特許第5778126号(P5778126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778126
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20150827BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   G09F9/00 350Z
   H04N5/64 571Z
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-501759(P2012-501759)
(86)(22)【出願日】2011年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2011053477
(87)【国際公開番号】WO2011105293
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2013年11月1日
(31)【優先権主張番号】特願2010-42642(P2010-42642)
(32)【優先日】2010年2月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506399941
【氏名又は名称】三洋科技中心(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100066728
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 敏之
(74)【代理人】
【識別番号】100141841
【弁理士】
【氏名又は名称】久徳 高寛
(74)【代理人】
【識別番号】100119596
【弁理士】
【氏名又は名称】長塚 俊也
(74)【代理人】
【識別番号】100100099
【弁理士】
【氏名又は名称】宮野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100114
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 伸泰
(72)【発明者】
【氏名】向出 雅眞
(72)【発明者】
【氏名】彭 宇▲ニン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲リ▼ 果
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲ペン▼
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−151610(JP,A)
【文献】 特開2006−010996(JP,A)
【文献】 特開2006−162985(JP,A)
【文献】 特開2003−216056(JP,A)
【文献】 特開2004−302117(JP,A)
【文献】 特開2000−330481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
H01L 27/32
H04N 5/64−5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
該表示パネルを収容する筺体と、
該筺体の前面壁を形成する第1部材と、
該筺体の背面壁を形成し、且つ第1部材と接合される第2部材と、
前記表示パネルの表示面に垂直な第1平坦部と、該第1平坦部に垂直な第2平坦部を有する金属板と、
前記金属板の第1平坦部に設けられ、第2部材を貫通するネジ部材が捻じ込まれる雌ネジ部と、
前記金属板の第2平坦部に設けられ、第1部材と係合される係合部と、
第1部材側に設けられ、前記係合部と係合する係合受け部と、
を具え、
前記係合部と前記係合受け部を係合し、前記雌ネジ部に前記ネジ部材を捻じ込むことにより、前記第1部材と前記第2部材は接合され、表示パネルは、この接合された第1部材と第2部材によって挟み込まれることで固定され、
前記金属板は、前記表示パネルの側面と対向する領域から更に第2部材側まで拡がっており、前記金属板には、前記表示パネルの側面が対向する領域より第2部材側の領域に、該金属板の一部がその背面側へ屈曲した弾性を有する屈曲部が形成され、該屈曲部が前記表示パネルの背部に引っ掛かっている画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル等の画像表示パネルを具えた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像表示装置は、画像表示パネルと、該画像表示パネルを収容する筐体とを具え、該筐体の前面壁に、画像表示パネルの画像表示面を外部から視認可能にする画像表示窓が設けられている。又、筐体は、該筐体の前面壁を形成する第1筐体構成部材と、該筐体の背面壁を形成する第2筐体構成部材とを互いに接合して構成されている。
【0003】
従来、第1筐体構成部材と第2筐体構成部材とを互いに接合して筐体を構成する場合、ネジ部材が、第2筐体構成部材をその背面側から貫通して、第1筐体構成部材の内、画像表示窓を包囲して筐体の前面壁を構成する枠部に捻じ込まれていた。このため、画像表示パネルの側面と筐体の側面壁との間にネジ部材が通過する隙間を設けておく必要があり、又、ネジ部材が捻じ込まれる雌ネジ部を枠部に形成する必要があった。従って、従来の画像表示装置においては、枠部の幅寸法が大きくなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、壁面の複数箇所に上記画像表示装置をマトリックス状に配列して1つの画像表示面を構築したビデオウォールが提案されている。特にこのビデオウォールにおいて、隣接する画像表示装置間の画像の連続性を高めるべく、各画像表示装置の枠部の幅寸法を小さくすることが望まれている。
【0005】
しかしながら、従来の画像表示装置において枠部の幅寸法を小さくすると、該枠部に雌ネジ部を形成することが困難となる。このため、従来の画像表示装置では枠部の幅寸法を小さくすることが出来ず、従って、従来の画像表示装置を用いてビデオウォールを構築したのでは、画像の連続性を高めることが出来なかった。
【0006】
そこで本発明の目的は、画像表示窓を包囲する枠部の幅寸法を小さくすることが可能な画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、画像表示パネルと、該画像表示パネルを収容する筐体とを具え、該筐体の前面壁に、前記画像表示パネルの画像表示面を外部から視認可能にする画像表示窓が設けられた画像表示装置において、前記筺体は、該筺体の前面壁又は背面壁の一方を形成する第1筺体構成部材と、該筺体の前面壁又は背面壁の他方を形成する第2筺体構成部材とを互いに接合して構成され、前面壁を形成する第1筺体構成部材又は第2筺体構成部材に前記画像表示窓が設けられている。
前記筐体の内部には、前記第1筐体構成部材と第2筐体構成部材との接合部に対向する金属板が配備され、該金属板には、ネジ部材が前記第2筐体構成部材側の接合部を貫通して捻じ込まれる雌ネジ部が設けられており、前記第1筐体構成部材側の接合部と金属板との間には、これらを互いに係合させる係合機構が設けられ、該係合機構は、前記金属板に形成された係合部と、前記第1筐体構成部材側の接合部に形成されて前記係合部が係合する係合受け部とから構成されている。
【0008】
上記画像表示装置においては、係合機構により第1筐体構成部材と金属板とが互いに結合され、ネジ部材が、第2筐体構成部材の接合部を貫通して金属板の雌ネジ部に捻じ込まれることにより、第2筐体構成部材と金属板とが互いに結合されることになる。これにより、第1筐体構成部材と第2筐体構成部材とは、金属板を介して互いに接合されることになる。従って、画像表示窓を包囲して筐体の前面壁を構成する枠部に、従来の画像表示装置の如く雌ネジ部を設けることが、上記画像表示装置では必要でない。よって、上記画像表示装置によれば、枠部の幅寸法を小さくすることが可能である。
【0009】
又、上記画像表示装置においては、筐体に外力が付与された場合、該外力を金属板によって受け止めることが出来る。よって、外力に対して筐体は撓み難く、又、筐体は、外力に対して高い強度を有することになる。
【0010】
上記画像表示装置の具体的構成において、前記第1筐体構成部材側の接合部は、前記前面壁又は背面壁と、前記筐体の側面壁の一部を構成する側面構成部を含んでおり、前記側面構成部と前記前面壁又は背面壁に沿って前記金属板がL字状に屈曲することにより、該金属板には、前記側面構成部に沿う第1平坦部と、前記枠部に沿う第2平坦部とが形成されており、前記金属板の第1平坦部に前記雌ネジ部が設けられ、前記金属板の第2平坦部に前記係合部が形成され、前記第1筐体構成部材の枠部に前記係合受け部が形成されている。
【0011】
該具体的構成によれば、金属板がL字状に屈曲することにより、該金属板が撓み難くなる。よって、外力に対して筐体はより撓み難く、又、筐体は、外力に対してより高い強度を有することになる。
【0012】
又、金属板がL字状に屈曲しているので、金属板の雌ネジ部にネジ部材を捻じ込んで第2筐体構成部材と金属板とを互いに結合させることにより、金属板の第1平坦部の先端部が第2筐体構成部材の方へ引っ張られ、これに伴って金属板の第2平坦部の先端部が後方へ(画像表示パネルの方へ)引っ張られることになる。従って、第1筐体構成部材の枠部が画像表示面に密着し易くなる。
【0013】
更に、上記具体的構成においては、係合機構が、金属板の第2平坦部と前記第1筐体構成部材の枠部との間に設けられることになる。従って、画像表示パネルの側面と筐体の側面壁との間の隙間を狭くすることが可能である。よって、枠部の幅寸法をより小さくすることが可能である。
【0014】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記第1筐体構成部材側の接合部と金属板との間には、前記係合機構の係合部と係合受け部とが互いに係合した状態で、前記第1筐体構成部材側の接合部に金属板を係止する係止機構が設けられており、該係止機構は、前記第1筐体構成部材側の接合部に突設された係止部と、前記金属板に形成されて、前記係合機構の係合部と係合受け部とが互いに係合したときに前記係止部が係止される係止受け部とから構成されている。
【0015】
該具体的構成によれば、前記係合機構の係合部と係合受け部との係合が解除され難くなり、第1筐体構成部材に対する金属板の位置がずれ難くなる。従って、上記画像表示装置の組み立て工程において、金属板の雌ネジ部へのネジ部材の捻じ込み等、第1筐体構成部材と第2筐体構成部材との接合に必要な作業が容易となる。
【0016】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記金属板は、前記画像表示パネルの側面と対向する領域から更に第2筺体構成部材側に向けて拡がっており、前記金属板の背面には、前記画像表示パネルの側面が対向する領域より後方の領域に隆起部が形成され、該隆起部に前記雌ネジ部の一部が形成されている。
【0017】
該具体的構成によれば、画像表示パネルの側面と筐体の側面壁との間の隙間の幅寸法を大きくすることなく、金属板と第2筐体構成部材とを高い結合強度で結合させることが可能となる。
【0018】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記金属板は、前記画像表示パネルの側面と対向する領域から更に第2筺体構成部材側に拡がっており、前記金属板には、前記画像表示パネルの側面が対向する領域より後方の領域に、該金属板の一部がその背面側へ屈曲した屈曲部が形成され、該屈曲部が前記画像表示パネルの背部に引っ掛かっている。
【0019】
該具体的構成によれば、画像表示装置の組み立て工程において、金属板を第1筐体構成部材に結合させた状態で該金属板の屈曲部が画像表示パネルの背部に引っ掛けられる。これにより、金属板は画像表示パネルに仮固定され、その結果、組み立て工程において金属板のガタが生じ難くなる。よって、金属板の雌ネジ部へのネジ部材の捻じ込み等、第1筐体構成部材と第2筐体構成部材との接合に必要な作業が容易となる。
【0020】
上記画像表示装置の他の具体的構成において、前記係合部と係合受け部を係合し、雌ネジ部にネジ部材を捻じ込むことにより、第1筺体構成部材と第2筺体構成部材を接合する。これにより、画像表示パネルは、この接合された第1筺体構成部材と第2筺体構成部材によって挟み込まれて固定される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る画像表示装置によれば、画像表示窓を包囲する枠部の幅寸法を小さくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置を前面側から見た斜視図である。
図2図2は、該画像表示装置を背面側から見た斜視図である。
図3図3は、該画像表示装置の分解斜視図である。
図4図4は、第1筐体構成部材と金属板との組み立て状態を示す斜視図である。
図5図5は、筐体の下面壁に沿って長く延びた金属板を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示されるB領域の拡大図である。
図7図7は、図3に示されるA領域の拡大図である。
図8図8は、図7に示されるC領域の拡大図である。
図9図9は、第1筐体構成部材と金属板との組み立てに関する第1工程を示す斜視図である。
図10図10は、第1筐体構成部材と金属板との組み立てに関する第2工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す様に、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、横幅が縦幅より大きい液晶表示パネル(1)と、該液晶表示パネル(1)を収容する筐体(2)とを具え、該筐体(2)の前面壁(21)には、液晶表示パネル(1)の画像表示面(10)を外部から視認可能にする画像表示窓(20)が設けられている。
【0024】
図1及び図2に示す様に、筐体(2)は、第1筺体構成部材(3)と第2筺体構成部材(4)を互いに接合して構成される。
【0025】
具体的には、第1筐体構成部材(3)は、筐体(2)の側面壁(23)の一部を構成する側面構成部(31)と、画像表示窓を包囲して筐体(2)の前面壁(21)を構成する枠部(32)とから形成されている。一方、第2筐体構成部材(4)は、筐体(2)の側面壁(23)の一部を構成する側面構成部(41)と、筐体(2)の背面壁(22)を構成する背面構成部(42)とから形成されている。尚、筐体(2)の側面壁(23)は、液晶表示パネル(1)を包囲する筐体(2)の上面壁、下面壁、左側面壁、右側面壁から構成されている。
【0026】
そして、本実施形態の画像表示装置では、第1筐体構成部材(3)と第2筐体構成部材(4)の接合部の内、第1筐体構成部材(3)側の接合部が、第1筐体構成部材(3)の側面構成部(31)と枠部(32)とから構成される一方、第2筐体構成部材(4)側の接合部が、第2筐体構成部材(4)の側面構成部(41)から構成されている。
【0027】
筐体(2)の内部には、図3に示す様に複数の金属板(5)〜(5)が配備されている。具体的には、図4に示す様に筐体(2)の内部には、筐体(2)の上面壁に沿って長く延びた金属板(5a)と、筐体(2)の下面壁に沿って長く延びた金属板(5b)と、筐体(2)の左側面壁に沿って上下に位置する2つの金属板(5c)(5d)と、筐体(2)の右側面壁に沿って上下に位置する2つの金属板(5e)(5f)とが配備されている。
【0028】
図3に示す様に、各金属板(5)には、該金属板(5)がL字状に屈曲することにより、第1平坦部(51)と第2平坦部(52)とが形成されている(図5も参照)。図4に示す如く金属板(5)と第1筐体構成部材(3)との組み立て状態において、各金属板(5)は、第1平坦部(51)が第1筐体構成部材(3)の側面構成部(31)に沿うと共に第2平坦部(52)が枠部(32)に沿う様に、即ち第1平坦部(51)と第2平坦部(52)が第1筐体構成部材(3)の接合部に対向する様に、配置される。
【0029】
又、図示していないが、画像表示装置の組み立て状態においては、各金属板(5)の第1平坦部(51)の一部が、第2筐体構成部材(4)の側面構成部(41)、即ち第2筐体構成部材(4)の接合部に対向することとなる。
【0030】
図1図3に示す様に、第2筐体構成部材(4)の側面構成部(41)には、ネジ部材が貫挿されるべき複数の貫通孔(43)〜(43)が設けられている。一方、図3に示す様に(図5も参照)、各金属板(5)の第1平坦部(51)には、ネジ部材が貫通孔(43)を貫通して捻じ込まれるべき複数の雌ネジ部(53)〜(53)が設けられ、各雌ネジ部(53)は、第1平坦部(51)の表面に開口している。
【0031】
具体的には、金属板(5)の第1平坦部(51)は、液晶表示パネル(1)の側面と対向する領域から更に第2筺体構成部材(4)側となる後方まで拡がっている。そして、該第1平坦部(51)の背面には、液晶表示パネル(1)の側面が対向する領域より第2筺体構成部材(4)側となる後方の領域であって、且つ、各貫通孔(43)と対向する領域に、図6に示す如く隆起部(54)が形成され、該隆起部(54)に雌ネジ部(53)の一部(先端部)が形成されている。
【0032】
又、図6に示す様に、各金属板(5)の第2平坦部(52)には係合部(55)が形成されている。具体的には、各金属板(5)の第2平坦部(52)には、その先端面(521)から第1平坦部(51)まで延びたスリット(522)が形成され、該スリット(522)の縁に、金属板(5)の延在方向(59)へ向けて係合部(55)が突設されている。尚、本実施形態においては、上下の金属板(5a)(5b)の各第2平坦部(52)には4箇所に係合部(55)が形成され(図5参照)、左右の金属板(5c)〜(5f)の各第2平坦部(52)には2箇所に係合部(55)が形成されている。
【0033】
一方、図8に示す様に、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)には、係合部(55)が係合すべき係合受け部(33)が形成されている。具体的には、枠部(32)の内面に隆起部(34)が形成され、該隆起部(34)に、枠部(32)が延在する一方向(39)に向けて係合受け部(33)が開設されている。尚、本実施形態においては、枠部(32)には、金属板(5)に形成されている計16個の係合部(55)に対応して、16箇所に隆起部(34)が形成され、各隆起部(34)に係合受け部(33)が開設されている。
【0034】
斯くして、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)(即ち、第1筐体構成部材(3)側の接合部)と各金属板(5)との間には、これらを互いに係合させる係合機構が設けられ、該係合機構は、金属板(5)に形成された係合部(55)と、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)に形成された係合受け部(33)とから構成されることになる。
【0035】
図8に示す様に、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)には更に、その内面の内、金属板(5)が重なる領域に三角歯状の突起部(35)が形成されている。本実施形態においては、枠部(32)には、各金属板(5)が重なる領域の2箇所に突起部(35)が形成されている。
【0036】
一方、図6に示す様に、各金属板(5)の第2平坦部(52)には更に、該金属板(5)の係合部(55)と枠部(32)の係合受け部(33)とが互いに係合したときに三角歯状の突起部(35)が係止される係止受け部(56)が開設されている。本実施形態においては、各金属板(5)には、枠部(32)の内、該金属板(5)が重なる領域に形成されている2つの突起部(35)に対応して、2箇所に係止受け部(56)が開設されている(図5参照)。
【0037】
斯くして、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)(即ち、第1筐体構成部材(3)側の接合部)と各金属板(5)との間には、係合機構の係合部(55)と係合受け部(33)とが互いに係合した状態で、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)に金属板(5)を係止する係止機構が設けられ、該係止機構は、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)に形成されて係止部となる突起部(35)と、金属板(5)に形成された係止受け部(56)とから構成されることになる。
【0038】
金属板(5)の係合部(55)と枠部(32)の係合受け部(33)とを互いに係合させる場合、先ず、図9に示す様に、金属板(5)のスリット(522)に枠部(32)の隆起部(34)を通過させることにより、該金属板(5)の第2平坦部(52)の表面を枠部(32)の内面に重ね合わせる。このとき、隆起部(34)に形成されている係合受け部(33)と、金属板(5)の係合部(55)とが対向することになる。又、金属板(5)の係止受け部(56)は、枠部(32)の突起部(35)の形成位置からずれた位置に配置されることになる。
【0039】
次に、図10に示す様に、金属板(5)をその延在方向(59)にスライドさせることにより、枠部(32)の係合受け部(33)に金属板(5)の係合部(55)が挿入される。これにより、金属板(5)の係合部(55)と枠部(32)の係合受け部(33)とが互いに係合することになる。
【0040】
図10に示す如くスライド操作に伴って、枠部(32)の突起部(35)が、金属板(5)の係止受け部(56)に嵌合して係止されることになる。従って、金属板(5)の係合部(55)と枠部(32)の係合受け部(33)との係合が解除され難くなり、第1筐体構成部材(3)に対する金属板(5)の位置がずれ難くなる。よって、これ以降の組み立て工程において、金属板(5)の雌ネジ部(53)へのネジ部材の捻じ込み等、第1筐体構成部材(3)と第2筐体構成部材(4)との接合に必要な作業が容易となる。
【0041】
上記画像表示装置において、金属板(5)の第1平坦部(51)には更に、図6に示す様に、液晶表示パネル(1)の側面が対向する領域より第2筺体構成部材(4)側となる後方の領域に、金属板(5)の一部がその背面側へ屈曲した屈曲部(57)が形成されている。図示していないが、該屈曲部(57)は、画像表示装置の組み立て状態において、液晶表示パネル(1)の背部に引っ掛かることになる。
【0042】
金属板(5)に屈曲部(57)を設けた構成によれば、画像表示装置の組み立て工程において、金属板(5)を第1筐体構成部材(3)に結合させた状態で該金属板(5)の屈曲部(57)が液晶表示パネル(1)の背部に引っ掛けられる。これにより、金属板(5)は液晶表示パネル(1)に仮固定され、その結果、組み立て工程において金属板(5)のガタが生じ難くなる。よって、金属板(5)の雌ネジ部(53)へのネジ部材の捻じ込み等、第1筐体構成部材(3)と第2筐体構成部材(4)との接合に必要な作業が容易となる。
【0043】
ここで、屈曲部(57)は弾性を有することが好ましい。この構成によれば、屈曲部(57)の弾性力により、液晶表示パネル(1)が前方に向けて付勢され、従って、第2筐体構成部材(4)を第1筐体構成部材(3)に接合する前の状態で、第1筐体構成部材(3)に液晶表示パネル(1)が固定されることになる。よって、第1筐体構成部材(3)と第2筐体構成部材(4)との接合に必要な作業がより容易となる。
【0044】
上記画像表示装置においては、係合機構により、即ち金属板(5)の係合部(55)と枠部(32)の係合受け部(33)との係合により、第1筐体構成部材(3)と金属板(5)とが互いに結合される。又、ネジ部材が、第2筐体構成部材(4)の側面構成部(41)を貫通して金属板(5)の雌ネジ部(53)に捻じ込まれることにより、第2筐体構成部材(4)と金属板(5)とが互いに結合されることになる。これにより、第1筐体構成部材(3)と第2筐体構成部材(4)とは、金属板(5)を介して互いに接合されることになる。このとき、液晶表示パネル(1)は、第1筺体構成部材(3)と第2筺体構成部材(4)によって挟み込まれる。これにより、液晶表示パネル(1)が固定される。
従って、従来の画像表示装置の如く枠部(32)に雌ネジ部を設けることが、上記画像表示装置では必要でない。よって、上記画像表示装置によれば、枠部(32)の幅寸法を小さくすることが可能である。
【0045】
又、係合部(55)と係合受け部(33)からなる係合機構が、金属板(5)の第2平坦部(52)と第1筐体構成部材(3)の枠部(32)との間に設けられることになる。従って、液晶表示パネル(1)の側面と筐体(2)の側面壁(23)との間の隙間を狭くすることが可能である。よって、上記画像表示装置によれば、枠部(32)の幅寸法を小さくし易い。
【0046】
上記画像表示装置の使用形態の一例として、壁面の複数箇所に上記画像表示装置をマトリックス状に配列してビデオウォールを構築することが可能である。ここで、上記画像表示装置においては、枠部(32)の幅寸法を小さくすることが可能である。従って、ビデオウォールにおいて、隣接する画像表示装置間の画像の連続性を高めることが出来る。
【0047】
又、上記画像表示装置においては、筐体(2)に外力が付与された場合、該外力を金属板(5)によって受け止めることが出来る。特に本実施形態の画像表示装置においては、金属板(5)がL字状に屈曲しており、従って、該金属板(5)が撓み難くなっている。よって、上記画像表示装置においては、外力に対して筐体(2)は撓み難く、又、筐体(2)は、外力に対して高い強度を有することになる。更に、本実施形態の画像表示装置においては、上下の金属板(5a)(5b)がそれぞれ、筐体(2)の上面壁及び下面壁に沿って長く延びている。従って、筐体(2)の上面壁及び下面壁の強度が特に向上している。
【0048】
又、金属板(5)がL字状に屈曲しているので、金属板(5)の雌ネジ部(53)にネジ部材を捻じ込んで第2筐体構成部材(4)と金属板(5)とを互いに結合させることにより、金属板(5)の第1平坦部(51)の先端部が第2筐体構成部材(4)の側面構成部(41)の方へ引っ張られ、これに伴って金属板(5)の第2平坦部(52)の先端部が第2筺体構成部材(4)側となる後方へ(液晶表示パネル(1)の方へ)引っ張られることになる。従って、第1筐体構成部材(3)の枠部(32)が画像表示面(10)に密着し易くなる。
【0049】
更に、上記画像表示装置においては、金属板(5)の第1平坦面(51)の背面の内、液晶表示パネル(1)の側面が対向する領域より第2筺体構成部材(4)側となる後方の領域に隆起部(54)が形成され、該隆起部(54)に雌ネジ部(53)の一部(先端部)が形成されている。従って、液晶表示パネル(1)の側面と筐体(2)の側面壁(23)との間の隙間の幅寸法を大きくすることなく、金属板(5)と第2筐体構成部材(4)とを高い結合強度で結合させることが可能となっている。
【0050】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1筺体構成部材(3)を筐体(2)の前面壁(21)を形成するよう配置し、第2筺体構成部材(4)を筐体(2)の背面壁(22)を形成するよう配置した例について説明したが、第1筺体構成部材(3)を背面壁(22)側、第2筺体構成部材(4)を前面壁(21)側とすることもできる。
また、係合部(55)と係合受け部(33)からなる係合機構は、金属板(5)の第1平坦部(51)と第1筐体構成部材(3)の側面構成部(31)との間に設けられていてもよい。この構成の場合、金属板(5)は、L字状に屈曲せずに平板であってもよい。
【0051】
係合機構を構成する係合部(55)と係合受け部(33)には、上記実施形態の形状に限らず、第1筐体構成部材(3)と金属板(5)とを互いに結合することが可能な様々な形状を採用することが出来る。又、係止機構を構成する突起部(35)と係止受け部(56)には、上記実施形態の形状に限らず、係合機構の係合部(55)と係合受け部(33)とが互いに係合した状態で第1筐体構成部材(3)の接合部に金属板(5)を係止することが可能な様々な形状を採用することが出来る。
【0052】
上記画像表示装置は、係止機構及び/又は屈曲部(57)がない構成を有していてもよい。又、上記画像表示装置に採用した各種構成は、液晶表示パネル(1)を具えた画像表示装置に限らず、プラズマ表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)表示パネル等、種々の画像表示パネルを具えた画像表示装置に適用することが出来る。
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