【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の態様によれば、永久磁石を有する回転子と、固定子鉄心の上に巻き付けられたコイルを有する固定子を備え、コイルが回転子と固定子の間に画定されるエアギャップを挟んだ磁石と相互作用する電気機械が提供され、鉄心とその上のコイルは、固定子ハウジングによって取り囲まれ、固定子ハウジングは、エアギャップの中に延びて、コイルを冷却する冷媒を取り入れるチャンバを画定する。
【0012】
好ましくは、電気機械はアキシャルフラックス型機械であり、前記鉄心は回転子の回転軸の周囲で周方向に離間されて配置され、好ましくはこの回転軸に平行で、回転子は2つのステージを有し、それぞれ、鉄心の各端と相互作用する永久磁石を有する。
【0013】
前記固定子ハウジングは、2つの環状プレートと2つの円筒壁を有していてもよく、環状プレートは、チャンバ内に鉄心を位置づけるための陥凹部を有する。好ましくは、固定子ハウジングの材料は非磁性、非導電性である。しかしながら、環状プレートと円筒壁が別々の場合、前記円筒壁は、好ましくはアルミニウムであり、前記環状プレートはプラスチック材料である。あるいは、前記環状プレートは、前記円筒壁と一体であってもよく、この場合、円筒壁はその円周上で分割され、内側および外側の円周継ぎ目に沿って相互に連結される。分割は中央で行われ、2つのクラムシェル状の形状が画定される。クラムシェルは略同一で、好ましくは、「鏡像」であり、これらは相互に適合し、分割部分の接合部の周囲で継ぎ目が溶接しやすくなる。この場合、クラムシェルはプラスチック金型成形であってもよい。
【0014】
好ましくは、前記環状プレートは鉄心の端部で薄くなり、したがって鉄心と回転子上の磁石の間のギャップを最小限にする。好ましくは、前記円筒壁は内壁と外壁であり、前記外壁は機械を取り付ける手段を有し、前記内壁は、回転子の軸受を取り付けるための手段を有する。
【0015】
好ましくは、回転子のステージは各々、環状ディッシュであり、その外縁には前記永久磁石が取り付けられ、その内縁は相互に連結されて、前記軸受を取り囲む。回転子ステージの各々は皿形で、半径方向の平面(すなわち、回転子の回転軸に垂直または、好ましくは固定子鉄心に垂直な平面)におけるその剛性が増大する。
【0016】
好ましくは、固定子ハウジングは、磁石を前記コイルの中で発生する熱から絶縁する。
【0017】
好ましくは、前記固定子ハウジングは、前記冷媒を供給、排出するためのポートを有する。冷却流体は、機械の底部付近の入口から機械内に送出され、上部付近の出口から排出される。しかしながら、入口と出口はまた、相互に近接していてもよい。流体は、コイルの外半径と内半径の周囲に流れてもよく。一部の流体はまた、コイルの間に流れる。好ましくは、冷却流体は、コイルと固定子ハウジングの間に配置されたブロックにより、何カ所かにおいて外半径と内半径の間で行き来し、それによって流体がコイルの間に送られる。コイル間の流体の流れは、2から8回方向転換するかもしれない。あるいは、冷却流体の流れは分離してもよく、一部は吸入口からコイルの内径周辺に流れ、残りは反対方向の外径に流れ、一部の流体はコイルの間にも流れる。当然、上記とは異なる流路が構成されてもよい。
【0018】
好ましくは、チャンバをラッカーや樹脂のコーティングで裏打ちし、チャンバとその内容物が冷媒と直接接触しないように電気的に絶縁する。
【0019】
実際、本発明は上記の電気機械の製造方法を提供し、この方法は、機械を組み立てるステップと、チャンバに液体樹脂またはラッカーを充填して、その内容物を含むチャンバの内面全体を湿潤させるステップと、その樹脂を取り除いて、チャンバの内面上に樹脂のコーティングを残すステップと、樹脂を硬化させて、前記内面上に電気的絶縁層を形成するステップと、を含む。好ましくは、樹脂を取り除くステップの前にチャンバを真空にして、樹脂がチャンバ内の小さな空間に浸透するのを助ける。
【0020】
ある実施形態において、永久磁石を有する回転子と、固定子鉄心の上に巻き付けられたコイルを有する固定子を備え、コイルが回転子と固定子の間に画定されるエアギャップを挟んだ磁石と相互作用する電気機械が提供され、回転子は鉄心の各端に1つずつ配置された2つのステージを有し、鉄心は各鉄心の各端に、鉄心を通じて磁束を各ステージの前記磁石に連結するシューを有し、回転子の同じステージに面する、隣接するシューは、それらの間に高磁気抵抗のシューギャップを有し、回転子の各ステージの、隣接する磁石は、それらの間に高磁気抵抗の磁石ギャップを有し、シューギャップと磁石ギャップには、相互に関して、これらが回転子の回転とともに漸進的に係合するような角度が付けられる。
【0021】
好ましくは、前記2つのステージのうちの第一のステージに面する各コイルの片側のシューには、前記2つのステージのうちの第二のステージに面するそのコイルの反対側のシューに関して、スキューが施されており、それらを担持する鉄心の各端にある隣接するシューの間の前記シューギャップは、固定子に関して、回転子の異なる回転位置にある磁石ギャップを横切るかもしれない。
【0022】
それゆえ、ある鉄心上のコイルと回転子のステージの上の磁石のペアは整列しているものの、コイルは一端でそのペアの第一の磁石と、もう一方の磁石より先に係合し始める。好ましくは、各鉄心の各端における高磁気抵抗のギャップの磁束の方向が整列しないようなスキューとする。
【0023】
好ましくは、回転子の回転軸に関して軸方向に見たときに、前記シューは4辺からなり、内側と外側の辺は前記回転軸を中心とした円の弧または接線であり、前記他の辺はシューの前縁と後縁であり、前記前縁と後縁は前記円のうちの1つの円の弦であり、各弦と交差するその円の各半径とその円は、それぞれの弦と同じ角度をなす。
【0024】
他の実施形態において、回転子であって、前記回転子の第一と第二のステージの上に周方向に離間された永久磁石を有する回転子と、前記ステージの間に配置された固定子であって、前記固定子の上の固定子鉄心に巻き付けられたコイルを有する固定子を備え、コイルは回転子と固定子の間に画定されるエアギャップを越えて磁石と相互作用し、鉄心は、各鉄心の各端に、鉄心を通って各ステージの前記磁石に磁束を連結させるシューを有し、固定子は少なくとも2つの環状構成部品の鋳造物であり、それぞれ、接続されたシューのリングからなり、一方は鉄心またはその部分のいくつかまたは全部を含み、もう一方は残りの鉄心またはその部分を含み、前記コイルは、環状構成部品が1つに接続されて前記固定子を完成させる前に鉄心の上に設置される。
【0025】
好ましくは、環状構成部品は同一である。好ましくは、それぞれ各鉄心の半分を含み、接続しやすいようになされた界面が設けられている。
【0026】
好ましくは、前記界面には、スタッドとソケットがあってもよく、1つの構成部品の各鉄心のスタッドは、他の構成部品の、それに対向する鉄心のソケットと係合する。
【0027】
好ましくは、高磁気抵抗ギャップが各構成部品の各シューの間に提供され、前記ギャップは、前記鉄心の間の、前記環状構成部品の厚さが薄くなった部分である。
【0028】
さらに別の実施形態において、永久磁石を有する回転子と、固定子鉄心の周囲に巻き付けられたコイルを有する固定子であって、コイルが回転子と固定子の間に画定されたエアギャップを越えて磁石と相互作用する固定子とを備える電気機械が提供され、鉄心は、鉄心を通じて磁束を前記磁石に連結するシューを有し、鉄心とシューは相互に別々に形成され、各々の少なくとも一部は軟鉄粒子の成形により形成されて、粒子の短い寸法が磁気抵抗面を横切るように配置され、鉄心とシューは、鉄心の前記磁気抵抗面が鉄心の縦軸に平行で、シューの前記磁気抵抗面が前記縦軸を横切るように配置される。
【0029】
粒子の短い寸法が前記磁気抵抗面を横切るように配置されることによって、各磁気抵抗面の磁気抵抗が最小となる。好ましくは、少なくとも鉄心の前記粒子は、長手方向の寸法が1つで、前記粒子はまた、その長手方向の寸法が前記磁気抵抗面の磁気抵抗の方向に平行になるように配向され、鉄心の前記磁気抵抗の方向は鉄心の前記縦軸に平行である。シューの粒子の長手方向の寸法が1つである場合、好ましくは、前記磁気抵抗の方向は、鉄心とシューが構成されたときに、前記縦軸に関して半径方向である。
【0030】
前記軟鉄粒子の前記成形は、丸い軟鉄粒子を、前記磁気抵抗面を横切る方向にプレスすることによって行われてもよく、それによって、粒子は部分的に扁平化して前記短い寸法が得られる。あるいは、前記成形は、すでに扁平化された粒子で行っても、長い粒子で行ってもよい。長い粒子は、磁界を利用して成形前に配向されてもよい。成形(molding)にはシェービング(shaping)が含まれる。
【0031】
好ましくは、回転子は鉄心の両側に1つずつ配置された2つのステージを有し、各鉄心の各端にシューが設けられる。好ましくは、電気機械はアキシャルフラックス型会であり、鉄心は回転子の回転軸に平行に配置される。
【0032】
鉄心は、圧延軸が前記縦軸に平行に配置された、強磁性材料の圧延薄板であってもよい。薄板そのものは、好ましくは製造中に、鉄心に巻かれる方向に平行な方向に圧延され、それによって材料の粒子そのものが、最終的な磁束方向、すなわち前記縦軸に平行となる。前記圧延薄板は、賦形された軟鉄圧縮粒子コアの周囲に配置されてもよく、それによって、鉄心の前記縦軸に垂直な断面は略台形となる。あるいは、前記圧延薄板は、圧縮された軟鉄粒子の賦形された円環のコアであってもよく、それによって、鉄心の前記縦軸に垂直な断面は略台形となる。
【0033】
ある実施形態によれば、電気機械は、固定子と、回転軸の周囲で固定子に関して回転するように取り付けられた回転子とを備え、永久磁石が回転子によって担持され、固定子は、固定子鉄心に巻き付けられ、回転子の磁石と相互作用するコイルを有し、回転子は前記固定子鉄心の各端に1つ配置された2つのステージを有し、鉄心の端と回転子ステージの間に2つのエアギャップがあり、固定子を保持し、取り付ける環状ハウジングがあり、回転子と固定子の間には軸受があり、回転子は前記回転軸の周囲が中空で、モータのための少なくとも2つの主要な磁路があり、第一の磁路は、第一の固定子鉄心を通り、エアギャップのうちの第一のエアギャップを越え、回転子の第一のステージの第一の磁石を通り、第一のステージのバックアイアンに入り、隣接する第二の磁石に入り、第一のエアギャップを越えて、第一の固定子に隣接する第二の固定子鉄心に入り、第二のエアギャップを越えて、回転子の第二のステージの第三の磁石を通り、第二のステージのバックアイアンに入り、隣接する第四の磁石に入り、第二のエアギャップを越えて第一の固定子鉄心に戻るもので、第二の経路は、第一の固定子鉄心を通り、第一のエアギャップを越えて、第一のステージの第一の磁石を通り、第一のステージのバックアイアンに入り、第一のステージを通って回転子の第二のステージに入り、前記軸受の周辺を通り、第二のステージのバックアイアンに入り、第四の磁石に入り、第二のエアギャップを越えて、第一の固定子鉄心に戻るものである。
【0034】
この磁路は、回転子が固定子の内側に前記軸受を通じて直接取り付けられ、十分に大きな直径であって、第二の磁路が十分に短く、コイルと磁石に関する磁気回路全体の磁性抵抗が低減されるようになっているときに可能である。このように回転子を取り付けることにより、軸受の間の、回転子とその固定子コイルとの相互作用を通じて回転子を駆動する(または、発電機の場合は、固定子のコイルにより反応される)磁石を位置決めするためのカンチレバーも短縮される。
【0035】
好ましくは、出力と環状ハウジングの間の負荷全体が、固定子と回転子の間の軸受を通じて伝えられ、それによって、固定子ハウジングに関する回転子またはその出力のためのその他の取付手段は設置されない。これは、回転子、固定子および固定子ハウジングの基本的構成に影響を与えることなく、出力の形態をシステムごとに変更できるという利点を有する。本明細書において、「出力」という用語は、モータに関しては適当であるが、発電機の場合、これを入力として読み替えて文脈を理解するべきである。
【0036】
好ましくは、鉄心は回転子の回転軸と軸方向に整列し、軸受が前記エアギャップと交差する2つの半径方向の平面の間にある。好ましくは、前記交差は半径方向である。
【0037】
好ましくは、軸受は固定子のコイル、鉄心またはシューと交差する2つの半径方向の平面の間にある。
【0038】
好ましくは、鉄心とその上のコイルは、エアギャップの間に延び、コイルを冷却する冷媒を取り込む固定子ハウジングによって取り囲まれる。
【0039】
前記固定子ハウジングは、2つの環状プレートと2つの円筒壁からなっていてもよく、環状プレートには、鉄心をチャンバ内に位置付けるための陥凹部がある。好ましくは、固定子ハウジングの材料は非磁性、非導電性である。しかしながら、環状プレートと円筒壁が別々の場合、前記円筒壁は、好ましくはアルミニウムであり、前記環状プレートはプラスチック材料である。好ましくは、前記環状プレートは、鉄心の端部で薄くされ、鉄心と回転子上の磁石の間のギャップがなるべく小さくされている。好ましくは、前記円筒壁は内壁と外壁であり、前記外壁は機械を取り付ける手段を有し、前記内壁には前記軸壁が取り付けられる。
【0040】
好ましくは、回転子のステージは各々、環状ディッシュであり、その外縁には前記永久磁石が取り付けられ、その内縁は相互に連結されて、前記軸受を取り囲む。回転子ステージの各々は皿形で、半径方向の平面(すなわち、回転子の回転軸に垂直または、好ましくは固定子鉄心に垂直な平面)におけるその剛性が増大する。
【0041】
好ましくは、鉄心とその上のコイルは、エアギャップの間に延び、コイルを冷却する冷媒を取り込む固定子ハウジングによって取り囲まれる。固定子ハウジングは、前記冷媒を供給し、排出するためのポートを有していてもよい。好ましくは、固定子ハウジングは2つの環状プレートと2つの円筒壁からなっていてもよく、環状プレートには、鉄心をチャンバ内に位置付けるための陥凹部がある。
【0042】
回転子ハウジングの材料は、非磁性、非導電性であってもよい。実際に、断熱性を有していてもよく、この場合、固定子ハウジングは好ましくは、磁石を前記コイルの中に発生される熱から遮断する。
【0043】
しかしながら、固定子ハウジングは好ましくは、鉄心の端部で薄くされ、鉄芯と回転子上の磁石の間のギャップがなるべく小さくされている。
【0044】
前記円筒壁はアルミニウムであってもよく、前記環状プレートはプラスチック材料であってもよい。これらは内壁と外壁であってもよく、前記外壁は前記環状ハウジングからなり、前記機械を取り付ける手段を有し、前記内壁には前記軸受が取り付けられる。
【0045】
好ましくは、回転子のステージは各々、環状ディッシュであり、その外縁には前記永久磁石が取り付けられ、その内縁は相互に連結されて、前記軸受を取り囲む。前記内縁の各々は円筒形フランジからなっていてもよく、相互に係合する界面を有する。円筒形フランジの間にスペーサを設けて、軸受への前負荷を調節してもよい。
【0046】
円筒形フランジには、前記回転子のステージをひとつに結合する固定手段を受けるための、前記回転軸に平行に配置されるボスを設けることができる。
【0047】
機械の出力はディスクとハブであってもよい。ハブは、等速ハブ等の便利な駆動形態を含んでいても、単なるスプライン軸を含んでいてもよい。用途に応じて、三脚カップが設けられてもよい。好都合な点として、ディスクは前記固定手段によって回転子の前記ボスに連結可能である。好ましくは、軸受は2つの軸受からなり、一方は固定子のフランジの片側にあり、それによって回転子のステージの固定子に関する軸方向の位置が決定される。
【0048】
前記環状ハウジングは軸方向の界面を有していてもよく、これによって少なくとも2つのこのような機械を、共通の回転軸を共有するようにひとつに連結できる。連結された機械の回転子そのものは、隣接する回転子のボスを通じて延びる固定手段によって相互に連結可能であり、それらの間にスペーサが配置される。これによって、より大きなトルク容量の機械が提供される。
【0049】
機械の露出端は、好ましくは環状ハウジングに適合されたカバーによって覆われ、少なくとも1つは中央に開口部を有し、そこから前記出力が延びるようになされる。
【0050】
機械がモータで、好ましくはモータの少なくとも2つが横並びに連結されている場合、そのうちの少なくとも2つが独立した回転子であり、それぞれに出力が設けられる。この場合、2つの出力がそこから延びるような前記中央開口部の設けられた各カバーが提供される。実際に、本発明のある態様は、上記のモータを備える自動車を提供し、自動車の異なる側で、各出力から車輪までの駆動シャフトを有する。この場合、回転子は独立して設置され、いかなる変更も不要である。
【0051】
本発明の他の態様により、上記の態様のいくつかまたは全部を取り入れた電気機械が提供され(これらは、相互に排除的ではない)、このような組み合わせは当業者にとって明らかである。具体的な実施形態の以下の説明に、上記の各種の態様が含まれていたり、含まれていなかったりするかもしれないが、そのことは重大でないと理解するものとする。
【0052】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながらさらに説明する。