【実施例1】
【0027】
図1は、井戸流体等の油の相図を示し、ある圧力・温度条件下においてどの相が安定しているかを示している。図の横軸又はx軸には、温度Tを示しており、縦軸又はy軸には、圧力pを示している。
【0028】
従って、Cは、臨界圧pc及び臨界温度Tcを有する臨界点を示す。最大圧力点は、クリコンデンバール点100と呼ばれることが多い。クリコンデンバール点は、必ずしも臨界点Cに対応するものではない。臨界点の左側に延びる曲線は、液体飽和曲線101である。当該曲線の他の部分、つまり、臨界点の右側に延びる曲線は、蒸気飽和曲線102である。
【0029】
異なる相がそれぞれ安定する領域は以下のとおりである。液相が安定する領域は、符号Lで示され、
図1において、液相から油の液相及び気相が共存する2相領域V+Lへの遷移を示す液体飽和曲線101上を伸びている。超臨界流体の領域である濃密相への遷移温度は、臨界点の温度の上に存在しているが、液相が安定する領域Lの上限境界を示している。
【0030】
臨界点における温度よりも上には、濃密相のみが存在している。気相Vは、
図1では、蒸気飽和曲線の右に延びており、これは、2相領域からの遷移を意味している。領域Vは、臨界点に対応する温度を示す線まで伸びている。
【0031】
従って、
図1においては、L+Vは、液体と気体が同時に存在する2相領域を示している。
【0032】
図2に示す従来の三相分離器110は、以下のように動作する。油中水型分散物を、分離器内へと供給する。そのような油中水型分散物は、油井から得られた井戸流体であってもよい。そのような場合、この油中水型分散物は、主に油相に溶解したガスをさらに含んでいてもよい。よって、この油中水型分散物における油相113は、連続相であり、水相114は、タンク112の第1のセクション115において液滴状で存在している。
【0033】
図2に示す従来の三相分離器110は、3つのセクション、つまり、油中水(及びガス)型分散物を含む第1のセクション115と、分散物が2つの相に分離した第2のセクション116と、油を含む第3のセクション117とからなる。第1のセクション115は、ある一定量の供給ストリーム125を貯蔵するために用いられ、また、フローホモジナイザー及び入口セクションとして機能する。第2のセクション116では、沈降による分離が行われる。第3のセクション117は、油のための貯蔵セクションであり、また、フローホモジナイザーとしても機能する。沈降は、第1、第2、及び第3のセクション(115,116,117)のいずれかにおいて行われうる。沈降工程は、完了するのに数時間を要するため、第1、第2、及び第3のセクション(115,116,117)はそれぞれ相当な容量を必要とする。このような従来の三相分離器は、分離器のサイズが限定されない条件下において満足に採用且つ運転することができる。第1のセクション115は、第2のセクションから、有孔板120によって分離することができる。分散物は有孔板120を越えて移動する。
【0034】
第1のセクションから第2のセクションへ、その後第3のセクションへと分散物が移動する間、沈降工程において、重力による分散物の2つの相への分離が行われる。油相内に存在する水滴が降下し、水相に存在する油滴がゆっくりと界面118へと上昇する。各液滴が界面に到達すると、それらは対応する連続相に同化することによって、油滴は油相113によって受け止められて油相113に同化する一方、水滴は水相114によって受け止められて水相114に同化する。
【0035】
油相113は、第2のセクション114を通過し、溢れぜき(オーバーフローウェア)119を介して第3のセクション117に供給される。油の最上層は、移されて(デカントされて)、つまり、せき(ウェア)119から溢れ出て第3のセクションを構成するボウルに集められる。水相は、第2のセクションにおけるタンクの底部に蓄積され、残留物126としてタンクから排出される。
【0036】
第3のセクション117は、油の貯蔵セクションであり、また、そこから油を排出油128として後段の処理部に連続的に供給することができるアキュムレータとしても機能する。よって、第3のセクションによって、油を後段の連続する処理部で利用することができる。
【0037】
油相からのあらゆるガスの分離、つまり脱気工程は、主に第2及び第3のセクションにおいて行われる。気相は、タンク112の上部から、排気ストリーム127によって排出される。
【0038】
第2のセクションから第3のセクションへの油相の漸進的移動を、点線の矢印130によって示す。第2のセクションの中をゆっくりと進む間、油に含まれる水滴は、重力によって下降する。その結果、
図2に示すように第2のセクションの境界をその右側で定めるせき(ウェア)119に達する時には、油中水型分散物の最上層から水が無くなる。
【0039】
油の中の水滴のサイズが非常に小さい且つ/又は油と水との間の密度差が小さい場合、沈降作用には、数時間を要し得る。24時間という沈降時間は、従来の三相分離器の場合珍しいことではない。ストークスの法則は、液滴のサイズと液滴の沈降速度との関係を説明しているが、ここでより詳細に説明する。ストークスの法則によれば、小さな液滴の場合、沈降の速度は大幅に減少することになるため、必要な沈降又は滞留時間は長くなる。
【0040】
分離器は、このように長い沈降(又は滞留)時間のために設計される必要があり、非常に大型の石油プラットフォームなどの用途の場合、結果として大型化してしまう。
【0041】
図3、
図4、及び
図5に示す本発明のウォッシュ・セパレータは、
図2に示す従来の三相分離器と比較して、わずか数分の滞留時間しか必要としない。この短い滞留時間のおかげで、このウォッシュ・セパレータは大幅に小型化することが可能となる。
図2に示す従来の三相分離器に必要な第1のセクションは、
図3〜5のいずれの場合においても、完全に省くことができる。
【0042】
ウォッシュ・セパレータ1は、第1の流体及び第2の流体4を含む容器2を備えており、第2の流体4は、第1の流体3とは異なる濃度を有している。第1の流体3は、第2の流体4とは混ざらず、第1及び第2の流体は、界面5によって互いに分離している。供給ストリーム15が設けられており、この供給ストリーム15は、第1及び第2の流体(3,4)の分散体を含んでいる。よって、第2の流体4は、供給される際には、連続相を構成している第1の流体3内に分散した液滴状の分散相を構成している。供給ストリーム15は、分配エレメント6を通じて、ウォッシュ・セパレータ1内に連続的に流入させてもよい。容器2に設けられる分配エレメント6によって、供給ストリーム15は、第2の流体4へと分配される。なお、分散物が分配エレメントを通過した後、各相は、既知の分離器とは反転する。容器内の第2の流体4は、ここでは大部分が連続相であり、その中に第1の流体3を含む液滴が分配される。第1の流体3のこれらの液滴は、再び第2の流体4の小さな液滴を含んでもよい。
【0043】
よって、相の構成にかかわらず、第1の流体3は、常に低濃度の流体であり、第2の流体は、高濃度の流体となる。特に、第1の流体が油であり、第2の流体が水であってもよい。この特定の場合、供給ストリーム15は、油中水型分散物である。よって、参照符号3は、油相を指し、参照符号4は、水相を指す。また、水は、
図3,4及び5のそれぞれの供給ストリーム(24,61,31)において生産される水であってもよい。また、該水は、例えば海水などのような未使用水16、又はライン17における水のような再利用水であってもよい。
【0044】
このような転相を利用することで、合一により、全く異なる分離メカニズムによって引き起こされる分離が可能になる。これは、分配エレメント6から排出された後の供給ストリーム15の滞留時間が、容器内の第2の流体において最大でも15分ということの一番の理由である。本発明では合一を利用することができるので、容器2における第2の流体4での滞留時間は、最大で10分、好ましくは最大で5分である。
【0045】
このような合一を可能にするウォッシュ・セパレータの設計によって、沈降に基づく従来の重力分離器と比べて、分離の予期せぬ素晴らしい改良が得られる。
【0046】
油/水系に関して説明するが、この予期せぬ結果には、以下のメカニズムが寄与していると考えられる。ただし、本開示は、決して油/水系に限定されるものではなく、第1及び第2の流体を含むあらゆる分散物に拡張できる。ウォッシュ・セパレータにおいて、水中油型分散物、又は水中油中水型分散物、つまり複合分散体、を構成する水相に存在する油滴を、シナリオa)又はシナリオb)で表現される2つの異なるメカニズムを通過する。
【0047】
油滴が、水滴を含む場合、水滴は、シナリオa)に従って油滴に合着するか、又は、水滴は、シナリオb)に従って容器内の連続水相から油滴を分ける界面に移動して、当該油滴の周りを取り囲む連続水相に合着する。
【0048】
シナリオa)では、ウォーター・レッグ内の油滴の移動によって誘起される、油滴内の二次流れ場のために、油滴内の水滴は移動している。油滴内で移動している間、水滴は他の水滴にぶつかる。他の水滴と接触すると、それら2つの小さな水滴は、合体して単一のより大きな水滴になる傾向がある。
【0049】
シナリオb)では、油滴内を移動する水滴は、油滴の、その周囲を囲む連続水相との界面に向かって移動する傾向がある。そのような水滴が界面に達すると、その水滴は、油滴を囲む連続水相と合体する。その結果、油滴内の水滴の数は減少する。最終的に、油滴からは水滴が消失する。
【0050】
実験的に、シナリオb)は、水相内の油滴の上昇移動中において、シナリオa)よりも起こり易いようであるということが示されている。
【0051】
両シナリオでは、油滴内の小さな水滴のサイズが大きくなる且つ/又は数が減る。従って、両シナリオは、油分と水分の分離の向上に寄与することになる。
【0052】
油分と水分の分離は、ウォッシュ・セパレータにおける水相と油相との界面5で起こる。シナリオa)では、油滴が界面5に達すると、油滴は、界面の上部及び界面より上の流体層を構成する油相3に吸収される。油滴内の水滴は、その大きさのために、界面の下部、つまり、界面5の下の水相へと移動しやすい。
【0053】
この水相への移動は、ストークスの法則、重力による分離の説明で用いたモデルによっても起こるはずである。
【0054】
ストークスの法則は、液滴の沈降速度に関するものであり、本件では、シナリオa)の、界面下部方向の水滴の下降移動に関連する。
【0055】
ストークスの法則によれば、液滴の沈降速度は、液滴の直径の平方に比例する。従って、液滴のサイズの増加は、液滴の沈降速度に対して大きく影響する。
【0056】
従って、シナリオa)では、大きな水滴は、水相によって形成される界面の下部方向に移動しやすく、また、水滴は、油滴と一緒に油相内へと取り込まれやすい。その結果、シナリオa)が起こると、水・油分散体の分離効果が改善される。
【0057】
シナリオb)ではすでに、油滴内の小さな水滴の数が連続的に減少するため、油滴が水相内を通過する時に、分離の向上をもたらす。
【0058】
従って、結果として、シナリオa)とシナリオb)のいずれかが起こると、どちらのシナリオも液滴の合一を利用するので、分離が向上する。
【0059】
さらに、油滴内の複合分散体の存在は、油滴内の小さな水滴の間の距離が、従来の三相分離器の油分層における水滴間の距離と比べてずっと短くなるという別の利点を有する。従って、これらの水滴は、シナリオa)によりずっと速く合一するか、シナリオb)によってずっと速く油分/水分界面に達する。
【0060】
従って、このような合一を可能にするウォッシュ・セパレータの設計によって、沈降に基づく従来の重力分離器と比べて、分離の予期せぬ素晴らしい改良が得られる。
【0061】
図3に示すウォッシュ・セパレータは、第1の流体3及び第2の流体4の分離が完了する第1のセクション8と、第2のセクション9とを有する。第1の流体は、脱気することができるので、第1のセクション8又は第2のセクション9に存在するどの気相も排出される。第2のセクションからは、第1の流体が、生産物ストリーム20として排出される。第1の流体は、せき(ウェア)25を越えて第1のセクションから第2のセクションへと流れる。第1の流体内に存在するどの気相も、容器の上部へ上昇して、ガス流18として排出される。
【0062】
有利には、第2の流体の補充ストリーム16を供給ストリームに添加するための供給エレメント10を、予め設けておくことができる。あるいは、又はこれに加えて、容器2の底部7から離れていく第2の流体4のストリーム22から分かれるライン17を、供給ストリーム15が分配エレメント6に流入する前に、供給ストリーム15に添加してもよい。供給ストリームにおける第2の流体の分量が、分配エレメント内において、つまり分配エレメント6から排出される前の時点で、90容量%以下、好ましくは60容量%以下、等に好ましくは45容量%以下であれば、思いがけなく、分離に必要な容器2の容量を増やす必要はない。それにより、ライン17及び/又は補充ストリーム16から60容量%の第2の流体を得る。
【0063】
そのような相当量の第2の流体を供給ストリーム15に添加することによって、容器2における滞留時間が減り、分離効率に悪影響がでると通常は考えられる。あるいは、同じ分離効率が得ようとするには、容器の容量を増やす必要があると通常は考えられる。驚いたことに、第2の流体4を供給ストリーム15に添加することがこれらの予想された影響に繋がらないだけではないということがわかった。たとえウォッシュ・セパレータの容器の容量を増やさなくても、この場合滞留時間が短くなるが、より効率的な分離を達成することができるのである。よって、特に第2の流体を供給ストリーム15に添加する場合、
図2に示す分離器と比べて、ウォッシュ・セパレータの大きさを大幅に小さくすることができる。ウォッシュ・セパレータ1における分離は、沈降によって起こるのではなく、主に合一に基づくものであるということが分かっている。このことは、分離は、ストークスの法則や液滴の沈降速度、又は容器の容量における滞留時間によって制限されるのではなく、特に多くの原油系における沈降時間と比べて非常に短い合一時間によるということを意味している。前に述べたようにシナリオa)又はシナリオb)に基づく、第1の流体の液滴内での第2の流体の液滴の合一は、分離効率の向上及び滞留時間の短縮化に関与している。第2の流体の添加、特に、供給原油に水を添加することによって、供給ストリーム15内に存在する界面活性剤及びナフテン酸の濃縮を減らし、合一を著しく促進することができる。ナフテン酸塩の形成が抑えられるため、界面5が遮られるのを防止する
【0064】
補充ストリーム16及び/又はライン17で添加する第2の流体の量は、通常、原油フィールドの存続期間の間に減らすことができる。これは、供給ストリーム24,31及び61における第2の流体の量が、補充ストリーム16及び/又はライン17による第2の流体の添加無しに、増加するからである。供給ストリーム15における第2の流体の分量は、分配エレメント内において、90容量%以下、好ましくは60容量%以下、特に好ましくは45容量%以下であり、それにより、ライン17及び/又は補充ストリーム16から60容量%の第2の流体を得る。
【0065】
補充ストリーム16及び/又はライン17は、分配エレメント6から離れる前に、供給ストリーム24,31及び61と混合させることができる。この目的のために、混合エレメント12、特に静的ミキサーを、分配エレメント6の上流に配置することができる。
【0066】
分配エレメントから離れていく供給ストリームにおける第2の流体内の第1の流体の液滴の滴径は、分配エレメントの1つ以上の排出開口によって決定される。このような分配エレメントは、平均径が10mm未満の液滴を形成するノズルを備えるものであってよい。若しくは、分配エレメントは、数ミリメートルの範囲の、好ましくは平均滴径が1〜25mmの、特に好ましくは1〜15mmの、液滴を形成する複数の排出開口を備えていてもよい。
【0067】
さらに、分離が向上することで、容器2における界面5と分配エレメント7の排出開口23との間の距離は、10mまで、好ましくは5mまで、特に好ましくは3mまでである。
【実施例2】
【0068】
図4は、
図3と同様の構成を有する容器2を備えた、本発明の第2実施例に係るウォッシュ・セパレータ1を示す。このウォッシュ・セパレータ1の特徴に関しては、
図3の説明を参照されたい。
図4において、ウォッシュ・セパレータ1の上流には、第2ウォッシュ・セパレータ60が示されている。この特定の実施例において、ウォッシュ・セパレータ1は、概略的にのみ示す第2ウォッシュ・セパレータ60から来る供給ストリーム15として、「低気対液・低BSW生原油」を用いて運転される。
【0069】
「低気対液・低BSW生原油」という用語は、井戸から産出されたり貯留槽から供給されたりするような原油のことを表し、クルード又は産出クルード(プロダクション・クルード)としても知られるものである。このような原油は、当該原油が安定していることを確実にし、また輸送及び貯蔵中の脱気を避けるためのRVP、つまりリード蒸気圧によって特徴付けられる。さらに、原油は、BSW(Basic Sediment and Water:塩基性沈殿物及び水)値によって特徴付けられる。BSWとは、水分と、沈殿物、つまり固相との容量パーセントのことである。このBSW値は、原油の輸出品質規格を満たすために通常は最大で0.5容量%でなくてはならない。さらなる特徴値として、があり、これは、塩化ナトリウムと等価の100mg/l未満、特に、原油がその後の精油工程において適切に処理できるように60mg/l未満である必要がある。
【0070】
第2ウォッシュ・セパレータ60は、対気条件下で運転される。この第2ウォッシュ・セパレータにおいては、分離に加えて脱気処理も行うことができ、これは
図3のウォッシュ・セパレータと同じ特徴を持ち、
図3に開示の第1実施例との関連で説明したように運転される。第2ウォッシュ・セパレータへの供給ストリーム61は、第1及び第2の流体の分散体であり、特に、水を含む原油であって、「二相生原油」及び水、又は「液相生原油及び水」、又は、脱気した「低気対液・低BSW生原油」及び水の混合物のいずれかである。よって、「生原油」は、相当量の溶解した気相を含む、つまり、通常大気圧下で存在する原油である。「二相」とは、
図1又は
図6の相図において、液相と気相が共存する領域、つまりL+V領域に関する。「液相生原油」という用語は、におけるL領域の分散体に関する。脱気した「低気対液・低BSW生原油」という用語は、
図4又は
図5の供給ストリーム15、
図3の供給ストリーム15、若しくは
図6に示す供給ストリーム15のいずれかを指す。
【0071】
このウォッシュ・セパレータ1は、大気圧の範囲内の圧力pと、40〜45℃の範囲内の温度Tで、前記タイプの供給ストリーム15のために運転される。供給ストリーム15、つまり「低気対液・低BSW生原油」は、脱気前原油、又は、より高圧化で運転される第2セパレータ60から来る「低気対液比率生原油」からなる。ウォッシュ・セパレータ1において行われる分離処理から得られる生産物は、この場合、安定化油の生産物ストリーム20である。このような安定化油は、RVP、BSW及び塩分濃度に関する販売仕様に適合する。ウォッシュ・セパレータ1から得られた生産物又は、複数のウォッシュ・セパレータが第2ウォッシュ・セパレータ60に対して直列配置されている場合にはそれらウォッシュ・セパレータの最後から得られた生産物は、貯蔵及び輸送のための上記仕様に適合する安定化原油である。
【0072】
また、供給ストリーム61は、固相19を含んでいてもよい。固相は、混合エレメント12を通過し、供給ストリーム15と共に容器に流入する。固相19は、界面5の下に配置された固体保持エレメント11によって分離することができる。
【0073】
分散物を処理するための、特に原油を処理するためのプラントにおけるウォッシュ・セパレータ1の第3の可能な配置構成を、
図5に示す。
【0074】
図5において、ウォッシュ・セパレータ1の上流において脱気処理を行うために脱気装置30を、予め設けておくことができる。ウォッシュ・セパレータは、圧力下において運転され、
図3に示すものと同じ構成を有している。
【0075】
また、合一を促進させるためのエレメント14を、
図3、
図4又は
図5に示す実施例のいずれかにおける、分配エレメント6の排出開口23と界面5との間に設けることができる。また、分配エレメントは、複数の排出開口23を備えていてもよい。このような合一を促進するためのエレメント14は、例えば、規則充填物、織物又は不織物構造、若しくは有孔板として構成してもよい。
【0076】
混合エレメント22を、第2の流体の一部をまだ含み、ウォッシュ・セパレータ1の容器2から排出される、第1の流体20のストリーム中に配置してもよい。混合エレメント22は、第2の流体の一部をまだ含む第1の流体20のストリームの分散と均質化をもたらし、第2の流体の凝集体の形成を防止する。このような凝集体は、第2の流体がスラリーの場合に、形成されやすい。さらに、第2の流体内に存在するハイドレートの生成を、第2の流体の一部をまだ含む第1の流体20のストリームの分散と均質化によって減少させることができる。
【0077】
図6は、本発明の実施例のいずれかに係るウォッシュ・セパレータの可能な運転範囲を示す。水平ハッチング領域107を含む、クロスハッチング領域103,105及び106は、ウォッシュ・セパレータの可能な作動点を示している。これと比較して、従来のウォッシュ・タンクは、非常に狭い水平ハッチング領域107においてのみ運転することができる。従来のウォッシュ・タンクは、例えば特許文献1又は特許文献2に開示されている。先行技術に係るウォッシュ・タンクが相図の水平ハッチング領域107においてのみ運転可能であることを考えると、本発明に係るウォッシュ・セパレータの可能な運転のこの広い領域は、別の驚くべき効果である。本発明に関連して説明した合一に基づく分離メカニズムは、驚くことに液液分散系だけではなく、
図1又は
図6のL+V領域103に図らずも該当する気液分散系にも適用することが可能である。
【0078】
前記実施例のいずれかに係るウォッシュ・セパレータ1において行われる第1及び第2の非混和性流体を分離するための方法は、第1及び第2の流体を含む供給ストリーム15を容器2に供給し、分配エレメント6によって供給ストリーム15を第2の流体4に分配する工程を含む。当該方法は、加えて、供給ストリーム15が分配エレメント6から離れる前に第2の流体4を供給ストリーム24,31又は61に加える工程を含んでいてもよい。
【0079】
ウォッシュ・セパレータは、臨界点での圧力より小さい圧力下で、又は大気圧下で、さらには大気圧よりも小さい圧力下でも運転することができる。また、ウォッシュ・セパレータは、少なくとも大気圧で、又は臨界点での圧力よりも小さい圧力でも運転することができる。供給ストリームは、液液分散系又は気液分散系を含む。
【0080】
前記実施例のいずれかに係るウォッシュ・セパレータの最も好適な利用法のうちの1つは、海底施設における原油と水の分離である。