【文献】
Materials Research Society Symposium Proceedings ,2003年,771,p.357-362
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子供与体材料が、立体規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、立体規則性ポリ(3−オシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3OT)、立体規則性ポリ(クォーターチオフェン)(PQT)、a−ポリ(フェニレンエチニレン)−ポリ(フェニレンビニレン)(A−PPE−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MDMO−PPV)、ポリ(9,9−ジヘキシル−フルオレン−2,7−ジイル−アルト−ビチオフェン−2,5'−ジイル)、ポリ(N−アルキル−カルバゾ−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5"−ジイル)、ポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b']ジチオフェン)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)、ポリ(9,9−ジオクチル−シラフルオレン−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5"−ジイル)、またはポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b']ジチオフェンシロール)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]を含む、請求項3に記載の薄膜。
供与体材料が、立体規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、立体規則性ポリ(3−オシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3OT)、立体規則性ポリ(クォーターチオフェン)(PQT)、a−ポリ(フェニレンエチニレン)−ポリ(フェニレンビニレン)(A−PPE−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(2'−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MDMO−PPV)、ポリ(9,9−ジヘキシル−フルオレン−2,7−ジイル−アルト−ビチオフェン−2,5'−ジイル)、ポリ(N−アルキル−カルバゾ−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5"−ジイル)、ポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b']ジチオフェン)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)、ポリ(9,9−ジオクチル−シラフルオレン−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5"−ジイル)、またはポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b']ジチオフェンシロール)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]を含む、請求項8に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここでは、受容体型材料として使用可能なn型共役化合物、およびそのような化合物を組み入れた有機デバイスを示す。化合物は容易に合成することができ、そして溶液加工性であり得る。したがって、これらの化合物を組み入れた有機デバイスは、数例を挙げれば、インクジェット印刷、ディップおよび/またはスピンコーティング、ならびにスクリーンコーティングなどの溶液ベースの技術を用いて容易に製造することができる。
【0038】
本明細書に記載の化合物は、化合物の主鎖に沿って共役し、交互になった、芳香族またはヘテロ芳香族受容体基(A基、電子吸引基または電子受容体基とも呼ばれる)のブロック(このブロックは受容体ブロックと呼ばれる)と供与体基(D基、電子供与基とも呼ばれる)のブロック(このブロックは供与体ブロックと呼ばれる)を含む。各供与体基は、エテニレン基、エチニレン基、電子供与性芳香族基または電子供与性ヘテロ芳香族基である。記載された化合物は、各末端が受容体ブロックであり、したがって、供与体ブロックより多くの受容体ブロックを有する化合物となり、全体的な受容体特性、またはn型特性を有する化合物が提供される。
【0039】
芳香族基は4n+2個のπ電子を有する環状基であり、ここで、nは0以上の整数である。本明細書中で用いられる場合、「芳香族」は「アリール」と交換可能に用いられ、芳香族基の結合価に関係なく、芳香族基を指す。したがって、アリールは、一価芳香族基、二価芳香族基およびそれ以上の多価芳香族基を指す。任意の芳香族基は場合によって置換されていてもよい。
【0040】
ヘテロ芳香族基は、主鎖中に、N、O、S、Se、SiまたはPなど1以上のヘテロ原子を含む芳香族基である。本明細書中で用いられる場合、「ヘテロ芳香族」は「ヘテロアリール」と交換可能に用いられ、ヘテロアリール基は、1以上のヘテロ原子を含む一価芳香族基、二価芳香族基およびそれ以上の多価芳香族基を指す。任意のヘテロ芳香族基は、場合によって置換されていてもよい。
【0041】
非置換末端芳香族もしくはヘテロ芳香族基(エンドキャップ基ともいう;すなわち、複数の芳香族および/またはヘテロ芳香族基の結合から形成される分子の末端で)は一価であること、そして非置換内部芳香族もしくはヘテロ芳香族基(すなわち、鎖内であり、複数の芳香族および/またはヘテロ芳香族基の結合から形成される分子の末端でない)は少なくとも二価であることは言うまでもない。
【0042】
本明細書中で用いられるように、特定の芳香族もしくはヘテロ芳香族基の電子吸引特性(すなわち、受容性)または電子供与特性のいずれかを記載する場合、そのような用語は、非置換フェニル基(関連する基が末端基であるかもしくは主鎖内にあるかによって一価または二価のいずれかである)の参照基に関連して用いられる。ベンゼンは弱い電子供与性であり、したがって本明細書に記載の電子供与性芳香族もしくはヘテロ芳香族基は、フェニル基と比較すると等価またはそれ以上の電子供与性を有する。対照的に、本明細書に記載の電子吸引(電子受容)芳香族もしくはヘテロ芳香族基は、フェニル基と比較すると、より低い電子供与性を有する。したがって、所定の芳香族もしくはヘテロ芳香族基がフェニル基に共役している場合、フェニル基のパイ電子雲が所定の芳香族もしくはヘテロ芳香族基の方向へ移動するならば、その基は電子吸引性であると見なされ;それ以外の場合、基は電子供与性であると見なされる。求電子置換反応、または電子密度の理論計算をはじめとする従来の方法および技術を用いて、フェニル基のπ電子雲が所定の芳香族もしくはヘテロ芳香族基に向かって移動するかどうかを判定することができる。
【0043】
エテニレン基は、2個の炭素が二重結合により結合している二価−CH=CH−基である。任意のエテニレン基は、水素の一方または両方が場合によって置換されていてもよい。
【0044】
エチニレン基は、2個の炭素が三重結合により結合している二価−C≡C−基である。
【0045】
「共役した」という用語は、本明細書中で分子の主鎖に関して用いられる場合、分子の主鎖中に2以上の二重および/または三重結合を有する分子を指し、各二重もしくは三重結合は、次の連続した二重もしくは三重結合から一重結合により隔てられ、したがってπ軌道は、二重もしくは三重結合全体だけではなく、隣接する二重および/または三重結合間に位置する隣接する一重結合全体にも重なる。本発明の化合物は、一重結合により互いに結合した芳香族基、ヘテロ芳香族基、エテニレン基および/またはエチニレン基から構成される。したがって、主鎖に沿った二重または三重結合は、芳香族基、ヘテロ芳香族基、エテニレン基および/またはエチニレン基による寄与を受け、一方、主鎖に沿った一部の一重結合は、芳香族もしくはヘテロ芳香族基による寄与を受け、一部の一重結合は芳香族、ヘテロ芳香族基、エテニレン基またはエチニレン基を次々連結する。
【0046】
十分な受容体特性を提供するために、化合物は、少なくとも5個の交互の受容体(A)および供与体(D)ブロックを主鎖に沿って有し、始まりと終わりはAブロックである。
【0047】
本明細書中で提供される可能な要素または特徴の任意のリストについて、所定のリスト中に含まれる任意の下位概念も意図される点に留意すべきである。
【0050】
(式中、rは2以上の値を有する)をである。
【0051】
式I中の各Aは、5〜50個の主鎖原子を有する、独立して選択された共役電子性吸引性芳香族もしくはヘテロ芳香族基である。ただし、Aはフルオレノイルではない。各Aは、場合によって1以上の置換基で置換されていてもよい。ただし、前述の様に、置換される場合、各Aの電子特性は電子受容性であるとする。したがって、置換基は電子吸引性置換基ならびに電子供与性置換基を含む。
【0052】
ある実施形態では、各Aは、独立して以下の基のいずれか1つであり、そのいずれも必要に応じてさらに置換されていてもよい:
【0055】
種々のA基の前記リストを記載したが、ある実施形態では、各Aは前記リストの任意のサブセットから独立して選択可能であることが意図される。
【0056】
ある実施形態では、任意のAはA1であり得る。ある実施形態では、任意のAはA2であり得る。ある実施形態では、任意のAはA3であり得る。ある実施形態では、任意のAはA4であり得る。ある実施形態では、任意のAはA5であり得る。ある実施形態では、任意のAはA6であり得る。ある実施形態では、任意のAはA7であり得る。ある実施形態では、任意のAはA8であり得る。ある実施形態では、任意のAはA9であり得る。ある実施形態では、任意のAはA10であり得る。ある実施形態では、任意のAはA11であり得る。ある実施形態では、任意のAはA12であり得る。ある実施形態では、任意のAはA13であり得る。ある実施形態では、任意のAはA14であり得る。ある実施形態では、任意のAはA15である。ある実施形態では、任意のAはA16であり得る。ある実施形態では、任意のAはA17であり得る。ある実施形態では、任意のAはA18であり得る。ある実施形態では、任意のAはA19であり得る。ある実施形態では、任意のAはA20であり得る。ある実施形態では、任意のAはA21であり得る。ある実施形態では、任意のAはA22であり得る。ある実施形態では、任意のAはA23であり得る。ある実施形態では、任意のAはA24であり得る。ある実施形態では、任意のAはA25であり得る。ある実施形態では、任意のAはA26であり得る。ある実施形態では、任意のAはA27であり得る。ある実施形態では、任意のAはA28であり得る。ある実施形態では、任意のAはA29であり得る。ある実施形態では、任意のAはA30であり得る。ある実施形態では、任意のAはA31であり得る。
【0057】
前記A基において、Aが末端基に対して化合物の内側にある場合、sは1〜4の任意の整数であり、そしてAがエンドキャップ(末端)A基である場合は、1〜5の任意の整数である。前記A基において、NがRで置換されている場合、各R置換基は、例えば独立して、H、主鎖中に20個までの主鎖原子を有する直鎖もしくは分枝C
1〜
20アルキル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルケニル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルキニル、直鎖もしくは分枝ヘテロアルキルをはじめとするアルキル、アルケニルまたはアルキニル(ただし、ヘテロ原子は、Nに結合しないものとする)、アルカリール、アルクヘテロアリール、ヘテロアルカリール、ヘテロアルクヘテロアリール、アラルキル、アルへテロアルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアルへテロアルキルであり得る。
【0058】
前記A基を二価として表したが、特定のA基がエンドキャップ(または末端)基である場合、この基は置換されていなければ一価である。同様に、前記A基を特定の位置で主鎖結合部を有するとして表しているが、可能であれば、この主鎖結合部は他の利用可能な位置でも存在し得る。ただし、各基の芳香族性が維持され、鎖に沿った各芳香族もしくはヘテロ芳香族基間の共役が維持されるものとする。
【0059】
また、前記A基のいずれかは、置換される場合は、特定のA基がその全体的な電子吸引特性を維持可能であるような1以上の置換基により任意の好適な位置で置換されていてもよいことは言うまでもない。種々の実施形態では、そのような置換基は電子供与性置換基または電子吸引性置換基を含み得る。
【0060】
種々の実施形態では、そのような置換基としては、H、主鎖中に20個までの主鎖原子を有する直鎖もしくは分枝C1〜C20アルキル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルケニル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルキニル、直鎖もしくは分枝ヘテロアルキルをはじめとするアルキル、アルケニルまたはアルキニル(ただし、ヘテロ原子は、Nに結合しないものとする)、アルカリール、アルクヘテロアリール、ヘテロアルカリール、ヘテロアルクヘテロアリール、アラルキル、アルへテロアルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアルへテロアルキルが挙げられる。
【0061】
ある実施形態で示されるように、各A基は、1以上の電子吸引性置換基または電子供与性置換基により、そのような置換について任意の特定のA基上で利用可能な任意の位置で置換され得る。ただし、置換される場合、各Aの電子特性は電子受容性であるとする。
【0062】
「電子吸引性置換基」は、置換されている芳香族もしくはヘテロ芳香族基の主鎖から電子を置換基の方向に引き抜いて、置換基または置換基付近に電子が豊富な領域を形成する傾向を有する置換基である。電子吸引性置換基としては、ハロ、フルオロアルキル(パーフルオロアルキルを含む)、カルボキシル、シアノ、アンモニオ、ニトロ、チオニル、スルホニル、酸素を介して主鎖に結合したアミド、ピリジニウム、ホスホニウム、ピリジル、チアゾリル、オキサジアゾリルおよびトリアゾリル基が挙げられる。
【0063】
したがって、種々の実施形態では、該当する場合、各A基は、1以上のハロ基、1以上のフルオロアルキル基、1以上のパーフルオロアルキル基、1以上のカルボキシル基、1以上のシアノ基、1以上のアンモニオ基、1以上のニトロ基、1以上のチオニル基、1以上のスルホニル基、酸素を介して主鎖に結合した1以上のアミド基、1以上のピリジニウム基、1以上のホスホニウム基、1以上のピリジル基、1以上のチアゾリル基、1以上のオキサジアゾリル基もしくは1以上のトリアゾリル基、またはそれらの任意の組み合わせで独立して置換されていてもよい。
【0064】
「電子供与性置換基」は、電子リッチであり、したがって、置換されている芳香族もしくはヘテロ芳香族基の主鎖に向かって、式Iで記載したようにAおよびD基の主鎖によって形成された共役系中に電子を押しやる傾向を有する置換基である。電子供与性置換基としては、アルコキシル、アルキルチオ、アミノ、ヒドロキシル、窒素を介して主鎖と結合したアミド、酸素を介して主鎖と結合したカルボキシル、フェニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピロリル、カルバゾリル、アルキル、アルケニルおよびアルキニルが挙げられる。
【0065】
したがって、種々の実施形態では、該当する場合、各A基は、1以上のアルコキシル基、1以上のアルキルチオ基、1以上のアミノ基、1以上のヒドロキシル基、窒素を介して主鎖に結合した1以上のアミド基、酸素を介して主鎖に結合した1以上のカルボキシル基、1以上のフェニル基、1以上のナフチル基、1以上のチエニル基、1以上のフリル基、1以上のピロリル基、1以上のカルバゾリル基、1以上のアルキル基、1以上のアルケニル基もしくは1以上のアルキニル基、またはそれらの任意の組み合わせで独立して置換されていてもよい。
【0066】
式I中の各Dは、独立して選択されるエテニレン基、エチニレン基または5〜50個の主鎖原子を有する共役電子供与性芳香族もしくはヘテロ芳香族基である。各Dは、前記の様に、場合によって1以上の電子供与性置換基または電子吸引性置換基で置換されていてもよい。ただし、置換される場合でも、各Dの電子特性は電子供与性であるとする。
【0067】
エテニレン基(一般的に、ビニレン基とも呼ばれる)が自然には電子供与特性を有することはいうまでもない。しかし、強力な電子吸引基に隣接する場合、エテニレン基は電子受容体特性を示し得る。この現象は、例えば、Zhang et al., Progress in Polymer Science 31 (2006) pp. 893−948およびMeier et al., Tetrahedron Letters 44 (2003) pp. 1915−1918に記載されている。したがって、エテニレン基は、さらに大きな分子またはポリマーの主鎖中に含まれる場合、他のどの基がエテニレン基に隣接するかによって、電子供与体または電子受容体いずれかとして作用することができる。式Iにしたがってここで記載する分子において、任意のエテニレン基は、供与体基として機能し、したがって電子供与特性を有するように選択される。したがって、所定のD基がエテニレンとして選択され、A基に隣接する(すなわち、AブロックとDブロックとの接点にある)場合、隣接するA基は、エテニレン基の電子特性に影響を及ぼして、これを電子受容体基とするほど強力ではあり得ない。例えば、ヘテロ芳香族4,5−ジシアノイミダゾリル基は強力な電子受容体基である。2−ビニル−4,5−ジシアノイミダゾリル(ビナゼン)におけるのと同様に、エテニレン基に直接共役している場合、両基は一緒になって受容体基として作用し、Aブロックを形成する。したがって、本発明の分子では、主鎖中の任意のエテニレン基は、4,5−ジシアノイミダゾリル基に隣接し得ない。
【0068】
ある実施形態では、各Dは独立してエテニレン、エチニレンまたは以下の基のうちの1つである(そのいずれも、必要に応じて、さらに置換されていてもよい):
【0070】
種々のD基について前記リストを提供したが、いくつかの実施形態では、各Dは前記リストの任意のサブセットから独立して選択可能なことが意図される。
【0071】
ある実施形態では、任意のDはD1であり得る。ある実施形態では、任意のDはD2であり得る。ある実施形態では、任意のDはD3であり得る。ある実施形態では、任意のDはD4であり得る。ある実施形態では、任意のDはD5であり得る。ある実施形態では、任意のDはD6であり得る。ある実施形態では、任意のDはD7であり得る。ある実施形態では、任意のDはD8であり得る。ある実施形態では、任意のDはD9であり得る。ある実施形態では、任意のDはD10であり得る。ある実施形態では、任意のDはD11であり得る。ある実施形態では、任意のDはD12であり得る。ある実施形態では、任意のDはD13であり得る。ある実施形態では、任意のDはD14であり得る。ある実施形態では、任意のDはD15であり得る。ある実施形態では、任意のDはD16であり得る。ある実施形態では、任意のDはD17であり得る。ある実施形態では、任意のDはD18であり得る。ある実施形態では、任意のDはD19であり得る。ある実施形態では、任意のDはD20であり得る。ある実施形態では、任意のDはD21であり得る。
【0072】
前記D基では、NまたはSiがRで置換されている場合、各R置換基は、例えば独立して、H、アルキル、アルケニルまたはアルキニル(主鎖中に20個までの主鎖原子を有する直鎖もしくは分枝C
1〜
20アルキル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルケニル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルキニル、直鎖もしくは分枝ヘテロアルキルを含む。ただし、ヘテロ原子はNもしくはSiと結合しないものとする)、アルカリール、アルクヘテロアリール、ヘテロアルカリール、ヘテロアルクヘテロアリール、アラルキル、アルへテロアルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアルへテロアルキルであり得る。
【0073】
前記D基を特定の位置で主鎖結合部を有するとして表しているが、可能であれば、主鎖結合部は他の利用可能な位置で存在し得る。ただし、各基の芳香族性が維持され、そして主鎖に沿った各芳香族もしくはヘテロ芳香族基間の共役が維持されるものとする。
【0074】
また、前記D基は、任意の好適な位置で、特定のD基が置換される場合にその全体的な電子供与特性の維持を可能にする1以上の置換基により置換されていてもよいことは理解されうる。種々の実施形態では、そのような置換基は、電子供与性置換基または電子吸引性置換基を含み得る。
【0075】
種々の実施形態では、そのような置換基としては、H、主鎖中に20個までの主鎖原子を有する直鎖もしくは分枝C
1〜
20アルキル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルケニル、直鎖もしくは分枝C
2〜
20アルキニル、直鎖もしくは分枝ヘテロアルキルをはじめとするアルキル、アルケニルまたはアルキニル(ただし、ヘテロ原子はNに結合しないものとする)、アルカリール、アルクヘテロアリール、ヘテロアルカリール、ヘテロアルクヘテロアリール、アラルキル、アルへテロアルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロアルへテロアルキルが挙げられる。
【0076】
ある実施形態で示されるように、各D基は、1以上の電子供与性置換基または電子吸引性置換基により任意の特定のD基上のそのような置換に利用可能な任意の位置で置換されていてもよい。
【0077】
したがって、種々の実施形態において、該当する場合、各D基は、1以上のアルコキシル基、1以上のアルキルチオ基、1以上のアミノ基、1以上のヒドロキシル基、窒素を介して主鎖に結合した1以上のアミド基、酸素を介して主鎖に結合した1以上のカルボキシル基、1以上のフェニル基、1以上のナフチル基、1以上のチエニル基、1以上のフリル基、1以上のピロリル基、1以上のカルバゾリル基、1以上のアルキル基、1以上のアルケニル基もしくは1以上のアルキニル基、またはそれらの任意の組み合わせで独立して置換されていてもよい。
【0078】
種々の実施形態では、該当する場合、各D基は前述の様に1以上のハロ基、1以上のフルオロアルキル基、1以上のパーフルオロアルキル基、1以上のカルボキシル基、1以上のシアノ基、1以上のアンモニオ基、1以上のニトロ基、1以上のチオニル基、1以上のスルホニル基、酸素を介して主鎖に結合した1以上のアミド基、1以上のピリジニウム基、1以上のホスホニウム基、1以上のピリジル基、1以上のチアゾリル基、1以上のオキサジアゾリル基もしくは1以上のトリアゾリル基、またはそれらの任意の組み合わせで独立して置換されていてもよい。ただし、置換される場合でも、各Dの電子特性は電子供与性であるとする。
【0079】
式I中の各nは、独立して1〜20の整数である。式I中の各pは、独立して1〜10の整数である。各A基および各D基について選択された特定の基に応じて、所定のAブロックについてのnの値および所定のDブロックについてのpの値が変わり得ることは言うまでもない。各Aブロック中のA基の数および各Dブロック中のD基の数は、化合物が全体的な受容体特性(n型特性)を有するように選択されるべきである。ある実施形態では、全DブロックからのD基の総数は、全AブロックからのA基の総数よりも少ない。いくつかの実施形態では、各nは、各p以上となるように選択される。
【0080】
式I中のrは、2以上の値を有する整数であるか、またはいくつかの実施形態では2〜20である。
【0081】
特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下に示すようなN−1、N−2、N−3、N−4、N−5、N−6、N−7、N−8、N−9、N−10またはN−11である。
【0084】
一実施形態では、式Iの化合物はN−1である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−2である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−3である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−4である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−5である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−6である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−7である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−8である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−9である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−10である。別の実施形態では、式Iの化合物はN−11である。
【0085】
式Iの化合物は、市販の試薬を用い、Suzukiカップリング反応、Stilleカップリング反応、Heckカップリング反応、Wittig−Horner反応、Knoevenagel縮合反応またはSonogashira反応によるなど、通例の化学技術を用いて、合成することができる。
【0086】
化合物N−1〜N−11を合成するための特定の反応スキームを下記実施例、スキーム1〜4で記載するが、この反応スキームは、式Iのうちの他の化合物の合成に適応させることができる。
【0087】
式Iの化合物は、高い溶解度を示す可能性があり、カラムクロマトグラフィーおよび/または再結晶法をはじめとする標準的技術を用いて容易に精製することができる。したがって、式Iの化合物は高純度に合成することができる。
【0088】
共役受容体ブロックおよび供与体ブロックの交互系で、式Iの化合物のいずれかの末端が受容体ブロックであるものは、可視領域で、例えば410〜610nmの範囲で強力な吸収を示し得るn型化合物を提供する。したがって、式Iの化合物は、有機光起電池をはじめとする有機電子デバイスにおいて電子受容体材料としてそれらを好適できる光物理的特性を有し得る。
【0089】
式Iの化合物のHOMO(最高被占分子軌道)およびLUMO(最低空分子軌道)のエネルギーレベルは、特定の化合物中に含まれる特異的電子供与性D基および電子吸引A基を、各受容体ブロックおよび供与体ブロックの数および長さとともに選択し調節することができる。したがって、式Iの化合物のバンドギャップ(HOMOおよびLUMOのエネルギーレベルの差)および吸収範囲は、式Iの化合物が受容体材料として使用される電子デバイスにおいて用いられる供与体材料の特定のエネルギーレベルなどの検討事項に基づいて、化合物において使用されるAおよびD基を変えることにより、変わり得る。
【0090】
合成および精製も容易であるから、化合物の同調性によって、式Iの化合物を受容体n型材料として一般的用途において有用とすることができる。例えば、式Iの化合物は、有機光起電装置(OPV)電池において集光性および電子伝達材料として、またはOLEDにおいて放射性および/または電子伝達材料として用いることができる。
【0091】
式Iの化合物は、溶液加工に好適であり、したがって、そのような化合物を含む薄膜の製造、有機電子デバイス中への包含を可能にする。したがって、式Iの化合物を含む薄膜が本発明で提供される。
【0092】
薄膜は、前述の式Iの化合物を含む層であり、これは、厚さ約0.1〜約1000nm、厚さ約1〜約500nm、厚さ約5〜約250nm、または厚さ約5〜約100nm程度になるように形成することができる。
【0093】
太陽電池において用いられる場合、薄膜は太陽電池の光活性層を構成することができ、したがって、好適なp型電子供与体材料をさらに含み得る。
【0094】
例えば、供与体材料は、立体規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、立体規則性ポリ(3−オシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3OT)、立体規則性ポリ(クォーターチオフェン)(PQT)、a−ポリ(フェニレンエチニレン)−ポリ(フェニレンビニレン)(A−PPE−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、およびポリ[2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MDMO−PPV)、ポリ(9,9−ジヘキシル−フルオレン−2,7−ジイル−アルト−ビチオフェン−2,5’−ジイル)、ポリ(N−アルキル−カルバゾ−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5”−ジイル)、ポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)、ポリ(9,9−ジオクチル−シラフルオレン−2,7−ジイル−アルト−4,7−ジチエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾ−2,5”−ジイル)、ポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェンシロール)−アルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)]のうちの1以上を含み得る。特定の実施形態では、供与体材料はP3HTを含む。一実施形態では、供与体材料はP3HTである。
【0095】
薄膜は、好適な基体上に形成することができ、これは、酸化インジウムスズ(ITO)コーティングされたガラスもしくはプラスチック、酸化フッ素スズ(FTO)コーティングされたガラスもしくはプラスチック、石英、ガラス、雲母、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリカーボネートなどのプラスチック基体、紙、金属、またはシリコンをはじめとする任意の固体基体であり得る。薄膜は、多層デバイスを形成する場合は別の層上に、または電極上に積層することもできる。
【0096】
薄膜を形成するために、式(I)の化合物および任意のさらなるフィルム成分を好適な有機溶媒中に溶解させることができる。好適な溶媒としては、クロロホルム、トルエン、キシレン、安息香酸エチル、安息香酸メチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、THF、ジオキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メシチレンおよび上記溶媒の混合物が挙げられる。
【0097】
薄膜は、好適な表面上に、標準的な堆積またはコーティング法、たとえば溶液コーティングを用いて形成することができる。溶液コーティングとしては、スピンコーティング、キャスティング、マイクログラビアコーティング、グラビアコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、ワイヤバーコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷およびインクジェット印刷が挙げられる。
【0098】
式(I)の化合物およびそのような化合物を含む薄膜を用いて、太陽電池を構築することができる。式(I)の化合物およびそのような化合物を含む薄膜は、有機光起電池中の光活性層中に電子受容体を形成することができる。そのようなデバイスおよび層は、当該技術分野で公知である。
【0099】
したがって、ここでは、式(I)の化合物を含むデバイスまたは式(I)の化合物を含む薄膜が提供される。
【0100】
一実施形態では、
図4に関して、デバイス200は、式(I)の化合物を電子受容体として含む光活性層210を含む。光活性層210は、前述のように、電子供与体をさらに含む。
【0101】
活性層210は、カソード220とアノード230の間に配置される。ある実施形態では、光活性層210は、厚さ約5nm〜約100nmである。
【0102】
アノード230は、ホールを伝導可能な、およびそれらを有機層中に注入可能な任意の材料である。アノード230は、金、銀、酸化フッ素スズ(FTO)もしくは酸化インジウムスズ(ITO)、または伝導性ポリマー層であり得る。アノード230は、反射性、透明、準透明または半透明であり得る。ある実施形態では、アノードは、ITOなどの透明材料である。
【0103】
カソード220は、電極を伝導可能な、およびそれらを有機層中に注入可能な任意の材料である。カソード220は、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウム、インジウム、アルミニウム、イッテルビウム、銀、カルシウム:銀合金、アルミニウム:リチウム合金、またはマグネシウム:銀合金、たとえば、マグネシウムの銀に対する原子比が約10:1である合金(US6,791,129)またはリチウムのアルミニウムに対する原子比が約0.1:100〜約0.3:100である合金をはじめとする低仕事関数金属または金属合金であり得る(Kim et al. (2002) Curr. Appl. Phys. 2(4):335−338; Cha et al (2004) Synth. Met. 143(1):97; Kim et al (2004; Synth. Met.145(2−3):229)。カソード230は、単層であり得、または化合物構造を有し得る。カソード230は、フッ化リチウム、アルミニウムおよび銀の層を含み得る。カソード230は、反射性、透明、準透明または半透明であり得る。
【0104】
ある実施形態では、アノードおよびカソードの1以上は、支持体240上に蒸着することができ、この支持体は、透明、準透明または半透明であり得る。支持体240は、硬質(たとえば石英もしくはガラス)であってもよいし、または柔軟性ポリマー基体であってもよい。柔軟性透明、準透明または半透明基体としては、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、たとえばポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリルおよびポリアクリオニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、およびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0105】
デバイスは、場合によって、光活性層210およびアノード220(250a)、カソード230(250b)または両者の間のスムージング層250などのさらなる層を含み得る。スムージング層250は、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)層またはCaであり得る。スムージング層は約20nm〜約50nmであり得る。
【0106】
特定の実施形態では、デバイス200は、以下の層を含む:
ガラス/ITO/PEDOT:PSS/活性層/Ca/Ag(ここで、光活性層は、クロロホルム中、1:1〜1:4重量比のP3HT:式Iの化合物の範囲のある割合のP3HT:式Iの化合物から形成される)。特定の実施形態では、P3HT:式Iの化合物の重量比は1:2または1:3である。
【0107】
ある実施形態では、光活性層は、1:2重量比のP3HT:N−1を含む。ある別の実施形態では、光活性層は、1:2重量比のP3HT:N−2を含む。また、別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−3を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−4を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−5を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−6を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−7を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−8を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−9を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−10を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−11を含む。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−1から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−2から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−3から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−4から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−5から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−6から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−7から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−8から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−9から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−10から構成される。ある別の実施形態では、光活性層は1:2重量比のP3HT:N−11から構成される。
【0108】
前記デバイスは、関連する層を互いの上に積層することによって製造することができる。層は、前述の溶液コーティング技術をはじめとする当該技術分野で公知の方法によって製造することができる。溶液コーティングステップは、例えば窒素ガス下などの不活性雰囲気中で実施することができる。別法として、層は、熱蒸発によって、または真空蒸着によって製造することができる。金属層は、例えば、熱もしくは電子線蒸発、化学蒸着またはスパッタリングなどの既知技術により製造することができる。
【0109】
太陽電池を、電子供与体材料および電子受容体材料を含む薄膜に関して前述した。しかし、本発明の化合物は、n型電子受容体材料がp型電子供与体材料とは別の層中にあるデバイスを形成するために使用可能であることはいうまでもない。
【0110】
たとえば、公開された特許出願第US20070090371号に記載されるように、本明細書に記載の太陽電池デバイスは、2以上の太陽電池が1つのデバイス中で積み重ねられた積層太陽電池で用いることができる。
【0111】
以下の実施例は、例示のみを目的とし、本発明の範囲を限定することを決して意図しない。
[実施例]
装置
1Hおよび
13C NMRデータを、CDCl
3を基準とした化学シフトを用いてBruker DPX 400MHz分光計で実施した。マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量スペクトルを、必要があれば、マトリックスとしてジトラノールおよびイオン化塩としてトリフルオロ酢酸銀を用いてBruker Autoflex TOF/TOF装置で得た。示差走査熱量測定(DSC)を窒素下、DSC Q100装置で実施した(10℃/分のスキャニング速度)。熱重量分析(TGA)を、TGA Q500装置を用いて実施した(10℃/分の加熱速度)。サイクリックボルタンメトリー実験を、Echochimie製Autolabポテンシオスタット(PGSTAT30型)を用いて実施した。すべてのCV測定を支持電解質として0.1Mのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートを含むジクロロメタン中で記録した(100mV/sのスキャニング速度)。実験は、白金線作用電極、金対電極、および3MのKCl中Ag/AgCl基準電極からなる通常の3電極配置で室温にて実施した。測定された電位をSCE(飽和カロメル電極)に変換し、対応するイオン化電位(IP)および電子親和性(EA)値は、真空に対するSCEエネルギーレベルとして−4.4eVに基づき、開始レドックス電位から誘導した(EA=E
red-onset+4.4eV、IP=E
ox-onset+4.4eV)。UV−VisスペクトルをShimadzuモデル2501−PC UV−VIS分光計で記録し、フォトルミネッセンス(PL)スペクトルをPerkin−Elmer(LS50B)分光蛍光光度計で測定した。
[実施例1] スキーム1にしたがったN−1、N−2、N−3の合成
【0114】
4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.44g、1.5ミリモル)および7−トリメチルシリル−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2−ボロネート(1.80g、3.4ミリモル)をトルエン(15mL)中に溶解させ、2MのK
2CO
3の水溶液(4.5mL)を添加した。混合物を窒素で30分間パージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.070g、0.06ミリモル)を添加した。反応混合物を90℃で24時間加熱した。冷却された混合物を塩水に注ぎ、ジエチルエーテルで数回抽出した。合した抽出物をMgSO
4上で乾燥し、濾過した。濾液を真空下で乾燥し、残留物を、1%ヘキサン中酢酸エチルを用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。生成物を次いでエタノール/ヘキサンから再結晶して、明黄色結晶を得た(1.26g、89%収率)。
【0115】
1H NMR(CDCl
3):( 8.02(d,1H,J=7.6Hz),7.97(s,1H),7.89(overlapping s,1H),7.88(overlapping d,1H,J=8.4Hz),7.76(d,1H,J=7.2Hz),7.53(overlapping d,1H,J=8.0Hz),7.52(overlapping s,1H),2.04(m,4H),1.13(m,12H),0.82(overlapping m,4H)0.78(overlapping t,6H,J=7.2Hz),0.34(s,9H).
13C NMR(CDCl
3):(154.58,151.51,150.69,141.47,139.53,136.50,133.82,132.06,128.28,128.06,127.86,124.21,119.99,119.39,55.34,40.26,31.56,29.81,24.00,22.66,14.15,−0.70.Anal.Calcd for C
62H
84N
2Si
2S
3:C,78.75;H,8.95;N,2.96;S,3.39.Found:C,78.28;H,9.01;N,2.97;S,3.58.MS(MALDI−TOF)m/z 944.55(M);calcd.forC
62H
84N
2Si
2S
3=944.59.
2の合成。1(0.94g、1.0ミリモル)および無水酢酸ナトリウム(0.16g、2.0ミリモル)を含むTHF溶液(20mL)を0℃まで冷却した。臭素(0.64g、4.0ミリモル)を添加し、混合物を45分間暗所で撹拌した。トリエチルアミン(1.12mL、8.0ミリモル)を添加し、続いて過剰の水性Na
2SO
4を添加することにより、反応をクエンチした。生成物をジエチルエーテルで抽出し、抽出物を水性Na
2SO
4で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。濾過後、濾液を吸引乾燥し、残留物を熱ヘキサンから再結晶して、生成物を黄色固体として得た(0.91g、94%収率)。
【0116】
1H NMR(CDCl
3):( 8.01(d,1H,J=7.6Hz),7.95(s,1H),7.88(s,1H),7.83(d,1H,J=8.0Hz),7.63(d,1H,J=8.0Hz),7.51(overlapping s,1H),7.50(overlapping d,1H,J=9.6Hz),2.08−1.94(m,4H),1.10(m,12H),0.78(overlapping m and t(J=7.2Hz),10H).
13C NMR(CDCl
3):(154.50,153.75,150.94,140.44,139.87,136.80,133.74,130.26,128.51,128.07,126.48,124.18,121.46,119.99,55.77,40.38,31.64,29.84,24.00,22.73,14.15.Anal.Calcd for C
56H
66N
2Br
2S:C,70.13;H,6.94;N,2.92;S,3.34.Found:C,69.93;H,6.94;N,3.06;S,3.51.MS(MALDI−TOF)m/z 958.20(M);calcd.for C
56H
66N
2Br
2S=958.33.
N−1の合成。反応系:2(0.29g、0.30ミリモル)、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(0.17g、0.90ミリモル)、Pd(PPh
3)
4(0.014g、0.012ミリモル)。生成物をヘキサンから再結晶し、明黄色固体を得た(0.29g、88%収率)。
【0117】
1H NMR(CDCl
3):( 8.06(d,1H,J=8.0Hz),8.00(s,1H),7.92(t,2H,J=3.6Hz),7.87(d,1H,J=8.0Hz),7.79(d,2H.J=8.0Hz),7.74(d,2H,J=8.4Hz),7.63(d,1H,J=8.0Hz),7.61(s,1H),2.09(m,4H),1.11(m,12H),0.83(m,4H),0.77(t,6H,J=6.8Hz).
13C NMR(CDCl
3):(154.57,152.47,151.64,145.39,141.09,140.85,138.98,136.75,133.80,128.51,128.11,127.64,126.53,125.91,124.25,121.91,120.59,120.18,55.64,40.49,31.65,29.89,24.11,22.73,14.14.Anal.Calcd for C
70H
74N
2F
6S
3:C,77.17;H,6.85;N,2.57;S,2.94.Found:C,76.93;H,7.26;N,2.58;S,3.05.MS(MALDI−TOF)m/z 1088.51(M);calcd.for C
70H
74N
2F
6S
3=1088.55.
N−2の合成。
【0118】
反応系:2(0.29g、0.30ミリモル)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(0.23g、0.90ミリモル)、Pd(PPh
3)
4(0.014g、0.012ミリモル)。生成物をエタノール/ヘキサンから再結晶し、黄色結晶を得た(0.36g、97%収率)。
【0119】
1H NMR(CDCl
3):(8.09(overlapping s,2H),8.07(overlapping d,1H,J=8.4Hz),8.02(s,1H),7.93(t,2H,J=8.0Hz),7.88(s,2H),7.63(d,1H,J=7.6Hz),7.59(s,1H),2.12(m,4H),1.12(m 12H),0.82(overlapping m,4H),0.78(t,6H,6.8Hz).
13C NMR(CDCl
3):(154.55,152.85,151.66,144.01,141.79,140.54,137.42,137.03,133.79,132.50,132.17,128.58,128.14,127.41,126.62,125.01,124.31,122.30,121.75,120.86,120.36,55.79,40.43,31.63,29.82,24.09,22.71,14.12.Anal.Calcd for C
72H
72N
2F
12S
3:C,70.57;H,5.92;N,2.29;S,2.62.Found:C,68.18;H,6.50;N,2.24;S,2.48.MS(MALDI−TOF)m/z 1224.65(M);calcd.for C
72H
72N
2F
12S
3=1224.52.
N−3の合成。
【0120】
反応系:2(0.29g、0.30ミリモル)、4−シアノフェニルボロン酸(0.13g、0.90ミリモル)、Pd(PPh
3)
4(0.014g、0.012ミリモル)。生成物を、1〜5%ヘキサン中酢酸エチルを溶離液として用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を次いでヘキサン/THFから再結晶し、黄色針状晶(0.19g、63%収率)を得た。
【0121】
1H NMR(CDCl
3):( 8.06(d,1H,J=8.0Hz),8.01(s,1H),7.92(overlapping s and d(J=7.6Hz),2H),7.87(d,1H,J=8.0Hz),7.81−7.76(m,4H),7.62(d,1H,J=8.0Hz),7.60(s,1H),2.10(m,4H),1.11(m,12H),0.82(overlapping m,4H),0.77(overlapping t,6H,J=7.2Hz).
13C NMR(CDCl
3):(154.54,152.60,151.67,146.30,141.58,140.65,138.33,136.92,133.77,132.77,128.55,128.11,127.93,126.55,124.27,121.79,120.71,120.28,119.18,110.88,55.68,40.46,31.63,29.86,24.09,22.71,14.13.Anal.Calcd for C
70H
74N
4S:C,83.79;H,7.43;N,5.58;S,3.20.Found:C,83.33;H,7.54;N,5.62;S,3.21.
[実施例2] スキーム2にしたがったN−4の合成
【0124】
4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.69g、1.5ミリモル)および7−トリメチルシリル−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン−2−ボロネート(1.80g、3.4ミリモル)をトルエン(15mL)中に溶解させ、2MのK
2CO
3水溶液(4.5mL)を添加した。混合物を窒素で30分間パージし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.070g、0.06ミリモル)を添加した。反応混合物を90℃で24時間加熱した。冷却した混合物を塩水に注ぎ、ジエチルエーテルで数回抽出した。合した抽出物をMgSO
4上で乾燥し、濾過した。濾液を真空下で乾燥し、残留物を、0〜2%ヘキサン中酢酸エチルを用いてシリカゲル上クロマトグラフィーにかけた。生成物を次いでエタノール/ヘキサンから再結晶し、赤色固体を得た(1.36g、82%収率)。
【0125】
1H NMR(CDCl
3):(8.16(d,1H,J=4.0Hz),7.94(s,1H),7.75−7.67(m,4H),7.52−7.49(m,3H),2.03(t,4H,J=8.4Hz),1.15−1.09(unresolved m,12H),0.77(t,6H,J=6.4Hz),0.72−0.67(unresolved m,4H),0.33(s,9H).
13C NMR(CDCl
3):(152.86,152.02,150.29,146.73,141.35,139.52,138.52,133.20,132.06,128.86,127.77,126.02,125.49,124.95,124.09,120.34,119.20,55.34,40.35,31.52,29.73,23.86,22.64,14.13,0.72.Anal.Calcd for C
70H
88N
2S
3Si
2:C,75.75;H,7.99;N,2.52;S.8.67.Found:C,75.44;H,8.10;N,2.65;S,8.84.MS(MALDI−TOF)m/z 1108.72(M);calcd.for C
70H
88N
2S
3Si
2=1108.56.
4の合成。3(1.11g、1.0ミリモル)および無水酢酸ナトリウム(0.16g、2.0ミリモル)を含むTHF溶液(20mL)を0℃まで冷却した。臭素(0.64g、4.0ミリモル)を添加し、混合物を45分間暗所で撹拌した。トリエチルアミン(1.12mL、8.0ミリモル)を添加し、続いて過剰の水性Na
2SO
4を添加することにより、反応をクエンチした。生成物をジエチルエーテルで抽出し、抽出物を水性Na
2SO
4で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。濾過後、濾液を吸引乾燥し、残留物を熱ヘキサンから再結晶し、赤色固体を得た(1.06g、94%収率)。
【0126】
1H NMR(CDCl
3):( 8.15(d,1H,J=3.6Hz),7.94(s,1H),7.72−7.67(m,2H),7.64(s,1H),7.57(d,1H,J=8.4Hz),7.52−7.47(m,3H),2.07−1.94(m,4H),1.18−1.08(unresolved m,12H),0.78(t,6H,J=6.8Hz),0.67(unresolved m,4H).
13C NMR(CDCl
3):(153.40,152.88,151.50,146.67,140.21,139.82,138.76,133.61,130.28,128.89,126.42,126.08,125.54,125.19,124.28,121.43,121.26,120.41,120.28,55.78,40.49,31.63,29.79,23.91,22.71,14.11.Anal.Calcd for C
64H
70N
2S
3Br
2:C,68.43;H,6.28;N,2.49S,8.56.Found:C,68.06;H,6.37;N,2.68;S,8.76.MS(MALDI−TOF)m/z 1122.47(M);calcd.forC
64H
70N
2S
3Br
2=1122.31.
N−4の合成。N−1の合成の同じ前記方法を使用した。カラムクロマトグラフィー後、生成物を、1%ヘキサン中酢酸エチルを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)によりさらに精製した。生成物を次いで熱ヘキサンから再結晶し、生成物を暗赤色固体として得た(収率62%)。
【0127】
1H NMR(CDCl
3):( 8.18(s,1H),8.08(s,2H),7.97(s,1H),7.87(s,1H),7.84−7.75(m,3H),7.71(s,1H),7.61(d,1H,J=8.0Hz),7.55−7.52(m,2H),2.11(t,4H,J=8.0Hz),1.16−1.09(unresolved m,12H),0.77(t,6H,J=6.4Hz),0.73−0.68(overlapping m,4H).
13C NMR(CDCl
3):(152.94,152.53,152.25,146.51,144.02,141.78,140.31,138.88,137.35,133.88,132.58,132.25,128.95,127.37,126.62,126.15,125.58,125.29,125.03,124.38,122.32,121.70,120.79,120.69,120.42,55.83,40.54,31.62,29.77,24.01,22.67,14.06.Anal.Calcd for C
80H
76N
2S
3F
12:C,69.14;H,5.51;N,2.02;S,6.92.Found:C,68.17;H,5.91;N,2.00;S,6.18.MS(MALDI−TOF)m/z 1388.45(M);calcd.for C
80H
76N
2S
3F
12=1388.50.
[実施例3] スキーム3にしたがったN−5、N−6、N−7の合成
【0130】
20mLのマイクロ波用ガラスバイアルに、撹拌棒、4,7−ビス(5−ブロモ−4−ヘキシルチオフェン−2−イル)ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール(0.79g、1.3ミリモル)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(60mg、2モル%)を入れた。バイアルを窒素でパージし、密封した。1,2−ジメトキシエタン(16mL)、ジメチルホルムアミド(1mL)および2−(トリブチルスタンニル)チオフェン(0.91mL、2.8ミリモル)を次いでバイアルにシリンジを通して添加した。ガラスバイアルをマイクロ波反応器中、100℃で2分間、150℃で15分間加熱した。バイアルを次いで冷却し、内容物をジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、シリカ上クロマトグラフィー(10%ヘキサン中ジクロロメタン)にかけて、標記化合物を得た(0.66g、83%)。
【0131】
1H NMR(CDCl
3):7.99(s,2H),7.83(s,2H),7.36(d,2H),7.24(d,2H),7.11(t,2H),2.85(t,4H),1,74(m,4H),1.44−1.33(m,12H),0.89(t,6H).MS−MALDI:632.12(calc:632.15).
6の合成。
【0132】
100mLの1:1クロロホルム/氷酢酸中化合物5(0.8g、1.3ミリモル)の溶液に0℃、暗所で、N−ブロモスクシンイミド(0.49g、2.1当量)を20分にわたって添加した。得られた溶液を4時間撹拌し、室温まで徐々に温めた。水(200mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(100mL)で3回抽出した。有機層を次いで、水(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(150mL)および塩水(200mL)で洗浄した。これを次いでMgSO
4で乾燥し、濃縮し、エタノール中で再結晶し、標記化合物を得た(0.6g、60%)。
【0133】
1H NMR(CDCl
3):7.63(s,2H),7.83(s,2H),7.06(d,2H),6.96(s,2H),2.80(t,4H),1.70(m,4H),1.43−1.33(m,12H),0.89(t,6H).
13C NMR(CDCl
3):152.5,141.1,137.6,137.4,131.4,130.5,130.3,126.3,125.5,125.3,112.2,31.6,30.6,29.4,29.2,22.6,14.0.MS−MALDI:789.95(calc:789.97).
N−5の合成。還流冷却器を備えた25mLの2口丸底フラスコに、6(0.32g、0.4ミリモル)、トリフルオロフェニルボロン酸(0.31g、1.2ミリモル)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(37mg、2モル%)を入れた。フラスコを窒素でフラッシュし、続いて、トルエン(4.5mL)、2MのNa
2CO
3(1.5mL)およびエタノール(1.5mL)を添加した。混合物を85℃で18時間撹拌した。1mLの水中50mgのジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを次いで添加し、混合物を一夜80℃で撹拌した。これを次いで冷却し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮し、シリカ上クロマトグラフィー(5%ヘキサン中ジクロロメタン)にかけ、ジクロロメタン/エタノールから再結晶し、標記化合物を得た(220mg、61%)。
【0134】
1H NMR(CD
2Cl
2):8.02(s,2H),7.88(s,2H),7.31(d,2H),7.31−7.23(m,8H),2.89(t,4H),1.80(m,4H),1.49−1.38(m,12H),0.93(t,6H).
13C NMR(CDCl
3):152.8,152.6,150.4,141.1,140.6,140.4,137.4,137.1,131.8,130.7,127.0,125.5,125.3,124.8,109.7,31.7,30.5,29.6,29.3,22.6,14.0.MS−MALDI:892.14(calc:892.15).
N−6の合成。10mLのマイクロ波用ガラスバイアルに、撹拌棒、6(158mg、0.2ミリモル)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(155mg、0.6ミリモル)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(6mg、2モル%)を入れた。バイアルを窒素でパージし、密封した。1,2−ジメトキシエタン(0.99mL)、水(0.43mL)およびエタノール(0.23mL)を次いでシリンジを通してバイアルに添加した。ガラスバイアルをマイクロ波反応器中で2分間100℃、15分間150度にて加熱した。バイアルを次いで冷却し、内容物をジクロロメタンで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮し、シリカ上クロマトグラフィー(5%のヘキサン中クロロホルム)にかけて、標記化合物を得た(55mg、26%)。
【0135】
1H NMR(CD
2Cl
2):8.09(s,4H),8.05(s,2H),7.93(s,2H),7.82(s,2H),7.52(d,2H),7.32(d,2H),2.93(t,4H),1.81(m,4H),1.39−1.27(m,12H),0.93(t,6H).MS−MALDI:1056.32(calc:1056.16).
N−7の合成。
【0136】
この化合物を、N−5と同じ手順を用いて、6および4−シアノフェニルボロン酸から合成した。化合物をシリカ上クロマトグラフィー(70%ヘキサン中クロロホルム)にかけて、標記化合物を10%の収率で得た。
【0137】
MS−MALDI:834.28 (calc: 834.20).
[実施例4] スキーム4にしたがったN−8、N−9、N−10、N−11の合成
【0140】
出発前駆体化合物、5−ジヒドロ−1,4−ジオキソ−3,6−ジチエニルピロロ[3,4−c]−ピロール(DPP)を、2−チオフェンカルボニトリルと、0.5当量のジ−n−ブチルコハク酸エステルおよび過剰のt−ブトキシカリウムとの、溶媒として2−メチル−2−ブタノールを用いた反応を含む、以前に報告されている手順にしたがって良好な収率で合成した。可溶性誘導体3,6−ビス−[2,2’]ビチオフェニル−5−イル−2,5−ジ−n−ドデシルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(DD−DPP)を調製するために。本発明者等は、3当量のn−ドデシルブロミドと3当量の無水K
2CO
3を用い、無水DMF溶媒の存在下で、DPPのアルキル化をさらに行った。アルキル化DPPを無水クロロホルム中N−ブロモスクシンイミドでさらに二臭素化し、粗化合物を、溶離液としてクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、全収率は40%前後で記録された。
【0141】
1H NMR(CDCl
3):d0.88(t,6H),1.18−1.47(m,36H),1.75(m,4H),4.09(t,4H),7.29(d,2H),7.65(d,4H),8.94(d,2H).
N−8の合成。
【0142】
二臭素化DD−DPP化合物7(0.300g、0.37ミリモル)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.180g、0.94ミリモル、2.5当量)およびPd(PPh
3)
4(30mg、0.025ミリモル)を50mLのシュレンクフラスコに添加し、3サイクルの真空/アルゴン再充填サイクルに付した。アルゴン脱気トルエン(15mL)、水性2M K
2CO
3(7mL)およびエタノール(3mL)を前記混合物に添加し、アルゴン下で20分間撹拌した。3サイクルの真空/アルゴンサイクル後、混合物を80℃で24時間加熱し、次いで反応完了についてTLCによりモニタリングした。回転蒸発器を用いてトルエンを除去し、生成物をクロロホルムで抽出し、次いで連続して水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。溶媒の除去により、粗生成物を得、これを次いでカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液としてクロロホルム)を用いて精製し、生成物を暗紫色固体として得た(0.270g、78%)。
【0143】
1H NMR(CDCl
3):(0.88(t,6H),1.15−1.47(m,36H),1.80(t,4H),4.09(t,4H),7.52(d,2H),7.65(d,4H),7.78(d,4H),8.93(d,2H).MS(MALDI−TOF)m/z 924.57(M).calcd.for C
52H
62F
6N
2O
2S
2=924.42.
N−9の合成。
【0144】
二臭素化DD−DPP化合物7(0.300g、0.37ミリモル)、トランス−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ビニル−ボロン酸(0.204g、0.944ミリモル、2.5当量)およびPd(PPh
3)
4(30mg、0.025ミリモル)を50mLのシュレンクフラスコに添加し、3サイクルの真空/アルゴン再充填サイクルに付した。アルゴン脱気トルエン(15mL)、水性2M K
2CO
3(7mL)およびエタノール(3mL)を前記混合物に添加し、アルゴン下で20分間撹拌した。3サイクルの真空/アルゴンサイクル後、混合物を80℃で24時間加熱し、次いで反応完了についてTLCによりモニタリングした。回転蒸発器を用いてトルエンを除去し、生成物をクロロホルムで抽出し、次いで連続して水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。溶媒を除去して、粗生成物を得、これを次いでカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液としてクロロホルム)を用いて精製し、生成物を暗紫色結晶性固体として得た(0.250g、69%)。
【0145】
1H NMR(CDCl
3):(0.87(t,6H),1.15−1.47(m,36H),1.78(t,4H),4.11(t,4H),7.10−7.15(d,2H),7.28−7.38(dd,4H),7.62(dd,8H),8.92(d,2H).MS(MALDI−TOF)m/z 976.47(M).calcd.for C
56H
66F
6N
2O
2S
2=976.45.
N−10の合成。
【0146】
二臭素化DD−DPP化合物7(0.300g、0.37ミリモル)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.243g、0.945ミリモル、2.5当量)およびPd(PPh
3)
4(30mg、0.025ミリモル)を50mLのシュレンクフラスコに添加し、3サイクルの真空/アルゴン再充填サイクルに付した。アルゴン脱気トルエン(15mL)、水性2M K
2CO
3(7mL)およびエタノール(3mL)を前記混合物に添加し、アルゴン下で20分間撹拌した。3サイクルの真空/アルゴンサイクル後、混合物を80℃で24時間加熱し、次いで反応完了についてTLCによりモニタリングした。回転蒸発器を用いてトルエンを除去し、生成物をクロロホルムで抽出し、次いで連続して水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得、これを次いで、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液としてクロロホルム)を用いて精製し、生成物を暗紫色固体として得た(0.200g、50%)。
【0147】
1H NMR(CDCl
3):(0.87(t,6H),1.15−1.14(m,36H),1.79(t,4H),4.10(t,4H),7.28−7.31(s,1H),7.52−7.70(dd,2H),7.86(s,1H),8.05(d,2H),8.80−9.00(dd,2H).MS(MALDI−TOF)m/z 1060.73(M).calcd.for C
54H
60F
12N
2O
2S
2=1060.39.
N−11の合成。
【0148】
二臭素化DD−DPP化合物7(0.300g、0.37ミリモル)、3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸(0.243g、0.945ミリモル、2.5当量)およびPd(PPh
3)
4(30mg、0.025ミリモル)を50mLのシュレンクフラスコに添加し、3サイクルの真空/アルゴン再充填サイクルに付した。アルゴン脱気トルエン(15mL)、水性2M K
2CO
3(7mL)およびエタノール(3mL)を前記混合物に添加し、アルゴン下で20分間撹拌した。3サイクルの真空/アルゴンサイクル後、混合物を80℃で24時間加熱し、次いで反応完了についてTLCによりモニタリングした。回転蒸発器を用いてトルエンを除去し、生成物をクロロホルムで抽出し、次いで連続して水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥した。溶媒の除去により粗生成物を得、これを次いで、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液としてクロロホルム)を用いて精製し、生成物を暗紫色結晶性固体として得る(0.240g、72%)。
【0149】
1H NMR(CDCl
3):(0.87(t,6H),1.10−1.47(m,36H),1.78(t,4H),4.10(t,4H),7.25(d,4H),7.40(d,2H),8.87(d,2H).MS(MALDI−TOF)m/z 896.24(M).calcd.for C
50H
58F
6N
2O
2S
2=896.38.
[実施例5] 化合物N−1〜N−11の特性化
化合物をNMRおよびMALDI−TOFにより特性化した。物質の熱特性をDSCおよびTGAにより分析し、結果を第1表に示す。この物質は、166〜231℃の範囲の融点を有し、N
2下で高い熱安定性(>330℃)を有する。化合物の光物理的特性をトルエン中UV−visおよび蛍光分光法により測定した。化合物は、330〜700nmで強い吸収を示す。CH
2C1
2中サイクリックボルタンモグラムを用いて、物質のHOMOおよびLUMO特性を測定した。HOMO/LUMOおよびバンドギャップ値は、HOMOは−5.18〜−5.79eV、LUMOは−2.98〜−3.55eVの範囲に調節することができた。
【0150】
化合物N−4〜N−7のトルエン中UV吸収スペクトルを
図1に示し、化合物N−8〜N−11については
図2中に示す。
【0152】
[実施例6] 有機光起電デバイスの製作および特性化
N−4、N−8、およびN−9をOPVデバイス製作のために選択し、n型材料の光起電装置性能を調べた。
【0153】
ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)および選択されたn型材料をクロロホルム(重量比=1:2)に10mg/mlの総濃度で溶解させた。パターン付ITOコーティングされたガラスを基体として使用した(160nmのITO、14Ω/□の平均シート抵抗)。ITO/ガラス基体を、洗浄剤(30分)、蒸留水(10分、2回)、アセトン(15分)およびイソプロパノール(20分)中で清浄化した。基体を次いで100℃で焼き、残存する溶媒を除去した。40nmのPEDOT:PSSホール輸送層をスピンコーティングする前に、乾燥した基体を酸素プラズマ洗浄に10分間付した。続いて、P3HT:n型材料ブレンドをPEDOT:PSS層の上にスピニング速度1500rpmで60秒間、不活性ガスグローブボックス中でスピンコーティングした。金属カソード層(Ca/Ag)を次に8×10
-5Paの圧力でシャドーマスクを通して蒸発させ、9mm
2の活性領域を有するデバイスを得た。
【0154】
ITO/PEDOT:PSS/P3HT:N−4(1:2)/Ca/Agの構成を有するOPVデバイスを製作した。デバイスのV
oc、J
sc、および曲線因子およびPCEは、それぞれ、1.00V、3.40mA/cm
2、32%と測定された。電力変換効率PCEは1.10%である。
【0155】
ITO/PEDOT:PSS/P3HT:N−8(1:2)/Ca/Agの構成を有するOPVデバイスを製作した。デバイスのV
oc、J
sc、および曲線因子およびPCEは、それぞれ、0.87V、1.87mA/cm
2、44%と測定された。電力変換効率PCEは0.72%である。
【0156】
ITO/PEDOT:PSS/P3HT:N−9(1:2)/Ca/Agの構成を有するOPVデバイスを製作した。V
oc、J
sc、および曲線因子およびデバイスのPCEは、それぞれ、0.66V、1.56mA/cm
2、53%と測定された。電力変換効率PCEは0.55%である。
【0157】
有機太陽電池の性能を100mW/cm
2の電力強度でシミュレーションされたAM1.5G日照下で特性化した。P3HT:n型材料ベースの有機太陽電池の光起電装置性能を
図3に示し、重要な光起電装置パラメータを第2表にまとめる。
【0158】
第2表から、1.1%の電力変換効率のOPVデバイスが得られたことがわかる。使用したn型材料の選択によりLUMOエネルギーレベルを微調整することによって、1.0Vもの高いV
ocを達成することができたこともわかる。
【0160】
本出願で記載する全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参考として援用されるように具体的かつ個別に表示されているかのように、参考として本明細書で援用される。任意の刊行物または特許出願の引用は、出願日の前のその開示についてであり、本発明が先行発明によってそのような刊行物または特許出願に先立つ権利がないことを容認すると解釈されるべきではない。
【0161】
本出願および添付の請求の範囲で用いられる場合、「含む(comprise、comprising、comprises)」という用語およびこれらの用語の他の形態は、非限定的で包括的な意味で、すなわち、任意の他の要素または成分を除外することなく、特定の記載された要素または成分を含むことが意図される。本出願および添付の請求の範囲で用いられる場合、記載されるすべての範囲は、その中に含まれる任意の中間の値または範囲を示すことが意図される。特に別段の定義がない限り、本明細書中で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野に精通した人が通常理解するのと同じ意味を有する。
【0162】
前述の発明を、明確に理解するための説明および実例によりかなり詳細に記載したが、本発明の教唆を考慮して、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなくある変化および修飾をなすことができることは容易に明らかである。