(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記台車部は、上記車輪を回転可能に支持し、溝形鋼からなる第一及び第二車輪支持部材からなり、該第一及び第二車輪支持部材のウェブ同士が相対するように設けられており、該第一及び第二車輪支持部材の下側フランジ部が、溝形鋼からなる上記レール部の溝形鋼のフランジ部にガイドされることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の合成床版架設機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用した合成床版架設機及び架設方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.概説
2.底鋼板パネル
3.合成床版架設機
3−1.本体フレーム
3−2.積込部
3−3.架設器
3−4.台車部
4.レール部
5.架設方法
6.変形例
【0021】
<1 概要>
図1に示すように、本発明を適用した合成床版架設機1は、合成床版10の底鋼板パネル11が積み込まれた後に、橋梁の橋台2aや橋脚2bに設けられた主桁3上に既に架設されている既設底鋼板パネル11a上に敷設されたレール部40に沿って、橋軸方向先端の既設底鋼板パネル11aまで移動して、積み込まれた底鋼板パネル11を、主桁3上に架設する。
【0022】
<2 底鋼板パネル>
図2及び
図3に示すように、合成床版架設機1によって架設される底鋼板パネル11を有する合成床版10は、橋梁や高架道路等の床版として用いられ、底鋼板パネル11と、この底鋼板パネル11と合成されたコンクリート層12とを有する。このような合成床版10のコンクリート層12は、合成床版架設機1によって、底鋼板パネル11が主桁3上に架設された後に、底鋼板パネル11を枠型として用いて、現場で底鋼板パネル11上にコンクリートを打設することで形成される。
【0023】
具体的に、合成床版架設機1によって架設される底鋼板パネル11は、平面視略矩形状に形成された底鋼板13と、底鋼板13の上面13aに一体に設けられた複数個の補強リブ14とを有している。補強リブ14は、例えば、断面略コ字状の長尺な溝形鋼であり、ウェブ14aと、ウェブ14aの両端部にウェブ14aに略垂直で平坦なフランジ部14b,14cとを有している。このような補強リブ14は、一方のフランジ部14bを底鋼板13に向け、他方のフランジ部14cを上にして、底鋼板13上に、長手方向を底鋼板13の長手方向に向けて、底鋼板13の幅方向に所定の間隔をあけて、複数個設けられている。このとき、補強リブ14は、底鋼板パネル11が主桁3上に架設された際に主桁3と一致する底鋼板13の凹部状のハンチ部13bにおいては、
図3(A)に示すように、形状保持部材15を介して、底鋼板13上に設けられている。更に、補強リブ14は、ハンチ部13b以外の底鋼板13の平坦な一般部13cにおいては、
図3(B)に示すように、一方のフランジ部14bを底鋼板13に当接させて、底鋼板13上に設けられている。すなわち、補強リブ14は、橋軸直角方向に互いに平行に並設される。
【0024】
このような底鋼板パネル11は、補強リブ14が断面略コ字状の溝形鋼で形成されているので、高い剛性を有している。よって、底鋼板パネル11は、架設時に、剛性を補強する特殊な治具を使用せずに容易に吊り上げることが出来る。更に、底鋼板パネル11は、架設後、補強リブ14の平坦な他方のフランジ部14c上に敷設されたレール部40に沿って移動する合成床版架設機1を支持することが出来る。
【0025】
更に、
図3(B)に示すように、底鋼板13の上面13aの補強リブ14,14間には、複数個のスタッド16が設けられている。具体的に、スタッド16は、各補強リブ14,14間において、例えば、底鋼板13の長手方向に沿って、幅方向に所定の間隔をあけて、複数個設けられている。このようなスタッド16は、底鋼板パネル11と、底鋼板パネル11上に形成されるコンクリート層12とを強固に一体化させる。
【0026】
以上のような構成を有する底鋼板パネル11は、
図1に示すように、既設底鋼板パネル11aの補強リブ14上に敷設されたレール部40に沿って移動する合成床版架設機1によって、主桁3上に架設される。具体的に、
図2に示すように、底鋼板パネル11は、底鋼板13の底面13dを主桁3に当接させて、底鋼板13の幅方向を橋軸方向に向けて、橋軸方向に複数個架設される。次いで、主桁3上に架設された底鋼板パネル11は、ボルトやナット等の締結部材によって、主桁3に締結される。次いで、底鋼板パネル11は、底鋼板13の長手方向の両端部13e,13eに、底鋼板13の上面13a側に向けて上面13aに略垂直な側鋼板17が取り付けられる。次いで、底鋼板パネル11は、
図3(A)及び
図3(B)に示すように、補強リブ14上に鉄筋18が配筋される。次いで、底鋼板パネル11は、底鋼板13の上面13aに、コンクリートが打設され、コンクリート層12が形成される。以上のようにして、主桁3上に橋梁の床版となる合成床版10が形成される。
【0027】
<3 合成床版架設機>
図4に示すように、合成床版10の底鋼板パネル11を主桁3上に架設する合成床版架設機1は、本体フレーム20と、本体フレーム20の前面20aに設けられ、底鋼板パネル11が積み込まれる積込部21と、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11を主桁3上に架設する架設器22と、当該合成床版架設機1を移動可能とする台車部23とを備えている。
【0028】
<3−1 本体フレーム>
図4乃至
図7に示すように、本体フレーム20は、第一乃至第四柱部材24a〜24dと第一乃至第四横梁部材24e,24f,24i,24jと、第一乃至第四縦梁部材24g,24h,24k,24lとで、全体形状が略直方体となるように設けられている。これらの部材24a〜24lは、例えば、I形鋼又はH形鋼からなる。
【0029】
具体的に、
図5に示すように、第一及び第二柱部材24a,24bの下端部には、第一横梁部材24eが取り付けられ、第三及び第四柱部材24c,24dの下端部には、第二横梁部材24fが取り付けられている。更に、第一及び第三柱部材24a,24cの下端部には、第一横梁部材24eよりも前方に張り出した第一縦梁部材24gが取り付けられ、第二及び第四柱部材24b,24dの下端部には、第一縦梁部材24gと同様に、第一横梁部材24eよりも前方に張り出した第二縦梁部材24hが取り付けられている。
【0030】
更に、
図6に示すように、第一及び第二柱部材24a,24bの上端部には、第三横梁部材24iが取り付けられ、第三及び第四柱部材24c,24dの上端部には、第四横梁部材24jが取り付けられている。更に、第一及び第三柱部材24a,24cの上端部には、第一縦梁部材24gよりも、さらに前方に張り出した第三縦梁部材24kが取り付けられ、第二及び第四柱部材24b,24dの上端部には、第三縦梁部材24kと同様に、第二縦梁部材24hよりも、さらに前方に張り出した第四縦梁部材24lが取り付けられている。
【0031】
そして、第一及び第二柱部材24a,24bと第一及び第三横梁部材24e,24iとで、本体フレーム20の前面20aをなし、第三及び第四柱部材24c,24dと第二及び第四横梁部材24f,24jとで、本体フレーム20の背面20bをなしている。更に、第一及び第三柱部材24a,24cと第一及び第三縦梁部材24g,24kとで、本体フレーム20の右側面20cをなし、第二及び第四柱部材24b,24dと第二及び第四縦梁部材24h,24lとで、本体フレーム20の左側面20dをなしている。更に、第三二及び第四横梁部材24i,24jと、第三及び第四縦梁部材24k,24lとで、本体フレーム20の上面20eをなし、第一及び第二横梁部材24e,24fと、第一及び第二縦梁部材24g,24hとで、本体フレーム20の底面20fをなしている。
【0032】
ここで、
図5に示すように、第一縦梁部材24g及び第二縦梁部材24hは、同程度、第一横梁部材24eから前方に張り出している。更に、
図6に示すように、第三縦梁部材24k及び第四縦梁部材24lは、同程度、第三横梁部材24iから前方に張り出している。
【0033】
更に、本体フレーム20の各面20a〜20fには、各面20a〜20fの機械的強度を補強する第一乃至第六本体部横構部材25a〜25fが設けられている。例えば、第一乃至第六本体部横構部材25a〜25fは、各面20a〜20fにおいて、一対の対向する横梁部材又は縦梁部材間に、略V字状、対角線上又は略垂直に設けられている。なお、その他の形状であってもよい。
【0034】
<3−2 積込部>
更に、
図4及び
図5に示すように、第一横梁部材24eよりも前方に張り出した第一及び第二縦梁部材24g,24hの下部張出部24m,24mには、底鋼板パネル11が積み込まれる。すなわち、第一及び第二縦梁部材24g,24hの下部張出部24m,24mは、主桁3上に架設する底鋼板パネル11が積み込まれる積込部21となる。具体的に、下部張出部24m,24mは、第一横梁部材24eに対して、底鋼板パネル11の幅方向の長さと略同じ又はやや長く前方に張り出されている。そして、この下部張出部24m,24mには、前面20aと背面20bとが相対する前後方向(橋軸方向)に、底鋼板パネル11の幅方向を向けて、底鋼板パネル11が積み込まれる。すなわち、積込部21には、底鋼板パネル11が主桁3上に架設される向きと同じ向きに積み込まれる。更に、積込部21には、底鋼板パネル11を少なくとも1個積み込むことができ、ここでは、例えば、3個積層されて積み込まれている。
【0035】
更に、
図5に示すように、下部張出部24m,24mには、下部張出部24m,24m間の機械的強度を補強する積込部横構部材26が設けられている。この積込部横構部材26は、第一縦梁部材24gの下部張出部24mと第二縦梁部材24hの下部張出部24mとの先端又は先端近傍間に亘って、略直線状に設けられており、下部張出部24m,24m間の機械的強度を向上させている。なお、積込部横構部材26は、略V字状、対角線上、その他の形状であってもよい。
【0036】
更に、下部張出部24m,24m間と本体フレーム20の底面20fには、それぞれ、チェッカープレートのような床面27が取り付けられている。床面27は、合成床版架設機1上で作業者が作業する際に作業者の足場となるとともに、電気品等の足場ともなる。
【0037】
<3−3 架設器>
更に、
図4に示すように、下部張出部24m,24mよりもさらに前方に張り出された第三及び第四縦梁部材24k,24lの上部張出部24n,24nには、それぞれ、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11を主桁3上に架設する架設器22が設けられている。
【0038】
上部張出部24n,24nに設けられた架設器22は、例えば、チェーンブロックトロリ22aを有している。このチェーンブロックトロリ22aは、本体が、I形鋼又はH形鋼からなる第三及び第四縦梁部材24k,24lの上部張出部24nの下側フランジ部24oに係合されており、上部張出部24nに沿って、前方及び後方に移動可能に設けられている。すなわち、第三及び第四縦梁部材24k,24lは、本体フレーム20のフレームとして機能するとともに、チェーンブロックトロリ22aのレール部としても機能する。したがって、合成床版架設機1は、本体フレーム20とは別にチェーンブロックトロリ22aのレール部を設ける必要がなく、安価に製造することが出来る。
【0039】
このようなチェーンブロックトロリ22aは、本体に連結された操作部が操作されると、移動用の駆動モータが駆動して、上部張出部24nに沿って、前方及び後方に移動する。なお、チェーンブロックトロリ22aの操作部を、合成床版架設機1の本体フレーム20に設けるようにしてもよい。
【0040】
更に、チェーンブロックトロリ22aは、本体の内部に、巻回されたチェーンが収納されており、操作部が操作されると、巻上用の駆動モータが駆動して、チェーンを巻き上げ、チェーンの先端部に設けられたフック部に係止された底鋼板パネル11を吊り上げる。更に、チェーンブロックトロリ22aは、操作部が操作されると、吊り上げた底鋼板パネル11を降下する。
【0041】
なお、チェーンブロックトロリ22aは、前方及び後方の移動、吊り上げ及び降下を駆動モータ等で行う電動式のものではなく、手動式のものでもよい。
【0042】
更に、
図6に示すように、上部張出部24n,24nには、上部張出部24n,24n間の機械的強度を補強する架設部横構部材28が設けられている。この架設部横構部材28は、第三横梁部材24iの略中央部と第三縦梁部材24kの上部張出部24nの略中央部、第三横梁部材24iの略中央部と第四縦梁部材24lの上部張出部24nの略中央部とに亘って、前方に向かうに従って幅広となるように、略V字状に設けられている。
【0043】
すなわち、架設部横構部材28は、
図1に示すように、外部クレーン装置5によって底鋼板パネル11を積込部21に積み込む際の底鋼板パネル11を吊り上げるワイヤ5aの通る軌道と重ならないように設けられている。
【0044】
具体的に、
図4に示すように、積込部21に底鋼板パネル11を積み込む際には、上部張出部24nが下部張出部24mよりも前方に張り出しており、底鋼板パネル11の長手方向の長さは、
図7に示すように、上部張出部24n,24n間よりも長い。したがって、底鋼板パネル11は、上部張出部24nの前方で、高さ方向において、上部張出部24nと下部張出部24mとの間に位置するように設けた後に、前方から後方に移動されて、積込部21に積み込まれる。このとき、底鋼板パネル11を吊り上げるワイヤ5aは、
図6中の矢印Aに示すように、上部張出部24n,24n間を通る。
【0045】
このとき、架設部横構部材28は、上述したように、前方に向かうに従って幅広となるように略V字状に設けられ、更に、ワイヤ5aの通る軌道と重ならないように設けられている。したがって、架設部横構部材28は、上部張出部24n,24n間の機械的強度を向上させるとともに、前面20aに積込部21が設けられ、この積込部21よりも前方に上部張出部24nが張り出している場合でも、この積込部21に底鋼板パネル11を積み込むことが出来るようにしている。
【0046】
<3−4 台車部>
更に、
図4に示すように、第一及び第二縦梁部材24g,24hには、当該合成床版架設機1を移動可能とする台車部23が取り付けられている。この台車部23は、第一及び第二縦梁部材24g,24hの長手方向の両端部又は両端部の近傍の下側フランジ部24pに取り付けられている。台車部23は、例えば、第一及び第二縦梁部材24g,24hにそれぞれ2個、合計4個取り付けられている。
【0047】
具体的に、
図8に示すように、台車部23は、第一及び第二縦梁部材24g,24hの下側フランジ部24pに支持部29を介して連結された車輪支持部30と、この車輪支持部30に回転可能に支持された車輪31と、車輪31を回転駆動する駆動部32とを有する。
【0048】
車輪支持部30は、
図9に示すように、第一及び第二車輪支持部材30a,30bからなり、それぞれ、ウェブ33aの両端にウェブ33aに略垂直なフランジ部33b,33cが形成された断面略コ字状の溝形鋼からなる。このような車輪支持部30は、第一及び第二縦梁部材24g,24hと略平行に設けられている。更に、車輪支持部30は、一対のフランジ部33b,33cが高さ方向に並ぶように設けられ、第一及び第二車輪支持部材30a,30bのウェブ33a,33a同士が所定の間隔をあけて相対するように設けられている。このとき、例えば、第一車輪支持部材30aは、本体フレーム20に対して外側に設けられ、第二車輪支持部材30bは、本体フレーム20に対して内側に設けられている。
【0049】
更に、
図8及び
図9に示すように、所定の間隔をあけて設けられたウェブ33a,33a間には、車輪31がウェブ33aの長手方向に所定の間隔をあけて、例えば、2個、それぞれ回転可能に支持されている。更に、
図8及び
図10に示すように、第一車輪支持部材30aのウェブ33aには、この一対の車輪31,31を回転駆動する駆動部32が取り付けられている。
【0050】
更に、第一及び第二車輪支持部材30a,30bの上側フランジ部33b,33bは、第一及び第二縦梁部材24g,24hの下側フランジ部24pと支持部29を介して連結されている。
【0051】
更に、
図9に示すように、第一及び第二車輪支持部材30a,30bの下側フランジ部33c,33cは、下側フランジ部33c,33cの先端部間の幅H1が後述するレール部40のフランジ部40b,40b間の幅H2と略同じ又はやや短くなるように設けられている。これにより、下側フランジ部33c,33cは、レール部40のフランジ部40b,40b間に配置され、車輪31が後述するレール部40上を移動する際に、レール部40のフランジ部40b,40bと当接することで、車輪31がレール部40に沿って移動するようにガイドする。
【0052】
更に、
図9に示すように、車輪支持部30のウェブ33a,33a間に回転可能に支持された車輪31は、両面に、車軸31a,31aが突設されている。この車輪31は、車軸31a,31aが第一及び第二車輪支持部材30a,30bのウェブ33a,33aに設けられた軸受等の回転支持部材に支持されることで、回転可能に設けられている。このとき、車輪31の第二車輪支持部材30b側の車軸31aは、第二車輪支持部材30bから露出されており、露出された先端には、駆動部32と噛合される回転ギア31bが設けられている。
【0053】
更に、
図8に示すように、車輪31を回転駆動する駆動部32は、例えば駆動モータであり、ボルト等の締結部材によって、第一車輪支持部材30aのウェブ33aに締結されている。このとき、
図10及び
図11に示すように、駆動部32の駆動軸32aは、一対の車輪31,31間に位置し、第一及び第二車輪支持部材30a,30bを挿通され、第二車輪支持部材30b側に露出されている。そして、露出された駆動軸32aの先端部には、車輪31,31の回転ギア31b,31bと噛合される駆動ギア32bが設けられている。
【0054】
このような駆動部32は、例えば合成床版架設機1の操作部が前進駆動操作されると、一方向に回転駆動し、駆動ギア32b及び回転ギア31b,31bを介して、一対の車輪31,31を一方向に回転駆動させて、合成床版架設機1を前進させる。更に、駆動部32は、操作部が後進駆動操作されると、他方向に回転駆動し、駆動ギア32b及び回転ギア31b,31bを介して、一対の車輪31,31を他方向に回転駆動させて、合成床版架設機1を後進させる。
【0055】
<4 レール部>
図2及び
図12に示すように、合成床版架設機1が移動されるレール部40は、底鋼板パネル11を敷設する際に、底鋼板パネル11の補強リブ14上に敷設される。
【0056】
具体的に、
図12及び
図13に示すように、レール部40は、例えば、断面略コ字状で、合成床版10の幅(略2.4m)に合わせた長さを有する長尺な溝形鋼からなり、ウェブ40aと、ウェブ40aの両端部にウェブ40aに略垂直なフランジ部40b,40bとを有している。このようなレール部40は、
図2及び
図12に示すように、底鋼板パネル11の補強リブ14にウェブ40aを当接させて、長手方向を橋軸方向に向けて、橋軸直角方向に所定の間隔をあけて、橋軸方向に複数個設けられている。このとき、レール部40は、
図12に示すように、長手方向の両端部40c,40dが補強リブ14上に位置するように設けられている。これにより、レール部40は、合成床版架設機1が端部40c,40d上を移動する際に、撓んで隣り合うレール部40との間に段差等ができることを防止することが出来る。したがって、合成床版架設機1は、レール部40に沿って円滑に移動することが出来る。
【0057】
なお、レール部40の端部40c,40dを補強リブ14上に位置するように設けることに限定されるものではない。更に、レール部40は、平面視で主桁3と略一致するように敷設されるようにしてもよい。これにより、レール部40上を合成床版架設機1が移動することによる底鋼板パネル11に係る曲げモーメントを小さくすることが出来る。したがって、底鋼板パネル11の撓みを低減させることが出来る。
【0058】
このようなレール部40は、
図9に示すように、ウェブ40a上を台車部23の車輪31が移動する。このとき、レール部40のフランジ部40b,40bは、フランジ部40b,40b間に配置された台車部23の第一及び第二車輪支持部材30a,30bの下側フランジ部33c、33cと当接し、台車部23をガイドする。したがって、合成床版架設機1は、レール部40に沿って円滑に移動することが出来る。更に、レール部40は、溝形鋼からなり、簡易な構造を有しているので、安価に製造することが出来る。
【0059】
更に、
図12及び
図13に示すように、レール部40の長手方向の一端部40cには、橋軸方向に隣り合う他のレール部40と連結する連結部41が形成されている。この連結部41は、他のレール部40の他端部40dが配置される配置部41aと、配置部41aに配置された他のレール部40のフランジ部40b,40bを側面から支持する側面支持部41bとを有している。例えば、配置部41a及び側面支持部41bは、鋼板からなる。
【0060】
他のレール部40の他端部40dが配置される配置部41aは、レール部40の幅よりも幅広な平面視略矩形状に形成されており、レール部40のウェブ40aの底面に、レール部40の一端部40cよりも長手方向の一端側に突出するように設けられている。更に、他のレール部40のフランジ部40b,40bを側面から支持する側面支持部41bは、配置部41a上に立設されており、レール部40のフランジ部40b,40bの外面に当接し、レール部40の一端部40cよりも長手方向の一端側に突出するように設けられている。
【0061】
このような連結部41には、他のレール部40の他端部40dが、側面支持部41b,41b間に挿通されて、側面支持部41b,41bで挟み込むように、配置部41a上に配置される。これにより、連結部41は、側面支持部41b,41bによって、他のレール部40のフランジ部40b,40bを側面から支持し、他のレール部40がこの連結部41が設けられたレール部40に対して側面方向にずれることを防止する。したがって、合成床版架設機1は、レール部40に沿って円滑に移動することが出来る。
【0062】
更に、レール部40のウェブ40aの底面には、
図12に示すように、レール部40を底鋼板パネル11に固定する固定部42が設けられている。この固定部42は、例えば、鋼板からなり、
図9に示すように、レール部40の幅よりも幅広な平面視略矩形状に形成されており、レール部40が補強リブ14上に敷設された際に、補強リブ14と対応する位置に設けられている。なお、固定部42は、
図12に示すように、各補強リブ14に対して設けてもよく、複数個おきに設けてもよい。このとき、レール部40の一端部40cにおいては、上述した連結部41の配置部41aが固定部42として用いられ、他端部40dにおいては、配置部41a上に配置されるので、設けられていない。なお、連結部41を設けずにレール部40を敷設する場合には、両端部40c,40dに固定部42を設けるようにしてもよい。
【0063】
このような補強リブ14と対応する位置に設けられた固定部42及び配置部41aは、
図13に示すように、レール部40が補強リブ14上に敷設された際に、ブルマンやC型クランプ等の固定部材43によって、対応する補強リブ14の他方のフランジ部14cに固定される。すなわち、レール部40は、補強リブ14上に着脱可能に取り付けられている。したがって、合成床版架設機1による底鋼板パネル11の架設作業後に、容易にレール部40を取り外して、底鋼板パネル11上にコンクリート層12を形成する等の次の作業を速やかに行い、施工時間を短縮することができ、安価に施工することが出来る。
【0064】
<5 架設方法>
次いで、本発明を適用した合成床版架設機1によって主桁3上に底鋼板パネル11を架設する架設方法について説明する。
【0065】
先ず、初期架設作業を行う。具体的には、
図1に示すように、複数個の底鋼板パネル11を、例えば橋台2a近傍の地盤4の送電線などの障害物6から回避した位置に配置された外部クレーン装置5によって、橋台2a近傍の主桁3上に架設する。このとき、
図2に示すように、底鋼板パネル11を、底鋼板13の底面13dを主桁3に当接させて、底鋼板13の幅方向を橋軸方向に向けて、橋軸方向に複数個架設する。
【0066】
次いで、主桁3上に架設された底鋼板パネル11を主桁3に締結する底鋼板パネル11の締結作業を行う。具体的には、主桁3上に架設された底鋼板パネル11を、ボルト及びナット等の締結部材によって主桁3に締結する。
【0067】
次いで、
図2に示すように、主桁3上の既設底鋼板パネル11上にレール部40を敷設するレール部40の敷設作業を行う。具体的には、レール部40のウェブ40aを、底鋼板パネル11の補強リブ14に当接させて、一対のレール部40,40を、長手方向を橋軸方向に向けて、合成床版架設機1の台車部23に対応するように橋軸直角方向に所定の間隔をあけて敷設する。このとき、レール部40の長手方向の両端部40c,40dとウェブ40aの固定部42とが、補強リブ14上に位置するように設ける。
【0068】
次いで、
図13に示すように、レール部40を底鋼板パネル11に固定するレール部40の固定作業を行う。具体的には、レール部40の固定部42及び配置部41aを、対応する補強リブ14に、ブルマンやC型クランプ等の固定部材43で固定する。
【0069】
次いで、
図12に示すように、固定した既設レール部40の長手方向の一端部40cに、施工又は加工誤差や熱的な伸縮を吸収するように所定の間隔をあけて、他のレール部40を敷設して、連結するレール部40の連結作業を行う。具体的には、既設レール部40と同様に、他のレール部40を、長手方向の両端部40c,40dと固定部42とを、補強リブ14上に位置するように設ける。このとき、他のレール部40の他端部40dを、既設レール部40の一端部40cの側面支持部41b,41b間に挿通して、側面支持部41b,41bで挟み込むように、配置部41a上に配置する。そして、
図13に示すように、他のレール部40の固定部42及び配置部41aを、対応する補強リブ14に、ブルマンやC型クランプ等の固定部材43で固定する。
【0070】
そして、レール部40の連結作業を繰り返して、初期架設作業で架設した底鋼板パネル11上に、レール部40を敷設する。
【0071】
次いで、
図1に示すように、既設底鋼板パネル11a上に敷設されたレール部40上に、合成床版架設機1を設置する。
【0072】
次いで、合成床版架設機1の積込部21に底鋼板パネル11を積み込む積込作業を行う。具体的には、
図1に示すように、外部クレーン装置5によってワイヤ5aを介して吊り上げられた底鋼板パネル11を、上部張出部24nの前方で、高さ方向において、上部張出部24nと下部張出部24mとの間に位置するように設ける。次いで、底鋼板パネル11を、ワイヤ5aを上部張出部24n,24n間を通しつつ、前方から後方に移動させて、積込部21(下部張出部24m)に積み込む。このとき、積込部21には、橋軸方向に、底鋼板パネル11の幅方向を向けて、少なくとも1個、例えば、3個積層されて積み込まれる。
【0073】
次いで、合成床版架設機1によって主桁3上に底鋼板パネル11を架設する架設作業を行う。具体的に、
図1に示すように、合成床版架設機1の操作部を前進駆動操作し、台車部23によって、積込部21に底鋼板パネル11が積み込まれた合成床版架設機1を、既設底鋼板パネル11a上に敷設されたレール部40に沿って、橋軸方向先端の既設底鋼板パネル11aまで前進させる。次いで、
図4に示すように、合成床版架設機1又はチェーンブロックトロリ22aの操作部を操作して、チェーンブロックトロリ22aによって、チェーンブロックトロリ22aのフック部に係止された底鋼板パネル11を吊り上げて、上部張出部24nに沿って、前方の架設位置まで移動させる。このとき、上部張出部24nが下部張出部24mよりも前方に張り出しているので、底鋼板パネル11は、橋軸方向先端の既設底鋼板パネル11aから橋軸方向に対して前方に突出する位置に設けられている。次いで、チェーンブロックトロリ22aによって、底鋼板パネル11を降下させ、底鋼板パネル11を、底鋼板13の底面13dを主桁3に当接させて、底鋼板13の幅方向を橋軸方向に向けて、既設底鋼板パネル11aの橋軸方向に架設する。
【0074】
次いで、上述したように、底鋼板パネル11の締結作業及びレール部40の連結作業を行う。次いで、合成床版架設機1によって架設した底鋼板パネル11上に敷設した新たなレール部40に沿って、合成床版架設機1を新たな先端部まで前進させる。次いで、チェーンブロックトロリ22aを、上部張出部24nに沿って、後方に移動させて積込部21上に設け、新たな先端部において、上述したように、合成床版架設機1による架設作業を行い、新たな底鋼板パネル11を架設する。次いで、上述したように、底鋼板パネル11の締結作業及びレール部40の連結作業を行う。
【0075】
そして、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11が無くなるまで、以上のような、合成床版架設機1による架設作業、底鋼板パネル11の締結作業及びレール部40の連結作業を繰り返す。
【0076】
次いで、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11が無くなった場合、合成床版架設機1の操作部を後進駆動操作し、台車部23によって、合成床版架設機1を、レール部40に沿って、橋台2aの近傍まで後進させ、再度、上述した積込作業を行う。
【0077】
次いで、積込部21に底鋼板パネル11が積み込まれた合成床版架設機1によって、再度、レール部40に沿って、橋軸方向先端の既設底鋼板パネル11aまで前進させて、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11が無くなるまで、合成床版架設機1による架設作業、底鋼板パネル11の締結作業及びレール部40の連結作業を行う。
【0078】
以上のようにして、積込作業、合成床版架設機1による架設作業、底鋼板パネル11の締結作業及びレール部40の連結作業を繰り返すことで、主桁3上に底鋼板パネル11を架設する。
【0079】
なお、主桁3上に底鋼板パネル11が架設された後、レール部40上から合成床版架設機1を撤去し、ブルマンやC型クランプ等の固定部材43を取り外して、底鋼板パネル11からレール部40を取り外す。次いで、
図2に示すように、主桁3上に架設された底鋼板パネル11の底鋼板13の長手方向の両端部13e,13eに、底鋼板13の上面13aに向けて上面13aに略垂直な側鋼板17を取り付け、補強リブ14上に鉄筋18を配筋する。次いで、底鋼板パネル11の底鋼板13の上面13aに、コンクリートを打設してコンクリート層12を形成する。以上のようにして、主桁3上に合成床版10を形成する。
【0080】
本発明では、合成床版架設機1が、底鋼板パネル10が積み込まれる積込部21と、積込部21よりも前方に張り出された一対の上部張出部24n,24nと、上部張出部24n,24nにそれぞれ移動可能に設けられ、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル10を主桁3上に架設する一対の架設器22と、合成床版架設機1を移動可能とする台車部23とを備えている。更に、主桁3上に架設される底鋼板パネル10には、断面略コ字状の溝形鋼からなる補強リブ14が複数個形成され、高剛性化が図られており、この補強リブ上にレール部40が敷設されている。
【0081】
したがって、本発明では、合成床版架設機1の積込部21に合成床版の底鋼板パネル11が外部クレーン装置5によって積み込まれた後に、台車部23によって、合成床版架設機1が、主桁3上の既設底鋼板パネル11aの補強リブ14上に敷設されたレール部40に沿って、橋軸方向先端の既設底鋼板パネル11aまで移動して、架設器22によって、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11を吊り上げて、底鋼板パネル11を、上部張出部24nに沿って架設位置まで移動させて、主桁3上に架設することが出来る。
【0082】
よって、本発明では、合成床版架設機1によって、底鋼板パネル11を架設する際に、既設底鋼板パネル11aを作業台として用いて、架設することが出来る。更に、本発明では、合成床版架設機1によって、上方に送電線などの障害物6があるような高さ方向の作業領域が制限されている場合でも、底鋼板パネル11を主桁3上に架設することが出来る。
【0083】
更に、本発明では、合成床版架設機1が、上述したように、底鋼板パネル11を積み込んだ状態で、既設底鋼板パネル11a上に敷設されたレール部40に沿って移動することが出来る。したがって、本発明では、合成床版架設機1を、障害物6から回避させた外部クレーン装置5の近傍の位置まで移動させて、積込作業を行うことが出来る。よって、本発明では、外部クレーン装置5が必要とする作業半径が狭く、大型の外部クレーン装置5を用いなくてもよく、底鋼板パネル11の重量に見合った大きさの外部クレーン装置5を使用することができ、安価に施工することが出来る。
【0084】
更に、本発明では、合成床版架設機1の積込部21が本体フレーム20の前面20aに設けられ、この積込部21に、底鋼板パネル11が、底鋼板13の幅方向を橋軸方向に向けて積み込まれ、底鋼板パネル11の主桁3上に架設される向きと同じ向きに積み込まれている。更に、本発明では、合成床版架設機1の架設器22が、前方に張り出された上部張出部24n,24nに一対設けられている。したがって、本発明では、合成床版架設機1によって、積込部21に積み込まれた底鋼板パネル11を、回転させることなく、主桁3上に架設することが出来る。よって、本発明では、施工時間を短縮することができ、安価に施工することが出来る。更に、本発明では、合成床版架設機1を、底鋼板パネル11の底鋼板13の長さ方向を橋軸方向に向けて積み込むものや、本体フレーム20の内部に底鋼板パネル11を収納するものよりも、軽量化及び小型化することが出来る。
【0085】
<6 変形例>
なお、合成床版架設機1は、台車部23の駆動部32を駆動することによって、レール部40に沿って前進及び後進することに限定されるものではない。合成床版架設機1は、本体フレーム20に電動式又は手動式のウインチやチルホール等の巻上装置を設け、この巻上装置によって、合成床版架設機1よりも前方及び後方の既設底鋼板パネル11a、主桁3、その他の固定部材等に係止されたワイヤを巻き上げることで、レール部40に沿って、前進及び後進するようにしてもよい。