(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
操作情報が前記建設機械に入力されていない場合に、前記制御弁の前記開度を小さくする、又は、前記開度をゼロにする、ことを特徴とする、請求項4に記載の建設機械の油圧回路の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。なお、添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
【0013】
以後に、本発明の実施形態に係る油圧回路20を備える建設機械100を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、本実施形態以外でも、センターバイパス通路(センターバイパスライン)を備える建設機械であって、カット弁(ブリードオフ弁、流量制御弁など)を用いて圧油の一部をタンクに還流(ブリードオフ制御)するものであれば、いずれのものにも用いることができる。また、本発明を用いることができる建設機械には、油圧ショベル、クレーン車、ブルドーザ、ホイールローダ及びダンプトラック、並びに、杭打ち機、杭抜き機、ウォータージェット、泥排水処理設備、グラウトミキサ、深礎工用機械及びせん孔機械などが含まれる。
【0014】
(建設機械の構成)
本発明を用いることができる建設機械100の概略構成を、
図1を用いて説明する。ここで、建設機械とは、本実施形態では、油圧アクチュエータを用いて、所望の作業を実施する機械である。
【0015】
図1に示すように、建設機械100は、油圧アクチュエータとして、上部旋回体10Upに基端部を軸支されたブーム11と、ブーム11の先端に軸支されたアーム12と、アーム12の先端に軸支されたバケット13とを備える。
【0016】
建設機械100は、ブーム11と上部旋回体10Upとの間隙に配置されたブームシリンダ11cに作動油を供給することによって、ブームシリンダ11cを長手方向に伸縮する。このとき、ブーム11は、ブームシリンダ11cの伸縮によって、上下方向に駆動される。また、建設機械100は、オペレータ(運転者、作業者)の操作レバーの操作量(及び操作方向)に応じて制御されるブーム用方向制御弁(例えば
図2(後述)のVb1及びVb2)によって、ブームシリンダ11cに供給される作動油を制御する。この結果、建設機械100は、オペレータの操作レバーの操作量等に応じて、所望の作業を実施する。
【0017】
また、建設機械100は、ブーム11の場合と同様に、アームシリンダ12c及びバケットシリンダ13cの伸縮によって、アーム12及びバケット13を駆動する。建設機械100は、ブームシリンダ11cの場合と同様に、アーム用方向制御弁(例えば
図2のVa1及びVa2)及びバケット用方向制御弁(例えば
図2のVbk)によって、アームシリンダ12c及びバケットシリンダ13cに供給される作動油を制御する。
【0018】
更に、建設機械100は、車輪及び旋回装置等を用いて、建設機械100本体の走行(前後左右の移動)及び回転(旋回など)を行う。建設機械100は、例えば走行用の方向制御弁など(例えば
図2のVt1、Vt2及びVst)を用いて、オペレータの操作レバーの操作量などに応じて、建設機械100の走行などを実施する。
【0019】
本発明を用いることができる建設機械100は、油圧ポンプから油圧アクチュエータに作動油(圧油)を供給する油圧回路(後述)20と、建設機械100の各構成の動作を制御する制御装置(後述)30と、を更に備える。
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20及び制御装置30を具体的に説明する。
【0021】
(建設機械の油圧回路)
本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20を、
図2を用いて説明する。ここで、
図2に記載した実線は、油路(圧油の通路)を示す。また、//を付加している実線は、電気制御系を示す。
【0022】
なお、本発明を適用することができる油圧回路は、
図2に示すものに限定されない。すなわち、センターバイパス通路を備え、方向制御弁の下流側のセンターバイパス通路にカット弁を配置している油圧回路であれば、いずれの油圧回路にも本発明を適用することができる。
【0023】
また、
図2に示す油圧回路20は2個の油圧ポンプを備えるが、本発明を適用することができる油圧回路は2個の油圧ポンプを備えるものに限定されない。すなわち、1個又は3個以上の油圧ポンプを備える油圧回路(建設機械)に本発明を用いてもよい。
【0024】
図2に示すように、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20は、図示しない動力源(原動機、エンジン、モータなど)の出力軸に機械的に接続された2個の油圧ポンプP(第1の油圧ポンプP1及び第2の油圧ポンプP2)と、2個の油圧ポンプPから夫々吐出された圧油(作動油)を供給される2個のセンターバイパス通路RC(第1のセンターバイパス通路RC1及び第2のセンターバイパス通路RC2)と、油圧アクチュエータ(
図1のブーム11等)を制御する方向制御弁(第1の走行用方向制御弁Vt1等)と、走行直進用の方向制御弁(走直弁)Vstと、を有する。また、油圧回路20は、センターバイパス通路RCの下流(例えば最下流)に配置されたブリードオフ弁Vbo(第1のブリードオフ弁Vbo1及び第2のブリードオフ弁Vbo2)を有する。更に、油圧回路20は、ブリードオフ弁Vboのパイロットポート(制御ポート)に入力する圧力を生成する(圧油を吐出する)パイロットポンプPp(第1のパイロットポンプPp1及び第2のパイロットポンプPp2)を有する。
【0025】
本実施形態に係る油圧回路20は、方向制御弁(Vt1等)をセンターバイパス通路RCに直列に配置し、センターバイパス通路RCの下流にブリードオフ弁Vboを配置している。具体的には、油圧回路20は、第1の油圧ポンプP1に対応する第1のセンターバイパス通路RC1に、第1の走行用方向制御弁(例えば左走行用方向制御弁)Vt1、予備用方向制御弁Vop、旋回用方向制御弁Vsw、第2のブーム用方向制御弁Vb2及び第1のアーム用方向制御弁Va1、並びに、第1のブリードオフ弁Vbo1を直列に配置している。また、油圧回路20は、第2の油圧ポンプP2に対応する第2のセンターバイパス通路RC2に、第2の走行用方向制御弁(例えば右走行用方向制御弁)Vt2、バケット用方向制御弁Vbk、第1のブーム用方向制御弁Vb1及び第2のアーム用方向制御弁Va2、並びに、第2のブリードオフ弁Vbo2を直列に配置している。更に、油圧回路20は、第2のセンターバイパス通路RC2の上流側に、走直弁Vstを配置している。
【0026】
すなわち、油圧回路20は、センターバイパス通路RCに複数の方向制御弁を直列に配置している。また、油圧回路20は、2つのセンターバイパス通路RC1、RC2に複数の方向制御弁を夫々直列に配置することで、方向制御弁をタンデムに配置している。
【0027】
なお、以後の説明において、センターバイパス通路RCにタンデムに配置された複数の方向制御弁からなるグループを「方向制御弁グループ」という。
【0028】
本実施形態に係る油圧回路20は、方向制御弁の第2の内部通路RV2(後述)に供給する圧油の流量を制御する制御弁(絞り弁、流量制御弁など)Vthを更に有する。ここで、油圧回路20は、複数の方向制御弁のうちの任意の方向制御弁に、制御弁Vthを配置することができる。油圧回路20は、例えば第1のアーム用方向制御弁Va1に制御弁Vthを配置すること(
図2)ができる。
【0029】
本実施形態に係る油圧回路20は、オペレータの操作レバーの操作に対応する操作情報(例えば、操作量に関する情報、操作方向に関する情報)に応じて生成されたリモコン圧(リモコン弁の二次圧)を、操作された操作レバーに対応する方向制御弁(Vt1等)に入力する。このとき、方向制御弁は、スプール(流量制御スプール)の両端に導入されるリモコン圧に応じて、スプールの位置を切り替え、圧油(作動油)の流量(操作量)及び方向(操作方向)を制御する。
【0030】
また、本実施形態に係る油圧回路20は、センターバイパス通路RC(例えばRC1)の下流に配置したブリードオフ弁Vbo(例えばVbo1)を用いて、油圧ポンプP(例えばP1)から吐出された圧油の一部(余剰分)を作動油タンクTnkに還流する(ブリードオフ制御する)。これにより、建設機械100は、油圧シリンダ(例えば11c)に供給される作動油(圧油)の流量を制御し、油圧アクチュエータ(例えば
図1の11)の駆動(動作)を制御することができる。
【0031】
ここで、ブリードオフ弁Vboは、本実施形態では、その開口面積が最大となるアンロード位置と、開口面積がゼロとなるブロック位置とを備える。ブリードオフ弁Vboは、後述する制御装置30によって制御されるパイロットポンプPpの圧油(の圧力)を用いて、アンロード位置からブロック位置に切り換えられ、その開口面積を変化される。これにより、ブリードオフ弁Vboは、変化された開口面積に対応する所望の流量の圧油を作動油タンクに還流する(戻す)ことができる。
【0032】
(方向制御弁の内部通路)
本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20に配置された方向制御弁の内部通路RVを、下記に説明する。
【0033】
本実施形態に係る油圧回路20は、方向制御弁グループ(複数の方向制御弁)を備える。また、本実施形態に係る方向制御弁は、内部通路RVとして、供給された圧油をセンターバイパス通路RCに流出する第1の内部通路と、供給された圧油を油圧アクチュエータに供給する第2の内部通路とを備える。すなわち、方向制御弁グループを構成する複数の方向制御弁は、第1の内部通路及び第2の内部通路を夫々備える。
【0034】
更に、第1の内部通路は、油圧ポンプから吐出された圧油を方向制御弁に対して下流のセンターバイパス通路RCに流出させることにより、センターバイパス通路RCと第1の内部通路とによってパラレル通路を形成することができる。ここで、方向制御弁の内部通路の形状(スプールの形状)等は、後述する実施例(
図4)の形状を用いてもよい。
【0035】
本発明の実施形態に係る第1の内部通路は、ブリードオフ弁Vboに圧油を供給するための内部通路(例えば
図2のRV1)である。第1の内部通路は、センターバイパス通路RCの上流に接続された油圧ポンプPから吐出された圧油を、方向制御弁(Va1等)に対して下流のセンターバイパス通路RCに流出する。
【0036】
第1の内部通路は、本実施形態では、方向制御弁のスプール位置が切り替えられた場合でも、その通路の開口を全閉されない。すなわち、第1の内部通路は、本実施形態では、方向制御弁のスプール位置に関わらず略同一の通路面積を有する。なお、略同一の通路面積とは、スプール位置変位により変化する通路面積の増減量に比して、圧油が実際に通過する有効通路面積が実質的に大きく変化しないことを意味する。
【0037】
これにより、本発明の実施形態に係る油圧回路20は、センターバイパス通路RCと第1の内部通路とによって、パラレル通路を形成することができる。また、本発明の実施形態に係る油圧回路20は、第1の内部通路の通路面積に対応するパラレル通路を形成することができる。更に、本発明の実施形態に係る油圧回路20は、形成されたパラレル通路のみから方向制御弁グループ(複数の方向制御弁)に圧油を供給することができる。
【0038】
なお、複数の方向制御弁のうちの走行用方向制御弁(例えば
図2のVt1、Vt2)は、第1の内部通路の開口を全閉される構成(例えば
図2のRV1t)としてもよい。これにより、建設機械100(の油圧回路20)は、走行時に、走行の安定性(走行に必要な作動油の流量)を確保することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る方向制御弁の第1の内部通路(のスプール)は、作動油タンクに圧油を戻すための隙間(以下、「ブリード開口」という。)を備えない。なお、本実施形態に係る油圧回路20は、前述の通り、センターバイパス通路RCの最下流側に配置したブリードオフ弁Vboを用いて、ブリードオフ制御(統一ブリードオフ制御)を実施することができる。
【0040】
本発明の実施形態に係る第2の内部通路は、油圧シリンダ(例えば
図2のアームシリンダ12c)に圧油を供給するための内部通路(例えば
図2のRV2)である。第2の内部通路は、油圧ポンプPから吐出された圧油を、油圧シリンダ(
図2のアームシリンダ12c等)に供給する。本実施形態に係る第2の内部通路は、入力されたリモコン圧によって方向制御弁のスプール位置を切り替えられた場合に、その内部通路の経路を変化させ、油圧シリンダに供給する圧油(作動油)の流量(操作量)及び方向(操作方向)を変化させる。これにより、方向制御弁(建設機械100)は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)の動作を制御することができる。
【0041】
また、第2の内部通路は、本実施形態では、方向制御弁(第2の内部通路)の上流に配置された制御弁Vthによって、供給される圧油の流量を制御される。すなわち、油圧回路20は、制御弁Vthの開度を制御することによって、第2の内部通路に供給する圧油の量を制御する。これにより、油圧回路20(建設機械100)は、第2の内部通路に供給する圧油の量を制御することで、圧油(作動油)が供給される油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)の動作を制御することができる。
【0042】
図3に、建設機械の油圧回路のその他の例を示す。
図3の油圧回路では、ブリードオフ制御を実施するために、方向制御弁(
図3のVa1等)のスプールにブリード開口(例えば
図6のSbo)を夫々設けることができる。すなわち、
図3の油圧回路を備える建設機械は、このブリード開口の開口面積を変化させることによって、ブリードオフ制御を行うことができる。
【0043】
ここで、
図3の油圧回路を備える建設機械では、方向制御弁のスプールに夫々ブリード開口を設けているため、本発明に係る油圧回路(
図2)の場合と比較して、センターバイパス通路を通過する圧油の圧力損失が増加する場合がある。
【0044】
また、
図3の油圧回路を備える建設機械では、方向制御弁のブリード開口の開度が上限の場合においても、方向制御弁を通過する圧油の圧力損失が発生する場合がある。すなわち、
図3の油圧回路を備える建設機械では、方向制御弁のブリード開口の開度が上限の場合においても、方向制御弁の内部通路の開度を絞り気味に設計しているため、本発明に係る油圧回路(
図2)の場合と比較して、センターバイパス通路を通過する圧油の圧力損失が増加する場合がある。
【0045】
更に、
図3の油圧回路の方向制御弁では、方向制御弁のスプールにブリード開口を設けているため、方向制御弁の長手方向の長さが増加する。すなわち、
図3の油圧回路の方向制御弁では、方向制御弁のスプールにブリード開口を設けているため、本発明に係る油圧回路(
図2)の場合と比較して、方向制御弁が大型化し、その製作が非容易化する。
【0046】
(建設機械の制御装置)
建設機械100の制御装置30は、本実施形態では、建設機械100全体の動作を制御するために搭載されているコントローラ30C(
図2)を用いる。ここで、コントローラ30C(制御装置30)は、建設機械100の各構成に動作を指示し、各構成の動作を制御する装置である。コントローラ30C(制御装置30)は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等を含む演算処理装置で構成することができる。
【0047】
コントローラ30Cは、本実施形態では、建設機械100に入力された情報(例えば操作レバーの操作量、操作方向などに関する操作情報)に基づいて、レギュレータR(R1、R2)の動作を制御する。これにより、油圧ポンプP(P1、P2)は、レギュレータRによって、その吐出量を制御される。
【0048】
また、コントローラ30Cは、建設機械100に入力された情報に基づいて、リモコン弁等を用いて、リモコン圧を生成する。次いで、コントローラ30Cは、リモコン回路を用いて、生成したリモコン圧を方向制御弁(Vt1等)に入力する。これにより、方向制御弁は、入力されたリモコン圧を用いて、スプール位置を切り換え、油圧アクチュエータに供給する作動油を制御することができる。
【0049】
更に、コントローラ30Cは、本発明の実施形態では、建設機械100に入力された情報に基づいて、制御弁Vthの開度を制御する。コントローラ30Cは、例えば予め決められた特定の操作状況に応じて、制御弁Vthの開度を制御してもよい。
【0050】
これにより、コントローラ30Cは、制御弁Vthを用いて、方向制御弁Vの第2の内部通路に供給する圧油の流量を制御することができる。また、コントローラ30Cは、任意の方向制御弁Vに対応する制御弁Vthの開度を制御(調整)することにより、複合動作時(例えば複数の油圧アクチュエータを同時に操作する時)の操作性を向上させることができる。コントローラ30Cは、例えば、複合動作時において、動作を優先させる油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を大きくし、動作を優先させない油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を小さくすることによって、複合動作時の操作性を向上させることができる。
【0051】
なお、コントローラ30Cは、建設機械100に入力された情報に基づいて、制御弁Vth(の制御ポート)に入力する圧力を変化させることにより、制御弁Vthの開度を制御してもよい。また、コントローラ30Cは、油圧ポンプの吐出圧若しくは油圧アクチュエータの作動油の圧力又はその他建設機械の操作状況を検出し、検出した検出結果に基づいて、制御弁Vthの開度を制御してもよい。
【0052】
コントローラ30Cは、本発明の実施形態では、建設機械100に入力された情報に基づいて、ブリードオフ弁Vbo(Vbo1、Vbo2)に入力するパイロットポンプPp(Pp1、Pp2)の圧油の圧力を変化させる。これにより、ブリードオフ弁Vboは、入力された圧力を用いて、開度を変化させることができる。また、ブリードオフ弁Vboは、開度を変化させることによって、作動油タンクに還流する圧油の流量を制御することができる。
【0053】
また、コントローラ30Cは、ブリードオフ弁Vboを用いて単独操作時のセンターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができるとともに、複合動作時(例えば、いわゆる床堀り作業など)に任意の油圧アクチュエータ(
図1のアーム12及びバケット13)に対応する制御弁Vthの開度を調整(大きく又は小さく)することによって、建設機械の操作性を向上することができる。
【0054】
以上により、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20又はその制御装置30によれば、方向制御弁でブリードオフ制御をしないで、方向制御弁の第1の内部通路を用いて、油圧ポンプPから吐出された圧油をセンターバイパス通路RCの下流に供給することができるので、センターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができる。
【0055】
また、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20又はその制御装置30によれば、センターバイパス通路RCの下流に配置したブリードオフ弁Vboを用いて、方向制御弁でブリードオフ制御をしないで(各方向制御弁にブリード開口を備えないで)、センターバイパス通路RCの下流でブリードオフ制御をすることができる。これにより、本実施形態に係る油圧回路20又はその制御装置30によれば、複数の方向制御弁で夫々ブリードオフ制御する場合と比較して、方向制御弁の内部通路(例えば第1の内部通路)の開口面積を大きくすることができるので、センターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20又はその制御装置30によれば、方向制御弁にブリード開口を備えないので、方向制御弁の長手方向の大きさを小さくすることができる。これにより、本実施形態に係る油圧回路20又はその制御装置30によれば、方向制御弁にブリード開口を備える場合と比較して、方向制御弁を小型化することができ、その製作を容易化することができる。
【0057】
更に、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20又はその制御装置30によれば、複合動作時に任意の油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を調整(大きく又は小さく)することができる。これにより、本実施形態に係る油圧回路20又はその制御装置30によれば、ブリードオフ弁Vboを用いて単独操作時のセンターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができるとともに、複合動作時に任意の油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を調整することによって、建設機械100の操作性を向上することができる。
【実施例】
【0058】
建設機械100Eの実施例を用いて、本発明を説明する。
【0059】
(建設機械の構成)及び(建設機械の油圧回路)
本実施例に係る建設機械100Eの構成等は、実施形態の建設機械100の構成等と基本的に同様のため、説明を省略する。
【0060】
(方向制御弁の内部通路)
本実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20に配置された方向制御弁V及び制御弁Vthの概略構成図を
図4に示す。ここで、
図4(a)は、制御弁Vthの閉口時(例えば
図2のVth1のa位置)の場合である。
図4(b)は、制御弁Vthの開口時(例えば
図2のVth1のa位置)の場合である。
図4(c)は、制御弁Vthの絞り時(例えば
図2のVth1のb位置)の場合である。
【0061】
図4(a)に示すように、本発明の実施例に係る油圧回路20の方向制御弁Vは、センターバイパス通路RCを介して圧油を供給される入口ポートPIprtと、入口ポートPIprtから供給された圧油をセンターバイパス通路RCに流出する出口ポートPOprtと、方向制御弁Vに供給された圧油を油圧シリンダに供給するシリンダポートCprtと、油圧シリンダから排出された圧油を作動油タンクに排出するタンクポートTprtと、を有する。また、本実施例に係る制御弁(絞り弁、流量制御弁など)Vthは、第2の内部通路RV2に圧油を供給する経路の入口に配置されている。
【0062】
図4(b)に示すように、本実施例に係る方向制御弁Vは、スプール変位時(例えば図中のMb)に、センターバイパス通路RCから供給された圧油(作動油)Ocを制御弁Vth及び第2の内部通路RV2を介して、シリンダポートCprtBから油圧シリンダ(例えば
図1及び
図2の11c等)に供給する。このとき、油圧シリンダからシリンダポートCprtAに排出された圧油(作動油)Otは、タンクポートTprtから作動油タンクに排出される。
【0063】
図4(c)に示すように、本実施例に係る方向制御弁V(油圧回路20)は、制御弁Vthを用いて、第2の内部通路RV2に供給する圧油の流量を制御する。具体的には、制御弁Vthは、ポペットPptを予め定められた位置で固定することができるスイッチ機構Swを用いて、スイッチ機構Swのオン時に、第2の内部通路RV2に供給する圧油の流量を制御する(絞る)ことができる。なお、
図4(b)に、スイッチ機構Swのオフ時のポペットPptを示す。
【0064】
本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20は、
図4(a)に示すように、方向制御弁Vでブリードオフ制御をしないため(方向制御弁Vにブリード開口を有しないため)、方向制御弁Vの第1の内部通路RV1の開口面積を大きくすることができる。これにより、本実施例に係る方向制御弁Vは、方向制御弁Vの第1の内部通路RV1の開口面積を大きくすることができるので、センターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができる。
【0065】
また、本実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20は、センターバイパス通路RCに複数の方向制御弁Vを直列に配置することによって、センターバイパス通路RCと複数の第1の内部通路RV1(方向制御弁V)とで形成される通路をパラレル通路として機能させることができる。このため、本実施例に係る油圧回路20は、パラレル通路を別に設ける必要がなく、方向制御弁Vを小型化(スプールの軸方向及び径方向の大きさを小さく)することができる。本実施例に係る油圧回路20は、例えばブリッジ通路Rb(
図4(a))を小型化することができる。
【0066】
本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20は、方向制御弁グループGvを用いて、センターバイパス通路RCに圧油を流出する。具体的には、
図5に示すように、方向制御弁グループGv(複数の方向制御弁V)を配置した油圧回路20は、方向制御弁のスプール位置に関わらず略同一の通路面積を有する第1の内部通路とセンターバイパス通路RCとによってパラレル通路を形成することができる。ここで、油圧回路20は、方向制御弁Vの第1の内部通路RV1を経由して、入口ポートPIprtから供給された圧油Opを出口ポートPOprtに流出し、センターバイパス通路RCに流出する。
【0067】
これにより、本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20は、複数の方向制御弁V(方向制御弁グループGv)のスプールに複数のブリード開口を夫々設ける必要がないため、センターバイパス通路RCの形状を単純にすることができる。また、本実施例に係る油圧回路20は、センターバイパス通路RCの曲がり部等を少なくすることができるので、センターバイパス通路RCを通過する圧油の圧力損失を低減することができる。
【0068】
(建設機械の制御装置)
本実施例に係る建設機械100Eの制御装置30の構成及び動作は、実施形態の建設機械100の制御装置30の構成等と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
【0069】
制御装置30(コントローラ30C)は、建設機械100Eに入力された情報に基づいて、制御弁Vth(の開度)を制御する。これにより、制御装置30は、方向制御弁Vの第2の内部通路RV2(シリンダポートCprt)に供給される圧油の量を制御することができる。
【0070】
制御装置30は、例えば下記の制御を行うことができる。なお、制御装置30の制御の動作は、下記に例示する制御に限定されるものではない。
【0071】
(1)制御装置30は、例えば複合動作時に、動作を優先させる油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を大きくし(
図4(b))、動作を優先させない油圧アクチュエータに対応する制御弁Vthの開度を小さくすること(
図4(c))ができる。これにより、制御装置30(建設機械100E)は、任意の油圧アクチュエータの動作を優先することができる。
【0072】
(2)制御装置30は、例えば操作情報が建設機械100Eに入力されていない場合(操作レバーが操作されていない場合)に、制御弁Vthの開度を小さくする、又は、開度をゼロにすることができる。制御弁Vthは、例えばスイッチ機構Sw(
図4)を用いて、ポペットPptの位置を開度が小さくなる位置に固定することができる。これにより、制御装置30(建設機械100E)は、建設機械100Eの非操作時に、油圧アクチュエータの動作を制限することができる(フェールセーフ)。
【0073】
(3)制御装置30は、例えば制御弁Vthの開度と方向制御弁V(のスプール)の開度の合算(例えば開口面積の合計)が、従来回路(例えば
図6の方向制御弁Vm)の開度(又は開口面積)と同等にし、且つ、方向制御弁V(のスプール)の開度を可能な限り大きくすることができる。これにより、制御装置30(建設機械100E)は、従来回路と比較して、方向制御弁Vを通過するときの圧油の圧力損失を低減することができる。
【0074】
(4)制御装置30は、例えば建設機械100Eの操作状況を検出し、検出した操作状況に基づいて、制御弁Vthの開度を制御することができる。これにより(単独操作時の)低損失と(複合操作時の流量分配による)操作性の向上とを両立させることができる。なお、制御装置30は、操作状況として、例えば、油圧ポンプの吐出圧(吐出量)、油圧アクチュエータの作動油の圧力(圧力変動)若しくは作動油温度、油圧シリンダの推力(加速度)、油圧アクチュエータの速度、加速度若しくは角度(位置)、又は、その他建設機械の状態に関する情報を適宜組み合わせて検出してもよい。
【0075】
以上により、本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20又はその制御装置30によれば、本発明の実施形態に係る建設機械100の油圧回路20又はその制御装置30と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20又はその制御装置30によれば、センターバイパス通路RCに複数の方向制御弁Vを直列に配置することによって、センターバイパス通路RCと第1の内部通路RV1(方向制御弁V)とで形成される通路をパラレル通路として機能させることができる。更に、本実施例に係る油圧回路20又はその制御装置30によれば、センターバイパス通路RCと複数の第1の内部通路RV1とで形成される通路をパラレル通路として機能させることができるので、パラレル通路を別に設ける必要がなく、方向制御弁Vを小型化することができる。これにより、本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20又はその制御装置30は、建設機械100E全体の小型化、製作容易化及び低コスト化について有利な効果を有する。
【0077】
更に、本発明の実施例に係る建設機械100Eの油圧回路20又はその制御装置30によれば、制御弁Vth(の開度)を制御することができるので、方向制御弁Vの第2の内部通路RV2(シリンダポートCprt)に供給される圧油の量を制御することができる。
【0078】
以上、建設機械の油圧回路又はその制御装置を含む本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されるものではない。また、本発明は、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。