(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記受信部がコンテンツデータの受信を開始してから約t秒(tは10≦t≦300となる実数)後に、前記所定の期間が経過したと判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかのコンテンツデータ管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、動画共有サイトから不正コンテンツを効率よく排除することができないという課題があった。
【0006】
本発明は、例えば、動画共有サイト等、ネットワーク上のサイトから不正コンテンツを効率よく排除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係るコンテンツデータ管理システムは、
ネットワークを介してユーザの端末から送信されるコンテンツデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたコンテンツデータをネットワーク上のサイトに公開する公開部と、
コンテンツデータに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出処理を実行して、前記受信部により受信されたコンテンツデータに所定の情報が電子透かしとして埋め込まれていれば、当該コンテンツデータから前記所定の情報を検出する検出部と、
所定の期間が経過するまでに、前記受信部により受信されたコンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出されていれば、当該コンテンツデータを公開しないよう前記公開部を制御し、前記所定の期間が経過するまでに、当該コンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出されていなければ、当該コンテンツデータを公開するよう前記公開部を制御する制御部とを備える。
【0008】
前記検出部は、電子透かし検出処理として、コンテンツデータを構成する複数のフレームデータのそれぞれに埋め込まれた電子透かしを検出する処理を実行し、
前記制御部は、前記所定の期間が経過するまでに、前記受信部により受信されたコンテンツデータの一部のフレームデータについて前記検出部により電子透かし検出処理の実行が完了せず、かつ、当該コンテンツデータの複数のフレームデータのうち、前記検出部により電子透かし検出処理の実行が完了したフレームデータから前記所定の情報が検出されていなければ、当該コンテンツデータを公開するよう前記公開部を制御するとともに、電子透かし検出処理の実行を継続するよう前記検出部を制御し、前記一部のフレームデータのいずれかから前記検出部により前記所定の情報が検出された場合、前記公開部により公開されたコンテンツデータを前記サイトから削除する。
【0009】
前記制御部は、前記受信部がコンテンツデータの受信を開始してから約t秒(tは10≦t≦300となる実数)後に、前記所定の期間が経過したと判断する。
【0010】
前記制御部は、前記受信部がコンテンツデータの受信を完了したときに、前記所定の期間が経過したと判断する。
【0011】
前記制御部は、前記検出部が電子透かし検出処理の実行を完了したときに、前記所定の期間が経過したと判断する。
【0012】
前記検出部は、前記公開部により公開されたコンテンツデータについて電子透かし検出処理を実行し、
前記制御部は、前記公開部により公開されたコンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出された場合、当該コンテンツデータを前記サイトから削除する。
【0013】
前記所定の情報は、コンテンツデータの提供者に関する情報を含み、
前記コンテンツデータ管理システムは、さらに、
前記受信部により受信されたコンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出された場合、前記所定の情報に基づいて、当該コンテンツデータの前記サイトへの公開が防止又は停止されたことを報告するレポートを作成し、ネットワークを介して当該コンテンツデータの提供者の端末に送信する報告部を備える。
【0014】
前記所定の情報は、コンテンツデータの提供者に関する情報を含み、
前記コンテンツデータ管理システムは、さらに、
前記受信部により受信されたコンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出された場合、前記所定の情報に基づいて、当該コンテンツデータの前記サイトへの公開が防止又は停止されたことへの対価を当該コンテンツデータの提供者に課金する課金部を備える。
【0015】
前記所定の情報は、コンテンツデータの属性に関する情報を含み、
前記コンテンツデータ管理システムは、さらに、
コンテンツデータの利用者ごとに、提供を受けられるコンテンツデータの属性を示す利用者情報を予め記憶する記憶部と、
前記受信部により受信されたコンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出される度に、前記所定の情報を履歴情報として蓄積する蓄積部と、
前記記憶部に記憶された利用者情報と前記蓄積部に蓄積された履歴情報とを比較し、比較結果に基づいて、コンテンツデータの利用者の中から、コンテンツデータを前記サイトに公開しようとした利用者を特定する特定部とを備える。
【0016】
本発明の一の態様に係るプログラムは、
コンピュータを、
ネットワークを介してユーザの端末から送信されるコンテンツデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたコンテンツデータをネットワーク上のサイトに公開する公開部と、
コンテンツデータに埋め込まれた電子透かしを検出する電子透かし検出処理を実行して、前記受信部により受信されたコンテンツデータに所定の情報が電子透かしとして埋め込まれていれば、当該コンテンツデータから前記所定の情報を検出する検出部と、
所定の期間が経過するまで、前記受信部により受信されたコンテンツデータの公開を保留するよう前記公開部を制御し、前記所定の期間が経過したときに、(1)当該コンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出されていれば、当該コンテンツデータを公開しないよう前記公開部を制御し、(2)当該コンテンツデータから前記検出部により前記所定の情報が検出されていなければ、当該コンテンツデータを公開するよう前記公開部を制御する制御部として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一の態様において、コンテンツデータ管理システムは、所定の期間が経過したときに、コンテンツデータから所定の情報が検出されていれば、コンテンツデータを公開しないようにし、コンテンツデータから所定の情報が検出されていなければ、コンテンツデータを公開するようにする。そのため、本発明の一の態様によれば、動画共有サイト等、ネットワーク上のサイトから不正コンテンツを効率よく排除することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る不正コンテンツ排除サービスのしくみを示す図である。
【0021】
図1において、コンテンツ提供者であるX社は、ケーブルTV(テレビ)会社であるA社やB社、インターネット配信会社であるC社、衛星放送会社であるD社等へコンテンツを有償で提供する。A社、B社、C社、D社等は、提供されたコンテンツを放送又は配信する。一般加入者であるP氏、Q氏、R氏等は、放送又は配信されたコンテンツを有償で視聴する。
【0022】
一般加入者の中には、P氏のように、放送又は配信されたコンテンツをPC300(パーソナルコンピュータ)に取り込んで、インターネットの動画共有サイトに不正にアップする者がいる。このようにアップされた不正コンテンツが放置されると、コンテンツ提供者であるX社等の利益が損なわれることになる。そこで、本実施の形態では、コンテンツ提供者であるX社が、動画共有サイト運営者であるW社と契約を結び、W社が提供する不正コンテンツ排除サービスを利用する。
【0023】
X社は、入会金を支払うことにより、W社の不正コンテンツ排除サービスに入会する。W社は、不正コンテンツ排除サービスの会員となったX社に対し、会員番号を発行するとともに、電子透かし埋め込み装置200、マニュアル201(電子透かし埋め込み手順書)等を送付する。電子透かし埋め込み装置200は、コンテンツが入力されると、そのコンテンツに電子透かしを埋め込む機能をもつソフトウェア、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせである。
【0024】
X社は、A社、B社、C社、D社等にコンテンツを提供する際に、そのコンテンツが重要な(動画共有サイトにアップされたくない、あるいは、インターネットに流したくない)ものであれば、電子透かし埋め込み装置200を用いて予めコンテンツに電子透かしを埋め込む。一方、重要でないコンテンツ(あるいは、番組宣伝等、むしろインターネットに積極的に流したいコンテンツ)には電子透かしを埋め込まない。X社が電子透かしを埋め込む場合、電子透かし埋め込み装置200は、例えば「共有NGマーク」(重要なコンテンツであることを示すフラグデータ)を電子透かしとして埋め込む。また、電子透かし埋め込み装置200は、コンテンツの提供元を識別するための情報(例えば不正コンテンツ排除サービスの会員番号)、コンテンツの提供先を識別するための情報(A社、B社、C社、D社等、それぞれで異なる)、コンテンツの属性(例えば番組のジャンルやタイトル、放送又は配信されたチャンネルや時間帯)を示す情報等を電子透かしとして埋め込む。このとき、電子透かし埋め込み装置200は、電子透かしを埋め込むためのキー情報として、例えばX社に発行された不正コンテンツ排除サービスの会員番号を利用する。なお、有効期間や利用回数が定められたキー情報をW社がX社に販売するという方式を採用してもよい。その場合、X社は必要に応じてキー情報をW社から購入することになる。
【0025】
W社は、コンテンツデータ管理システム100を設置する。コンテンツデータ管理システム100は、P氏を含む複数のユーザからコンテンツがアップされた際に、そのコンテンツについて電子透かし検出処理を行う。コンテンツデータ管理システム100は、コンテンツから「共有NGマーク」を検出した場合、そのコンテンツを動画共有サイトにアップしないようにする。また、コンテンツデータ管理システム100は、その場合、電子透かしとして埋め込まれている種々の情報を検出し、検出した情報を記録する。一方、コンテンツデータ管理システム100は、コンテンツから「共有NGマーク」を検出しなかった場合、そのコンテンツを動画共有サイトにアップする。
【0026】
W社は、コンテンツデータ管理システム100により記録された情報に基づいて、任意のタイミング(例えば月次)でレポート202を作成し、X社に送付する。このレポート202では、例えばアップを阻止した件数や日時、そのコンテンツがどこのケーブルTV/インターネット配信/衛星放送会社で放送又は配信されたものかが報告される。
【0027】
X社は、W社に対して、「共有NGマーク」付きのコンテンツが動画共有サイトにアップされるのを阻止してくれたことの対価として報酬を支払う。この報酬は、定額料金(例えば月会費制)でも従量料金(即ちスポット制)でも構わない。
【0028】
上記のようなしくみの導入により、以下のような様々な効果が得られる。
・動画共有サイトから不正コンテンツを排除することができるため、コンテンツ提供者の利益が守られる。
・動画共有サイト運営者にも不正コンテンツの判別が容易になる。
・自動的に不正コンテンツを検出することが可能となるため、不正コンテンツを探して消す、という人間の作業が不要になる。
・動画共有サイト運営者の新たな収益源となる。よって、不正コンテンツ排除のインセンティブが生まれ、新たなビジネスの創出となる。
・社会問題化した不正コンテンツの蔓延に一定の解決策が見出せる。
・不正コンテンツである旨の情報を映像の中に電子透かしとして挿入することができるので、不正コンテンツであることを客観的に明示することができる。そのため、例えば、不正コンテンツを記録しておけば、民事又は刑事裁判での物証として利用可能である。
【0029】
なお、ここでは、コンテンツが動画である場合について説明しているが、コンテンツが音楽、静止画等、動画以外のものであってもよい。また、ここでは、コンテンツ提供者であるX社が不正コンテンツ排除サービスに入会する場合について説明しているが、ケーブルTV会社であるA社やB社、インターネット配信会社であるC社、衛星放送会社であるD社等が不正コンテンツ排除サービスに入会してもよい。この場合も、前述したのと同様の効果が得られる。また、国民の個人情報や国家機密を含むようなコンテンツを保有する省庁、顧客又は社員の個人情報や企業秘密を含むようなコンテンツを保有する企業等が不正コンテンツ排除サービスに入会してもよい。この場合、コンテンツの流出を阻止することができるという効果が得られる。
【0030】
以下では、不正コンテンツ排除サービスの流れの具体例について説明する。
【0031】
図2及び
図3は、不正コンテンツ排除サービスの流れを示すフローチャートである。
図4は、レポート202の一例を示す図である。
【0032】
図2において、コンテンツ提供者であるX社は、ケーブルTV会社であるA社やB社、インターネット配信会社であるC社、衛星放送会社であるD社等にコンテンツYを提供するためにVTR(デジタルビデオ)をダビングする。コンテンツYはX社にとって重要なコンテンツなので、その際、X社は、電子透かし埋め込み装置200を用いて、電子透かしとしてコンテンツYの映像の中に「共有NGマーク」、「提供先の会社名(“A社”等)」、提供年月日、番組提供契約番号等のメタ情報を挿入する。また、X社は、コンテンツYのコピーをどの範囲で許容するかのコピー保護のレベルを定め、それをコンテンツYの番組提供契約の中に含める。
【0033】
次に、X社は、番組提供契約が記されている文書(紙でも電子でもよい)とコンテンツYが記録されているVTRとを、例えばA社に渡す。
【0034】
A社は、既存のコピー保護技術を用いて、X社から提供されたVTRに記録されているコンテンツYに、X社から受け取った文書に記されている番組提供契約と一致するコピー保護情報を付加する。「コピー保護情報」とは、「そのコンテンツのコピーをどの範囲で許容するかを示す情報」であり、例えば、「1回のみ許容」、「10回まで許容」、「無制限に許容」、「許容せず」等に、定めることができる。A社は、コピー保護情報を付加したコンテンツYを含む番組Zをオンエアする。
【0035】
図3において、A社のケーブルTV加入者であるP氏は、番組Zを視聴する。このとき、P氏は、家庭用DVD(Digital・Versatile・Disc)録画装置で番組ZをDVDに録画する。なお、P氏がDVDに録画できるか否かは、番組Zに含まれるコンテンツYのコピー保護情報により異なる。「許容せず」と設定されている場合には
、DVDへの録画はできない。「1回のみ許容」で家庭用DVD録画装置のハードディスクに録画済の場合には、ハードディスクに録画済のコンテンツYを削除し、DVDに移動することはできる。
【0036】
次に、P氏は、PC300を用いて、DVDに録画した番組Zをビデオ形式の動画ファイルに変換し、PC300のハードディスク等に保存する。
【0037】
次に、P氏は、PC300のハードディスク等から番組Zの動画ファイルをW社の動画共有サイトにアップする。
【0038】
動画共有サイト運営者であるW社は、P氏がアップしてきた動画ファイルをコンテンツデータ管理システム100の電子透かし検出処理にかけることで「共有NGマーク」を検出する。即ち、W社は、番組Zの動画が不正に動画共有サイトにアップされたことを検知する。
【0039】
次に、W社は、番組Zの動画ファイルを動画共有サイトにアップしないような処理を行うか、あるいは、番組Zの動画ファイルを動画共有サイトから削除する。
【0040】
次に、W社は、番組Zの動画ファイルを物証として記憶装置(ストレージ)に保存する。
【0041】
次に、W社は、コンテンツデータ管理システム100の電子透かし検出処理によって「共有NGマーク」とともに検出された「提供先の会社名(“A社”等)」、提供年月日、番組提供契約番号等の番組Zの動画ファイルに関する情報(メタ情報)を用いて、
図4に示すようなレポート202を作成する。
【0042】
次に、W社は、レポート202をX社に送付して、コンテンツYが不正に動画共有サイトにアップされたことを報告し、X社から不正コンテンツの排除作業の対価を受け取る。これを受けて、X社は、警察に物証とともに被害届を提出したり、A社に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0043】
なお、W社で行われる動作は、いずれもコンテンツデータ管理システム100によって自動的に行われることが望ましい。
【0044】
以下では、コンテンツデータ管理システム100の構成について説明する。
【0045】
図5は、コンテンツデータ管理システム100の構成を示すブロック図である。
【0046】
図5において、コンテンツデータ管理システム100は、受信部101、公開部102、検出部103、制御部104、蓄積部105(データベース)、報告部106、課金部107を備える。
【0047】
また、コンテンツデータ管理システム100は、処理装置191、記憶装置192、入力装置193、出力装置194等のハードウェアを備える。ハードウェアはコンテンツデータ管理システム100の各部によって利用される。例えば、処理装置191は、コンテンツデータ管理システム100の各部でデータや情報の演算、加工、読み取り、書き込み等を行うために利用される。記憶装置192は、そのデータや情報を記憶するために利用される。また、入力装置193は、そのデータや情報を入力するために、出力装置194は、そのデータや情報を出力するために利用される。
【0048】
受信部101は、ネットワークを介してユーザの端末から送信されるコンテンツデータを受信する。
【0049】
公開部102は、受信部101により受信されたコンテンツデータをネットワーク上のサイトのサーバに登録し、当該コンテンツデータをサイトで利用(視聴)可能な状態に処理装置191により設定する。即ち、公開部102は、受信部101により受信されたコンテンツデータをネットワーク上のサイトに公開する。
【0050】
検出部103は、電子透かし検出処理を処理装置191により実行する。本実施の形態では、コンテンツデータが複数のフレームデータ(ピクチャ)から構成される動画であるため、検出部103は、電子透かし検出処理として、それぞれのフレームデータに埋め込まれた電子透かしを検出する処理を実行する。これにより、検出部103は、受信部101により受信されたコンテンツデータに所定の情報が電子透かしとして埋め込まれていれば、当該コンテンツデータから所定の情報を検出する。このとき、当該コンテンツデータを構成する複数のフレームデータ間で、電子透かしとして埋め込まれている情報が異なっていれば、検出部103は、それぞれの情報を区別して検出する。
【0051】
制御部104は、所定の期間が経過するまでに、受信部101により受信されたコンテンツデータから検出部103により所定の情報が検出されていれば、当該コンテンツデータを公開しないよう公開部102を処理装置191により制御する。一方、制御部104は、所定の期間が経過するまでに、当該コンテンツデータから検出部103により所定の情報が検出されていなければ、当該コンテンツデータを公開するよう公開部102を処理装置191により制御する。これにより、ネットワーク上のサイトから不正コンテンツを効率よく排除することができる。
【0052】
蓄積部105は、受信部101により受信されたコンテンツデータから検出部103により所定の情報(コンテンツデータの属性に関する情報を含む)が検出される度に、所定の情報を履歴情報として記憶装置192により蓄積する。
【0053】
報告部106は、受信部101により受信されたコンテンツデータから検出部103により所定の情報(コンテンツデータの提供者に関する情報を含む)が検出された場合、その情報に基づいて、当該コンテンツデータのサイトへの公開が防止又は停止されたことを報告するレポート202を処理装置191により作成する。そして、報告部106は、作成したレポート202を、ネットワークを介して当該コンテンツデータの提供者の端末に送信する。
【0054】
課金部107は、受信部101により受信されたコンテンツデータから検出部103により所定の情報(コンテンツデータの提供者に関する情報を含む)が検出された場合、その情報に基づいて、当該コンテンツデータのサイトへの公開が防止又は停止されたことへの対価を当該コンテンツデータの提供者に課金する。
【0055】
図6は、コンテンツデータ管理システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0056】
図6において、コンテンツデータ管理システム100は、1つ又は複数のコンピュータからなり、LCD901(Liquid・Crystal・Display)、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(Compact・Disc・Drive)、プリンタ906といったハードウェアデバイスを備えている。これらのハードウェアデバイスはケーブルや信号線で接続されている。LCD901の代わりに、CRT(Cathode・Ray・
Tube)、あるいは、その他の表示装置が用いられてもよい。マウス903の代わりに、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール、ペンタブレット、あるいは、その他のポインティングデバイスが用いられてもよい。
【0057】
コンテンツデータ管理システム100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit)を備えている。CPU911は、処理装置191の一例である。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、LCD901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ906、HDD920(Hard・Disk・Drive)と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。HDD920の代わりに、フラッシュメモリ、光ディスク装置、メモリカードリーダライタ、あるいは、その他の記録媒体が用いられてもよい。
【0058】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、HDD920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置192の一例である。通信ボード915、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905は、入力装置193の一例である。また、通信ボード915、LCD901、プリンタ906は、出力装置194の一例である。
【0059】
通信ボード915は、LAN(Local・Area・Network)等に接続されている。通信ボード915は、LANに限らず、IP−VPN(Internet・Protocol・Virtual・Private・Network)、広域LAN、ATM(Asynchronous・Transfer・Mode)ネットワークといったWAN(Wide・Area・Network)、あるいは、インターネットに接続されていても構わない。LAN、WAN、インターネットは、ネットワークの一例である。
【0060】
HDD920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(識別子)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として含まれている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、RAM914やHDD920等の記録媒体に記憶される。RAM914やHDD920等の記録媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出、検索、参照、比較、演算、計算、制御、出力、印刷、表示といったCPU911の処理(動作)に用いられる。抽出、検索、参照、比較、演算、計算、制御、出力、印刷、表示といったCPU911の処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0061】
本実施の形態の説明において用いるブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。データや信号は、RAM914等のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク(FD)、CDD905のコンパクトディスク(CD)、HDD920の磁気ディスク、光ディスク、DVD、あるいは、その他の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912、信号線、ケーブル、あるいは、その他の伝送媒体により伝送される。
【0062】
本実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。即ち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、「〜部」として説明するものは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子、デバイス、基板、配線といったハードウェアのみで実現されていても構わない。あるいは、「〜部」として説明するものは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0063】
以下では、
図2及び
図3に示した例を用いて、コンテンツデータ管理システム100の動作(本実施の形態に係るコンテンツデータ管理方法、本実施の形態に係るプログラムの処理手順)の具体例について説明する。
【0064】
図7は、コンテンツデータ管理システム100の動作を示すフローチャートである。
【0065】
ステップS101において、受信部101は、インターネット(ネットワークの一例)を介してP氏(ユーザの一例)のPC300(端末の一例)から送信された番組Zの動画ファイル(コンテンツデータの一例)を受信する。
【0066】
ステップS102において、制御部104は、受信部101が動画ファイルの受信を開始すると、動画ファイルを構成する複数のフレームデータのうち、受信部101により受信されたフレームデータについて電子透かし検出処理を順次実行するよう検出部103を処理装置191により制御する。
【0067】
ステップS103において、検出部103は、予め設定されたt秒間、受信部101により受信されたフレームデータについて電子透かし検出処理を処理装置191により実行する。具体的には、まず、検出部103は、受信部101により受信された順番が1番目のフレームデータに電子透かしが埋め込まれているかどうか確認する。電子透かしが埋め込まれていれば、検出部103は、そのフレームデータから電子透かしを抽出し、その電子透かしに「共有NGマーク」(所定の情報の一例)が含まれているかどうか確認する。「共有NGマーク」が含まれていれば、検出部103は、「共有NGマーク」及びメタ情報を検出し、ステップS104に進む。一方、フレームデータに電子透かしが埋め込まれていないか、又は、電子透かしはあるが「共有NGマーク」が含まれていなければ、検出部103は、2番目以降のフレームデータについて同様の処理を順次行う。このとき、検出部103は、どのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了しているかを記憶装置192に記憶するものとする。受信部101が動画ファイルの受信を開始してからt秒経過するまでに検出部103が「共有NGマーク」を検出しなかった場合は、ステップS105に進む。また、t秒経過しないうちに、動画ファイルの全てのフレームデータについて検出部103により電子透かし検出処理の実行が完了した場合は、直ちにステップS105に進む。なお、t秒経過したかどうかの判断は、制御部104が処理装置191により行う。
【0068】
ステップS104において、制御部104は、動画ファイルを動画共有サイトに公開しないよう公開部102を処理装置191により制御し、ステップS109に進む。
【0069】
ここで、上記tは10≦t≦300となる実数であり、より望ましくは10≦t≦30であり、最も望ましくは10である(ただし、多少の誤差は許容される)。
【0070】
一般的な動画共有サイトにアップ可能な動画ファイルは長さが15分程度に制限されている。通常は、300秒あれば、15分程度の動画ファイルの全てのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了すると考えられる。しかし、上記tが長ければ長いほど、ステップS103に時間がかかり、後述するステップS105に進むのが遅くなるため、適正なコンテンツをアップしようとするユーザは自分のコンテンツが動画共有サイト上にアップされるまで長く待たされることになる。よって、上記tは短くすることが望ましい。通常は、10秒あれば少なくとも動画ファイルの先頭のフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了すると考えられる。そこで、上記tを10(あるいは、10〜30)に設定することで、動画ファイルの先頭のフレームデータ(あるいは、先頭から数個のフレームデータ)から「共有NGマーク」が検出されなければ、動画ファイルが不正コンテンツでないと推定し、後述するステップS105で動画ファイルを暫定的に動画共有サイト上にアップするという方法をとることができる。しかし、動画ファイルには「共有NGマーク」が埋め込まれているコンテンツと「共有NGマーク」が埋め込まれていないコンテンツとを混在させることもできるため、後述するステップS106では動画ファイルの残りのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行を継続する。そして、後述するステップS107でいずれかのフレームデータから「共有NGマーク」が検出されれば、動画ファイルが不正コンテンツであると判断し、後述するステップS108で暫定的にアップした動画ファイルを動画共有サイトから削除することにより、確実に不正コンテンツを排除できる。
【0071】
ステップS105において、制御部104は、t秒経過するまでに動画ファイルから「共有NGマーク」が検出されていないため、動画ファイルを動画共有サイトに公開するよう公開部102を処理装置191により制御する。
【0072】
ステップS106において、制御部104は、どのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了しているかを記憶装置192から読み出し、動画ファイルの全てのフレームデータについて検出部103により電子透かし検出処理の実行が完了しているかどうかを処理装置191により判断する。全てのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了していれば、受信部101により受信された動画ファイルが不正コンテンツではないことがわかるため、動作を終了する。動画ファイルの一部のフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了していなければ、制御部104は、電子透かし検出処理の実行を継続するよう検出部103を処理装置191により制御し、ステップS107に進む。
【0073】
ステップS107において、検出部103は、ステップS103と同様に、受信部101により受信されたフレームデータのうち、電子透かし検出処理の実行が完了していないフレームデータについて電子透かし検出処理を処理装置191により実行する。具体的には、まず、検出部103は、電子透かし検出処理の実行が完了していないフレームデータのうち、受信部101により受信された順番が1番目のフレームデータに電子透かしが埋め込まれているかどうか確認する。電子透かしが埋め込まれていれば、検出部103は、そのフレームデータから電子透かしを抽出し、その電子透かしに「共有NGマーク」が含まれていれば、検出部103は、「共有NGマーク」及びメタ情報を検出し、ステップS108に進む。一方、フレームデータに電子透かしが埋め込まれていないか、又は、電子透かしはあるが「共有NGマーク」が含まれていなければ、検出部103は、2番目以降のフレームデータについて同様の処理を順次行う。「共有NGマーク」が検出されないまま、動画ファイルの全てのフレームデータについて検出部103により電子透かし検出処
理の実行が完了した場合は、受信部101により受信された動画ファイルが不正コンテンツではないことがわかるため、動作を終了する。
【0074】
ステップS108において、制御部104は、公開部102により公開された動画ファイルを動画共有サイトから処理装置191により削除し、ステップS109に進む。
【0075】
ステップS109において、蓄積部105は、受信部101により受信された動画ファイルから検出部103により検出されたメタ情報を、現在時刻(即ち、動画ファイルのアップを阻止した日時)及びその他レポート202の作成に必要な情報(コンテンツの符号化形式、IPアドレス、ユーザがコンテンツをアップした時間帯等)とともに履歴情報として記憶装置192により蓄積する。このメタ情報には、例えば、X社の不正コンテンツ排除サービスの会員番号(コンテンツデータの提供者に関する情報の一例)、A社の会社名(コンテンツデータの提供者に関する情報の一例)、番組Zのジャンルやタイトル(コンテンツデータの属性に関する情報の一例)、番組Zが放送されたチャンネルや時間帯(コンテンツデータの属性に関する情報の一例)が含まれている。
【0076】
ステップS110において、報告部106は、受信部101により受信された動画ファイルから検出部103により検出されたメタ情報を記載して、動画ファイルの動画共有サイトへの公開が防止又は停止されたことを報告するレポート202を処理装置191により作成する。そして、報告部106は、作成したレポート202を、インターネットを介してX社の端末に送信する。これにより、X社は、A社に提供したコンテンツYが何者かによりW社の動画共有サイトにアップされた(あるいは、アップされそうになった)事実、及び、それが阻止された日時等を知ることができる。
【0077】
ステップS111において、課金部107は、受信部101により受信された動画ファイルから検出部103により検出されたメタ情報のうち、例えばX社の不正コンテンツ排除サービスの会員番号を参照して、X社に対する課金処理を処理装置191により行う。
【0078】
なお、ステップS101〜S111の順序は、上述したものに限らず、適宜変更することができる。また、複数のステップが並行して行われても構わない。
【0079】
また、ステップS103において、検出部103は、受信部101により受信された順番が1番目のフレームデータから順番に電子透かし検出処理を実行する代わりに、任意の順番で電子透かし検出処理を実行してもよい。例えば、t秒以内に、より確実に「共有NGマーク」を検出することができるフレームデータの位置(何番目か)が特定できるのであれば、先頭のフレームデータからではなく、特定の位置のフレームデータから電子透かし検出処理を実行するようにしてもよい。
【0080】
また、ステップS103において、制御部104は、t秒経過したかどうかを判断する代わりに、例えば、受信部101が動画ファイルの受信を完了したかどうかを判断してもよい。この場合、動画ファイルの受信が完了するまでに検出部103が「共有NGマーク」を検出すれば、ステップS104に進む。一方、動画ファイルの受信が完了するまでに検出部103が「共有NGマーク」を検出しなければ、ステップS105に進む。このようにすることで、適正なコンテンツをアップしようとするユーザは動画ファイルのアップロードにかかる時間(ユーザが必ず待たなければならない時間)だけ待てば自分のコンテンツが動画共有サイト上にアップされるため、長く待たされなくて済むようになる。
【0081】
あるいは、ステップS103において、制御部104は、t秒経過したかどうかを判断する代わりに、例えば、検出部103が動画ファイルの全てのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行を完了したかどうかを判断してもよい。この場合、動画ファイル
のいずれかのフレームデータから検出部103が「共有NGマーク」を検出すれば、ステップS104に進む。一方、動画ファイルのいずれのフレームデータからも検出部103が「共有NGマーク」を検出しなければ、ステップS105に進む。このようにすることで、ステップS106〜S108を不要とし、不正コンテンツが確実に動画共有サイト上にアップされないようにすることができる。
【0082】
また、ステップS107において、検出部103は、受信部101により受信された動画ファイルの全てのフレームデータについて電子透かし検出処理を処理装置191により実行してもよい。この場合、少なくとも一部のフレームデータについては電子透かし検出処理が再実行されることになるが、ステップS106を省略することができる。これに伴い、どのフレームデータについて電子透かし検出処理の実行が完了しているかを記憶装置192に記憶する必要がなくなるという効果が得られる。さらに、ステップS107〜S109を、毎日定時(例えば23時)に、その日に公開された動画ファイル全てについて、バッチ処理として行うようにしてもよい。この場合、ステップS101で1つの動画ファイルが受信されると、その動画ファイルに関する動作は、ステップS105で一旦終了する(ステップS104に進まない場合)。そして、同じ日の定時に、ステップS105で動作が終了した全ての動画ファイルに関して、ステップS107以降が行われる。
【0083】
上記のようにステップS107〜S109をバッチ処理として行う場合、コンテンツデータ管理システム100の他作業の負荷情報を考慮して、バッチ処理の稼動時間帯を設定することができる。誤って公開された不正コンテンツは、毎日定時にバッチ処理を行うときは、公開から少なくとも24時間以内には削除される。前述したように、例えば、ユーザから、適法なコンテンツ(例えば、ユーザ自らが撮影した動画)の後に「共有NGマーク」付きの不正コンテンツをつなぎ合わせた動画ファイルがアップされたとき、ステップS103ではt秒以内に「共有NGマーク」が検出できず、ステップS105で動画ファイルを公開してしまう場合がある。そのような場合に対処するため、ステップS107で動画ファイルの全てについて「共有NGマーク」の検出を行い、ステップS108で不正コンテンツの一括削除を行うことにより、効率的な不正コンテンツ排除処理を実現できる。
【0084】
また、ステップS110において、報告部106は、例えば月ごとに、蓄積部105からX社のコンテンツに係る当月の履歴情報を読み出し、読み出した履歴情報に含まれるメタ情報をまとめて記載したレポート202を作成してもよい。この場合も、報告部106は、作成したレポート202を、インターネットを介してX社の端末に送信する。これにより、X社は、当月において、A社、B社、C社、D社等のうち、どこに提供したどのようなコンテンツがW社の動画共有サイトにアップされた(あるいは、アップされそうになった)か、及び、それが阻止された日時等を知ることができる。
【0085】
同様に、ステップS111において、課金部107は、例えば月ごとに、蓄積部105からX社のコンテンツに係る当月の履歴情報を読み出し、読み出した履歴情報に含まれるメタ情報を参照して、不正コンテンツ排除サービスの会員に当月分の課金をしてもよい。
【0086】
本実施の形態では、動画ファイルの公開を阻止する処理(ステップS104)及び公開済の動画ファイルを削除する処理(ステップS108)を組み合わせることにより、コンテンツデータ管理システム100の負荷やユーザの操作性を考慮した不正コンテンツ排除処理を行うことができる。
【0087】
仮に不正コンテンツ排除処理をステップS103〜S105のみで行おうとした場合、適法なコンテンツをアップしようとするユーザに対しても、全てのフレームデータについて「共有NGマーク」の検出処理が終わるまで待つのを強いることになり、ユーザの操作
性が悪化し、コンテンツデータ管理システム100の負荷が増大する。一方、仮に不正コンテンツ排除処理をステップS107,S108のみで行おうとした場合、全ての不正コンテンツが最大24時間、公開されてしまうことになり、不正コンテンツの流出防止効果が小さくなる。そのため、ステップS103〜S105とステップS107,S108との2種類の処理を組み合わせ、t(秒)を任意に設定することにより、不正コンテンツ排除処理の強度とユーザの利便性とのバランスを調整することができる。
【0088】
不正コンテンツ排除サービスとして、「共有NG」とするコンテンツのサンプル(コンテンツの一部分)を予め動画共有サイト(W社)に登録しておき、サンプルと比較することで、不正コンテンツを検出するものがある。このサンプルを用いた検出方法と比較して、本実施の形態における電子透かしを用いた検出方法には、以下のような有利な効果がある。
・情報機密性の確保:サンプルを用いた検出方法では、コンテンツの一部分を動画共有サイトに登録する必要があるため、機密性の高いデータについても動画共有サイトへのサンプル提供が必要となる。一方、本実施の形態の電子透かしを用いた検出方法では、電子透かしのメタ情報に含まれる情報のみを動画共有サイトに提示すればよく、コンテンツそのものを提供する必要はない。
・処理の効率化:サンプルを用いた検出方法では、コンテンツごとに個別のサンプルを登録しておく必要がある。一方、本実施の形態の電子透かしを用いた検出方法では、コンテンツごとに個別の情報を登録しておく必要はない。レポート作成処理のため、コンテンツ提供者(X社)から動画共有サイト(W社)に対して、メタ情報を提供する必要があるが、それもメタ情報の登録内容を変更するときだけでよいので、データ送信を頻繁に行う必要はない。
【0089】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0090】
図8は、本実施の形態に係るコンテンツデータ管理システム100の構成を示すブロック図である。
【0091】
図8において、コンテンツデータ管理システム100は、
図5に示した実施の形態1と同様の構成要素に加えて、記憶部108(データベース)、特定部109を備える。
【0092】
記憶部108は、コンテンツデータの利用者ごとに、提供を受けられるコンテンツデータの属性を示す利用者情報を予め記憶装置192により記憶する。
【0093】
特定部109は、記憶部108に記憶された利用者情報と蓄積部105に蓄積された履歴情報とを処理装置191により比較する。そして、特定部109は、その比較結果に基づいて、コンテンツデータの利用者の中から、コンテンツデータをサイトに公開しようとした利用者を特定する。
【0094】
以下では、
図7に示した例を用いて、コンテンツデータ管理システム100の動作(本実施の形態に係るコンテンツデータ管理方法、本実施の形態に係るプログラムの処理手順)の具体例について説明する。
【0095】
記憶部108は、P氏を含むA社(コンテンツデータの提供者の一例)のケーブルTV加入者(コンテンツデータの利用者の一例)ごとに、A社との契約により視聴可能なチャンネル等(コンテンツデータの属性の一例)を示す利用者情報を予め記憶装置192により記憶する。
【0096】
特定部109は、蓄積部105からX社のコンテンツに係る履歴情報を読み出し、読み出した履歴情報に含まれるメタ情報のうち、「提供先の会社名(“A社”等)」、番組のジャンルやタイトル、番組が放送又は配信されたチャンネルや時間帯等を参照する。そして、特定部109は、参照した情報をキーとして記憶部108を処理装置191により検索して、A社のケーブルTV加入者の中から、X社のコンテンツを動画共有サイトに公開しようとした者を特定する。ここで、「特定する」とは、1人のケーブルTV加入者を特定する場合に限らず、A社のケーブルTV加入者の中から少数の候補を特定する(候補を絞る)場合を含むものとする。A社は、特定部109が特定したケーブルTV加入者に対し、注意を促す等の処置をとることが可能となる。
【0097】
なお、特定部109は、履歴情報を読み出す際に、コンテンツの符号化形式、IPアドレス、ユーザがコンテンツをアップした時間帯等の情報が類似する履歴情報を読み出すようにしてもよい。
【0098】
記憶部108、特定部109は、A社、B社、C社、D社等の加入者に関する情報を扱うため、動画共有サイト運営者であるW社よりも、A社、B社、C社、D社等のそれぞれに設置されることが望ましい。例えば、A社では、A社のみの加入者の利用者情報を記憶する記憶部108を設置することが考えられる。他の会社についても同様である。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。