特許第5778168号(P5778168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778168多環式化合物及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778168
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】多環式化合物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20150827BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20150827BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/435 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20150827BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   C07D495/04 101
   C07D495/04CSP
   A61P25/18
   A61P25/16
   A61P25/00
   A61P25/28
   A61P25/14
   A61P25/22
   A61P25/24
   A61P25/08
   A61P25/04
   A61P25/06
   A61P25/20
   A61P25/30
   A61P25/00 101
   A61P15/00
   A61P9/12
   A61P1/08
   A61K31/381
   A61K31/4025
   A61K31/435
   A61K31/55
   A61K31/4436
   A61K31/4178
   A61K31/5377
   A61K31/4155
   A61K31/427
   A61K31/496
【請求項の数】17
【全頁数】193
(21)【出願番号】特願2012-542219(P2012-542219)
(86)(22)【出願日】2010年12月3日
(65)【公表番号】特表2013-512926(P2013-512926A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】US2010058884
(87)【国際公開番号】WO2011069063
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/266,880
(32)【優先日】2009年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511145546
【氏名又は名称】スノビオン プハルマセウトイカルス インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】503419631
【氏名又は名称】サイコジェニックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PSYCHOGENICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ルイミング シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョフン エムメルソン カムプベルル
(72)【発明者】
【氏名】ミチャエル チャルレス ヘウイトト
(72)【発明者】
【氏名】ウナ カムプベルル
(72)【発明者】
【氏名】タルエエン ジー.ハナニア
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/155132(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01829869(EP,A1)
【文献】 米国特許第04036842(US,A)
【文献】 国際公開第2003/006455(WO,A1)
【文献】 特開昭56−007772(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/126041(WO,A1)
【文献】 米国特許第06262044(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0081910(US,A1)
【文献】 米国特許第07019026(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0187281(US,A1)
【文献】 特表2003−509430(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01634873(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01982714(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01982987(EP,A1)
【文献】 特表2013−510859(JP,A)
【文献】 特表2013−510870(JP,A)
【文献】 T. A. Dobson et al,Pyrano heterocycles 1. The Synthesis of isochromans and the novel thieno[3,2-c]pyran, benzothieno[3,2-c]pyran, benzothieno[2,3-c]pyran, and pyrano[4,3-b]benzofuran systems,Journal of Heterocyclic Chemistry,1975年,12(3),591-594
【文献】 A. Torrado et al,Novel selective and potent 5-HT reuptake inhibitors with 5-HT 1D antagonist activity: chemistry and pharmacological evaluation of a series of thienopyran derivatives,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2004年,12(20),5277-5295
【文献】 REGISTRY(STN)[online],2007年 4月30日,[検索日 2014.9.24]CAS登録番号 933704-21-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIa)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R1及びR2は、各々独立に、水素、アルキル、もしくはシクロアルキル、又はR1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し、R1及びR2のうちの少なくとも1つは水素ではなく
R3及びR4は、各々独立に、(i)水素、もしくはアルキルであるか;又は(ii)R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルを形成するか;又は(iii)R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4水素であるか;又は(iv)R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及び/もしくはR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成し;
R5は、水素、もしくはアルキルであ
R6及びR7は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、ハロ、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R11(式中、R11は、ヘテロアリールである)であ
mは、0であり;
nは、1であり;かつ
pの各々の出現は、0である。)。
【請求項2】
R1水素であり、R2が水素又はアルキルであり;R3及びR4が、各々独立に、水素又はC1-C4アルキルであり;R5が水素であり;かつR6及びR7が、各々独立に、水素、ハロ、又はC1-C4アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が以下のものである、請求項1記載の化合物:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
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【請求項4】
R1及びR2が、それらが結合している窒素原子とともに、その各々が任意に置換されているヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が以下のものである、請求項4記載の化合物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項6】
R1及びR3が、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が以下のものである、請求項6記載の化合物:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項8】
R3及びR4が、それらが結合している原子とともに、その各々が任意に置換されているシクロアルキル又はヘテロシクリル環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が以下のものである、請求項8記載の化合物:
【化5】
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【請求項10】
R3及びR4が一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、R1及び/又はR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が以下のものである、請求項10記載の化合物:
【化6】
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【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体、及び医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
1種以上の追加的な活性剤をさらに含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
対象における神経障害を治療、予防、又は管理するための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体の使用。
【請求項15】
前記対象がヒトである、請求項14記載の使用。
【請求項16】
前記障害が、統合失調症、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、分裂病質人格障害、統合失調症性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、全身病状による精神病性障害、薬物誘発性精神病、精神性情動障害、攻撃性、せん妄、パーキンソン病性精神病、興奮精神病、トゥレット症候群、器質性又はNOS精神病、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、異常運動症、ハンチントン病、認知症、気分障害、不安神経症、情動障害、鬱病、大鬱病性障害、気分変調症、双極性障害、躁障害;季節性情動障害;注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、強迫性障害、めまい、てんかん、疼痛、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、炎症性疼痛、線維筋痛、偏頭痛、認知障害、運動障害、下肢静止不能症候群、多発性硬化症、睡眠障害、睡眠時無呼吸、発作性睡眠、日中の過剰な眠気、時差ぼけ、薬剤の眠気を誘う副作用、不眠症、薬物乱用又は薬物依存症、中毒、摂食障害、性機能障害、高血圧、嘔吐、レッシュ・ナイハン病、ウィルソン病、自閉症、ハンチントン舞踏病、及び月経前不機嫌である、請求項14又は15記載の使用。
【請求項17】
前記障害が、精神病又は統合失調症である、請求項14又は15記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(I.関連出願の相互参照)
本出願は、その内容が全体として引用により本明細書中に組み込まれている、2009年12月4日に出願された米国仮特許出願第61/266,880号の優先権を主張するものである。
【0002】
(II.分野)
精神病及び統合失調症を含むが、これらに限定されない、様々な神経障害を治療するのに有用な多環式化合物、該化合物を含む組成物、及びその使用方法を本明細書で提供する。
【背景技術】
【0003】
(III.背景)
中枢神経系障害は、異なる重症度で広範な集団に影響を及ぼす。通常、このクラスの障害の主な特徴は、以前の機能レベルからの著しい悪化を示す認知又は記憶の顕著な障害を含む。
【0004】
統合失調症は、原因不明の精神障害である。これは通常、成人早期に初めて現れ、かつ精神病症状、段階的な進行及び発達、並びに/又は社会的行動及び職業能力の低下などの特徴によって示される。特徴的な精神病症状は、思考内容の障害(例えば、多重な、断片的な、支離滅裂な、信じ難い、もしくは単に妄想的な内容、又は被害妄想)、及び精神構造の障害(例えば、連想の喪失、想像の飛躍、理解不能なまでの支離滅裂)、並びに知覚の障害(例えば、幻覚)、感情の障害(例えば、表面的な又は不適切な感情)、自己認識の障害、意思の障害、衝動の障害、及び/又は対人関係の障害、並びに精神運動障害(例えば、緊張病)である。他の症状もまた、この障害と関連している。例えば、「精神障害の診断及び統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版, American Psychiatric Association(1997))(DSM-IV(商標)を参照されたい。
【0005】
統合失調症は亜型に分類される。妄想型は、妄想及び幻覚、並びに思考障害、混乱した言動、及び感情鈍麻の欠如を特徴とする。「破瓜型統合失調症」とも呼ばれる解体型は、思考障害と感情鈍麻が一緒に存在する。緊張型は、顕著な精神運動の混乱が明らかであり、症状は、緊張病性混迷及び蝋屈症を含み得る。鑑別不能型は、精神病症状は存在するが、妄想型、解体型、又は緊張型の規準を満たさないものである。統合失調症の症状は通常、3つの広範なカテゴリー、すなわち、陽性症状、陰性症状、及び認知症状として現われる。陽性症状は、幻覚及び妄想などの、通常体験の「過剰」を示す症状である。陰性症状は、患者が、無快感症及び社会的相互作用の欠如などの、通常体験の欠如を患う症状である。認知症状は、持続的注意力の欠如及び意思決定の欠陥などの、統合失調症における認知障害に関連する。現在の抗精神病薬は、陽性症状を治療する上では成功しているが、陰性症状及び認知症状についてはあまり成功していない。
【0006】
認知障害は、認知機能又は認知領域、例えば、作業記憶、注意及び警戒、言語の学習及び記憶、視覚的な学習及び記憶、推理及び問題解決(例えば、実行機能、処理速度、及び/又は社会的認知)の低下を含む。特に、認知障害は、注意の欠陥、解体した思考、緩慢な思考、理解の困難、乏しい集中力、問題解決の障害、乏しい記憶、思考表現の困難、並びに/又は思考と感情と行動の統合の困難、もしくは無関係な思考の消去の困難を示すことがある。
【0007】
激越は、敵意、激しい興奮、衝動調節不良、緊張、及び/又は協調性欠如を含む、様々な症状を伴う十分に認識された行動障害である。激越は、高齢者において一般的であり、かつ認知症、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及びハンチントン病によって、並びに卒中又は脳内での多発性卒中により引き起こされる多発梗塞性認知症などの、血管に影響を及ぼす疾患によって引き起こされる認知症と関連することが多い。65歳以上の高齢者のおよそ5%及び80歳以上の高齢者の最大20%が認知症に罹患しており;これらの罹患者のうちのほぼ半数が、激越、徘徊、及び暴力的爆発などの行動障害を示す。激越した行動は、認知的に無傷の高齢者において、また、認知症以外の精神障害を有する高齢者によって示される場合もある。
【0008】
認知症は、顕著な記憶障害を含む、いくつかの認知障害によって特徴付けられ、かつ孤発性であるか、又はアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、及び多発性硬化症を含むが、これらに限定されない、様々な疾患の原因となる特徴的な性質であることがある。
【0009】
したがって、精神病及び統合失調症を含むが、これらに限定されない、様々な神経障害の効果的な治療が強く必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
(IV.要約)
式(I)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、Z1、Z2、Z3、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義されている。該化合物は、精神病及び統合失調症を含むが、これらに限定されない、神経障害などの様々な障害を治療するのに有効である。
【0011】
本明細書で提供される化合物、及び1種以上の医薬として許容し得る賦形剤を含む組成物及び剤形も本明細書で提供する。本明細書で提供される組成物及び剤形は、1種以上の追加の活性成分をさらに含むことができる。
【0012】
本明細書で提供される化合物及び組成物を用いて、中枢神経系(CNS)の神経障害を含む、様々な神経障害を、治療、予防、及び/又は管理する方法も本明細書で提供する。一実施態様では、本明細書で提供される神経障害の1以上の症状を治療又は管理する方法を本明細書で提供する。そのような神経障害としては、統合失調症、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、分裂病質人格障害、統合失調症性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、全身病状による精神病性障害、薬物誘発性精神病(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、精神性情動障害、攻撃性、せん妄、パーキンソン病性精神病、興奮精神病、トゥレット症候群、器質性又はNOS精神病、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、異常運動症、ハンチントン病、認知症、気分障害、不安神経症、情動障害(例えば、鬱病、例えば、大鬱病性障害及び気分変調症;双極性障害、例えば、双極性鬱障害;躁障害;季節性情動障害;並びに注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動性障害(ADHD))、強迫性障害、めまい、てんかん、疼痛(例えば、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、及び炎症性疼痛)、線維筋痛、偏頭痛、認知障害、運動障害、下肢静止不能症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、睡眠時無呼吸、発作性睡眠、日中の過剰な眠気、時差ぼけ、薬剤の眠気を誘う副作用、不眠症、薬物乱用又は薬物依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、性機能障害、高血圧、嘔吐、レッシュ・ナイハン病、ウィルソン病、自閉症、ハンチントン舞踏病、並びに月経前不機嫌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
一実施態様では、精神病又は統合失調症を治療、予防、及び/又は管理する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、精神病又は統合失調症の1以上の症状を治療又は管理する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、哺乳動物、特に例えば、ヒト、齧歯類(例えば、マウス及びラットなど)、ネコ、イヌ、非ヒト霊長類などの対象で精神病又は統合失調症を治療、予防、及び/又は管理する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、該方法は、本明細書で提供される化合物を、中枢神経系の1以上の受容体と接触させることを含む。一実施態様では、該方法は、細胞を、本明細書で提供される化合物と接触させることを含む。例示的な実施態様では、細胞は、例えば、神経細胞又はグリア細胞などの脳細胞である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(V.詳細な説明)
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。特定の実施態様では、略語は、J. Org. Chem. 2007, 72, 23Aに定義されている通りである。本明細書で言及されている全ての刊行物及び特許は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0015】
A.定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、不定冠詞「a」及び「an」、並びに定冠詞「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数形及び単数形の指示対象を含む。
【0016】
本明細書で使用する場合、特に指示しない限り、「アルキル」という用語は、線状又は分岐状飽和一価炭化水素基を意味し、ここで、アルキルは、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。特定の実施態様では、アルキルは、1〜20個(C1-20)、1〜15個(C1-15)、1〜12個(C1-12)、1〜10個(C1-10)、もしくは1〜6個(C1-6)の炭素原子を有する線状飽和一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素基である。本明細書で使用する場合、線状C1-6アルキル基及び分岐状C3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも呼ばれる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル及びイソプロピルのような、全ての異性形態を含む)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、及びt-ブチルのような、全ての異性形態を含む)、ペンチル(全ての異性形態を含む)、並びにヘキシル(全ての異性形態を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C1-6アルキルは、1〜6個の炭素原子の線状飽和一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様では、アルキルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0017】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アルケニル」という用語は、1個以上、一実施態様では、1〜5個の炭素-炭素二重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素基を意味する。アルケニルは、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。「アルケニル」という用語は、当業者に理解される通り、「シス」及び「トランス」配置、又は代わりに「E」及び「Z」配置を有する基も包含する。例えば、C2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様では、アルケニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素基である。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、アルケニルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0018】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アルキニル」という用語は、1個以上、一実施態様では、1〜5個の炭素-炭素三重結合を含む、線状又は分岐状一価炭化水素基を意味する。アルキニルは、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。特定の実施態様では、アルキニルは、2〜20個(C2-20)、2〜15個(C2-15)、2〜12個(C2-12)、2〜10個(C2-10)、もしくは2〜6個(C2-6)の炭素原子の線状一価炭化水素基、又は3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜6個(C3-6)の炭素原子の分岐状一価炭化水素基である。アルキニル基の例としては、エチニル(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、C2-6アルキニルは、2〜6個の炭素原子の線状不飽和一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐状不飽和一価炭化水素基を意味する。特定の実施態様では、アルキニルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0019】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「シクロアルキル」という用語は、完全又は部分飽和の架橋及び/又は非架橋環式炭化水素基又は環系を意味し、1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。特定の実施態様では、シクロアルキルは、3〜20個(C3-20)、3〜15個(C3-15)、3〜12個(C3-12)、3〜10個(C3-10)、もしくは3〜7個(C3-7)の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、シクロアルキルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0020】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「ヘテロアルキル」という用語は、記述された数の炭素原子並びにO、N、Si、及びSからなる群から選択される1個以上、一実施態様では、1〜3個のヘテロ原子からなる、安定な直鎖もしくは分岐鎖、もしくは環状の炭化水素基、又はその組合せを意味し、ここで、窒素及び硫黄原子は任意に酸化されており、かつ窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい。一実施態様では、ヘテロ原子(複数可)、O、N、及びSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置されていてもよい。一実施態様では、ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残りの部分に結合している位置を含め、ヘテロアルキル基の任意の位置(例えば、内部又は末端位置)に配置されていてもよい。例としては、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、及び-CH=CH-N(CH3)-CH3が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、-CH2-NH-O-CH3及び-CH2-O-Si(CH3)3のように、最大2個のヘテロ原子が連続していてもよい。特定の実施態様では、ヘテロアルキルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0021】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アルコキシル」という用語は、記述された数の炭素原子、及び1個以上、一実施態様では、1〜3個のO原子からなる、安定な直鎖もしくは分岐鎖、もしくは環状の炭化水素基、又はその組合せを意味する。アルコキシルの例としては、-O-CH3、-O-CF3、-O-CH2-CH3、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH-(CH3)2、及び-O-CH2-CH2-O-CH3が挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、アルコキシルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。
【0022】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アミノアルキル」という用語は、記述された数の炭素原子、及び1個以上、一実施態様では、1〜3個のN原子からなる、安定な直鎖もしくは分岐鎖、もしくは環状の炭化水素基、又はその組合せを意味する。アミノアルキルの例としては、-NH-CH3、-N(CH3)2、-NH-CH2-CH3、-N(CH3)-CH2-CH3、-NH-CH-(CH3)2、-CH2-CH2-NH-CH3、及び-CH2-CH2-N(CH3)2が挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、アミノアルキルは、本明細書中の他の場所に記載されているように任意に置換されている。いくつかの実施態様では、アミノアルキルは、1個以上のハロで任意に置換されている。
【0023】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アリール」という用語は、少なくとも1個の芳香族炭化水素環を含む任意に置換された単環式又は多環式基又は環系を意味する。特定の実施態様では、アリールは、6〜20個、6〜15個、又は6〜10個の環原子を有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、及びテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、アリールは、二環式、三環式、又は四環式炭素環も意味し、その場合、該環の1つは芳香族であり、該環のその他のもの(複数可)は、飽和、部分不飽和、又は芳香族、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、もしくはテトラヒドロナフチル(テトラリニル)であってもよい。特定の実施態様では、アリールは、二環式、三環式、又は四環式環系であってもよく、その場合、該環の少なくとも1つは芳香族であり、該環(複数可)の1つ又は複数は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含む飽和または部分不飽和である。特定の実施態様では、アリールは、本明細書中の他の場所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されている。
【0024】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、アリールで置換された一価のアルキル基を意味する。アラルキルの例としては、ベンジルが挙げられるが、これに限定されない。特定の実施態様では、アルキルとアリールは両方とも、本明細書中の他の場所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0025】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキルで置換された一価のアルキル基を意味する。特定の実施態様では、アルキルとシクロアルキルは両方とも、本明細書中の他の場所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されていてもよい。
【0026】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「ヘテロアリール」という用語は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する少なくとも1個の芳香環を含む任意に置換された単環式又は多環式基又は環系を意味する。一実施態様では、ヘテロアリール基の各々の環は、1個もしくは2個のO原子、1個もしくは2個のS原子、及び/又は1〜4個のN原子を含むことができ、但し、各々の環中のヘテロ原子の総数は、4以下であり、各々の環は、少なくとも1個の炭素原子を含む。特定の実施態様では、ヘテロアリールは、5〜20個、5〜15個、又は5〜10個の環原子を有する。特定の実施態様では、ヘテロアリールは、二環式、三環式、又は四環式環も意味し、その場合、該環の1つは、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する芳香族であり、該環のその他のもの(複数可)は、飽和、部分不飽和、又は芳香族であってもよく、かつ炭素環式であるか又はO、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。単環式ヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、及びキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、ヘテロアリールは、本明細書中の他の場所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されている。
【0027】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」という用語は、O、S、及びNから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を有する少なくとも1個の非芳香環を含み、かつ残りの環原子が炭素原子である任意に置換された単環式又は多環式基又は環系を意味する。特定の実施態様では、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキル基は、3〜20個、3〜15個、3〜10個、3〜8個、4〜7個、又は5〜6個の環原子を有する。特定の実施態様では、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、縮合又は架橋環系を含み得る単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であり、また、該環系では、窒素又は硫黄原子は、任意に酸化されていてもよく、窒素原子は、任意に四級化されていてもよく、環炭素原子は、オキソで任意に置換されていてもよく、かついくつかの環は、部分もしくは完全飽和、又は芳香族であってもよい。ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルは、安定化合物の生成をもたらすヘテロ原子又は炭素原子における主要構造に結合していてもよい。例としては、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルフォリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルフォリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、及び1,3,5-トリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施態様では、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキル環が1個以上のOを含むとき、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、「シクロアルコキシル」と呼ぶこともできる。特定の実施態様では、ヘテロシクリル又はヘテロシクロアルキルは、本明細書中の他の場所に記載されているように1個以上の置換基で任意に置換されている。
【0028】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「ハロゲン」、「ハロゲン化物」、又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を意味する。
【0029】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「水素」という用語は、プロトン(1H)、重水素(2H)、三重水素(3H)、及び/又はそれらの混合物を包含する。本明細書に記載の化合物では、水素によって占められる1以上の位置は、重水素及び/又は三重水素が濃縮されていてもよい。同位体が濃縮されたそのような類似体は、市販源から得られる好適な同位体標識出発材料から調製されてもよいし、又は既知の文献手順を用いて調製されてもよい。
【0030】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「任意に置換される」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルなどの基が、例えば、(a)1個以上、一実施態様では、1個、2個、3個、又は4個の置換基Q1で各々任意に置換された、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(b)ハロ、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRc(ここで、各々のRa、Rb、Rc、及びRdは、独立に、(i)水素;(ii)1個以上、一実施態様では、1個、2個、3個、又は4個の置換基Q1で各々任意に置換された、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rb及びRcは、それらが結合しているN原子とともに、1個以上、一実施態様では、1個、2個、3個、もしくは4個の置換基Q1で任意に置換された、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する)から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいことを意味することが意図される。本明細書で使用する場合、置換することができる基は全て、特に明記しない限り、「任意に置換される」。
【0031】
一実施態様では、各々のQ1は、(a)シアノ、ハロ、及びニトロ;並びに(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(NRe)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(=NRe)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORh、-NReC(O)NRfRg、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRgからなる群から独立に選択され;ここで、各々のRe、Rf、Rg、及びRhは、独立に、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルであるか;又は(iii)Rf及びRgは、それらが結合しているN原子とともに、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルを形成する。
【0032】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び有機酸を含む、医薬として許容し得る非毒性の酸から調製される塩を意味する。好適な非毒性の酸としては、例えば、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン酸(glucorenic)、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸を含むが、これらに限定されない、無機酸及び有機酸が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「溶媒和物」という用語は、本明細書で提供される化合物又はその塩であって、非共有結合の分子間力により結合した化学量論又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含むものを意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0034】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「立体異性体」という用語は、本明細書で提供されるエナンチオマー的/ジアステレオマー的/ステレオマー的に純粋な化合物及びエナンチオマー的/ジアステレオマー的/ステレオマー的に濃縮された化合物の全てを包含する。
【0035】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、例えば、「ステレオマー的に純粋な」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含み、かつその化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、キラル中心を1つ有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物は、その化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。キラル中心を2つ有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的なステレオマー的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約90重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約95重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体、約97重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体、又は約99重量%を超えるその化合物の1つの立体異性体及び約1重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む。
【0036】
本明細書で使用する場合、特に指示しない限り、「ステレオマー的に濃縮された」という用語は、約55重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体、約60重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体、約70重量%を超える、又は約80重量%を超えるある化合物の1つの立体異性体を含む組成物を意味する。
【0037】
本明細書で使用する場合、特に指示しない限り、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、キラル中心を1つ有する化合物のステレオマー的に純粋な組成物を意味する。同様に、「エナンチオマー的に濃縮された」という用語は、キラル中心を1つ有する化合物のステレオマー的に濃縮された組成物を意味する。
【0038】
特定の実施態様では、本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「光学活性のある」及び「エナンチオマー的に活性のある」とは、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上のエナンチオマー過剰又はジアステレオマー過剰を有する分子の集まりを意味する。特定の実施態様では、化合物は、当該ラセミ化合物の総重量に基づき、約95%以上の望ましいエナンチオマー又はジアステレオマー及び約5%以下のあまり好ましくないエナンチオマー又はジアステレオマーを含む。
【0039】
光学活性化合物を記載する際、接頭辞R及びSを用いて、分子の絶対配置をそのキラル中心(複数可)に関して示す。(+)及び(-)を用いて、化合物の旋光度、すなわち、偏光面が光学活性化合物によって回転する方向を示す。(-)の接頭辞は、化合物が左旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を左または反時計回りに回転させることを示す。(+)の接頭辞は、化合物が右旋性であること、すなわち、化合物が偏光面を右または時計回りに回転させることを示す。しかしながら、光学回転の印である(+)及び(-)は、分子の絶対配置R及びSとは関連しない。
【0040】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、当業者により決定される、特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、一つには、該値がどのようにして測定又は決定されるかということによって決まる。特定の実施態様では、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。特定の実施態様では、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、所与の値又は範囲の50%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、又は0.05%以内を意味する。
【0041】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る材料、組成物、又はビヒクルを意味する。一実施態様では、各々の構成成分は、医薬製剤のその他の成分と適合性であるという意味において「医薬として許容し得る」ものであり、また、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又はその他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織又は器官と接触させて用いるのに好適であり、妥当な利益/危険比に見合うものである。「レミントン:製薬の科学及び実務(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)」(第21版, Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia, PA, 2005);「医薬賦形剤の手引き(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」(第5版, Roweら編, The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005);並びに「医薬添加剤の手引き(Handbook of Pharmaceutical Additives)」(第3版, Ash及びAsh編, Gower Publishing Company:2007);「医薬の予備処方及び処方(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」(第2版, Gibson編, CRC Press LLC:Boca Raton, FL, 2009)を参照されたい。
【0042】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「活性成分」及び「活性物質」という用語は、疾病、障害、又は疾患の1以上の症状を治療、予防し、又は寛解させるために、単独又は1種以上の医薬として許容し得る賦形剤と組み合わせて対象に投与される化合物を意味する。本明細書で使用する場合、「活性成分」及び「活性物質」は、本明細書に記載される化合物の光学活性異性体であり得る。
【0043】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「薬物」及び「治療剤」という用語は、疾病、障害、又は疾患の1以上の症状を治療、予防、管理し、又は寛解させるために対象に投与される化合物、又はその医薬組成物を意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合、特に指示しない限り、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」という用語は、疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障害と関連する1以上の症状の根絶又は寛解を意味する。一実施態様では、そのような症状は、治療すべき疾患又は障害と関連することが当業者に知られているものである。特定の実施態様では、該用語は、そのような疾患又は障害を有する対象への1種以上の予防剤又は治療剤の投与によってもたらされる、疾患又は障害の拡大又は悪化の最小化を意味する。いくつかの実施態様では、該用語は、他のさらなる活性剤の有無にかかわらず、特定の疾患の症状の発症後の、本明細書で提供される化合物の投与を意味する。
【0045】
本明細書で使用する場合、特に指示しない限り、「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防(prevention)」という用語は、疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障害と関連する1以上の症状の発症、再発、もしくは拡大の予防を意味する。一実施態様では、そのような症状は、治療すべき疾患又は障害と関連することが当業者に知られているものである。特定の実施態様では、該用語は、他のさらなる活性化合物の有無にかかわらず、症状の発症前の、特に本明細書で提供される疾患又は障害のリスクがある患者への、本明細書で提供される化合物による治療又は該化合物の投与を意味する。該用語は、特定の疾患の症状の阻害又は軽減を包含する。特に疾患の家族歴のある患者は、特定の実施態様における予防レジメンの候補である。さらに、症状再発の病歴を有する患者も、予防の潜在的候補である。この点で、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語と互換的に用いることができる。
【0046】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「管理する(manage)」、「管理する(managing)」、及び「管理(management)」という用語は、疾患もしくは障害、又は該疾患もしくは障害と関連する1以上の症状の進行、拡大、もしくは悪化の予防又は緩徐化を意味する。一実施態様では、そのような症状は、治療すべき疾患又は障害と関連することが当業者に知られているものである。多くの場合、予防剤及び/又は治療剤から対象が得る有益な効果は、該疾患又は障害の治癒をもたらさない。この点で、「管理」という用語は、該疾患の再発を予防又は最小化するための、特定の疾患に既に罹患したことがある患者の治療を包含する。
【0047】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、化合物の「治療的有効量」は、疾患もしくは障害の治療もしくは管理において治療的利益を与えるのに十分な量、又は該疾患もしくは障害と関連する1以上の症状を遅延又は最小化するのに十分な量である。化合物の治療的有効量は、該疾患又は障害の治療又は管理において治療的利益を与える、単独又は他の療法と組み合わせた治療剤の量を意味する。「治療的有効量」という用語は、治療全体を改善する量、疾患もしくは障害の症状もしくは原因を低減もしくは回避する量、又は別の治療剤の治療効力を増強する量を包含することができる。
【0048】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾患もしくは障害を予防するか、又はその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、該疾患の予防において予防的利益を与える、単独又は他の薬剤と組み合わせた治療剤の量を意味する。「予防的有効量」という用語は、予防全体を改善する量、又は別の予防剤の予防効力を増強する量を包含することができる。
【0049】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むが、これらに限定されない、哺乳動物などの動物を含むように本明細書で定義される。具体的な実施態様では、対象はヒトである。
【0050】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「神経障害」という用語は、哺乳動物の中枢神経系又は末梢神経系の任意の疾病を意味する。「神経障害」という用語は、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び筋萎縮性側索硬化症)、神経精神病(例えば、統合失調症、及び全般性不安障害などの不安神経症)、並びに情動障害(例えば、鬱病、双極性障害、躁状態、及び注意欠陥障害)を含むが、これらに限定されない。例示的な神経障害には、MLS(小脳性運動失調症)、ハンチントン病、ダウン症候群、多発梗塞性認知症、てんかん発作重積状態(status epilecticus)、挫傷(例えば、脊髄損傷及び頭部損傷)、ウイルス感染誘発性神経変性(例えば、AIDS、脳症)、てんかん、良性健忘、非開放性頭部損傷、睡眠障害、大鬱病性障害、気分変調症、季節性情動障害、認知症、運動障害、精神病、アルコール依存症、心的外傷後ストレス障害などが含まれるが、これらに限定されない。「神経障害」には、該障害と関連する任意の疾病も含まれる。例えば、神経変性障害を治療する方法は、神経変性障害と関連する記憶喪失及び/又は認知喪失を治療する方法を含む。例示的な方法は、神経変性障害に特徴的なニューロン機能の喪失の治療又は予防も含む。「神経障害」には、モノアミン(例えば、ノルエピネフリン)シグナル伝達経路に少なくとも部分的に関与する任意の疾患又は疾病(例えば、心血管疾患)も含まれる。
【0051】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「精神病」、「統合失調症」、「強迫性障害」、「薬物乱用」、「不安神経症」、「摂食障害」、「偏頭痛」、及び本明細書中の他の場所に記載されている他のCNS障害又は神経障害という用語は、当技術分野でのその認められた意味と一致する形で本明細書で用いられる。例えば、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版, American Psychiatric Association(1997年))(DSM-IV(商標)を参照されたい。
【0052】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「発作」という用語は、神経障害の1つを意味し、「痙攣」と互換的に用いることができるが、発作には多くの種類があり、そのいくつかは、痙攣でなく、軽微又は軽度の症状を有する。一実施態様では、本明細書で使用される「発作」という用語は、「痙攣」を包含することが意図される。いくつかの実施態様では、発作は、脳内での無秩序で突然の電気的活動によって起こり得る。いくつかの実施態様では、痙攣は、筋肉が収縮と弛緩を繰り返す、急速で制御不可能な震えである。特に明記しない限り、「痙攣」及び「発作」という用語は、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版, American Psychiatric Association(1997年))(DSM-IV(商標)に見られる認められた意味に準拠して本明細書で用いられる。
【0053】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「情動障害」という用語は、鬱病、注意欠陥障害、多動性を伴う注意欠陥障害、双極性障害、及び躁障害などを含む。
【0054】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「鬱病」という用語は、大鬱病性障害(MDD)又は単極性鬱障害、気分変調症、季節性情動障害(SAD)、及び双極性鬱障害を含むが、これらに限定されない、全ての形態の鬱病を含む。「大鬱病性障害」は、本明細書では、「単極性鬱病」、「単極性鬱障害」、及び「大鬱病」と互換的に用いられる。「鬱病」には、全ての形態の疲労(例えば、慢性疲労症候群)及び認知障害などの、鬱病と関連することが多い任意の疾病も含まれ得る。
【0055】
特に明記しない限り、「双極性障害」及び「躁障害」という用語は、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版, American Psychiatric Association(1997年))(DSM-IV(商標)に見られる認められた意味に準拠して本明細書で用いられる。
【0056】
特に明記しない限り、「注意欠陥障害」(ADD)、及び「多動性を伴う注意欠陥障害」(ADDH)又は「注意欠陥多動性障害」(ADHD)という用語は、「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」(第4版, American Psychiatric Association(1997年))(DSM-IV(商標)に見られる認められた意味に準拠して本明細書で用いられる。
【0057】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「疼痛」という用語は、不快な感覚体験及び感情体験を意味する。特に明記しない限り、本明細書で使用される「疼痛」という用語は、全ての範疇の疼痛を意味し、これには、刺激又は神経応答に関して記載される疼痛、例えば、体性痛(有害刺激に対する正常な神経応答)及び神経因性疼痛(明確な有害入力がないことが多い、損傷を受けた又は変化を受けた感覚経路の異常な応答);時間的に分類される疼痛、例えば、慢性疼痛及び急性疼痛;例えば、軽度、中等度、又は重度のような、その重症度に関して分類される疼痛;並びに疾患状態又は症候群の症状又は結果である疼痛、例えば、炎症性疼痛、癌性疼痛、AIDSの疼痛、関節症、偏頭痛、三叉神経痛、心臓虚血、及び糖尿病性末梢神経因性疼痛が含まれる(例えば、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれている、「ハリソン内科学原理(Harrison's Principles of Internal Medicine)」、93〜98ページ(Wilsonら編, 第12版, 1991年);Williamsらの文献(J. of Med. Chem. 42:1481-1485(1999))を参照されたい)。「疼痛」は、混合病因による疼痛、二重機構疼痛、異痛症、カウザルギー、中枢性疼痛、知覚過敏、痛感過敏、感覚異常、及び痛覚過敏を含むことも意図される。一実施態様では、「疼痛」という用語は、神経系の機能不全から生じる疼痛、すなわち、神経因性疼痛の臨床的特徴と、可能性のある一般的な病態生理学的機構とを併せ持つが、神経系の任意の部分における特定可能な病変によって引き起こされるのではない器質性疼痛状態を含む。
【0058】
特に明記しない限り、本明細書で使用される「体性痛」という用語は、損傷又は病気、例えば、外傷、火傷、感染、炎症、又は癌などの疾患過程などの有害刺激に対する正常な神経応答を意味し、皮膚痛(例えば、皮膚、筋肉、又は関節に由来するもの)と内臓痛(例えば、臓器に由来するもの)の両方を含む。
【0059】
特に明記しない限り、本明細書で使用される「神経因性疼痛」という用語は、神経系の損傷から生じる異質な神経学的状態の群を意味する。該用語は、末梢及び/又は中枢感覚経路の損傷又は機能不全、並びに神経系の機能不全から生じる疼痛も意味し、ここで、該疼痛は、明白な有害入力がなくても発生又は持続することが多い。これには、末梢性神経障害に関連する疼痛、及び中枢神経因性疼痛も含まれる。よく見られるタイプの末梢性神経因性疼痛としては、糖尿病性神経障害(糖尿病性末梢神経因性疼痛、又はDN、DPN、もしくはDPNPとも呼ばれる)、ヘルペス後神経痛(PHN)、及び三叉神経痛(TGN)が挙げられる。脳又は脊髄の損傷を含む中枢神経因性疼痛は、脳卒中、脊髄損傷の後に、及び多発性硬化症の結果として起こることがあり、これもまた、該用語に包含される。神経因性疼痛の定義に含まれることが意図される他のタイプの疼痛としては、神経因性癌性疼痛、HIV/AIDS誘発性疼痛、幻肢痛、及び複合性局所疼痛症候群が挙げられるが、これらに限定されない。特に明記しない限り、該用語は、感覚喪失、異痛症(非有毒な刺激が生み出す疼痛)、痛覚過敏、並びに痛感過敏(遅延性の知覚、加重、及び有痛性の残感覚)を含むが、これらに限定されない、神経因性疼痛の一般的な臨床的特徴も包含する。疼痛は、例えば、機械的脊椎痛と神経根症又は脊髄症のように、侵害受容性タイプと神経因性タイプの組合せであることが多い。
【0060】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「急性疼痛」という用語は、典型的には侵襲性の処置、外傷、及び疾患と関連する有毒な化学的、熱的、又は機械的刺激に対する、正常な、予測される生理的応答を意味する。それは、通常、時限的であり、組織損傷の恐れがあり、かつ/又は組織損傷をもたらす刺激に対する適切な応答とみなすことができる。該用語は、短い期間又は突然の発症によって特徴付けられる疼痛も意味する。
【0061】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「慢性疼痛」という用語は、広範囲の障害、例えば、外傷、悪性腫瘍、及び関節リウマチなどの慢性炎症性疾患で起こる疼痛を包含する。慢性疼痛は、約6カ月よりも長く持続することがある。さらに、慢性疼痛の強度は、有毒刺激又は基礎過程の強度と不釣り合いであることがある。該用語は、慢性障害と関連する疼痛、又は基礎障害の消散もしくは損傷の治癒を過ぎても持続し、かつ多くの場合、該基礎過程から予測されるよりも強い疼痛も意味する。それは、頻繁に再発しやすい。
【0062】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「炎症性疼痛」という用語は、組織の損傷及びその結果として生じる炎症過程に応答した疼痛である。炎症性疼痛は、それが治癒を促進する生理的応答を誘発する点で適応性である。しかしながら、炎症は、ニューロン機能に影響を及ぼすこともある。COX2酵素により誘導されるPGE2、ブラジキニン、及びその他の物質をはじめとする炎症メディエーターは、痛みを伝達するニューロン表面の受容体に結合してその機能を変え、その興奮性を高め、それにより痛覚を増大させる。慢性疼痛の多くが炎症成分を有する。該用語は、炎症又は免疫系障害の症状又は結果として生じる疼痛も意味する。
【0063】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「内臓痛」という用語は、内臓に位置する疼痛を意味する。
【0064】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「混合病因による疼痛」という用語は、炎症性成分と神経因性成分の両方を含む疼痛を意味する。
【0065】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「二重機構疼痛」という用語は、末梢性感作と中枢性感作の両方により増幅及び維持される疼痛を意味する。
【0066】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「カウザルギー」という用語は、外傷性神経損傷後の持続性の灼熱痛、異痛症、及び痛感過敏の症候群を意味し、血管運動機能不全及び発汗機能不全、並びに後に起こる栄養変化を併発することが多い。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「中枢性疼痛」という用語は、中枢神経系の一次損傷又は機能不全によって引き起こされる疼痛を意味する。
【0067】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「知覚過敏」という用語は、特殊感覚を除き、刺激に対する感受性の増加を意味する。
【0068】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「痛感過敏」という用語は、刺激、特に反復性の刺激に対する異常な有痛性反応、及び閾値の上昇を特徴とする有痛症候群を意味する。それは、異痛症、知覚過敏、痛覚過敏、又は感覚異常とともに起こることがある。
【0069】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「感覚異常」という用語は、自発性か誘発性かを問わず、不快な異常感覚を意味する。特定の実施態様では、感覚異常には、痛覚過敏及び異痛症が含まれる。
【0070】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「痛覚過敏」という用語は、通常有痛性である刺激に対する増大した応答を意味する。それは、閾上刺激に対する増大した疼痛を反映する。
【0071】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「異痛症」という用語は、通常は疼痛を引き起こさない刺激による疼痛を意味する。
【0072】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、糖尿病性神経障害、DN、又は糖尿病性末梢神経障害とも呼ばれる「糖尿病性末梢神経因性疼痛」(DPNP)という用語は、真性糖尿病と関連する神経障害によって引き起こされる慢性疼痛を意味する。DPNPの典型的な症状は、「灼熱痛」又は「電撃痛」としてだけでなく、重度のうずく痛みとしても説明することができる脚の疼痛又は刺痛である。稀にではあるが、患者は、該疼痛を、痒み、引き裂くような痛みとして、又は歯痛のように説明することがある。該疼痛は、異痛症及び痛覚過敏を伴うことがあり、しびれなどの症状がないこともある。
【0073】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「帯状疱疹後神経痛」(PHN)とも呼ばれる「ヘルペス後神経痛」という用語は、神経線維及び皮膚を冒す有痛性の疾病を意味する。特定の理論によって限定されるものではないが、それは帯状疱疹の合併症であり、最初に水痘を生じさせる水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の第2の発病である。
【0074】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「神経因性癌性疼痛」という用語は癌の結果としての末梢神経因性疼痛を意味し、腫瘍による神経の浸潤又は圧迫によって直接起こることも、放射線療法及び化学療法などの癌の治療によって間接的に起こる(化学療法誘発性神経障害)こともある。
【0075】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「HIV/AIDS末梢神経障害」又は「HIV/AIDS関連神経障害」という用語は、急性又は慢性の炎症性脱髄性神経障害(それぞれ、AIDP及びCIDP)などの、HIV/AIDSによって引き起こされる末梢神経障害、並びにHIV/AIDSの治療に用いられる薬物の副作用として生じる末梢神経障害を意味する。
【0076】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「幻肢痛」という用語は、切断された肢のあった箇所から来るように感じられる疼痛を意味する。幻肢痛は、麻痺の後(例えば、脊髄損傷後)の肢に起こることもある。「幻肢痛」は、通常、慢性の性質である。
【0077】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「三叉神経痛」(TN)という用語は、神経の枝が分布している顔の部分(唇、目、鼻、頭皮、額、上顎、及び下顎)に、強い、刺すような電撃様の痛みの発現を引き起こす、第5脳神経(三叉神経)の障害を意味する。それは「自殺病」としても知られる。
【0078】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「反射性交感神経性ジストロフィー」(RSD)としてかつて知られていた「複合性局所疼痛症候群」(CRPS)という用語は、時間経過とともに好転することなく、むしろ悪化する、損傷の重症度と釣り合わない連続した強い痛みが主な症状である慢性疼痛状態を意味する。該用語は、末梢神経以外の組織損傷によって引き起こされる疾病を含む1型CRPS、及び重大な神経損傷によって症状が誘発され、カウザルギーと呼ばれることもある2型CRPSを包含する。
【0079】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「線維筋痛症」という用語は、疲労及び様々な他の症状を伴う、びまん性又は特異的な筋肉、関節、又は骨の痛みを特徴とする慢性疾病を意味する。かつて、線維筋痛症は、線維炎、慢性筋肉痛症候群、心因性リウマチ、及び緊張性筋肉痛などの他の名前で知られていた。
【0080】
B.化合物
一実施態様では、式(I)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
X及びYのうちの一方はOであり、かつもう一方はCH2であるか;又はX及びYは両方ともCH2であり;
Z1、Z2、及びZ3のうちの1つはSであり;かつ(i)Z1、Z2、及びZ3のうちの2つはCであるか;又は(ii)Z1、Z2、及びZ3のうちの1つはCであり、かつZ1、Z2、及びZ3のうちの1つはNであり;
R1及びR2は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R8(式中、R8は、その各々が任意に置換されている、SO2アルキルもしくはSO2アリールである)であるか;又は(iii)R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R3及びR4は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成するか;又は(iv)R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4は(i)もしくは(ii)であるか;又は(v)R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、R1及び/又はR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾリルもしくはチアゾリル)を形成し、;
R5は、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキルであるか;又は(ii)-(CH2)p-R10(式中、R10は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R5及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R6及びR7は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、ハロ、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R11(式中、R11は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シクロアルコキシル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルである)であるか;又は(iii)R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクリル環を形成し;但し、Z1、Z2、及びZ3のうちの1つがNであるとき、R7は存在せず;
mは、0、1、又は2であり;
nは、0、1、又は2であり;かつ
pの各々の出現は、独立に、0、1、又は2である。
【0081】
一実施態様では、本明細書中の他の場所で定義されているような式(I)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を提供する。
式中、
X及びYのうちの一方はOであり、かつもう一方はCH2であるか;又はX及びYは両方ともCH2であり;
Z1、Z2、及びZ3のうちの2つはCであり、かつZ1、Z2、及びZ3のうちの1つはSであり;
R1及びR2は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R8(式中、R8は、その各々が任意に置換されている、SO2アルキルもしくはSO2アリールである)であるか;又は(iii)R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R3及びR4は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキルである)であるか;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成するか;又は(iv)R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4は(i)もしくは(ii)であるか;又は(v)R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、R1及び/又はR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾリルもしくはチアゾリル)を形成し;
R5は、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキルであるか;又は(ii)-(CH2)p-R10(式中、R10は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R5及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R6及びR7は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、ハロ、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R11(式中、R11は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シクロアルコキシル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルである)であるか;又は(iii)R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクリル環を形成し;
mは、0、1、又は2であり;
nは、0、1、又は2であり;かつ
pの各々の出現は、独立に、0、1、又は2である。
【0082】
一実施態様では、XはOであり、かつYはCH2である。一実施態様では、XはCH2であり、かつYはOである。一実施態様では、X及びYは両方ともCH2である。
【0083】
一実施態様では、Z1はSである。一実施態様では、Z2はSである。一実施態様では、Z3はSである。一実施態様では、Z1及びZ2はCであり、かつZ3はSである。一実施態様では、Z1及びZ3はCであり、かつZ2はSである。一実施態様では、Z2及びZ3はCであり、かつZ1はSである。一実施態様では、Z1はNであり、Z2はCであり、かつZ3はSである。一実施態様では、Z1はCであり、Z2はNであり、かつZ3はSである。一実施態様では、Z1はNであり、Z2はSであり、かつZ3はCである。一実施態様では、Z1はCであり、Z2はSであり、かつZ3はNである。一実施態様では、Z1はSであり、Z2はNであり、かつZ3はCである。一実施態様では、Z1はSであり、Z2はCであり、かつZ3はNである。一実施態様では、Z1、Z2、及びZ3のうちの1つがNであるとき、R7は存在せず、かつR6は炭素環原子を置換する。
【0084】
一実施態様では、R1は水素である。一実施態様では、R1は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R1はアルキルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R1はアルコキシルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R1はアミノアルキルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R1はアルケニルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R1はアルキニルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R1はシクロアルキルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R1はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R1はアリールである。一実施態様では、R1は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R1はアラルキルである。一実施態様では、R1は-(CH2)p-SO2アルキルであり、ここで、該アルキルは任意に置換されている。一実施態様では、R1は-(CH2)p-SO2アルキルである。一実施態様では、R1は-(CH2)p-SO2アリールであり、ここで、該アリールは任意に置換されている。一実施態様では、R1は-(CH2)p-SO2アリールである。一実施態様では、R1は、その各々が任意にさらに置換されている-SO2アルキル又は-SO2アリールで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、R1は、-SO2アルキル又は-SO2アリールで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0085】
一実施態様では、R2は水素である。一実施態様では、R2は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R2はアルキルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R2はアルコキシルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R2はアミノアルキルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R2はアルケニルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R2はアルキニルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R2はシクロアルキルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R2はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R2はアリールである。一実施態様では、R2は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R2はアラルキルである。一実施態様では、R2は-(CH2)p-SO2アルキルであり、ここで、該アルキルは任意に置換されている。一実施態様では、R2は-(CH2)p-SO2アルキルである。一実施態様では、R2は-(CH2)p-SO2アリールであり、ここで、該アリールは任意に置換されている。一実施態様では、R2は-(CH2)p-SO2アリールである。一実施態様では、R2は、その各々が任意にさらに置換されている-SO2アルキル又は-SO2アリールで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、R2は、-SO2アルキル又は-SO2アリールで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0086】
一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、ヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、ヘテロアリールを形成する。
【0087】
一実施態様では、R3及びR4は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成するか;又は(iv)R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4は(i)もしくは(ii)であるか;又は(v)R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及びそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾリル)を形成する。
【0088】
一実施態様では、R3は水素である。一実施態様では、R3は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R3はアルキルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R3はアルコキシルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R3はアミノアルキルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R3はアルケニルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R3はアルキニルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R3はシクロアルキルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R3はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R3はアリールである。一実施態様では、R3は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R3はアラルキルである。一実施態様では、R3は-(CH2)p-CF3である。一実施態様では、R3は-(CH2)p-CNである。一実施態様では、R3は-(CH2)p-ニトロである。一実施態様では、R3は-(CH2)p-アミノであり、ここで、該アミノは任意に置換されている。一実施態様では、R3は-(CH2)p-アミノである。一実施態様では、R3は-(CH2)p-ヒドロキシルであり、ここで、該ヒドロキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R3は-(CH2)p-ヒドロキシルである。一実施態様では、R3は-(CH2)p-シクロアルコキシルであり、ここで、該シクロアルコキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R3は-(CH2)p-シクロアルコキシルである。一実施態様では、R3は、その各々が任意にさらに置換されているCF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、R3は、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0089】
一実施態様では、R4は水素である。一実施態様では、R4は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R4はアルキルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R4はアルコキシルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R4はアミノアルキルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R4はアルケニルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R4はアルキニルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R4はシクロアルキルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R4はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R4はアリールである。一実施態様では、R4は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R4はアラルキルである。一実施態様では、R4は-(CH2)p-CF3である。一実施態様では、R4は-(CH2)p-CNである。一実施態様では、R4は-(CH2)p-ニトロである。一実施態様では、R4は-(CH2)p-はアミノであり、ここで、該アミノは任意に置換されている。一実施態様では、R4は-(CH2)p-アミノである。一実施態様では、R4は-(CH2)p-ヒドロキシルであり、ここで、該ヒドロキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R4は-(CH2)p-ヒドロキシルである。一実施態様では、R4は-(CH2)p-シクロアルコキシルであり、ここで、該シクロアルコキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R4は-(CH2)p-シクロアルコキシルである。一実施態様では、R4は、その各々が任意にさらに置換されているCF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、R4は、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0090】
一実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルを形成する。一実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、シクロアルキルを形成する。一実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、ヘテロシクリルを形成する。
【0091】
一実施態様では、R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4は、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)である。一実施態様では、R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、ヘテロシクリルを形成し、かつR4は、(i)水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルである)である。
【0092】
一実施態様では、R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及びそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾール)を形成する。当業者であれば、R3及びR4が一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及びそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成するとき、この実施態様は、以下のようにも記載し得ることを理解するであろう:R3及びR4のうちの一方は存在せず、かつR3及びR4のうちのもう一方は、R1及びそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾール)を形成し、これは、R2(例えば、環窒素原子上の置換基)で置換されている。一実施態様では、R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及びそれらが結合している原子とともに、ヘテロアリールを形成する。ヘテロアリールの例としては、イミダゾリル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、又はインダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様では、R1及びR2も組み合わされて、二重結合を形成し、かつR3及びR4並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、チアゾール)を形成する。当業者であれば、R1及びR2も組み合わされて、二重結合を形成し、かつR3及びR4並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成するとき、この実施態様は以下のようにも記載し得ることを理解するであろう:R3及びR4のうちの一方は存在せず、R1及びR2のうちの一方は存在せず、かつR3及びR4のうちのもう一方は、R1及びR2のうちのもう一方並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、チアゾール)を形成する。いくつかの実施態様では、R1及びR2も組み合わされて、二重結合を形成し、かつR3及びR4並びにそれらが結合している原子とともに、ヘテロアリールを形成する。ヘテロアリールの例としては、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、又はベンゾオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、R1、R2、R3、及びR4は、それらが結合している原子とともに組み合わされて、任意に置換されたヘテロアリール(例えば、イミダゾール又はチアゾール)を形成する。
【0093】
一実施態様では、R5は水素である。一実施態様では、R5は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R5はアルキルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R5はアルコキシルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R5はアミノアルキルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R5はアルケニルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R5はアルキニルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R5はシクロアルキルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R5はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R5はアリールである。一実施態様では、R5は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R5はアラルキルである。一実施態様では、R5は-(CH2)p-CF3である。一実施態様では、R5は-(CH2)p-CNである。一実施態様では、R5は-(CH2)p-ニトロである。一実施態様では、R5は-(CH2)p-はアミノであり、ここで、該アミノは任意に置換されている。一実施態様では、R5は-(CH2)p-アミノである。一実施態様では、R5は-(CH2)p-ヒドロキシルであり、ここで、該ヒドロキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R5は-(CH2)p-ヒドロキシルである。一実施態様では、R5は-(CH2)p-シクロアルコキシルであり、ここで、該シクロアルコキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R5は-(CH2)p-シクロアルコキシルである。一実施態様では、R5は、その各々が任意にさらに置換されているCF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、R5は、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、又はシクロアルコキシルで任意に置換されたC1-C4アルキルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0094】
一実施態様では、R5及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R5及びR1は、それらが結合している原子とともに、ヘテロシクリルを形成する。
【0095】
一実施態様では、R6は水素である。一実施態様では、R6はハロである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R6はアルキルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R6はアルコキシルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R6はアミノアルキルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R6はアルケニルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R6はアルキニルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R6はシクロアルキルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R6はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R6はアリールである。一実施態様では、R6は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R6はアラルキルである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-CF3である。一実施態様では、R6は-(CH2)p-CNである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ニトロである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-はアミノであり、ここで、該アミノは任意に置換されている。一実施態様では、R6は-(CH2)p-アミノである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヒドロキシルであり、ここで、該ヒドロキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヒドロキシルである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-シクロアルコキシルであり、ここで、該シクロアルコキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R6は-(CH2)p-シクロアルコキシルである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは任意に置換されている。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヘテロアリールである。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは任意に置換されている。一実施態様では、R6は-(CH2)p-ヘテロシクリルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0096】
一実施態様では、R7は水素である。一実施態様では、R7はハロである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアルキルである。一実施態様では、R7はアルキルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアルコキシルである。一実施態様では、R7はアルコキシルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアミノアルキルである。一実施態様では、R7はアミノアルキルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアルケニルである。一実施態様では、R7はアルケニルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアルキニルである。一実施態様では、R7はアルキニルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたシクロアルキルである。一実施態様では、R7はシクロアルキルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R7はシクロアルキルアルキルである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアリールである。一実施態様では、R7はアリールである。一実施態様では、R7は任意に置換されたアラルキルである。一実施態様では、R7はアラルキルである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-CF3である。一実施態様では、R7は-(CH2)p-CNである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ニトロである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-はアミノであり、ここで、該アミノは任意に置換されている。一実施態様では、R7は-(CH2)p-アミノである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヒドロキシルであり、ここで、該ヒドロキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヒドロキシルである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-シクロアルコキシルであり、ここで、該シクロアルコキシルは任意に置換されている。一実施態様では、R7は-(CH2)p-シクロアルコキシルである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは任意に置換されている。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヘテロアリールである。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヘテロシクリルであり、ここで、該ヘテロシクリルは任意に置換されている。一実施態様では、R7は-(CH2)p-ヘテロシクリルである。一実施態様では、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキルは、1以上のハロで任意に置換されている。
【0097】
一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリールを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、アリールを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、ヘテロアリールを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換された部分飽和シクロアルキルを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、部分飽和シクロアルキルを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、ヘテロシクリルを形成する。
【0098】
一実施態様では、mは0である。一実施態様では、mは1である。一実施態様では、mは2である。
【0099】
一実施態様では、nは0である。一実施態様では、nは1である。一実施態様では、nは2である。
【0100】
一実施態様では、pは0である。一実施態様では、pは1である。一実施態様では、pは2である。
【0101】
一実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6のうちの少なくとも1つは、(例えば、R7が存在しないとき)水素ではない。一実施態様では、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R1、R2、R3、R4、及びR6のうちの少なくとも1つは、(例えば、R7が存在しないとき)水素ではない。一実施態様では、R1及びR2のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R3及びR4のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R6及びR7のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R5が水素でないとき、R1、R2、R3、R4、R6、及びR7のうちの少なくとも1つは水素ではない。一実施態様では、R5が水素でないとき、R1、R2、R3、R4、及びR6のうちの少なくとも1つは、(例えば、R7が存在しないとき)水素ではない。一実施態様では、R5はヒドロキシルではない。一実施態様では、R5は、置換ヒドロキシル(例えば、アルコキシル)ではない。一実施態様では、R5はアルキルではない。一実施態様では、R5はメチルではない。
【0102】
一実施態様では、R1及びR2は、任意に置換されたアシルではない。一実施態様では、R6及びR7は、任意に置換されたアミドではない。一実施態様では、R11は、任意に置換されたアミドではない。一実施態様では、R6及びR7は、任意に置換されたアシルではない。一実施態様では、R11は、任意に置換されたアシルではない。
【0103】
一実施態様では、X及びYがCH2であるとき、R3及びR4は、R1又はR2及びそれらが結合している原子とともに組み合わされて、環(例えば、イミダゾール又はイミダゾリン)を形成することがない。一実施態様では、X及びYがCH2であるとき、R3及びR4は、R1及びR2並びにそれらが結合している原子とともに組み合わされて、環(例えば、チアゾール)を形成することがない。
【0104】
一実施態様では、X及びYがCH2であるとき、R1(又はR2)及びR5は、それらが結合している原子とともに組み合わされて、環(例えば、ピロリジン又はアゼチジン)を形成することがない。
【0105】
一実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR7のいずれか1つがアルキル又はシクロアルキルであるとき、該アルキル又はシクロアルキルは、1以上のハロ(例えば、フルオロ)で任意に置換されている。
【0106】
X、Y、Z1、Z2、Z3、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、n、及びpの組合せはいずれも、本開示によって包含され、かつ本明細書で具体的に提供される。
【0107】
一実施態様では、式(IIa)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化3】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0108】
一実施態様では、mは0又は1である。一実施態様では、nは1又は2である。一実施態様では、mは0であり、かつnは1である。一実施態様では、nは0又は1である。一実施態様では、nは0である。
【0109】
一実施態様では、R5は水素である。
【0110】
一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、C1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))、又はC3-C6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又はC1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、C1-C4アルキルであり、ここで、該アルキル中の1以上の水素は、重水素(例えば、CD3)と置換されている。
【0111】
一実施態様では、R3及びR4は、水素、又はC1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))である。一実施態様では、R3及びR4は水素である。
【0112】
一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、その各々が任意に置換されている、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、C1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、もしくはCF3)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、もしくはモルフォリニル)、アルコキシル(例えば、OMe)、又はアミノアルキル(例えば、NMe2)である。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、ハロ、C1-C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシル、又はアミノアルキルである。一実施態様では、該C1-C4アルキルは、1以上のフルオロで任意に置換されている。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、フルオロ、クロロ、メチル、CF3、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、ピリジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、メトキシル、又はジメチルアミノである。
【0113】
具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化4】
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【0114】
一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、その各々が任意に置換されているヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、ヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する。例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、モルフォリニル、イミダゾリル、ピペラジニル、及びN-メチル-ピペラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化5】
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【0115】
一実施態様では、R1及びR3は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル環(例えば、ピロリジン、例えば、非置換ピロリジン及びN-メチル-ピロリジンを含む)を形成する。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化6】
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【0116】
一実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している原子とともに、その各々が任意に置換されている、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシル)環、又はヘテロシクリル(例えば、テトラヒドロフラニル)環を形成する。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化7】
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【0117】
一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、(例えば、1以上のハロ又はフェニルで)その各々が任意に置換されている、アリール(例えば、フェニル)環又はシクロアルキル(例えば、5員、6員、もしくは7員)環を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリールを形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、アリールを形成する。例としては、フェニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化8】
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【0118】
一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、ヘテロシクリルを形成する。例としては、ピロリジニル及びピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化9】
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【0119】
一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピペリジニル)を形成し、かつR6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)を形成する。一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、ヘテロシクリルを形成し、かつR6及びR7は、それらが結合している原子とともに、アリールを形成する。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化10】
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【0120】
一実施態様では、mは0であり、かつR3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、R1及び/又はR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成する。一実施態様では、該ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む。例としては、イミダゾリル、ピラゾリル、又はチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化11】
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【0121】
一実施態様では、mは1である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化12】
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【0122】
一実施態様では、nは2である。一実施態様では、R1、R2、R6、及びR7は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化13】
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【0123】
一実施態様では、R5はアルキルである。一実施態様では、R5はC1-C4アルキルである。一実施態様では、R5はメチルである。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化14】
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【0124】
一実施態様では、式(IIb)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化15】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0125】
一実施態様では、式(IIc)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化16】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0126】
一実施態様では、R5はOHである。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化17】
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【0127】
一実施態様では、R5は水素である。
【0128】
一実施態様では、nは0である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化18】
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【0129】
一実施態様では、nは1である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピペリジニル)を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化19】
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【0130】
一実施態様では、式(IIIa)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化20】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0131】
一実施態様では、R1、R2、R6、及びR7は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化21】
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【0132】
一実施態様では、式(IIIb)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化22】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0133】
一実施態様では、式(IIIc)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化23】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0134】
一実施態様では、式(IVa)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化24】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0135】
一実施態様では、mは0又は1である。一実施態様では、nは1又は2である。一実施態様では、mは0であり、かつnは1である。一実施態様では、nは0又は1である。一実施態様では、nは0である。
【0136】
一実施態様では、R5は水素である。
【0137】
一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、C1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))、又はC3-C6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又はC1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、C1-C4アルキルであり、ここで、該アルキル中の1以上の水素は、重水素(例えば、CD3)と置換されている。
【0138】
一実施態様では、R3及びR4は、水素、又はC1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、もしくはプロピル(例えば、n-プロピルもしくはi-プロピル))である。一実施態様では、R3及びR4は水素である。
【0139】
一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、その各々が任意に置換されている、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、C1-C4アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、もしくはCF3)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、もしくはモルフォリニル)、アルコキシル(例えば、OMe)、又はアミノアルキル(例えば、NMe2)である。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、ハロ、C1-C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルコキシル、又はアミノアルキルである。一実施態様では、該C1-C4アルキルは、1以上のフルオロで任意に置換されている。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、フルオロ、クロロ、メチル、CF3、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、ピリジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルフォリニル、メトキシル、又はジメチルアミノである。
【0140】
具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化25】
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【0141】
一実施態様では、mは1である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化26】
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【0142】
一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、その各々が任意に置換されているヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成する。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル又はピペリジニル)を形成する。例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、モルフォリニル、イミダゾリル、ピペラジニル、及びN-メチル-ピペラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化27】
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【0143】
一実施態様では、R1及びR3は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル環(例えば、ピロリジン、例えば、非置換ピロリジン及びN-メチル-ピロリジンを含む)を形成する。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化28】
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【0144】
一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成する。例としては、ピロリジニル及びピペリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化29】
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【0145】
一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、(例えば、1以上のハロ又はフェニルで)その各々が任意に置換されている、アリール(例えば、フェニル)環又はシクロアルキル(例えば、5員、6員、もしくは7員)環を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリールを形成する。例としては、フェニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化30】
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【0146】
一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)を形成し、かつR6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリール(例えば、フェニル)を形成する。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化31】
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【0147】
一実施態様では、mは0であり、かつR3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、R1及び/又はR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成する。一実施態様では、該ヘテロアリールは、N、O、及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む。例としては、イミダゾリル、ピラゾリル、又はチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化32】
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【0148】
一実施態様では、式(IVb)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化33】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0149】
一実施態様では、式(IVc)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化34】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。
【0150】
一実施態様では、nは0である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化35】
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【0151】
一実施態様では、nは1である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R1及びR2は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピペリジニル)を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化36】
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【0152】
一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、(例えば、1以上のハロ又はフェニルで)その各々が任意に置換されている、アリール(例えば、フェニル)環又はシクロアルキル(例えば、5員、6員、もしくは7員)環を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリールを形成する。例としては、フェニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化37】
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【0153】
一実施態様では、式(V)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化38】
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式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Z1、Z3、X、Y、m、及びnは、本明細書中の他の場所で定義したものである。一実施態様では、Z1はNであり、かつZ3はSである。一実施態様では、Z1はSであり、かつZ3はNである。一実施態様では、X及びYはCH2である。一実施態様では、mは0であり、かつnは1である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R3、R4、及びR5は水素である。一実施態様では、R6は、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)、又は任意に置換されたアミノ(例えば、アミノアルキル、例えば、メチルアミノ)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化39】
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【0154】
一実施態様では、式(VI)の化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を本明細書で提供する。
【化40】
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式中、Z1、Z2、及びZ3のうちの2つはCであり、かつZ1、Z2、及びZ3のうちの1つはSであり;
R1及びR2は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R8(式中、R8は、その各々が任意に置換されている、SO2アルキルもしくはSO2アリールである)であるか;又は(iii)R1及びR2は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルもしくはヘテロアリールを形成し;
R3及びR4は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R9(式中、R9は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R3及びR4は、それらが結合している炭素原子とともに、任意に置換されたシクロアルキルもしくはヘテロシクリルを形成するか;又は(iv)R3及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、かつR4は(i)もしくは(ii)であるか;又は(v)R3及びR4は一緒に組み合わされて、二重結合を形成し、かつR1及び/もしくはR2並びにそれらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロアリールを形成し;
R5は、(i)その各々が任意に置換されている、水素、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R10(式中、R10は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはシクロアルコキシルである)であるか;又は(iii)R5及びR1は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し;
R6及びR7は、各々独立に、(i)その各々が任意に置換されている、水素、ハロ、アルキル、アルコキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくはアラルキル;又は(ii)-(CH2)p-R11(式中、R11は、その各々が任意に置換されている、CF3、CN、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、シクロアルコキシル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリルである)であるか;又は(iii)R6及びR7は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクリル環を形成し;かつ
mは、0、1、又は2であり;
pの各々の出現は、独立に、0、1、又は2である。
【0155】
一実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Z1、Z2、Z3、及びmは、本明細書中の他の場所で定義したものである。一実施態様では、Z1及びZ2はCであり、かつZ3はSである。一実施態様では、Z1はSであり、かつZ2及びZ3はCである。一実施態様では、mは0である。一実施態様では、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。一実施態様では、R3及びR4は水素である。一実施態様では、R5は水素である。一実施態様では、R1及びR5は、それらが結合している原子とともに、任意に置換されたヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル)を形成する。一実施態様では、R6及びR7は、各々独立に、水素、ハロ(例えば、FもしくはCl)、又は任意に置換されたC1-C4アルキル(例えば、メチルもしくはエチル)である。具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化41】
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【0156】
描かれた構造とその構造に与えられた化学名との間に矛盾がある場合、描かれた構造がより重視されることに留意すべきである。さらに、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又は該構造の一部は、その全ての立体異性体又はそれらの混合物を包含するものと解釈すべきである。本明細書で提供される化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含む場合、該化合物は、幾何的なシス/トランス(もしくはZ/E)異性体のうちの1つ又は該異性体の混合物として存在し得る。構造異性体が相互変換可能である場合、該化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば、イミノ、ケト、もしくはオキシム基を含む化合物では、プロトン互変異性;又は、例えば、芳香族部分を含む化合物では、いわゆる、原子価互変異性の形を取ることができる。したがって、単一の化合物が2種類以上の異性を示し得るということになる。
【0157】
本明細書で提供される化合物は、単一のエナンチオマーもしくは単一のジアステレオマーのように、エナンチオマー的に純粋もしくはジアステレオマー的に純粋であってもよく、又はエナンチオマー及び/もしくはジアステレオマーの混合物、例えば、2つのエナンチオマーのラセミ混合物もしくはエナンチオ濃縮された混合物;もしくは2以上のジアステレオマーの混合物のような、立体異性体混合物であってもよい。場合により、インビボでエピマー化を受ける化合物について、当業者であれば、その(R)形態の化合物の投与は、その(S)形態の化合物の投与と等価であり、かつ逆もまた同じであることを認識するであろう。個々のエナンチオマー又はジアステレオマーの調製/単離のための従来技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラルな出発材料からの不斉合成、又は例えば、キラルクロマトグラフィー、再結晶化、分割、ジアステレオマー塩形成、もしくはジアステレオマー付加物への誘導体化と、その後の分離によるステレオマー混合物の分割が挙げられる。
【0158】
本明細書で提供される化合物が酸性又は塩基性部分を含む場合、それを医薬として許容し得る塩として提供することもできる(Bergeらの文献(J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19);並びに「医薬の塩、特性、及び使用の手引き(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」(Stahl及びWermuth編;Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002)を参照されたい)。
【0159】
医薬として許容し得る塩の調製に用いられる好適な酸としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、ショウノウ酸、(+)-ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、D-グルコン酸、グルクロン酸、D-グルクロン酸、グルタミン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イソエトン酸(isoethonic acid);(+)-L-乳酸,(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、過塩素酸、リン酸、ピログルタミン酸、ピログルタミン酸、L-ピログルタミン酸、サッカリン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
医薬として許容し得る塩の調製に用いられる好適な塩基としては、無機塩基、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、又はアンモニア;並びに有機塩基、例えば、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リジン、モルフォリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルフォリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、二級アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、及びトロメタミンをはじめとする、一級、二級、三級、及び四級の脂肪族及び芳香族アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
特に明記しない限り、例えば、式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、又は(VI)の化合物のような、本明細書で言及される「化合物」という用語は、以下のうちの1つ以上を包含することが意図される:該化合物の遊離塩基もしくはその塩、立体異性体もしくは2以上の立体異性体の混合物、固体形態(例えば、結晶形態もしくは非晶質形態)もしくはその2以上の固体形態の混合物、又はその溶媒和物(例えば、水和物)。特定の実施態様では、本明細書で言及される「化合物」という用語は、遊離塩基、医薬として許容し得る塩、立体異性体もしくは2以上の立体異性体の混合物、固体形態(例えば、結晶形態もしくは非晶質形態)もしくは2以上の固体形態の混合物、溶媒和物(例えば、水和物)、又はその共結晶を含むが、これらに限定されない、該化合物の医薬として許容し得る形態を包含することが意図される。一実施態様では、例えば、式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、又は(VI)の化合物のような、本明細書で言及される「化合物」という用語は、その溶媒和物(例えば、水和物)を包含することが意図される。
【0162】
本明細書で提供される化合物は、例えば、式(I)の化合物の機能的誘導体であり、かつインビボで親化合物へと容易に変換されるプロドラッグとして提供することもできる。場合によっては、親化合物よりも投与しやすいので、プロドラッグは有用であることが多い。例えば、プロドラッグが経口投与によって生体利用可能であり得るのに対し、親化合物はそうではない。プロドラッグは、親化合物よりも医薬組成物中で高い溶解度を有する場合もある。プロドラッグは、酵素的過程及び代謝的加水分解を含む、様々な機構によって親薬物へと変換され得る。Harperの文献(Progress in Drug Research 1962, 4, 221-294);「プロドラッグ及び類似体による生物薬剤学的特性の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs)」(Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1977)におけるMorozowichらの文献;「薬物の設計、理論、及び用途における薬物中の生体可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)」(Roche編, APHA Acad. Pharm. Sci. 1987);「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(Bundgaard, Elsevier, 1985);Wangらの文献(Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287);Paulettiらの文献(Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256);Mizenらの文献(Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365);Gaignaultらの文献(Pract. Med. Chem. 1996, 671-696);「医薬システムにおける輸送プロセス(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」(Amidonら編, Marcell Dekker, 185-218, 2000)におけるAsgharnejadの文献;Balantらの文献(Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53);Balimane及びSinkoの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209);Browneの文献(Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12);Bundgaardの文献(Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39);Bundgaardの文献(Controlled Drug Delivery 1987, 17, 179-96);Bundgaardの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38);Fleisherらの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130);Fleisherらの文献(Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381);Farquharらの文献(J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325);Freemanらの文献(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877);Friis及びBundgaardの文献(Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59);Gangwarらの文献(Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421);Nathwani及びWoodの文献(Drugs 1993, 45, 866-94);Sinhababu及びThakkerの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273);Stellaらの文献(Drugs 1985, 29, 455-73);Tanらの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151);Taylorの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148);Valentino及びBorchardtの文献(Drug Discovery Today 1997, 2, 148-155);Wiebe及びKnausの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80);並びにWallerらの文献(Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507)を参照されたい。
【0163】
C.合成スキーム
以下のスキームは、本明細書で提供される化合物の調製のための例示的な合成方法を提供する。当業者であれば、同様の方法を用いて、本明細書で提供される化合物を調製することができることを理解するであろう。言い換えると、当業者であれば、試薬、保護基、反応条件、及び反応シーケンスの好適な調整を用いて、所望の実施態様を調製することができることを認識するであろう。反応は、調製すべき材料の量に合わせてスケールを上下させることができる。
【0164】
一実施態様では、式(I)の化合物を、当技術分野で公知の及び/又は市販供給源から入手可能な好適な出発材料を用いて、スキーム1〜3に従って調製することができる。一実施態様では、スキーム1〜3のヒドロキシアルキルチオフェン出発材料は公知であるか、又は市販化合物から出発する既知の方法を用いて調製することができる。一実施態様では、スキーム1〜3のアミノ-アルデヒドジメチルアセタール出発材料は公知であるか、又は市販化合物から出発する既知の方法を用いて調製することができる。例えば、ジエチルアセタールなどの、他のアセタールをスキーム1〜3の反応の出発材料として用いることもできることが理解される。一実施態様では、該反応を、例えば、1,4-ジオキサンなどの、エーテル溶媒中で実施する。一実施態様では、トリフルオロメチルスルホン酸以外の他の酸を用いて、該反応を促進することができる。いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR7を、当技術分野で公知の方法を用いて、スキーム1〜3の環形成工程の後、式(I)について記載したように、好適な官能基へとさらに変換することができる。そのような変換の具体的でかつ非限定的な例は、実施例中の一般手順に記載されている。
【化42】
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【0165】
一実施態様では、式(I)の化合物を、当技術分野で公知の及び/又は市販供給源から入手可能な好適な求核性出発材料を用いて、スキーム4〜6に従って調製することができる。一実施態様では、R12は、特に、シアノ、又は好適なアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、もしくはヘテロシクリルであることができる。一実施態様では、スキーム4〜6のチオフェンケトン出発材料は公知であるか、又は市販化合物から出発する既知の方法を用いて調製することができる。スキーム4〜6のヒドロキシル化合物は、当技術分野で公知の方法を用いて、式(I)の化合物へと変換することができる。いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR7を、当技術分野で公知の方法を用いて、式(I)について記載したように、好適な官能基へとさらに変換することができる。そのような変換の具体的でかつ非限定的な例は、実施例中の一般手順に記載されている。
【化43】
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【0166】
一実施態様では、式(I)の化合物を、当技術分野で公知の及び/又は市販供給源から入手可能な好適な出発材料を用いて、スキーム7〜9に従って調製することができる。一実施態様では、R13は、例えば、ハロ、例えば、クロロなどの、好適な脱離基であるか、又はR13は、例えば、トシレート、トリフレート、メシレート、もしくはノシレートなどの好適な脱離基に変換することができる、ヒドロキシルなどの、基であることができるか、又はR13は、それ自体、そのようなヒドロキシル由来脱離基であることができる。一実施態様では、スキーム7〜9のヒドロキシアルキルチオフェン出発材料は公知であるか、又は市販化合物から出発する既知の方法を用いて調製することができる。一実施態様では、スキーム7〜9のジメチルアセタール出発材料は公知であるか、又は市販化合物から出発する既知の方法を用いて調製することができる。例えば、ジエチルアセタールなどの、他のアセタールをスキーム7〜9の反応の出発材料として用いることもできることが理解される。一実施態様では、該反応を、例えば、1,4-ジオキサンなどの、エーテル溶媒中で実施する。一実施態様では、トリフルオロメチルスルホン酸以外の他の酸を用いて、該反応を促進することができる。いくつかの実施態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR7を、当技術分野で公知の方法を用いて、式(I)について記載したように、好適な官能基へとさらに変換することができる。そのような変換の具体的でかつ非限定的な例は、実施例中の一般手順に記載されている。
【化44】
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【0167】
特定の実施態様では、式(I)の化合物は、2以上の立体異性体又はジアステレオ異性体の混合物として調製される。一実施態様では、該立体異性体又はジアステレオ異性体は、キラルカラムクロマトグラフィー及び好適なキラル対イオンとの塩を形成することによるキラル分割を含むが、これらに限定されない、当業者に公知の技術を用いて分離される。特定の実施態様では、式(I)の化合物は、1以上の立体選択的反応(複数可)に従って調製される。いくつかの実施態様では、式(I)の化合物は、実質的に純粋な立体異性体として調製される。
【0168】
D.治療、予防、及び/又は管理の方法
1.インビボアッセイ
一実施態様では、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を当技術分野で公知の疾患モデルで投与する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、該疾患モデルは動物モデルである。一実施態様では、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を、ヒトでの特定の疾患の治療における有効性を予測する動物モデルで投与する方法を本明細書で提供する。該方法は、対象において、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様では、該方法は、対象において、治療的有効量の本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様では、該方法は、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体による試験対象(例えば、マウス又はラット)の治療を含む。一実施態様では、該方法は、別々の動物群(例えば、対照群に参照化合物を投与し、試験群に本明細書で提供される化合物を投与する)か、又は同じ動物群(例えば、併用療法として)かのいずれかでの、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体、及び参照化合物による試験対象(例えば、マウス又はラット)の治療を含む。一実施態様では、本明細書で提供される化合物のインビボ活性は用量依存的である。
【0169】
一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、プレパルス抑制(PPI)及びPCP誘発性の自発運動亢進などの精神病の動物モデルにおいて活性がある。これら2つのモデルは、オランザピン(ZYPREXA)(Bakshi及びGeyerの文献(Psychopharmacology 1995, 122, 198-201))並びにクエチアピン(SEROQUEL)(Swedlowらの文献(J. Pharm. Exp. Ther., 1996, 279, 1290-99))をはじめとする、いくつかの抗精神病薬の開発に用いられており、ヒト精神病患者における有効性を予測するものである。一実施態様では、インビボアッセイにおける効力、並びに例えば、溶解度及び親油性などの薬物様特性を改善するために、精神病のインビボモデルで活性のある化合物をさらに最適化する。統合失調症などの特定の疾患の正確な分子基盤があまり理解されていないことを考慮すると、この手法は、臨床でのヒトに対する有効性につながるかどうか分からない特定の分子標的に焦点を当てることなく、確立された有効性を有する化合物を開発するための予測的でかつ十分に検証された動物モデルの使用を可能にする。
【0170】
2.治療、予防、及び/又は管理
一実施態様では、神経障害を含むが、これに限定されない、様々な障害を治療、予防、及び/又は管理する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、神経障害の1以上の症状を治療、予防、及び/又は管理する方法を本明細書で提供する。一実施態様では、該方法は、対象(例えば、ヒト)に、治療的又は予防的有効用量の本明細書で提供される組成物もしくは化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を投与することを含む。一実施態様では、対象はヒトである。一実施態様では、対象は動物である。一実施態様では、本明細書で提供される化合物は、対象の脳によく浸透する。特定の実施態様では、本明細書で提供される化合物の有効濃度は、10nM未満、100nM未満、1μM未満、10μM未満、100μM未満、又は1mM未満である。一実施態様では、化合物の活性は、本明細書中の他の場所に記載されているか又は文献で知られているような、当技術分野で認められている様々な動物モデルで評価することができる。
【0171】
一実施態様では、特定の理論によって限定されるものではないが、治療、予防、及び/又は管理は、ヒトでの抗精神病活性を予測する動物モデルにおいてインビボ有効性を示した本明細書で提供される化合物を投与することによって行なわれる。抗精神病薬を開発するための表現型によるアプローチが、この方法で開発された抗精神病薬クロルプロマジンとともに、精神薬理学で用いられている。表現型によるアプローチはまた、従来のインビトロに基づく薬物発見アプローチによって開発された化合物に優る利点を提供することができる。なぜなら、表現型によるアプローチを用いて開発された化合物は、所与の分子標的に対する活性(これは、あまり予測的でなく、かつ例えば、臨床開発の後半で損耗する場合がある)ではなく、確立された薬学的性質及びインビボ活性を有するからである。
【0172】
一実施態様では、統合失調症、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、分裂病質人格障害、統合失調症性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、全身病状による精神病性障害、薬物誘発性精神病(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、精神性情動障害、攻撃性、せん妄、パーキンソン病性精神病、興奮精神病、トゥレット症候群、器質性又はNOS精神病、発作、激越、心的外傷後ストレス障害、行動障害、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、異常運動症、ハンチントン病、認知症、気分障害、不安症、情動障害(例えば、鬱病、例えば、大鬱病性障害及び気分変調症;双極性障害、例えば、双極性鬱障害;躁障害;季節性情動障害;並びに注意欠陥障害(ADD)及び注意欠陥多動性障害(ADHD))、強迫性障害、めまい、てんかん、疼痛(例えば、神経因性疼痛、神経因性疼痛を伴う感作、及び炎症性疼痛)、線維筋痛、偏頭痛、認知障害、運動障害、下肢静止不能症候群(RLS)、多発性硬化症、睡眠障害、睡眠時無呼吸、発作性睡眠、日中の過剰な眠気、時差ぼけ、薬剤の眠気を誘う副作用、不眠症、薬物乱用又は薬物依存症(例えば、ニコチン、コカイン)、中毒、摂食障害、性機能障害、高血圧、嘔吐、レッシュ・ナイハン病、ウィルソン病、自閉症、ハンチントン舞踏病、並びに月経前不機嫌をはじめとする、神経障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩もしくは立体異性体を投与することを含む方法を本明細書で提供する。
【0173】
一実施態様では、精神病、統合失調症、ADHD、気分障害、又は鬱病及び不安神経症などの情動障害に関連する障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、プレパルス抑制(PPI)試験で見られるDBA/2マウスのゲートティング欠陥を改善し、メタンフェタミン誘発性の自発運動亢進活性を逆転させることができる。特定の理論に限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、1)アンフェタミン誘発性の自発運動亢進活性を逆転させ;2)抗精神病剤として有用であり、かつ用量節約的(dosed sparing)であり;3)注意力を向上させ、衝動性を調節し;4)ADHDにおける学習パラメータを改善し;5)学習能力を向上させ、行動試験における不安を軽減し;かつ/又は6)抗鬱作用を有することができる。
【0174】
別の実施態様では、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、及び注意欠陥多動性障害(ADHD)などの、認知障害に関連する障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、受動的回避、新規物体認識、社会認識、及び注意-セットシフティングなどの認知促進作用を有し得る。さらに、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、社会的記憶を向上させ、環境の習得を増大させ、かつスコポラミン誘発性欠陥を逆転させることができる。本明細書で提供される化合物は、受動的回避記憶試験においてスコポラミン誘発性欠陥を逆転させることもできる。
【0175】
別の実施態様では、例えば、発作性睡眠、パーキンソン病、多発性硬化症、シフトワーカー、時差ぼけ、他の薬物投与の副作用の軽減などの、日中の過剰な眠気と関連する障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、覚醒促進作用を有し得る。
【0176】
別の実施態様では、不眠症などの睡眠障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、覚醒を促進し、睡眠パターンの改善をもたらすことができ、したがって、本明細書で提供される化合物は、不眠症の治療に有用であり得る。
【0177】
別の実施態様では、薬物乱用を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、ラットにおいてメタンフェタミン自己投与を変化させることができ、したがって、本明細書で提供される化合物は、中毒性の薬物に対する渇望を改善することができる。
【0178】
別の実施態様では、本明細書で提供される化合物を、他のクラスの精神刺激薬に通常伴う乱用傾向を欠く可能性がある精神刺激薬として用いる方法を本明細書で提供する。特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、前頭前皮質領域におけるヒスタミン、ドーパミン、ノルエピネフリン、及び/又はアセチルコリンのレベルを増大させることができ、これは、動物モデルで見られるその認知促進作用及びその覚醒促進作用と一致している。例えば、本明細書で提供される化合物は、前頭皮質でドーパミンを増加させることができるが、線条体では増加させることができない。本明細書で提供される化合物は、他の精神刺激薬と関連する自発運動亢進又は感作を誘発することができない。
【0179】
別の実施態様では、発作、てんかん、めまい、及び疼痛などの障害を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。例えば、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、ペンチレン-テトラゾール(PTZ)及び電気誘発性の発作を防ぐことができる。本明細書で提供される化合物は、ヒトにおける発作閾値を増大させることができる。本明細書で提供される化合物は、内耳用調製物における求心性ニューロンからの放電を低下させることができる。さらに、特定の理論によって限定されるものではないが、本明細書で提供される化合物は、神経因性疼痛の閾値を増大させることができる。これは、慢性絞扼傷(CCI)モデル、ヘルペスウイルス誘導性モデル、及びカプサイシン誘導性異痛症モデルなどのモデルで示される。したがって、いくつかの実施態様では、本明細書で提供される化合物を、その鎮痛効果のために用いて、疼痛及び多くの神経因性疼痛障害を伴う感作を含む障害を治療、予防、及び/又は管理する。
【0180】
別の実施態様では、運動障害、例えば、パーキンソン病、下肢静止不能症候群(RLS)、及びハンチントン病を治療、予防、及び/又は管理する方法であって、対象に有効量の本明細書で提供される化合物を投与することを含む方法を本明細書で提供する。
【0181】
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される化合物は、該化合物の活性を測定し、かつ神経障害の治療における有効性を推定するために用いることができる少なくとも1つのモデルで活性がある。例えば、該モデルが精神病に関するもの(例えば、PCP多動モデル又は驚愕のプレパルス抑制モデル)である場合、化合物は、該化合物が、ビヒクルと比べて統計的に有意な量だけ、マウスにおけるPCP誘発性多動を軽減するときに、又は該化合物が、マウスにおいてPCPによって誘発されるプレパルス抑制(PPI)の破壊を逆転させるときに、活性がある。
【0182】
他の実施態様では、本明細書中の他の場所に記載されているような治療効果をもたらす方法を本明細書で提供する。該方法は、対象(例えば、哺乳動物)に、治療的有効量の本明細書で提供される化合物又は組成物を投与することを含む。特定の治療効果は、疾患の動物モデルを含むものなどの、当技術分野で公知のかつ本明細書に記載された任意のモデル系を用いて測定することができる。
【0183】
いくつかの実施態様では、神経障害は、鬱病(例えば、大鬱病性障害又は気分変調症);双極性障害、季節性情動障害;認知障害;線維筋痛症;疼痛(例えば、神経因性疼痛);精神医学的状態によりもたらされる睡眠障害を含む睡眠関連疾患(例えば、睡眠時無呼吸、不眠症、発作性睡眠、脱力発作);慢性疲労症候群;注意欠陥障害(ADD);注意欠陥多動性障害(ADHD);下肢静止不能症候群;;統合失調症;不安神経症(例えば、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害);強迫性障害;心的外傷後ストレス障害;季節性情動障害(SAD);月経前不機嫌;閉経後の血管運動症状(例えば、一過性熱感、寝汗);神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び筋萎縮性側索硬化症);躁障害;気分変調性障害;気分循環性障害;肥満;並びに薬物乱用又は薬物依存症(例えば、コカイン中毒、ニコチン中毒)である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物は、精神病及び鬱病などの、併存する2つ以上の疾病/障害を治療、予防、及び/又は管理するのに有用である。
【0184】
神経障害としては、老年性認知症、アルツハイマー型認知症、認知、記憶喪失、健忘症/健忘症候群、てんかん、意識の撹乱、昏睡、注意力低下、発話障害、レノックス症候群、自閉症、及び多動症候群を含むが、これらに限定されない、大脳機能障害も挙げることができる。
【0185】
神経因性疼痛としては、限定するものではないが、ヘルペス後(又は帯状疱疹後)神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー/カウザルギー又は神経の外傷、幻肢痛、手根管症候群、及び末梢神経障害(例えば、糖尿病性神経障害又は慢性的なアルコール使用から生じる神経障害)が挙げられる。
【0186】
本明細書で提供される方法、化合物、及び/又は組成物を用いて治療、予防、及び/又は管理し得る他の例示的な疾患及び疾病としては、肥満;偏頭痛又は偏頭痛性の頭痛;並びに限定するものではないが、心理的及び/又は生理的な要因により引き起こされる性機能障害、勃起障害、早漏、膣の乾燥、性的興奮の欠如、オルガスム達成喪失をはじめとする男性又は女性における性機能障害、並びに限定するものではないが、抑制された性欲、抑制された性的興奮、抑制された女性のオルガスム、抑制された男性のオルガスム、機能性性交疼痛症、機能性膣痙、及び非定型性の精神的性機能障害をはじめとする精神的性機能障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0187】
一実施態様では、神経障害は日中の過剰な眠気である。別の実施態様では、神経障害は認知障害である。別の実施態様では、神経障害は気分障害である。別の実施態様では、神経障害は情動障害である。別の実施態様では、神経障害は運動障害である。別の実施態様では、神経障害は統合失調症である。別の実施態様では、神経障害は注意障害である。別の実施態様では、神経障害は不安障害である。別の実施態様では、神経障害は発作である。別の実施態様では、神経障害は精神病である。別の実施態様では、神経障害はてんかんである。別の実施態様では、神経障害はめまいである。別の実施態様では、神経障害は疼痛である。別の実施態様では、神経障害は神経因性疼痛である。別の実施態様では、神経因性疼痛は糖尿病性神経障害である。
【0188】
一実施態様では、神経障害は神経変性疾患である。一実施態様では、神経変性疾患はパーキンソン病である。別の実施態様では、神経変性疾患はアルツハイマー病である。
【0189】
一実施態様では、本明細書に記載の化合物は、該化合物に対する中毒を引き起こすことなく、中枢神経の神経障害を治療、予防、及び/又は管理する。
【0190】
患者に治療的又は予防的有効用量の活性成分を提供するための任意の好適な投与経路を利用することができる。例えば、経口、粘膜(例えば、鼻腔、舌下、口腔、直腸、膣)、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、経皮、及び皮下経路を利用することができる。例示的な投与経路としては、経口、経皮、及び粘膜が挙げられる。そのような経路のための好適な剤形としては、経皮パッチ、点眼剤、スプレー剤、及びエアゾール剤が挙げられるが、これらに限定されない。経皮用組成物は、クリーム剤、ローション剤、及び/又は乳剤の形態を取ることもでき、これらは、皮膚に貼布するための適当な接着剤に含めることができ、又はこの目的のために当技術分野で標準的なマトリックスタイプもしくはリザーバータイプの経皮パッチに含めることができる。例示的な経皮剤形には、「リザーバータイプ」又は「マトリックスタイプ」パッチがあり、これは、皮膚に貼布して特定の期間着用し、所望量の活性成分の浸透を可能にするものである。該活性成分を患者に絶えず投与する必要がある場合は、該パッチを新しいパッチと交換することができる。
【0191】
本明細書に記載の障害を治療、予防、及び/又は管理するために対象に投与すべき量は、利用される特定の化合物、又はそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与の時間、利用される特定の化合物の排泄又は代謝速度、治療期間、利用される特定の化合物と併用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、疾病、全般的な健康、及び以前の病歴、並びに医療技術分野で周知の同様の因子をはじめとする、種々の因子によって決まる。
【0192】
当技術分野の通常の技術を有する医師又は獣医は、必要とされる有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、該医師又は獣医であれば、利用される化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも少ないレベルで開始し、その投薬量を、所望の効果が達成されるまで徐々に増加させることができるであろう。
【0193】
一般に、本明細書で提供される化合物の好適な日用量は、治療的又は予防的効果を生むのに有効な最小用量となる化合物の量である。そのような有効用量は、通常、上に記載した因子によって決まる。通常、患者用に本明細書で提供される化合物の経口、静脈内、脳室内、及び皮下用量は、1日に体重1キログラム当たり約0.005mg〜約5mgの範囲である。一実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約10mg〜約300mgの範囲である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約20mg〜約250mgの範囲である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約100mg〜約300mgの範囲である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約10mg〜約100mgの範囲である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約25mg〜約50mgの範囲である。別の実施態様では、本明細書で提供される化合物の経口用量は、1日当たり約50mg〜約200mgの範囲である。上に記載した投薬量範囲の各々は、単回又は複数回単位投薬量製剤として調剤することができる。
【0194】
いくつかの実施態様では、本明細書に開示された化合物を、1種以上の第2の活性剤と組み合わせて用いて、本明細書に記載された障害を治療、予防、及び/又は管理することができる。
【0195】
3.医薬組成物及び剤形
医薬組成物は、個々の、単一単位剤形の調製に用いることができる。本明細書で提供される医薬組成物及び剤形は、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその塩、立体異性体、クラスレート、もしくはプロドラッグを含む。医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤をさらに含むことができる。
【0196】
本明細書で提供される医薬組成物及び剤形は、1種以上のさらなる活性成分を含むこともできる。任意の第2の、又はさらなる活性成分の例もまた、本明細書で開示されている。
【0197】
本明細書で提供される単一単位剤形は、患者への経口、粘膜(例えば、鼻腔内、舌下、膣内、頬側、もしくは直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注入、筋肉内、もしくは動脈内)、局所(例えば、点眼薬もしくは他の眼科用調製物)、経皮(transdermal)、又は経皮(transcutaneous)投与に好適である。剤形の例としては、錠剤;カプレット剤;軟弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ剤;分散剤;坐剤;散剤;エアゾール剤(例えば、鼻スプレー又は吸入器);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤、水中油型乳剤、又は油中水型乳剤)、液剤、及びエリキシル剤をはじめとする、患者への経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;患者への非経口投与に好適な液体剤形;局所投与に好適な点眼薬又は他の眼科用調製物;及び再構成して患者への非経口投与に好適な液体剤形を提供することができる滅菌固体(例えば、結晶性固体又は非晶質固体)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
剤形の組成、形状、及び種類は、通常、その用途によって異なる。例えば、疾患の急性治療で用いられる剤形は、それが含む1種以上の活性成分を、同じ疾患の慢性治療で用いられる剤形よりも大量に含むことができる。同様に、非経口剤形は、それが含む1種以上の活性成分を、同じ疾患の治療に用いられる経口剤形よりも少量に含むことができる。特定の剤形を用いるこれらの方法及び他の方法は互いに異なり、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第18版, Mack Publishing, Easton PA(1990))を参照されたい。
【0199】
一実施態様では、医薬組成物及び剤形は、1種以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、製薬分野の当業者に周知であり、かつ好適な賦形剤の非限定的な例は、本明細書で提供されている。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への組込みに好適であるかどうかは、限定するものではないが、該剤形を患者に投与する方法を含む、当技術分野で周知の種々の因子によって決まる。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形に用いるのに好適でない賦形剤を含むことができる。特定の賦形剤の好適性は、剤形中の特定の活性成分によっても決まることもある。例えば、いくつかの活性成分の分解は、ラクトースなどのいくつかの賦形剤によって、又は水に曝されたときに、促進されることがある。一級又は二級アミンを含む活性成分は、そのような分解促進を特に受けやすい。したがって、ラクトース、他の単糖類又は二糖類を、たとえあるとしても、ほとんど含まない、医薬組成物及び剤形を提供する。本明細書で使用する場合、「ラクトース不含」という用語は、存在するラクトースの量が、たとえあるとしても、活性成分の分解速度を実質的に増加させるのに不十分であることを意味する。
【0200】
ラクトース不含組成物は、当技術分野で周知であり、かつ例えば、米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に記載されている賦形剤を含むことができる。一般に、ラクトース不含組成物は、医薬として適合性があり、かつ医薬として許容し得る量の活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を含む。一実施態様では、ラクトース不含剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及び/又はステアリン酸マグネシウムを含む。
【0201】
水は一部の化合物の分解を促進することがあるので、活性成分を含む無水の医薬組成物及び剤形も提供する。例えば、水(例えば、5%)の添加は、貯蔵寿命又は経時的な製剤の安定性などの特性を決定するために、長期の貯蔵をシミュレートする手段として医薬分野で広く認められている。例えば、Jens T. Carstensenの文献、「薬物の安定性:原理及び実際(Drug Stability:Principles & Practice)」(第2版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, 379-80)を参照されたい。実際に、水及び熱は、一部の化合物の分解を加速させる。このように、製剤に対する水の影響は極めて大きい可能性があるが、それは、製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、輸送、及び使用中に、水分及び/又は湿気に曝されることが多いからである。
【0202】
無水の医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分、及び低水分又は低湿度条件を用いて調製することができる。ラクトースと一級又は二級アミンを含む少なくとも1種の活性成分とを含む医薬組成物及び剤形は、製造、包装、及び/又は貯蔵の間に水分及び/又は湿気へのかなりの接触が予想される場合、無水であることが好ましい。
【0203】
無水の医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように製造及び貯蔵すべきである。したがって、無水の組成物は、一実施態様では、好適な製剤キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を用いて包装されていることが好ましい。好適な包装の例としては、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0204】
活性成分が分解する速度を低下させる1種以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形も本発明で提供する。そのような化合物は、本明細書では「安定化剤」と呼ばれ、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されない。
【0205】
賦形剤の量及び種類と同様に、剤形中の活性成分の量及び具体的な種類は、限定するものではないが、それが患者に投与されることになっている経路などの、因子によって異なり得る。一実施態様では、剤形は、約0.10〜約500mgの量の本明細書で提供される化合物を含む。他の実施態様では、剤形は、約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mgの量の本明細書で提供される化合物を含む。
【0206】
他の実施態様では、剤形は、1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、又は約50〜約200mgの量の第2の活性成分を含む。当然、この第2の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理される疾患又は障害、並びに本明細書で提供される化合物の量、及び患者に同時に投与される任意のさらなる活性剤によって決まる。
【0207】
(a)経口剤形
経口投与に好適な医薬組成物は、個別の剤形、例えば、限定するものではないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば、味付きシロップ剤)などとして提供することができる。そのような剤形は所定量の活性成分を含み、当業者に周知の薬学の方法により調製することができる。一般的には、「レミントンの薬学の科学及び実務(Remington's The Science and Practice of Pharmacy)」(第21版, Lippincott Williams & Wilkins(2005))を参照されたい。
【0208】
本明細書で提供される経口剤形は、従来の医薬配合技術に従って、活性成分を少なくとも1種の賦形剤と均密に混合して組み合わせることによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製物の形態に応じて、多種多様な形態を取ることができる。例えば、経口液又はエアゾール剤形に用いるのに好適な賦形剤としては、水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、及び着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。固体経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)に用いるのに好適な賦形剤の例としては、デンプン類、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
一実施態様では、経口剤形は、錠剤又はカプセル剤であり、その場合、固体賦形剤が利用される。別の実施態様では、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によってコーティングすることができる。そのような剤形は、薬学の方法のいずれかによって調製することができる。一般に、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微粉砕された固体担体、又は両方と均一かつ均密に混合し、その後、必要に応じて、製品を所望の体裁に成形することによって調製される。
【0210】
例えば、錠剤は、圧縮又は成型によって調製することができる。圧縮錠は、好適な機械の中で、活性成分を、任意に賦形剤と混合して、粉末又は顆粒などの自由流動性形態に圧縮することによって調製することができる。成型錠は、好適な機械の中で、不活性な液体希釈剤で潤した粉末状化合物の混合物を成型することによって作製することができる。
【0211】
本明細書で提供される経口剤形で使用することができる賦形剤の例としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物及び剤形で用いるのに好適な結合剤としては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、粉末化トラガカント、グアーガムなどの天然ゴム及び合成ゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0212】
好適な形態の微結晶性セルロースとしては、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105として販売されている材料(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PAから入手可能)、及びこれらの混合物を挙げることができる。結合剤の具体的な例は、AVICEL RC-581として販売されている、微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。好適な無水又は低水分の賦形剤又は添加剤としては、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMが挙げられる。
【0213】
本明細書で提供される医薬組成物及び剤形で用いるのに好適な充填剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、一実施態様では、該医薬組成物又は剤形の約50〜約99重量パーセントで存在する。
【0214】
崩壊剤を組成物中に用いて、水性環境に曝したときに崩壊する錠剤を提供することができる。多すぎる崩壊剤を含む錠剤は貯蔵中に崩壊する可能性があり、一方、少なすぎる崩壊剤を含む錠剤は、所望の速度又は所望の条件下で崩壊しない可能性がある。したがって、活性成分の放出を有害に変化させるには多すぎず少なすぎない十分な量の崩壊剤を用いて、固体経口剤形を形成させることができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて異なり、当業者にとって容易に認識し得る。一実施態様では、医薬組成物は、約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、又は約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0215】
医薬組成物及び剤形で使用することができる崩壊剤としては、寒天-寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、他のデンプン類、アルファ化デンプン、他のデンプン類、粘土、他のアルギン類、他のセルロース類、ゴム類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0216】
医薬組成物及び剤形で使用することができる滑沢剤の例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる滑沢剤としては、例えば、シロイドシリカゲル(AEROSIL 200、メリーランド州ボルチモアのW.R. Grace社製)、合成シリカの凝固したエアゾール(テキサス州プラノのDegussa社が販売)、CAB-O-SIL(マサチューセッツ州ボストンのCabot社が販売している発熱性二酸化ケイ素製品)、及びこれらの混合物が挙げられる。使用するなら、滑沢剤は、それが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量パーセント未満の量で使用することができる。
【0217】
一実施態様では、固体経口剤形は、本明細書で提供される化合物、並びに無水ラクトース、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンなどの任意の賦形剤を含む。
【0218】
(b)制御放出剤形
本明細書で提供される活性成分は、制御放出手段によるか、又は当業者に周知の送達装置によって投与することができる。例としては、各々引用により本明細書に組み込まれる米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;及び同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような剤形を用いて、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、微小球、又はこれらの組合せを用いて1種以上の活性成分の緩徐放出又は制御放出を提供し、様々な比率の所望の放出プロファイルを提供することができる。本明細書で提供される活性剤とともに使用するために、本明細書に記載されているものを含む、当業者に公知の好適な制御放出製剤を容易に選択することができる。一実施態様では、限定するものではないが、制御放出に適している錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤、及びカプレット剤などの経口投与に好適な単一単位剤形を本明細書で提供する。
【0219】
一実施態様では、制御放出医薬製品は、非制御の対応物によって達成されるよりも薬物療法を向上させる。別の実施態様では、医療における制御放出調製物の使用は、最小限の原薬を用いて最小限の時間で疾病を治癒又は制御することを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性延長、投薬頻度の減少、及び患者のコンプライアンス向上が挙げられる。さらに、制御放出製剤を用いて、作用の発現の時間又は薬物の血中濃度などの他の特性に影響を及ぼすことができ、したがって、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
【0220】
別の実施態様では、制御放出製剤は、所望の治療効果を素早く生み出す量の薬物(活性成分)を最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療効果又は予防効果を維持する他の量の薬物を徐々にかつ継続的に放出するように設計されている。一実施態様では、体内での一定の薬物レベルを維持するために、薬物は、代謝されて体から排泄される薬物の量を補う速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件又は化合物を含むが、これらに限定されない、様々な条件によって刺激することができる。
【0221】
(c)非経口剤形
非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むが、これらに限定されない、様々な経路によって患者に投与することができる。いくつかの実施態様では、非経口剤形の投与は、汚染物質に対する患者の自然な防御機構を迂回し、したがって、これらの実施態様では、非経口剤形は、滅菌性であるか、又は患者への投与の前に滅菌可能である。非経口剤形の例としては、注射可能な溶液、注射用の医薬として許容し得るビヒクルにすぐに溶解又は懸濁可能な乾燥製品、注射可能な懸濁液、及び乳剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0222】
非経口剤形を提供するために使用することができる好適なビヒクルは当業者に周知である。例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない;USP注射用水;限定するものではないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液などの水性ビヒクル;限定するものではないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;並びに限定するものではないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクル。
【0223】
本明細書で開示される活性成分の1つ又は複数の溶解度を高める化合物も非経口剤形に組み込むことができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を用いて、本明細書で提供される化合物の溶解度を高めることができる。例えば、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【0224】
(d)局所及び粘膜剤形
本明細書で提供される局所及び粘膜剤形としては、スプレー剤、エアゾール剤、液剤、乳剤、懸濁剤、点眼薬もしくは他の眼科用調製物、又は当業者に公知の他の形態が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第21版, Lippincott Williams & Wilkins(2005));並びに「医薬剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」(第4版, Lea & Febiger, Philadelphia(1985))を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するのに好適な剤形は、洗口液として、又は口腔ゲルとして調剤することができる。
【0225】
本明細書で包含される局所及び粘膜剤形を提供するために使用することができる好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)並びに他の材料は製薬分野の当業者に周知であり、所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織によって決まる。一実施態様では、賦形剤として、非毒性でかつ医薬として許容し得る液剤、乳剤、又はゲル剤を形成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。モイスチャライザー又は保湿剤を医薬組成物又は剤形に添加することもできる。追加成分の例は当技術分野で周知である。例えば、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第21版, Lippincott Williams & Wilkins(2005))を参照されたい。
【0226】
医薬組成物もしくは剤形のpHを調整して、1種以上の活性成分の送達を向上させることもできる。また、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張性を調整して、送達を向上させることができる。送達を向上させるために、ステアレートなどの化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、1種以上の活性成分の親水性又は親油性を変化させることもできる。他の実施態様では、ステアレートは、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤もしくは界面活性剤として、又は送達促進剤もしくは浸透促進剤として機能することができる。他の実施態様では、活性成分の塩、溶媒和物、プロドラッグ、クラスレート、又は立体異性体を用いて、得られる組成物の性質をさらに調整することができる。
【0227】
4.キット
一実施態様では、本明細書で提供される活性成分は、同時に、又は同じ投与経路で患者に投与されない。別の実施態様では、適量の活性成分の投与を簡略化することができるキットを提供する。
【0228】
一実施態様では、キットは、本明細書で提供される化合物の剤形を含む。キットは、本明細書で記載したような1種以上の第2の活性成分、もしくは薬理学的に活性のある突然変異体もしくはその誘導体、又はこれらの組合せをさらに含むことができる。
【0229】
他の実施態様では、キットは、活性成分の投与に使用される装置をさらに含むことができる。そのような装置の例としては、シリンジ、点滴バッグ、パッチ、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0230】
キットは、移植用の細胞又は血液、及び1種以上の活性成分の投与に使用することができる医薬として許容し得るビヒクルをさらに含むことができる。例えば、活性成分が、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供される場合、キットは、活性成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子滅菌溶液を形成させることができる好適なビヒクルの密封容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない;USP注射用水;限定するものではないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液などの水性ビヒクル;限定するものではないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;並びに限定するものではないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクル。
【実施例】
【0231】
(VI.実施例)
特定の実施態様を以下の非限定的な実施例によって説明する。
【0232】
(A.化合物合成の一般手順)
下記の実施例において、特に指示しない限り、温度は全て摂氏温度で示され、部及びパーセンテージは全て重量によるものである。試薬は、Sigma-Aldrich(登録商標)Chemical Companyなどの商業的供給業者から購入することができ、かつ特に指示しない限り、さらに精製することなく使用することができる。試薬は、当業者に公知の標準的な文献手順に従って調製することもできる。溶媒は、Sure-Seal(登録商標)ボトルとしてSigma-Aldrich(登録商標)から購入し、受け取った状態のまま使用することができる。特に指示しない限り、溶媒は全て、当業者に公知の標準的な方法を用いて精製することができる。
【0233】
以下に示す反応は、特に指示しない限り、通常、周囲温度で行なわれた。特に明記しない限り、通常、反応フラスコには、シリンジによる物質及び試薬の導入のためのゴム製セプタムを取り付けた。分析的薄層クロマトグラフィー(TLC)は、ガラス地のシリカゲルプレコーティングプレートを用いて行ない、適切な溶媒比(v/v)で溶出させた。反応は、TLC又はLCMSでアッセイし、出発材料の消費によって判断して終了した。TLCプレートの可視化は、UV光(254波長)を用いて、又は熱で活性化した塩基性KMnO4水溶液などの適切なTLC可視化溶媒を用いて行なった。フラッシュカラムクロマトグラフィー(例えば、Stillらの文献(J. Org. Chem., 43:2923(1978))を参照されたい)は、例えば、シリカゲル60又は様々なMPLCシステム(例えば、Biotage(登録商標)もしくはISCO(登録商標)分離システム)を用いて行なった。
【0234】
下記の実施例における化学構造は、以下の方法:プロトン核磁気共鳴分光法、質量分析法、元素微量分析、及び融点の1つ又は複数によって確認された。プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルは、特定の磁界強度で作動するNMR分光計を用いて決定した。化学シフトは、TMSなどの内部標準から低磁場側への百万分率(ppm、δ)として報告する。あるいは、1H NMRスペクトルは、例えば、以下のような重水素化溶媒中の残留プロトンからのシグナルを基準とした:CDCl3=7.25ppm;DMSO-d6=2.49ppm;C6D6=7.16ppm;CD3OD=3.30ppm。ピーク多重度は、例えば、以下のように表す:s、一重線;d、二重線;dd、二重線の二重線;t、三重線;dt、三重線の二重線;q、四重線;br、ブロード;及びm、多重線。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で示す。質量スペクトル(MS)データは、APCI又はESIイオン化とともに質量分析計を用いて取得した。
【0235】
(1.一般手順A)
【化45】
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(a)2-(5-エチルチオフェン-2-イル)エタノールの合成
【化46】
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0℃の2-エチルチオフェン(2g、17.85mmol、1当量)の無水ジエチルエーテル溶液に、n-BuLi(8.6mL、21.4mmol、ヘキサン中2.5M、1.2当量)を15分かけて添加した。該混合物を室温で30分間撹拌した。0℃まで冷却した後、エチレンオキシド(1.1mL、21.4mmol、1.2当量)の無水エーテル溶液を添加した。0℃で3時間撹拌した後、該反応混合物を水でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮すると、粗生成物が得られた。該粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0236】
(b)(2-エチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化47】
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2-(5-エチルチオフェン-2-イル)エタノール(1g、6.4mmol、1.1当量)及びアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(612mg、5.83mmol、1当量)の溶液に、CF3SO3H(2.7g、17.5mmol、3当量)を0℃で滴加した。室温で一晩撹拌した後、該反応混合物を水で希釈し、Na2CO3でpHを約8に調整し、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮した。該粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0237】
(c)(2-エチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化48】
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(2-エチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのMTBE溶液を、0℃で10分間、気体HClで処理した。該沈殿生成物を真空濾過により回収し、乾燥させると、所望の生成物が得られた。
【0238】
(2.一般手順B)
【化49】
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2-(チオフェン-3-イル)エタノール(7.5mmol)、アミノアセタール(11.25mmol)、及びトリフリン酸(1.70mL、15mmol)を7.5mLの1,4-ジオキサン(無水)中で合わせた。この黒っぽい溶液を室温で2時間撹拌し、その後、ゆっくりと飽和K2CO3水溶液に注ぎ入れた。該溶液をEtOAc(3×50mL)で洗浄し、合わせたEtOAc洗浄液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。該粗生成物をMeOHに溶解させ、ジオキサン(10mL)中の4M HClを添加した。該溶液を約4mLに濃縮し、MTBEを添加した(30mL)。該溶液を超音波処理し、淡褐色の沈殿物を濾過し、MTBEで洗浄し、真空中で乾燥させた。
【0239】
(3.一般手順C)
【化50】
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マイクロ波バイアル中の1,4-ジオキサン中の3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オール(1g、7.0mmol)及びアミノアセタール(0.84g、7.0mmol)に、CF3SO3H(0.8mL、7.0mmol)を添加した。該反応容器を密封し、マイクロ波反応器にて110℃で15分間加熱した。15分の時点で該混合物を冷却し、10%KOH(水溶液)で塩基性にし、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、未環化の副生成物と混合した粗生成物が得られた。合わせた褐色の液体を標準プロトコルに従ってBoc保護し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製すると、未環化生成物と環化生成物の混合物が得られた。所望の7員環化合物をRP-HPLC(アセトニトリル中の0.1%水性NH4HCO3)で単離した。
【0240】
(4.一般手順D)
【化51】
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(a)2-(2-ブロモチオフェン-3-イル)エタノールの合成
【化52】
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NBS(0.58g、3.3mmol)を0℃のCHCl3:AcOH(1:1 v/v;9mL)中の2-(チオフェン-3-イル)エタノール(0.4g、3.1mmol)に添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。1時間の時点で、該反応混合物をNaHCO3(飽和水溶液)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製すると、レジオピュアな(regiopure)ブロモチオフェンが得られた。
【0241】
(b)(1-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化53】
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ブロモチオフェン(0.31g、1.5mmol)及びアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(0.3g、2.25mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)と合わせた。CF3SO3H(0.45g、3.0mmol)を添加し、該反応混合物を22℃で2時間撹拌した。2時間の時点で、該混合物を10%KOH(水溶液)で塩基性にし、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、粗アミン生成物が得られた。
【0242】
以下の標準プロトコルに従って、Boc保護を行なった。
【0243】
(c)(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化54】
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-78℃のTHF(16mL)中の精製Boc保護ブロモチオフェン(0.16g、0.45mmol)に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、0.4mL、1.0mmol)を添加し、得られた混合物を-78℃で2時間撹拌した。2時間の時点で、MeOH(2mL)を添加し、該反応液を約22℃に温めておいた。溶媒を除去し、その後、RP-HPLC(アセトニトリル中の0.1%水性NH4HCO3)による精製のために、残渣をMeOHに再溶解させた。その後、Boc保護材料をHCl(1,4-ジオキサン中4.0M、5mL)を用いて脱保護し、得られたHCl塩をMTBE(50mL)で沈殿させ、濾過し、白色の粉末として単離した。
【0244】
(5.一般手順E)
【化55】
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(a)4-ヒドロキシ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-カルボニトリルの合成
【化56】
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CH2Cl2(4mL)中の6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オン(0.5g、3.3mmol)及びトリメチルアミンN-オキシド(0.074g、0.99mmol)にTMSCNを滴加した。得られた混合物を22℃で16時間撹拌した。16時間の時点で、全ての混合物をシリカゲルカラム上に堆積させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製すると、所望のシアノヒドリン化合物が得られた。
【0245】
(b)4-(アミノメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-オールの合成
【化57】
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0℃のTHF(6.5mL)中の該シアノヒドリン化合物(0.59g、3.3mmol)にLAH(1.0M THF、6.5mL)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。2時間の時点で、該反応混合物をK2CO3の飽和水溶液に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、所望のアミノアルコールが得られた。これを、RP-HPLC(アセトニトリル中の0.1%水性ギ酸)でさらに精製した。溶媒を真空中で除去すると、ギ酸塩が得られた。
【0246】
(6.一般手順F)
【化58】
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(a)4-(クロロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピランの合成
【化59】
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一般手順Aに従って、表題化合物を2-(チオフェン-2-イル)エタノール及びクロロアセトアルデヒドジエチルアセタールから合成した。
【0247】
(b)1-((6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチル)ピロリジンの合成
【化60】
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密封管中のDMF(50mL)中の4-(クロロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン(1g、5.305mmol、1当量)、ピロリジン(11.3g、159.1mmol、30当量)、及びNaI(50mg)の混合物を130℃で6時間撹拌した。該反応混合物を冷却し、H2Oに注ぎ入れ、pHを2N HClで約2に調整した。得られた溶液をEtOAcで洗浄した。その後、水層をpH9〜10に調整し、EtOAcで抽出した。該EtOAc層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物を分取HPLCで精製した。回収したHPLC画分の有機揮発性物質を除去した後、残存する水相のpHを飽和Na2CO3溶液で約8に調整した。該水溶液をEtOAcで抽出した(3回)。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮すると、所望の生成物が得られた。
【0248】
(7.一般手順G)
【化61】
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(a)tert-ブチル(2-(5-フルオロチオフェン-2-イル)エトキシ)ジメチルシランの合成
【化62】
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CH2Cl2(12mL)中の2-チオフェン-2-エタノール(1.28g、10mmol)に、TBSCl(1.66g、11mmol)、次いでイミダゾール(1.36g、20mmol)を添加し、得られた濁った混合物を22℃で1時間撹拌した。反応が終了するとすぐに、該混合物をNH4Cl(飽和水溶液)で希釈し、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(飽和水溶液)、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去すると、粗保護アルコールが得られた。これをさらに精製することなく、次の工程で用いた。
【0249】
(b)(2-フルオロ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化63】
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-78℃の無水Et2O(20mL)中のシリル保護2-(チオフェン-2-イル)エタノール(0.96g、4.0mmol)にn-BuLi(ヘキサン中2.5M、2.38mL)を添加し、得られた黄色の溶液を-78℃で3時間撹拌した。3時間の時点で、NFSI(2.5g、7.9mmol)を添加し、該混合物を3時間かけて22℃に温めておいた。生成物の形成をGC-MSでモニタリングした。生成物がもはや形成されなくなったとき、反応液をMeOHでクエンチし、溶媒を真空中で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製すると、フッ素化されたTBS保護エタノールとフッ素化されていないTBS保護エタノールの混合物が得られた。これをさらに精製することなく、次の工程で用いた。
【0250】
一般手順Aに従って、CF3SO3Hの存在下での環化を行なった。フッ素化されたアミノピランとフッ素化されていないアミノピランの混合物を単離した後、アミン官能基をメタノール中の10%NEt3の存在下にてBoc2Oで保護した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%EtOAc)で精製すると、フッ素化された生成物とフッ素化されていない生成物の混合物が得られた。これを、RP-HPLC(アセトニトリル中の0.1%水性ギ酸)によるさらなる精製に供すると、純粋なフッ素化類似体が生じた。精製されたフッ素化類似体上のBoc保護基を標準的な手順を用いて除去すると、対応するアミンが得られた。
【0251】
(8.一般手順H)
【化64】
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(a)tert-ブチル(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化65】
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(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミン(6.3g、37.3mmol、1当量)、Boc2O(8.9g、40.8mmol、1.1当量)、及びDMAP(10mg)のTHF(50mL)溶液を室温で1時間撹拌した。該混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、所望の生成物が得られた。
【0252】
(b)tert-ブチル(2-ヨード-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化66】
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tert-ブチル(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメート(2.9g、1.3mmol、1当量)、NIS(5.2g、2.2mmol、2当量)、及びAcOH(3mL)のCHCl3(50mL)溶液を室温で7時間撹拌した。該反応混合物をトリエチルアミンで中和し、濃縮し、水で希釈した。該混合物をn-ヘキサンで抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、所望の生成物(3g)が得られた。
【0253】
(c)(2-(ピペリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化67】
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2-ジメチルアミノ-エタノール(デアノール)(5mL)中のtert-ブチル(2-ヨード-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-メチルカルバメート(400mg、1.0mmol、1当量)、ピペリジン(2mL)、Cu金属(6.4mg、1mmol、0.1当量)、及びK3PO4・3H2O(539.3mg、2.34mmol、2.3当量)の混合物を密封管にて85℃で28時間撹拌した。室温に冷却した後、該反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、Al2O3カラムクロマトグラフィーで精製した。Boc保護基を標準的な条件下でHClで除去すると、生成物(2-(ピペリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンが得られた。
【0254】
(9.一般手順I)
【化68】
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(a)2-(4-ブロモチオフェン-2-イル)エタノールの合成
【化69】
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2,4-ジブロモチオフェン(1g、4.13mmol)の無水エーテル溶液に-78℃でn-BuLi(1.66mL、4.13mmol)を滴加した。-78℃で0.5時間撹拌した後、オキシラン(0.32mL、エーテル中19.28mmol/mL)を該反応混合物に素速く添加した。0℃で1.5時間撹拌した後、該反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、濃縮し、精製すると、所望の生成物が得られた。
【0255】
(b)(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化70】
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一般手順Aに従って、表題化合物を2-(4-ブロモチオフェン-2-イル)エタノール及びアミノ-アセトアルデヒドジメチルアセタールから合成した。
【0256】
(c)tert-ブチル(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化71】
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一般手順Hに従って、表題化合物を(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンから合成した。
【0257】
(d)tert-ブチル(3-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化72】
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一般手順Jに従って、表題化合物をtert-ブチル(3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートから合成した。
【0258】
(e)(3-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化73】
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一般手順J(e)に従って、表題化合物をtert-ブチル(3-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートから合成した。
【0259】
(10.一般手順J)
【化74】
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(a)2-(5-ブロモチオフェン-2-イル)エタノールの合成
【化75】
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2-(チオフェン-2-イル)エタノール(3g、23.4mmol、1当量)及びHOAc(5mL)のCHCl3溶液に、NBSを室温で何回かに分けて添加した。室温で一晩撹拌した後、該反応混合物を水に注ぎ入れ、CHCl3で2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、所望の生成物が得られた。
【0260】
(b)(2-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化76】
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一般手順Aに従って、表題化合物を2-(5-ブロモチオフェン-2-イル)エタノール及びアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールから合成した。
【0261】
(c)tert-ブチル(2-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化77】
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一般手順Hに従って、表題化合物を(2-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンから合成した。
【0262】
(d)tert-ブチル(2-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化78】
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1,4-ジオキサン中のtert-ブチル(2-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメート(500mg、1.44mmol)、ピリジン-3-ボロン酸(351mg、2.88mmol)、Pd(OAc)2(33mg)、PPh3(170mg、0.65mmol)の混合物を窒素でパージした。室温で0.5時間撹拌した後、3mLのH2O中の457mgのNa2CO3を添加した。該反応混合物を100℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、該反応混合物を100mLの水に注ぎ入れ、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、所望の生成物が得られた。
【0263】
(e)(2-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化79】
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tert-ブチル(2-(ピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメートのMeOH溶液に、HCl溶液(10mL、MeOH中5N)を添加した。該混合物を室温で0.5時間撹拌し、固体を沈殿させた。該固体を真空濾過により回収し、EtOAcで洗浄すると、所望の生成物が得られた。
【0264】
(11.一般手順K)
【化80】
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tert-ブチル(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メチルカルバメート(1.96mmol)を無水DMF(20mL)に溶解させ、0℃に冷却した。NaH(鉱油中の60%分散液、86mg、2.15mmol)を一度に添加し、得られたオレンジ色の懸濁液を30分間撹拌した。重水素化したヨウ化メチル(133μL、2.15mmol)を添加し、得られた混合物を2〜3日かけて撹拌した。約65時間後、該混合物をH2O(30mL)に注ぎ入れ、Et2O(2×30mL)で洗浄した。水相をEtOAc(1×20mL)で抽出し、有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗材料を、Biotageシステムを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc勾配で溶出)で精製すると、所望のBoc保護材料が得られた。
【0265】
該BOC保護材料(340mg、1.04mmol)をMTBE(10mL)に溶解させ、ジオキサン中のHClを添加した(4M、1.5mL)。得られた溶液を2日間撹拌し、その後、飽和水性Na2CO3(30mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×40mL)で洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。粗N-ジュウテロメチル化合物をMTBE(10mL)に溶解させ、ジオキサン中のHCl(4M、454μL、1.04当量)を添加した。得られたオフホワイト色の沈殿物を濾過により回収し、MTBEで洗浄した後、真空中で乾燥させると、重水素化された生成物の純粋なHCl塩が得られた。
【0266】
(12.一般手順L)
【化81】
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上記のヨードチエニル化合物(0.22g、0.55mmol、一般手順Hを用いて精製したもの)、メチル-2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)アセテート(0.21g、1.1mmol)、及びCuBr・Me2S(0.023g、0.11mmol)を密封マイクロ波バイアル中で無水DMF(5mL)と合わせた。得られた混合物をマイクロ波反応器にて90℃で10分間加熱した。該反応が5%終了していることがLC-MSにより明らかにされた。該反応混合物を100℃のマイクロ波反応器に40分間再投入した。40分の時点で、該反応が95%終了していることがLC-MSにより明らかにされた。該反応混合物をEt2O(50mL)で希釈し、有機層をNaHCO3(飽和水溶液)、その後、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮すると、粗トリフルオロメチル生成物が得られた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%EtOAc)で精製すると、純粋なトリフルオロメチル生成物が得られた。その後、これをHCl(1,4-ジオキサン中4M、5mL)を用いて脱保護し、得られたHCl塩をMTBE(50mL)で沈殿させ、濾過し、白色の粉末として単離した。
【0267】
(13.一般手順M)
【化82】
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(a)4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-カルボニトリルの合成
上記の環状ケトン(1.0g、6.6mmol)のMeOH(330mL)及びDMSO(10mL)溶液に、Tosmic(1.7g、8.7mmol)、次いでKOtBu(2.5g、26.3mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を25℃で36時間撹拌した。36時間の時点で、大半の揮発性物質を真空中で除去した。該反応混合物をEtOAc及びH2Oで希釈した。有機物をNH4Cl(飽和水溶液)、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%EtOAc)で精製すると、所望のニトリル化合物が得られた。
【0268】
(b)(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンの合成
得られたニトリル(0.3g、1.8mmol)を、10mLのさらなるTHFで20mLに希釈した過剰のBH3・THF(10mL、10mmol)を用いて一級アミンに還元した。該反応混合物を25℃で1時間撹拌した。1時間の時点で、K2CO3(飽和水溶液)の注意深い添加を用いて、該反応液をクエンチした。EtOAcを添加し、有機層をNaHCO3及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。得られた黄色の油をRP-HPLCでさらに精製すると、一級アミン化合物が得られた。
【0269】
(c)N-メチル-1-(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンの合成
該一級アミンを、10%NEt3のMeOH溶液中の過剰のBOC2Oで保護した。該反応混合物を25℃で1時間撹拌した。1時間の時点で、全ての揮発性物質を真空中で除去した。該粗物質を10mLのTHFに溶解させた。THF中の20mLの1M LAHを滴加し、該反応混合物を25℃で2時間撹拌した。2時間の時点で、K2CO3(飽和水溶液)の注意深い添加を用いて、該反応液をクエンチした。EtOAcを添加し、有機層をNaHCO3で洗浄し、ブラインで乾燥させ、Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。得られた黄色の油をRP-HPLCでさらに精製すると、二級アミン化合物が得られた。
【0270】
(14.一般手順N)
【化83】
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(a)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル(メチル)カルバメートの合成
【化84】
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0℃の1,4-ジオキサン及び水(25mL/25mL)中の(S)-2-アミノプロパン-1-オール(2g、26.6mmol)及びNa2CO3(5.6g、53.2mmol)の混合物に、FmocCl(10.2g、39.9mmol)を添加し、その後、得られた混合物を室温まで徐々に温めた。TLCによって示されるようにアミンが完全に消費された後、水(25mL)を添加した。該混合物をDCM(3×50mL)で抽出した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(7.1g、90%)が得られた。
【0271】
(b)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチルメチル(3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメートの合成
【化85】
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-65℃の塩化オキサリル(1.89g、15.0mmol)の無水DCM(10mL)溶液に、無水DCM(10mL)中のDMSO(1.2g、15.0mmol)を滴加した。30分間撹拌した後、無水DCM(20mL)中のN-Fmoc(S)-2-アミノプロパン-1-オール(3.0g、10.0mmol)を滴加した。2時間撹拌した後、Et3N(3.0g、30mmol)を滴加し、その後、該混合物を室温まで徐々に温めた。該反応混合物を水で処理し、DCM(3×100mL)で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、溶媒を減圧下で除去すると、表題化合物(2.8g、94.9%)が得られた。
【0272】
(c)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-2-メチルプロピル(メチル)カルバメートの合成
【化86】
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一般手順Aに従って、表題化合物を(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチルメチル(3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメートから合成した。ジアステレオマー生成物は、この段階でRP-HPLCにより分離した。
【0273】
(d)(S)-1-((S)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)エタンアミンの合成
【化87】
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0℃の(9H-フルオレン-9-イル)メチル(S)-1-((S)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)エチルカルバメート(885mg、3.0mmol)のCH3CN(10mL)溶液に、ピペリジン(382mg、4.5mmol)を滴加した。一晩撹拌した後、該反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(450mg、82%)が得られた。
【0274】
(e)(S)-1-((S)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)エタンアミンのHCl塩の合成
【化88】
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(S)-1-((S)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)エタンアミン(450mg、2.5mmol)のエーテル(50mL)溶液を、0℃で10分間、気体HClで処理した。沈殿した固体を真空濾過により回収し、乾燥させると、表題生成物(460mg、84%)が得られた。
【0275】
(15.一般手順O)
【化89】
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(a)メチル1-アミノシクロヘキサンカルボキシレートの合成
【化90】
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MeOH(50mL)にSOCl2(8.8g、75.1mmol)を0℃で滴加し、次いで1-アミノシクロプロパンカルボン酸(5.0g、49.8mmol)を一度に添加した。得られた混合物を1〜3時間還流した。該反応溶液を減圧下で濃縮すると、表題化合物の塩(5.8g、100%)が得られた。
【0276】
(b)メチル1-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシレートの合成
【化91】
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0℃の1,4-ジオキサン(50mL)及び水(50mL)中のメチル1-アミノシクロプロパンカルボキシレート(5.8g、50.4mmol)及びNa2CO3(8.0g、74.6mmol)の混合物にFmocCl(19.4g、75.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温まで徐々に温めた。TLCによって示されるようにアミンが完全に消費された後、水(50mL)を添加し、該混合物をDCM(3×60mL)で抽出した。該DCM抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(15g、88%)が得られた。
【0277】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルカルバメートの合成
【化92】
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-5℃の(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-(メトキシカルボニル)-シクロプロピルカルバメート(15g、44.5mmol)のTHF(100mL)溶液にLiAlH4(1.0g、26.3mmol)を何回かに分けて添加した。室温で3時間撹拌した後、水(10mL)を添加して、該反応液をクエンチした。該混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。該有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(12.3g、90%)が得られた。
【0278】
(c)(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-ホルミルシクロヘキシルカルバメートの合成
【化93】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0279】
(d)(9H-フルオレン-9-イル)メチル1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)シクロヘキシルカルバメートの合成
【化94】
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一般手順A(b)に従って、表題化合物を合成した。
【0280】
(e)1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)シクロヘキサンアミンの合成
【化95】
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一般手順N(d)に従って、表題化合物を合成した。
【0281】
(f)エチル1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)シクロヘキシルカルバメートの合成
【化96】
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0℃の1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-シクロプロパンアミン(1g、5.1mmol)及びEt3N(0.8g、7.5mmol)の無水DCM(20mL)溶液にクロロギ酸エチル(0.8g、7.5mmol)を滴加した。0℃で4時間撹拌した後、水(20mL)を添加して、該反応液をクエンチした。該混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、有機抽出物を無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(1.1g、83%)が得られた。
【0282】
(g)1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N-メチルシクロヘキサンアミンの合成
【化97】
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N2下0℃のエチル1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)シクロプロピルカルバメート(1.1g、4.1mmol)の無水THF(20mL)溶液に、LiAlH4(152mg、4.0mmol)を一度に添加した。得られた混合物を2時間還流した後、室温に冷却した。水(5mL)を添加して、該反応液をクエンチした。該反応混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×75mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(700mg、84%)が得られた。
【0283】
(h)1-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N-メチルシクロヘキサンアミンのHCl塩の合成
【化98】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0284】
(16.一般手順P)
【化99】
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(a)2-(4-メチルチオフェン-2-イル)エタノールの合成
【化100】
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-65℃の3-メチルチオフェン(5g、51.0mmol)の無水エーテル(250mL)溶液にn-BuLi(25mL、THF中2.5N)を滴加した。1時間撹拌した後、オキシラン(2.7g、61.3mmol)を一度に添加した。得られた反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。その後、該反応液を水でクエンチした。層を分離した後、有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(6.2g、86%)が得られた。
【0285】
(b)tert-ブチルジメチル(2-(4-メチルチオフェン-2-イル)エトキシ)シランの合成
【化101】
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0℃の2-(4-メチルチオフェン-2-イル)エタノール(3.0g、21.1mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(4.1g、31.7mmol)の無水DCM(50mL)溶液に、無水DCM(20mL)中のTBSCl(4.8g、32.0mmol)を滴加し、その後、該混合物を室温まで徐々に温めた。アルコールが完全に消費された後、水(10mL)を添加した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(5.1g、94%)が得られた。
【0286】
(c)tert-ブチル(2-(5-フルオロ-4-メチルチオフェン-2-イル)エトキシ)ジメチルシランの合成
【化102】
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-5℃の(2-(4-メチルチオフェン-2-イル)エトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(5.1g、19.9mmol)の無水THF(30mL)溶液にLDA(THF中20mL、30mmol)を滴加した。1時間撹拌した後、無水THF(10mL)中のNFSI(9.4g、29.8mmol)を滴加し、得られた混合物をさらに2時間撹拌した。該反応液を水(15mL)でクエンチし、得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(3.7g、68%)が得られた。
【0287】
(d)(2-フルオロ-3-メチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化103】
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一般手順Aに従って、表題化合物を合成した。
【0288】
(e)(2-フルオロ-3-メチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化104】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0289】
(17.一般手順Q)
【化105】
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(a)チオフェン-3-カルボキシアルデヒドの合成
【化106】
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-65℃の3-ブロモチオフェン(0.65g、4.0mmol)の無水THF(20mL)溶液にt-BuLi(3.5mL、8.8mmol、ヘキサン中2.5M)を15分かけて添加した。-65℃で30分間撹拌した後、DMF(0.32g、4.4mmol)を滴加し、該反応液を-65℃で2時間撹拌した。該反応混合物を水でクエンチし、該混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮すると、粗生成物が得られた。該粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0290】
(b)エチル3-(チオフェン-3-イル)アクリレートの合成
【化107】
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0℃のチオフェン-3-カルバルデヒド(10g、89.3mmol)のTHF(500mL)溶液に、エチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(35g、100.5mmol)を何回かに分けて添加した。一晩撹拌した後、該反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(13.6g、83%)が得られた。
【0291】
(c)エチル4-ニトロ-3-(チオフェン-3-イル)ブタノエートの合成
【化108】
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エチル3-(チオフェン-3-イル)アクリレート(5g、27.5mmol)のCH3NO2(20mL)溶液に、N2下でTriton B(5mL)を添加し、得られた反応混合物を一晩還流した。該反応混合物を濃縮した後、水で希釈した。該混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(4.3g、65%)が得られた。
【0292】
(d)4-ニトロ-3-(チオフェン-3-イル)ブタン酸の合成
【化109】
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0℃のエチル4-ニトロ-3-(チオフェン-3-イル)ブタノエート(4.3g、18.2mmol)のMeOH(40mL)溶液に、3N水性NaOH(10mL)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その後、2N HClを添加して、pHを3〜4に調整し、次いでDCMで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過後、該溶液を濃縮すると、表題化合物(3.4g、87%)が得られた。
【0293】
(e)4,5-ジヒドロ-4-(ニトロメチル)シクロペンタ[b]チオフェン-6-オンの合成
【化110】
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4-ニトロ-3-(チオフェン-3-イル)ブタン酸(3.4g、15.9mmol)のDCE(20mL)溶液にPPA(20g)を添加し、得られた混合物を一晩還流した。濃縮後、該反応混合物を固体NaOHで処理し、次いで水を添加した。30分間撹拌した後、該混合物をDCMで抽出した。該DCM抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(2.3g、74%)が得られた。
【0294】
(f)(5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンの合成
【化111】
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0℃の4,5-ジヒドロ-4-(ニトロメチル)シクロペンタ[b]チオフェン-6-オン(2.3g、11.7mmol)の無水THF(30mL)溶液に、LiAlH4(0.5g 13.1mmol)を一度に添加した。その後、得られた混合物を4時間還流した。室温に冷却した後、該反応液を水でクエンチし、濾過した。濾液をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(1.3g、72%)が得られた。
【0295】
(g)エチル(5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化112】
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一般手順O(g)に従って、表題化合物を合成した。
【0296】
(h)1-(5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化113】
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一般手順O(h)に従って、表題化合物を合成した。
【0297】
(i)1-(5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)-N-メチルメタンアミンのHCl塩の合成
【化114】
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一般手順N(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0298】
(18.一般手順R)
【化115】
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(a)トリイソプロピル(2-(チオフェン-2-イル)エトキシ)シランの合成
【化116】
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一般手順Pに従って、表題化合物を合成した。
【0299】
(b)(2-(5-フルオロチオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシランの合成
【化117】
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一般手順Pに従って、表題化合物を合成した。
【0300】
(c)2'-フルオロ-6',7'-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,4'-チエノ[3,2-c]ピラン]の合成
【化118】
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一般手順Aに従って、表題化合物を合成した。
【0301】
(d)2'-フルオロ-6',7'-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,4'-チエノ[3,2-c]ピラン]のHCl塩の合成
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0302】
(19.一般手順S)
【化120】
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(a)tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(チオフェン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化121】
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N2下、-65℃の3-ブロモチオフェン(10g、61.8mmol)の無水エーテル(200mL)溶液にn-BiLiを滴加した。-65℃で1時間撹拌した後、無水エーテル(80mL)中のtert-ブチル3-オキソピロリジン-1-カルボキシレート(13.7g、74.2mmol)を滴加した。添加後、該反応混合物を0℃に温め、3時間撹拌した。該反応液を水でクエンチし、エーテルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(9.8g、59%)が得られた。
【0303】
(b)tert-ブチル3-(2-ブロモチオフェン-3-イル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化122】
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0℃のtert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(チオフェン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(5g、18.6mmol)のAcOH(10mL)及びCHCl3(10mL)溶液にNBS(5.0g、27.9mmol)を何回かに分けて添加した。3時間撹拌した後、該反応混合物をNa2SO3及び水で処理し、次いでEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(5.4g、84%)が得られた。
【0304】
(c)tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(2-(2-ヒドロキシフェニル)チオフェン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化123】
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ジオキサン(10mL)及び水(10mL)中のtert-ブチル3-(2-ブロモチオフェン-3-イル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート(5g、13.8mmol)、Pd(OAc)2(31mg、0.14mmol)、Ph3P(147mg、0.42mmol)、2-ヒドロキシフェニルボロン酸(1.74g、27.6mmol)、及びNa2CO3(2.9g、27.6mmol)の混合物をN2下で3時間還流した。該反応液を室温に冷却した後、該反応混合物をEtOAcで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(4.4g、88%)が得られた。
【0305】
(d)tert-ブチルスピロ[ピロリジン-3,4'-チエノ[3,2-c]クロメン]-1-カルボキシレートの合成
【化124】
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0℃のtert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(2-(2-ヒドロキシフェニル)チオフェン-3-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(4.4g、12.1mmol)のDCM(25mL)溶液にBF3(1.6g、24.2mmol)を滴加した。一晩撹拌した後、該反応混合物を水で処理し、EtOAcで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(3.8g、92%)が得られた。
【0306】
(e)tert-ブチルスピロ[ピロリジン-3,4'-チエノ[3,2-c]クロメン]-1-カルボキシレートのHCl塩の合成
【化125】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0307】
(20.一般手順T)
【化126】
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(a)チオフェン-3-イルメタノールの合成
【化127】
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0℃のチオフェン-3-カルバルデヒド(10g、89.3mmol)のTHF(200mL)溶液にNaBH4(1.7g、45.0mmol)を何回かに分けて添加した。0℃で3時間撹拌した後、該反応液を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(9.7g、95%)が得られた。
【0308】
(b)(2-ブロモチオフェン-3-イル)メタノールの合成
【化128】
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一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0309】
(c)2-ブロモチオフェン-3-カルバルデヒドの合成
【化129】
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0℃の(2-ブロモチオフェン-3-イル)メタノール(5g、26.3mmol)のTHF(60mL)溶液に、デス・マーチンペルヨージナン(13.4g、31.6mmol)を何回かに分けて添加した。0℃で3時間撹拌した後、水及びNa2SO3を添加した。該混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(4.1g、83%)が得られた。
【0310】
(d)1-(2-ブロモチオフェン-3-イル)-2-ニトロエタノールの合成
【化130】
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一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0311】
(e)(E)-2-ブロモ-3-(2-ニトロビニル)チオフェンの合成
【化131】
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1-(2-ブロモチオフェン-3-イル)-2-ニトロエタノール(3g、12.0mmol)、DMAP(146mg、1.2mmol)、及びEt3N(2.4g、24.0mmol)のDCM(30mL)溶液にMsCl(2.4g、24.0mmol)を滴加した。その後、得られた混合物を3時間撹拌した。冷却後、該反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(2.5g、88%)が得られた。
【0312】
(f)4-(ニトロメチル)-4H-チエノ[3,2-c]クロメンの合成
【化132】
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一般手順S(c)に従って、表題化合物を合成した。
【0313】
(g)(4H-チエノ[3,2-c]クロメン-4-イル)メタンアミンの合成
【化133】
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4-(ニトロメチル)-4H-チエノ[3,2-c]クロメン(2.5g、10.7mmol)のAcOH(20mL)溶液に、NH4Cl(5.4g、100mmol)及びFe(2.8g、50mmol)を添加した。一晩撹拌した後、該反応混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(2.2g、96%)が得られた。
【0314】
(h)エチル(4H-チエノ[3,2-c]クロメン-4-イル)メチルカルバメートの合成
【化134】
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一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0315】
(i)N-メチル-1-(4H-チエノ[3,2-c]クロメン-4-イル)メタンアミンの合成
【化135】
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一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0316】
(j)N-メチル-1-(4H-チエノ[3,2-c]クロメン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化136】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0317】
(21.一般手順U)
【化137】
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(a)2-(チオフェン-3-イル)フェノールの合成
【化138】
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一般手順S(c)に従って、表題化合物を合成した。
【0318】
(b)(4H-チエノ[2,3-c]クロメン-4-イル)メタンアミンの合成
【化139】
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一般手順Aに従って、表題化合物を合成した。
【0319】
(c)N-メチル-1-(4H-チエノ[2,3-c]クロメン-4-イル)メタンアミンの合成
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0320】
(d)N-メチル-1-(4H-チエノ[2,3-c]クロメン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化141】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0321】
(22.一般手順V)
【化142】
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(a)(2-(5-ブロモチオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシランの合成
【化143】
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一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0322】
(b)(2-(5-ブロモ-4-ヨードチオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシランの合成
【化144】
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-5℃の(2-(5-ブロモチオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシラン(7.24g、20mmol)の無水THF(80mL)溶液にLDA(THF中20mL、30mmol)を滴加した。1時間撹拌した後、無水THF(20mL)中のNIS(6.75g、30mmol)を滴加し、得られた混合物をさらに2時間撹拌した。該反応液を水(30mL)でクエンチし、得られた混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(5.9g、61%)が得られた。
【0323】
(c)(2-(5-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシランの合成
【化145】
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CuBr(20mg、0.15mmol)及びMe2S(10mg、0.15mmol)のDMF(10mL)溶液を80℃で0.5時間撹拌した。(2-(5-ブロモ-4-ヨードチオフェン-2-イル)エトキシ)トリイソプロピルシラン(0.35g、0.71mmol)及びメチル3,3-ジフルオロ-3-(フルオロスルホニル)プロパノエート(0.27g、1.42mmol)を該反応混合物に添加した。該反応混合物を160℃まで4時間加熱した。その後、該混合物を冷却し、ヘキサン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0324】
(d)1-(2-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化146】
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一般手順Pに従って、表題化合物を合成した。
【0325】
(e)N-メチル-1-(3-(トリフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化147】
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1-(2-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N-メチルメタンアミン(5mmol)のMeOH(5mL)溶液に触媒量のPd/Cを添加した。真空を適用し、反応容器に水素ガスを3回再充填した。得られた混合物を大気H2下で撹拌した。還元が終了した後、該反応混合物を濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製すると、所望の生成物が得られた。
【0326】
(f)N-メチル-1-(3-(トリフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化148】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0327】
(23.一般手順W)
【化149】
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(a)2-ブロモシクロヘキサン-1,3-ジオンの合成
【化150】
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シクロヘキサン-1,3-ジオン(11.2g、0.1mol)を氷水(70mL)に懸濁し、臭素(5.16mL、0.1mol)を5分かけて滴加した。得られた懸濁液を室温で3時間撹拌した。該懸濁液を濾過し、固体を水(200mL)の中で30分間撹拌した。該固体を真空濾過により回収し、水ですすぎ、乾燥させると、粗生成物が得られた。該粗生成物をエタノールから再結晶化させると、表題化合物が生じた。
【0328】
(b)2-メチル-5,6-ジヒドロベンゾ[d]チアゾール-7(4H)-オンの合成
【化151】
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室温のエタンチオアミド(0.75g、10mmol)のエタノール(20mL)溶液に2-ブロモシクロヘキサン-1,3-ジオン(1.9g、10mmol)を何回かに分けて添加した。該反応溶液を、撹拌しながら、2時間還流した。溶媒の除去後、残渣を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。分離した水層を炭酸ナトリウム溶液で塩基性化した。得られた固体を真空濾過により回収し、水ですすいだ。該固体をメタノールに懸濁し、次いで蒸発乾固すると、表題化合物が生じた。
【0329】
(c)2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-7-カルボニトリルの合成
【化152】
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撹拌し、冷却した5,6-ジヒドロ-2-メチルベンゾ[d]チアゾール-7(4H)-オン(1.67g、10mmol)及びTOSMIC(2.5g、13mmol)のDME(25mL)及び無水エタノール(25mL)の混合物溶液に、5〜10℃の反応温度を保持しながら、固体t-BuOK(2.8g、24mmol)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温で30分間、及び30〜45℃で30分間撹拌した。得られた懸濁液を室温に冷却した。沈殿物(TosK)を濾過により除去し、DMEですすいだ。合わせたDME溶液を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0330】
(d)(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-7-イル)メタンアミンの合成
【化153】
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一般手順O(h)に従って、表題化合物を合成した。
【0331】
(e)N-メチル-1-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-7-イル)メタンアミンの合成
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0332】
(f)N-メチル-1-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-7-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0333】
(24.一般手順X)
【化156】
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(a)エチル3-ブロモ-2-オキソシクロヘキサンカルボキシレートの合成
【化157】
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一般手順Wに従って、表題化合物を合成した。
【0334】
(b)エチル2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-4-カルボキシレートの合成
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Wに従って、表題化合物を合成した。
【0335】
(c)(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-4-イル)メタノールの合成
【化159】
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一般手順O(h)に従って、表題化合物を合成した。
【0336】
(d)(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-4-イル)メチルメタンスルホン酸塩の合成
【化160】
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(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-4-イル)メタノール(3.3mmol)及びEt3N(1.4mL、10mmol)のTHF(10mL)溶液にMsCl(0.3mL、3.6mmol)を室温で滴加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を水(200mL)で希釈し、濾過し、乾燥させると、粗生成物が得られた。これをさらに精製することなく次の工程で直接用いた。
【0337】
(e)4-(アミノメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンの合成
【化161】
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(2-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-4-イル)メチルメタンスルホネート(3.3mmol)のDMF(10mL)溶液にNaN3(0.21g、3.3mmol)を添加した。得られた混合物を85℃で30分間撹拌した。該混合物を水(100mL)に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をTHF(20mL)及びH2O(10mL)に溶解させ、Na2CO3(0.35g、3.3mmol)及びPPh3(0.8g、3mmol)を添加した。一晩撹拌した後、該反応混合物を水(100mL)で希釈し、その後、濾過した。濾液をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物を得、さらに精製することなく次の工程で直接用いた。
【0338】
(f)N-メチル-4-((メチルアミノ)メチル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンの合成
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0339】
(g)N-メチル-4-((メチルアミノ)メチル)-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンのHCl塩の合成
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0340】
(25.一般手順Y)
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
(a)4-メチルチオフェン-2-カルバルデヒドの合成
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
-65℃の3-メチルチオフェン(1.89g、15.0mmol)の無水THF(10mL)溶液にn-BuLi(15.0mmol)を滴加した。30分間撹拌した後、無水THF(3mL)中のDMF(3.0g、10.0mmol)を滴加し、該反応混合物を-65℃で2時間撹拌した。該反応液を室温に温め、水を添加した。得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(7.1g、90%)が得られた。
【0341】
(b)(E)-エチル3-(4-メチルチオフェン-2-イル)アクリレートの合成
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0342】
(c)エチル3-(4-メチルチオフェン-2-イル)-4-ニトロブタノエートの合成
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0343】
(d)3-(4-メチルチオフェン-2-イル)-4-ニトロブタン酸の合成
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0344】
(e)3-メチル-6-(ニトロメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オンの合成
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0345】
(f)3-メチル-6-(ニトロメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェンの合成
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
3-メチル-6-(ニトロメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-オン(9.5g)のBH3・THF(400mL)溶液を室温で一晩撹拌した。TLC分析は出発材料の消費を示した。該反応混合物を10%HClでpH2に酸性化し、2時間撹拌した。該混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、5gの表題化合物(収率:56.4%)が得られた。
【0346】
(g)(3-メチル-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-6-イル)メタンアミンの合成
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
3-メチル-6-(ニトロメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン(5g)のMeOH(100mL)溶液に10%Pd/Cを添加し、該反応液をバルーンを用いて水素雰囲気下に置いた。該混合物を室温で一晩撹拌した。TLC分析は出発材料の消費を示し、該反応混合物をCeliteのパッドに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣をEt2Oに溶解し、0℃で10分間、気体HClで処理した。沈殿生成物を真空濾過により回収し、乾燥させると、4.0gの表題化合物のHCl塩が得られた。
【0347】
(h)N-メチル-1-(3-メチル-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-6-イル)メタンアミンの合成
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0348】
(i)N-メチル-1-(3-メチル-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-6-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順N(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0349】
(26.一般手順Z)
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
(a)2-ブロモ-3-メチルチオフェンの合成
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0350】
(b)5-ブロモ-4-メチルチオフェン-2-カルバルデヒドの合成
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
-65℃の2-ブロモ-3-メチルチオフェン(2.66g、15.0mmol)の無水THF(10mL)溶液にLDA溶液(15.0mmol)を滴加した。30分間撹拌した後、無水THF(3mL)中のDMF(3.0g、10.0mmol)を滴加し、該反応液を-65℃で2時間撹拌した。該反応液を室温に温め、水を添加した。クエンチした混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0351】
(c)4-メチルチオフェン-2-カルバルデヒドの合成
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順V(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0352】
(d)(Z)-エチル4-(4-メチルチオフェン-2-イル)ブト-3-エノエートの合成
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0353】
(e)エチル4-(4-メチルチオフェン-2-イル)ブタノエートの合成
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順V(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0354】
(f)4-(4-メチルチオフェン-2-イル)ブタン酸の合成
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0355】
(g)3-メチル-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オンの合成
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0356】
(h)3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-カルボニトリルの合成
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Wに従って、表題化合物を合成した。
【0357】
(i)(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンの合成
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Wに従って、表題化合物を合成した。
【0358】
(j)N-メチル-1-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンの合成
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0359】
(k)N-メチル-1-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化185】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0360】
(27.一般手順AA)
【化186】
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一般手順Zに従って、上記の化合物、4-(チオフェン-3-イル)ブタン酸、5,6-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-7(4H)-オン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-7-カルボニトリル、(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-7-イル)メタンアミン、及びN-メチル-1-(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-7-イル)メタンアミンを合成した。一般手順Nに従って、N-メチル-1-(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-7-イル)メタンアミンのHClを合成した。
【0361】
(28.一般手順BB)
【化187】
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(a)6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オンの合成
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Q及びZに従って、表題化合物を合成した。
【0362】
(b)4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェンの合成
【化189】
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出発材料(4.93mmol)、エチレングリコール(3.6mL)、88%KOH(0.55g、9.8mol)、及び85%ヒドラジン水和物(0.62mL)の混合物を約30分間還流した。その後、コンデンサを取り外して、水性液を蒸発させておいた。該反応混合物の温度は約200℃に達した。該反応混合物を一晩還流した後、それを冷却し、水で希釈し、エーテルで抽出した。合わせたエーテル溶液を減圧下で濃縮すると、粗生成物が得られた。これをカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0363】
(c)3-ブロモ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェンの合成
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Tに従って、表題化合物を合成した。
【0364】
(d)2-(4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)エタノールの合成
【化191】
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一般手順Pに従って、表題化合物を合成した。
【0365】
(e)4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン[2,3-c]ピラン-7-イル)アミンの合成
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Bに従って、表題化合物を合成した。
【0366】
(f)4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン[2,3-c]ピラン-7-イル)メタンアミンの合成
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順O(g、h)に従って、表題化合物を合成した。
【0367】
(g)4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン[2,3-c]ピラン-7-イル)メタンアミンの合成
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順N(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0368】
(29.一般手順CC)
【化195】
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(a)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化196】
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ピロリジン-2-イルメタノールを出発材料として用いて、一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0369】
(b)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル2-ホルミルピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0370】
(c)(S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル2-((R)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートの合成
【化198】
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一般手順Bに従って、表題化合物を合成した。ジアステレオマー生成物はこの段階でRP-HPLCにより分離した。
【0371】
(d)(S)-2-((R)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)ピロリジンの合成
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順N(d)に従って、表題化合物を合成した。
【0372】
(e)(S)-2-((R)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)ピロリジンのHCl塩の合成
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順N(d)に従って、表題化合物を合成した。
【0373】
(30.一般手順DD)
【化201】
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(a)(9H-フルオレン-9-イル)メチル(R)-1-((S)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)エチルカルバメート
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0374】
(b)(R)-1-((S)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)エタンアミン
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0375】
(c)(R)-1-((S)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルエタンアミンの合成
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0376】
(d)(R)-1-((S)-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルエタンアミンのHCl塩の合成
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0377】
(31.一般手順EE)
【化206】
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(a)N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミドの合成
【化207】
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J. Org. Chem. 1989, 54, 1256に従って、表題化合物を合成した。
【0378】
(b)5-ホルミル-N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミドの合成
【化208】
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一般手順Yに従って、表題化合物を合成した。
【0379】
(c)5-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミド及び5-(5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミドの合成
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順A及びBに従って、表題化合物を合成した。
【0380】
(d)5-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピラン-4-イル)-N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミド及び5-(5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N,N,2-トリメチル-1H-イミダゾール-1-スルホンアミドのHCl塩の合成
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順J(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0381】
(32.一般手順FF)
【化211】
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(a)(4-クロロフェニル)(2,2-ジメトキシエチル)スルファンの合成
【化212】
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室温の4-クロロベンゼンチオール(13mmol)及びEt3N(1.4g、13mmol)のTHF(25mL)溶液にTHF(5mL)中の2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(2.36g、13mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、該反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、ジエチルエーテル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0382】
(b)5-クロロベンゾ[b]チオフェンの合成
【化213】
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一般手順Q(e)に従って、PPAの存在下で、表題化合物を合成した。
【0383】
(c)2-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェンの合成
【化214】
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一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0384】
(d)2-(5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)エタノールの合成
【化215】
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一般手順A(a)に従って、表題化合物を合成した。
【0385】
(e)2-(5-クロロベンゾ[b]チオフェン[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化216】
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一般手順A(b)に従って、表題化合物を合成した。
【0386】
(f)2-(5-クロロベンゾ[b]チオフェン[3,2-c]ピラン-4-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化217】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0387】
(33.一般手順GG)
【化218】
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(a)3-フェニルチオフェンの合成
【化219】
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一般手順Uに従って、表題化合物を合成した。
【0388】
(b)2,5-ジブロモ-3-フェニルチオフェンの合成
【化220】
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一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0389】
(c)2,5-ジブロモ-3-エチル-4-フェニルチオフェンの合成
【化221】
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-65℃の2,5-ジブロモ-3-フェニルチオフェン(2.54g、8.0mmol)の無水THF(30mL)溶液にLDA(8.8mmol)を滴加した。-65℃で30分間撹拌した後、オキシラン(20.0mmol)を添加し、該反応液を2時間撹拌した。その後、該反応混合物を室温に温め、水を添加した。得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0390】
(d)2-(4-フェニルチオフェン-3-イル)エタノールの合成
【化222】
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一般手順Vに従って、表題化合物を合成した。
【0391】
(e)N-メチル-1-(3-フェニル-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)メタンアミンの合成
【化223】
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一般手順Bに従って、表題化合物を合成した。
【0392】
(f)N-メチル-1-(3-フェニル-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)メタンアミンのHCl塩の合成
【化224】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0393】
(34.一般手順HH)
【化225】
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(a)tert-ブチル(5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)メチル(メチル)カルバメートの合成
【化226】
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一般手順Mに従って、表題化合物を適当な二級アミンからBoc保護した。
【0394】
(b)tert-ブチル(2-ブロモ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)メチル(メチル)カルバメートの合成
【化227】
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一般手順Vに従って、表題化合物を合成した。
【0395】
(c)tert-ブチル(2-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)メチル(メチル)カルバメートの合成
【化228】
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一般手順Vに従って、表題化合物を合成した。
【0396】
(d)1-(2-ブロモ-3-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化229】
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一般手順Jに従って、表題化合物を合成した。
【0397】
(e)1-(3-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化230】
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一般手順Vに従って、表題化合物を合成した。
【0398】
(f)1-(3-クロロ-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[b]チオフェン-4-イル)-N-メチルメタンアミンのHCl塩の合成
【化231】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0399】
(35.一般手順II)
【化232】
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(a)5-フェニルベンゾ[b]チオフェンの合成
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順S(c)に従って、表題化合物を合成した。
【0400】
(b)エチル4-オキソ-4-(5-フェニルベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ブタノエートの合成
【化234】
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0℃の5-フェニルベンゾ[b]チオフェン(1.05g、5.0mmol、1当量)のDCM(100mL)溶液にエチル4-クロロ-4-オキソブタノエート(0.9g、21.4mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。SnCl4(2.3mL、6.0mmol、1.2当量)を添加し、該混合物を室温で一晩撹拌した。該反応混合物をHCl水溶液(50mL、3M)でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物が得られた。
【0401】
(c)4-オキソ-4-(5-フェニルベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ブタン酸の合成
【化235】
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一般手順Qに従って、表題化合物を合成した。
【0402】
(d)4-(5-フェニルベンゾ[b]チオフェン-3-イル)ブタン酸の合成
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順BBに従って、表題化合物を合成した。
【0403】
(e)8-フェニル-2,3-ジヒドロジベンゾ[b,d]チオフェン-4(1H)-オンの合成
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順BBに従って、表題化合物を合成した。
【0404】
(f)8-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロジベンゾ[b,d]チオフェン-4-アミンの合成
【化238】
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8-フェニル-2,3-ジヒドロジベンゾ[b,d]チオフェン-4(1H)-オン(0.28g、1.0mmol、1当量)、酢酸アンモニウム(0.77g、10当量)のMeOH(20mL)溶液にNaBH3CN(160mg、2.5当量)を一度に添加した。該反応混合物を50℃に加熱し、20時間撹拌した。その後、溶媒を除去し、飽和NaHCO3で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させた。濾過及び濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、表題化合物(64mg、23%)が得られた。
【0405】
(g)N-メチル-8-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロジベンゾ[b,d]チオフェン-4-アミンの合成
【化239】
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一般手順Oに従って、表題化合物を合成した。
【0406】
(h)N-メチル-8-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロジベンゾ[b,d]チオフェン-4-アミンのHCl塩の合成
【化240】
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一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0407】
(36.一般手順JJ)
【化241】
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(a)1-(2-ブロモ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Sに従って、表題化合物を合成した。
【0408】
(b)tert-ブチル(2-ブロモ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)メチル(メチル)カルバメートの合成
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Mに従って、表題化合物をBoc保護した。
【0409】
(c)tert-ブチル(2-ブロモ-3-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)メチル(メチル)カルバメートの合成
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順HHに従って、表題化合物を合成した。
【0410】
(d)1-(2-ブロモ-3-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順J(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0411】
(e)1-(3-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミンの合成
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順V(e)に従って、表題化合物を合成した。
【0412】
(f)1-(3-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-N-メチルメタンアミンのHCl塩の合成
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Nに従って、表題化合物を合成した。
【0413】
(37.一般手順KK)
【化248】
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(a)エチル2-(2,5-ジメチルチオフェン-3-イル)-2-オキソアセテートの合成
【化249】
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AlCl3(29.5g、221mmol)のCH2Cl2(150mL)溶液に、2,5-ジメチルチオフェン(6.2g、55mmol)、次いでエチル2-クロロ-2-オキソアセテート(15.1g、110mmol)を添加した。得られた混合物を室温で12時間撹拌した。12時間の時点で、該反応混合物を濾過し、H2Oで注意深く希釈し、EtOAcで抽出した。揮発性物質を除去すると、ほぼ純粋な粗物質が得られた。これをさらに精製することなく、次の工程で用いた。
【0414】
(b)2-(2,5-ジメチルチオフェン-3-イル)エタノールの合成
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
エチル2-(2,5-ジメチルチオフェン-3-イル)-2-オキソアセテートを、THF中の過剰のBH3-DMSを用いて、18時間かけて周囲温度で還元した。標準的な後処理プロトコル及びシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、所望のアルコール生成物が得られた。
【0415】
(c)(1,3-ジメチル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピラン-4-イル)メタンアミンの合成
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
一般手順Dに従って、表題化合物を合成した。
【0416】
(B.一般手順CS(キラル分離))
Chiral TechnologiesのAS、AD、OJ、及びODカラム、並びに指定の溶媒系を用いて、本明細書に開示されたラセミ化合物の順相キラル分離を実施した。
【0417】
以下の略語を用いた:
IHD 5=5%イソプロパノール/95%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン;
IHD 10=10%イソプロパノール/90%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン;
MEHD 5=2.5%メタノール/2.5%エタノール/95%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン;及び
MEHD 2.5=1.25%エタノール/1.25%メタノール/97.5%ヘキサン/0.1%ジエチルアミン。
【0418】
高速移動エナンチオマー(FME)は、より早く溶出するエナンチオマーであり、低速移動エナンチオマー(SME)は、より遅く溶出するエナンチオマーであった。本明細書に開示された遊離の一級又は二級アミンが、カラムクロマトグラフィーで分離されない場合、標準的な方法を用いてそれらをN-BOC又はN-TROC保護し、その後、カラムクロマトグラフィーで分離した。これにより、通常、分離が改善された。保護したアミンを分離した後、標準的な方法(例えば、BOCについてはHCl、TROCについてはZn粉末/NH4Cl)を用いて保護基を除去した。
【0419】
特殊なカラム及び共溶媒を用いてSFC(超臨界CO2流体クロマトグラフィー)キラル分離を行ない、CO2総流量は60〜80g/分であった。
【0420】
(C.化合物)
上記の一般手順を用いて、以下の化合物を調製した。
【表1】
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*FBは「遊離塩基」の略記である。
【0421】
(D.動物モデル)
統合失調症のPCP多動及びプレパルス抑制(PPI)モデルを用いて、化合物の抗精神病様活性をマウスで評価した。
【0422】
(1.方法)
動物:Jackson Laboratories(Bar Harbor, Maine)からの雄C57Bl/6Jマウスを用いた。受け取った後、マウスに固有の識別番号を割り当て(尾部にマーキングする)、ケージ当たりのマウスを4匹としてOptiMICE換気ケージ内で集団飼育した。試験の残りの期間中、全ての動物を4匹の群で飼育し続けた。全てのマウスを、試験前に少なくとも2週間、コロニー部屋に慣れさせた。環境順応の期間中、マウスを定期的に検査し、手で触れ、計量して、適切な健康状態及び適性を保証した。動物を12時間/12時間明暗周期で維持した。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を30%〜70%に維持した。試験期間中は、餌と水を不断給餌した。各試験において、動物を処置群に無作為に割り当てた。
【0423】
(2.PCP多動)
オープンフィールド(OF)チャンバーは、水平方向及び垂直方向の活動を測定するための赤外光線(16×16×16)で囲まれたPlexiglasスクエアチャンバー(27.3×27.3×20.3cm;Med Associates Inc., St Albans, VT)であった。解析は、オープンフィールドを中央及び周辺域に分割するように構成した。移動距離は、マウスが移動したときの水平ビームの中断から測定したのに対し、後肢立ち(rearing)活動は垂直ビームの中断から測定した。
【0424】
マウスに、ビヒクル、試験化合物、又はクロザピン(1mg/kg;i.p)を注射し、30分間のベースライン活動の測定のためにOFチャンバーに入れた。その後、マウスに、水又はPCP(5mg/kg;i.p)のどちらかを注射し、60分間の間、OFチャンバーに戻し入れた。各OF試験期間の最後に、OFチャンバーを隅々まで掃除した。
【0425】
(3.驚愕のプレパルス抑制)
聴覚性驚愕は、外部からの聴覚刺激に対する無条件反射応答である。驚愕のプレパルス抑制(PPI)とは、驚愕刺激前の低強度聴覚刺激の提示により生じる驚愕応答の低下を意味する。ヒトと齧歯類での研究の結果が類似しているため、PPIパラダイムは、統合失調症及び抗精神病作用の研究に用いられる。PPIは、統合失調症で認められる感覚-運動ゲーティングの欠陥の評価のためのツールとして、及び潜在的な抗精神病薬をスクリーニングするために用いられている。PCPなどの様々な精神異常発現薬はPPIを破壊することができる。マウスにおいて、クロザピンなどの抗精神病薬は、PCPによって誘発されたPPIの破壊を逆転させることができる。
【0426】
5分間の白色雑音(70dB)馴化のために、マウスをPPIチャンバー(Med Associates)に入れた。馴化期間の後に、試験期間を開始した。該期間は、驚愕刺激のみを6回提示する馴化ブロックから始め、その後、6つの異なる種類の試行からなる10回のPPIブロックを続けた。試行の種類は以下の通りであった:「無」(刺激なし)、「驚愕」(120dB)、「驚愕とプレパルス」(バックグラウンド雑音よりも4、8、及び12dB高い、すなわち、74、78または82dB)、並びに「プレパルス」(82 dB)。試行の種類は、各ブロック内で無作為な順序で提示した。各試行は、50msの無刺激期間から始め、この間にベースライン動作を記録した。その後、20msの期間があり、この間にプレパルス刺激を提示し、プレパルスに対する応答を測定した。さらに100msの期間の後、驚愕刺激を40ms間提示し、応答を驚愕の発生から100ms間記録した。応答はms毎にサンプリングした。試行間の間隔は可変であり、平均15秒(10〜20秒の範囲)であった。「驚愕」試行では、基礎的な聴覚性驚愕応答を測定した。基礎的な驚愕応答は、全ての「驚愕」試行(すなわち、最初の馴化ブロックは除外する)の平均驚愕応答として算出した。「驚愕とプレパルス」試行では、正常な驚愕の抑制の程度を算出し、基礎的な驚愕応答のパーセンテージとして表した。
【0427】
PPI試験前に30分間、マウスを、ビヒクル、ハロペリドール(1mg/kg;i.p)、又は試験化合物で処置した。各試験の後、PPI用のケースを掃除した。
【0428】
(4.結果)
【表2】
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【表3】
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上記の実施態様は、単に例示的なものであることが意図され、当業者であれば、特定の化合物、材料、及び手順の多くの等価物を認識するか、又はルーチンの実験を用いて、これらを確認することができるであろう。そのような等価物は全て、本開示の範囲内にあると考えられ、かつ添付の特許請求の範囲によって包含される。
【0429】
本明細書で言及した特許、特許出願、及び刊行物は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本出願に対する従来技術として利用可能であることを認めるものではない。本開示の全範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解される。