(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の盗難防止装置では、当該盗難防止装置を作業機に装着すると共に設定記憶媒体を組み込むことによって後付けでも盗難防止機能を作業機に追加することができる。しかしながら、この盗難防止装置では、エンジンを始動する信号を出力するための信号ラインにリレーなどのスイッチを設ける必要があり、作業機を改造しなければ、盗難防止機能を作業機に追加することができないのが実情である。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、簡単に盗難防止の機能を後付け追加することができる作業機、作業機の盗難防止システム及び作業機用制御装置のプログラムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、エンジンキーによってエンジン作動を許可する許可モードと前記エンジンキーによるエンジン作動を禁止する禁止モードとを備えた作業機用制御装置を備えた作業機であって、前記作業機制御装置は、当該作業機用制御装置に後付け盗難防止装置が接続されたときに許可モードから禁止モードに切り換える切換手段と、前記禁止モードでは前記盗難防止装置からの指令に基づいてエンジン作動を許可するエンジン作動手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記エンジン作動手段は、前記盗難防止装置からの指令に基づいてエンジン作動の1つであるエンジン始動を許可することを特徴とする。
請求項3に係る発明では、エンジンキーによってエンジン作動を許可する許可モードと前記エンジンキーによるエンジン作動を禁止する禁止モードとを備えた作業機用制御装置を備えた作業機と、前記作業機用制御装置に接続される後付け盗難防止装置とを備えた作業機の盗難防止システムであって、前記作業機用制御装置は、当該作業機用制御装置に後付け盗難防止装置が接続されたときに許可モードから禁止モードに切り換える切換手段と、前記禁止モードでは前記盗難防止装置からの許可指令に基づいてエンジン作動を許可するエンジン作動手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記エンジン作動手段は、前記盗難防止装置からの指令に基づいてエンジン作動の1つであるエンジン始動を許可することを特徴とする。
請求項5に係る発明では、エンジンキーによってエンジン作動を許可する許可モードと前記エンジンキーによるエンジン作動を禁止する禁止モードとを備えた作業機用制御装置のプログラムであって、
前記作業機用制御装置に、後付けの盗難防止装置が接続されたときに許可モードから禁止モードに切り換えるステップと、前記禁止モードでは前記盗難防止装置からの許可指令に基づいてエンジン作動を許可するステップとを実行させることを特徴とする。
本発明の最も好ましい技術的手段は以下の通りである。
本発明の作業機は、エンジンキーによってエンジン作動を許可する許可モードと前記エンジンキーによるエンジン作動を禁止する禁止モードとを備え且つ車両用通信ネットワークに接続可能な作業機用制御装置と、前記車両用通信ネットワークに接続可能な後付け盗難防止装置と、を備え、前記作業機制御装置は、前記後付け盗難防止装置が前記車両用通信ネットワークに接続された際に、前記許可モードから禁止モードに切り換える切換手段を実現する切換プログラムを前記後付け盗難防止装置から取得する手段と、前記後付け盗難防止装置が前記車両用通信ネットワークに接続された際に、前記禁止モードでは前記盗難防止装置からの指令に基づいてエンジン作動を許可するエンジン作動手段を実現する作動プログラムを前記後付け盗難防止装置から取得する手段と、を有し、前記切換手段は、前記車両用通信ネットワークへの前記後付け盗難防止装置の接続を検出後に許可モードから禁止モードに切り換え、前記禁止モードは、前記車両用通信ネットワークから前記後付け盗難防止装置が取り外しされたとしても、保持される。
本発明の作業機の盗難防止システムは、エンジンキーによってエンジン作動を許可する
許可モードと前記エンジンキーによるエンジン作動を禁止する禁止モードとを備え且つ前記作業機に設けられた車両用通信ネットワークに接続可能な作業機用制御装置と、前記車両用通信ネットワークを介して前記作業機用制御装置に接続可能で且つ、前記切換プログラム及び前記作動プログラムを有する後付け盗難防止装置と、を備え、前記作業機制御装置は、前記後付け盗難防止装置が前記車両用通信ネットワークに接続された際に、前記許可モードから禁止モードに切り換える切換手段を実現する切換プログラムを前記後付け盗難防止装置から取得する手段と、前記後付け盗難防止装置が前記車両用通信ネットワークに接続された際に、前記禁止モードでは前記盗難防止装置からの指令に基づいてエンジン作動を許可するエンジン作動手段を実現する作動プログラムを前記後付け盗難防止装置から取得する手段と、を有し、前記切換手段は、前記車両用通信ネットワークへの前記後付け盗難防止装置の接続を検出後に許可モードから禁止モードに切り換え、前記禁止モードは、前記車両用通信ネットワークから前記後付け盗難防止装置が取り外しされたとしても、保持される。
前記後付け盗難防止装置は、前記車両用通信ネットワークに接続可能で且つ識別コードを有するデータ通信装置と、前記データ通信装置と無線通信が可能で且つ識別コードを有する外部機器とを含み、前記データ通信装置と前記外部機器との無線通信時に、当該データ通信装置の識別コードと前記外部機器の識別コードとの照合が行われ、照合成立後に前記外部機器が有する前記切換プログラム及び前記作動プログラムを前記データ通信装置に送信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1、請求項3及び請求項5に係る発明によれば、作業機用制御装置が許可モードであるときは、エンジンキーを用いて作業機のエンジン作動を簡単に行うことができる一方で、盗難防止装置を接続して禁止モードにすれば、当該盗難防止装置からの指令にのみエンジンを作動できるようになり、簡単に盗難防止機能を新たに作業機に追加することができる。
【0011】
請求項2及び4に係る発明によれば、エンジンの始動の許可や禁止を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、作業機の盗難防止システムの全体図を示したものである。
作業機の盗難防止システムでは、バックホー、トラクタ、コンバイン等の作業機1に、後付け盗難防止装置(追加盗難防止装置)40を装着することによって、例えば、製造時に盗難防止装置の機能を有しない作業機1に盗難防止機能を追加するものである。まず、バックホーを例にとり、作業機の構成について説明する。
【0014】
図4は作業機の全体図を示している。
図4に示すように、作業機1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とを備えている。走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータで動作するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
【0015】
旋回体3は、走行装置2上に旋回ベアリング11を介して上下方向の旋回軸回りに左右旋回自在に支持された旋回台12と、該旋回台12の前部に備えられた作業装置13(掘削装置)とを有している。旋回台12上には、エンジン,ラジエータ,運転席9,燃料タンク,作動油タンク,作動油タンクからの作動油を制御する制御弁等が設けられている。運転席9の周囲には、作業機1に関する様々な情報を表示する表示装置が設けられている。運転席9は、旋回台12上に設けられたキャビン14により囲まれている。
【0016】
作業装置13は、旋回台12の前部に左右方向の中央部よりやや右寄りにオフセットして設けられた支持ブラケット16に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、該スイングブラケット17に基部側を左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持されたブーム18と、該ブーム18の先端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられたバケット20とを備えている。
【0017】
スイングブラケット17は、旋回台12内に備えられたスイングシリンダの伸縮によって揺動され、ブーム18は、該ブーム18とスイングブラケット17との間に介装されたブームシリンダ22の伸縮によって揺動され、アーム19は、該アーム19とブーム18との間に介装されたアームシリンダ23の伸縮によって揺動され、バケット20は、該バケット20とアーム19との間に介装されたバケットシリンダ21の伸縮によってスクイ・ダンプ動作される。
【0018】
各シリンダ(スイングシリンダ、ブームシリンダ22、アームシリンダ23バケットシリンダ21)は、制御弁によって流量が制御された作動油によって動作するようになって
いる。
図1は、作業機の盗難防止システムの全体図を示したものである。
作業機1には、例えば、主に作業機の制御を行うメイン制御装置30やエンジンの制御を行うエンジン制御装置等の複数の制御装置が設けられている。以降、作業機に搭載される制御装置のことを作業機用制御装置という。各作業機用制御装置は、Controller Area Network(CAN通信)などの車両用通信ネットワークNを介してデータの送受信が行えるようになっている。車両用通信ネットワークは、FlexRay(フレックスレイ)であっても、その他のネットワークであってもよい。複数の作業機用制御装置のうち、少なくとも1つの作業機用制御装置(例えば、メイン制御装置30)には、作業機1の盗難防止を行うための機能が具備されている。以下、メイン制御装置30を例にとり、盗難防止について説明する。
【0019】
メイン制御装置30は、CPU等から構成されていて、作業機1に備えられた各種装置(走行装置、作業装置など)を制御したり、作業機1の盗難防止を行うことが可能である。例えば、メイン制御装置30は、走行2速制御、アンロード切換制御、作動油制御などを行うことが可能である。
走行2速制御は、走行装置2を高速と低速とに切り換える走行2速スイッチ32からのオン又はオフの入力信号に基づいて、走行装置2を高速と低速とに切り換える制御である。アンロード切換制御は、運転席9の側方に設けられたレバーロックスイッチ33からのオン又はオフの入力信号に基づいて、ポンプから吐出された作動油を制御弁に供給可能と供給不能とに切り換える制御である。作動油制御は、運転席9等に設置された操作レバー34等の操作量に基づき制御弁を制御し、各シリンダに供給する作動油の流量等を制御する。このように、メイン制御装置30によって走行2速制御、アンロード切換制御、作動油制御を行うことにより各種装置を作動させるようになっている。なお、メイン制御装置30は、各種装置を制御するものであればよく、例示した制御に限定されない。
【0020】
さて、メイン制御装置30は、許可モードと、禁止モードとを備えている。この許可モード及び禁止モードは、メイン制御装置30に格納されたプログラム等によって構成されている。
許可モードとは、作業機1のエンジンを始動させるためのエンジンキーによってエンジンの作動(エンジン作動ということがある)を許可するモードである。この許可モードでは、例えば、作業機1のエンジンを始動させるときに、エンジンキーをキーシリンダに挿入して当該エンジンキーの回転操作によりスタータスイッチ35をオフからオンすると、スタータリレー36にエンジン始動の信号を出力して、エンジンの始動を行う。上述した許可モードでは、エンジンキーが正規のものであれば、作業機のエンジン始動を許可し、不正のものであれば、作業機のエンジン始動を許可しない。
【0021】
メイン制御装置30は、後述するように盗難防止装置40が接続されていない状態(デフォルト状態)では、許可モードに保持されていて、エンジンキーによるエンジン作動を許可できるようにしている。なお、エンジン作動の1つであるエンジン始動は、エンジンキーをキーシリンダに挿入してスタータリレー36をオンするような機械式(キーシリンダ式)に限定されず、無線通信によってエンジン始動を許可又は禁止にするスマートエントリー式であってもよい。
【0022】
禁止モードとは、エンジンキーによるエンジン作動の許可は行わず(エンジンキーによるエンジン作動の許可は禁止する)、エンジンキーとは別の装置からの信号によってエンジン作動を許可するものである。
例えば、作業機用制御装置30が外部からの信号(盗難防止装置40からの許可指令)を受信せずに、単にエンジンキーの操作によってスタータスイッチ35をオフからオンにしたとしても、禁止モードでは、スタータリレー36をオンせずエンジン始動を許可しない。つまり、禁止モードとは、盗難防止装置40からの許可指令を受けなければ、作業機のエンジンを作動することができないモードである。
【0023】
このようなメイン制御装置30には、許可モードと禁止モードとを切り換える切換手段41が具備されている。この切換手段41は、メイン制御装置30に格納されたプログラ
ム等によって構成されている。
具体的には、切換手段41は、盗難防止装置40が接続されたときにメイン制御装置30を許可モードから禁止モードに切り換える。例えば、車両用通信ネットワークNにメイン制御装置30と外部(作業機1の外部)とを繋ぐコネクタ42が設けられ、このコネクタ42に盗難防止装置40が接続されたことをメイン制御装置30が検出すると、切換手段41は、メイン制御装置30を許可モードから禁止モードに切り換え、禁止モードを保持する。コネクタ42から盗難防止装置40を取り外しても、メイン制御装置30のモードは禁止モードに保持される。
【0024】
切換手段41を実現するプログラム(切換プログラム)は、例えば、盗難防止装置40をメイン制御装置30に接続したときに、盗難防止装置40側からメイン制御装置30に送信されて当該メイン制御装置30内に格納された後、起動する。
なお、切換プログラムは、盗難防止装置40を接続する前に予めメイン制御装置30に格納しておいてもよい。例えば、予め定められた接続信号がメイン制御装置30に入力されたときに、許可モードから禁止モードに切り換えるという切換プログラムをメイン制御装置30に予め格納しておく。一方、盗難防止装置40側には、メイン制御装置30に接続したときに許可モードから禁止モードに切り換える接続信号をメイン制御装置30に送信するように構成しておく。
【0025】
さて、盗難防止装置40をメイン制御装置30に接続したときには、盗難防止装置40は、後述するエンジン作動手段43を実現するプログラム(作動プログラム)を、メイン制御装置30に送信する。メイン制御装置30は、作動プログラムを受信すると、当該作動プログラムを保存(格納)する。
エンジン作動手段43は、メイン制御装置30が禁止モードに保持されている状態において、盗難防止装置40からエンジン作動を許可を示す許可指令が当該メイン制御装置30に入力されると、例えば、スタータリレー36にエンジン始動の信号を出力して、エンジンの始動の許可を実行する。また、エンジン作動手段43は、メイン制御装置30が禁止モードに保持されている状態において、盗難防止装置40から許可指令が当該メイン制御装置30に入力されないと、スタータリレー36にエンジン始動の信号を出力しない。即ち、エンジン作動手段43は、盗難防止装置40からの指令に基づいてエンジン作動の許可又は禁止を実行するもので、許可モードであるときのエンジン作動の許可又は禁止を実行するものとは別のものである。
【0026】
このように、本発明では、作業機に盗難防止装置40を接続し、デフォルト状態において許可モードとなっていたメイン制御装置30のモードを禁止モードにすることができる。そして、禁止モードにおいては、エンジンキーがあったとしても盗難防止装置40の指令に基づかなければ、エンジン作動を許可しないようにすることができ、これにより、作業機に盗難防止機能を追加することができる。
【0027】
以下、盗難防止装置40について詳しく説明する。
盗難防止装置40は、タブレットPC(TabletPC)や電話機能を有するスマートフォン(Smartphone)等であって持ち運びが容易な外部機器45と、この外部機器45と、作業機(メイン制御装置30)とのデータ通信を可能とするデータ通信機器46とから構成されている。
【0028】
データ通信機器46は、作業機1内の車両ネットワークNと外部機器45のネットワークとの間でデータ通信を可能にするものである。このデータ通信機器46は、例えば、CAN通信上のデータをWiFi(登録商標)に対応するデータに変換して無線通信で外部機器45に送ったり、外部機器45から出力されたデータをCAN通信に対応するデータに変換してメイン制御装置30に送ることができるものである。また、データ通信機器46は、当該データ通信機器46を識別するための識別コードを備えており、この識別コードを用いて外部機器45とデータ通信機器46とのペアリングが成立すると、外部機器45とのデータ通信を行うことができる。外部機器45とデータ通信機器46とのペアリングは、予め外部機器45に登録した識別コードと、データ通信機器46の識別コードとを照合によって行われ、照合が成立すると、ペアリングが成立したとされる。この識別コー
ドはデータ通信機器46を所有するユーザのみが知ることができる情報であることが好ましく、例えば、SSID(Service Set Identifier)や暗号化キー(例えば、WEP,WPA,WPA2,WPS)である。なお、データ通信機器46と外部機器45とのデータ通信は無線で行うのが好ましいが、有線であってもよい。
【0029】
外部機器45には、盗難防止の機能を実現するための盗難防止プログラムが格納されている。盗難防止プログラムは、外部機器45に格納されたアプリ(Application software)等で構成されたもので、外部機器45を所有するユーザが盗難防止プログラムを含むアプリを、管理するサーバ等からダウンロードすることによって取得することができる。盗難防止プログラムを含むアプリを取得するためには、アプリをダウンロードするために予めアプリを管理する管理会社等にユーザ登録を行う必要がある。盗難防止プログラムは、作業機1を製造する製造会社、作業機の販売をする販売会社或いは作業機のメンテナンスなどを行う修理会社などが製作し、サーバ等によってダウンロードできるようにすることが好ましい。
【0030】
外部機器45は、当該外部機器45に記録されたIDコード(第1コードという)と、当該外部機器45に入力されたIDコード(第2コード)とを照合する照合手段47と、第1コードと第2コードとの照合が成立したときにエンジン始動の許可を示す指令(許可指令)をメイン制御装置30(作業機1)に出力する出力手段48とを備えている。照合手段47や出力手段48は上述した盗難防止プログラム等から構成されている。
【0031】
第1コードは、外部機器45に記録(保存)することができるようになっている。第1コードの保存を行うには、まず、外部機器45に格納された盗難防止プログラムを起動し、様々な操作により、例えば、
図2(a)に示すように、外部機器45の画面にIDコードの登録画面R1を表示する。その後、ユーザなどが登録画面R1上にIDコードを入力して登録画面R1上の完了ボタン(Enter)を押すと、外部機器45に登録画面R1に入力した第1コードが当該外部機器45に保存される。第1コードは、例えば、外部機器45を有するユーザが所有する作業機に設定された固有番号等であることが好ましい。
【0032】
第2コードを外部機器45に入力するには、まず、第1コードを記録後、外部機器45の盗難防止プログラムを起動し、例えば、
図2(b)に示すように、外部機器45の画面にIDコードの入力画面R2を表示する。ユーザなどが入力画面R2上にIDコードを入力して入力画面R2上の完了ボタン(Enter)を押すことにより第2コードの入力を完了することができる。第2コードの入力が完了すると、照合手段47によって第1コードと第2コードとの照合が行われ、照合が成立すると、出力手段48によって許可指令がデータ通信機器46に出力される。
【0033】
図3は、盗難防止装置40を作業機に接続してエンジンを始動するまでの手順を示したものである。なお、外部機器45には、作動プログラムを含む盗難防止プログラムが既に格納され、第1コードの記録がなされているものとする。また、メイン制御装置30には切換プログラムが既に格納されているものとする。また、
図3の「S」はステップを示す記号である。
【0034】
まず、作業機側のコネクタ42にデータ通信機器46を接続すると、データ通信機器46(盗難防止装置40)を接続したという接続信号がメイン制御装置30に入力される(S1)。メイン制御装置30は、データ通信機器46からの接続信号を受信して、切換手段41によりメイン制御装置30を許可モードから禁止モードに切り換える(S2)。
一方、外部機器45はデータ通信機器46に識別コードを要求し(S3)、データ通信機器46は外部機器45の要求に対応してデータ通信機器46に保存されている識別コードを外部機器45に出力する(S4)。外部機器45がデータ通信機器46から識別コードを受信すると、データ通信機器46から出力した識別コードと外部機器45に格納された識別コードとの照合を行い(S5)、照合が成立すると、外部機器45はデータ通信機器46とのデータ通信を許可する(S6)。S6に示したように外部機器45とデータ通信機器46とのペアリングが成立した状況下で、外部機器45とメイン制御装置30との接続が初めてである場合、外部機器45は作動プログラムを、データ通信機器46を介してメイン制御装置30に送信する(S7)。メイン制御装置30が作動プログラムを受信
すると、メイン制御装置30は作動プログラムを内部に格納する(S8)。なお、外部機器45とメイン制御装置30との接続が初めでない場合、即ち、既にメイン制御装置30に作動プログラムが内部に格納されている場合は、S7及びS8は省略される。
【0035】
作動プログラムが格納された後は、メイン制御装置30が禁止モードであれば自動的に作動プログラムが実行される。作動プログラムが実行されると、メイン制御装置30は、データ通信機器46(外部機器45)からのエンジン始動を許可する許可指令があるまで待機し、待機中はエンジン始動を行わない。
このように、メイン制御装置30は、データ通信機器46をコネクタ42に接続することにより禁止モードになると共に、外部機器45から送信された作動プログラムがメイン制御装置30内に格納されることになる。
【0036】
メイン制御装置30が禁止モードになり且つ当該メイン制御装置30に作動プログラムが追加された状態において、ユーザ等が外部機器45の盗難防止プログラムを起動して、外部機器45の画面に表示された入力画面R2にIDコード(第2コード)を入力すると、外部機器45の照合手段47によって、第2コードと第1コードとの照合が行われる(S9)。そして、第1コードと第2コードとの照合が成立すると、出力手段48によって許可指令がデータ通信機器46に送信され(S10)、データ通信機器46はメイン制御装置30に許可指令を出力する(S11)。第1コードと第2コードとの照合が成立しない場合は、出力手段48は許可指令をデータ通信機器46に送信しない。
【0037】
メイン制御装置30は、禁止モードが保持されている状態でデータ通信機器46(外部機器45)からの許可指令があれば、エンジン作動手段43によって作業機1のエンジン始動が行われる(S12)。
図3では、盗難防止機能が追加されていない状態で、メイン制御装置30に切換プログラムが格納されていることを前提に説明したが、切換プログラムを含む盗難防止プログラムを外部機器45にダウンロードしておき、ダウンロードした切換プログラムをメイン制御装置30に追加するようにしてもよい。
【0038】
切換プログラムをメイン制御装置30に追加する場合には、まず、データ通信機器46をコネクタ42に接続する前に、上述したS3〜S6に示すように、外部機器45とデータ通信機器46とのペアリングを成立させて、相互間のデータ通信を行える状態にしておく。次に、外部機器45とデータ通信機器46との間でデータ通信が行える状態において、外部機器45とメイン制御装置30との接続が初めてである場合は、外部機器45は切換プログラムをデータ通信機器46を介してメイン制御装置30に送信する。メイン制御装置30が切換プログラムを受信すると、当該メイン制御装置30の切換プログラムが実行されて、このメイン制御装置30は、許可モードから禁止モードに切り換えられる。なお、切換プログラムがメイン制御装置30に予め格納されていない場合であっても、作動プログラムの格納等は上述したS7やS8と同様である。
【0039】
本発明によれば、例えば、ユーザが作業機1を購入した時点であって盗難防止装置40を取り付けていない状態、即ち、メイン制御装置30が許可モードであるときは、作業機の購入時に付属していたエンジンキーを用いて作業機1のエンジン始動を簡単に行うことができる。また、ユーザが所有する外部機器45に盗難防止プログラムをサーバ等からダウンロードし、データ通信機器46を作業機に接続すれば、エンジンキーによるエンジン始動を不能とし、外部機器45等を用いなければ作業機1のエンジンを始動することができない盗難防止機能を新たに作業機に追加することができる。
【0040】
上述した実施形態では、盗難防止装置40をデータ通信機器46と外部機器45とで構成していたが、盗難防止装置40は、データ通信機器46と外部機器45とを一体化したものであってもよい。
また、上述した実施形態では、盗難防止プログラム(アプリ)を起動した後、ユーザが入力画面R2上で第2コードを入力して、第2コードと第1コードとの照合を行っていたが、これとは別に盗難防止プログラムを起動させるためのユーザ特有の暗号コードを外部機器45に入力するようにし、暗号コードの照合が成立したときのみ、盗難防止プログラムを起動できるようにすることが好ましい。このようにすれば、暗号コードの照合の成立
が無い限り、盗難防止プログラムを起動することができないため、より盗難防止効果を高めることができる。
【0041】
また、上述した実施形態では、外部機器45の画面にIDコードの登録画面R1を表示し、ユーザなどが登録画面R1上にIDコードを入力することによって第1コードを記録するようにしていたが、盗難防止プログラム(アプリ)をサーバからダウンロードしたときに、サーバが第1コードを自動的に発行して盗難防止プログラムと共に第1コードを外部機器45に記録させるようにしてもよい。この場合、外部機器45は、例えば、データ通信機器46と外部機器45とのペアリングが成立した後に、アプリのダウンロード時に取得した第1コードを第2コードとしてデータ通信機器46に出力し、データ通信機器46が第2コードを保存してもよい。第1コードと第2コードの照合は、外部機器45がデータ通信機器46に第2コードを要求し、この要求に応じてデータ通信機器46から送信された第2コードと、予め盗難防止プログラムをダウンロードしたときに取得した第1コードとを照合することで行うことが好ましい。なお、サーバからダウンロードする1つの盗難防止プログラムに対して、複数のIDコード(第1コード)を登録することができるようにしてもよい。
【0042】
また、データ通信機器46と外部機器45とのペアリングの動作(識別コードの照合を行ったり、データ通信許可を行うプログラム)は、盗難防止プログラムと別のプログラムで構成してもよいが、盗難防止プログラムにペアリングの動作のためのプログラムを含めても良い。このようにすれば、盗難防止プログラムのアプリを外部機器45に格納しなければ、データ通信機器46と外部機器45とのペアリング、即ち、データ通信の許可が実行できないため、不正にデータ通信機器46と外部機器45との通信によりエンジン始動することを防止することができる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、後付け盗難防止装置40からの許可指令をメイン制御装置30が受信すると、エンジン作動手段43によって「エンジン始動」を許可していたが、エンジン作動手段43及び後付け盗難防止装置40の許可指令によるエンジン作動の許可は、「エンジン始動」に限定されない。例えば、エンジン作動中において、盗難防止装置40から定期的に許可指令をメイン制御装置30に向けて送信し、その許可指令を定期的にメイン制御装置30が受信しているときのみ、エンジン作動手段43による「エンジン作動の継続」を許可してもよい。また、エンジン作動中において、盗難防止装置40からの許可指令が途絶えたときには、エンジン作動手段43は、エンジン作動の許可を行わないようにすることによって「エンジン作動の停止」を行ってもよい。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、スタータリレー36のオン又はオフによってエンジン作動(始動)の許可や禁止を実行していたが、これに代え、エンジンに燃料を供給する燃料流路を開閉弁などを用いて開放又は閉鎖することによってエンジン作動(始動)の許可や禁止を行ってもよく、或いは、エンジン制御の実行又は停止によってエンジン作動(始動)の許可や禁止を行ってもよく、エンジン始動の許可又は禁止は、どのような方式であってもよい。
【0045】
上述した制御装置(例えば、メイン制御装置30)の制御は、上述したものに限定されず、適用する作業機によって各種制御を行えばよく、例えば、作業機がコンバインあれば、コンバインに適応した制御を行い、バックホーであれば、バックホーに適応した制御を行う。また、作業機1の盗難防止を行うための機能が具備される制御装置は、メイン制御装置30に限定されず、作業機1に搭載される制御装置であればどのようなものであってよく、例えば、エンジンを主に制御するエンジン制御装置であってもよい。
【0046】
上述した実施形態では、作業機用制御装置30は、盗難防止装置40から許可指令を受信することによってエンジンを始動していたが、これに代え、盗難防止装置40からの許可指令を受信後、エンジンキーの操作によってスタータスイッチ35をオフからオンにしたときのみ、エンジン始動の許可を実行してもよい。即ち、禁止モードでは、エンジンキ
ーによるスタータスイッチ35をオンする動作と、外部機器45等によって盗難防止装置40からの許可信号を受信する動作とがあったときに、エンジン始動の許可を行ってもよい。