特許第5778106号(P5778106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778106
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0354 20130101AFI20150827BHJP
【FI】
   G06F3/033 442
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-217352(P2012-217352)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-71675(P2014-71675A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 巨志
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−003353(JP,A)
【文献】 特開平11−053101(JP,A)
【文献】 特開2002−149317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータとマウスとを含む情報処理装置であって、
前記コンピュータは、周波数の異なる二つの電磁波を送信する2系統の送信手段を有し、
前記マウスは、前記電磁波を受信する受信手段と、
受信した二つの電磁波の電界強度に基づいて、前記マウスが前記コンピュータの左側又は右側のどちらに位置するかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断に応じて前記マウスの設定を切り替える設定変更手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータとマウスとを含む情報処理装置であって、
前記マウスは、電磁波を送信する送信手段を有し、
前記コンピュータは、前記電磁波を受信する受信手段と、
受信した前記電磁波の電界強度に基づいて、前記マウスが前記コンピュータの左側又は右側のどちらに位置するかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断に応じて前記マウスの設定を切り替える設定変更手段と、
を有し、
前記コンピュータは、前記受信手段を2系統有し、
前記判断手段は、2系統の前記受信手段のうち、どちらの前記受信手段が強い前記電磁波を受信しているかに基づいて、前記マウスの位置についての判断を行い、
前記送信手段は、異なる二つの周波数の電磁波を送信し、
前記受信手段は、第1の周波数の電磁波を受信する系統と、第2の周波数の電磁波を受信する系統との2系統であり、
前記判断手段は、いずれの周波数の電磁波を強く受信しているかに基づいて、前記マウスの位置についての判断を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記2系統の受信手段は、前記コンピュータからユーザに向かう方向をY軸とし、該Y軸に直交し水平な方向をX軸とした場合に、X軸の座標が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、マウスデバイスの位置検出に関する。
【背景技術】
【0002】
可搬型のコンピュータやデスクトップコンピュータなどを含む、ほとんどの一般的なコンピュータシステムにおいては、マウスのような入力装置を介してユーザから入力を受け取る。一般的によく知られているように、マウスは、ディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザインタフェース(以下、GUIと呼ぶ)に関して選択や範囲を指定するときに用いる入力ポインタを操作可能にする。
【0003】
マウスは、手で操作するマン・マシン・インタフェースであるが、一部の例外を除き、従来、右手で操作することが前提として設計されている。しかしながら、一定の割合で左利きの人や両利きの人がいるのが実情である。また、右利きであっても左手で操作したい場合もある。ドライバの設定で、右手操作に適した設定から左手操作に適した設定に変更することができることが知られているが、いちいち設定変更しなければならないのは不便である。
【0004】
特許文献1には、両手利き用のマウスが示されている。このマウスは、クリックボタンなどの配置について上下対象の構成をとっており、左手で操作するときには、右手操作の場合から180°マウスを回転させて用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7808479号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マウスを操作するときに、気分によって右手で操作したり左手で操作したりしても、一方の手による操作に適した設定から他方の手による操作に適した設定に切り替えるというような煩雑な操作がないように、操作性をよくすることが本願の課題とするところである。
【0007】
特許文献1は、両手利き用のマウスであることを謳っているが、他方の手による操作のために追加のクリックボタンを配置しなければならない。また、右手による操作であるか左手による操作であるかを、マウスのタッチセンサにより生成される右手パターン又は左手パターンと現在のパターンとを比較して、判断している(特許文献1のFig.10等参照)。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、両方の手でマウスを使っても操作性が悪くならないマウスデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、第1の発明として、コンピュータとマウスとを含む情報処理装置であって、前記マウスは、電磁波を送信する送信手段を有し、前記コンピュータは、前記電磁波を受信する受信手段と、受信した前記電磁波の電界強度に基づいて、前記マウスが前記コンピュータの左側又は右側のどちらに位置するかを判断する判断手段と、前記判断手段による判断に応じて前記マウスの設定を切り替える設定変更手段と、を有し、前記コンピュータは、前記受信手段を2系統有し、前記判断手段は、2系統の前記受信手段のうち、どちらの前記受信手段が強い前記電磁波を受信しているかに基づいて、前記マウスの位置についての判断を行い、前記送信手段は、異なる二つの周波数の電磁波を送信し、前記受信手段は、第1の周波数の電磁波を受信する系統と、第2の周波数の電磁波を受信する系統との2系統であり、前記判断手段は、いずれの周波数の電磁波を強く受信しているかに基づいて、前記マウスの位置についての判断を行うことを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0010】
また、第2の発明として、コンピュータとマウスとを含む情報処理装置であって、前記コンピュータは、周波数の異なる二つの電磁波を送信する2系統の送信手段を有し、前記マウスは、前記電磁波を受信する受信手段と、受信した二つの電磁波の電界強度に基づいて、前記マウスが前記コンピュータの左側又は右側のどちらに位置するかを判断する判断手段と、前記判断手段による判断に応じて前記マウスの設定を切り替える設定変更手段と、を有することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、両方の手でマウスを使っても操作性が悪くならないマウスデバイスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ノートPCに本発明を適用させた実施形態の外観例を示す図である。
図2】デスクトップPCに本発明を適用させた実施形態の外観例を示す図である。
図3】第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
図5】第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
図6】第3の実施形態の適用例を示す図である。
図7】上記実施形態においてコンピュータ及びユーザを真上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による実施形態について図面を参照しながら説明する。下記実施形態は、要するに、マウスデバイス(以下、マウス)とコンピュータとの間を送受信される電磁波の電界強度に基づいて、マウスが前記コンピュータに対して左側にあるのか、或いは、右側にあるのかが判断される。
【0014】
マウスとしては、典型的には、ワイヤレスマウスが例としてあげられるが、これに限定されず、有線によりコンピュータとデータリンクを確立するものでもよい。また、ペンタブレットのような平面上のポイント位置を検出するデジタイザにおけるポイント手段としてのワイヤレスマウスでも、下記実施形態は、変形して実施することができる。
【0015】
コンピュータとしては、ノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノートPC)、デスクトップ型パーソナルコンピュータ(以下、デスクトップPC)、ワークステーションなどの一般的な用途に用いられるコンピュータを用いることができる。
【0016】
ただし、本願においては、「コンピュータ」を、「主たる表示装置であるメインディスプレイを含む筐体」と定義する。図1に、ノートPCに本発明を適用させた実施形態の外観例を示す。ノートPCにおいては、通常メインディスプレイに演算処理装置や入出力装置や記憶装置を内蔵する本体装置が連結している。
【0017】
本明細書における「右側」「左側」の定義は、図1に示すようなものとする。すなわち、通常、コンピュータを使用する際に、ユーザがコンピュータに正対した場合に、ユーザからコンピュータに向かって右側を「右側」と定義する。また、向かって左側を「左側」と定義する。
【0018】
図2に、デスクトップPCに本発明を適用させた実施形態の外観例を示す。デスクトップPCにおいても、図2(a)に示すように、ノートPCと同様に実施できる。ただし、デスクトップPCにおいては、演算処理装置や入出力装置や記憶装置を内蔵する本体装置を、ディスプレイ、キーボード、マウスのようなマン・マシン・インタフェースとは離して設置することがある。この場合、コンピュータに対して右側にマウスが位置すると言った場合のマウスの位置は、図2(b)に示されるようになる。
【0019】
なお、一般的にオールインワン型パーソナルコンピュータと呼ばれるディスプレイとコンピュータ本体とが一体的に形成されたパソコンについても、図1に示したような、ノートPCに本発明が適用された実施形態と同様に考えることができる。
【0020】
マウスとコンピュータとの間を送受信される電磁波としては、赤外線や電波を利用することができる。具体的には、例えば、短距離無線通信方式などが好ましい。当該電磁波は、マウス入力をコンピュータに伝えるためのデータリンク層と同一であっても、異なっていてもよい。データリンク層の具体的方式としては、例えば、PS/2、USB、IR、RF、Bluetooth(登録商標)などがある。
【0021】
上述の「マウスとコンピュータとの間を送受信される電磁波」が「マウス入力をコンピュータに伝えるためのデータリンク層」と異なる場合、本例は、有線マウスや、デジタイザにおけるポイント手段としてのワイヤレスマウスにおいて、マウス位置の左右を適切に判断するための解決手段を提供する。
【0022】
<第1の実施形態>
図3に、本実施形態の構成を示す。図示のように、本実施形態に係るコンピュータシステム全体1は、コンピュータ100とマウス200を含む。コンピュータ100は、マウス200がコンピュータの右側にあるのか左側にあるのかを判断する判断部101と、設定変更部105と、受信部102L及び受信部102Rとを有する。一方、マウス200は、送信部201を有する。
【0023】
受信部102L及び受信部102Rの位置関係は、前者がコンピュータ100の左側に設置されており、後者が右側に設置されている。
【0024】
送信部201は上述した電磁波を送出しており、受信部102L及び受信部102Rはこれを受信する。受信部102L及び受信部102Rはとりわけ、電磁波の電界強度をそれぞれ監視しており、判断部101に伝える。
【0025】
電磁波は、距離に応じて減衰するため、送信部201との距離が近い方の受信部102が感受する電磁波の電界強度が、他方よりも大きくなる。図3中、実線で描かれた位置にマウス200があると、受信部102Rのほうが受信部102Lよりも強く電磁波を受信する一方、マウス200が点線で描かれた位置に移動すると受信部102Lの法が受信部102Rよりも強く電磁波を受信する。
【0026】
判断部101は、電磁波を強く受信している受信部102に応じて、マウス200がコンピュータ100の左側又は右側のどちらに位置するかを判断する。設定変更部105は、判断部101による判断に応じて、マウス200について設定されている設定を切り替える。具体的には、右手操作に適した設定から左手操作に適した設定、或いは、その逆の設定に、マウス200のドライバの設定を切り替える。
【0027】
その結果、マウスを操作するときに、気分によって右手で操作したり左手で操作したりしても、一方の手による操作に適した設定から他方の手による操作に適した設定に切り替えるというような煩雑な操作がなくなる。したがって、本実施形態のマウス200は、両方の手で使っても操作性が悪くならない。
【0028】
<第2の実施形態>
図4に、本実施形態の構成を示す。図示のように、本実施形態に係るコンピュータシステム全体1は、コンピュータ100とマウス200を含む。コンピュータ100は、マウス200がコンピュータの右側にあるのか左側にあるのかを判断する判断部101と、設定変更部105と、受信部103L及び受信部103Rとを有する。一方、マウス200は、送信部202を有する。
【0029】
受信部103L及び受信部103Rの位置関係は、前者がコンピュータ100の左側に設置されており、後者が右側に設置されている。
【0030】
送信部202は、上述の電磁波を2種類、周波数の異なる第1の周波数と第2の周波数の電磁波を送出している。受信部103Lは、第1の周波数だけを選択的に受信し、受信部103Rは、第2の周波数だけを選択的に受信する。受信部103Lと受信部103Rは、それぞれ受信した電磁波の電界強度を監視するが、上述したように電磁波は距離に応じて減衰するので、送信部202からの距離が遠い方の受信部103で受信した電磁波が弱くなる。以降の構成については第1の実施形態と同じである。
【0031】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果が得られる。さらにその上、左右の位置判断の精度が向上する。
【0032】
<第3の実施形態>
図5に、本実施形態の構成を示す。図示のように、本実施形態に係るコンピュータシステム全体1は、コンピュータ100とマウス200を含む。コンピュータ100は、マウス200がコンピュータの右側にあるのか左側にあるのかを判断する判断部101と、設定変更部105と、送信部104L及び送信部104Rとを有する。一方、マウス200は、受信部203を有する。
【0033】
送信部104L及び送信部104Rの位置関係は、前者がコンピュータ100の左側に設置されており、後者が右側に設置されている。
【0034】
送信部104Lは、ある周波数(第3の周波数)の電磁波を送出している。一方で、送信部104Rも、第3の周波数とは異なる第4の周波数の電磁波を送出している。受信部203は、両方の周波数の電磁波を受信するが、それぞれの電磁波の電界強度を監視している。
【0035】
本実施形態においては、図1図2で説明した「左側」と「右側」の境界を「中央線」と定義する。送信部104Lと送信部104Rは、マウス200が中央線上に位置するとき、両方の電磁波の電界強度が等しくなるように、強さを調節して電磁波を送出している。
【0036】
マウス200が、中央線よりも右側に位置すると、第4の周波数を第3の周波数よりも強く受信する。受信部203は、受信した電界強度、あるいは、どちらの電磁波をより強く受信したかを示す情報を、判断部101に伝える。伝達の方法は、「マウス入力をコンピュータに伝えるためのデータリンク層」を介して伝える。以降の構成については、第1、第2の実施形態と同じである。
【0037】
本実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同等の効果が得られる。さらに、中央線や送信部104から送出する電磁波の電界強度を調節することで、図2(b)のようなケースに対しても適切に対応できる。図6に示すように、中央線が送信部104Lと送信部104Rの間にないような場合であっても、マウス200が中央線上に位置するとき両方の電磁波の電界強度が等しくなるように、強さを調節して電磁波を送出することによって、マウス200が中央線より右側にあるのか、左側にあるのかが判断できる。
【0038】
以上に開示した技術的思想は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態に開示された技術的思想を組み合わせて、それぞれ異なる周波数の電磁波を受信する受信部を二つ設けてもよい。
【0039】
なお、上述の各実施形態における2系統の受信部102、受信部103又は送信部104の位置関係について付言すると、図7に示すように、コンピュータ100の特にメインディスプレイからユーザに向かう方向d1をY軸とし、該Y軸に直交し水平な方向をX軸とした場合に、X軸の座標が互いに異なることが好ましい。図7は、コンピュータ及びユーザを真上から見下ろした図である。
【0040】
図7に示すように、2系統の受信部102、受信部103又は送信部104の各ペアは、奥行きや高さ(Z軸)がどのようなものであってもかまわないが、マウス200が移動した際にコンピュータ100とマウス200との間でやりとりされる電磁波の電界強度の変化が検出されやすくなるので、横(X軸)の相対的な位置が異なることが好ましい。
【符号の説明】
【0041】
1 コンピュータシステム全体
100 コンピュータ
101 判断部
102 受信部
103 受信部
104 送信部
105 設定変更部
200 マウス
201 送信部
202 送信部
203 受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7