【実施例】
【0102】
VI.実施例
[0075]以下の実施例は、本発明の態様を例示するために提供され、そして限定することを意図されない。したがって、実施例のいくつかは実験を通じて行われており、そしていくつかは当該技術分野に周知の技術、標準、および結果に基づいて、予言的である。また、本発明には、例によっては例示されない、さらなる態様が含まれうることが明らかであるはずである。さらに、本発明にしたがって調製されたLEV誘導体、抗原、免疫原、および抗LEV抗体を用いて、当該技術分野に周知の実験プロトコルで、多くの例が実行されてきている。
【0103】
実施例1:スキーム5、工程1:アルキル化
[0076]化合物10、H−Lys(Z)−Ot−Bu・HCl(NovaBiochem、カタログ番号04−12−5122)、20.0065gを、清浄な500mL 一口丸底フラスコ内に入れた。磁気攪拌バーを反応フラスコに添加し、そしてフラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。清浄なシリンジ、例えばHamilton Gastight(登録商標)シリンジを用い、セプタムを通じて、80mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、さらに15分間攪拌した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で10分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、1滴ずつ、7.68mLの4−ブロモ酪酸エチルをフラスコに添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せ、そしてアルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。70℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で40時間攪拌した。
【0104】
[0077]反応混合物を室温に冷却した。溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。1:3アセトン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物11を精製した。単離された化合物11収率は62〜74%であった。
【0105】
実施例2:スキーム5、工程2:ラクタム化/環化
[0078]化合物11、18.818gを清浄な250mL 一口丸底フラスコ(反応フラスコ)に移した。フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、61mLの無水トルエンを反応フラスコ内に添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で約10分間攪拌し、次いで、1.169gの2−ヒドロキシピリジンを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度でおよそ10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せた。アルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。120℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そして2−ヒドロキシピリジンが完全に溶解するまで、アルゴン下で約15時間攪拌した。
【0106】
[0079]反応混合物を室温に冷却した。吸引装置に連結したロータリーエバポレーター上で、溶媒(トルエン)を除去した。1:3ヘキサン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物12を精製した。化合物12収率は49〜83%の範囲であった。
【0107】
実施例3:スキーム5、工程3:加水分解
[0080]14.019gの化合物12を清浄な250mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。清浄なメスシリンダーを用いて、反応フラスコに50mLのジクロロメタンを添加した。反応混合物を周囲温度で約5分間攪拌し、清浄なメスシリンダーを用いて、102mLのトリフルオロ酢酸を反応フラスコ内に添加した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして周囲温度でおよそ4時間攪拌した。
【0108】
[0081]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(ジクロロメタン)を除去した。1:1アセトン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物13を精製した。化合物13収率は66〜92%の範囲であった。
【0109】
実施例4:スキーム5、工程4:活性化
[0082]化合物13、11.074gを、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結したジャケット型250mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、30mLの無水アセトニトリルを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、0℃で、さらに約15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じてゆっくりと、反応フラスコ内に7.2mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃で約10分間攪拌した。
【0110】
[0083]11.15gのTSTU(O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウランテトラフルオロボレート;≧98%、Fluka、カタログ番号85972)を50mLの無水アセトニトリル中に完全に溶解した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、生じた溶液を反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃でおよそ2.5時間攪拌した。
【0111】
[0084]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(アセトニトリル)を除去した。1:9ヘキサン:酢酸エチルを溶出液として用い、フリットディスクを備えた迅速分離カラム/漏斗(ChemGlassカタログ番号CG−1412)を用い、フラッシュクロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物14を精製した。生成物収率は85〜93%であった。
【0112】
実施例5:スキーム5、工程5:アミノリシス
[0085]12.241gの化合物14を、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結した清浄なジャケット型250mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを約15分間パージした。110mLのメタノール中の7Nアンモニア(約−20℃にあらかじめ冷却)を添加した際、白色固体(N−ヒドロキシスクシンイミド)の形成が観察された。隔離された条件下(ゴムセプタムで蓋、アルゴンは含まない)、0℃で2.5時間、反応混合物を攪拌した。反応混合物をゆっくりと周囲温度にした。
【0113】
[0086]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、未反応アンモニアおよび溶媒(メタノール)を除去した。溶媒を除去した際、N−ヒドロキシスクシンイミドがフラスコ中で結晶化した。テトラヒドロフラン(THF)を反応混合物に添加し、そして結晶化したN−ヒドロキシスクシンイミドは、溶液から沈殿した。フリット・バックナー漏斗を通じてろ過することによって、結晶を除去した。吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを介して、ろ過した溶液からTHFを除去した。1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いた、カラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物15を精製し、収率は約60〜70%であった。
【0114】
実施例6:スキーム5、工程6:脱保護
[0087]化合物15、1.5gを清浄な200mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして低流量のアルゴンでおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用いて、反応フラスコ内に40mLの無水エタノールを添加した。混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約5分間攪拌し、そして次いで、1.373gのギ酸アンモニウムを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で5分間攪拌し、その後、11mLの脱イオン水を添加した。ギ酸アンモニウムが完全に溶解するまで、アルゴン下、周囲温度でおよそ5分間、攪拌を続けた。110℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で約7時間攪拌した。
【0115】
[0088]1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いたBiotage(登録商標)カラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物3を精製した。化合物3の単離収率は50〜70%であった。
【0116】
実施例7:スキーム5、工程7:アミノリシス
[0089]70mgの化合物15を、10mLコニカルフラスコ中の3mLのアセトン中に均一に溶解した。2mLの溶液を抜き取り、そしてシリンジを用いて、空の清浄な5mLコニカルフラスコ内に移した。ロータリーエバポレーターを用いて、5mLフラスコからアセトンを蒸発させた。
【0117】
[0090]3mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを、化合物15を含有するフラスコに添加した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じてゆっくりと、0.164mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを5mLコニカルフラスコ内に添加した。
【0118】
[0091]別個に、760mgの化合物16を200mL 一口丸底フラスコ(反応フラスコ)内に入れた。磁気攪拌バーを反応フラスコ内に入れた。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。45mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコ内に添加した。22を完全に攪拌し、そして超音波槽中で加熱を伴わず穏やかな超音波処理で溶解させた。1:1水:エチレングリコールを満たしたジャケット型ビーカー内に反応フラスコを浸し、そしてあらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結した。0℃、アルゴン下での攪拌をさらに10分間続けた。
【0119】
[0092]Hamilton Gastight(登録商標)シリンジを用て、化合物16を含有する反応フラスコ内に、10分間に渡って1滴ずつ、化合物15溶液を添加した。2つの1mL部分の無水N,N−ジメチルホルムアミドでシリンジをリンスし、そしてリンス液を反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃で1時間攪拌した。冷却槽から反応フラスコを除去し、そして室温に到達させた。反応混合物をアルゴン下、室温で6時間攪拌した。
【0120】
[0093]2つの溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド)を除去した。ジクロロメタン:アセトン(100%ジクロロメタンから開始して、そして100%アセトンで終了する)を溶出液として用いたBiotage(登録商標)カラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物17を精製した。化合物17の収率は23〜39%であった。
【0121】
実施例8:スキーム5、工程8:レベチラセタム免疫原の調製
[0094]8ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の160mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)の溶液を氷槽中で冷却した。約11.8mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。1.0mL DMSO中の30mgの化合物17の溶液をKLH溶液に1滴ずつ添加して、反応混合物を形成し、そして混合物をおよそ40時間、周囲温度で攪拌させた。生じた免疫原(化合物18a)を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、その後、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の5%DMSO中で、室温で連続透析し、そして次いで、4℃で、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0122】
実施例9:スキーム5、工程9:レベチラセタム・コンジュゲートの調製
[0095]25ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の400mgのウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を氷槽中で冷却した。約16mLのDMSOをBSA溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。
【0123】
[0096]1.0mL無水DMF中の28mgの化合物3の溶液に0.2mL無水N,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。異なる丸底フラスコに、48mgのカルボニルジイミダゾール(CDI)および1mL無水DMFを添加した。
【0124】
[0097]約10分間の期間に渡って、シリンジを介して、化合物3を含有する溶液をDMF中のCDIの溶液に1滴ずつ添加して、そして生じた混合物を氷槽中でおよそ5時間攪拌した。
【0125】
[0098]約20分間の期間に渡って、シリンジを用いて、化合物3/CDIの溶液をBSA溶液に1滴ずつ添加した。生じた混合物を2〜8℃で一晩攪拌した。生じた化合物18bを透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO中で、4℃で連続透析し、その後、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0126】
実施例10:スキーム6、工程1:アルキル化
[0099]化合物20、H−Glu(OBzl)−OtBu(Bachem、カタログ番号E3535、CAS番号105590−97−4)、5gを、清浄な100mL 一口丸底フラスコ内に入れた。磁気攪拌バーを反応フラスコ内に入れ、そして反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、20mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、さらに15分間攪拌し、そして次いで、清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、1滴ずつ、2mLの4−ブロモ酪酸エチルをフラスコに添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で約10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せ、そしてアルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。70℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下でおよそ40時間攪拌した。
【0127】
[00100]反応混合物を室温に冷却した。溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:3アセトン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物21を精製した。単離された化合物21収率は50〜70%であった。
【0128】
実施例11:スキーム6、工程2:ラクタム化/環化
[00101]化合物21、4gを清浄な100mL 一口丸底フラスコ(反応フラスコ)に移した。フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、15mLの無水トルエンを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約10分間攪拌し、次いで、0.3gの2−ヒドロキシピリジンを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度でおよそ10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せた。アルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。120℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そして2−ヒドロキシピリジンが完全に溶解するまで、アルゴン下で15時間攪拌した。
【0129】
[00102]反応混合物を室温に冷却した。吸引装置に連結したロータリーエバポレーター上で溶媒(トルエン)を除去した。1:3ヘキサン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物22を精製した。化合物22収率は40〜70%の範囲であった。
【0130】
実施例12:スキーム6、工程3:加水分解
[00103]2gの化合物22を清浄な100mL 一口丸底反応フラスコに移した。清浄なメスシリンダーを用いて、反応フラスコに10mLのジクロロメタンを添加した。反応混合物を周囲温度で約5分間攪拌し、そして次いで、清浄なメスシリンダーを用いて、10mLのトリフルオロ酢酸を反応フラスコ内に添加した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして周囲温度でおよそ4時間攪拌した。
【0131】
[00104]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(ジクロロメタン、トリフルオロ酢酸)を除去した。1:1アセトン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物23を精製した。化合物23収率は70〜90%の範囲であった。
【0132】
実施例13:スキーム6、工程4:アミノリシス
[00105]化合物23、1.75gを、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結したジャケット型100mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、5mLの無水アセトニトリルを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、0℃で、さらに約15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じてゆっくりと、反応フラスコ内に2mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物は淡黄色からより深い黄色に変化した。反応混合物をアルゴン下、0℃で約10分間攪拌した。
【0133】
[00106]1.80gのTSTU(O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウランテトラフルオロボレート)を10mLの無水アセトニトリル中に完全に溶解した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、生じた溶液を反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃でおよそ2.5時間攪拌した。
【0134】
[00107]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(アセトニトリル)を除去した。迅速分離を用いたフラッシュクロマトグラフィーを用いて、中間体を精製した。
【0135】
[00108]1.6gの中間体を、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結した清浄なジャケット型100mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを約15分間パージした。20mLのメタノール中の7Nアンモニア(約−20℃にあらかじめ冷却)を添加した際、白色固体(N−ヒドロキシスクシンイミド)の形成が観察された。隔離された条件下(ゴムセプタムで蓋、アルゴンは含まない)、0℃で約2.5時間、反応混合物を攪拌した。反応混合物をゆっくりと周囲温度にした。
【0136】
[00109]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、未反応アンモニアおよび溶媒(メタノール)を除去した。溶媒を除去した際、N−ヒドロキシスクシンイミドがフラスコ中で結晶化した。テトラヒドロフラン(THF)を反応混合物に添加し、そして結晶化したN−ヒドロキシスクシンイミドは、溶液から沈殿した。フリット・バックナー漏斗を通じてろ過することによって、結晶を除去した。吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを介して、ろ過した溶液からTHFを除去した。1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いた、カラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物24を精製し、収率は約50〜60%であった。
【0137】
実施例14:スキーム6、工程5:脱保護
[00110]化合物24、1.5gを清浄な200mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして低流量のアルゴンでおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用いて、反応フラスコ内に40mLの無水エタノールを添加した。混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約5分間攪拌し、そして次いで、1.4gのギ酸アンモニウムを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で5分間攪拌し、その後、10mLの脱イオン水を添加した。ギ酸アンモニウムが完全に溶解するまで、アルゴン下、周囲温度でおよそ5分間、攪拌を続けた。110℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で約7時間攪拌した。
【0138】
[00111]1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物25を精製した。化合物25の収率は50〜70%であった。
【0139】
実施例15:スキーム6、工程6:活性化
[00112]化合物25、1.90gを、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結したジャケット型100mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、5mLの無水DMFを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、0℃で、さらに約15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じてゆっくりと、反応フラスコ内に2mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃で約10分間攪拌した。
【0140】
[00113]1.95gのTSTU(O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウランテトラフルオロボレート)を5mLの無水DMF中に完全に溶解した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、生じた溶液を反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、0℃でおよそ2.5時間攪拌した。
【0141】
[00114]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。フラッシュクロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物26を精製した。化合物26収率は60〜70%であった。
【0142】
実施例16:スキーム6、工程7:レベチラセタム免疫原の調製
[00115]8ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の160mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)の溶液を氷槽中で冷却した。約11.8mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。1.0mL DMSO中の32mgの化合物26の溶液をKLH溶液に1滴ずつ添加して、反応混合物を形成した。反応混合物をおよそ40時間、室温で攪拌させた。生じたKLH免疫原27を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の5%DMSO中で、室温で連続透析し、その後、4℃で、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0143】
実施例17:スキーム6、工程7:レベチラセタム・コンジュゲートの調製
[00116]8ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の400mgのウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を氷槽中で冷却した。約11.8mLのDMSOをBSA溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。1.0mL DMSO中の32mgの化合物26の溶液を、BSA溶液に1滴ずつ添加して、反応混合物を形成した。反応混合物を40時間、室温で攪拌させた。生じたBSAコンジュゲート、化合物28を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の5%DMSO中で、室温で連続透析し、そして次いで、4℃で、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0144】
実施例18:スキーム7、工程1:アルキル化
[00117]化合物29、H−Cys(OBzl)−OMe(Bachem、カタログ番号E1545、CAS番号16741−80−3)、4.5gを、清浄な100mL 一口丸底フラスコ内に入れた。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、20mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、およそ15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、1滴ずつ、2mLの4−ブロモ酪酸エチルをフラスコに添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せ、そしてアルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。70℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で40時間攪拌した。
【0145】
[00118]反応混合物を室温に冷却した。溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:3アセトン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物30を精製した。単離された化合物30収率は50〜70%であった。
【0146】
実施例19:スキーム7、工程2:ラクタム化/環化
[00119]化合物30、3.9gを清浄な100mL 一口丸底フラスコ(反応フラスコ)に移した。フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしておよそ15分間パージし、次いで、清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、15mLの無水トルエンを反応フラスコ内に添加した。反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約10分間攪拌し、次いで、0.31gの2−ヒドロキシピリジンを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度でおよそ10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せた。アルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。120℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そして2−ヒドロキシピリジンが完全に溶解するまで、アルゴン下で15時間攪拌した。
【0147】
[00120]反応混合物を室温に冷却した。吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(トルエン)を除去した。1:3ヘキサン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物31を精製した。化合物31収率は50〜70%の範囲であった。
【0148】
実施例20:スキーム7、工程3:加水分解
[00121]2.1gの化合物31を清浄な100mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコに10mLのメタノールおよび10mLの脱イオン水を添加した。200mgのLiOHをフラスコに添加した。反応混合物を周囲温度で約4時間攪拌した。
【0149】
[00122]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(メタノール、水)を除去した。1:1アセトン:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物32を精製した。化合物32収率は70〜90%の範囲であった。
【0150】
実施例21:スキーム7、工程4:アミノリシス
[00123]化合物32、1.80gを、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結したジャケット型100mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンをおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、5mLの無水アセトニトリルを反応フラスコに添加した。反応混合物を、アルゴン下、0℃で、さらに約15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じてゆっくりと、反応フラスコ内に2mLのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加した。反応混合物は、淡黄色からより深い黄色に変化した。反応混合物をアルゴン下、0℃で約10分間攪拌した。
【0151】
[00124]1.85gのTSTU(O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウランテトラフルオロボレート)を10mLの無水アセトニトリル中に完全に溶解した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、生じた溶液を反応フラスコ内に添加し、そしてアルゴン下、0℃でおよそ2.5時間攪拌した。
【0152】
[00125]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(アセトニトリル)を除去した。迅速分離を用いたフラッシュクロマトグラフィーを用いて、中間体を精製した。
【0153】
[00126]1.62gの中間体を、あらかじめ0℃に設定した循環サーモスタットに連結した清浄なジャケット型100mL 一口丸底反応フラスコに移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを約15分間パージした。20mLのメタノール中の7Nアンモニア(約−20℃にあらかじめ冷却)を添加した際、白色固体(N−ヒドロキシスクシンイミド)の形成が観察された。隔離された条件下(ゴムセプタムで蓋、アルゴンは含まない)、0℃で2.5時間、反応混合物を攪拌した。反応混合物をゆっくりと周囲温度にした。
【0154】
[00127]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、未反応アンモニアおよび溶媒(メタノール)を除去した。1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いた、カラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物33を精製し、収率は約50〜60%であった。
【0155】
実施例22:スキーム7、工程5:脱保護
[00128]化合物33、1.51gを清浄な200mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして低流量のアルゴンでおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用いて、反応フラスコ内に40mLの無水エタノールを添加した。混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約5分間攪拌し、そして次いで、1.4gのギ酸アンモニウムを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で5分間攪拌し、その後、10mLの脱イオン水を添加した。ギ酸アンモニウムが完全に溶解するまで、アルゴン下、周囲温度でおよそ5分間、攪拌を続けた。110℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で約7時間攪拌した。
【0156】
[00129]1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物34を精製した。化合物34の収率は50〜70%であった。
【0157】
実施例23:スキーム7、工程7:レベチラセタム免疫原の調製
[00130]3ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の60mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)の溶液を氷槽中で冷却した。一方の端にNHSエステルおよびもう一方の端にマレイミド基を含有するヘテロ二官能性架橋剤である10.2mgのm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)を、0.5mL DMSO中に溶解し、そしてMBS溶液を氷槽中で冷却しながらKLH溶液に1滴ずつ添加した。反応混合物を氷槽中で4時間攪拌した。PD−10脱塩カラムを介してKLH−MBSコンジュゲートを精製した(過剰なMBSを除去するため)。
【0158】
[00131]10.2mgの化合物34を0.5mL DMSO中に溶解し、そして生じた溶液を氷槽中で冷却しながら、精製KLH−MBS溶液に1滴ずつ添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。生じた免疫原、化合物37を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の5%DMSO中で、室温で連続透析し、その後、4℃で、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0159】
実施例24:スキーム7、工程8:レベチラセタム・コンジュゲートの調製
[00132]5ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の100mgのウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を氷槽中で冷却する。10.2mgのMBSを、0.5mL DMSO中に溶解し、そして次いでMBS溶液を氷槽中で冷却しながらBSA溶液に1滴ずつ添加した。反応混合物を氷槽中で4時間攪拌させた。PD−10脱塩カラムを介してBSA−MBSコンジュゲートを精製した(過剰なMBSを除去するため)。
【0160】
[00133]12.3mgの化合物34を0.5mL DMSO中に溶解し、そして生じた溶液を氷槽中で冷却しながら、精製BSA−MBS溶液に1滴ずつ添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。生じたコンジュゲート、化合物38を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の5%DMSO中で、室温で連続透析し、その後、4℃で、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0161】
実施例25:スキーム8、工程1:求核アシル付加
[00134]210mgの化合物39、FMOC−Pro−OH(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−プロリン、Aldrichカタログ番号33834−6)、70mg N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および2mL無水DMFを、磁気スターラーとともに100mL丸底フラスコ中に入れた。混合物を氷冷メタノール槽上で冷却し、そして0.2mLの3.5M DCC(DMF中のジシクロヘキシルカルボジイミド)で処理した。反応混合物をアルゴン下で15分間、氷冷メタノール槽中で攪拌し、そしてさらに0.1mLのDCC溶液を添加した。混合物をゆっくりと室温にしながら、そして次いで、アルゴン下、室温で一晩、攪拌した。
【0162】
[00135]1mLのN−ベンジルエチレンジアミンおよび5mL無水DMFを、磁気スターラーとともに反応フラスコ中に入れた。フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを約15分間パージした。DMF溶液中の活性化されたFMOC−Pro−OHを、シリンジを介して、DMF溶液中のN−ベンジルエチレンジアミンにゆっくりと添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度でさらに6時間攪拌した。
【0163】
[00136]溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:9ヘキサン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物40を精製した。単離された化合物40収率は60〜70%であった。
【0164】
実施例26:スキーム8、工程2:脱保護
[00137]化合物40、200mgを清浄な100mL 一口丸底フラスコ(反応フラスコ)に移した。10mLの無水DMFおよび5mLピペリジンを反応フラスコ内に添加して、そして反応混合物をアルゴン下、周囲温度で4時間攪拌した。
【0165】
[00138]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF、ピペリジン)を除去した。2:8メタノール:塩化メチレン(ジクロロメタン)を溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物41を精製した。化合物41収率は50〜70%の範囲であった。
【0166】
実施例27:スキーム8、工程3:アルキル化
[00139]化合物41を、清浄な100mL 一口丸底フラスコに入れた。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、20mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコに添加し、そして反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、さらに15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、1滴ずつ、2mLの2−ブロモ酪酸エチルをフラスコに添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せ、そしてアルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。70℃にあらかじめ加熱した油槽中に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で40時間攪拌した。
【0167】
[00140]反応混合物を室温に冷却した。溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:3アセトン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物42を精製した。単離された化合物42収率は50〜70%であった。
【0168】
実施例28:スキーム8、工程4:脱保護
[00141]20mLの濃水酸化アンモニウムに、2.0gの化合物42および0.1g塩化アンモニウムを添加した。混合物を100℃で攪拌しながらおよそ7時間加熱し、そして次いで室温に冷却した。生じた沈殿物をろ過し、そして水およびジエチルエーテルを洗浄した。中間体の収率は60〜70%であった。
【0169】
[00142]1.0gの中間体を、清浄な100mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして低流量のアルゴンでおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用いて、反応フラスコに20mLの無水エタノールを添加した。混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約5分間攪拌し、そして次いで、0.8gのギ酸アンモニウムを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で5分間攪拌し、その後、5mLの脱イオン水を添加した。ギ酸アンモニウムが完全に溶解するまで、アルゴン下、周囲温度でおよそ5分間、攪拌を続けた。110℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で約7時間攪拌した。
【0170】
[00143]1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物43を精製した。単離された所望の生成物の収率はおよそ50%であった。
【0171】
実施例29:スキーム8、工程5:レベチラセタム免疫原の調製
[00144]8ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の160mgのKLHの溶液を氷槽中で冷却した。約12mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加し、そして室温未満に維持した。
【0172】
[00145]1.0mL無水DMF中の29mgの化合物43の溶液を0.2mL無水N,N−ジイソプロピルエチルアミンに添加した。別個の丸底フラスコに、48mgのCDI(カルボニルジイミダゾール)および1mL無水DMFを添加した。
【0173】
[00146]約10分間の期間に渡って、シリンジを介して1滴ずつ、化合物43を含有する溶液をCDI/DMF溶液に添加し、そして次いで、氷槽中でおよそ5時間攪拌した。
[00147]シリンジを用いて、化合物43/CDI溶液をKLH溶液に1滴ずつ20分間に渡って添加した。混合物を2〜8℃で一晩攪拌した。生じた免疫原、化合物44を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO中で、4℃で連続透析し、その後、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0174】
実施例30:スキーム8、工程6:レベチラセタム・コンジュゲートの調製
[00148]25ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の400mgのウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を氷槽中で冷却した。約16mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。
【0175】
[00149]1.0mL無水DMF中の28mgの化合物43の溶液を0.2mL無水N,N−ジイソプロピルエチルアミンに添加した。別個の丸底フラスコに、48mgのCDI(カルボニルジイミダゾール)および1mL無水DMFを添加した。
【0176】
[00150]10分間の期間に渡って、シリンジを介して1滴ずつ、化合物43を含有する溶液をCDI/DMF溶液に添加し、そして次いで、氷槽中で約5時間攪拌した。
[00151]次いで、シリンジを用いて、溶液をタンパク質溶液に1滴ずつ20分間に渡って添加した。混合物を2〜8℃で一晩攪拌した。生じたレベチラセタム・コンジュゲート、化合物45を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO中で、4℃で連続透析し、その後、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0177】
実施例31:スキーム9、工程1:求核アシル付加
[00152]205mgの化合物46、BOC−Pro−OH(N−9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−プロリン、Bachemカタログ番号A−2235、70mg N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および2mL無水DMFを、磁気スターラーとともに100mL丸底フラスコ中に入れた。混合物を氷冷メタノール槽上で冷却し、そして0.2mLの3.5M DCC(DMF中のジシクロヘキシルカルボジイミド)で処理し、そして次いで、アルゴン下で15分間氷冷メタノール槽中で攪拌し、その後、さらに0.1mLのDCC溶液を添加した。反応混合物をゆっくりと室温にしながら攪拌を続けた。反応混合物を、アルゴン下、室温で一晩、攪拌した。
【0178】
[00153]1mLのN−ベンジルエチレンジアミンおよび5mL無水DMFを、磁気スターラーとともに反応フラスコ中に入れた。フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。DMF溶液中の活性化されたFMOC−Pro−OHを、シリンジを介して、DMF溶液中のN−ベンジルエチレンジアミンにゆっくりと添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度でさらに6時間攪拌した。
【0179】
[00154]溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:9ヘキサン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物47を精製した。単離された化合物47収率は65〜75%であった。
【0180】
実施例32:スキーム9、工程2:脱保護
[00155]200mgの化合物47を清浄な100mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。清浄なメスシリンダーを用いて、反応フラスコに25mLのジクロロメタンを添加した。反応混合物を周囲温度で約5分間攪拌し、清浄なメスシリンダーを用いて、25mLのトリフルオロ酢酸を反応フラスコ内に添加した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして周囲温度でおよそ4時間攪拌した。
【0181】
[00156]吸引装置に連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(ジクロロメタン)を除去した。2:8メタノール:塩化メチレン(ジクロロメタン)を溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物41を精製した。化合物41収率は50〜70%の範囲であった。
【0182】
実施例33:スキーム8、工程3:アルキル化
[00157]化合物41を、清浄な100mL 一口丸底フラスコ内に入れた。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そしてアルゴンを15分間パージした。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、20mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを反応フラスコに添加し、そして反応混合物を、アルゴン下、周囲温度で、さらに15分間攪拌した。清浄なシリンジを用い、セプタムを通じて、1滴ずつ、2mLの2−ブロモ酪酸エチルをフラスコに添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で10分間攪拌した。冷たい流水の水道水を伴うコンデンサーを反応フラスコ上に乗せ、そしてアルゴンラインをコンデンサーの最上部に設置した。70℃にあらかじめ加熱した油槽中に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で40時間攪拌した。
【0183】
[00158]反応混合物を室温に冷却した。溶媒トラップを通じて真空ポンプに連結したロータリーエバポレーターを用いて、溶媒(DMF)を除去した。蒸発装置コンデンサーコイル冷却剤(1:1エチレングリコール:水)をおよそ−15℃にあらかじめ冷却した。1:3アセトン:クロロホルムを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物42を精製した。単離された化合物42収率は50〜70%であった。
【0184】
実施例34:スキーム8、工程4:脱保護
[00159]20mLの濃水酸化アンモニウムに、2.0gの化合物42および0.1g塩化アンモニウムを添加した。混合物を100℃で攪拌しながらおよそ7時間加熱し、そして次いで室温に冷却した。生じた沈殿物をろ過し、そして水およびジエチルエーテルで洗浄した。中間体の収率は60〜70%であった。
【0185】
[00160]1.0gの中間体を、清浄な100mL 一口丸底反応フラスコ内に移した。反応フラスコにゴムのセプタムで蓋をし、そして低流量のアルゴンでおよそ15分間パージした。清浄なシリンジを用いて、反応フラスコに20mLの無水エタノールを添加した。混合物を、アルゴン下、周囲温度で、約5分間攪拌し、そして次いで、0.8gのギ酸アンモニウムを固体粉末として反応フラスコ内に添加した。反応混合物をアルゴン下、周囲温度で5分間攪拌し、その後、5mLの脱イオン水を添加した。ギ酸アンモニウムが完全に溶解するまで、アルゴン下、周囲温度でおよそ5分間、攪拌を続けた。110℃にあらかじめ加熱した油槽内に反応フラスコを浸し、そしてアルゴン下で約7時間攪拌した。
【0186】
[00161]1:9メタノール:酢酸エチルを溶出液として用いたカラム液体クロマトグラフィーを用いて、所望の生成物、化合物43を精製した。単離された所望の生成物の収率はおよそ50%であった。
【0187】
実施例35:スキーム8、工程5:レベチラセタム免疫原の調製
[00162]8ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の160mgのKLHの溶液を氷槽中で冷却した。約12mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加し、そして室温未満に維持した。
【0188】
[00163]1.0mL無水DMF中の29mgの化合物43の溶液を0.2mL無水N,N−ジイソプロピルエチルアミンに添加した。別個の丸底フラスコに、48mgのCDI(カルボニルジイミダゾール)および1mL無水DMFを添加した。
【0189】
[00164]約10分間の期間に渡って、シリンジを介して1滴ずつ、化合物43を含有する溶液をCDI/DMF溶液に添加し、そして次いで、氷槽中でおよそ5時間攪拌した。
[00165]シリンジを用いて、化合物43/CDI溶液をKLH溶液に1滴ずつ20分間に渡って添加した。混合物を2〜8℃で一晩攪拌した。生じた免疫原、化合物44を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO中で、4℃で連続透析し、そしてその後、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0190】
実施例36:スキーム8、工程6:レベチラセタム・コンジュゲートの調製
[00166]25ml pH7.2 PBS(0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム)中の400mgのウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を氷槽中で冷却した。約16mLのDMSOをKLH溶液に1滴ずつ添加して、そして室温未満で維持した。
【0191】
[00167]1.0mL無水DMF中の28mgの化合物43の溶液を0.2mL無水N,N−ジイソプロピルエチルアミンに添加した。別個の丸底フラスコに、48mgのカルボニルジイミダゾール(CDI)および1mL無水DMFを添加した。
【0192】
[00168]10分間の期間に渡って、シリンジを介して1滴ずつ、化合物43を含有する溶液をCDI/DMF溶液に添加し、そして次いで、氷槽中で約5時間攪拌した。
[00169]次いで、シリンジを用いて、溶液をタンパク質溶液に1滴ずつ20分間に渡って添加した。混合物を2〜8℃で一晩攪拌した。生じたレベチラセタム・コンジュゲート、化合物45を透析チューブ(10,000MWカットオフ)に入れて、そして1LのpH7.2 PBS中の30%DMSO、次いで、1LのpH7.2 PBS中の10%DMSO中で、4℃で連続透析し、その後、pH7.2 PBSと4回交換した(各1Lで少なくとも各6時間)。
【0193】
実施例37:抗体産生
[00170]上述のように、免疫原を用いて、LEVと特異的に結合するポリクローナル抗体を調製する。より具体的には、KLH免疫原性部分を有する免疫原18a、27、37、および44を用いて、抗レベチラセタム・ポリクローナル抗体を生成する。約0.5mLの免疫原含有組成物を、約0.5mLのフロイントのアジュバントと混合することによって、免疫原性組成物を調製する。次いで、生じた1mL免疫原性カクテルを動物、例えばヒツジ、ヤギ、ウサギまたは他の哺乳動物に注射する。抗レベチラセタム・ポリクローナル抗体産生を誘導するため、同様の免疫原性カクテルを用いた続く免疫原性注射を、およそ4週間ごとに動物に投与する。
【0194】
[00171]抗体組成物には、少なくとも1つの結合ドメインを有する抗レベチラセタム抗体が含まれてもよく、ここで、抗体は、患者標本中に存在するLEVに結合可能であるか、またはLEV誘導体に結合可能である。また、抗体は、少なくとも約1:5,000、または少なくとも約1:10,000、または少なくとも約1:50,000、または少なくとも約1:100,000、または少なくとも約1:300,000の力価で存在しうる。アッセイ条件に応じて、1:5,000程度に低いかまたは1:300,000程度に高い抗体力価を有することが好ましい可能性もある。
【0195】
[00172]さらに、抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよい。抗体は、均一、不均一、またはその他の免疫診断アッセイで使用するのに十分である、LEVに比較したLEV誘導体に対するアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つを有してもよい。こうしたものとして、抗体およびLEV誘導体間の相互作用は、患者標本中に存在するLEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも50%、さらにより好ましくは、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも70%、最も好ましくは、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも90%であってもよい。場合によって、LEV誘導体に対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つは、LEVに対するものと実質的に同じである。
【0196】
実施例38:抗体力価の決定
[00173]当該技術分野に知られるようなELISAイムノアッセイにおける成績によって、抗体をスクリーニングした。ELISAアッセイに用いるためのマルチウェルプレートを調製して、実施例37に記載するように調製したポリクローナル抗体を試験した。抗レベチラセタム抗体に曝露する前に、異なるマルチウェルプレート中のウェルの底にLEV誘導体をコーティングすることによって、レベチラセタム誘導体、すなわち化合物18bおよび19を、抗体に結合するための抗原として用いた。より具体的には、レベチラセタム誘導体をコーティング緩衝液中で希釈し、そして次いでマルチウェルプレートのウェルに添加した。37℃で約60分間インキュベーションした後、コーティング緩衝液中の溶媒をデカントし、そしてBSAまたはカゼインを含有するブロッキング緩衝液をプレートに添加した。プレートを再び37℃で60分間インキュベーションし、そしてブロッキング緩衝液中の溶媒をプレートからデカントした。いくつかのELISAプレートは、調製後、数時間以内に使用されたが、他のものは、ウェル中にブロッキング溶液を含んだまま、2〜8℃で最長1週間保存された。
【0197】
[00174]上記のように調製したELISAプレートを用いて、実施例37にしたがって、特に免疫原18aを用いて調製したポリクローナル抗体に関する抗体力価を決定した。1:10〜1:2000の間、10倍増分の抗体の連続希釈を、pH7.4であり、そして0.1%BSAを含有するPBS中で調製した。100μL体積の各希釈をELISAプレート上の別個のウェルに添加した。プレートを37℃でおよそ60分間インキュベーションし、そしてpH7.4で0.05% Tween20を含む250μLのPBSで3回洗浄した。次に、pH7.4であり、そして0.1%BSAを含有する125μLのPBS中の酵素コンジュゲート化二次抗体(抗ヒツジIgG抗体)をプレートの各ウェルに添加した。あるいは、抗レベチラセタム抗体を酵素または他の検出可能標識に直接コンジュゲート化してもよく、そして酵素標識二次抗体を添加する工程を除いてもよい。プレートを37℃でおよそ60分間インキュベーションした。プレートのウェルを上述のように洗浄した。洗浄後、約125μLのABTS基質を各ウェルに添加し、そしてマルチウェルプレートを再び20分間インキュベーションした。405nmの波長でマルチウェルプレート読み取り装置を用いて吸光度値を得て、そして力価値を計算した。力価結果を表3に提供する。
【0198】
表3
【0199】
【表3】
【0200】
実施例39:抗体アビディティの決定
[00175]結合阻害研究によって、免疫原18aを用いて調製した抗レベチラセタム抗体の、多様なレベチラセタム誘導体に対するアビディティを決定した。pH7.4で0.1%BSAを含む1mLのPBS中で試料を調製した。30%Bmax力価または50%Bmax力価を有する組成物を用いて、実施例38で得られるような力価値を、およそ半分の力価値にした。30%Bmaxを用いて、試料調製段階中、1:10000の抗体力価を1:5000に希釈した。異なる濃度またはキャリブレーター値(0、5、10、20、40、80μg/ml)の約50μLのレベチラセタムを実施例38にしたがって調製されるようなプレートに適用した。約50μLの希釈抗体をプレート内に分配して、そしてプレート中の組成物を水平プレート振盪装置上で1分間混合した。プレートの第一列には、レベチラセタムもまた抗レベチラセタム抗体も添加せず、これは陰性対照として働いた。抗レベチラセタム抗体を含むがレベチラセタムを含まない第二列を陽性対照として用いた。プレートを60分間インキュベーションし、そしてpH7.4で0.05%Tween20を含む250μLのPBSで3回洗浄した。約125μLの例えばpH7.4のPBS中の希釈誘導体、例えば18bまたは19をプレートの各ウェルに添加した。プレートを37℃で60分間インキュベーションし、そして上述のように洗浄した。およそ125μLのABTS基質をプレートの各ウェルに添加し、そして20分間インキュベーションした。405nmでマルチウェルプレート読み取り装置を用いて、吸光度値を得て、そして結果を表4に提供する。
【0201】
表4
【0202】
【表4】
【0203】
[00176]本明細書において、用語「ハプテン」は、部分的または不完全抗原を指すよう意味され、そして小分子または薬剤であることも可能である。また、ハプテンは、タンパク質不含またはポリペプチド不含物質である低分子量分子であることも可能である。通常、ハプテンは、単独で抗体形成を刺激することは不可能であるが、抗体と相互作用することは可能でありうる。したがって、本発明にしたがったLEVおよびLEV誘導体はハプテンであることも可能である。
【0204】
[00177]本明細書において、用語「類似体」または「誘導体」は、1またはそれより多い化学反応によって、親化合物または分子から作製される化学化合物または分子を指すよう意味される。こうしたものとして、類似体は、LEVの構造に類似であるかまたはLEV骨格に基づくが、特定の構成要素または構造的組み立てに関して、LEVと異なる構造を持つ化合物であってもよく、代謝的に類似の作用または反対の作用を有することも可能である。本発明記載のLEVの類似体または誘導体を用いて、類似体およびLEVの両方を認識する抗体との結合に関して競合させることも可能である。また、類似体には、リンカー基を通じて、LEVにカップリングした作用基が含まれることも可能である。
【0205】
[00178]本明細書において、用語「抗原」は、抗体または別の免疫系構成要素によって認識されることが可能な分子を指すよう意味される。
[00179]本明細書において、用語「免疫原」および「免疫原性」は、生物において、免疫応答を産生するかまたは生成することが可能な物質を指すよう意味される。免疫原は、一般的に、特定のタイプの抗原であると見なされる。別の言い方をすると、免疫原は免疫応答を誘導可能であり、一方、抗原は、ひとたび作製されたならば、免疫応答の生成物と組み合わさることが可能である。こうしたものとして、免疫原はまた、抗原でもありうる。通常、免疫原は、かなり高い分子量(例えば10,000ダルトンより大きい)を有し、したがって、本発明記載の免疫原を形成するため、タンパク質、リポタンパク質、多糖、いくつかの核酸、および特定のタイコ酸などの多様な巨大分子をハプテンにカップリングしてもよい。
【0206】
[00180]本明細書において、用語「免疫原性」は、分子が免疫応答を誘導する能力を指すよう意味され、これは、注射される分子に固有の化学構造によって、そして宿主動物が化合物を認識可能であるかどうかによっての両方で決定される。抗原の構造における小さい変化が、化合物の免疫原性を非常に改変することも可能であり、そしてこうした変化は、特に、よく保存されている抗原に対する抗体が作製される見込みを増加させる一般的な方法として、広範囲に用いられてきた。例えば、これらの修飾技術は、免疫原の領域を改変して、T細胞結合のためによりよい部位を提供するか、またはB細胞結合のために新規のエピトープを暴露するかいずれかである。
【0207】
[00181]本明細書において、用語「キャリアー」、「免疫原性部分」、または「免疫原性キャリアー」は、ハプテンにカップリング可能な免疫原性物質、一般的にはタンパク質である、作用基を指すよう意味される。ハプテンにカップリングした免疫原性部分は、免疫応答を誘導可能であり、そしてハプテンと特異的に結合可能な抗体の産生を誘発可能である。免疫原性部分は、異質(foreign)と認識され、そしてしたがって宿主から免疫学的応答を誘発する、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質、複合多糖、粒子、核酸、ポリヌクレオチド等を含む作用基である。さらに、リンカーは、修飾または非修飾ヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリマー、糖および他の炭水化物、例えばポリエチレングリコールなどのポリエーテル、ポリアルコール、ポリプロピレン、プロピレングリコール、エチレンおよびプロピレングリコールの混合物、ポリアルキルアミン、スペルミジンなどのポリアミン、ポリ(アクリル酸エチル)などのポリエステル、ポリホスホジエステル、およびアルキレンを含むことも可能である。作用基およびそのリンカーの例は、コレステロール−TEG−ホスホロアミダイトであり、ここでコレステロールは作用基であり、そしてテトラエチレングリコールおよびホスフェートがリンカーとして働く。
【0208】
[00182]1つの例において、作用基は、免疫原性を刺激し、そしてハプテンに対する抗体形成を刺激するため、ハプテンにカップリングさせることが可能な、免疫原性キャリアーである。通常、免疫原性キャリアーは、非常に免疫原性であり、そしてハプテンに対して免疫原性を与えることが可能な、巨大分子である。例えば、異質のタンパク質は、こうした免疫学的応答を誘発可能であるため、タンパク質を免疫原性キャリアーとして使用することも可能である。タンパク質キャリアーは高溶解性であることも可能であり、そしてハプテン分子との容易なコンジュゲート化を促進可能な官能基を含むことも可能である。今日用いられている最も一般的なキャリアータンパク質のいくつかは、キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH;MW 450,000〜13,000,000)およびウシ血清アルブミン(BSA、MW 67,000)である。キーホールリンペット・ヘモシアニンは、海生キーホールリンペットの酸素運搬タンパク質であり、そして非常に巨大であり、そして解離させてサブユニットにすると、増加した免疫原性を示すが、これはおそらく、さらなるエピトープ部位が免疫系に曝露されるためである。BSAは、コンジュゲート化に適した多くの官能基を含有する、高溶解性のタンパク質である。
【0209】
[00183]本明細書において、用語「抗体」は、体における異質の分子の存在に応答して産生されるタンパク質を指すよう意味される。これらは、抗原、および特殊化細胞または免疫系のタンパク質の両方に結合する能力によって、特徴付け可能である。抗体は、5つのクラス、IgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDに分けられ、そして形質細胞によって産生される免疫グロブリンである。
【0210】
[00184]本明細書において、用語「エピトープ」は、抗体と相互作用する抗原の領域を定義するよう意味される。したがって、抗原である分子または他の物質には、抗体活性を伴う少なくとも1つのエピトープが含まれうる。これは、抗原が、同じ抗体または異なる抗体によって認識される多様なエピトープを有することを許容しうる。また、エピトープは任意の特定の構造の固有の特性ではないが、抗体と相互作用する結合部位として定義することも可能である。
【0211】
[00185]本明細書において、用語「アフィニティ」は、エピトープおよび抗体間の結合の強度の測定値を指すよう意味される。したがって、単一の抗体は、多様なエピトープに対して、異なるアフィニティを有することも可能である。これは、単一の抗体が、1つのエピトープに強く結合し、そして別のエピトープにより弱く結合することを許容しうる。こうしたものとして、抗体は、LEVなどの薬剤に対する第一のアフィニティを有し、そしてLEV誘導体に対する第二のアフィニティを有することも可能である。しかし、抗体が、LEVおよびLEV誘導体の両方に実質的に同等なまたは類似のアフィニティを有することが可能であり、これは、類似体を用いて、LEVに対する抗体を生成し、そして競合的結合研究において使用することを許容する。したがって、本発明記載のLEV誘導体を用いて、LEVに対するアフィニティを持つ抗体を生成することも可能である。
【0212】
[00186]本明細書において、用語「アビディティ」は、抗体および抗原間の複合体の全体の安定性の測定値を指すよう意味される。抗体−抗原相互作用の全体の安定性は、以下のような3つの主な要因によって支配されうる:(a)エピトープに対する抗体の固有のアフィニティ;(b)抗体および抗原の価数;および(c)相互作用構成要素の幾何学的配置。こうしたものとして、前述のパラメーターならびに他のパラメーターを変化させることによって、抗体−抗原複合体のアビディティを調節することも可能である。
【0213】
[00187]本明細書において、用語「特異性」は、他の利用可能なエピトープと比較した、エピトープと抗体の優先的な結合を指すよう意味される。すなわち、抗体の特異性は、LEV代謝物ではなく、LEVおよび/または類似体に優先的に結合可能である。これを用いて、不都合な抗体−代謝物結合が混入しないようにして、LEVの真の濃度を評価可能であるように、代謝物よりもLEVと優先的に結合する、抗LEV抗体を生成することも可能である。また、LEVとの結合に関する抗体の特異性を用いて、LEVと類似かまたは実質的に同じ特異性を持つ類似体を仕立てることも可能である。
【0214】
[00188]本明細書において、用語「ポリクローナル抗体」は、所定の抗原またはエピトープに対して、広い範囲の特異性およびアフィニティを持つ抗体の異種混合物を指すよう意味される。したがって、ポリクローナル抗体には、各々他のものと区別可能であり、抗原と結合するかまたは別の方式で相互作用する、複数の抗体が含まれうる。エピトープを有する免疫原を動物内に注射し、そして適切な時間が経過した後、関心対象の抗体を含有する血液分画を収集し、そして場合によって精製することによって、ポリクローナル抗体を含む異なる抗体を産生するかまたは生成することも可能である。抗体を産生する際、ポリクローナル抗体に関して、最終的な使用について、いくつかのパラメーターを考慮してもよい。これらのパラメーターには以下のものが含まれる:(1)抗体の特異性(すなわち抗原間を区別する能力);(2)抗体のアビディティ(すなわちエピトープに結合する強度);および(3)アッセイ系における抗体の最適な希釈を決定する、抗体の力価。
【0215】
[00189]本明細書において、用語「モノクローナル抗体」は、通常の抗体産生細胞および1つの前駆細胞の培養物から単離された抗体を指すよう意味される。モノクローナル抗体は、均一な結合定数を有することが可能であり、そして当該技術分野に周知である。
【0216】
[00190]本明細書において、「抗体力価」は、血清希釈の逆数を指すよう意味される。より好適な報告および形式化のため、この方式で力価を報告する。1/50000の力価は、抗原が1:50000の希釈である場合に、抗体が、一緒に結合した抗原のエピトープを有効に検出することを意味する。力価は、最大O.D.の約10%を有する終点力価によって計算される。
【0217】
[00191]本明細書において、用語「イムノアッセイ」または「免疫診断」は、生物学的試料における特定の抗原または特定の抗体の少なくとも1つを同定し、および/または定量化するため、抗原および抗体間の結合を利用する実験技術を指すよう意味される。現在、3種のイムノアッセイがあり、以下のように説明される:(1)抗体捕捉アッセイ;(2)抗原捕捉アッセイ;および(3)2抗体サンドイッチアッセイ。さらに、新規イムノアッセイが開発され、そしてこうしたアッセイが本発明の類似体および抗体を使用可能であろうことが意図される。
【0218】
[00192]本明細書において、用語「競合的イムノアッセイ」は、既知の量の同定可能な抗原が、抗体との結合に関して、別の抗原と競合する、実験プロトコルを指すよう意味される。すなわち、既知の抗体と結合する既知の抗原を、その既知の抗体とも結合する別の抗原を含有すると推測される試料と合わせる。これは、該抗体上の結合部位に関して、既知の抗原および別の抗原の両方が競合することを許容する。例えば、抗LEV抗体と結合するLEV誘導体を、LEVを含有すると推測される試料と合わせることも可能であり、そして類似体およびLEVが、抗LEV抗体との結合に関して競合することも可能である。次いで、抗体との結合に関する競合を用いて、試料中にLEVが存在するかどうかを決定することも可能であり、そしてさらに、競合を用いて、試料中のLEVの量を定量化することも可能である。
【0219】
[00193]本明細書において、用語「比濁検出」は、凝集した粒子によって散乱される光による、入射光の透過における強度の減少、または吸光度の増加の測定値を指すよう意味される。透過光の強度の減少は、より高い透過光出発バックグラウンド強度に対して測定される。通常、読み取りは、光源と一列になった検出装置で行われ、粒子の凝集が透過光を阻害する。したがって、LEVなどのターゲット分析物の存在を評価するための手段として、凝集の阻害または促進を用いることも可能である。比濁アッセイは、多様な臨床分析装置に容易に適応可能である。
【0220】
[00194]本明細書において、用語「微粒子凝集アッセイ」は、ターゲット分析物による微粒子の凝集を阻害する原理を用いるイムノアッセイを指すよう意味される。すなわち、凝集の減少は、ターゲット分析物の存在に起因する。例えば、ターゲット薬剤の誘導体が微粒子表面に共有結合し、および/または増感粒子はモノクローナル抗体によって凝集する。試料が遊離薬剤を含有する場合、凝集は薬剤濃度に比例して阻害され、これによって、薬剤濃度を吸光度と関連させる古典的な阻害曲線が導かれる。
【0221】
[00195]本明細書において、用語「作用基」は、リンカー基を通じてLEVにカップリングした分子または巨大分子を指すよう意味される。作用基には、免疫原性部分、抗原部分、トレーサー部分等が含まれることも可能である。さらに、本明細書記載の化学的骨格中のZ基が作用基である。こうしたものとして、作用基をYリンカー基にカップリングさせて、そしてLEV誘導体にさらなる官能性を提供することも可能である。
【0222】
[00196]本明細書において、用語「活性エステル」または「活性化エステル」は、例えばペプチドおよびタンパク質などの化合物の遊離アミノ基と反応可能なエステル基を指すよう意味される。活性エステルには、活性脱離基に連結されたカルボキシル基が含まれることも可能である。しばしば、活性脱離基には、エステル酸素が含まれ、したがって活性脱離基はエステル酸素を取り除く。例えば活性エステルは、一級アミンによる置換に感受性であり、これによって、エステル酸素の除去およびアミド基の形成が生じる。活性エステルを形成する活性脱離基の例には、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、p−ニトロフェニル、ペンタフルオロフェニル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾリル等が含まれる。したがって、用語「NHS」の使用は、N−ヒドロキシスクシンイミドとして定義されるよう意味される。
【0223】
[00197]本明細書において、用語「標識」、「検出分子」または「トレーサー」は、検出可能シグナルを生じるかまたは生じるように誘導可能ないかなる作用基も指すよう意味される。標識をLEV、LEV誘導体合成系出発物質および/または中間体、LEV誘導体、ハプテン、分析物、免疫原、抗体、あるいは受容体または受容体に結合可能な分子などの別の分子にコンジュゲート化することも可能である。トレーサーの限定されない例には、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、触媒、フルオロフォア、色素、化学発光剤、発光剤、増感剤、非磁気または磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体等が含まれる。本明細書に記載するように、例えば、LEV誘導体合成出発物質および/または合成中間体を多様なトレーサー部分(例えばフルオロフォア)にカップリングして、これを、合成反応において、出発物質および生成物を追跡するために使用してもよい。また、本明細書にも記載するように、当該技術分野に周知の方法によって、LEV誘導体を多様な標識にカップリングして、多様なイムノアッセイ形式において有用な多様な試薬を提供することもまた可能である。イムノアッセイの結果を検出するため、フルオロフォア、例えばフルオレセイン、放射標識、または化学発光基などの検出分子を、類似体にカップリングしてトレーサーを産生することも可能である。
【0224】
[00198]本明細書において、用語「連結基」または「リンカー」は、例えばLEV、LEV誘導体、ハプテン、および作用基、例えば免疫原性部分、キャリアー、免疫原、標識、トレーサー等の2またはそれより多い下部構造を連結する化学構造部分を指すよう意味される。連結基は、下部構造間に渡る、水素(または他の一価の原子)以外の原子の少なくとも1つの中断されない鎖を有しうる。通常、連結基には、置換されていてもまたは置換されていなくてもよい炭素原子またはヘテロ原子の鎖が含まれる。連結基の原子および連結基内の鎖の原子は、化学的結合によって相互連結可能である。例えば、リンカーは直鎖または分枝鎖、置換または非置換、飽和または不飽和鎖であることも可能であり、鎖の原子には炭素および/またはへテロ原子が含まれることも可能である。これには、鎖内または鎖末端の1またはそれより多いヘテロ原子も含まれうる。さらに、連結基にはまた、鎖の一部として、または鎖中の原子の1つに対する置換として、環状基および/または芳香族基も含まれてもよい。連結されている下部構造間の最短経路である、鎖の主鎖において、水素以外の原子の数を数えることによって、連結基またはリンカー中の原子の数を決定する。ハプテンをトレーサー、標識、キャリアー、免疫原性部分等とコンジュゲート化するため、連結基を用いて、利用可能な部位をハプテン上に提供することも可能である。
【0225】
[00199]本明細書において、用語「ヘテロ原子」は、酸素、窒素、イオウ、リン等の炭素原子以外の原子を指すよう意味される。通常、連結基または他の部分で使用可能な、少なくとも2つの共有結合を形成するために、ヘテロ原子は多価である。
【0226】
[00200]本明細書において、用語「生物学的試料」は、生物学的実体から得られる固体または液体試料を指すよう意味される。こうしたものとして、生物学的試料には、限定されるわけではないが、ヒトおよび他の動物などの、生物、または以前生存していたものに由来する、いかなる量の物質も含まれうる。こうした物質には、限定されるわけではないが、血液、血清、血漿、尿、涙、細胞、臓器、組織、骨、骨髄、リンパ、リンパ節、滑膜組織、軟骨細胞、滑膜マクロファージ、内皮細胞、皮膚等が含まれうる。
【0227】
[00201]本明細書において、用語「患者」は、ヒトおよび他の動物被験体を指すよう意味される。より詳細には、患者は、LEVなどの抗癲癇薬剤を必要としているヒトまたは他の動物被験体である。
【0228】
[00202]LEV誘導体には、リンカー部分にカップリングしたLEV分子が含まれることも可能であり、そして場合によって作用基が含まれる。リンカー部分および作用基は、LEVの物理化学的特性を修飾可能な、広い範囲の任意の化学化合物であってもよい。したがって、リンカー部分は、アルキル、脂肪族、直鎖脂肪族、分枝鎖脂肪族、置換脂肪族、環状脂肪族、複素環脂肪族、芳香族、複素環芳香族、多環芳香族等で構成されることも可能である。
【0229】
[00203]本明細書において、用語「脂肪族」は、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、および/または置換または非置換であることも可能であり、主鎖中に20またはそれより少ない炭素またはヘテロ原子を有する、アルキル基などのヒドロカルビル部分を指すよう意味される。さらに、脂肪族には、主鎖中に10またはそれより少ない炭素またはヘテロ原子が含まれることも可能である。脂肪族基は、直鎖、分枝鎖、環状および/または複素環である部分を含むことも可能であり、そしてエステル、ケトン、アルデヒド、カルボキシレート等の官能基を含有することも可能である。例示的な脂肪族基には、限定されるわけではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、より多数の炭素のアルキル基等、ならびに2−メチルプロピル、2−メチル−4−エチルブチル、2,4−ジエチルプロピル、3−プロピルブチル、2,8−ジブチルデシル、6,6−ジメチルオクチル、6−プロピル−6−ブチルオクチル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル等の置換および/または非置換基が含まれる。用語、脂肪族またはアルキルはまた、アルケニル基、例えばビニル、アリル、アラルキルおよびアルキニル基も含む。
【0230】
[00204]脂肪族基内の置換には、脂肪族部分において許容されうる任意の原子または基が含まれることも可能であり、これらには、限定されるわけではないが、ハロゲン、イオウ、チオール、チオエステル、アミン(一級、二級、または三級)、アミド、エーテル、エステル、アルコール、酸素等が含まれる。脂肪族基は、例えばまた、アゾ基、ケト基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ、ニトロソまたはニトリル基、イミダゾールなどの複素環、ヒドラジノまたはヒドロキシルアミノ基、イソシアネートまたはシアネート基、ならびにスルホキシド、スルホン、スルフィド、およびジスルフィドなどのイオウ含有基などの修飾も含むことも可能である。さらに、置換は、適切であるかまたは可能である場合、単結合、二重結合、または三重結合を介してもよい。
【0231】
[00205]さらに、脂肪族基はまた、炭素原子の、例えば窒素、酸素、リン、またはイオウなどのヘテロ原子による置換である、ヘテロ置換も含有してもよい。こうしたものとして、置換脂肪族で構成されるリンカーは、炭素、窒素、酸素、イオウ、リン、および/または同様のもので構成される主鎖を有しうる。複素環置換は、1またはそれより多いヘテロ原子を有するアルキル環を指す。複素環部分の例には、限定されるわけではないが、モルホリノ、イミダゾール、およびピロリジノが含まれる。
【0232】
[00206]本明細書において、用語「芳香族」は、電子が原子の円形または環状配置周囲を自由に循環し、互いに交互に単結合および二重結合する分子を指すよう意味される。より適切には、これらの結合が単結合および二重結合のハイブリッドであり、環中の各結合が他のすべてと同一であるとして、理解することも可能である。
【0233】
[00207]本明細書において、用語「アミン」は、1つ、2つ、または3つの水素原子を、例えばアルキル基などの他の基によって置換することによって、アンモニアに直接または間接的に由来しうる部分を指すよう意味される。一級アミンは、RNH
2の一般構造を有し、そして二級アミンはR
2NHの一般構造を有する。用語、アミンには、限定されるわけではないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、多環アミン、ヘテロ原子置換アリールおよびアルキルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルシクロプロピルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、メチルベンジルアミン、メチルシクロヘキシルメチルアミン、ブチルシクロヘキシルアミン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ピペラジン、およびヘテロ原子置換アルキルまたはアリール二級アミンが含まれる。
【0234】
[00208]本明細書において、用語「ポリ(アミノ酸)」または「ポリペプチド」は、アミノ酸から形成されるポリアミドである。ポリ(アミノ酸)は、一般的に、約200〜2,000分子量または約2,000を超える分子量の範囲であり、あるいは分子量上限がなく、そして通常、10,000,000未満の分子量であり、そして通常、約600,000ダルトンを超えないであろう。通常、免疫原性キャリアーまたは酵素が関与するかどうかに応じて、異なる範囲があるであろう。
【0235】
[00209]本明細書において、用語「ペプチド」は、アミド(ペプチド)結合による2またはそれより多いアミノ酸の連結によって形成される任意の化合物を指すよう意味され、通常、直鎖において、各アミノ酸残基のα−アミノ基(NH
2末端を除く)が、次の残基のα−カルボキシル基に連結されているα−アミノ酸のポリマーである。用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「ポリ(アミノ酸)」は、本明細書において、サイズに関する制約なしに、このクラスの化合物を指すよう、同義に用いられる。このクラスの最大のメンバーは、定義されるポリペプチド配列を有し、タンパク質と称される。
【0236】
[00210]さらに、本発明を記載するため、本明細書に用いる用語は、前述の定義および/または当該技術分野に周知の定義を用いて解釈可能である。こうしたものとして、前述の命名法は、本発明を説明するよう意味され、そして限定するよう意図されない。
【0237】
[00211]本発明の精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式で、本発明を具現することも可能である。記載する態様は、すべての観点で、単に例示的であり、そして限定的ではないと見なされる。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によるのではなく、付随する特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および等価の範囲内に属するすべての変化が、その範囲内に含まれるものとする。
これらに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
[1]式1または式2:
【化24】
[式中:
nは、0〜8の値を持つ整数であり;
Lは、CH
2、CO、NHCO、NHCOO、CONH、NH、O、またはS、およびその組み合わせからなる群の1つであり;
Xは、末端基、芳香族基、アリール基、あるいは1〜10の炭素原子および/またはヘテロ鎖原子を有する飽和、不飽和、置換、非置換、直鎖、または分枝鎖脂肪族基であって、ヘテロ鎖原子が、酸素、窒素、イオウ、またはリン、およびその組み合わせからなる群より選択される、前記脂肪族基であり;そして
Yは場合により、そして存在する場合、アルコールアミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、イミノエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオールアセトン、ジアゾニウム、NHS、CO−NHS、O−NHS、マレイミドからなる群より選択される官能基の1つであり;または
YはY
1−Zである、式中、Y
1は、COO、CO、O、CONH、NHCO、またはNHからなる群より選択され、そしてZは作用基である;
但し、式2の化合物は、5−アミノ−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)ペンタン酸アミド(式3):
【化25】
ではない]
のレベチラセタム(LEV)誘導体を含む化学組成物。
[2]作用基が、検出可能標識、抗原性キャリアー、カップリング剤、末端基、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、タイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素ドナー断片、酵素アクセプター断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、燐光部分、反ストークス上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、およびその組み合わせからなる群より選択される、[1]の方法。
[3]nが、0、1、2、または4の値を持つ整数であり;
Lが、NHCOO、NH、NHCO、CH
2、CO、S、またはCONHからなる群の1つであり;
Xが、H、OCH
2−Ph、NH、O、O−NHS、CH
2、H、マレイミド−Ph、CH
2−CH
2−NHからなる群の1つであり;そして
Yが場合により、そして存在する場合、Hであり;または
Yが場合により、そして存在する場合、Y
1−Zである、式中、Y
1がCOであり、そしてZが、−NHS、−BSA、または−KLHからなる群の1つである;
[1]の化学組成物。
[4]式2のn、L、X、およびYまたはY
1−Zが:
n=4、L=NHCOO、およびX=t−ブチル;
n=4、L=NH、およびX=H;
n=4、L=NHCO、およびX=OCH
2−Ph;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−NHS;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−KLH;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=4、L=CH
2、X=NH、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=2、L=CO、およびX=OCH
2−Ph;
n=2、L=CO、X=O、およびY=H;
n=2、L=CO、およびX=O−NHS;
n=0、L=CH
2、X=CH
2、およびY
1−Z=CO−KLH;
n=0、L=CH
2、X=CH
2、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=1、L=S、およびX=CH
2−Ph;
n=1、L=S、およびX=H;
n=1、L=S、X=マレイミド−Ph、およびY
1−Z=CO−BSA;または
n=1、L=S、X=マレイミド−Ph、およびY
1−Z=CO−KLH;
からなる群より選択される、[1]の化学組成物。
[5]式1のL、X、Y、およびY
1−Zが:
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY=H;
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY
1−Z=CO−KLH;または
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY
1−Z=CO−BSA;
からなる群より選択される、[1]の化学組成物。
[6]試料中のLEVの存在を検出するための免疫診断アッセイにおいて使用するためのキットであって:
式1または式2:
【化26】
[式中:
nは、0〜8の値を持つ整数であり;
Lは、CH
2、CO、NHCO、NHCOO、CONH、NH、O、またはS、およびその組み合わせからなる群の1つであり;
Xは、末端基、芳香族基、アリール基、あるいは1〜10の炭素原子および/またはヘテロ鎖原子を有する飽和、不飽和、置換、非置換、直鎖、または分枝鎖脂肪族基であって、ヘテロ鎖原子が、酸素、窒素、イオウまたはリン、およびその組み合わせからなる群より選択される、前記脂肪族基であり;そして
Yは場合により、そして存在する場合、アルコールアミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、イミノエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオールアセトン、ジアゾニウム、NHS、CO−NHS、O−NHS、マレイミドからなる群より選択される官能基の1つであり;または
YはY
1−Zである、式中、Y
1は、COO、CO、O、CONH、NHCO、またはNHからなる群より選択され、そしてZは作用基である]
の1つの化学構造を有するLEV誘導体;および
少なくとも1つの結合ドメインを有する抗LEV抗体であって、LEVおよび/またはLEV誘導体に結合可能な部分を有する、ここで、抗体およびLEV誘導体間の相互作用は、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも50%である、前記抗LEV抗体;
を含む、前記キット。
[7]作用基が、検出可能標識、抗原性キャリアー、カップリング剤、末端基、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖、核酸、ポリヌクレオチド、タイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素断片、酵素ドナー断片、酵素アクセプター断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、蛍光部分、燐光部分、反ストークス上方制御部分、化学発光部分、発光部分、色素、増感剤、粒子、微粒子、磁気粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、受容体、ハプテン放射性同位体、およびその組み合わせからなる群より選択される、[6]のキット。
[8]LEV誘導体または抗LEV抗体の一方が、粒子、磁気粒子、微粒子、微小球体、支持体、酵素ドナー、または酵素アクセプターの1つとカップリングしている、[6]のキット。
[9]LEVのストック組成物;
異なる濃度のLEVを含有する一連の組成物、濃度勾配を形成する一連の組成物;
トレーサー・コンジュゲートを有するLEV誘導体;
微粒子にカップリングしたLEV誘導体;
微粒子にカップリングした抗体;
酵素ドナーを有するLEV誘導体、および対応する酵素アクセプター;
酵素アクセプターを有するLEV誘導体、および対応する酵素ドナー;または
ろ過または沈降による分離に適した粒子上に装填された抗体;
の少なくとも1つをさらに含む、[6]のキット。
[10]式2のn、L、X、およびYまたはY
1−Zが:
n=4、L=NHCOO、およびX=t−ブチル;
n=4、L=NH、およびX=H;
n=4、L=NHCO、およびX=OCH
2−Ph;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−NHS;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−KLH;
n=4、L=NHCO、X=OCH
2−Ph、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=4、L=CH
2、X=NH、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=2、L=CO、およびX=OCH
2−Ph;
n=2、L=CO、X=O、およびY=H;
n=2、L=CO、およびX=O−NHS;
n=0、L=CH
2、X=CH
2、およびY
1−Z=CO−KLH;
n=0、L=CH
2、X=CH
2、およびY
1−Z=CO−BSA;
n=1、L=S、およびX=CH
2−Ph;
n=1、L=S、およびX=H;
n=1、L=S、X=マレイミド−Ph、およびY
1−Z=CO−BSA;または
n=1、L=S、X=マレイミド−Ph、およびY
1−Z=CO−KLH;
からなる群より選択される、[6]のキット。
[11]式1のL、X、Y、およびY
1−Zが:
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY=H;
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY
1−Z=CO−KLH;または
L=CONH、X=CH
2−CH
2−NH、およびY
1−Z=CO−BSA;
からなる群より選択される、[6]のキット。
[12]試料中のLEVの存在を検出するための免疫診断システムにおいて使用するための抗体組成物であって:
LEV誘導体を含む免疫原性組成物によって産生される抗LEV抗体であって、LEV誘導体が、式1または式2:
【化27】
[式中:
nは、0〜8の値を持つ整数であり;
Lは、CH
2、CO、NHCO、NHCOO、CONH、NH、O、またはS、およびその組み合わせからなる群の1つであり;
Xは、末端基、芳香族基、アリール基、あるいは1〜10の炭素原子および/またはヘテロ鎖原子を有する飽和、不飽和、置換、非置換、直鎖、または分枝鎖脂肪族基であって、ヘテロ鎖原子が、酸素、窒素、イオウ、またはリン、およびその組み合わせからなる群より選択される、前記脂肪族基であり;そして
YはY
1−Zである、式中、Y
1は、COO、CO、O、CONH、NHCO、またはNHからなる群より選択され、そしてZは免疫原性部分である]
の化学構造を有し;そして
該抗LEV抗体が、LEVと結合可能な、および/またはLEV誘導体と結合可能な少なくとも1つの結合ドメインを有し、そして抗体およびLEV誘導体間の相互作用が、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも50%である;
前記抗LEV抗体を含む、前記抗体組成物。
[13]免疫原性部分が、タンパク質、ポリペプチド、糖タンパク質、多糖、粒子、微粒子、核酸、ポリヌクレオチド、およびその組み合わせからなる群より選択される、[12]の抗体組成物。
[14]免疫原性部分が、ウシ血清アルブミン(BSA)、キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)、卵オボアルブミン、ウシ・ガンマ−グロブリン(BGG)、およびその組み合わせからなる群より選択されるタンパク質である、[13]の抗体組成物。
[15]抗体がモノクローナル抗体である、[12]の抗体組成物。
[16]抗体がポリクローナル抗体である、[12]の抗体組成物。
[17]LEVに比較したLEV誘導体に対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つが、均一または不均一免疫診断アッセイで使用するのに十分である、[12]の抗体組成物。
[18]抗体およびLEV誘導体間の相互作用が、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも70%である、[17]の抗体組成物。
[19]抗体およびLEV誘導体間の相互作用が、LEVに対する抗体のアフィニティ、特異性、またはアビディティの少なくとも1つの少なくとも90%である、[17]の抗体組成物。
[20]抗体が:
式1または式2の化学構造を有するLEV誘導体を含む免疫原性組成物の少なくとも第一の用量を投与し;
抗体を産生する被験体から抗体を収集し;そして
抗体を産生する被験体から収集した抗体を精製し、および/またはスクリーニングする;
工程を含む方法によって産生される、[12]の抗体組成物。