g、20.0mmol)。
【0136】
両方の反応混合物を合わせ、蒸発乾固し、ジクロロメタン(150mL)中に溶解し、10%(w/w)NaCO水溶液(200mL)で洗浄し、次いで水(200mL)で洗浄し、従来通り乾燥し、減圧下で蒸発させ、ジクロロメタン:メタノールを溶離剤(v/v 15:1から10:1勾配)として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを介することによって精製した結果、メデトミジンが、粘着性の油として3.0g(44%)得られた。メデトミジンをトルエン:シクロヘキサンから結晶化し、次いでエタノール水溶液から再結晶させた。
H NMR:1.56(d,J=7.2Hz,3H),2.18(s,3H),2.25(s,3H),4.35(q,J=7.2Hz,1H),6.66(s,1H),6.93(dd,J=6.6,2.2Hz,1H),6.99−7.05(m,2H),7.30(d,J=1.1Hz,1H),9.84(広幅なs,1H).
13C NMR:14.65,20.72,20.88,14.12,117.61,124.62,125.53,127.91,134.05,134.60,136.76,141.11,143.23.
MS(ESI):201[M+H]