特許第5777948号(P5777948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777948
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/08 20100101AFI20150820BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20150820BHJP
   H01L 33/44 20100101ALI20150820BHJP
【FI】
   H01L33/00 120
   H01L33/00 210
   H01L33/00 300
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-138196(P2011-138196)
(22)【出願日】2011年6月22日
(62)【分割の表示】特願2007-519123(P2007-519123)の分割
【原出願日】2005年6月29日
(65)【公開番号】特開2011-181973(P2011-181973A)
(43)【公開日】2011年9月15日
【審査請求日】2011年6月22日
【審判番号】不服2014-11536(P2014-11536/J1)
【審判請求日】2014年6月18日
(31)【優先権主張番号】10-2004-0049906
(32)【優先日】2004年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2004-0087379
(32)【優先日】2004年10月29日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2004-0104569
(32)【優先日】2004年12月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ, ジョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ゴン−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イブ,ラクロイク
【合議体】
【審判長】 小松 徹三
【審判官】 山村 浩
【審判官】 近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−512687(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/088318(WO,A2)
【文献】 特開2002−359402(JP,A)
【文献】 特開2001−307506(JP,A)
【文献】 特開平5−198843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、基板上の下部半導体層、前記下部半導体層上の活性層、前記活性層上の上部半導体層をそれぞれ含む複数の発光セルと、
前記複数の発光セル上にそれぞれ配置された上部電極と、
前記基板と前記複数の発光セルの下部半導体層との間にそれぞれ配置され、前記発光セルの一側へのみ延長され上面が露出されている下部電極と、
前記複数の発光セルのうちの一つの発光セルの前記下部電極と前記一つの発光セルに隣接する別の発光セルの上部電極との間に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置され、前記複数の発光セルのうち一つの発光セルの下部電極の露出された上面と隣接する他の発光セルの上部電極とを連結する配線と、
を含む発光ダイオードであって、
前記複数の発光セルは、母基板が除去されていることを特徴とする発光ダイオード。
【請求項2】
前記基板と前記下部電極との間に配置された絶縁層を含み、
前記基板は、導電性基板であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項3】
前記複数の発光セルの側面には、前記絶縁膜が接していることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項4】
前記配線は、ステップカバレッジ工程によって接続されることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【請求項5】
前記複数の発光セルは、二つ以上の発光セルのブロックを構成し、前記複数の発光セルの一つのブロックは交流電源の順方向の電圧印加時で光を出射し、前記複数の発光セルの別のブロックは交流電源の逆方向の電圧印加時で光を出射することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のセルが結合された発光素子及びその製造方法並びにこれを用いた発光装置に関し、さらに詳しくは、単一枚の基板の上に複数の発光用のセルが配設されている単一の発光素子とこの製造方法及びこれを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードとは、半導体のp−n接合構造を用いて注入された少数キャリア(電子または正孔)を作り出し、これらを再結合することにより所定の光を発する素子を言う。この種の発光ダイオードは、表示装置及びバックライトとして用いられており、近年、一般の照明用途にこれを適用するための研究が盛んに行われつつある。
【0003】
これは、発光ダイオードが既存の電球または蛍光灯などに比べて消費電力が少なく、且つ、寿命が長いためである。すなわち、発光ダイオードの消費電力が既存の照明装置に比べて数ないし数十分の1に過ぎず、且つ、寿命が数ないし数十倍に至ることから、消費電力の削減の側面と耐久性の側面からみて遥かに優れているためである。
【0004】
一般に、発光ダイオードを照明として用いるためには、別途のパッケージング工程により発光素子を形成し、複数の個別の発光素子をワイヤーボンディングにより直列に接続し、外部において保護回路及び交流/直流(AC/DC)変換器などを設けてランプ形状に製作していた。
【0005】
図1は、従来の発光装置を説明するための概念図である。図1を参照すると、発光チップが実装された複数の発光素子10a〜10cを直列に接続して一般の照明用の発光装置を製作している。このために、複数の発光素子10a〜10cを直列に配設した後、金属配線を施してそれぞれ異なる発光素子10a〜10cの内部の発光チップを電気的に直列に接続していた。かかる製造工程については、例えば、特許文献1に開示されている。
【0006】
しかしながら、従来の技術により上述の構造を有する照明用の発光装置を製作した場合、多数の素子に一々金属配線工程を行うことが余儀なくされるが故に、工数が増え、且つ、工程が複雑化するという問題が生じる。また、工数が増えるほど、これによる不良の発生率も高くなり、これは、量産に対して障害となっていた。さらに、ある一定の衝撃により金属配線が短絡してしまい、発光素子の動作が止まってしまうこともしばしば起こる。さらにまた、個々の発光素子を直列に配設する必要があるため、発光素子が占める空間が広くなり、その結果、ランプがかなり肥大化してしまうという不具合があった。
【0007】
なお、上述の素子レベルの発光チップアレイではなく、ウェーハレベルでのマイクロチップをアレイすることに関しては、例えば、特許文献2に開示されている。これは、表示装置に関するものであり、それぞれの画素に発光を誘発する発光ダイオードが配されるように発光セルをマトリックス状に配設する。しかしながら、上述のマトリックス状に配設された構造の素子を発光させるためには、縦方向と横方向にそれぞれ異なる電気的な信号を加える必要があるだけではなく、電気的な信号をアドレス方式により加える必要があるため、これを制御することが極めて困難である。また、マトリックス状の配設により配線間の断線が懸念され、且つ、配線間の重なり合い領域に多くの干渉が生じてしまう。さらに、上述のマトリックス状の構造では、高電圧が加えられる照明用の発光装置に適用しづらいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5463280号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2004−9818号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、複数の発光セルが直列に接続されている単一チップの発光素子を用いて発光ダイオードランプを製作することができ、ウェーハレベルにおいて複数の発光セルを電気的に接続することからランプの製作工程を単純化させることができ、不良率を低減させることができて量産に好適な複数のセルがアレイされた発光素子及びこの製造方法、並びにこれを用いた発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による発光素子は、発光素子であって、複数の発光セルが単一枚の基板内において直列または並列に接続されている発光セルブロックを備えることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記発光セルブロックは、N型半導体層と、該N型半導体層の上部の所定の領域に形成される活性層と、該活性層の上に形成されるP型半導体層とを有する複数の発光セルと、一方の発光セルのN型半導体層とこれと隣り合う他方の発光セルのP型半導体層とを接続する配線とを備えることが好ましい。
また、前記発光セルブロックは、N型半導体層、活性層及びP型半導体層が順次に積層された複数の発光セルと、前記複数の発光セルが付着された基板と、一方の発光セルのN型半導体層とこれと隣り合う他方の発光セルのP型半導体層とを接続する配線とを備えることが好ましい。
前記N型半導体層の上にN型パッドが形成され、前記P型半導体層の上にP型パッドが形成されることが好ましい。
このとき、前記発光セルに所定の整流電源を加えるための整流ブリッジ部をさらに備えることが好ましい。
そして、外部の交流電源と前記整流ブリッジ部とを接続するための電極をさらに備えることが好ましい。
前記発光セル及び前記整流ブリッジ部を外部の電源または外部素子と接続するための電極をさらに備えることが好ましい。
直列に接続された前記発光セルブロックが前記基板の上において逆並列に接続されていることが好ましい。
前記基板は、熱伝導性材質から形成されていることが好ましい。
前記熱伝導性材質からなる基板が電気伝導性を有する場合、基板上面に形成される絶縁膜と、前記絶縁膜と前記発光セルとの間に介装される電極パターンとをさらに備えることが好ましい。
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明による発光素子の製造方法は、N型半導体層とP型半導体層とが形成された複数の発光セルを設けるステップと、一方の発光セルのN型半導体層とこれと隣り合う他方の発光セルのP型半導体層とを金属配線により接続するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
ここで、前記複数の発光セルを設けるステップは、母基板(parent substrate)の上に前記N型半導体層、活性層、及び前記P型半導体層を順次に形成するステップと、前記N型半導体層の一部を露出させるステップと、前記個々の発光セルを電気的に絶縁するステップとを含むことが好ましい。
前記複数の発光セルを設けるステップは、母基板の上に前記N型半導体層、活性層、及び前記P型半導体層を順次に形成するステップと、前記P型半導体層、活性層及びN型半導体層の一部を除去して個々の発光セルを電気的に絶縁するステップと、電気的に絶縁された前記P型半導体層の上にホスト基板(hostsubstrate)を貼り付けるステップと、前記母基板を除去するステップと、前記ホスト基板を切断して個々の発光セルを形成するステップとを含むことが好ましい。
前記発光素子を基板の上に付着させるステップをさらに含むことが好ましい。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明による発光装置は、複数の発光セルが単一枚の基板内において直列または並列に接続されている発光素子と、前記発光素子に所定の電力を供給する電源部と、前記発光素子に加えられる電圧及び電流の波形を制御するための制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の発光セルが直列に接続されている単一の発光素子を用いることにより、照明に使用可能な発光装置を製作することができるという効果がある。また、ウェーハレベルにおいて複数の発光セルを電気的に接続することから、高電圧及び家庭用の交流電源において発光可能な発光素子を製作することができるという効果がある。
【0016】
さらに、複数の発光セルが基板の上において電気的に接続された発光素子を用いることから、照明用の発光装置の製作工程を単純化させることができ、照明用の発光装置の製作時に生じうる不良率を低減することができ、しかも、照明用の発光装置を量産することができるという効果がある。さらにまた、発光素子チップの電極と所定の整流回路を接続して交流動作時におけるリップル要素を極力抑えて発光効率を極大化させ、且つ、抵抗体を取り付けることによりLEDアレイにかかる負荷を調節して発光素子チップを保護することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来の発光装置を説明するための概念図である。
図2】本発明の一実施形態よる単位発光セルの断面図である。
図3】本発明の一実施形態による発光セルが配設されている発光素子の断面図である。
図4】本発明の他の実施形態による単位発光セルの断面図である。
図5】本発明の他の実施形態の発光セルが配設されている第1の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
図6】本発明の他の実施形態の発光セルが配設されている第2の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
図7】本発明の他の実施形態の発光セルが配設されている第3の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
図8】本発明の第1の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図9】本発明の第2の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図10】本発明の第3の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図11】本発明の第4の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図12】本発明の第5の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図13】本発明の第6の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図14】本発明による発光装置を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る発光素子及びその製造方法並びにこれを用いた発光装置を実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0019】
但し、本発明は後述する実施の形態に限定されるものではなく、相異なる形で実現可能であり、これらの実施の形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、且つ、この技術分野における通常の知識を持った者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態よる単位発光セルの断面図である。図2を参照すると、発光セル100は、基板20と、基板20の上に順次に積層されたバッファ層30、N型半導体層40、活性層50及びP型半導体層60と、N型半導体層40の上に形成されたN型ボンディングパッド(図3(a)における95)と、P型半導体層60の上に形成されたP型ボンディングパッド(図3(a)における90)とを備える。
【0021】
このとき、N型ボンディングパッドの下部とP型ボンディングパッドの下部のそれぞれにN型抵抗接続膜(図示せず)及びP型抵抗接続膜(図示せず)をさらに備えることができる。また、P型半導体層60とP型ボンディングパッドとの間に透明電極層70をさらに備えることができる。さらに、それぞれの半導体層(40、60)の上に隣り合うセル間を接続するための金属性の電極がさらに形成することもできる。以上において、基板20としては、発光ダイオードを製作するための通常のウェーハが用いられ、Al、SiC、ZnO、Si、GaAs、GaP、LiAl、BN、AlN、及びGaNの内の少なくともいずれか1種の基板を用いることが好ましい。この実施形態においては、サファイア製の結晶成長の基板20を用いる。
【0022】
次に、バッファ層30は、結晶の成長時に基板20と後続層との格子不整合を低減するための層であって、半導体材料としてGaNを含んでなる。N型半導体層40は、電子が生じる層であって、N型化合物半導体層とN型クラッド層とにより形成される。このとき、N型化合物半導体層としては、N型不純物がドープされているGaNを用いる。P型半導体層60は、正孔が生じる層であって、P型クラッド層とP型化合物半導体層とにより形成される。このとき、P型化合物半導体層としては、P型不純物がドープされているAlGaNを用いる。
【0023】
活性層50は、所定のバンドギャップと量子井戸が作られて電子及び正孔が再結合される領域であって、InGaNを含んでなる。また、活性層50を構成する物質の種類に応じて、電子及び正孔が結合して得られる発光波長が変わる。このため、目標とする波長に応じて活性層50に含まれる半導体材料を調節することが好ましい。
【0024】
N型ボンディングパッドとP型ボンディングパッドは、発光セル100を外部の金属配線と電気的に接続するためのパッドであって、Ti/Auの積層構造に形成することができる。また、上述の透明電極層70は、P型ボンディングパッドを介して加えられる電圧をP型半導体層60に均一に伝える役割を果たす。
【0025】
上述のように、本発明による発光セル100は、サファイアの基板20の上に形成された水平タイプの発光チップを言うものであり、本発明においては、単一の発光チップを用いて単一の発光素子を製作するのではなく、複数の発光チップを用いて単一の発光素子を形成していることから、従来の発光チップを発光セルとして標記している。
【0026】
以下、上述の発光セルの製造方法を簡略に説明する。サファイアの基板20の上にバッファ層30、N型半導体層40、活性層50及びP型半導体層60を順次に結晶成長させる。P型半導体層60の上に透明電極層70をさらに形成することもできる。それぞれの層は、上述のごとき物質を蒸着するための有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal
Organic Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などをはじめとする種
々の蒸着・成長方法により形成される。
【0027】
この後、マスクを用いたフォトエッチング工程を行うことで、N型半導体層40の一部を開放する。すなわち、マスクをエッチングマスクとするエッチング工程を行うことによりP型半導体層60、活性層50及びN型半導体層40の一部を除去して、N型半導体層40を露出させる。このとき、マスクは感光膜を用いて形成するが、N型パッドが形成されるべき領域を開放し、且つ、個々のセルを電気的に孤立(絶縁)可能な形状に形成する。エッチング工程としては、湿式エッチング及び乾式エッチング工程の両方とも採用でき、この例においては、プラズマを用いた乾式エッチングを行うことが好適である。
【0028】
エッチング工程を行い続けることで個々の発光セル100を電気的に分離する。すなわち、サファイアの基板20が露呈するまでN型半導体層40とバッファ層30をエッチングしてそれぞれのセルを絶縁(孤立)させる。
【0029】
上述のように単一枚のマスクを用いてエッチングを行うこともできるが、それぞれ異なるマスクを用いてエッチングを行うこともできる。すなわち、N型パッドが形成されるべき領域を開放する第1のマスクを用いて第1のエッチングを行った後、発光セル100を電気的に分離するために所定の領域を開放する第2のマスクを用いて第2のエッチングを行うことができる。
【0030】
マスクを除去した後、開放されたN型半導体層40の上にN型パッドを形成し、P型半導体層60の上にP型パッドを形成する。
【0031】
上述のように、本発明は、単位発光セルを直列または並列に配設させて発光素子を製作している。以下、これについて図面を参照して説明する。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態による発光セルが配設されている発光素子の断面図である。図3を参照すると、本発明の発光素子は、複数の発光セル100−1〜100−nが直列に接続されている。すなわち、発光素子は、隣り合う発光セル100−1〜100−nのN型半導体層40とP型半導体層60が電気的に接続され、一方の端部の発光セル100−nのN型半導体層40の上にN型パッド95が形成され、他方の端部の発光セル100−1のP型半導体層60の上にP型パッド90が形成された複数の発光セル100を備える。
【0033】
隣り合う発光セル100−1〜100−nのN型半導体層40とP型半導体層60は、所定の金属配線80−1〜80−n−1を用いて電気的に接続させる。また、本発明においては、発光セル100−1〜100−nを直列に接続して交流電圧電源によって駆動可能な数だけ形成するのが効果的である。本発明においては、単一の発光セル100を駆動するための電圧/電流と、照明用の発光素子に加えられる交流駆動電圧に応じて、直列または並列に接続される発光セル100の数が異なってくる。
【0034】
好ましくは、10〜1000個の発光セルを直列に接続し、より好ましくは、30〜70個の発光セルを直列に接続する。例えば、220Vの交流電圧下においては、一定の駆動電流において3.3Vで駆動する単位発光ダイオードセルの66〜67個を直列に接続して発光素子を製作する。また、110Vの交流電圧下においては、一定の駆動電流において3.3Vで駆動する単位発光ダイオードセルの33〜34個を直列に接続して発光素子を製作する。
【0035】
図3(a)に示すように、第1〜第n個の発光セル100−1〜100−nが直列に接続されている発光素子において、第1の発光セル100−1のP型半導体層60の上にP型パッド90が形成され、第1の発光セル100−1のN型半導体層40と第2の発光セル100−2のP型半導体層60が第1の金属配線80−1により接続される。また、第2の発光セル100−2のN型半導体層40と第3の発光セル(図示せず)のP型半導体層(図示せず)が第2の金属配線80−2により接続される。そして、第n−2の発光セル(図示せず)のN型半導体層(図示せず)と第n−1の発光セル100−n−1のP型半導体層60が第n−1の金属配線80−n−2により接続され、第n−1の発光セル100−n−1のN型半導体層40と第nの発光セル100−nのP型半導体層60が第nの配線80−n−1により接続される。また、第nの発光セル100−nのN型半導体層40にN型パッド95が形成される。このとき、それぞれの半導体層の上には金属電極となるパッドが形成されて、これらのパッド間を配線により接続する。
【0036】
本発明の基板20は、多数の発光素子が製作可能な基板であってもよい。そこで、図3(a)及び図3(b)における「A」領域をこれらの多数の素子を個別的に切断するための切断領域と称する。また、上述の発光素子においては、外部交流電圧を整流するための整流用の第1〜第4のダイオード(図示せず)が同基板内に形成してもよい。第1〜第4のダイオードは整流ブリッジ状に配設される。第1〜第4のダイオード間の整流ノードがそれぞれ発光セルのN型パッドとP型パッドに接続されてもよい。第1〜第4のダイオードとして発光セルを用いることができる。
【0037】
以下、上述の複数の発光セルが直列に接続されている発光素子の製造方法を簡略に説明する。サファイアの基板20の上にバッファ層30、N型半導体層40、活性層50及びP型半導体層60を順次に結晶成長させる。P型半導体層60の上に透明電極層70をさらに形成することもできる。
【0038】
所定のパターニング工程を通じてN型半導体層40の一部を開放し、それぞれの発光セル100を電気的に絶縁する。パターニング工程は、全体の構造の上に感光膜を塗布した後、所定のリソグラフィ工程を行うことにより、所定の領域が開放された感光膜マスク(図示せず)を形成する。所定の領域とは、発光セル100の間の領域及び開放されるべきN型半導体層40の領域を言う。感光膜マスクをエッチングマスクとしてP型半導体層60と活性層50をエッチングすることによりN型半導体層40を開放し、その後、エッチング工程を行い続けることでN型半導体層40の一部をエッチングして個別の発光セル100形成し、これらを電気的に絶縁する。
【0039】
続けて、多数回に亘ってのパターニング工程を行うことでN型半導体層40の一部を開放し、それぞれの発光素子を電気的に絶縁することもできる。すなわち、図3(a)に示すように、P型半導体層60、活性層50及びN型半導体層40の一部をエッチングしてN型半導体層40の一部を露出させ、別途の工程を通じてP型半導体層60、活性層50、N型半導体層40及びバッファ層30をエッチングして発光セル100を電気的に絶縁する。
【0040】
また、図3(b)に示すように、N型半導体層40までのみエッチングして発光セル100を電気的に絶縁することもできる。パターニング工程に用いられるエッチング工程は、湿式エッチング工程であっても、乾式エッチング工程であってもよいが、ここでは、プラズマを用いた乾式エッチングを行うことが好適である。
【0041】
上述の製造工程と同様にして整流ブリッジ用のダイオードを一体に形成することもできる。もちろん、通常の半導体の製造工程を適用して整流ブリッジ用のダイオードを別途に形成することもできる。
【0042】
この後、所定のブリッジ工程またはステップカバーリッジなどの工程を行うことにより、それぞれ隣り合う発光セル100−1〜100−nのN型半導体層40とP型半導体層60を電気的に接続する導電性(金属)配線80−1〜80−n−1を形成する。導電性(金属)配線80−1〜80−n−1は、導電性の物質を用いて形成するが、金属または不純物がドープされたシリコン化合物を用いて形成する。
【0043】
上述のブリッジ工程はエアブリッジ工程とも呼ばれ、互いに接続するチップ間の隙間にフォト工程を用いて感光液を塗布し、現像して感光膜パターンを形成し、まず、その上に金属などの物質を真空蒸着などの方法で薄膜として形成し、その上に、金(Au)含有導電性物質をメッキまたは金属蒸着などの方法により一定の厚さにさらに形成する。この後、ソルベントなどの溶液により感光膜パターンを除去すると、導電性物質の下部は全て除去され、ブリッジ状の導電性物質のみが空間に形成される。
【0044】
また、ステップカバーリッジ工程は、互いに接続するべきチップ間の繋ぎ部にフォト工程を用いて感光液を塗布し且つ現像して互いに接続する個所のみを残し、残りの部分は感光膜パターンにより覆う。さらに、その上に金含有導電性物質をメッキまたは金属蒸着などの方法により一定の厚さに形成する。次いで、ソルベントなどの溶液により感光膜パターンを除去すると、導電性物質が覆われている部分を除く他の部分は全て除去される。また、この覆われている部分だけが残されて、接続するべきチップ間を電気的に接続する役割を果たす。
【0045】
一方、両端部に位置する発光セル100−1及び100−nに、それぞれ外部との電気的な接続のためのP型パッド90とN型パッド95を形成する。整流ブリッジ用のダイオードをP型パッド90とN型パッド95にそれぞれ接続することもでき、別途の導電性配線をP型パッド90とN型パッド95に接続させることもできる。
【0046】
上述のごとき本発明の発光素子の製造は一実施の形態に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の工程と製造方法が素子の特性及び工程の便宜性に応じて変更または追加可能であるだけではなく、上述の水平型の発光セルのみならず、垂直型の発光セルを直列に接続しても、発光素子を製作することができる。
【0047】
本発明は、基板の上にそれぞれ個別化された複数の垂直型の発光セルを付着させ、複数の垂直型の発光セルと隣り合うセルの相異なる電極パッドとを電気的に接続する。すなわち、発光セル間を直列又は並列に接続して発光素子を製作することができる。
【0048】
以下、図面を参照して、垂直型の発光セルとこの垂直型の発光セルが直列又は並列に接続されている発光素子について説明する。以下の説明において、上述の水平型の発光セルとこの水平型の発光セルが直列又は並列に接続されている発光素子との重複説明は省く。
【0049】
図4は、本発明の他の実施形態による単位発光セルの断面図である。図4を参照すると、この実施形態による単位発光セルは、垂直型の発光セル200であって、その構造をみると、N型パッド210、N型半導体層220、活性層230、P型半導体層240及びP型パッド250が順次に積層されている。もちろん、発光セル200の特性に応じて種々の物質層がさらに付加可能である。
【0050】
上述の構造を有する垂直型の発光セルの製造方法を簡略に説明すると、母基板(図示せず)の上にバッファ層(図示せず)、N型半導体層220、活性層230、P型半導体層240及びP型パッド250を順次に形成する。このとき、P型半導体層240及びP型パッド250の間にITO膜(図示せず)が形成されてもよい。
【0051】
P型パッド250、P型半導体層240、活性層230、N型半導体層220及びバッファ層の一部をエッチングして個々の発光セルとして電気的に分離する。この後、P型パッド250の上に導電性のホスト基板(図示せず)を貼り付けた後、N型半導体層220の下部のバッファ層と母基板をレーザーリフトオフ(liftoff)工程により除去
する。N型半導体層220の下部にN型パッド210を形成した後、ホスト基板を個々の発光セル別に切断して垂直型の発光セル200を製造する。
【0052】
この実施形態においては、上述の構造を有する発光セルを基板の上に貼り付けてこれらをそれぞれ直列に接続してなる発光素子の種々の製造方法が提供可能である。図5は、本発明の他の実施形態による発光セルが配設されている第1の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0053】
図5(a)及び図5(b)を参照すると、基板201の上に、N型半導体層220とP型半導体層240との間に活性層230が形成され、且つ、N型半導体層220とP型半導体層240上にそれぞれ電極パッド(210、250)が形成されている複数の垂直型の発光セル200を貼り付ける。
【0054】
基板201としては、Al、SiC、ZnO、Si、GaAs、GaP、LiAl、BN、AlN及びGaNの内の少なくともいずれか1種の基板を用いることができ、樹脂、プラスチックなどの絶縁性の基板を用いることができ、また、熱伝導性に優れた基板を用いることもできる。もし、導電性の基板を用いる場合には、絶縁のために、その上部の表面に絶縁層が形成された基板を用いる。
【0055】
この後、発光セル200を基板201の上に所定のペースト(図示せず)を用いて貼り付ける。このとき、発光セル200のP型パッド250が基板201の上に貼り付けられる。もちろん、これ以外のさまざまな方法を用いてこれらの両者を貼り合わせることができる。すなわち、この変形例においては、P型パッド250が基板201に貼り付けられているが、N型パッド210が基板201に貼り付けられていてもよい。
【0056】
次に、N型パッド210、N型半導体層220、活性層230及びP型半導体層240の一部に対して所定のエッチング工程を行うことで、下部のP型パッド250の一部を露出させる。これにより、図5に示すように、発光セル200の下部の一部にP型パッド250が露出される。所定の配線形成工程により、隣り合う発光セル200間の電極を接続する。すなわち、一方の発光セル200の露出されたP型パッド250と、これと隣り合う他方の発光セル200のN型パッド210とを配線260により接続する。このとき、ブリッジ工程またはステップカバーリッジなどの工程を通じてそれぞれ隣り合う発光セル200のN型パッド210とP型パッド250とを電気的に接続する導電性の配線260を形成する。
【0057】
配線260としては、金属に加えて、伝導性を有する物質であればいずれも用いることができる。上述の配線形成工程はこれに限定されるものではなく、種々の実施の形態が採用可能である。これについては後述する。
【0058】
本発明の発光素子において、一方の端部に位置する発光セル200のP型パッド250と他方の端部に位置する発光セル200のN型パッド210のそれぞれに外部端子電極(図示せず)を別途に形成して、外部から所定の電源が供給されるようにする。
【0059】
図6は、本発明の他の実施形態の発光セルが配設されている第2の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。図6を参照すると、上述の変形例において述べたように、垂直型の発光セル200を基板201の上に貼り付けた後、所定のエッチング工程を通じてP型パッド250の一部を露出させる。
【0060】
次に、露出されたP型パッド250と隣り合う発光セル200との間の基板201の上に、後続する配線とのショートを防ぐための所定の絶縁膜255を形成する。この後、所定の金属配線工程を用いて隣り合う発光セル200間の電極を配線260により接続する。これらの絶縁膜255及び配線260は印刷工程を通じて形成することができるが、所定の蒸着、パターニング及びエッチング工程を通じて形成することもできる。
【0061】
発光素子の製造は上述の工程により形成されるものに限定されず、発光セルのエッチングを行うことなく、発光セルよりも広幅の電極パターンを基板の上に形成した後、その上部に発光セルを貼り付けることができる。上述の変形例においては、P型パッドが基板に貼り付けられているが、N型パッドが基板に貼り付けられていてもよい。
【0062】
図7は、本発明の他の実施形態の発光セルが配設されている第3の変形例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。図7(a)及び図7(b)を参照すると、所定の電極パターン202が形成された基板201の電極パターン202の上に垂直型の発光セル200のP型パッド250を貼り付ける。
【0063】
基板201の上に形成された電極パターン202は、発光セル200を直列に接続するために種々のアレイが採用可能である。もちろん、電極パターン202は、要求される発光セル200の数に見合う分だけ形成し、発光セル200のサイズよりも一側方向に長く形成する。また、それぞれの電極パターン202間は電気的・物理的に分離されている。
【0064】
このとき、この変形例においては、基板201の上に電極パターン202が形成されているため、発光セル200のP型パッド250を形成せずとも、基板201の上の電極パターン202をP型パッド250として用いることができる。また、この変形例においては、P型パッド250が基板201に貼り付けられているが、N型パッド210が基板201に貼り付けられていてもよい。このとき、N型パッド210を形成しないこともできる。
【0065】
ここで、発光セル200のP型パッド250と基板201の電極パターン202を貼り合わせるために導電性ペーストを用いる。もちろん、これ以外の種々の方法を用いてこれらの両者を貼り合わせることができる。このとき、図7(b)に示すように、下部電極パターン202の一方の側に発光セル200を並べ、他方の側に下部電極パターン202を露出させる。
【0066】
この後、一方の発光セル200と接続された電極パターン202と隣り合う一方の発光セル200のN型パッド210を導電性の配線260を用いて電気的に接続する。これにより、一方の発光セル200のN型パッド210は電極パターン202と配線260を介して隣り合う他方の発光セル200のP型パッド250と接続されて複数の発光セル200が直列に接続される。
【0067】
上述の変形例はそれぞれの変形例に限定されるものではなく、それぞれの変形例間の変換が可能である。すなわち、半導体層の形成に際しても、多数の半導体膜がさらに追加されることができ、隣り合う発光セルを接続するために別途の絶縁膜を形成して隣り合うセル間を電気的に孤立させた後、それぞれの電極を露出させて、これらを所定の配線により接続することもできる。
【0068】
図8は、本発明の第1の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。図8を参照すると、この実施形態の発光素子300は、直列に接続されている複数の発光セル100、200が外部と電気的に接続される。
【0069】
この実施形態による発光素子300において、ワイヤー工程を通じてN型パッド95、210及びP型パッド90、250にそれぞれ第1及び第2の電極310、320を形成する。ここで、第1及び第2の電極310、320のそれぞれは、アノード電極及びカソード電極を言う。これにより、複数の発光セル100、200が直列に接続されている単一の発光素子300を製造する。
【0070】
加えて、交流駆動時にも動作可能に別途の制御部が追加されている発光素子を提供することができる。複数の発光セルが直列に接続されている上記の場合に限定されることなく、複数の発光セルが直列に接続されている複数の発光セルブロックを並列に接続させて発光素子を製作することができる。これについては後述する。
【0071】
図9は、本発明の第2の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。図9を参照すると、直列に接続されている複数の発光セル100、200を備える少なくとも2以上の発光セルブロック1000a、1000bが電極の間において逆並列に接続される。
【0072】
図9中、第1の発光セルブロック1000aと第2の発光セルブロック1000bが第1及び第2の電極310、320の間に並列に接続されている。このとき、第1の発光セルブロック1000aのカソードは第1の電極310に接続され、アノードは第2の電極320に接続され、第2の発光セルブロック1000bのカソードは第2の電極320に接続され、アノードは第1の電極310に接続される。これは一実施形態に過ぎず、2以上の発光セルブロック1000が並列に接続されることもできる。また、並列に接続されている2個の発光セルブロック1000a、1000bのそれぞれは、上述の発光セル100、200の略半数の発光セル100、200を備えることもできる。
【0073】
例えば、発光素子300に設けられた発光セルブロック1000a、1000b内の発光セル100、200が40個であるとしたとき、第1の発光セルブロック1000a内に20個、第2の発光セルブロック1000b内に20個が配置可能である。もちろん、第1及び第2の発光セルブロック1000a、1000b内の発光セル100、200の数はこれに限定されない。しかしながら、発光素子の明るさの変化を極力抑えるために、第1及び第2の発光セルブロック1000a、1000b内の発光セル100、200の数が同数であることが好ましい。
【0074】
上述の構成を有する本発明の第2の実施形態による発光素子の動作を説明すると、もし、第1の電極310に「+」電圧が加えられ、第2の電極320に「−」電圧が加えられる場合、第2の発光セルブロック1000bが発光する。一方、第1の電極310に「−」電圧が、第2の電極320に「+」電圧が加えられる場合、第1の発光セルブロック1000aが発光する。すなわち、外部の交流電源が発光素子に加えられるとしても、第1及び第2の発光セルブロック1000a、1000bが交互に発光するため、交流電源においても十分に使用可能である。また、家庭で用いられる電源は60Hzであるため、2個の発光セルブロック1000a、1000bが交互に発光しても何ら問題ない。加えて、所定の整流動作を行う別途のブリッジ部を備える発光素子を製作することができる。
【0075】
図10は、本発明の第3の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。図10を参照すると、この実施形態による発光素子300は、直列に接続されている複数の発光セル100、200と、発光セル100、200に所定の電流を加えるための整流ブリッジ部301と、整流ブリッジ部301と接続されている第1及び第2の電極310、320と、を備える。
【0076】
この実施形態においては、直列に接続されている複数の発光セル100、200が外部の電源とは直接的に接続されることなく、第1及び第2の電極310及び320に接続されている整流ブリッジ部301を介して外部の電源に電気的に接続される。整流ブリッジ部301は、第1の電極310と発光セル100、200のアノード端子に接続された第1のダイオードD1と、発光セル100、200のアノード端子と第2の電極320に接続された第2のダイオードD2と、第2の電極320と発光セル100、200のカソード端子に接続された第3のダイオードD3と、発光セル100、200のカソード端子と第1の電極310に接続された第4のダイオードD4とを備えてなる。
【0077】
このため、整流ブリッジ部301は順方向の電圧印加時に順方向に並べられたブリッジダイオードD1及びD3により電流が直列に接続された発光セル100、200に加えられ、逆方向の電圧印加時に逆方向に並べられた整流ブリッジダイオードD2及びD4により電流が直列に接続された発光セル100、200に加えられる。これにより、交流電源とは無関係に、発光素子300が発光し続ける。また、外部の電源が整流ブリッジと直列に接続されている発光セルに同時に加えることもできる。
【0078】
図11は、本発明の第4の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。図11を参照すると、この実施形態による発光素子300は、直列に接続されている複数の発光セル100、200と、発光セル100、200に所定の電流を加えるための整流ブリッジ部301と、発光セル100、200と整流ブリッジ部301にそれぞれ接続されている第1及び第4の電極310、340とを備える。
【0079】
この実施形態においては、直列に接続されている複数の発光セル100、200が第2及び第4の電極320、340により外部の電源と電気的に接続され、第1及び第3の電極310、330に接続されている整流ブリッジ部301により外部電源と電気的に接続されている。発光セル100、200と接続される電源と整流ブリッジ部301と接続される電源は同じ電源であってもよく、それぞれ異なる電源であってもよい。
【0080】
整流ブリッジ部301は、第1の電極310と第2の電極320との間に接続された第1のダイオードD1と、第2の電極320と第3の電極330との間に接続された第2のダイオードD2と、第3の電極330と第4の電極340との間に接続された第3のダイオードD3と、第4の電極340と第1の電極310との間に接続された第4のダイオードD4とを備えてなるが、第2の電極320及び第4の電極340はそれぞれ発光チップ100、200のアノード及びカソードに接続される。
【0081】
この実施形態においては、交流電源は整流ブリッジ部301を介して加えられ、第2の電極320及び第4の電極340は外部からRCフィルタを接続して用いるために別設されたものである。直流電源は発光セル100、200に直接的に加えられる。これにより、本発明の発光素子300の全体の入出力電極端子の数は4個となる。このとき、2個は交流駆動用であり、残りの2個はRCフィルタを並列に接続するために設けられている。RCフィルタの役割は、電流成分のうちリップル要素を極力抑えることである。
【0082】
図12は、本発明の第5の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。
図12を参照すると、この実施形態による発光素子300は、直列に接続されている複数の発光セル100、200と、発光セル100、200に所定の電流を加えるための整流ブリッジ部301と、整流ブリッジ部301に接続されている第1及び第2の電極310及び320と、整流ブリッジ部301に接続されてLEDアレイの抵抗を調節するための外部接続用の負電極350と、発光セル100、200に接続されている直流用の正電極360とを備える。
【0083】
この実施形態においては、直列に接続されている複数の発光セル100、200の正電極360と外部接続用の負電極350との間に抵抗体を任意に直列に接続して過負荷を防ぐことができる。整流ブリッジ部301は、第1の電極310と外部接続用の負電極350との間に接続された第1のダイオードD1と、外部接続用の負電極350と第2の電極320との間に接続された第2のダイオードD2と、第2の電極320と発光セル100、200のカソードとの間に接続された第3のダイオードD3と、発光セル100、200のカソードと第1の電極310との間に接続された第4のダイオードD4とを備えてなる。
【0084】
図13は、本発明の第6の実施形態による発光素子を説明するための概念図である。図13を参照すると、この実施形態による発光素子300は、直列に接続されている複数の発光セル100、200と、発光セル100、200に所定の電流を加えるための整流ブリッジ部301と、整流ブリッジ部301と発光セル100、200にそれぞれ接続されている第1〜第4の電極310〜340と、整流ブリッジ部301に接続されている外部接続用の負電極350とを備える。
【0085】
この実施形態においては、整流ブリッジ部301の両端子(310、330)が交流電源に接続され、直列に接続されている複数の発光セル100、200が接続された第2及び第4の電極320及び340にはRC回路が接続されて交流成分のリップル要素を極力抑え、また、過負荷を防ぐ。
【0086】
整流ブリッジ部301は、第1の電極310と外部接続用の負電極350との間に接続された第1のダイオードD1と、外部接続用の負電極350と第3の電極330との間に接続された第2のダイオードD2と、第3の電極330と第4の電極340との間に接続された第3のダイオードD3と、第4の電極340と第1の電極310との間に接続された第4のダイオードD4とを備えてなるが、第4の電極340は発光チップ100、200のカソードに接続される。
【0087】
この実施形態においては、全体の入出力電極端子の数は5個となり、交流電源は整流ブリッジ部301を介して加えられ、残りの電極はそれぞれ外部接続用の負電極550、RC回路が並列に接続される二つの電極(320、340)により構成される。
【0088】
図14は、本発明による発光装置を説明するための概念図である。図14を参照すると、電源部410と、複数の発光セル100、200が直列に接続されている発光素子300と、発光素子300に加えられる電圧及び電流の波形を制御するための制御部420とを備える。
【0089】
図14に示すものは、電源部410に交流電源が加えられ、制御部420に組み付けられた並列RC回路と直列抵抗体を発光素子300部に接続するようになっている。制御部420は、発光素子300の内部の発光セル100、200とそれぞれ並列に接続されているキャパシタC1及び第1の抵抗R1を備える。なお、発光セル100、200と直列に接続されている第2の抵抗R2をさらに備えることもできる。
【0090】
以下、図14を参照して照明用の発光装置の構造及び動作について具体的に説明する。発光素子300の整流ブリッジ部301は、第1及び第2の端子を介して交流電源と接続される。第1及び第2の端子が接続されていない整流ブリッジ部301の両ノードの間に第2の抵抗R2と発光セル100、200部が直列に接続される。また、直列に接続されている第2の抵抗R2と発光セル100、200部が第1のキャパシタC1と第1の抵抗R1にそれぞれ並列に接続される。
【0091】
これにより、この発光装置に交流電源を加えると、発光素子300内の整流ブリッジ部301を介して正と負に区分された電流が発光セル100、200部の両方向に加えられ、これにより、順次に発光をすることになる。また、それぞれ並列に接続されているキャパシタC1と、抵抗R1及びR2により電流の波形が制御される。
【符号の説明】
【0092】
10、300 発光素子
20、201 基板
30 バッファ層
40、220 N型半導体層
50、230 活性層
60、240 P型半導体層
70 透明電極
80、260 (金属)配線
90、95、210、250 (P型、N型)パッド
100、200 発光セル
301 整流ブリッジ部
310、320、330、340 (第1〜第4の)電極
350 外部接続用の負電極
360 直流用の正電極
410 電源部
420 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14