特許第5777932号(P5777932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777932
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   G06F1/16 312F
   G06F1/16 312Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-104245(P2011-104245)
(22)【出願日】2011年5月9日
(65)【公開番号】特開2012-234469(P2012-234469A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀章
【審査官】 西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−090236(JP,A)
【文献】 特開平10−222245(JP,A)
【文献】 特開2008−199514(JP,A)
【文献】 特開2010−130182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器であって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整手段と、
前記開き角度を検出する検出手段を有し、
前記調整手段は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出手段で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整手段と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整手段と、を備え、
前記第1の調整手段は、
前記検出手段で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出手段で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する
とを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の調整手段は、
前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整してもなお、前記撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合に、前記所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記開き角度が前記所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整してもなお、前記撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合に、前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整する
ことを特徴とする、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の調整手段は、
前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置が前記撮像画像の中央に位置するように、前記開き角度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記調整手段は、
前記第2の調整手段により前記開き角度を調整した後に、前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在しなくなった場合は、前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する第3の調整手段を有することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第3の調整手段は、
所定時間前記開き角度を調整しても、前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在しない場合は、前記開き角度を所定の角度に調整することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記所定の角度は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置が前記撮像画像の中央に位置するように前記第2の調整手段により調整した開き角度であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器で行う制御方法であって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像手段で撮像する撮像工程と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整工程と、
前記開き角度を検出する検出工程と、
を、前記電子機器が行い、
前記調整工程は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出工程で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整工程と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整工程と、を備え、
前記第1の調整工程は、
前記検出工程で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出工程で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する工程である
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像手段で撮像する撮像処理と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整処理と、
前記開き角度を検出する検出処理と、
を、前記コンピュータに実行させ
前記調整処理は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出処理で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整処理と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整処理と、を備え、
前記第1の調整処理は、
前記検出処理で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出処理で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する処理である
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノートPCや携帯型ゲーム機などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートPCや携帯型ゲーム機などの電子機器は、本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた構成のものが一般的である。
【0003】
上述した従来の電子機器は、表示部側筐体を手で直接操作して開閉操作を行わなければならず、表示部側筐体の開け閉めに人手操作を伴っていた。
【0004】
このようなことから、本発明より先に出願された技術文献として、LCDユニット(表示部側筐体)を電動開閉し、操作性を改善したパソコンについて開示された文献がある(例えば、特許文献1:特開平10-222245号公報参照)。
【0005】
上記特許文献1では、POWボタン1から送出されたPOW信号と、閉ボタン2から送出された閉信号と、開ボタン3から送出された開信号と、エンコーダ14から送出されたLCDユニット7の開き角度信号と、に基づいた駆動信号をモータ14に出力し、モータ14によりLCDユニット7の開き角度を変化させ、LCDユニット7を電動開閉するようにしている。
【0006】
また、表示部筐体の遠隔駆動制御機能をもつことで、機能の拡充並びに使い勝手の向上を図った情報処理装置について開示された文献がある(例えば、特許文献2:特開2004-159090号公報)。
【0007】
上記特許文献2では、本体上に表示部筐体を開閉自在に設けた情報処理装置において、本体上で表示部筐体を開閉駆動するモータを備え、そのモータを所定の無線信号で直接若しくは間接に駆動制御し、表示部筐体の遠隔駆動制御を可能にしている。
【0008】
また、視聴しているユーザにあった向きに表示パネルを調整する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献3:特開2009-94761号公報参照)。
【0009】
上記特許文献3は、表示パネル5を水平方向にθx1,垂直方向にθy1回動したときの光位置検知センサ7aの受光面におけるスポットの位置の変化量を検知し、その変化量に基づいて、水平方向及び垂直方向について表示パネル5aを回動させる回動角(調整角(θx,θy))を算出する。そして、その回動角(調整角(θx,θy))を基に表示パネル5を調整することにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−222245号公報
【特許文献2】特開2004−159090号公報
【特許文献3】特開2009−94761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1〜3には、表示部の位置を調整するための仕組みについて開示されている。
【0012】
しかし、上記特許文献1〜3には、カメラ等の撮像手段で撮像した撮像画像に応じて表示部側筐体の位置を調整する点については何ら記載も示唆もされていない。
【0013】
操作者は、電子機器の操作時に姿勢を変える場合がある。操作者が姿勢を変えた場合は、その操作者の顔の位置も変わるため、操作者の顔の位置によっては、電子機器の表示部側筐体に実装された表示部の視認性が悪くなる。このため、今までは、操作者が表示部側筐体を手で直接操作し、表示部側筐体の位置を調整していた。しかし、操作者が電子機器を操作している際に、表示部側筐体の位置を手で直接調整することになると、電子機器の操作を一旦辞めなければならない状況が発生するため、表示部側筐体の位置調整が面倒であった。
【0014】
なお、電子機器にはカメラ等の撮像手段が搭載されており、撮像手段を用いて操作者を撮像することができる。このため、撮像手段で撮像した撮像画像を基に、表示部側筐体の位置を調整することができれば、表示部側筐体の位置を手で直接調整する手間がなくなり、電子機器の操作性を向上させることにも寄与することになる。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像手段で撮像した撮像画像に応じて表示部側筐体の位置を調整することが可能な電子機器、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0017】
本発明にかかる電子機器は、
本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器であって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整手段と、
前記開き角度を検出する検出手段を有し、
前記調整手段は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出手段で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整手段と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整手段と、を備え、
前記第1の調整手段は、
前記検出手段で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出手段で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する
とを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる制御方法は、
本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器で行う制御方法であって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像手段で撮像する撮像工程と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整工程と、
前記開き角度を検出する検出工程と、
を、前記電子機器が行い、
前記調整工程は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出工程で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整工程と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整工程と、を備え、
前記第1の調整工程は、
前記検出工程で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出工程で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する工程である
ことを特徴とする。
【0019】
本発明にかかるプログラムは、本体側筐体上に表示部側筐体を開閉可能に設けた電子機器のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記表示部側筐体を開いた状態で、前記表示部側筐体の前方を撮像手段で撮像する撮像処理と、
前記撮像手段で撮像した撮像画像に応じて前記本体側筐体に対する前記表示部側筐体の開き角度を調整する調整処理と、
前記開き角度を検出する検出処理と、
を、前記コンピュータに実行させ
前記調整処理は、
前記撮像画像の中に前記電子機器を操作する操作者の顔が存在しない場合は、前記検出処理で検出した開き角度に応じて、前記開き角度を調整する第1の調整処理と、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在する場合は、前記撮像画像の中での前記操作者の顔の位置に応じて、前記開き角度を調整する第2の調整処理と、を備え、
前記第1の調整処理は、
前記検出処理で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、前記開き角度が前記所定の値未満となる方向に前記開き角度を調整し、
前記検出処理で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、前記開き角度が所定の値以上となる方向に前記開き角度を調整し、
前記撮像画像の中に前記操作者の顔が存在するまで前記開き角度を調整する処理である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮像手段で撮像した撮像画像に応じて表示部側筐体の位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態の情報処理装置100の構成例を示す図であり、表示部側筐体102を開いた状態を示す図である。
図2】本実施形態の情報処理装置100の構成例を示す図であり、表示部側筐体102を閉じた状態を示す図である。
図3】本実施形態の情報処理装置100の機能構成例を示す図である。
図4】本実施形態の情報処理装置100の処理動作例を示す図である。
図5図4に示す角度調整プログラムの処理動作例を示す図である。
図6図5に示す第1の角度調整処理の処理動作例を示す図である。
図7図5に示す第2の角度調整処理の処理動作例を示す図である。
図8】第2の角度調整処理を説明するための第1の図である。
図9】第2の角度調整処理を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<情報処理装置100の概要>
まず、図1図3を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の概要について説明する。
【0023】
本実施形態の情報処理装置100は、図1図2に示すように、本体側筐体101上に表示部側筐体102を開閉可能に設けた情報処理装置100である。
【0024】
本実施形態の情報処理装置100は、図3に示すように、表示部側筐体102を開いた状態で、表示部側筐体102の前方を撮像する撮像手段(カメラ105に相当)と、撮像手段105で撮像した撮像画像に応じて本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整する調整手段(角度調整部4に相当)と、を有することを特徴とする。
【0025】
これにより、本実施形態の情報処理装置100は、撮像手段105で撮像した撮像画像に応じて表示部側筐体102の位置を調整することができる。その結果、表示部側筐体102の位置を手で直接調整する手間がなくなり、情報処理装置100の操作性を向上させることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100について詳細に説明する。
【0026】
<情報処理装置100の構成例>
まず、図1図2を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の構成例について説明する。図1図2は、ノート型PCの情報処理装置100の外観構成例を示す図であり、図1は、表示部側筐体102を開いた状態を示し、図2は、表示部側筐体102を閉じた状態を示す。
【0027】
本実施形態の情報処理装置100は、本体側筐体101と、表示部側筐体102と、を有して構成している。
【0028】
本実施形態の情報処理装置100は、本体側筐体101、表示部側筐体102の端部で一対の連結部(ヒンジ部)106a,106bにより連結され、図1図2に示すように、連結部106a,106bにより本体側筐体101、表示部側筐体102を開閉可能にしている。連結部106a,106bの構成は、特に限定せず、本体側筐体101、表示部側筐体102を開閉自在にすることが可能であれば、あらゆる構成が適用可能である。
【0029】
本実施形態の情報処理装置100は、連結部106a,106bに角度調整部(図3参照)が搭載されており、角度調整部を制御し、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整する。角度調整部の機構は、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整することが可能であれば、特に限定せず、公知の調整機構が適用可能である。例えば、角度調整部としてモータを搭載し、そのモータを回転駆動し、モータの回転駆動により、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整するように構成することも可能である。
【0030】
本体側筐体101は、キーボード、トラックポイント(ポインティング・デバイス)などの入力部103を有しており、情報処理装置100を操作する操作者は、入力部103を操作し、各種情報を情報処理装置100に入力する。なお、操作者は、マウス等(図示せず)を用いて各種情報を情報処理装置100に入力することも可能である。
【0031】
表示部側筐体102は、ディスプレイ104と、カメラ105と、を有している。カメラ105は、ディスプレイ104の上方の略中央に配置され、ディスプレイ104の前方の被写体を撮像可能にしている。カメラ105の位置は、特に限定せず、ディスプレイ104の前方の被写体を撮像することが可能であれば、任意の位置に配置することが可能である。
【0032】
<情報処理装置100の内部構成例>
次に、図3を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の内部構成例について説明する。
【0033】
本実施形態の情報処理装置100は、制御部1と、電源部2と、記憶部3と、角度調整部4と、角度検出部5と、入力部103と、ディスプレイ104と、カメラ105と、を有している。
【0034】
制御部1は、情報処理装置100を制御する。
【0035】
電源部2は、情報処理装置100の主電源である。
【0036】
記憶部3は、各種情報を記憶する。
【0037】
角度調整部4は、制御部1からの制御により本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整する。
【0038】
角度検出部5は、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を検出する。角度検出部5の機構は、特に限定せず、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を検出することが可能であれば、任意の機構が適用可能である。例えば、エンコーダにより本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を検出するように構成することも可能である。
【0039】
<情報処理装置100の処理動作例>
次に、図4図5を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の処理動作例について説明する。図4は、情報処理装置100の処理動作例を示し、図5は、図4に示す角度調整プログラムの処理動作例を示す。
【0040】
まず、図2に示すように本体側筐体101と表示部側筐体102とが閉じた状態から人手操作により図1に示すように表示部側筐体102を開き(ステップA1)、電源部2をONにする(ステップA2)。
【0041】
電源部2がONになると、制御部1はOSを起動し(ステップA3)、記憶部3に記憶されている角度調整プログラムを読み出し、その読み出した角度調整プログラムを実行する(ステップA4)。これにより、制御部1は、図5に示す角度調整プログラムを開始する。
【0042】
制御部1は、角度調整プログラムを開始すると、図5に示すように、カメラ105を起動し(ステップB1)、ディスプレイ104の前方を撮像する。これにより、表示部側筐体102を開いた状態でディスプレイ104の前方を撮像することができる。
【0043】
制御部1は、カメラ105で撮像した撮像画像の中に情報処理装置100を操作する操作者の顔が存在するか否かを判定し(ステップB2)、撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップB2/No)、表示部側筐体102の第1の角度調整処理を行う(ステップB3)。
【0044】
第1の角度調整処理は、角度調整プログラムを開始した際にカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合に行う処理であり、図6に示す処理である。
【0045】
制御部1は、図6に示す第1の角度調整処理を開始した場合は、角度検出部5は、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を検出する(ステップC1)。
【0046】
制御部1は、角度検出部5で検出した開き角度が所定の値以上か否かを判定し(ステップC2)、開き角度が所定の値以上である場合は(ステップC2/Yes)、角度調整部4を制御し、角度検出部5で検出する開き角度が所定の値未満となる方向に開き角度を調整する(ステップC3)。制御部1は、ステップC3の処理で開き角度を調整した際に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在した場合は(ステップC4/Yes)、開き角度の調整を終了する(End)。また、ステップC3の処理で開き角度を調整してもカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップC4/No)、角度調整部4を制御し、開き角度が所定の値以上となる方向に開き角度を調整する(ステップC5)。
【0047】
制御部1は、ステップC5の処理で開き角度を調整した際に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在した場合は(ステップC6/Yes)、開き角度の調整を終了する(End)。また、ステップC5の処理で開き角度を調整してもカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップC6/No)、再び、角度調整部4を制御し、開き角度が所定の値未満となる方向に開き角度を調整する(ステップC3)。これにより、制御部1は、角度調整部4を制御し、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在するまで開き角度を調整することになる。
【0048】
また、ステップC2において、角度検出部5で検出した開き角度が所定の値未満の場合は(ステップC2/No)、角度調整部4を制御し、角度検出部5で検出する開き角度が所定の値以上となる方向に開き角度を調整する(ステップC7)。制御部1は、ステップC7の処理で開き角度を調整した際に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在した場合は(ステップC8/Yes)、開き角度の調整を終了する(End)。また、ステップC7の処理で開き角度を調整してもカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップC8/No)、角度調整部4を制御し、開き角度が所定の値未満となる方向に開き角度を調整する(ステップC9)。
【0049】
制御部1は、ステップC9の処理で開き角度を調整した際に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在した場合は(ステップC10/Yes)、開き角度の調整を終了する(End)。また、ステップC9の処理で開き角度を調整してもカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップC10/No)、再び、角度調整部4を制御し、開き角度が所定の値以上となる方向に開き角度を調整する(ステップC7)。これにより、制御部1は、角度調整部4を制御し、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在するまで開き角度を調整することになる。
【0050】
図5に示す角度調整プログラムにおいて、制御部1は、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在する場合は(ステップB2/Yes)、表示部側筐体102の第2の角度調整処理を行う(ステップB4)。
【0051】
第2の角度調整処理は、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在する場合に行う処理であり、図7に示す処理である。
【0052】
制御部1は、図7に示す第2の角度調整処理を開始した場合は、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔が撮像画像の中央に位置するか否かを判定し(ステップD1)、操作者の顔が撮像画像の中央に位置する場合は(ステップD1/Yes)、処理を終了する(End)。例えば、カメラ105で撮像した撮像画像が図8(b)に示すような撮像画像200の場合は、操作者の顔Aが撮像画像200の中央に位置するため、処理を終了する。なお、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔の位置は、ディスプレイ104の中での操作者の顔の位置に対応するようにしている。これにより、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔の位置を基に、ディスプレイ104の中での操作者の顔の位置を特定することができる。
【0053】
制御部1は、操作者の顔が撮像画像の中央に位置しない場合は(ステップD1/No)、操作者の顔が撮像画像の上部または下部に位置するかを判定する(ステップD2)。操作者の顔が撮像画像の上部に位置する場合は(ステップD2/上部)、角度調整部4を制御し、表示部側筐体102の開き角度を大きくし、操作者の顔が撮像画像の中央に位置するように開き角度を調整する(ステップD3)。また、操作者の顔が撮像画像の下部に位置する場合は、角度調整部4を制御し、表示部側筐体102の開き角度を小さくし、操作者の顔が撮像画像の中央に位置するように開き角度を調整する(ステップD4)。
【0054】
例えば、カメラ105で撮像した撮像画像が図8(a)に示すような撮像画像200の場合は、操作者の顔Aが撮像画像200の上部に位置するため、表示部側筐体102の開き角度を大きくし、図8(b)に示すように、操作者の顔Aが撮像画像200の中央に位置するように開き角度を調整する。また、カメラ105で撮像した撮像画像が図8(c)に示すような撮像画像200の場合は、操作者の顔Aが撮像画像200の下部に位置するため、表示部側筐体102の開き角度を小さくし、図8(b)に示すように、操作者の顔Aが撮像画像200の中央に位置するように開き角度を調整する。これにより、制御部1は、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔の位置に応じて角度調整部4を制御し、図8(b)に示すように、カメラ105で撮像した撮像画像200の中での操作者の顔Aが撮像画像200の中央に位置するように開き角度を調整することができる。
【0055】
例えば、図9に示すように、表示部側筐体102がaの位置の状態で、操作者の顔がA2からA1の位置に移動した場合は、aの状態でカメラ105で撮像した撮像画像は、図8(a)に示すような撮像画像になる。このため、制御部1は、その操作者の顔のA2からA1の移動に追従して角度調整部4を制御し、表示部側筐体102の開き角度を大きくし、図8(b)に示すように、操作者の顔Aが撮像画像200の中央に位置するように開き角度を調整する。その結果、表示部側筐体102がaからbの位置に移動し、操作者の顔の位置A1に応じた最適な位置bに表示部側筐体102を調整することができる。
【0056】
なお、表示部側筐体102の開き角度を調整する場合は、図8(b)に示すように、操作者の顔Aの部位の中でも目の位置が撮像画像200の中央に位置するように開き角度を調整することが好ましい。これにより、操作者の目の位置がディスプレイ104の中央に位置するように表示部側筐体102の開き角度を調整することができる。
【0057】
制御部1は、図7に示す第2の角度調整処理を行った場合は、カメラ105で撮像した撮像画像の中から操作者の顔が存在しなくなったか否かを判定し(ステップB5)、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在する場合は(ステップB5/No)、図7に示す第2の角度調整処理を継続し、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔が撮像画像の中央に位置するように開き角度を調整する(ステップB4)。また、カメラ105で撮像した撮像画像の中から操作者の顔が存在しなくなった場合は(ステップB5/Yes)、操作者が情報処理装置100の前から離れたと判断し、タイマー計測を開始し(ステップB6)、表示部側筐体102の第3の角度調整処理を行う(ステップB7)。
【0058】
第3の角度調整処理は、第2の角度調整処理を行った後に、カメラ105で撮像した撮像画像の中から操作者の顔が存在しなくなった場合に行う処理である。
【0059】
制御部1は、第3の角度調整処理を開始した場合は、角度調整部4を制御し、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在するように開き角度を調整する。例えば、図6に示す第1の角度調整処理と同様に、角度検出部5で検出した開き角度が所定の値以上の場合は、角度調整部4を制御し、角度検出部5で検出する開き角度が所定の値未満となる方向に開き角度を調整する。また、角度検出部5で検出した開き角度が所定の値未満の場合は、角度調整部4を制御し、角度検出部5で検出した開き角度が所定の値以上となる方向に開き角度を調整する。これにより、制御部1は、角度調整部4を制御し、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在するように開き角度を調整することができる。
【0060】
制御部1は、第3の角度調整処理を行った後に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在するか否かを判定し(ステップB8)、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在する場合は(ステップB8/Yes)、図7に示す第2の角度調整処理を開始し(ステップB4)、カメラ105で撮像した撮像画像の中での操作者の顔が撮像画像の中央に位置するように開き角度を調整する。また、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップB8/No)、タイマー計測を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップB9)、タイマー計測を開始してから所定時間が経過してもカメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在しない場合は(ステップB9/Yes)、角度調整部4を制御し、表示部側筐体102を所定の開き角度に調整する(ステップB10)。なお、所定の開き角度は、図7に示す第2の角度処理を行った際に調整した時の開き角度にすることが好ましい。これにより、操作者が再び、情報処理装置100の前に位置した際に、カメラ105で撮像した撮像画像の中に操作者の顔が存在する確率を高めることができる。
【0061】
<本実施形態の情報処理装置100の作用・効果>
このように、本実施形態の情報処理装置100は、表示部側筐体102を開いた状態で、表示部側筐体102の前方をカメラ105で撮像する。そして、制御部1は、カメラ105で撮像した撮像画像に応じて角度調整部4を制御し、本体側筐体101に対する表示部側筐体102の開き角度を調整する。これにより、カメラ105で撮像した撮像画像に応じて表示部側筐体102の位置を調整することができる。その結果、表示部側筐体102の位置を手で直接調整する手間がなくなり、情報処理装置100の操作性を向上させることができる。
【0062】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0063】
例えば、上述した本実施形態の情報処理装置100を構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0064】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0065】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
【0066】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
【0067】
また、本実施形態における情報処理装置100は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0068】
また、上述した実施形態では、ノート型PCの情報処理装置100を例として説明した。しかし、情報処理装置100に限定せず、携帯型ゲーム機などの電子機器にも適用可能であり、本体側筐体101上に表示部側筐体102を開閉可能に設けた構成であれば、上述した実施形態の技術思想を適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
100 情報処理装置(電子機器)
101 本体側筐体
102 表示部側筐体
103 入力部
104 ディスプレイ
105 カメラ(撮像手段)
106a、106b 連結部
1 制御部
2 電源部
3 記憶部
4 角度調整部
5 角度検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9