特許第5778115号(P5778115)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778115
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】竹繊維を混入したセメントモルタル
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20150827BHJP
   C04B 18/24 20060101ALI20150827BHJP
   C04B 41/65 20060101ALI20150827BHJP
   C04B 16/06 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   C04B28/02
   C04B18/24 Z
   C04B41/65
   C04B16/06 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-243190(P2012-243190)
(22)【出願日】2012年11月2日
(65)【公開番号】特開2014-91651(P2014-91651A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2012年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】306033483
【氏名又は名称】株式会社環境防災
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(72)【発明者】
【氏名】藤好 一男
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−029840(JP,A)
【文献】 特開平09−239706(JP,A)
【文献】 特開2004−210622(JP,A)
【文献】 特開2003−129634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 28/02
C04B 16/06
C04B 18/24
C04B 41/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物や土木構造体である躯体の表面に所定の厚さに塗布される、セメントと砂と水とを混合してなる壁用のセメントモルタルであって、
竹を平均長さが1cm以上として8cm以下とする繊維状に破砕してなる、平均太さを1mm以上であって3mm以下とする竹繊維であって、前記竹繊維は、竹を破砕してスリットに通過させて前記の太さとしてなる竹繊維で、前記竹繊維をセメントと砂に対して0.1重量%以上であって0.5重量%以下混合してなる竹繊維を混入したセメントモルタル。
【請求項2】
躯体表面に、所定の厚さで塗布されてなる請求項1に記載される竹繊維を混入したセメントモルタル。
【請求項3】
前記躯体表面が硬化したコンクリート表面である請求項2に記載される竹繊維を混入したセメントモルタル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は竹繊維を混合してなるセメントモルタルに関し、とくに、硬化したコンクリート表面等に塗布されて、硬化状態におけるひび割れを防止する用途に最適な竹繊維を混入してなるセメントモルタルに関する。
【背景技術】
【0002】
管理されない荒廃した竹林の増加により、隣接する森林や住宅が浸食され、あるいは地滑りなどの危険性の要因ともなるので、防災上の観点からも竹林の有効利用が求められている。従来の日本家屋は、土壁の内部に、竹を碁盤格子上に組んで埋設し、これによって壁を補強していた。しかしながら、近年の建物には土壁が使用されず、竹の使用量が著しく少なくなっているのが実情である。
【0003】
ところで、竹を有効に利用するために、竹チップをセメントモルタルで固めたブロックが開発されている。このブロックは、適度の透水性と保水性、必要な強度、柔らか味のある風合いなどを生かした舗装体やブロック材として使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−67665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の日本家屋の土壁は、埋設している碁盤格子状に組まれたロッド状の竹材で補強しているが、施工に著しく手間がかかり、また、この構造によっては、土壁自体の強度をそれほど強くできない。また、この土壁は、埋設するロッド状の竹材によって、乾燥後のひび割れを防止できず、ひび割れを防止するためにわら等を混合しているが、わらによっても乾燥後のひび割れを確実には防止できない欠点がある。
【0006】
一方、竹チップをセメントモルタルで固めたブロックは、竹チップによって透水性や保水性は実現できるが、セメントモルタルの硬化後のひび割れを阻止できない。セメントモルタルは、硬化状態においては、土壁とは比較できないほど極めて高い強度を実現するので、強度が要求される種々の用途に使用される。しかしながら、セメントモルタルは、水とセメントが硬化反応する際に、反応により水分が失われて収縮する。その際に収縮を拘束すると抵抗する引っ張り力が生じ、この状態におけるセメントモルタルが耐えられなくなる引っ張り力を超過すると、モルタル表面にひび割れが生じる。ひび割れは、美観を損ねるばかりでなく、ひび割れから雨水や炭酸ガスなどの侵入を容易として、セメントモルタルの劣化を促進することがある。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、硬化反応における収縮に起因するひび割れを有効に防止して、硬化状態で綺麗な表面状態となる竹繊維を混入したセメントモルタルを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明のセメントモルタルは、セメントと砂と水に竹繊維を混合している。竹繊維は竹を、平均長さが1cm以上とする繊維状に破砕したものである。竹繊維の混合量は、セメントと砂に対して0.1重量%以上であって、0.5重量%以下である。
【0009】
以上のセメントモルタルは、硬化反応における収縮に起因するひび割れを有効に防止して、硬化状態において綺麗な表面状態にできる特徴がある。それは、以上のセメントモルタルが、竹を破砕して長さを1cm以上とする竹繊維を、特定の割合で混合しているからである。セメントモルタルに混合している、竹を破砕してなる竹繊維は、引張強度を向上してセメントと水の硬化反応で収縮して発生するひび割れを有効に防止する。
【0010】
【0011】
本発明のセメントモルタルは、竹繊維の混合量を、セメントと砂のトータル重量に対して0.5重量%以下とすることができる。このセメントモルタルは、竹繊維の混合量をさらに最適な値に調整するので、引張強度をさらに向上してひび割れを極めて効果的に防止できる。
【0012】
本発明のセメントモルタルは、躯体表面に所定の厚さで塗布することができる。このセメントモルタルは、躯体表面への接着強度を向上して、剥離しないように躯体表面に接着できる特徴がある。それは、セメントモルタルの表面に露出する竹繊維が躯体表面に絡まって強固に接着されるからである。竹を破砕して得られる竹繊維は、表面に無数の凹凸があるので、バインダーを介して躯体表面に強固に接着される。
【0013】
本発明のセメントモルタルは、コンクリート表面である躯体表面に塗布することができる。このセメントモルタルは、硬化状態でコンクリート表面に剥離しないように強固に接着できる。それは、竹を破砕して表面に無数の凹凸のある竹繊維が表面に露出して、これがコンクリート表面に絡まって強固に接着されるからである。
【0014】
本発明のセメントモルタルは、木造建築の碁盤格子状の芯体に塗布することができる。このセメントモルタルは、碁盤格子状の芯体に塗布されて、硬化状態における表面のひび割れを有効に防止できる。したがって、このセメントモルタルは、木造建築の土壁に代わって使用されて、従来の土壁で到底実現できない、極めて強靭な壁体を構築できる。しかも、表面のひび割れを防止しながら強靭な壁体を構築できる特徴がある。
【0015】
本発明のセメントモルタルは、竹繊維の平均太さを1mm以上であって3mm以下とする。このセメントモルタルは、竹繊維の太さをも最適な状態とするので、セメントモルタルの硬化状態におけるひび割れをより確実に阻止しながら、優れた引張強度や曲げ強度をも実現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例にかかるセメントモルタルをコンクリート表面に塗布する状態を示す断面図である。
図2】本発明の実施例にかかるセメントモルタルを木造建築の壁に使用する状態を示す断面図である。
図3】テストピースの引張強度を測定する状態を示す正面図である。
図4】テストピースの曲げ強度を測定する状態を示す正面図である。
図5】テストピースのせん断強度を測定する状態を示す正面図である。
図6】本発明の実施例1のセメントモルタルの材齢7日後における表面状態を示す正面図である。
図7】本発明の実施例1のセメントモルタルの材齢28日後における表面状態を示す正面図である。
図8】本発明の実施例1のセメントモルタルの材齢55日後における表面状態を示す正面図である。
図9】比較例1のセメントモルタルの材齢7日後における表面状態を示す正面図である。
図10】比較例1のセメントモルタルの材齢28日後における表面状態を示す正面図である。
図11】比較例1のセメントモルタルの材齢55日後における表面状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのセメントモルタルを例示するものであって、本発明はセメントモルタルを以下の用途や使用状態には特定しない。
【0018】
図1の断面図は、コンクリート表面など、建物や土木構造体である躯体1の表面に所定の厚さにセメントモルタルを付着し、これを硬化させてモルタル層2を設けている。このセメントモルタルは、躯体表面に、所定の厚さ、たとえば10mm〜50mmの厚さに塗布される。セメントモルタルは硬化して躯体表面に接着される。このセメントモルタルは、硬化状態におけるひび割れを防止して、躯体表面を綺麗に仕上げることができる。
【0019】
図2の断面図は、柱3の間に碁盤格子状に組まれた芯体4の両面にセメントモルタルを塗布し、これを硬化させてモルタル層2として木造建築の壁体としている。壁体は、硬化するセメントモルタルの内部に、碁盤格子状の芯体4を埋設している。この構造は、碁盤格子状の芯体4に鉄筋を使用して、極めて強靭な壁体として、耐震構造の木造建築を実現できる。また、硬化したモルタル層の表面にひび割れが発生しないので、その表面にクロスを接着し、あるいは装飾用の塗料を塗布し、あるいは又こてで所定の厚さに仕上げ壁を塗布して綺麗に表面仕上げできる。
【0020】
セメントモルタルは、セメントと砂と水を混合しているが、本発明のセメントモルタルは、さらに竹繊維も混合している。セメントモルタルは、重量比で、セメント1に対して1.5〜3.5の砂を混合している。
【0021】
竹繊維は、竹を繊維状に破砕したものである。この竹繊維は、セメントモルタルに埋設されて、硬化反応後における表面のひび割れを効果的に防止するために、平均長さを1cm以上とするものが使用される。この竹繊維は、好ましくは、平均長さを1cm〜8cm、さらに好ましくは1cm〜5cmとする。竹繊維が短すぎると、硬化反応後におけるひび割れを効果的に防止するのが難しくなり、反対に平均長さを長くすると、短い竹繊維を分離することから歩留まりが悪くなって、竹繊維の原料コストが高くなる。したがって、硬化反応後のひび割れの程度と、竹繊維の原料コストとを考慮して、用途に最適な長さの竹繊維が使用される。
【0022】
竹を破砕して竹繊維を製造すると、竹繊維と一緒に屑ができる。竹繊維は、破砕時にできる屑を除去して製作される。屑はたとえば、間隔を1mm〜3mmとする無数のスリットに通過させて竹繊維から除去される。スリットの間隔を調整して、分離する屑の大きさ、言い換えると、選択される竹繊維の太さをコントロールできる。スリットの間隔を狭くして除去する屑の量を少なく、反対にスリットの間隔を広くして、除去する屑の量を多くできる。スリットの間隔を広くして、竹繊維から除去される屑の量を多くすると、選択される竹繊維が少なくなって、製造コストが高くなる。屑と一緒に細い竹繊維が除去されるからである。スリットの間隔は、竹繊維の平均太さを1mm以上であって3mm以下とするように調整される。たとえば、スリットの間隔を1.2mmとして、平均太さを1mm〜3mmとする竹繊維を選択できる。
【0023】
セメントモルタルは、竹繊維の添加量を、セメントと砂の重量に対して0.1重量%以上であって0.7重量%以下、好ましくは0.2重量%以上であって、0.6重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、最適には約0.35重量%に調整する。セメントモルタルは、竹繊維の混合量が少な過ぎても、反対に多すぎても強度が低下して、ひび割れを効果的に防止できなくなるからである。たとえば、竹繊維の混合量を、セメントと砂に対して0.35重量%とするセメントモルタルは、竹繊維を混合しないものに比較して、材齢7日後の引張強度が7%向上し、曲げ強度が6%〜8%向上し、せん断強度が約10%向上し、さらにひび割れは1/4以下に減少し、圧縮強度は竹繊維を混合しないものに匹敵する50N/mm以上と極めて優れた特性を実現する。
【0024】
[実施例1]
重量比で、セメント1に対して2倍の砂を混合し、さらに、これにセメントと砂のトータル重量に対して0.35重量%の竹繊維を混合する。竹繊維は平均長さを約3cm、平均太さを1.5mmとするものを使用する。セメント重量1kgに対して、0.5リットルの水を添加し、混練りしてセメントモルタルとする。このセメントモルタルを、コンクリート表面に、厚さ15mm、外形30cm×30cmの四角形に付着して硬化反応後のひび割れを測定する。
【0025】
さらに、同じセメントモルタルを使用して、テストピースを製作して、材齢7日の引張強度、曲げ強度、せん断強度を測定すると、
引張強度は4.36N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの引張強度の4.07N/mmに対して107%と7%も向上した。
曲げ強度は8.18N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの曲げ強度7.75N/mmに対して106%と6%も向上した。
せん断強度は15.3N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースのせん断強度13.7N/mmに対して112%と12%も向上した。
【0026】
ただし、引張強度は、直径50mm長さ100mmのテストピースを、各材齢において、JISA1113コンクリートの割裂引張強度試験方法に準拠して行い、3本の平均値を求めた。図3はテストピースの引張強度を測定する状態を示している。この図に示すように、テストピースを上下の加圧板5で次第に強く加圧し、テストピースが破壊されるときの最大荷重P(N)を測定して、以下の式で引張強度f(N/mm)を測定する。
【0027】
【数1】
【0028】
ただし、この式において、dはテストピースの直径で50mm
lはテストピースの長さで100mm
【0029】
曲げ強度は、各辺を40mm×40mm×160mmとする直方体のテストピースを各材齢において、3本をJISR5201セメントの物理試験方法に準拠して行い平均値を求めた。図4はテストピースの曲げ強度を測定する状態を示している。この図に示すように、テストピースを直径10mm、中心間隔を100mmとする2本のロッド6の上に載せ、2本のロッド6の中間から直径10mmの加圧ロッド7でなめらかに次第に強く加圧し、テストピースが破壊されるときの最大荷重F(N)を測定して、以下の式で曲げ強度R(N/mm)を測定する。
【0030】
【数2】
【0031】
ただし、この式において、lは2本のロッドの間隔で100mm
bは直方体の一辺の寸法で40mm
【0032】
せん断強度は、各辺を40mm×40mm×160mmとする直方体のテストピースを各材齢において、3本を比較的試験装置の簡単な二面せん断試験方法により行い平均値を求めた。図5はテストピースのせん断強度を測定する状態を示している。この図に示すように、テストピースを2本のバー8の上に載せ、2本のバー8の中間の間隔に等しい幅の加圧バー9で次第に強く加圧し、テストピースが破壊されるときの最大荷重P(N)を測定して、以下の式でせん断強度τ(N/mm)を測定する。
【0033】
【数3】
【0034】
ただし、この式においてAはテストピースの断面積であって40×40mmである。
【0035】
また、材齢7日後のひび割れは、竹繊維を混合しない比較例に対して1/4以下と著しく減少した。さらに、この実施例のセメントモルタルの材齢7日後、材齢28日後、材齢55日後のひび割れを図6図8に示し、竹繊維を添加しない比較例のセメントモルタルの材齢7日後、材齢28日後、材齢55日後のひび割れを図9図11に示している。
【0036】
これ等の図から、実施例のセメントモルタルが硬化反応後のひび割れが極めて効果的に防止できることが明らかとなる。実施例のセメントモルタルは、竹材を有効利用しながら、硬化反応後のひび割れを防止するので、原料コストを安価にしながら、ひび割れを防止できる特徴がある。
【0037】
[実施例2]
竹繊維の混合量を、セメントと砂のトータル重量に対して0.47重量%とする以外、実施例と同様にしてセメントモルタルを調整し、コンクリート表面に、同じ厚さ、同じ形状で付着してひび割れを測定する。また、実施例と同じテストピースを製作して、材齢7日の引張強度、曲げ強度、せん断強度を測定すると、
引張強度は4.25N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの引張強度の4.07N/mmに対して104%と4%向上した。
曲げ強度は8.14N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの曲げ強度7.75N/mmに対して105%と5%も向上した。
せん断強度は15.9N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースのせん断強度13.7N/mmに対して116%と16%も向上した。
【0038】
[実施例3]
竹繊維の混合量を、セメントと砂のトータル重量に対して0.23重量%とする以外、実施例と同様にしてセメントモルタルを調整し、コンクリート表面に、同じ厚さ、同じ形状で付着してひび割れを測定する。また、実施例と同じテストピースを製作して、材齢7日の引張強度、曲げ強度、せん断強度を測定すると、
引張強度は4.34N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの引張強度の4.07N/mmに対して107%と7%も向上した。
曲げ強度は8.12N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの曲げ強度7.75N/mmに対して105%と5%も向上した。
せん断強度は14.8N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースのせん断強度13.7N/mmに対して108%と8%向上した。
【0039】
[比較例1]
竹繊維を混合しない以外、実施例と同様にしてセメントモルタルを調整し、コンクリート表面に、同じ厚さ、同じ形状で付着してひび割れを測定する。また、実施例と同じテストピースを製作して、材齢7日の引張強度、曲げ強度、せん断強度を測定すると、引張強度は4.07N/mm、曲げ強度は7.75N/mm、せん断強度は13.7N/mmとなった。
【0040】
[比較例2]
竹繊維の混合量を、セメントと砂のトータル重量に対して1.1重量%とする以外、実施例と同様にしてセメントモルタルを調整し、コンクリート表面に、同じ厚さ、同じ形状で付着してひび割れを測定する。また、実施例と同じテストピースを製作して、引張強度、曲げ強度、せん断強度を測定すると、
引張強度は3.76N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの引張強度の4.07N/mmに対して93%と7%低下した。
曲げ強度は6.79N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースの曲げ強度7.75N/mmに対して88%と12%低下した。
せん断強度は13.7N/mmとなって、竹繊維を添加しない比較例1のテストピースのせん断強度13.7N/mmと同等になった。
【符号の説明】
【0041】
1…躯体
2…モルタル層
3…柱
4…芯体
5…加圧板
6…ロッド
7…加圧ロッド
8…バー
9…加圧バー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11