(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のエアバッグ装置の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図5において、10はエアバッグ装置であり、このエアバッグ装置10は、例えば自動車のインストルメントパネル部に備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置10を構成するものである。インストルメントパネル部は、車室の前部に車幅方向の略全長に亘って設けられ、このインストルメントパネル部の上方には、フロントウィンドウガラスが位置している。そして、このインストルメントパネル部の内部には、助手席の乗員に対向して、エアバッグ装置10が設置されている。
【0017】
このエアバッグ装置10は、ベース体としてのケース体であるベースプレート11と、このベースプレート11に対して取り付けられるカバー体12と、これらベースプレート11とカバー体12との間に折り畳んで収納された袋状のエアバッグ13と、このエアバッグ13を膨張展開させるインフレータ14を有するインフレータユニット15とを備えている。そして、このエアバッグ装置10を備えた自動車が衝突などすると、インフレータ14から供給される膨張ガスによりエアバッグ13が膨出し、この膨出する圧力により、カバー体12を破断して膨出口を形成し、膨出側である上方Uに向かってエアバッグ13が突出し、エアバッグ13が乗員の前方に膨張展開する。なお、以下、エアバッグ13の膨出側すなわち乗員側を上方(
図1などに示す矢印U方向)、正面側あるいは表面側とし、膨出側の反対側を下方(
図1などに示す矢印D方向)、背面側あるいは裏面側として説明する。
【0018】
図4に示すベースプレート11は、ハウジングなどとも呼ばれ、例えばポリアミド樹脂(ナイロン6,6(商品名))にガラスファイバーを33%添加した樹脂原料により射出成形され、例えば四角形板状の底部21と、この底部21全体の周縁部に突設された壁部22とを一体、あるいは一体的に備えたボックス状となっている。
【0019】
底部21の中央部には、例えば円形状のインフレータ取付孔である取付開口部24が設けられているとともに、この取付開口部24の周囲には、複数、例えば4つの係止突出部としてのピン25が上方に向けて突設されている。
【0020】
また、
図1に示すように、取付開口部24の内周縁には、インフレータユニット15を固定するためのケース体側固定部としてのタップ部すなわちケース体歯合部であるベースプレートねじ部24aが周方向に沿って設けられている。このベースプレートねじ部24aは、取付開口部24の縁部の周面の全周に亘って連続して設けられている。
【0021】
また、ピン25は、基端部25aが円柱状であり、先端部25bが基端部25aよりも外形が大きい長円状の断面を有する円柱状である。この先端部25bは、取付開口部24の中心側に向けて突出している。したがって、これらピン25は、側面視で逆L字状となっている。
【0022】
また、
図4に示すように、壁部22の外部には、保持部としての複数のフック部27が突設されている。これらフック部27は、
図5に示すようにカバー体12をベースプレート11に対して係止保持するためのものであり、下方に向けて屈曲した逆L字状となっている。
【0023】
また、カバー体12は、エアバッグリッドなどとも呼ばれ、例えば熱可塑性エラストマ樹脂(TPE)などの樹脂を原料として射出成形され、インストルメントパネル部の意匠面の一部を構成する表板部である上面部31と、この上面部31の背面側に枠状に例えば四角形枠状に突設された周壁部32とを一体、あるいは一体的に備えた無底ボックス状となっている。
【0024】
上面部31は、背面側に、開裂の基点となる破断予定部としての弱部である図示しないテアラインが設けられ、非展開部である外郭部と、この外郭部に囲まれた一対の平面長方形状の扉予定部とが区画されている。さらに、これら扉予定部が、通常時に折り畳んで収納されたエアバッグ13の膨出側を覆っている。
【0025】
テアラインは、テア、テア溝、破断予定部、開裂予定溝、扉予定線部あるいは破断部などとも呼び得るもので、隣接する部分より脆弱で、破断可能及び変形容易な弱部である。
【0026】
また、周壁部32は、ベースプレート11の壁部22に外嵌されるものであり、壁部22のフック部27がそれぞれ係合する角穴である係合開口部35が貫通して複数設けられている。
【0027】
また、エアバッグ13は、例えば複数の基布を縫製などにより接合して扁平な袋状となっており、気密、あるいは高度な気密に構成されている。さらに、このエアバッグ13には、
図1に示すように、インフレータ14からの膨張ガスを内側に導入するための例えば円形状の大円孔であるインフレータ挿入孔としての開口37が設けられているとともに、この開口37の周囲に、複数、例えば円形状の小円孔である4つの通孔38が設けられている。これら通孔38は、ベースプレート11のピン25の基端部25aよりも径寸法が大きく、かつ、ピン25の先端部25bよりも径寸法が小さく設定されており、ピン25がそれぞれ係合される。
【0028】
そして、インフレータユニット15は、インフレータ14と、このインフレータ14を保持する保持体であるリテーナ41とを有している。
【0029】
インフレータ14は、本実施の形態では、フランジ部を有しない、いわゆるツナ缶型のフランジレスインフレータであり、円柱状(円盤状)のインフレータ本体部43を備え、このインフレータ本体部43の一端側である上端側寄りの外周部に、ガス噴射口44が複数、周方向に離間されて設けられている。また、このインフレータ14には、図示しない制御装置に接続される図示しないコネクタなどが設けられている。
【0030】
また、リテーナ41は、インフレータ14を保持するものであり、例えば合成樹脂により一体に成形され、リテーナ41の一端側である上端側を構成する保持体本体としての円筒状のリテーナ本体46と、このリテーナ本体46の他端側である下端側に設けられた複数の係止部としての舌片状の抱持片47及び複数の係合部としての舌片状の挿入片48とを備えたカップ形状となっている。
【0031】
リテーナ本体46は、挿入されたインフレータ14のインフレータ本体部43を収納する空間部であるインフレータ挿入部50を内部に区画する部分であり、すなわち、インフレータ14(インフレータ本体部43)の外径寸法よりも内径寸法が大きいものであり、通気穴である円形状の上部通気穴51を備えリテーナ41の他端部である上端部を構成する円環状の天板部である上板部52と、複数の通気穴である長穴状の側部通気穴53を備え下端部へと徐々に拡径する円筒状の側板部である側壁部54とを一体に有している。そして、上板部52と側壁部54とが連続する部分、すなわちリテーナ本体46の上端側の位置には、支持部としての上側リブ56が突設されている。
【0032】
各側部通気穴53は、それぞれ挿入片48に対応する位置に設けられている。また、これら側部通気穴53は、上部通気穴51とともに、インフレータ14のガス噴射口44から噴射された膨張ガスを所望の方向へと案内するガス案内手段を構成している。
【0033】
また、上側リブ56は、インフレータ挿入部50に収納されたインフレータ14のインフレータ本体部43の挿入側(一端側)である上端側の外周縁部をなす被支持部としての上角部43aを当接支持する。すなわち、この上側リブ56は、インフレータ14のインフレータ本体部43の上部から側部(外周部)に亘って当接し、このインフレータ14のインフレータ本体部43を上下方向及び径方向に位置決めしている。換言すれば、この上側リブ56は、インフレータ14のインフレータ本体部43を反挿入側(他端側)である下端側へと支持し、インフレータ14を下方へと押さえ込んでいる。なお、この上側リブ56は、例えば複数箇所に離間されて突設されていてもよいし、リテーナ本体46の周方向に連続して円環状に設けられてもよい。
【0034】
また、抱持片47及び挿入片48は、リテーナ41(リテーナ本体46)の周方向に例えば4つずつ設けられており、抱持片47,47(挿入片48,48)の間に挿入片48(抱持片47)がそれぞれ位置している。さらに、これら抱持片47及び挿入片48のそれぞれは、互いにスリット状の間隙58を介して離間されて独立している。
【0035】
各抱持片47は、
図1、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、基端側である上端側がリテーナ本体46の側壁部54と一体に連結されこの側壁部54と同様に下方へと徐々に拡開されている。また、各抱持片47は、先端側である下端側の裏面側、すなわち内部に、爪部としての傾斜凸部である内部傾斜凸部47aがそれぞれ突設されており、下端側の表面側、すなわち外部には、接触部としての傾斜凸部であるリブ状の外部傾斜凸部47bがそれぞれ突設されている。そして、各抱持片47は、基端部(上端部)を軸としてリテーナ41(リテーナ本体46)の径方向(中心軸に向かう方向)に沿って内方及び外方へと弾性変形可能となっている。
【0036】
各内部傾斜凸部47aは、先端側、すなわち内側(内周側)がインフレータ14のインフレータ本体部43の径寸法よりも小さい径寸法を有する仮想的な円周上に位置し、基端側、すなわち外側(外周側)がインフレータ本体部43の径寸法よりも大きい径寸法を有する仮想的な円周上に位置している。また、これら内部傾斜凸部47aの上部には、インフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14のインフレータ本体部43の反挿入側(他端側)である下端側の外周縁部をなす当接被支持部としての下角部43bに当接するインフレータ当接傾斜面としての内部傾斜面47cがそれぞれ設けられている。これら内部傾斜面47cは、リテーナ41の中心側ほど、すなわちリテーナ41の内側ほど下方へと傾斜している。そして、各内部傾斜凸部47aは、各抱持片47が変形していない状態(非変形状態)で、インフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14のインフレータ本体部43の下端側を上端側へと支持することにより、このインフレータ本体部43を上側リブ56との間でインフレータ14(インフレータ本体部43)の軸方向である上下方向に挟持し、インフレータ14を支持するように構成されている。
【0037】
また、各外部傾斜凸部47bは、先端側、すなわち外側(外周側)がベースプレート11の取付開口部24の径寸法よりも大きい径寸法を有する仮想的な円周上に位置し、基端側、すなわち内側(内周側)が取付開口部24の径寸法よりも小さい径寸法を有する仮想的な円周上に位置している。さらに、これら外部傾斜凸部47bの下部には、インフレータユニット15をベースプレート11に取り付ける際に取付開口部24の内縁部に当接するケース体当接傾斜面としての外部傾斜面47dがそれぞれ設けられている。これら外部傾斜面47dは、リテーナ41の外側ほど上方へと傾斜している。
【0038】
また、各挿入片48は、
図1、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、基端側である上端側がリテーナ本体46の側壁部54と一体に連結されこの側壁部54と同様に下方へと徐々に拡開されている。また、各挿入片48は、先端側である下端側の表面側、すなわち外部には、上側寄りに対向部としてのフランジ48aがそれぞれ突設されており、下側に保持体側固定部としての保持体歯合部であるリテーナねじ部48bが周方向に沿ってそれぞれ設けられている。
【0039】
各フランジ48aは、径方向に沿って突出しており、各挿入片48の表面との間に亘って、補強用の三角形状のリブ48c,48cが設けられている。また、各フランジ48aの下部には、ベースプレート11のピン25と嵌合する嵌合凹部48dが凹設されている。
【0040】
また、各リテーナねじ部48bは、ベースプレート11の取付開口部24のベースプレートねじ部24aと螺合(歯合)されるものであり、各挿入片48の下端側の表面から突出して設けられている。さらに、各リテーナねじ部48bは、ベースプレート11の取付開口部24の径寸法とほぼ等しい径寸法を有する仮想的な円周上に位置している。
【0041】
そして、エアバッグ装置10の組み立ての際には、まず、
図1に示すように、予め成形したベースプレート11に対して、エアバッグ13を取り付ける。このとき、エアバッグ13は、開口37をベースプレート11の取付開口部24と位置合わせするとともに、各通孔38を径方向に引っ張りながら広げつつベースプレート11のピン25に通した後、各通孔38の引っ張りを解除して、各ピン25を各通孔38に係合させる。この結果、開口37と取付開口部24とが互いに連通する。
【0042】
一方、リテーナ41のインフレータ挿入部50にインフレータ14を挿入して支持(仮支持)し、インフレータユニット15を構成する。このとき、インフレータ14をリテーナ41の下端から上方へと押し込むと、インフレータ14のインフレータ本体部43が、このインフレータ本体部43の径寸法よりも小さい径寸法の仮想円上に位置する各抱持片47の内部傾斜凸部47aの先端側に当接し、各抱持片47をリテーナ41の径方向に沿って外方へと弾性変形させる。そして、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bが各内部傾斜凸部47aの内部傾斜面47cの先端側に当接する位置までインフレータ14のインフレータ本体部43を上方に押し込むと、各抱持片47が復帰変形し、インフレータ14がインフレータ挿入部50に挿入され、このインフレータ14の下側が各内部傾斜凸部47aによって支持される。この状態で、インフレータ14は、インフレータ本体部43の上角部43aがリテーナ41の上側リブ56に当接して支持され、この上側リブ56と各抱持片47の内部傾斜凸部47aとにより、インフレータ14が上下方向に挟持される。
【0043】
そして、上記のように構成したインフレータユニット15を、エアバッグ13を取り付けたベースプレート11の取付開口部24に対して挿入しつつ周方向に回動させてねじ込む。このとき、エアバッグ13が折り畳まれている場合には、各挿入片48の下端側の部分を作業者の手、または適宜の工具により回転させ、エアバッグ13が折り畳まれていない場合には、エアバッグ13に設けた図示しないベントホールなどから作業者の手、または適宜の工具を挿入してリテーナ41の上部を回転させる。そして、インフレータユニット15の各挿入片48のリテーナねじ部48bが取付開口部24のベースプレートねじ部24aに螺合することで、インフレータユニット15が取付開口部24内で下方へと徐々に移動し、この移動に従い、取付開口部24の内縁部に挿入されてこの内縁部と当接している各抱持片47の外部傾斜凸部47bの外部傾斜面47dの傾斜によって各抱持片47が徐々に内方へと絞られるように弾性変形して突出する。したがって、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bに沿って各内部傾斜凸部47aが下方に進出しながらリテーナ41の内方(中心軸に向かう方向)へと突出するとともに、内部傾斜面47cの傾斜により、各抱持片47のリテーナ41の内方への変形量(突出量)に応じて各抱持片47がインフレータ14のインフレータ本体部43を上側リブ56に向けていわゆる強当たりするように上方へと押圧する、すなわちインフレータ14のインフレータ本体部43をより大きな力で軸方向に挟持することとなり、リテーナ41によるインフレータ14の保持力が増加する。また、各挿入片48では、リテーナねじ部48bのベースプレートねじ部24aへの螺合によって、各フランジ48aがベースプレート11の底部21の上部へと徐々に接近し、所定位置で嵌合凹部48dにピン25がそれぞれ嵌合することにより、エアバッグ13を抜け止めするとともに、このエアバッグ13の開口37の周縁部を各フランジ48aとベースプレート11の底部21との間で挟持する。
【0044】
この後、折り畳まれたエアバッグ13及びインフレータユニット15を覆うようにカバー体12をベースプレート11に対して位置合わせして上方から下方へと押し込み、周壁部32を壁部22に対して外嵌させ、各フック部27を係合開口部35に係合させてベースプレート11とカバー体12とを互いに固定する。そして、インフレータ14に対して適宜電気的な配線などを接続して、エアバッグ装置10を完成する。
【0045】
このように、本実施の形態では、リテーナ41の内部のインフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14の保持力が、リテーナ41の取付開口部24への取り付けによって一部(各抱持片47)が変形することにより増加する構成とした。すなわち、リテーナ41は、インフレータ14の保持力が大きいほどインフレータ14を取り付ける際の抵抗が大きくなり、取り付けの作業性が低下するため、リテーナ41の取付開口部24への取り付けによってインフレータ14の保持力を増加させる構成とすることにより、リテーナ41の取付開口部24への取り付け前のインフレータ14の保持力を必要以上に大きくする必要がない。したがって、インフレータ14の取り付けの作業性とインフレータ14の保持強度とが相反関係となることがなく、インフレータ14をリテーナ41に容易に取り付けでき、組立作業性を向上でき、かつ、リテーナ41を取付開口部24に取り付けた後は、インフレータ14の保持力を充分に確保できる。
【0046】
具体的に、インフレータ挿入部50に挿入したインフレータ14の挿入側(上端側)及び反挿入側(下端側)を上側リブ56及び各抱持片47により支持したリテーナ41を取付開口部24に取り付ける際に、各抱持片47が取付開口部24の内縁部と当接して弾性変形しインフレータ14のインフレータ本体部43の下端側の規制を増加させるとともに、インフレータ本体部43を上側リブ56側へと押圧する。このため、リテーナ41を取付開口部24に取り付ける前には、各抱持片47によるインフレータ14の保持力を抑制して、本実施の形態では各抱持片47(の内部傾斜凸部47a)のリテーナ41の内方への突出量を抑制して少ない抵抗でリテーナ41にインフレータ14を取り付けできるように構成することが可能であり、組立作業性を向上できるとともに、リテーナ41を取付開口部24に取り付けることで弾性変形した各抱持片47と上側リブ56とでより強固にインフレータ14を挟持でき、インフレータ14の保持力をより向上できる。すなわち、インフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14の保持力を取付開口部24への取り付けによって増加させる構成を容易に形成できる。
【0047】
さらに、インフレータ14は、別途取付構造を設けるなどの特殊な加工を施すことなく簡略な構成で一般的なものを用いることができ、汎用性に優れるとともに、製造コストを低減できる。
【0048】
また、取付開口部24の周囲に複数のピン25を突設するとともに、インフレータ14を保持したリテーナ41を取付開口部24に取り付ける際にこの取付開口部24にそれぞれ挿入係合される各挿入片48の外部に、これら挿入片48の取付開口部24への挿入係合により各ピン25と嵌合する嵌合凹部48dを備えるフランジ48aを突設することにより、インフレータ14を保持したリテーナ41を取付開口部24に取り付けるだけで、各ピン25と各フランジ48aの嵌合凹部48dとの嵌合によってエアバッグ13を抜け止めできるため、組立作業性をより向上できるとともに、インフレータ14とともにリテーナ41をより安定した状態でベースプレート11に保持できる。
【0049】
さらに、リテーナ41は、インフレータ14のガス噴射口44から供給する膨張ガスを所望の方向へと案内するため、エアバッグ13の展開性能を容易に向上できる。
【0050】
そして、樹脂により構成したリテーナ41のみでインフレータ14をベースプレート11に取り付けて固定できるので、製造コストをより抑制して安価に構成できるとともに、エアバッグ装置10をより軽量化できる。
【0051】
次に、第2の実施の形態を
図6及び
図7を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態のインフレータ14のインフレータ本体部43の外周にフランジ部61を突設したものである。
【0053】
このフランジ部61は、
図7に示すように、例えば平面視で四角形状となっており、インフレータ本体部43の外周全体に対して外方へと突出している。また、これらフランジ部61の四隅、すなわち各角部61aは、それぞれリテーナ41の各挿入片48に設けられた開口部63からそれぞれ外部へと突出している。さらに、これら各角部61aの下部には、上記各実施の形態の嵌合凹部48dに対応するフランジ部嵌合凹部61bが凹設されている。
【0054】
そして、リテーナ41にインフレータ14を支持(仮支持)してインフレータユニット15を構成する際には、インフレータ14を、フランジ部61の各角部61aをリテーナ41の各挿入片48に位置合わせした状態でリテーナ41の下端から上方へと押し込むことで、インフレータ14のインフレータ本体部43の上角部43aが上側リブ56に当接して支持されるとともに、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bが各抱持片47の内部傾斜凸部47aにより支持され、インフレータ14がインフレータ挿入部50に挿入された状態で軸方向すなわち上下方向に挟持され、かつ、フランジ部61の各角部61aが各開口部63からリテーナ41の外部に突出する。
【0055】
さらに、上記のように構成したインフレータユニット15を、エアバッグ13を取り付けたベースプレート11の取付開口部24に対して挿入しつつ周方向に回動させてねじ込むことにより、インフレータユニット15の各挿入片48のリテーナねじ部48bを取付開口部24のベースプレートねじ部24aに螺合させると、インフレータユニット15が取付開口部24内で下方へと徐々に移動し、この移動に従い、取付開口部24の内縁部に挿入されてこの内縁部と当接している各抱持片47の外部傾斜凸部47bの外部傾斜面47dの傾斜によって各抱持片47が徐々に内方へと絞られるように弾性変形されて突出する。したがって、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bに沿って各内部傾斜凸部47aが下方に進出しながらリテーナ41の中心軸に向かう方向(内方)へと突出するとともに、内部傾斜面47cの傾斜により、各抱持片47のリテーナ41の内方への変形量(突出量)に応じて各抱持片47がインフレータ14のインフレータ本体部43を上側リブ56に向けていわゆる強当たりするように上方へと押圧する、すなわちインフレータ14のインフレータ本体部43をより大きな力で軸方向に挟持することとなり、リテーナ41によるインフレータ14の保持力が増加する。また、リテーナ41の各開口部63から外方へと突出するインフレータ14のフランジ部61の各角部61aは、リテーナねじ部48bのベースプレートねじ部24aへの螺合によって、ベースプレート11の底部21の上部へと徐々に接近し、所定位置でフランジ部嵌合凹部61bにピン25がそれぞれ嵌合することにより、エアバッグ13を抜け止めするとともに、このエアバッグ13の開口37の周縁部をフランジ部61の各角部61aとベースプレート11の底部21との間で挟持する。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、フランジ部61を有するインフレータ14であっても、上記第1の実施の形態と同様にリテーナ41によってベースプレート11に取り付けでき、組立作業性を向上できるとともに、取付開口部24に取り付けた状態ではリテーナ41によるインフレータ14の保持力を確保でき、かつ、汎用性に優れる。
【0057】
しかも、インフレータ14のフランジ部61を利用し、このフランジ部61に設けたフランジ部嵌合凹部61bと各ピン25との嵌合によってエアバッグ13を抜け止めすることにより、リテーナ41の構成をより簡素化でき、製造コストをより抑制できる。
【0058】
次に、第3の実施の形態を
図8を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0059】
この第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、リテーナ本体46の上部が開いて、リテーナ41がリング状(環状)となっているものである。すなわち、このリテーナ本体46の上端には、上板部52及び上部通気穴51に代えて、インフレータ挿入部50に連通しインフレータ本体部43の上端側が挿入されて外部に突出する上部開口65が設けられている。したがって、リテーナ本体46の上端部は、インフレータ本体部43のフランジ部61よりも若干上方に位置している。また、この上部開口65において、インフレータ14のガス噴射口44が露出しており、これらガス噴射口44から噴射された膨張ガスがエアバッグ13内に直接噴射されるように構成されている。さらに、リテーナ本体46のインフレータ挿入部50の内部には、インフレータ14のフランジ部61を支持する支持部としての支持リブ66が突設されている。この支持リブ66は、インフレータ14のフランジ部61の一端部である上部及び側部(外周部)に亘って当接し、このインフレータ14のインフレータ本体部43を上下方向及び径方向に位置決めしている。換言すれば、この支持リブ66は、インフレータ14を他端側である下端側に向けて支持し、インフレータ14を下方へと押さえ込んでいる。なお、この支持リブ66は、例えば複数箇所に離間されて突設されていてもよいし、リテーナ本体46の周方向に連続して円環状に設けられてもよい。
【0060】
そして、リテーナ41にインフレータ14を支持(仮支持)してインフレータユニット15を構成する際には、インフレータ14を、フランジ部61の各角部61aをリテーナ41の各開口部63に位置合わせした状態でリテーナ41の下端から上方へと押し込むことで、インフレータ14のインフレータ本体部43の上端側が上部開口65に挿入されてリテーナ41の上方に突出するとともに、フランジ部61の上部及び側部(外周部)が支持リブ66に当接して支持されるとともに、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bが各抱持片47の内部傾斜凸部47aにより支持され、インフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14が軸方向すなわち上下方向に挟持される。
【0061】
さらに、上記第2の実施の形態と同様に、インフレータユニット15を、エアバッグ13を取り付けたベースプレート11の取付開口部24に対して挿入しつつ周方向に回動させてねじ込むことにより、リテーナ41によるインフレータ14の保持力が増加するとともに、リテーナ41の各開口部63から外方へと突出するインフレータ14のフランジ部61の各角部61aは、所定位置でフランジ部嵌合凹部61bにピン25がそれぞれ嵌合することにより、エアバッグ13を抜け止めし、かつ、このエアバッグ13の開口37の周縁部をフランジ部61の各角部61aとベースプレート11の底部21との間で挟持する。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、リテーナ41を、上端側が上部開口65となるリング状とすることができるので、リテーナ41をより簡素化でき、製造コストをより抑制できる。
【0063】
なお、上記第2及び第3の実施の形態において、インフレータ14のフランジ部61は、
図9に示す第4の実施の形態のように、インフレータ本体部43に平面視で外接、あるいはほぼ外接する四角形状としてもよいし、
図10に示す第5の実施の形態のように、インフレータ本体部43の外周の例えば4箇所に互いに離間して突設してもよい。
【0064】
次に、第6の実施の形態を
図11を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0065】
この第6の実施の形態は、上記各実施の形態のベースプレート11の取付開口部24のベースプレートねじ部24aに代えて、取付開口部24に連通するケース体側固定部としての傾斜開口24bを挿入片48の個数に対応する複数箇所、例えば4箇所に切り欠いて設けるとともに、リテーナ41のリテーナねじ部48bに代えて、各挿入片48の下端側の表面側、すなわち外部にてフランジ48aの下方に、保持体側固定部としての突起部である凸片48eをそれぞれ外方へと突設したものである。
【0066】
傾斜開口24bは、取付開口部24の周方向にほぼ等間隔で離間されている。また、この傾斜開口24bは、周方向の一方向、例えば
図11に示す左回り方向へと、徐々に径方向への開口量が小さくなるように、換言すれば取付開口部24の縁部へと接近するように構成されている。したがって、この傾斜開口24bは、周方向の一方向と反対の他方向である右回り側の端部が径方向へと相対的に大きく開口した位置合わせ部24cとなっており、この位置合わせ部24cから左回り側の端部へと徐々に狭くなっている。換言すれば、この傾斜開口24bは、縁部が取付開口部24の縁部へと連続する螺旋軌跡を描くように設けられている。
【0067】
また、凸片48eは、各挿入片48の下端部に位置している。
【0068】
そして、上記各実施の形態と同様にインフレータ14をリテーナ41の内部のインフレータ挿入部50に挿入して支持(仮支持)することにより構成したインフレータユニット15を、エアバッグ13を取り付けたベースプレート11の取付開口部24に対して挿入する。このとき、インフレータユニット15は、各凸片48eを、
図11の右半分に示すように傾斜開口24bの位置合わせ部24cに位置合わせして挿入し、各凸片48eを、各傾斜開口24bの下部、すなわちベースプレート11の底部21よりも下方へと位置させる。この状態で、各抱持片47の外部傾斜凸部47bが取付開口部24の内縁部に当接することにより、各抱持片47が内方へと絞られるように弾性変形されて突出するため、インフレータ14のインフレータ本体部43の下角部43bに沿って各内部傾斜凸部47aが下方に進出しながらリテーナ41の中心軸に向かう方向(内方)へと突出するとともに、内部傾斜面47cの傾斜により、各抱持片47のリテーナ41の内方への変形量(突出量)に応じて各抱持片47がインフレータ14を上側リブ56、あるいは支持リブ66に向けていわゆる強当たりするように上方へと押圧する、すなわちインフレータ14をより大きな力で軸方向に挟持することとなり、リテーナ41によるインフレータ14の保持力が増加する。
【0069】
そして、この状態からリテーナ41を例えば
図11に示す左回りに所定角度、例えば60°程度回転させることで、
図11の左半分に示すように、各凸片48eが各傾斜開口24bの位置合わせ部24cの位置からずれてベースプレート11の底部21の下部に対して係合されることにより、インフレータユニット15が上方へと抜け止めされるとともに、各フランジ48aの嵌合凹部48d、あるいはフランジ部61のフランジ部嵌合凹部61bが所定位置でピン25がそれぞれ嵌合することにより、エアバッグ13を抜け止めし、かつ、このエアバッグ13の開口37の周縁部を各フランジ48a、あるいはフランジ部61とベースプレート11の底部21との間で挟持する。
【0070】
このように、本実施の形態では、インフレータ挿入部50に挿入されたインフレータ14を保持したリテーナ41をベースプレート11の取付開口部24に取り付ける構成として、取付開口部24の縁部を切り欠いて設けた傾斜開口24bの位置合わせ部24cに対して、リテーナ41の各挿入片48の外部に突設した凸片48eを位置合わせした後、リテーナ41を周方向に所定角度回動させるだけで係合できる、いわゆるバヨネット式としたので、リテーナ41をベースプレート11の取付開口部24に対してねじ込む構成などと比較して組立作業性をより向上できる。
【0071】
なお、上記各実施の形態において、エアバッグ装置10は、自動車の助手席だけでなく、例えば運転席用などにも適用できる。