(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1金属配線部中の前記無機バインダの含有率と前記第2金属配線部中の無機バインダの含有率との差が0.1〜3質量%である、請求項3に記載の作用極の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の電極基板の製造方法は以下に示す課題を有していた。
【0008】
すなわち、上記特許文献1に記載の電極基板の製造方法で得られた電極基板については、当該電極基板を色素増感太陽電池の作用極として使用する場合に、電解質によって集電配線が腐食される場合があり、上記電極基板は耐久性の点で改善の余地を有していた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色素増感太陽電池に対して優れた耐久性を付与することが可能な作用極を製造できる作用極の製造方法および作用極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下のことが原因となって集電配線が腐食するのではないかと考えた。すなわち、まず集電配線は、金属粒子、バインダ樹脂及び揮発性溶媒を含有する金属ペーストを導電性基板上に塗布した後、焼成することにより形成される。この焼成工程では、揮発性溶媒が金属ペーストから揮発したりバインダ樹脂が分解したりしながら金属粒子が焼結するため、形成された集電配線には空隙が形成される。このため、本発明者らは、上記特許文献1のように、集電配線の表面をガラスペースト組成物で覆い、ガラスペースト組成物を焼成して被覆層を形成する際、上記集電配線に形成された空隙に含まれている空気が加熱されて膨張し、この膨張した空気が、ガラスペースト組成物を突き抜け、その結果、得られる配線保護層において、電解質が集電配線まで侵入し得る経路が生成されるのではないかと考えた。そこで、本発明者らは、集電配線の表面をガラスペースト組成物で覆い、ガラスペースト組成物を焼成して被覆層を形成する際、集電配線の空隙に含まれる空気が、配線保護層に侵入しにくくなるように集電配線を形成させることができれば、上記課題を解決できるのではないかと考えた。そして、本発明者らは更に鋭意検討を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、導電性基板上に配線部を形成する配線部形成工程を含み、前記配線部形成工程が、前記導電性基板上に集電配線を形成する集電配線形成工程と、前記集電配線を配線保護層形成用材料で覆って前記配線保護層形成用材料を加熱処理することにより配線保護層を形成する配線保護層形成工程とを含み、前記集電配線が、前記導電性基板上に設けられ、無機バインダと金属粒子とを含む第1金属配線部と、前記第1金属配線部上に設けられ、金属粒子を含む第2金属配線部とを含み、前記第1金属配線部及び前記第2金属配線部が空隙を有し、前記第2金属配線部の空隙率が前記第1金属配線部の空隙率よりも小さい作用極の製造方法である。
【0012】
上記製造方法によれば、第1金属配線部及び第2金属配線部が空隙を有し、第2金属配線部の空隙率が第1金属配線部の空隙率よりも小さい。このため、配線保護層形成用材料を加熱処理して配線保護層を形成する際に、第1金属配線部の空隙に含まれる空気が膨張しても、第2金属配線部によって、その膨張した空気が配線保護層を突き抜けることが十分に抑制される。その結果、配線保護層において、電解質が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。また得られた作用極に、例えば封止部を加熱によって接着させる際、第1金属配線部の空隙に含まれる空気が膨張しても、第2金属配線部によって、その膨張した空気が、配線保護層を突き抜けることが十分に抑制される。このため、配線保護層において、電解質が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。その結果、得られた作用極を、電解質を有する色素増感太陽電池の作用極として適用した場合に、電解質による集電配線の腐食が十分に抑制される。よって、本発明の作用極の製造方法によれば、色素増感太陽電池に対して優れた耐久性を付与することが可能な作用極を製造できる。
【0013】
また、本発明は、導電性基板と、前記導電性基板上に設けられる配線部とを備え、前記配線部が、前記導電性基板上に設けられる集電配線と、前記集電配線を覆って保護する配線保護層とを有し、前記集電配線が、前記導電性基板上に設けられ、無機バインダと金属粒子とを含む第1金属配線部と、前記第1金属配線部上に設けられ、金属粒子を含む第2金属配線部とを含み、前記第1金属配線部及び前記第2金属配線部が空隙を有し、前記第2金属配線部の空隙率が前記第1金属配線部の空隙率よりも小さい作用極である。
【0014】
この作用極によれば、第1金属配線部及び第2金属配線部が空隙を有し、第2金属配線部の空隙率が第1金属配線部の空隙率よりも小さい。このため、当該作用極に、例えば封止部形成用材料を加熱によって接着させる際、第1金属配線部の空隙に含まれる空気が膨張しても、その膨張した空気が配線保護層を突き抜けることが十分に抑制される。このため、配線保護層において、電解質が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。その結果、得られた作用極を、電解質を有する色素増感太陽電池の作用極として適用した場合に、電解質による集電配線の腐食が十分に抑制される。よって、本発明の作用極によれば、色素増感太陽電池に対して優れた耐久性を付与することが可能となる。
【0015】
上記作用極又はその製造方法においては、前記第1金属配線部中の前記無機バインダの含有率が0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0016】
この場合、第1金属配線部中の無機バインダの含有率が0.1質量%未満である場合に比べて、導電性基板に対してより優れた密着性を示すことが可能となり、3質量%を超える場合に比べて、第1金属配線部の抵抗をより十分に低減させることが可能となる。
【0017】
上記作用極又はその製造方法においては、前記第2金属配線部中の無機バインダの含有率が、前記第1金属配線部中の前記無機バインダの含有率よりも小さいことが好ましい。
【0018】
この場合、第2金属配線部の空隙率を第1金属配線部の空隙率よりも小さくすることを容易に実現することが可能となる。
【0019】
上記作用極又はその製造方法においては、第2金属配線部中の無機バインダの含有率が、前記第1金属配線部中の前記無機バインダの含有率よりも小さく、前記第1金属配線部中の前記無機バインダの含有率と前記第2金属配線部中の前記無機バインダの含有率との差が0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0020】
この場合、第1金属配線部中の無機バインダの含有率と第2金属配線部中の無機バインダの含有率との差が上記範囲を外れる場合に比べて、第1金属配線部に生じる空隙率よりも第2金属配線部に生じる空隙率をより小さくすることができる。
【0021】
上記作用極又はその製造方法においては、前記第2金属配線部における空隙の最大径が1〜10μmであることが好ましい。
【0022】
この場合、配線保護層形成用材料を加熱処理して配線保護層を形成する際に、第1金属配線部の空隙に含まれる空気が膨張しても、その膨張した空気が配線保護層を突き抜けることが効果的に抑制される。
【0023】
なお、本発明において、第1金属配線部および第2金属配線部の「空隙率」は、配線部の断面において、配線部断面積に占める空隙の割合を言う。配線部断面積とは、第1金属配線部については、第1金属配線部の外層と導電性基板とで囲まれる面の面積である。ここで、第1金属配線部の外層とは、第1金属配線部のうち導電性基板と接している面を除く面の全体が第2金属配線部で覆われている場合には第2金属配線部を意味し、第1金属配線部のうち導電性基板と接している面を除く面の一部が第2金属配線部で覆われ、残部が配線保護層で覆われている場合には第2金属配線部および配線保護層を意味する。また配線部断面積とは、第2金属配線部については、第1金属配線部のうち導電性基板と接している面を除く面の全体が第2金属配線部で覆われている場合には第2金属配線部の外層と第1金属配線部と導電性基板とで囲まれる面の面積であり、第1金属配線部のうち導電性基板と接している面を除く面の一部が第2金属配線部で覆われ、残部が配線保護層で覆われている場合には第2金属配線部の外層と第1金属配線部とで囲まれる面の面積である。第2金属配線部の外層とは、配線保護層を意味する。空隙率は、電子顕微鏡で観察した画像における径が1μm以上の空隙の占有面積を各金属配線部の断面積で割って算出される値を言う。ここで、「径」とは、電子顕微鏡で観察した画像における空隙の面積をSとした場合に、下記式:
R=2×(S/π)
1/2
に基づいて算出されるRの値を言うものとする。
【0024】
また、本発明において、「無機バインダの含有率」は、プラズマ質量分析装置(ICP)にて算出される、無機物質の質量の総和に占める金属以外の無機物質の質量の総和の割合を言う。
【0025】
さらに、本発明において、「第2金属配線部における空隙の最大径」は、上述した空隙率の測定に際して少なくとも3箇所の配線部断面において観察される空隙の持つ径のうち最大の径を言うものとする。ここで、「径」とは、上述した空隙の径と同様にして算出される径を言う。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、色素増感太陽電池に対して優れた耐久性を付与することが可能な作用極を製造できる作用極の製造方法および作用極が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の作用極の一実施形態を示す部分断面図であり、本発明の作用極が色素増感太陽電池の作用極として使用された状態を示している。
図2は
図1の集電配線を示す部分断面図である。
【0030】
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極10と、作用極10に対向する対極20と、作用極10及び対極20を連結する環状の封止部30と、作用極10、対極20及び封止部30によって形成されるセル空間に配置される電解質40とを備えている。
【0031】
対極20は、導電性基板21と、導電性基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。
【0032】
図2に示すように、作用極10は、透明導電性基板11と、透明導電性基板11の上に設けられる多孔質酸化物半導体層12と、透明導電性基板11の上で多孔質酸化物半導体層12の周囲に設けられる配線部13とを備えている。多孔質酸化物半導体層12には光増感色素が担持されている。透明導電性基板11は、透明基板14と、透明基板14の上に設けられる透明導電膜15とを備えている。配線部13は、透明導電膜15上に設けられる集電配線16と、集電配線16を覆って電解質40から保護する配線保護層17とを有しており、集電配線16は、透明導電性基板11上に設けられ、無機バインダと金属粒子とを含む第1金属配線部18と、第1金属配線部18上に設けられ、金属粒子を含む第2金属配線部19とを含んでいる。ここで、第1金属配線部18及び第2金属配線部19は空隙を有し、第2金属配線部19の空隙率が第1金属配線部18の空隙率よりも小さくなっている。
【0033】
次に、上記色素増感太陽電池100の製造方法について
図3〜
図7を参照しながら説明する。
【0034】
<作用極の製造方法>
まず作用極10の製造方法について説明する。
【0035】
はじめに、透明基板14の上に透明導電膜15を形成してなる透明導電性基板11を用意する。
【0036】
透明基板14を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。透明基板14の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
【0037】
透明導電膜15を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO
2)、フッ素添加酸化スズ(FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜15は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜15の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
【0038】
透明導電膜15の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解(SPD)法及びCVD法などが用いられる。
【0039】
次に、透明導電性基板11の上に、多孔質酸化物半導体層12を形成する。多孔質酸化物半導体層12は、酸化物半導体粒子を含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷した後、焼成して形成する。
【0040】
上記酸化物半導体粒子は、例えば酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO
5)、酸化ニオブ(Nb
2O
5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
5)、酸化スズ(SnO
2)、酸化インジウム(In
3O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化タリウム(Ta
2O
5)、酸化ランタン(La
2O
3)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ホルミウム(Ho
2O
3)、酸化ビスマス(Bi
2O
3)、酸化セリウム(CeO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)又はこれらの2種以上で構成される。多孔質酸化物半導体層12の厚さは例えば0.5〜50μmであればよい。
【0041】
多孔質酸化物半導体層形成用ペーストは、上記酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂、及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。
【0042】
多孔質酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
【0043】
焼成温度は酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は100〜600℃である。焼成時間も、酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は1〜5時間である。
【0044】
(配線部形成工程)
次に、透明導電性基板11の上に配線部13を形成する。
【0045】
まず透明導電性基板11の透明導電膜15上に、集電配線16を形成する(集電配線形成工程)。続いて、集電配線16を配線保護層形成用材料で覆って配線保護層形成用材料を加熱処理することにより配線保護層17を形成する(配線保護層形成工程)。
【0046】
ここで、
図3に示すように、集電配線16は、透明導電性基板11の透明導電膜15上に設けられ、無機バインダ51と金属粒子50とを含む第1金属配線部18と、第1金属配線部18上に設けられ、金属粒子60を含む第2金属配線部19とを含んでいる。本実施形態において、第2金属配線部19は、第1金属配線部18のうち透明導電性基板11と接している面を除く面の全体を覆うと共に透明導電性基板11に接着されている。そして、集電配線16は、第1金属配線部18及び第2金属配線部19がそれぞれ空隙A1,A2を有し、第2金属配線部19の空隙率が第1金属配線部18の空隙率よりも小さくなるように形成される。
【0047】
こうして透明導電性基板11の透明導電膜15の上に配線部13が形成される。
【0048】
このとき、集電配線16は、第1金属配線部18及び第2金属配線部19がそれぞれ空隙A1,A2を有し、第2金属配線部19の空隙率が第1金属配線部18の空隙率よりも小さくなるように形成される。このため、集電配線16を配線保護層形成用材料で覆い、配線保護層形成用材料を加熱処理して配線保護層17を形成する際に、第1金属配線部18の空隙A1に含まれる空気が加熱により膨張しても、その空気が、配線保護層17を突き抜けることが第2金属配線部19によって十分に抑制される。このため、配線保護層17において、電解質30が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。
【0049】
第1金属配線部18は、上述したように、金属粒子50と無機バインダ51とを含む。
【0050】
金属粒子50を構成する金属材料としては、例えば銀及び銅が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
無機バインダ51としては、例えば低融点ガラス等のガラスフリットやはんだが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率は通常は1〜5質量%であるが、0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0053】
この場合、第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率が0.1質量%未満である場合に比べて、透明導電性基板11に対してより優れた密着性を示すことが可能となり、3質量%を超える場合に比べて、第1金属配線部18の抵抗をより十分に低減させることが可能となる。
【0054】
第1金属配線部18の厚さは、例えば2〜60μmであればよい。
【0055】
第2金属配線部19は、金属粒子60を含む。金属粒子60を構成する金属材料としては、第1金属配線部18と同様、例えば銀および銅が挙げられる。
【0056】
第2金属配線部19は、
図3に示すように、無機バインダ61をさらに含んでもよい。無機バインダ61としては、第1金属配線部18と同様、例えば低融点ガラス等のガラスフリットやはんだが挙げられる。
【0057】
第2金属配線部19の厚さは、例えば2〜60μmであればよい。
【0058】
第2金属配線部19中の無機バインダ61の含有率は上記第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率よりも小さいことが好ましい。
【0059】
この場合、第2金属配線部19の空隙率を第1金属配線部18の空隙率よりも小さくすることを容易に実現することが可能となる。
【0060】
また、第2金属配線部19中の無機バインダ61の含有率が上記第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率よりも小さい場合、第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率と、第2金属配線部19中の無機バインダ61の含有率との差は0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0061】
この場合、第1金属配線部18中の無機バインダ51の含有率と第2金属配線部19中の無機バインダ61の含有率との差が上記範囲を外れる場合に比べて、第1金属配線部18に生じる空隙率よりも第2金属配線部19に生じる空隙率をより小さくすることができる。
【0062】
第2金属配線部19における空隙A2の最大径は通常は1〜30μmであるが、1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
【0063】
この場合、配線保護層形成用材料を加熱処理して配線保護層17を形成する際に、第1金属配線部18の空隙A1に含まれる空気が加熱により膨張しても、その膨張した空気が配線保護層17を突き抜けることが効果的に抑えられる。
【0064】
上述した構成を有する集電配線16は、例えば以下のようにして形成することができる。
【0065】
まず
図4に示すように、透明導電性基板11の透明導電膜15に、金属粒子、無機バインダ及び溶媒を含む第1金属配線部形成用ペーストを塗布し、乾燥させて第1金属配線部18の前駆体となる第1前駆体層18Aを形成する。このとき、金属粒子の平均粒径は、好ましくは2000nm以下であり、より好ましくは1000nm以下である。金属粒子の平均粒径が2000nm以下の範囲内にあると、2000nm以下を超える場合に比べて、より緻密な第1金属配線部18を得ることができる。
【0066】
次に、
図5に示すように、第1前駆体層18Aに、金属粒子及び溶媒を含む第2金属配線部形成用ペーストを塗布し、乾燥させて第2金属配線部19の前駆体となる第2前駆体層19Aを形成する。このとき、金属粒子の平均粒径は、好ましくは1500nm以下であり、より好ましくは900nm以下である。金属粒子の平均粒径が1500nm以下の範囲内にあると、1500nmを超える場合に比べて、より緻密な第2金属配線部19を得ることができる。第2金属配線部形成用ペースト中に含まれる金属粒子の平均粒径は、第1金属配線部形成用ペースト中に含まれる金属粒子と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0067】
最後に、第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aを焼成する。このとき、第1前駆体層18A及び第2前駆体層19A中の金属粒子が焼結されると共に、溶媒が除去される。こうして、空隙を有する第1金属配線部18及び第2金属配線部19が形成される(
図6参照)。
【0068】
上記第1及び第2金属配線部形成用ペーストは、上述した金属粒子50,60、無機バインダ51,61、溶媒のほか、必要に応じてポリエチレングリコールなどの有機バインダをさらに含んでもよい。
【0069】
第2金属配線部19の空隙率を第1金属配線部18の空隙率よりも小さくするには、例えば第2金属配線部形成用ペースト中の有機バインダ及び溶媒等の揮発性成分の含有率を、第1金属配線部形成用ペースト中の揮発性成分の含有率よりも小さくすればよい。このようにすることで、第2金属配線部19を第1金属配線部18よりも緻密とすることが可能となる。
【0070】
第1及び第2金属配線部形成用ペーストの塗布方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
【0071】
第1及び第2金属配線部形成用ペーストの乾燥温度は、第1及び第2金属配線部形成用ペーストの組成により異なるが、通常100〜200℃であればよい。乾燥時間も、第1及び第2金属配線部形成用ペーストの組成により異なるが、通常は0.1〜2時間であればよい。
【0072】
第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aの焼成温度は300〜600℃であればよく、焼成時間は0.5〜2時間であればよい。
【0073】
また、第1金属配線部18及び第2金属配線部19は、上述のように、第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aを形成した後、最後に一括で第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aを焼成することにより第1金属配線部18及び第2金属配線部19が同時に形成されているが、予め第1前駆体層18Aを形成し、第1前駆体層18Aを焼成して第1金属配線部18を形成した後、第1金属配線部18の上に第2前駆体層19Aを形成し、第2前駆体層19Aを焼成して第2金属配線部19を形成してもよい。このとき、第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aを形成する条件は、第1金属配線部18及び第2金属配線部19が同時に形成する場合の条件と同様であり、第1前駆体層18A及び第2前駆体層19Aを焼成する条件も、第1金属配線部18及び第2金属配線部19が同時に形成する場合の条件と同様である。
【0074】
配線保護層17は、集電配線16を覆って電解質40から保護する材料で構成されればよく、配線保護層17を構成する材料としては、例えば低融点ガラスなどの無機材料、又は、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂等を用いることができる。
【0075】
配線保護層17を形成する場合、配線保護層形成用材料は、上述した無機材料、又は、耐熱性樹脂の他、必要に応じてポリエチレングリコールなどの樹脂、テレピネオールなどの溶媒を含んでもよい。
【0076】
配線保護層17の厚さは、例えば1〜10μmであればよい。
【0077】
配線保護層形成用材料は、上述した無機材料又は耐熱性樹脂を含むペーストである。
【0078】
ペーストが無機材料を含む場合、加熱処理は、
図7に示すように、集電配線16の第2金属配線部19の上に塗布されたペースト17Aを乾燥させた後、焼成する処理となる。焼成温度はペーストの組成により異なるが、通常300〜600℃である。焼成時間も、ペーストの組成により異なるが、通常は0.5〜2時間である。
【0079】
ペーストが耐熱性樹脂を含む場合、加熱処理は、ペーストを加熱により乾燥させる処理となる。乾燥温度はペーストの組成により異なるが、通常100〜200℃である。乾燥時間も、ペーストの組成により異なるが、通常は0.5〜2時間である。以上のようにして作用極10の製造が完了する(
図2)。なお、ペーストが反応性の耐熱性樹脂を含む場合には、必要に応じて、反応を完結させるため、さらに加熱する場合がある。この条件はペーストの組成により異なるが、例えば、200〜400℃、0.5〜4時間の条件で行えばよい。
【0080】
<光増感色素担持工程>
次に、作用極10の多孔質酸化物半導体層12の表面に、光増感色素を吸着させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層12に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を多孔質酸化物半導体層12に吸着させてもよい。
【0081】
光増感色素としては、例えばブラックダイなどのルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体、銅錯体、白金錯体、ポルフィリン金属錯体、フタロシアニン金属錯体等の金属錯体色素、又は、シアニン、メロシアニン、マーキュロクロム、キサンテン系色素、アゾ系色素、クマリン系色素などの有機色素などを用いることができる。
【0082】
<封止部接着工程>
次に、封止部30を準備する。封止部30は、封止用樹脂を用意し、その封止用樹脂フィルムに四角形状の開口を形成することによって得ることができる。
【0083】
そして、この封止部30を、作用極10の上に接着させる。このとき、封止部30の開口の内側に多孔質酸化物半導体層12が配置されるようにする。封止部30の作用極10への接着は、封止部30を加熱溶融させることによって行うことができる。封止用樹脂フィルムとしては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
【0084】
このとき、作用極10においては、第1金属配線部18及び第2金属配線部19がそれぞれ空隙A1,A2を有し、第2金属配線部19の空隙率が第1金属配線部18の空隙率よりも小さい。このため、作用極10に、例えば封止部30を加熱溶融させることによって接着させる際、第2金属配線部19によって、第1金属配線部18の空隙A1に含まれる空気が膨張しても、その膨張した空気が配線保護層17を突き抜けることが十分に抑制される。その結果、得られる配線保護層17において、電解質40が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。
【0085】
<電解質配置工程>
次に、多孔質酸化物半導体層12の上に電解質40を配置する。
【0086】
電解質40は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI
−/I
3−などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI
−/I
3−のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体を用いて良い。また、イオン液体と有機溶媒との混合物からなる電解質でもよい。イオン液体としては、例えば1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨーダイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド等が好適に用いられる。上記電解質には添加剤を加えてもよい。添加剤としては、ヨウ化リチウム、4−tertブチルピリジン、N−メチルベンゾイミダゾールなどが挙げられる。さらに電解質40としては、上記電解質にSiO
2、TiO
2、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
【0087】
電解質40は、例えばスクリーン印刷等の印刷法によって配置することが可能である。
【0088】
<対極準備工程>
次に、対極20を準備する。
【0089】
対極20は、上述したように、導電性基板21と、導電性基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えるものである。
【0090】
導電性基板21は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料や、上述した透明基板14にITO、FTO等の導電性酸化物からなる膜を形成したもので構成される。導電性基板21の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜0.1mmとすればよい。
【0091】
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。
【0092】
<貼合せ工程>
次に、対極20を封止部30の開口を塞ぐように貼り合わせる。対極20の封止部30への貼合せは、大気圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。
【0093】
以上のようにして色素増感太陽電池100が得られる。
【0094】
上記のようにして色素増感太陽電池100を製造すると、配線保護層17を形成する際、第1金属配線部18の空隙に含まれる空気が膨張しても、第2金属配線部19によって、その膨張した空気が配線保護層17を突き抜けることが十分に抑制される。このため、配線保護層17において、電解質40が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。また封止部30を作用極10に接着する際、第1金属配線部18の空隙に含まれる空気が膨張しても、第2金属配線部19によって、その膨張した空気が配線保護層17を突き抜けることが十分に抑制される。このため、配線保護層17において、電解質40が侵入し得る経路の生成が十分に抑制される。その結果、得られる色素増感太陽電池100によれば、電解質40による集電配線16の腐食が十分に抑制され、優れた耐久性を有することが可能となる。
【0095】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、配線部13において、第2金属配線部19が第1金属配線部18のうち透明導電性基板11と接している面を除く面の全体を覆うと共に透明導電性基板11に接着されているが、第2金属配線部19は、
図8に示す配線部113のように、第1金属配線部18のうち透明導電性基板11と接している面を除く面の一部を覆っているだけでもよく、透明導電性基板11に接着されていなくてもよい。この配線部113においては、第1金属配線部18のうち第2金属配線部19で覆われていない残部と、配線保護層17とは互いに接着されている。ここで、配線保護層17が無機バインダを含むことが好ましい。この場合、第1金属配線部18は無機バインダ51を含むため、配線保護層17中の無機バインダと第1金属配線部18中の無機バインダ51とが互いに結合する。その結果、配線保護層17と第1金属配線部18との密着性を向上させることが可能となる。ここで、無機バインダとしては、電解質40に対する耐食性があり、電解質40に含まれる揮発性物質の漏洩を十分に抑制できると言う理由から、特にガラスフリットが好ましい。
【0096】
また上記実施形態では、作用極10を構成する導電性基板として、透明導電性基板11が使用されているが、導電性基板は、必ずしも透明である必要はない。例えば、対極20がシースルー電極である場合には、導電性基板21は、透明でない基板で構成することが可能である。透明でない基板としては、例えば対極20の導電性基板21として挙げたチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料を使用することができる。
【0097】
さらに上記実施形態では、作用極10に封止部30に接着させ、対極20をこの封止部30の開口を塞ぐように貼り合わせているが、作用極10に封止部形成体を接着させるとともに、対極20にも封止部形成体を接着させ、これらの封止部形成体同士を接着させることにより、作用極10と対極20との間に封止部30を形成してもよい。
【実施例】
【0098】
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0099】
(実施例1)
まずガラスからなる厚さ1mmの透明基板の上に、厚さ1μmのFTOからなる透明導電膜を形成してなる透明導電性基板を準備した。次に、透明導電膜上に、酸化チタンナノ粒子のペーストを、その厚みが10μmになるようにドクターブレード法で塗布した後、150℃で3時間焼成した。こうして厚さ6μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。
【0100】
次に、粒径200nm以下の銀粒子を含む銀ペースト(商品名XA−9053、藤倉化成(株)製)に、焼成後の第1金属配線中の無機物に占めるガラスフリットの含有率が1質量%となるようにガラスフリットを配合し、第1金属配線部形成用ペーストを準備した。そして、この第1金属配線部形成用ペーストを透明導電膜上にスクリーン印刷法にて印刷し、150℃で乾燥させて第1前駆体層を形成した。
【0101】
次に、上記第1前駆体層の上に、上記銀ペースト(商品名XA−9053、藤倉化成(株)製)を第2金属配線部形成用ペーストとしてスクリーン印刷法にて印刷し、150℃で乾燥させて第2前駆体層を形成した。
【0102】
そして、第1前駆体層および第2前駆体層を500℃で1時間焼成し、第1金属配線部および第2金属配線部をそれぞれ形成した。このとき、第2金属配線部は、第1金属配線部のうち透明導電膜に接する面を除く面の一部のみを覆っていた。すなわち、第1金属配線部のうち透明導電膜に接する面を除く面の残部は、第2金属配線部で覆われていなかった。また第1金属配線部および第2金属配線部の厚さはそれぞれ10μm、及び、10μmであった。ここで、第1金属配線部および第2金属配線部に含まれる空隙率を測定した。結果を表1に示す。
【0103】
また第1金属配線部および第2金属配線部中のガラスフリットからなる無機バインダの含有率(質量%)は表1に示す通りである。
【0104】
また第2金属配線部の空隙の最大径を測定した。結果を表1に示す。
【0105】
次に、上記第1金属配線部および第2金属配線部を被覆するように、ガラスフリット、エチルセルロースからなる有機バインダ、及びテルピネオールからなる溶媒を含む配線保護層形成用ペーストをスクリーン印刷法で印刷した。
【0106】
そして、上記配線保護層形成用ペーストを500℃で1時間焼成し、厚さ5μmの配線保護層を形成した。こうして作用極を得た。
【0107】
次に、作用極を、色素溶液中に24時間浸漬させた後、色素溶液中から取り出して乾燥させて、多孔質酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。色素溶液は、アセトニトリルとtertブタノールとを1:1の体積比で混合してなる混合溶媒中に、ブラックダイ(N749)をその濃度が0.0002mol/Lとなるように溶解させることで作製した。
【0108】
次に、多孔質酸化物半導体層の上に、ヨウ素レドックスを含む電解質を塗布して配置した。
【0109】
次に、封止部を形成するための封止部形成体を準備した。封止部形成体は、6cm×6cm×60μmのアイオノマー樹脂(商品名:ハイミラン、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに、四角形状の開口を形成することによって得た。このとき、開口は、5cm×5cm×60μmの大きさとなるようにした。その結果、幅が5mmの封止部形成体を得た。
【0110】
そして、この封止部形成体を、作用極の上に載せた後、封止部形成体を加熱溶融させることによって作用極に接着させた。
【0111】
次に、対極を用意した。対極は、6cm×6cm×50μmのチタン箔の上にスパッタリング法によって厚さ10nmの白金からなる触媒層を形成することによって用意した。また、上記封止部形成体をもう1つ準備し、この封止部形成体を、対極のうち作用極と対向する面に、上記と同様にして接着させた。
【0112】
そして、作用極に接着させた封止部形成体と、対極に接着させた封止部形成体とを対向させ、封止部形成体同士を重ね合わせた。そして、この状態で封止部形成体を加圧しながら封止部形成体を加熱溶融させた。こうして作用極と対極との間に封止部を形成し、色素増感太陽電池を得た。
【0113】
(実施例2〜7)
第1金属配線部の空隙率、第2金属配線部の空隙率、第2金属配線部の空隙の最大径、第1金属配線部中の無機バインダの含有率、第2金属配線部中の無機バインダの含有率、第1金属配線部中の無機バインダの含有率と第2金属配線部中の無機バインダの含有率との差を、表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
【0114】
(比較例1)
第2金属配線部を形成せず、第1金属配線部の厚さを20μmとすると共に、第1金属配線部の空隙率を表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
【0115】
(比較例2)
第1金属配線部の空隙率、第1金属配線部中の無機バインダの含有率、第1金属配線部中の無機バインダの含有率と第2金属配線部中の無機バインダの含有率との差を、表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
【0116】
<耐久性評価>
実施例1〜7及び比較例1〜2の色素増感太陽電池について、以下のようにして耐久性評価を行った。
【0117】
実施例1〜7及び比較例1〜2の色素増感太陽電池を、JIS C8917に従って、85℃、85%RH環境下に保持し、1000時間経過後の光電変換効率の維持率を、下記式:
光電変換効率の維持率(%)=1000時間経過後の光電変換効率/製造直後の光電変換効率×100
に従って算出した。
結果を、作製直後の色素増感太陽電池の光電変換効率(初期の変換効率)とともに表1に示す。
【表1】
【0118】
表1に示す結果より、実施例1〜7の色素増感太陽電池は、比較例1〜2の色素増感太陽電池に比べて、より優れた光電変換効率の維持率を示すことが分かった。
【0119】
以上より、本発明の作用極の製造法によれば、色素増感太陽電池に対して、優れた耐久性を付与することが可能な作用極を製造できることが確認された。