(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777934
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150820BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20150820BHJP
【FI】
G06F3/041 540
G06F3/033 453
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-110554(P2011-110554)
(22)【出願日】2011年5月17日
(65)【公開番号】特開2012-242958(P2012-242958A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】白川 貴久
【審査官】
西田 聡子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−158919(JP,A)
【文献】
特開2011−041026(JP,A)
【文献】
特開2010−009533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置であって、
前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたか否かを検出する検出手段と、
前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する監視手段と、
前記検出手段により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され、前記監視手段により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えるよう制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の表示手段が非表示状態であるとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替ることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置にユーザインタフェース入力手段が接続されているか否かを検知する検知手段をさらに含み、前記検知手段により前記情報処理装置に前記ユーザインタフェース入力手段が接続されていないことが検知されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置の制御方法であって、
前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたか否かを検出する工程と、
前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する工程と、
前記検出する工程により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され、前記監視する工程により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えるよう制御する工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置のコンピュータに、
前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたか否かを検出する処理と、
前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する処理と、
前記検出する処理により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され、前記監視する処理により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えるよう制御する処理と、
を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、板状の本体表面全面にタッチパネル式ディスプレイを搭載し、マウス等の入力デバイスを具備しないパーソナルコンピュータ(以下、「スレートPC(Personal Computer)」という。)が、モバイル端末の1つとして普及しつつある。
【0003】
また、特許文献1には、タッチパネルを備えた携帯型端末機器が、情報処理装置の着脱部に装着され、携帯型端末機器のタッチパネルを操作することにより、情報処理装置による情報処理の結果をディスプレイに表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−079715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スレートPCに対する操作は、キーボードやマウス等の入力デバイスによるものではなく、タッチパネルによるユーザインタフェース(UI)操作となっているため、スレートPCに対してプロジェクタを含む外部ディスプレイを接続すると、この外部ディスプレイ側にはタッチパネル等のユーザインタフェース(UI)部品が存在しないために、外部ディスプレイに対するユーザインタフェース(UI)操作を行うことができないという問題がある。
【0006】
この問題は、引用文献1に記載された情報処理装置に対して外部ディスプレイを接続した場合も同様であり、外部ディスプレイ側にはタッチパネル等のユーザインタフェース(UI)部品が存在しないために、外部ディスプレイに対するユーザインタフェース(UI)操作を行うことができないという問題は依然として解消されない。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、スレートPCにおいて、タッチパネル等のユーザインタフェース(UI)部品が存在しない外部ディスプレイが接続された場合であっても、当該外部ディスプレイに対する操作を行うことができる情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における情報処理装置は、情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置であって、前記第2の表示手段が前記
第1の表示手段に接続されたか否かを検出する検出手段と、
前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する監視手段と、前記検出手段により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され
、前記監視手段により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えるよう制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明における情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置において前記第1の表示手段が非表示状態であるとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替ることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明における情報処理装置は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記
情報処理装置にユーザインタフェース
入力手段が
接続されているか否かを
検知する
検知手段をさらに含み、前記
検知手段により前記
情報処理装置に前記ユーザインタフェース
入力手段が接続されてい
ないことが検知されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えることを特徴とする。
【0011】
また、
上記課題を解決するため、請求項
4に記載の
本発明における情報処理装置
の制御方法は、情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置の制御方法であって、前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたか否かを検出する工程と、前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する工程と、前記検出する工程により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され、前記監視する工程により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替える
よう制御する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
そして、上記課題を解決するた
め、請求項5に記載の本発明における情報処理装置の制御
プログラムは、情報処理された情報を表示する第1の表示手段と、前記第1の表示手段の表示画面上に配置された座標情報を入力する入力手段とを含み、前記情報とは異なる情報を表示する第2の表示手段が接続され、前記情報処理を行う情報処理装置の
コンピュータに、前記第2の表示手段が前記
第1の表示手段に接続されたか否かを検出する
処理と、
前記第2の表示手段にユーザインタフェース部品が表示されているか否かを監視する処理と、前記検出する
処理により前記第2の表示手段が前記第1の表示手段に接続されたことが検出され
、前記監視する処理により前記第2の表示手段に前記ユーザインタフェース部品が表示されていると判断されたとき、前記入力手段の入力形態をスライドパッド入力に切り替えるよう制御する
処理と、を
実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スレートPCにおいて、タッチパネル等のユーザインタフェース部品(UI)が存在しない外部ディスプレイが接続された場合であっても、当該外部ディスプレイに対する操作を行うことができる情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態における情報処理装置全体の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態における情報処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態における情報処理装置全体の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置10は、表示部(以下、「内部ディスプレイ」ともいう。)11と、入力部12と、制御部13とで構成され、表示部21を有する外部ディスプレイ20と接続されている。入力部12は、表示部1
1を指又はタッチペン等で押下した箇所の絶対的な位置を検出するタッチパネルで構成されている。また、情報処理装置10として、スレートPCを想定して説明を行う。
【0018】
情報処理装置10の制御部13は、表示部11と入力部12とを制御し、UI(User Interface)入力デバイス検知部131と、表示部接続検出部132と、表示監視部133と、入力切替変換部134と、UI部品表示監視部135と、入力形態変換部136とから構成されている。
【0019】
UI入力デバイス検知部131は、情報処理装置10に対してマウス等の入力デバイスが接続されているか否かを検知するものである。また、表示部接続検出部132は、情報処理装置10に対して外部ディスプレイ20が接続されているか否かを検出するものである。
【0020】
さらに、表示監視部133は、内部ディスプレイ11の表示が停止しているか否かを監視するものである。そして、入力切替変換部134は、入力部12からの入力形態を、上述したタッチパネル入力から、指又はタッチペン等を表示部11上でスライド移動し相対的な距離だけマウスポインタを移動させるスライドパッド入力に切替変換するものである。
【0021】
また、UI部品表示監視部135は、外部ディスプレイ20の表示部21に、ボタンやチェックボックスなどのグラフィカルユーザインターフェイス部品が表示されているか否かを監視するものである。そして、入力形態変換部136は、入力部12からの入力が、タッチパネルをあたかもスライドパッド入力のように使用できるよう切り替えるためのユーザインタフェース(UI)ボタンを内部ディスプレイ11に表示させるものである。
【0022】
そして、UI入力デバイス検知部131、表示部接続検出部132、表示監視部133、入力切替変換部134、UI部品表示監視部135、入力形態変換部136、外部ディスプレイ20、及び表示部21は、それぞれ制御部13の図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部に格納されたプログラムを実行することにより制御される。
【0023】
次に、本発明の実施の形態における情報処理装置10の動作について説明する。
図2は、本発明の実施形態における情報処理装置10の動作を示すフローチャート図である。なお、以下の説明では、
情報処理装置10の表示部11に表示される画像と、外部ディスプレイ20の表示部21に表示される画像とは、異なるものであることを前提として説明する。
【0024】
まず最初に、マウス等のユーザインタフェース(UI)デバイスが、情報処理装置10に接続されているか否かがUI入力デバイス検知部131により検知され(ステップ(以下、「S」という。)201)、マウス等のユーザインタフェース(UI)デバイスが接続されていると検知された場合には(S201:Yes)、本発明の目的である外部ディスプレイ20の表示部21に表示されたユーザインタフェース(UI)部品を操作することが可能となるので、後のステップに移行しない。
【0025】
マウス等のユーザインタフェース(UI)デバイスが接続されていないと検知された場合には(S201:No)、S202へ移行し、内部ディスプレイ11に対して外部ディスプレイ20が接続されているか否かが表示部接続検出部132により検出される。内部ディスプレイ11に対して外部ディスプレイ20が接続されていないと検出された場合には(S202:No)、本発明の目的である外部ディスプレイ20の表示部21に表示されたユーザインタフェース(UI)部品を操作することがそもそも必要ないので、後のステップに移行しない。
【0026】
S202において、内部ディスプレイ11に対して外部ディスプレイ20が接続されていると判断された場合には(S202:Yes)、S203へ移行し、内部ディスプレイ11の表示が停止しているか否かが表示監視部133により監視される。内部ディスプレイ11の表示が停止していると判断された場合には(S203:Yes)、S204へ移行し、内部ディスプレイ11における入力部12からの入力形態が、入力切替変換部134によりタッチパネル入力からスライドパッド入力に切替変換され、S205においてスライドパッドが操作されることにより、外部ディスプレイ20の表示部21上のユーザインタフェース(UI)部品を操作することができる。
【0027】
一方、S203において、内部ディスプレイ11の表示が停止していないと判断された場合には(S203:No)、S206へ移行し、外部ディスプレイ20の表示部21にユーザインタフェース(UI)部品が表示されているか否かがUI部品表示監視部135により監視される。外部ディスプレイ20の表示部21にユーザインタフェース(UI)部品が表示されていないと判断された場合には(S206:No)、S210へ移行し、外部ディスプレイ20の表示部21には従来のままプレゼンテーション用の画面等が表示され、S206に戻る。
【0028】
また、外部ディスプレイ20の表示部21にユーザインタフェース(UI)部品が表示されていると判断された場合には(S206:Yes)、S207へ移行し、入力形態変換部136により、内部ディスプレイ11における入力部12からの入力が、タッチパネルをあたかもスライドパッド入力のように使用できるよう切り替えるためのユーザインタフェース(UI)ボタンが内部ディスプレイ11に表示される。そして、S208において、このユーザインタフェース(UI)ボタンが押下されたか否かが判断される。このユーザインタフェース(UI)ボタンが押下されないと判断された場合には(S208:No)、内部ディスプレイ11における入力部12からの入力が、スライドパッド入力のように使用されないこととなるので、外部ディスプレイ20の表示部21には従来のままプレゼンテーション用の画面等が表示され(S211)、S208に戻る。
【0029】
一方、S208において、ユーザインタフェース(UI)ボタンが押下されたと判断された場合には(S208:Yes)、内部ディスプレイ11における入力部12からの入力が、あたかもスライドパッド入力のように使用されることにより、外部ディスプレイ20の表示部21上のユーザインタフェース(UI)部品を操作することができる(S209)。
【0030】
なお、S209の操作において、ユーザインタフェース(UI)ボタンを押下することにより、外部ディスプレイ20の表示部21上のユーザインタフェース(UI)部品(カーソルやマウスポインタ等)をスライド移動させることにより相対的な距離だけ移動させた後、当該ユーザインタフェース(UI)部品をユーザインタフェース(UI)ボタンの位置に戻して押下(タッチ)することにより、内部ディスプレイ11における入力部12からの入力を、スライドパッド入力からタッチパネル状態へ戻すようにしても良い。
【0031】
また、この
図2に示した一連の動作は、情報処理装置10の制御部13に設けられた図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部に格納されたプログラムを実行することによって行われる。
【0032】
さらに、本実施形態においては、情報処理装置10と外部ディスプレイ20との間の接続を、有線を介して行う例について説明しているが、接続手段は必ずしも有線に限られず、他の接続手段を用いても良いことは勿論のことである。
【0033】
そして、上記実施形態においては、情報処理装置10としてスレートPCを想定した場合について説明したが、情報処理装置10は、スレートPCに限定されることなく、板状の本体表面全面にタッチパネル式ディスプレイが搭載し、マウス等の入力デバイスを具備しない情報処理装置であれば如何なる情報処理装置であっても良い。
【0034】
以上説明してきたように、本発明によれば、マウス等の入力デバイスを具備しない情報処理装置に対してユーザインタフェース(UI)部品が存在しない外部ディスプレイが接続された場合であっても、当該外部ディスプレイに対する操作を行うことができる情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及び制御プログラムを得ることができるのである。
【0035】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 情報処理装置
11、21 表示部
12 入力部
13 制御部
131 UI入力デバイス検知部
132 表示部接続検出部
133 表示監視部
134 入力切替変換部
135 UI部品表示監視部
136 入力形態変換部
20 外部ディスプレイ