(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成システムの概略構成図である。
【0017】
このシステムでは、PC10と画像形成装置20とが、ネットワーク30で結合されている。
【0018】
図2は、
図1のシステムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0019】
ホストコンピュータPC10では、CPU11がインターフェイス12を介してPROM13、DRAM14、補助記憶装置15、ネットワークインターフェイス16及び会話型入出力装置17に結合されている。
図2では、簡単化の為に、複数種のインターフェイスを1つのブロック12で表している。
【0020】
PROM13は、例えばフラッシュメモリであり、BIOSが格納されている。DRAM14は、主記憶装置として用いられる。補助記憶装置15には、仮想記憶方式のOS(オペレーティングシステム)、各種ドライバ及びアプリケーション並びにデータが格納されている。ネットワークインターフェイス16は、ネットワーク30に結合されている。会話型入出力装置1Aは、例えば入力装置としてのキーボード及びポインティングデバイスと、表示装置とを備えている。
【0021】
画像形成装置20では、CPU21がインターフェイス22を介してPROM23、DRAM24、補助記憶装置25、ネットワークインターフェイス26、操作パネル27、スキャナ28、プリンタ29、ICカードリーダ2A及びファックスモデム2Bに結合されている。
図2では、簡単化の為に、複数種のインターフェイスを1つのブロック22で表している。
【0022】
PROM23は、例えばフラッシュメモリであり、BIOS(Basic Input/Output System)、OS(Operating System)、各種ドライバ、及び、画像形成装置として機能させるための各種アプリケーションが格納されている。DRAM24は、主記憶装置として用いられる。補助記憶装置25には、印刷用データ、スキャナ28で読み取った画像データ、PC10〜1Nから受信した文書データ及びファクシミリ受信データが文書ファイルとして保存される。ネットワークインターフェイス26は、ネットワーク30に結合されている。操作パネル27は、入力部及び表示部を供えている。スキャナ28は、紙媒体上の画像を電子化するために用いられ、そのファイルは、印刷、ファクシミリ送信又はファイル送信のために用いられる。プリンタ29は、プリントエンジン並びに用紙の給紙部、搬送部及び排紙部を備え、DRAM24上に生成されたビットマップデータが供給され、このデータに基づいて感光ドラムに静電潜像を形成し、この像をトナーで現像し、トナー像を用紙に転写し定着させ、排紙する。ICカードリーダ2Aは、電波を介してICカードと通信することにより、ユーザを認証するためのものである。
【0023】
図3は、画像形成装置20の概略機能ブロック図である。
【0024】
入力部270及び表示部271は、
図2の操作パネル27の構成要素である。ボックス(ディレクトリ)・ツリー40は、
図2の補助記憶装置25内に作成されたものである。ファイルパス記憶部41及びボックス属性記憶部42は、補助記憶装置25内の領域である。ブロック43〜46及び50はいずれも、CPU21がPROM23内のプログラムを実行することにより機能する。
【0025】
制御部43は、UI部44を介して表示部271に、メインメニューを表示させる。ユーザが入力部270を操作して、このメユー内のボックスジョブを選択すると、これがUI部44を介して制御部43に通知される。制御部43はこれに応答して、
図4(A)に示すようなボックスジョブ画面を、UI部44を介して表示部271に表示させる。但し、
図4(A)では、ユーザがE−MAILのボックスをタッチしてこれを選択した状態を示す。この画面には、
図3中のボックス・ツリー40の構成が表示されている。
【0026】
ユーザが上記選択を行った後、ボックス属性ボタンを押下すると、制御部43はこれに応答して、ボックス属性割当部45を呼び出す。ボックス属性割当部45は、UI部44を介して表示部271に、
図5に示すようなボックス属性設定画面を表示させる。ユーザはこの画面で、ボックス名及びこのボックス名のボックスに割り当てられた処理を設定又は変更することができる。
【0027】
この画面で、新規作成ボタンを押下した場合には、この属性のボックスが、
図4(A)の画面で選択したボックスの1つ下の階層に作成される。処理属性ボタンを押下した場合には、
図6(A)に示すような画面が表示され、ユーザは、入力部270を操作して、選択された処理の属性を設定し又は変更する。この属性には、この処理を行うか否かの設定が含まれ、行う場合には、電子メール送信の場合、送信元、件名及び本文を設定する。
【0028】
送信先は、アドレス帳と連動しており、矢印ボタンをタッチすると、そのリストが表示され、ユーザはその中から1つのアドレスを選択することができる。件名についても同様に、矢印ボタンを押下すると、データベースに登録されている件名が表示される。件名は本文のテンプレートと連動しており、件名を選択すると、これに対応したテンプレートの本文がデータベースから取得されて表示される。
【0029】
OKボタンを押下すると、設定内容を確定し、
図5の画面に戻り、さらにOKボタンを押下すると、ボックス名及びこれに対応した処理が確定し、制御部43に制御が戻され、制御部43は
図4(A)に示す画面を表示させる。
【0030】
この画面でフォーマット変換ボックスを選択し、ボックス属性ボタンを押下してボックス属性画面を表示させた後、処理属性ボタンを押下すると、
図6(B)に示す画面が表示される。フォーマット変換を行う場合、コンボボックスの矢印ボタンを押下して、変換後のフォーマットのリストを表示させ、その1つを選択する。
【0031】
図4(A)中の他のボックスの属性の編集についても、上記同様である。
図4(A)中、「フォルダへ」ボックスは、画像形成装置20内又はPC10内の共有フォルダへの、ファイル共有プロトコルによるファイル転送処理に対応している。
【0032】
ボックス属性(ボックスに割り当てられるジョブの属性)は、画像形成装置20に登録されているユーザ毎に設定することができ、
図4〜
図6中の"user1"は、そのユーザIDを示している。
【0033】
図4(A)でファイル選択ボタンを押下すると、選択されたボックスへ投入しようとするファイルの選択のダイアログボックスが表示される。ファイルを選択すると、
図4(B)に示すように、ボックスアイコンの色が変わり、このボックスに、下部に表示されているファイル名のファイルが投入される。
【0034】
図3に戻って、ファイルパス取得部46は、上記ファイル選択に応答して、そのファイルのパスを取得し、ファイルパス記憶部41に格納する。
【0035】
図7は、ファイルがE−MAILボックスに投入された後のファイル及びフォルダのツリー構造を示す。上記のように設定又は変更したボックス属性のデータは、そのボックス内に、メタデータファイルとして格納される。そのファイル名は、本体部がボックス名と同一で、拡張子がdatとなっている。
【0036】
図4(A)において、ユーザが実行ボタンを押下すると、
図3の制御部43はこれに応答して、ファイルパス記憶部41内のファイルパスを構成する複数の階層のボックス名のそれぞれに割り当てられた処理を、画像処理部50のメンバーである印刷処理部51、FAX送信部52、・・・、フォーマット変換部5nのうちの対応するものに実行させる。
【0037】
すなわち、
図8に示すように、処理は、ファイルパス記憶部41内のファイルパス"C:\JobBox\user1\印刷\FAX送信\フォーマット変換\E-MIL\請求書.doc"に含まれるユーザIDのディレクトリ"user1"より下の各ディレクトリ名に一致するボックス名のボックス属性で定まり、制御部43はこの処理を、画像処理部50内の対応する処理部に実行させる。
【0038】
ボックス階層の昇順にしたがって処理を実行するか、降順にしたがって処理を実行するかを、予め定めておき、これに応じて、
図4のボックス・ツリーを作成する。どちらにするかで、ボックス・ツリーの複雑さが異なる。
図4は、降順実行形のボックス・ツリーであり、フォーマット変換後に、変換されたファイルを電子メール送信又はPC配信することができる。昇順実行形にすると、「フォーマット変換」ボックスを、「E−MAIL」ボックス及び「フォルダへ」ボックスのそれぞれの下階層に配置する必要がある。また、昇順にすると、例えば文書ファイルをJPEG変換した後にFAX送信し、印刷することになる。したがって、降順実行形の方が好ましい。
【0039】
なお、上階層ほど、多数のジョブで共通に使用される頻度が高いボックスを配置した方が、1つのボックス・ツリーでより多種のボックスジョブ(一連処理)を表すことができる。
【0040】
図8中、P(i)は、ユーザIDのボックス名より下側のi+1番目のボックス名に対応した、画像処理部50内の処理部のオブジェクト参照を、配列要素に対応させたものである。(1)〜(4)は、処理実行順を示している。
【0041】
図9は、ユーザが上記実行ボタンを押下したことにより開始される処理のフローチャートである。以下、括弧内は
図9中のステップ識別符号である。
【0042】
(S0)ファイルパス記憶部41内のパスのファイルが存在するか否かを判定し、存在すればステップS1へ進み、そうでなければステップS8へ進む。
【0043】
(S1)各ボックス属性が格納されているdatファイルの内容で、対応するP(j)で参照されるオブジェクトのプロパティを設定する。
【0044】
(S2)変数iに初期値0を代入し、変数ieにオブジェクト群Pの配列インデックスの最大値を代入する。
【0045】
(S3)P(i).do=trueであれば、すなわち、
図6で説明した「行う」、「行わない」の選択が「行う」であれば、ステップS4へ進み、そうでなければステップS5へ進む。
【0046】
(S4)P(i).method()を呼び出す。すなわち
図3中の画像処理部50内の処理部51〜5nのうちの対応するものを実行させる。なお、ステップS3を省略し、P(i).method()側において、P(i).do=falseであれば処理をオミットする構成であってもよい。
【0047】
(S5)iを1だけインクリメントする。
【0048】
(S6)i>ieであればステップS7へ進み、そうでなければステップS3へ戻る。
【0049】
(S7)このユーザのログファイルuser1.logに、ログを追加し、また、処理対象の文書ファイルを削除して、この文書ファイルに対するボックスジョブ処理を終了する。このログには、ファイルパス記憶部41内のパス、現時刻及びP(i).do=trueの各処理属性が含まれる。
【0050】
(S8)ファイルが存在しないことを表示する。
【0051】
本実施例1によれば、文書ファイルが投入されたボックスのパスを取得し、このパスを構成する複数の階層のボックス名のそれぞれに割り当てられた処理を、対応する属性を満たすように実行するので、ボックスの階層化により多数の組み合わせ処理を表現することができ、これにより、処理の組み合わせが多くても、ボックスに対する一連の処理及びその属性の割り当てが容易になるという効果を奏する。
【0052】
また、類似したボックスが複数存在しても、それぞれが1つの処理に対応しているので、ファイル投入対象ボックスの選択が容易になるという効果を奏する。
【0053】
さらに、ボックス属性に、処理を行うか否かを示す情報が含まれ、処理を行わないことを示していればその処理が行われないので、一連の処理の組み合わせ数が増大し、1つのボックス・ツリーでより多種の一連処理を表現でき、これにより、必要なボックス・ツリーの構造を簡単化できるという効果を奏する。