(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動電流制御手段は、前記振れ角検出手段の検出出力信号と前記駆動力発生部に供給する駆動電流信号の位相差に基づいて、前記初期駆動制御手段で設定した可動部振れ角最大周波数と可動部共振周波数が一致するか否かを判定する構成である請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ駆動制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の第1実施形態を示すブロック図である。
図1において、本実施形態のアクチュエータ駆動制御装置は、アクチュエータ10の駆動コイル14に供給する駆動電流を制御して
図3に示すアクチュエータ10の可動部13の振れ角を制御する駆動電流供給回路1と、アクチュエータ10の可動部13の動きを検出して可動部13の実際の振れ角を示す振れ角検出信号を出力する振れ角検出手段である振れ角センサ2と、を備えて構成される。
【0011】
前記駆動電流供給回路1は、電源がONされると、予め定めた所定の電流値の初期駆動電流を予め設定した周波数範囲を掃引しつつアクチュエータ10の駆動コイル14に供給して可動部13を初期駆動し、振れ角センサ2の検出出力に基づいてアクチュエータ10の可動部13の振れ角が最大となる周波数を設定し、その後、初期駆動で設定した可動部振れ角が最大となる周波数が可動部13の共振周波数と一致するか否かを、例えば振れ角センサ2の検出出力と駆動電流の位相差に基づいて判定し、一致するよう駆動電流周波数を調整しつつ振れ角センサ2の検出出力に基づいて可動部13の振れ角が予め設定した目標値になるよう駆動コイル14に供給する駆動電流値を制御するものである。ここで、駆動電流供給回路1が初期駆動制御手段及び駆動電流制御手段の機能を備えている。
【0012】
前記振れ角センサ2は、後述する
図3に示すアクチュエータ10のトーションバー12,12の軸を挟んで対向配置した一対のピエゾ素子(歪ゲージ)2a,2aと2b,2bを有し、これら4つのピエゾ素子2a,2a,2b,2bで
図2に示すようにブリッジ回路を構成する。可動部13の揺動に伴ってトーションバー12,12が捩れることで発生する各ピエゾ素子2a,2a,2b,2bの抵抗値変化が、前記ブリッジ回路の出力変化として検出され、前記ブリッジ回路の出力が可動部13の振れ角検出出力として振れ角センサ2の出力となる。
【0013】
前記ピエゾ素子が、例えばp型拡散抵抗により形成されている場合、可動部13の回動によりピエゾ素子2a,2aに引張応力が加わり、ピエゾ素子2b,2bに圧縮応力が加わると、ピエゾ素子2a,2aの抵抗値は増加し、ピエゾ素子2b,2bの抵抗値は減少するため、
図2のブリッジ回路の出力電圧Vout(Vout=Va−Vb)の値は負になる。また、可動部13の傾き方向が切り替わって、ピエゾ素子2b,2bに引張応力が加わり、ピエゾ素子2a,2aに圧縮応力が加わるようになると、ピエゾ素子2a,2aの抵抗値は減少し、ピエゾ素子2b,2bの抵抗値は増加するため、
図2のブリッジ回路の出力電圧Vout(Vout=Va−Vb)の値は正になる。従って、可動部13の揺動動作に伴ってブリッジ回路から交流の振れ角検出信号が出力され、その電圧値から振れ角を検出できる。
【0014】
図3に、本実施形態のアクチュエータ駆動制御装置によって駆動されるアクチュエータ10の一例を示す。
図3において、このアクチュエータ10は、半導体製造技術を利用して製造した電磁駆動式のプレーナ型アクチュエータである。アクチュエータ10は、枠状の固定部11と、可動部13と、可動部13を固定部11に対し揺動可能に軸支する一対のトーションバー12,12とを備えて構成され、固定部11、トーションバー12,12及び可動部13は、半導体基板を用いて一体に形成される。
【0015】
可動部13の周縁部には、通電により磁界を発生する駆動コイル14が形成され、駆動コイル14の両端は、固定部11に形成した一対の電極端子15,15に接続され、電極端子15,15は、
図1に示す駆動電流供給回路1に対し、例えばワイヤーボンディング等により電気的に接続される。また、トーションバー12,12の軸方向と平行な可動部対辺部と対面する固定部11の外方には、一対の永久磁石16,16が、互いに反対磁極を対向して配置されており、この一対の永久磁石16,16は、トーションバー12,12の軸方向と平行な可動部対辺部の駆動コイル14部分に静磁界を作用させる。
【0016】
電磁駆動式アクチュエータ10は、駆動電流供給回路1から駆動コイル14に駆動電流(交流電流)を供給すると、駆動コイル14に流れる電流により発生する磁界と永久磁石16,16の静磁界との相互作用により駆動力(ローレンツ力)が発生し、可動部13がトーションバー12,12回りに当該トーションバー12,12の捩れ量に応じて発生する弾性復元力に抗して回動する。ここで、駆動コイル14と一対の永久磁石16,16とで駆動力発生部が構成される。尚、永久磁石16,16に代えて電磁石を設けてもよい。
【0017】
次に、
図4のフローチャートを参照しながら本実施形態の駆動電流供給回路1によるアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作について説明する。
電源ONにより動作が開始される。
まず、ステップ1(図中、S1で示し、以下同様とする)で、初期駆動電流を予め設定した所定の電流値(所定のパルス幅)に設定し、その周波数を可動部の共振周波数を含んで予め設定した周波数範囲(例えば共振周波数±5%の範囲)を掃引しつつ、初期駆動電流をアクチュエータ10の駆動コイル14に供給する。尚、可動部13の共振周波数は実験等で予め知ることは可能である。
【0018】
ステップ2で、振れ角センサ2の検出出力を、例えば所定間隔でサンプリングし、周波数掃引範囲におけるサンプリング値が最大となったときの周波数値、即ち、可動部13の振れ角が最大になったときの周波数値をピークホールドし、その周波数値を可動部振れ角最大の周波数値として設定する。
【0019】
ステップ3で、初期駆動電流の電流値をステップ1で設定した所定電流値とし、その周波数をステップ2で設定した周波数値として、アクチュエータ10の駆動コイル14に供給し、アクチュエータ10の可動部13を初期駆動する。その後、
図4に点線で囲んだXで示す可動部13を立上げ時の目標振れ角まで駆動制御するためのステップ4〜9の駆動電流制御処理に進む。
【0020】
即ち、ステップ4で、ステップ3で駆動コイル14に供給した駆動電流とそのときの可動部13の回動動作で得られる振れ角センサ2の検出出力との位相差に基づいて、駆動電流の周波数が可動部13の共振周波数と一致しているか否かを判定する。ここで、アクチュエータ1は、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数と略一致するときは駆動電流と振れ角センサ2の検出出力との位相差が略90度(π/2)であり、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数より低いときは前記位相差が90度より小さく(<π/2)、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数より高いときは前記位相差が90度より大きく(>π/2)なる特性がある。従って、位相差が90度より小さいと判定したとき(<π/2)は、ステップ5に進み駆動電流周波数を上げ、位相差が90度より大きいと判定したとき(>π/2)は、ステップ6に進み駆動電流周波数を下げる。このように駆動電流と振れ角センサ2の検出出力との位相差に基づいて駆動電流周波数が可動部13の共振周波数に一致するか否かを調べ、ステップ4で駆動電流と振れ角センサ2の検出出力との位相差が略略90度(π/2)と判定されると、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数と一致したとしてテップ7に進む。
【0021】
ステップ7で、駆動電流値を所定値増大(パルス幅を所定値増大)する。例えば、増大量としては、可動部13の振れ角が約1度変化する程度が好ましい。これにより、トーションバー12,12に余計なメージを与えずに済む。
【0022】
ステップ8で、振れ角センサ2の検出出力に基づいて可動部13の振れ角を判定する。可動部13の振れ角が予め定めた目標値より小さい(<目標値)と判定したときはステップ4に戻り、ステップ4〜6の動作を実行して、駆動電流の周波数が可動部13の共振周波数と一致するよう駆動電流の周波数を調整した後、再度、ステップ7で駆動電流値を増大し、ステップ8で可動部13の振れ角を判定する。駆動電流値を増大したときにステップ4〜6の動作を実行するのは、駆動電流の増大により可動部13の共振周波数が変化して駆動電流周波数とのずれが生じるので、駆動電流周波数と可動部13の共振周波数とのずれを修正するためである。可動部13の振れ角が予め定めた目標値より大きい(>目標値)と判定したときはステップ9で、駆動電流値を例えば所定値減少(パルス幅を所定値減少)させる。尚、駆動電流の増大幅と減少幅は、同じでもよく、異なってもよい。
【0023】
ステップ8で、可動部13の振れ角が目標値であると判定されれば、アクチュエータ10の初期駆動制御は終了する。
図5に、本実施形態の駆動制御装置によるアクチュエータ10の立上げ動作時の可動部13の振れ角の変化状態の概略を示す。図中、Aはステップ1の周波数の掃引期間であり、Bはステップ3の動作時点であり、Cの期間は
図4のXで示すステップ4〜9の目標振れ角までの駆動電流制御期間である。
【0024】
かかる構成の本実施形態のアクチュエータ駆動制御装置によれば、電源投入直後に可動部13を所定電流値で駆動して可動部13の共振周波数を調べ、その後、駆動電流の周波数を可動部13の共振周波数と一致させるよう調整しながら、可動部13の振れ角が目標値になるよう駆動電流値を制御するので、アクチュエータ立上げ時に駆動電流を無駄に増大することなく可動部13を目標振れ角まで駆動できる。従って、アクチュエータ10のトーションバー12,12部分に余計なダメージを与えることがないので、アクチュエータ10の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0025】
次に、本発明のアクチュエータ駆動制御装置の第2実施形態について説明する。
本実施形態のハードウエア構成は
図1〜
図3に示す第1実施形態と同様であり、駆動電流供給回路1の駆動電流制御動作が第1実施形態と異なるだけである。従って、ハードウエア構成の説明は省略し、駆動電流供給回路1のアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作についてだけ説明する。
【0026】
図6は、第2実施形態の駆動電流供給回路1によるアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作を示すフローチャートである。また、
図7に、第2実施形態によるアクチュエータ立上げ動作時の可動部13の振れ角変化状態の概略を示す。
【0027】
電源をONすると、ステップ11で、初期駆動電流を所定電流値(所定のパルス幅)に設定する。
ステップ12で、初期駆動電流の周波数を一定間隔で増加させてアクチュエータ10の駆動コイル14に供給し、増加する毎に振れ角センサ2の検出出力をサンプリングする。
【0028】
ステップ13で、振れ角センサ2の検出出力の今回サンプリング値を前回サンプリング値と比較して今回値が前回値以上か否かを判定し、今回値が前回値以上のときは今回サンプリング値とその時の周波数値をそれぞれ記憶保持し、判定がYESとなりステップ12に戻る。尚、振れ角センサ2の検出出力の初回サンプリング時はそのサンプリング値とその時の周波数をそのまま記憶保持し、2回目以降のサンプリング時に今回値と前回値の比較を行う。今回値が前回値を下回ったときは判定がNOとなり、ステップ14に進む。
【0029】
ステップ14で、今回値が前回値を下回って判定がNOとなった連続回数をカウントする。
ステップ15で、連続回数のカウント値が所定回数(例えば5回)か否かを判定し、所定回数になるまでステップ12〜15の動作を繰返し、所定回数になったときは判定がYESとなり、記憶保持している周波数値を可動部13の初期駆動時の振れ角最大周波数として設定する。このステップ15までが
図7のAの期間に相当する。
【0030】
その後は、
図4に示す第1実施形態の動作と同様で、点線で囲んだXで示す可動部13を立上げ時の目標振れ角まで駆動制御するステップ4〜9の目標振れ角までの駆動電流制御を実行する。このXの駆動電流制御期間が
図7のCの期間に相当する。
【0031】
かかる第2実施形態のアクチュエータ駆動制御装置によれば、第1実施形態に比べて、
図7のAの期間を短縮でき、アクチュエータ10の可動部13の振れ角を目標値まで立上げる時間を短縮できる。
【0032】
次に、本発明のアクチュエータ駆動制御装置の第3実施形態について説明する。
本実施形態のハードウエア構成は上述の各実施形態と同様であり、駆動電流供給回路1の駆動電流制御動作が異なるだけである。従って、ハードウエア構成の説明は省略し、駆動電流供給回路1のアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作についてだけ説明する。
【0033】
図8は、第3実施形態の駆動電流供給回路1によるアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作を示すフローチャートである。また、
図9に、第3実施形態によるアクチュエータ立上げ動作時の可動部13の振れ角変化状態の概略を示す。
【0034】
電源をONすると、ステップ21で、初期駆動電流を所定電流値(所定のパルス幅)に設定する。
ステップ22で、初期駆動電流の周波数を掃引してアクチュエータ10の駆動コイル14に供給し、振れ角センサ2の検出出力をサンプリングする。
【0035】
ステップ23で、振れ角センサ2の検出出力が規定値以上か否かを判定し、規定値以上になればステップ24に進む。ここで、規定値としては、駆動電流との位相差比較が可能な値とする。ステップ22,23が
図9のAの期間である。
【0036】
ステップ24で、アクチュエータ10の駆動コイル14に供給する初期駆動電流の周波数を一定間隔で増加させ、増加する毎に振れ角センサ2の検出出力をサンプリングする。
【0037】
ステップ25で、振れ角センサ2の検出出力の今回サンプリング値を前回サンプリング値と比較し、今回値が所定回数(例えば5回)連続して前回値を上回ったか否かを判定する。今回値が所定回数連続して前回値を上回るまで振れ角センサ2の検出出力をピークホールドしつつステップ
24、25の動作を繰返す。尚、この際、ピークホールドした振れ角センサ出力時の周波数値も記憶保持する。ステップ24,
25が
図9のBの期間である。
【0038】
そして、今回値が所定回数連続して前回値を上回り判定がYESになると、最新の振れ角センサ出力サンプリング時の周波数値を、可動部13の振れ角最大周波数として設定し、その後は、第1及び第2実施形態と同様に、点線で囲んだXで示す可動部13を立上げ時の目標振れ角まで駆動制御するステップ4〜9の目標振れ角までの駆動電流制御を実行する。このXの駆動電流制御期間が
図9のCの期間である。
【0039】
かかる第3実施形態のアクチュエータ駆動制御装置によれば、第1及び第2実施形態に比べて、更にアクチュエータ10の可動部13の振れ角を目標値まで立上げる時間を短縮できる。
【0040】
次に、本発明のアクチュエータ駆動制御装置の第4実施形態について説明する。
本実施形態のハードウエア構成は上述した各実施形態と同様であり、駆動電流供給回路1の駆動電流制御動作が異なるだけである。従って、ハードウエア構成の説明は省略し、駆動電流供給回路1のアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作についてだけ説明する。
【0041】
図10は、第4実施形態の駆動電流供給回路1によるアクチュエータ立上げ時の駆動電流制御動作を示すフローチャートである。また、
図11に、第4実施形態によるアクチュエータ立上げ動作時の可動部13の振れ角変化状態の概略を示す。
【0042】
ステップ31〜35までは第2実施形態と同様の動作である。即ち、電源をONすると、ステップ31で、初期駆動電流を所定電流値(所定のパルス幅)に設定し、ステップ32で、初期駆動電流の周波数を一定間隔で増加させてアクチュエータ10の駆動コイル14に供給し、増加する毎に振れ角センサ2の検出出力をサンプリングする。ステップ33で、振れ角センサ2の検出出力の今回サンプリング値を前回サンプリング値と比較して今回値が前回値以上か否かを判定し、今回値が前回値以上のとき今回サンプリング値とその時の周波数値をそれぞれ記憶保持しステップ32に戻る。今回値が前回値を下回ったときは判定がNOとなり、ステップ34に進み、今回値が前回値を下回った連続回数をカウントし、ステップ35で、連続回数のカウント値が所定回数(例えば5回)か否かを判定し、判定がYESになれば、記憶保持している周波数値を可動部13の初期駆動時の振れ角最大周波数として設定する。このステップ35までが
図11のAの期間に相当する。
【0043】
その後、可動部13の振れ角の目標値として最終目標値より小さい第1及び第2の中間目標値を設定する。第1の中間目標値としては例えば最終目標値の1/3の振れ角に設定し、第2の中間目標値としては最終目標値の2/3の振れ角に設定する。そして、まず、可動部13の振れ角の目標値を第1の中間目標値に設定し、ステップX1(図中X1で示す)で
図4の点線で囲んだXで示す目標振れ角までの駆動制御動作と同様の動作を実行して、駆動コイル14に供給する駆動電流を可動部13の振れ角が第1の中間目標値になるよう制御する。可動部13の振れ角が第1の中間目標値になると、可動部13をその振れ角に一時的に維持した後、可動部13の振れ角目標値を第2の中間目標値に設定し、ステップX2(図中X2で示す)でステップX1と同様の動作を実行して可動部13の振れ角を第2の中間目標値まで制御する。可動部13の振れ角が第2の中間目標値になると、可動部13をその振れ角に一時的に維持した後、可動部13の振れ角目標値を最終目標値に設定し、ステップX3(図中X3で示す)でステップX1,2と同様の動作を実行して可動部13の振れ角を最終目標値まで制御する。このX1〜X3の駆動電流制御期間が
図11のCの期間に相当する。
【0044】
かかる第4実施形態のアクチュエータ駆動制御装置によれば、第1〜3実施形態に比べて、トーションバー12,12へのダメージをより低減できる。尚、上記第4実施形態では、2つの中間目標値を設定したが、設定する中間目標値は1つ又は3つ以上でもよく、中間目標値を細かく設定することで、トーションバー12,12へのダメージ低減効果は高まるが、最終目標値までの立上げ時間は長くなるので、立上げ時間とトーションバー12,12のダメージ低減を考慮して中間目標値の数を適切に設定することが好ましい。
【0045】
上記各実施形態では、ステップXの目標振れ角までの駆動電流制御動作において、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数と一致するか否かを、駆動電流と振れ角センサ2の検出出力との位相差に基づいて判定したが、振れ角センサの検出出力に代えて駆動コイル14で発生する逆起電力を用いてもよい。この場合、逆起電力の位相は振れ角センサの検出出力の位相より90度(π/2)遅れるので、逆起電力と駆動電流との位相差の関係は、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数と略一致するときは略180度(π)となり、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数より低いときは前記位相差が180度より小さく(<π)、駆動電流周波数が可動部13の共振周波数より高いときは前記位相差が180度より大きく(>π)なる。従って、振れ角センサの検出出力に代えて駆動コイル14で発生する逆起電力を用いる場合は、
図4のステップ4で、位相差が略180度(π)か否かを判定するようにすればよい。
【0046】
尚、アクチュエータ10の立下げ動作においても、駆動コイル14に供給する駆動電流値を徐々に下げるよう制御し、急激な立下げを防止してトーションバー12,12のダメージを低減するようにするとよい。
【0047】
図12のフローチャートで立下げ時の駆動電流制御動作の一例を説明する。
図示しないリセットボタンをONすると、ステップ41で、
駆動電流を所定値減少する。減少量は、トーションバー12,12へのダメージを抑制するため、例えば可動部13の振れ角が約1度変化する程度の値が好ましい。
【0048】
ステップ42で、振れ角センサ2の検出出力が規定値を下回ったか否かを判定する。ここで、規定値としては、例えば駆動電流との位相差比較が可能な最小の振れ角センサ出力値等が考えられる。ステップ42の判定がYESになるまで、ステップ41、42の動作を繰返し、駆動コイル14に供給する駆動電流を徐々に減少させる。
【0049】
振れ角センサ2の検出出力が規定値を下回ってステップ42の判定がYESになると、ステップ43で、駆動コイル14への駆動電流の供給を停止し、ステップ44で、電源をOFFし、立下げ動作が終了する。