(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
活物質を含有するペーストが塗布された極板を備えた電池の積層体であって、正極板又は負極板を袋状のセパレータに収容した状態で積層した積層体を製造する極板積層装置において、
前記ペーストが塗布された状態の極板であって前記正極板及び前記負極板の少なくとも一方を、その重量に応じて、前記極板の目標重量範囲である基準ランクよりも軽い所定の重量範囲である第1ランクと、前記基準ランクよりも重い所定の重量範囲である第2ランクとで分けて載置する極板載置部と、
前記極板を前記セパレータを介した状態で積層する積層領域が設けられた治具と、
前記極板載置部に載置された前記極板を前記治具に積層する極板搬送機構と、
前記極板搬送機構を制御する積層制御装置とを備え、
前記積層制御装置は、
前記正極板及び前記負極板の両方について前記第1ランクの極板及び前記第2ランクの極板を用いて前記積層体をそれぞれ構成するか、又は、前記正極板及び前記負極板のいずれか一方の前記極板について前記第1ランクの極板及び前記第2ランクの極板を用い、且つ他方の前記極板について前記基準ランクの極板を用いて前記積層体を構成するとともに、
前記第1ランクの極板及び前記第2ランクの極板を用いる電極の極板の合計枚数Nが偶数の場合には、前記第1ランクに分類されたN/2枚の極板と、前記第2ランクに分類されたN/2枚の極板とを前記治具に積層するように前記極板搬送機構を制御し、
前記合計枚数Nが奇数の場合は、前記第1ランクに分類された(N+1)/2枚の極板と前記第2ランクに分類された(N−1)/2枚の極板、又は、前記第1ランクに分類された(N−1)/2枚の極板と前記第2ランクに分類された(N+1)/2枚の極板とを前記治具に積層するように前記極板搬送機構を制御することを特徴とする極板積層装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、極板積層装置の第1実施形態を説明する。本実施形態では、ニッケル水素電池の積層体を製造する装置及び方法について例示する。このニッケル水素電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車の電源等として用いられる電池である。ニッケル水素電池は、正極板と負極板とをセパレータを介した状態で積層した積層体を備えている。
【0024】
(電池製造装置の構成)
図1に示すように、極板積層装置は、負極板APを収容する負極板マガジンMAと正極板CPを収容する正極板マガジンMCとを備えている。負極板は、パンチングメタル等からなる芯材に、活物質である水素吸蔵合金粉末、導電剤、結着剤等を含有するペーストを塗布し、乾燥及び圧延されることにより作製される。
【0025】
正極板CPは、金属多孔体である発泡ニッケル板等の芯材に、活物質である水酸化ニッケル粒子等のニッケル酸化物、導電剤、結着剤を含有するペーストを塗布し、乾燥及び圧延されることにより作製される。
図2に示すように、この正極板CPは、耐アルカリ性樹脂の不織布や樹脂等の袋状のセパレータSに収容され、セパレータSに収容された状態で正極板マガジンMCに並べられる。袋状のセパレータSは、その一辺に開口部S1を備えている。正極板CPは、集電体に溶接されるリードLDを開口部S1から突出させてセパレータSに収容される。また以下、「正極板CP」は、セパレータSに収容された状態の正極板CPを指す。
【0026】
この正極板CPと負極板APとが交互に積層されることにより積層体が作製される。また、積層体のうち、正極板CPのリードは正極側の集電板に接続され、負極板APのリードは負極側の集電板に接続されることにより連接構造体が作製される。さらに、連接構造体が、水酸化カリウム水溶液等からなる電解液とともに樹脂製の電槽内に収容されることによって電池が構成される。尚、正極板CP及び負極板APを区別しない場合には、極板Pとして説明する。
【0027】
これらの負極板AP及び正極板CPは、目標重量範囲である基準ランクを中心に重量範囲別に階層化されたランクに分けられ、該ランク毎に設けられた負極板マガジンMA及び正極板マガジンMCにそれぞれ収容される。
【0028】
ここで、上記ランクについて説明する。極板積層装置に搬送される前段階で、極板Pは、例えばコンベア等の搬送機構によって搬送される際に、その重量が測定される。ペーストは、塗工機を用いて芯材に塗布されるため、極板Pの大半は目標重量範囲内に収まるものの、目標重量範囲外となる極板Pも存在する。このため、ペーストを含む極板全体の重量が目標重量範囲(Tmin〜Tmax)内である極板Pを、基準ランクとし、極板重量が許容範囲(Amin〜Amax)であって目標重量範囲を下回る極板Pを「1ランク」として分類する(尚、許容範囲は目標重量範囲を含む。即ち、Amin<Tmin、Tmax<Amax)。また、極板重量が許容範囲であって目標重量範囲を上回る極板Pを「2ランク」として分類する。各ランクの重量範囲を示す表を以下に示す。尚、目標重量範囲は、負極板AP及び正極板CP毎に設定されるものであって、各欄に示されるAmin、Amax、Tmin、Tmaxの実際の数値は異なる。また、許容範囲とは、極板重量の誤差が製造工程上許容される範囲であって、許容範囲外である極板はここでは使用しない。
【0030】
本実施形態の極板積層装置は、「1ランク」の極板Pと「2ランク」の極板Pとを用いて積層体を作製するモードと、基準ランクの極板Pのみを用いて積層体を作製するモードとを選択可能である。
図1に示すように、負極板マガジンMAは、「1ランク」の負極板AP1を収容する第1負極板マガジンMA1と、「2ランク」の負極板AP2を収容する第2負極板マガジンMA2と、基準ランクの負極板を収容する負極板マガジン(図示略)を備える。
【0031】
第1負極板マガジンMA1には、「1ランク」の負極板AP1が、集電板に溶接するリードを図中手前に向けて収容され、第2負極板マガジンMA2には、「2ランク」の負極板AP2が、リードを図中奥側に向けて収容されている。
【0032】
また、正極板マガジンMCは、「1ランク」の正極板CP1を収容する第1正極板マガジンMC1と、「2ランク」の正極板CP2を収容する第2正極板マガジンMC2と、基準ランクの正極板CP2を収容する正極板マガジン(図示略)を備える。
【0033】
第1正極板マガジンMC1には、「1ランク」の正極板CP1が、集電板に溶接するリードを図中奥側に向けて収容され、第2正極板マガジンMC2には、「2ランク」の正極板CP2が、リードを図中手前に向けて収容されている。
【0034】
また、極板積層装置は、負極板マガジンMA及び正極板マガジンMCの間に、ベース12を備えている。ベース12には、平面視において矩形状のテーブルTが回転可能に支持されている。またベース12には、該テーブルTを回転させる駆動源、歯車機構等を有するテーブル回転機構21が連結されている。テーブルTは、テーブル回転機構21の駆動により、ベース12に対し、180°の範囲で両方向に回動可能である。
【0035】
テーブルTには、第1治具F1及び第2治具F2がテーブルTに対し移動不能に固定されている。第1治具F1及び第2治具F2は、同じ構成であって、極板Pが載置されるベース部FAと、ベース部FAの両側に設けられた固定ブロックFBと、極板Pを位置決めするピンFPとを備えている。ベース部FAの上面のうち固定ブロックFBに囲まれた領域が、極板Pを積層する積層領域に相当する。
【0036】
また、第1治具F1及び第2治具F2は、テーブルTが回転することによって、「1ランク」の負極板AP1が載置可能な第1載置可能位置、「2ランク」の負極板AP1が載置可能な第2載置可能位置に配置される。
【0037】
各治具F1,F2の各側方には、極板載置部を有するアライメント機構GA,GCが設けられている。各治具F1,F2の図中右側には、負極板APの位置調整を行う負極アライメント機構GAが設けられている。負極アライメント機構GAは、第1負極アライメント機構GA1と第2負極アライメント機構GA2とを備える。
【0038】
負極板APとして、「1ランク」の負極板AP1及び「2ランク」の負極板AP2を用いる場合には、図中奥側に図示された第1負極アライメント機構GA1で「1ランク」の負極板AP1のアライメントが行われる。図中手前に図示された第2負極アライメント機構GA2では「2ランク」の負極板AP2のアライメントが行われる。基準ランクの負極板AP2のみを用いて積層体を作製する場合は、各負極アライメント機構GA1,GA2は区別無く用いられる。
【0039】
アライメント機構GAは、固定ブロックG1と可動ブロックG2とをそれぞれ備えている。固定ブロックG1及び可動ブロックG2に囲まれた領域は、極板載置部である。第1負極アライメント機構GA1は負極板用の第1極板載置部を有し、第2負極アライメント機構GA2は負極板用の第2極板載置部を有する。極板載置部に負極板APを載置した後、固定ブロックG1に対し可動ブロックG2を移動させることで、負極板APが固定ブロックG1に押し当てられ、負極板APの計測及び位置合わせがなされる。
【0040】
さらに、極板積層装置は、負極板APを搬送する搬送機構を構成する搬送部13を、第1及び第2負極アライメント機構GA1、GA2毎に備えている。搬送部13は、同じ構造であって、支持部13Aと、支持部13Aに設けられた1対の吸引部13Bとを備えている。この搬送部13は、搬送機構を構成する搬送駆動部22によって駆動される。搬送駆動部22は、駆動源、該駆動源の動力を搬送部13に伝達する動力伝達機構、吸引部13Bに吸引力を印加及び解除する吸引機構等を備える。
【0041】
また搬送部13は、搬送駆動部22の駆動により、第1極板載置部に載置された「1ランク」の負極板AP1を、第1載置可能位置に配置された治具に移動させる。さらに搬送部13は、搬送駆動部22の駆動により、第2極板載置部に載置された「2ランク」の負極板AP2を、第2載置可能位置に配置された治具に移動させる。
【0042】
第1負極板マガジンMA1、第1負極アライメント機構GA1、及び図中奥側の第1載置可能位置に配置された治具(
図1では第2治具F2)は、一列に並べられている。このため、搬送部13は、第1負極板マガジンMA1、第1負極アライメント機構GA1、及び治具の間を最短距離で直線状に往復動する。第2負極板マガジンMA2、第2負極アライメント機構GA2、及び第2載置可能位置に配置された治具(
図1では第1治具F1)は、一列に並べられている。このため、搬送部13は、第2負極板マガジンMA2、第2負極アライメント機構GA2、及び治具の間を最短距離で直線状に往復動する。
【0043】
一方、各治具F1,F2の図中左側には、正極板CPの位置調整を行う正極アライメント機構GCが設けられている。正極アライメント機構GCは、第1正極アライメント機構GC1と第2正極アライメント機構GC2とを備える。
【0044】
正極板CPとして、「1ランク」の正極板CP1及び「2ランク」の正極板CP2を用いる場合には、図中奥側に図示された正極アライメント機構GC1で「1ランク」に属する正極板CP1のアライメントが行われる。図中手前に図示された第2正極アライメント機構GC2では、「2ランク」に属する正極板CP2のアライメントが行われる。基準ランクの正極板CP2のみを用いて積層体を作製する場合は、これらの正極アライメント機構GC1,GC2は区別無く用いられる。第1正極アライメント機構GC1は正極板用の第1極板載置部を有し、第2正極アライメント機構GC2は正極板用の第2極板載置部を有する。また、各正極アライメント機構GC1,GC2は、各負極アライメント機構GA1,GA2と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0045】
さらに、極板積層装置は、正極板CPを搬送する搬送機構を構成する搬送部13を、第1及び第2正極アライメント機構GC1、GC2毎に備えている。搬送部13は、負極側の搬送部13と同じ構成であって、搬送駆動部22によって駆動される。
【0046】
正極側の搬送部13は、搬送駆動部22の駆動により、第1極板載置部に載置された「1ランク」の正極板CP1を、第1載置可能位置に配置された治具に移動させる。さらに搬送部13は、搬送駆動部22の駆動により、第2極板載置部に載置された「2ランク」の正極板CP2を、第2載置可能位置に配置された治具に移動させる。
【0047】
第1正極板マガジンMC1、第1正極アライメント機構GC1、及び図中奥側の第1載置可能位置に配置された治具(
図1では第2治具F2)は、一列に並べられている。このため、搬送部13は、第1正極板マガジンMC1、第1正極アライメント機構GC1、及び治具の間を最短距離で直線状に往復動する。第2正極板マガジンMC2、第2正極アライメント機構GC2、及び図中手前の第2載置可能位置に配置された治具(
図1では第1治具F1)は、一列に並べられ、搬送部13は、第2正極板マガジンMC2、第2正極アライメント機構GC2、及び治具の間を最短距離で直線状に往復動する。
【0048】
また極板積層装置は、テーブル回転機構21、アライメント機構GA,GC及び搬送駆動部22等を制御する積層制御装置20を備えている。積層制御装置20は、CPU,RAM及びROM等を備え、テーブル回転機構21の駆動源等を制御して、所定のタイミングでテーブルTを回転させる。また、積層制御装置20は、図示しない駆動機構を制御して、アライメント機構GA,GCの可動ブロックG2を駆動する。さらに、積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、搬送部13を往復動させる。また、積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、搬送部13が極板Pを搬送するときに吸引部13Bに吸引力を付与し、極板Pを治具F1,F2等に載置するときに吸引力を解除する。この積層制御装置20は、基準ランク外の極板Pを用いて積層体を作製するモードと、基準ランクの極板Pを用いて積層体を作製するモードとに応じて、搬送部13の動作、テーブルTの回転動作等を変更する。
【0049】
基準ランク外の極板Pを用いて積層体を作製するモードでは、積層制御装置20は、治具F1,F2に、「1ランク」の正極板CP1及び「2ランク」の正極板CP2を同数と、「1ランク」の負極板AP1及び「2ランク」の負極板AP2をほぼ同数になるように交互に積層する。
【0050】
積層体を用いるのに使用される電極別の極板の合計枚数をN枚とすると、合計枚数Nが偶数の場合には、「1ランク」に分類されたN/2枚の極板と、「2ランク」に分類されたN/2枚の極板とを治具に積層する。また、合計枚数Nが奇数の場合は、「1ランク」に分類された(N+1)/2枚の極板と「2ランク」に分類された(N−1)/2枚の極板、又は、「1ランク」に分類された(N−1)/2枚の極板と「2ランク」に分類された(N+1)/2枚の極板とを治具に積層する。
【0051】
本実施形態では、負極板APを13枚、正極板CPを12枚用いる。このときの負極板AP及び正極板CPの構成を以下に示す。負極板APの構成は、2つのパターンのうちいずれか一方を選択できる。
【0053】
(極板積層装置の動作)
次に、本実施形態の極板積層装置の動作について説明する。まず、各極板Pを積層する積層工程の前に、ペーストを芯材に塗布して乾燥する塗工と、負極板AP及び正極板CPの重量を測定する重量測定とが行われる。負極板AP及び正極板CPの測定は、負極板AP及び正極板CPを搬送するコンベアの途中に設けられた重量測定部によって自動的に測定される。負極板AP及び正極板CPは、重量測定部から出力された重量測定値に応じて、基準ランク、「1ランク」、「2ランク」のいずれかに分類される。
【0054】
負極板AP及び正極板CPがランク別に分類されると、負極板AP及び正極板CPは、各々が属するランクの各マガジンMA,MCに収容される。
基準ランクの負極板AP及び正極板CPのみで積層体を作製するモードでは、治具F1,F2上に、例えば13枚の負極板APと、12枚の正極板CPとを交互に積層していく。
【0055】
積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、搬送部13の吸引力を制御するとともに、搬送部13を往復動する。この間、テーブルTは静止した状態に保持される。搬送部13は、負極板マガジンMAに収容された基準ランクの負極板APを吸引し、吸引した負極板APをアライメント機構GAに載置する。
【0056】
アライメント機構GAにおいて、負極板APのアライメントが行われると、積層制御装置20は、搬送部13を駆動して、吸引部13Bによってアライメント機構GAの極板載置部に載置された負極板APを吸引するとともに、負極板マガジンMA内の基準ランクの負極板APを吸引して治具F1,F2側へ移動する。アライメントを行った負極板APが、第1治具F1又は第2治具F2に到達すると、搬送部13は、吸引力を解除して負極板APを第1治具F1又は第2治具F2に載置するともに、新たに負極板マガジンMAから取り出した負極板APをアライメント機構GAに載置する。このとき、搬送部13が負極板マガジンMA側から治具側へ向かう最短距離を直線状に移動する。
【0057】
さらに積層制御装置20は、負極板APと同様に、基準ランクの正極板CPを、治具F1,F2に載置した負極板APに積層する。このように、基準ランクの負極板AP及び正極板CPを用いる場合には、それらを交互に積層して積層体を作製する。
【0058】
一方、「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1と、「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2を用いるモードでは、以下のような動作が行われる。
まず
図3に示すように、積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、図中下方の第1治具F1に、第2負極アライメント機構GA2に載置された「2ランク」の負極板AP2と、第2正極アライメント機構GC2に載置された「2ランク」の正極板CP2とを交互に積層していく。尚、
図3〜
図5ではアライメント機構GA、GCは、便宜上図示を省略している。また、搬送部13の動作は、基準ランクの負極板AP2及び正極板CP2を積層するときと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0059】
ここでは、負極板AP2を最下層として、7枚の「2ランク」の負極板AP2と、6枚の「2ランク」の正極板CP2とを積層する場合について説明する。搬送部13は、負極板AP2のリードの孔Hに、第1治具F1のピンFPのうち孔Hの位置に対応するピンFPを貫挿して極板Pを位置決めする。
【0060】
「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2の積層が完了すると、積層制御装置20は、テーブル回転機構21を制御して、テーブルTを180°回転させる。
図4に示すように、第1治具F1に積層された各極板のうち最上層の「2ランク」の負極板AP2は、リードLDが下側となる向きに配置され、その向きが第1負極アライメント機構GA1に載置された「1ランク」の負極板AP1の向きと同じとなる。また、負極板AP2の間の正極板CP2の向きは、第1正極アライメント機構GC1に載置された「1ランク」の正極板CP1の向きと同じとなる。
【0061】
図5に示すように、次いで積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1治具F1に「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1を交互に積層する。本実施形態では、「1ランク」の6枚の負極板AP1と、「1ランク」の6枚の正極板CP1とを交互に積層する。この工程と同時に、第2治具F2に対し、「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2を交互に積層してもよい。
【0062】
「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1の積層が完了すると、図示しない搬出機構により、第1治具F1上に作製された積層体が取り出される。このように作製された積層体は、その下半分に「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2、上半分に負極板AP1及び正極板CP1が積層されている。このように極板毎のペースト量にはばらつきがあるものの、積層体が電解液とともに電槽内に封入されると、正極活物質、負極活物質等の電池反応に寄与する物質は、当該物質に接触する電解液を介して正極と負極との間で反応を進行させる。このため、基準ランク以外の負極板AP及び正極板CPを積層した積層体であっても、基準ランクの負極板AP及び正極板CPのみが積層された電池に比べ遜色ない電池容量を得ることができる。
【0063】
以上説明したように、第1実施形態の極板積層装置によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)第1実施形態によれば、極板積層装置は、極板Pを「1ランク」及び「2ランク」に応じて分けて載置する第1極板載置部及び第2極板載置部を有するアライメント機構GA,GCを備えた。また極板積層装置は、極板Pを積層する積層領域が設けられた治具F1,F2と、極板載置部に載置された極板Pを治具F1,F2に積層する搬送部13及び搬送駆動部22を備えた。また、極板積層装置は、搬送部13等を駆動して、極板重量が軽い「1ランク」に分類された負極板AP1及び正極板CP1と、且つ極板重量が重い「2ランク」に分類された負極板AP2及び正極板CP2とを組み合わせて積層して積層体を作製する積層制御装置20とを備えた。このため、積層体Lの総重量を、基準ランクの極板Pのみからなる積層体Lの総重量に近づけることができる。また、「1ランク」の負極板AP1及び「2ランク」の負極板AP2を合計で13枚用い、「1ランク」の負極板AP1を6枚と「2ランク」の負極板AP2を7枚、又は、「1ランク」の負極板AP1を7枚と「2ランク」の負極板AP2を6枚といった組み合わせとした。さらに、正極板CPは、「1ランク」の正極板CP1を6枚と「2ランク」の正極板CP2を6枚といった組み合わせとした。即ち、基準ランク外の極板Pを用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量を、基準ランクの極板を用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量とほぼ一致させることができる。従って、基準ランク外の極板Pを用いても、基準ランクに属する極板Pのみを組み合わせた電池と同等の性能を得ることができるので、基準ランク外の極板を廃棄することなく有効利用することができる。
【0064】
(2)第1実施形態では、極板積層装置は、治具F1,F2が固定されたテーブルTと、テーブルTを回転させて治具F1,F2に積層する極板Pのランクを変更するテーブル回転機構21とを備えた。従って、テーブルTが回転されることにより、治具F1,F2の位置が変更可能であるため、治具F1,F2に積層される極板のランクが変更することができる。このため、テーブルTが回転するタイミング及び回数を適宜変更することにより、各ランクの極板枚数、積層順を変更できるため、積層パターンを多様化することができる。このため、基準ランクの極板のみを積層する極板搬送装置としても利用できる。また、極板Pのランクを変更するために搬送部13の搬送経路をランク別に変更する方法もあるが、テーブルTを回転することによって搬送経路を常に最短経路に保つことができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、
極板積層装置を具体化した第2実施形態を説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態の極板積層装置の一部を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0066】
図6に示すように、本実施形態の電池製造装置としての極板積層装置は、ベース12に、第1テーブルTA及び第2テーブルTBを備えている。各テーブルTA,TBは、テーブル回転機構21によって回転される。また、ベース12自身も、その下方に配置された台座11に対し、回転可能に支持されている。ベース12には、駆動源等を有するベース回転機構23が連結されている。ベース回転機構23は、積層制御装置20によって駆動される。
【0067】
各テーブルTA,TBには、第1及び第2治具F1,F2がそれぞれ設けられている。尚、各テーブルTA,TBを区別しないで説明する場合には、単に「テーブルT」とする。
【0068】
図6では、アライメント機構GA,GCは、手前のテーブルT(
図6では第1テーブルTA)の脇に設けられている。この状態では、第1テーブルTAが搬送部13から極板Pを受け取ることが可能な載置可能位置に配置されている。
【0069】
テーブルT及びベース12のうち少なくとも一方を回転させることによって、各テーブルTの第1治具F1及び第2治具F2は、「1ランク」の負極板AP1が載置可能な第1載置可能位置、「2ランク」の負極板AP1が載置可能な第2載置可能位置に配置可能に構成されている。
【0070】
本実施形態でも、第1負極板マガジンMA1、第1負極アライメント機構GA1、及び第1載置可能位置に配置された治具は、一列に並べられているとともに、第2負極板マガジンMA2、第2負極アライメント機構GA2、及び第2載置可能位置に配置された治具は、一列に並べられている。また、第1正極板マガジンMC1、第1正極アライメント機構GC1、及び第1載置可能位置に配置された治具は、一列に並べられているとともに、第2正極板マガジンMC2、第2正極アライメント機構GC2、及び第2載置可能位置に配置された治具は、一列に並べられている。
【0071】
(極板積層装置の動作)
次に、「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1と、「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2を積層する際の極板積層装置の動作について説明する。
図7に示すように、初期状態では、第1テーブルTAが上記載置可能位置に配置され、第1治具F1が第2載置可能位置、第2治具F2が第1載置可能位置に配置されている。また、各テーブルTA,TBは、第1治具F1を、ベース12の径方向外側に向け、第2治具F2を径方向内側に向けた位置に配置されている。
【0072】
積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して第1工程を行う。このとき搬送駆動部22等により、第1テーブルTAの第1治具F1に、「2ランク」の負極板AP2を最下層として、7枚の負極板AP2及び6枚の正極板CP2を交互に積層する。積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、第2負極アライメント機構GA2の第2極板載置部に載置された「2ランク」の負極板AP2を、第2載置可能位置にある第1治具F1に搬送して載置する動作と、第2正極アライメント機構GC2の第2極板載置部に載置された「2ランク」の正極板CP2を、同第1治具F1に搬送して載置する動作を交互に行う。
【0073】
次に第2工程を行う。第2工程では、積層制御装置20は、ベース回転機構23を制御して、ベース12を回転軸12Aを中心に180°回転させ、第1テーブルTAの第1治具F1を極板Pを積層できない載置不可能位置に移動する。
図8に示すように、ベース回転後には、第1テーブルTAは図中上方に配置され、第2テーブルTBが上記載置可能位置に配置される。第2テーブルTBの第1治具F1は、第2載置可能位置に配置される。
【0074】
この状態では、第1テーブルTAの第1治具F1は、ベース12の径方向外側に配置されている。このため、このままの状態では、さらにベース12を回転させたとしても第2載置可能位置にしか配置されず、「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1を受け取ることができない。また、第1治具F1に積層された負極板APは、リードLDを
図8中下側にした状態で配置される。
【0075】
次に、第3工程を行う。
図9に示すように、積層制御装置20は、テーブル回転機構21を駆動して、既に負極板AP2及び正極板CP2が積層された第1テーブルTAを180°回転させる。第1テーブルTAの回転が完了すると、第1治具F1上に積層された負極板APのリードLDは、負極板APの図中上側に配置される。また、第1テーブルTAを回転させる間、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第2載置可能位置に配置された第2テーブルTBの第1治具F1に、「2ランク」の負極板AP2を最下層として、7枚の負極板AP2及び6枚の正極板CP2を交互に積層する。このときの動作は、第1テーブルTAに対して積層を行うときと同じ動作である。
【0076】
さらに積層制御装置20は、ベース12を180°回転させる。
図10に示すように、ベース回転後には、第1テーブルTAの第1治具F1が、予めベース回転前に第1テーブルTA自身が回転することにより、第1載置可能位置に配置される。また、負極板APは、リードLDが図中下方となる向きに配置され、第1負極アライメント機構GA1の負極板AP1の向きと合致する。
【0077】
また、この状態では、第2テーブルTBの第1治具F1は、ベース12の径方向外側に配置されている。このため、このままの状態では、さらにベース12を回転させたとしても第2載置可能位置にしか配置されず、「1ランク」の負極板AP1及び正極板CP1を受け取ることができない。
【0078】
次に第4工程を行う。
図11に示すように、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、既に第1テーブルTAの第1治具F1に積層された「2ランク」の負極板AP2の上に、「1ランク」の6枚の正極板CP1と「1ランク」の6枚の負極板AP1とを交互に積層する。積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1負極アライメント機構GA1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の負極板AP1を、第1載置可能位置に配置された第1テーブルTAの第1治具F1に移動させて載置する動作、第1正極アライメント機構GC1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の正極板CP1を、第1載置可能位置に配置された第1テーブルTAの第1治具F1に移動させて載置する動作を交互に行う。
【0079】
その結果、第1テーブルTAの第1治具F1には、「2ランク」の7枚の負極板AP2及び「1ランク」の6枚の負極板AP1と、「2ランク」の6枚の正極板CP2及び「1ランク」の6枚の正極板CP1とが、セパレータSを介して交互に積層された積層体が作製される。
【0080】
また第1テーブルTAに極板Pを積層している間、積層制御装置20は、テーブル回転機構21を介して、第2テーブルTBを180°回転させる。その結果、負極板AP2及び正極板CP2が積層された第1治具F1は、ベース12の径方向内側に配置される。
【0081】
次に、積層制御装置20は、ベース回転機構23を制御して、ベース12を180°回転させる。
図12に示すように、第1テーブルTAの第1治具F1に作製された積層体Lは、図示しない取り出し機構により取り出し可能な取り出し位置に配置される。また、第2テーブルTBの第1治具F1は、予めベース回転前に第2テーブルTB自身が回転することにより、第1載置可能位置に配置される。また、負極板APは、リードLDが図中下方となる向きに配置され、第1負極アライメント機構GA1の負極板AP1の向きと合致する。
【0082】
図13に示すように、上記取り出し機構は、第1治具F1から積層体Lを抜き取って、ベース12の外側へ搬送する。また、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第2テーブルTBの第1治具F1に積層された「2ランク」の負極板AP2の上に、「1ランク」の6枚の正極板CP1と「1ランク」の6枚の負極板AP1とを交互に積層する。その結果、第2テーブルTBの第1治具F1には、積層体Lが作製される。
【0083】
積層体Lの取り出し及び第2テーブルTBへの積層が完了すると、積層制御装置20は、ベース回転機構23を制御して、ベース12を180°回転させる。
図14に示すように、第2テーブルTBの第1治具F1に作製された積層体Lは、上記取り出し機構により取り出し可能な位置に配置される。空となった第1テーブルTAの第2治具F2は第2載置可能位置に配置され、第1治具F1は第1載置可能位置に配置される。
図15に示すように、上記取り出し機構は、第2テーブルTBの第1治具F1に作製された積層体Lを取り出す。また、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1テーブルTAの第2治具F2に対し、上述した手順と同様に積層体Lを作製するための極板Pの積層を開始する。即ち、「2ランク」の7枚の負極板AP2と「2ランク」の6枚の正極板CP2とを交互に積層する。このようにベース12の回転、テーブルTA,TBの回転及び極板Pの搬送を繰り返すことにより、積層体Lの作製が継続される。
【0084】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)〜(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(3)第2実施形態では、極板積層装置は、第1治具F1及び第2治具F2が固定された第1テーブルTA、及び第1治具F1及び第2治具F2が固定された第2テーブルTBと、各テーブルTA,TBを回転可能に支持し、自身も回転可能であるベース12とを備えた。また、極板積層装置は、各テーブルTA,TBを各々独自に回転させるテーブル回転機構21と、ベース12を回転させるベース回転機構23とを備えた。さらに、積層制御装置20は、第1テーブルTAに設けられた第1治具F1に第2ランクの極板Pを積層する第1工程と、該第1治具F1を載置不可能位置に移動させる第2工程と、該第1治具F1を第1載置可能位置に配置する第3工程とを行った。さらに積層制御装置20は、該第1治具F1に第1ランクの極板Pを積層し、積層体Lが完成した際には、取り出し位置に移動させる第4工程を行った。このため、基準ランクの極板を用いて積層体Lを用いる場合の搬送機構の搬送経路を変更することなく、テーブルTA,TB及びベース12の回転パターンを変更することによって、基準ランク外の極板を用いて積層体Lを製造することができる。
【0085】
(4)第2実施形態では、積層制御装置20は、テーブル回転機構21及びベース回転機構23を制御して、第2工程で、第1テーブルTAの載置不能位置への移動と、第2テーブルTBの第1治具F1の第2載置可能位置への移動とを同時進行した。また、第3工程で、第1テーブルTAの回転と、第2テーブルTBの第1治具F1に対する第2ランクの極板Pの積層とを同時進行した。さらに第4工程で、第1テーブルTAの取り出し位置への移動と、第2テーブルTBの第1治具F1の第1載置可能位置への移動とを同時進行した。従って、基準ランク外の極板を用いた積層体の製造を複数のテーブルTA,TBで同時進行することができるため、積層工程に掛かる時間を短縮化し、生産性を向上することができる。
【0086】
(第3実施形態)
次に、
極板積層装置を具体化した第3実施形態を説明する。尚、第3実施形態は、第1実施形態の極板積層装置の一部を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0087】
図16に示すように、本実施形態では、「1ランク」の負極板AP1を載置する第1極板載置部と「1ランク」の正極板CP1を載置する第1極板載置部とが、図中下側に配置されている。また、「2ランク」の負極板AP2を載置する第2極板載置部と「2ランク」の正極板CP2を載置する第2極板載置部とが図中上側に配置されている。
【0088】
本実施形態では、各治具F1,F2に、「1ランク」の負極板AP1及び「1ランク」の正極板CP1を積層してから、「2ランク」の負極板AP2及び「2ランク」の正極板CP2を積層する。
【0089】
積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、第1治具F1に、第1負極アライメント機構GA1に載置された「1ランク」の負極板AP1と、第1正極アライメント機構GC1に載置された「1ランク」の正極板CP1とを交互に積層していく。ここでは、6枚の負極板AP1と6枚の正極板CP1とを積層する。
【0090】
さらに、積層制御装置20は、テーブルTを180°回転させ、第1治具F1を、第2載置可能位置に配置する。そして、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1治具F1に「2ランク」の負極板AP2及び正極板CP2を交互に積層する。本実施形態では、「2ランク」の7枚の負極板AP1と、「2ランク」の6枚の正極板CP1とを交互に積層して、積層体を構成する(いずれも図示略)。
【0091】
積層体が構成されると、図示しない搬出機構により、第1治具F1上に作製された積層体が取り出される。
尚、第3実施形態では、第1実施形態に記載の(1)及び(2)と同様の効果を得ることができる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、
極板積層装置を具体化した第4実施形態を説明する。尚、第4実施形態は、第2実施形態の極板積層装置の一部を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0093】
図17に示すように、本実施形態では、「1ランク」の負極板AP1を載置する第1極板載置部と「1ランク」の正極板CP1を載置する第1極板載置部とが、図中下側に配置されている。また、「2ランク」の負極板AP2を載置する第2極板載置部と「2ランク」の正極板CP2を載置する第2極板載置部とが図中上側に配置されている。
【0094】
本実施形態では、各治具F1,F2に、「1ランク」の負極板AP1及び「1ランク」の正極板CP1を積層してから、「2ランク」の負極板AP2及び「2ランク」の正極板CP2を積層する。また、「1ランク」の負極板AP1を7枚、「1ランク」の正極板CP1を6枚、「2ランク」の負極板AP2を6枚、「2ランク」の正極板CP2を6枚用いる。
【0095】
(極板積層装置の動作)
次に、本実施形態の極板積層装置の動作について説明する。
図17に示すように、第1工程では、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1テーブルTAの第1治具F1に、「1ランク」の負極板AP1を最下層として、負極板AP1及び正極板CP1を交互に積層する。積層制御装置20は、搬送駆動部22を制御して、第1負極アライメント機構GA1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の負極板AP1を、第1載置可能位置に配置された第1治具F1に搬送して載置する動作と、第1正極アライメント機構GC1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の正極板CP1を第1治具F1に搬送して載置する動作を交互に行う。
【0096】
次に第2工程を行う。
図18に示すように、第2工程では、積層制御装置20は、ベース回転機構23を制御して、ベース12を回転軸12Aを中心に180°回転させ、第1テーブルTAの第1治具F1を極板Pを積層できない載置不可能位置に移動する。第2テーブルTBの第1治具F1は、第1載置可能位置に配置される。
【0097】
次に、第3工程を行う。
図19に示すように、積層制御装置20は、テーブル回転機構21を駆動して、既に負極板AP1及び正極板CP1が積層された第1テーブルTAを180°回転させる。また、第1テーブルTAを回転させる間、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1負極アライメント機構GA1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の負極板AP1を、第1載置可能位置に配置された第2テーブルTBの第1治具F1に移動させて載置する動作、第1正極アライメント機構GC1の第1極板載置部に載置された「1ランク」の正極板CP1を、第1載置可能位置に配置された第2テーブルTBの第1治具F1に移動させて載置する動作を交互に行う。
【0098】
さらに積層制御装置20は、ベース12を180°回転させる。
図20に示すように、ベース回転後には、第1テーブルTAの第1治具F1が、第2載置可能位置に配置される。
【0099】
次に第4工程を行う。
図21に示すように、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第2負極アライメント機構GA2の第2極板載置部に載置された「2ランク」の負極板AP2を、第2載置可能位置に配置された第1テーブルTAの第1治具F1に移動させて載置する動作、第2正極アライメント機構GC2の第2極板載置部に載置された「2ランク」の正極板CP1を、第2載置可能位置に配置された第1テーブルTAの第1治具F1に移動させて載置する動作を交互に行う。
【0100】
その結果、第1テーブルTAの第1治具F1には、「1ランク」の負極板AP1及び「1ランク」の正極板CP1と、「2ランク」の正極板CP2及び「2ランク」の正極板CP1とが、セパレータSを介して交互に積層された積層体が作製される。
【0101】
また第1テーブルTAに極板Pを積層している間、積層制御装置20は、テーブル回転機構21を介して、第2テーブルTBを180°回転させる。その結果、負極板AP2及び正極板CP2が積層された第1治具F1は、ベース12の径方向内側に配置される。
【0102】
次に、積層制御装置20は、ベース回転機構23を制御して、ベース12を180°回転させる。
図22に示すように、第1テーブルTAの第1治具F1に作製された積層体Lは、図示しない取り出し機構により取り出し可能な取り出し位置に配置される。また、第2テーブルTBの第1治具F1は、予めベース回転前に第2テーブルTB自身が回転することにより第2載置可能位置に配置される。
【0103】
図23に示すように、上記取り出し機構は、第1治具F1から積層体Lを抜き取って、ベース12の外側へ搬送する。また、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第2テーブルTBの第1治具F1に積層された「1ランク」の負極板AP1の上に、「2ランク」の6枚の正極板CP2と「2ランク」の6枚の負極板AP2とを交互に積層する。その結果、第1治具F1には、積層体Lが作製される。
【0104】
図24に示すように、積層体Lの取り出し及び第2テーブルTBへの積層が完了した後、積層制御装置20はベース回転機構23を制御して、ベース12を180°回転させる。
図25に示すように、第2テーブルTBの第1治具F1に作製された積層体Lは、上記取り出し機構により取り出し可能な位置に配置される。上記取り出し機構は、第2テーブルTBの第1治具F1に作製された積層体Lを取り出す。また、積層制御装置20は、搬送駆動部22等を制御して、第1テーブルTAの第2治具F2に対し、上述した手順と同様に積層体Lを作製するための極板Pの積層を開始する。
【0105】
以上説明したように、第4実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1)〜(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(5)第4実施形態では、極板積層装置は、第1治具F1及び第2治具F2が固定された第1テーブルTA、及び第1治具F1及び第2治具F2が固定された第2テーブルTBと、各テーブルTA,TBを回転可能に支持し、自身も回転可能であるベース12とを備えた。また、極板積層装置は、各テーブルTA,TBを各々独自に回転させるテーブル回転機構21と、ベース12を回転させるベース回転機構23とを備えた。さらに、積層制御装置20は、第1テーブルTAに設けられた第1治具F1に第1ランクの極板Pを積層する第1工程と、該第1治具F1を載置不可能位置に移動させる第2工程と、該第1治具F1を第2載置可能位置に配置する第3工程とを行った。さらに積層制御装置20は、該第1治具F1に第2ランクの極板Pを積層し、積層体Lが完成した際には、取り出し位置に移動させる第4工程を行った。このため、基準ランクの極板を用いて積層体Lを用いる場合の搬送機構の搬送経路を変更することなく、テーブルTA,TB及びベース12の回転パターンを変更することによって、基準ランク外の極板を用いて積層体Lを製造することができる。
【0106】
(6)第4実施形態では、積層制御装置20は、テーブル回転機構21及びベース回転機構23を制御して、第2工程で、第1テーブルTAの載置不能位置への移動と、第2テーブルTBの第1治具F1の第1載置可能位置への移動とを同時進行した。また、第3工程で、第1テーブルTAの回転と、第2テーブルTBの第1治具F1に対する第1ランクの極板Pの積層とを同時進行した。さらに第4工程で、第1テーブルTAの取り出し位置への移動と、第2テーブルTBの第1治具F1の第2載置可能位置への移動とを同時進行した。従って、基準ランク外の極板を用いた積層体の製造を複数のテーブルTA,TBで同時進行することができるため、積層工程に掛かる時間を短縮化し、生産性を向上することができる。
【0107】
(第5実施形態)
次に、
極板積層装置を具体化した第5実施形態を説明する。尚、第5実施形態は、第1実施形態の極板積層装置の一部を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0108】
図26に示すように、本実施形態では、極板積層装置は、「1ランク」の負極板AP1を載置する第1極板載置部と、「2ランク」の負極板AP2を載置する第2極板載置部とを備えた。また、正極側には、基準ランクの正極板CP3を載置する1対の極板載置部が設けられている。即ち、第1正極アライメント機構GC1の極板載置部及び第2正極アライメント機構GC2の極板載置部には、基準ランクの正極板CP3がそれぞれ載置されている。
【0109】
本実施形態では、各治具F1,F2に、「2ランク」の負極板AP2と基準ランクの正極板CP3を積層してから、「1ランク」の負極板AP1及び基準ランクの正極板CP3を積層する。各アライメント機構GA,GC、搬送部13、テーブルTの動作は第1実施形態と同様である。
【0110】
このようにして作製された積層体は、「2ランク」の負極板AP2及び「1ランク」の負極板AP1と、基準ランクの正極板CP3とから構成される。
以上説明したように、第5実施形態によれば、第1実施形態に記載した(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
【0111】
(7)第5実施形態によれば、極板積層装置は、負極板APを「1ランク」及び「2ランク」に応じて分けて載置する第1極板載置部及び第2極板載置部を有するアライメント機構GAと、基準ランクの正極板CP1を載置するアライメント機構GCとを備えた。また極板積層装置は、極板Pを積層する積層領域が設けられた治具F1,F2と、極板載置部に載置された極板Pを治具F1,F2に積層する搬送部13及び搬送駆動部22を備えた。また、極板積層装置は、搬送部13等を駆動して、極板重量が軽い「1ランク」に分類された負極板AP1、及び極板重量が重い「2ランク」に分類された負極板AP2と、基準ランクの正極板CP3とを組み合わせて積層して積層体を作製する積層制御装置20とを備えた。このため、積層体Lの総重量を、基準ランクの極板Pのみからなる積層体Lの総重量に近づけることができる。即ち、基準ランク外の極板Pを用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量を、基準ランクの極板を用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量とほぼ一致させることができる。従って、基準ランク外の極板Pを用いても、基準ランクに属する極板Pのみを組み合わせた電池と同等の性能を得ることができるので、基準ランク外の極板を廃棄することなく有効利用することができる。
【0112】
(第6実施形態)
次に、
極板積層装置を具体化した第6実施形態を説明する。尚、第6実施形態は、第1実施形態の極板積層装置の一部を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0113】
図27に示すように、本実施形態では、極板積層装置は、基準ランクの負極板AP3を載置する1対の第1極板載置部を備えた。また、正極側には、「1ランク」の正極板CP1を載置する第1極板載置部と、「2ランク」の正極板CP2を載置する第2極板載置部とを備えた。
【0114】
本実施形態では、各治具F1,F2に、基準ランクの負極板AP3と「2ランク」の正極板CP2とを積層してから、基準ランクの負極板AP3と「1ランク」の正極板CP1を積層する。各アライメント機構GA,GC、搬送部13、テーブルTの動作は第1実施形態と同様である。
【0115】
このようにして作製された積層体は、基準ランクの負極板AP3と、「2ランク」の正極板CP2及び「1ランク」の正極板CP1とから構成される。
以上説明したように、第6実施形態によれば、第1実施形態に記載した(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
【0116】
(8)第6実施形態によれば、極板積層装置は、正極板CPを「1ランク」及び「2ランク」に応じて分けて載置する第1極板載置部及び第2極板載置部を有するアライメント機構GCと、基準ランクの負極板APを載置するアライメント機構GAとを備えた。また極板積層装置は、極板Pを積層する積層領域が設けられた治具F1,F2と、極板載置部に載置された極板Pを治具F1,F2に積層する搬送部13及び搬送駆動部22を備えた。また、極板積層装置は、搬送部13等を駆動して、基準ランクの負極板AP3と、極板重量が軽い「1ランク」に分類された正極板CP1、及び極板重量が重い「2ランク」に分類された正極板CP2とを組み合わせて積層して積層体を作製する積層制御装置20とを備えた。このため、積層体Lの総重量を、基準ランクの極板Pのみからなる積層体Lの総重量に近づけることができる。即ち、基準ランク外の極板Pを用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量を、基準ランクの極板を用いた場合の積層体Lが有する活物質量又は電池反応に寄与する物質量とほぼ一致させることができる。従って、基準ランク外の極板Pを用いても、基準ランクに属する極板Pのみを組み合わせた電池と同等の性能を得ることができるので、基準ランク外の極板を廃棄することなく有効利用することができる。
【0117】
尚、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、袋状のセパレータSに収容する極板Pを正極板CPとしたが、負極板APでもよい。
図28に示すように、負極板APが袋状のセパレータSに収容される場合にも、負極板APは、集電体に溶接されるリードLDを開口部S1から突出させてセパレータSに収容される。
【0118】
・上記実施形態では、極板P全体の重量を測定するようにしたが、芯材に塗布されたペースト量を測定し、ペースト量に基づき極板Pの重量を演算するようにしてもよい。尚、重量測定とは、直接的に極板P等の重量を測定すること、ペーストの厚さを光学的に検出し、該厚さとペースト密度とから極板P等の重量を演算すること等を含む。
【0119】
・第1、第3、第5〜6実施形態では、テーブルTを回転させて、治具に積層する極板Pのランクを変更するようにしたが、ベース12を回転させてもよい。
・第1、第3、第5〜6実施形態では、テーブルTを回転して、治具に積層される極板のランクを変更し、第2実施形態及び第4実施形態では、テーブルT及びベース12を回転して、積層するテーブルT及び極板のランクを変更した。これ以外に、テーブルT及びベース12を固定し、アライメント機構GA,GCにそれぞれ回転機構を設けて、アライメント機構GA,GCを回転させてもよい。又は、アライメント機構GA,GCにそれぞれ回転機構を設けるとともに、アライメント機構GA,GCを回転可能なベース12に支持して、アライメント機構GA,GC及びこれらを支持するベース12を回転させるようにしてもよい。
【0120】
・上記各実施形態では、基準ランク以外の極板Pを用いて積層体Lを作製する組み合わせとして、負極側では「2ランク」の負極板AP2を7枚、「1ランク」の負極板AP2を6枚、正極側では「2ランク」の正極板CP2を6枚、「1ランク」の正極板CP2を6枚といった組み合わせ、又は、負極側では「2ランク」の負極板AP2を6枚、「1ランク」の負極板AP2を7枚、正極側では「2ランク」の正極板CP2を6枚、「1ランク」の正極板CP2を6枚といった組み合わせとした。この組み合わせは一例であって、積層体Lを構成する極板枚数、ランクの極板重量範囲に応じて変更することができる。即ち、基準ランク以外のN枚の正極板CPの総重量(Ga)を「N枚」で除算した正極板CPの平均重量(Gavr=Ga/N)が、基準ランクの目標重量範囲内であればよい(Tmin≦Gavr≦Tmax)。また、基準ランク以外のN枚の負極板APの総重量を「N枚」で除算した負極板APの平均重量(Gavr=Ga/N)が、基準ランクの目標重量範囲内であればよい(Tmin≦Gavr≦Tmax)。
【0121】
・第2実施形態及び第4実施形態では、ベース12にテーブルTを1対設けたが、3つ以上設けてもよい。
・第2実施形態及び第4実施形態では、第1テーブルTA及び第2テーブルTBに複数の治具F1,F2をそれぞれ設けたが、第1テーブルTA及び第2テーブルTBに1つの治具をそれぞれ設けるようにしてもよい。この構成であっても、ベース12及びテーブルTA,TBを回転させることによって、極板Pの積層と治具の移動等とを同時進行させ、積層工程に掛かる時間を短縮化することができる。
【0122】
・第5及び第6実施形態では、基準ランクの極板Pと1ランクの極板P及び2ランクの極板Pを用いる態様を、一つのテーブルTが設けられた装置構成に例示して説明したが、第2実施形態及び第4実施形態のように、ベース12に複数のテーブルTが回転可能に設けられた装置構成であってもよい。
【0123】
・上記各実施形態では、極板積層装置を、ニッケル水素電池を製造する装置及び方法として具体化したが、その他の電池を製造する装置及び方法として具体化してもよい。電池としては、ニッケルカドミウム電池やリチウムイオン電池等の二次電池(蓄電池)であってもよいし、一次電池であってもよい。これにより、装置及び方法の適用範囲を拡げることができる。