特許第5778212号(P5778212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778212マイクロエレクトロメカニカルシステム用マイクロミラーを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778212
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】マイクロエレクトロメカニカルシステム用マイクロミラーを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/08 20060101AFI20150827BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   G02B26/08 E
   B81C1/00
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-127372(P2013-127372)
(22)【出願日】2013年6月18日
(62)【分割の表示】特願2010-501610(P2010-501610)の分割
【原出願日】2008年4月1日
(65)【公開番号】特開2013-231983(P2013-231983A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2013年6月18日
(31)【優先権主張番号】60/921,522
(32)【優先日】2007年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509180153
【氏名又は名称】ティエンシェン・ジョウ
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】ティエンシェン・ジョウ
【審査官】 小林 俊久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−013099(JP,A)
【文献】 特開2006−353081(JP,A)
【文献】 特開2005−177974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08
B81C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動コームフィンガが形成されているミラーと、前記ミラーに対向するアンカーと、前記ミラーを前記アンカーに接続する可撓性のあるヒンジとを有する本体と、固定コームフィンガが形成されている固定電極とから構成され、前記可動コームフィンガと前記固定コームフィンガとの間に作動電圧が加えられると、これら前記可動コームフィンガと前記固定コームフィンガとが静電気力によって相互に作用し合い前記ミラーが回転するマイクロミラーを製造する方法であって、
単一クリスタルデバイスシリコン層が、埋込酸化物でハンドルシリコンウエハに結合され、
フォトリソグラフィ及び部分シリコンエッチングを前記単一クリスタルデバイスシリコン層で行って、前記ミラーの上部と、前記ミラーに対向するアンカーの上部と、前記ヒンジの上部と、前記固定コームフィンガと、を形成し、
部分的にエッチングされたシリコンオンインシュレータウエハをキャリアウエハに結合し、
フォトリソグラフィ及び部分シリコンエッチングにより、前記ミラーの下部と、前記ミラーに対向するアンカーの下部と、前記ヒンジの下部と、前記可動コームフィンガと、を形成し、
ドライエッチングプロセスを使用して、前記ミラー、前記ヒンジ及び可動コームフィンガをシリコンオンインシュレータウエハから剥離することを特徴とするマイクロミラーを製造する方法。
【請求項2】
前記部分シリコンエッチング工程は、ディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)で行われる請求項1記載の方法。
【請求項3】
電気的絶縁コーティングを有する前記キャリアウエハは、熱酸化物フィルムである、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
リコンウエハは、SOIウエハである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
回転中に前記ミラーの圧搾空気減衰を避けるために、前記キャリアウエハに穴またはキャビティの一方を形成する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
帯電を避けるために、前記キャリアウエハのキャビティの底部表面に薄いメタルフィルム電極を形成する工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記シリコンウエハを前記キャリアウエハに結合する工程は、融着又は陽極接合を使用して行われる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロメカニカルシステムに使用されるマイクロミラーを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)(微小電気機械システム)用ミラーは、光クロスコネクトスイッチ、光減衰器、光チューナブルフィルタ等の光ファイバネットワークに広い用途を有する。光電気通信産業のもっとも成熟したMEMS製品は、MEMS VOA(MEMS 可変光減衰器)(MEMS Variable Optical Attenuator)である。
【0003】
米国特許に開示された多数のMEMS VOAがある。マイクロシャッタータイプのMEMS VOAは、米国特許第6,275,320B1号、第6,459,845B1号、第6,751,395B1号、第6,780,185B2号、第6,816,295B2号、第6,876,810B2号、第6,901,204B2号、第6,954,579B2号、第6,980,727B1号、第6,996,306B2号、及び、第7,224,097B2号に開示されている。これらのVOAは、光減衰を達成するために、マイクロシャッターを使用して光ビームを部分的に阻止する。これらのマイクロシャッターは、電熱作動又は静電気作動等の手段によって作動される。MEMS VOAのマイクロシャッタータイプは、光構成要素の整合及び密封パッケージング等が困難である。
【0004】
マイクロミラータイプMEMS VOAは、簡単なパッケージングという利点を有する。光減衰は、傾斜するマイクロミラーによって実現され、それは、光ビームを再方向づける。市販の利用可能なレンズ及びTOメタル缶(TO metal cans)は、マイクロミラータイプVOAの低コストパッケージングに容易に利用可能である。そのため、市販の利用可能なMEMS VOAの大半は、傾斜するマイクロミラーを使用する。米国特許第6,628,856B1号、第6,838,738B1号、第6,915,061号、第6,963,679号、及び、第7,224,097B2号は、MEMSマイクロミラーを開示している。これらのマイクロミラーは、静電気作動を使用する。静電気作動は、電力消費が低く設置面積が比較的小さいため、マイクロミラーには好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6275320号明細書
【特許文献2】米国特許第6459845号明細書
【特許文献3】米国特許第6628856号明細書
【特許文献4】米国特許第6751395号明細書
【特許文献5】米国特許第6780185号明細書
【特許文献6】米国特許第6816295号明細書
【特許文献7】米国特許第6838738号明細書
【特許文献8】米国特許第6876810号明細書
【特許文献9】米国特許第6901204号明細書
【特許文献10】米国特許第6915061号明細書
【特許文献11】米国特許第6954579号明細書
【特許文献12】米国特許第6963679号明細書
【特許文献13】米国特許第6980727号明細書
【特許文献14】米国特許第6996306号明細書
【特許文献15】米国特許第7224097号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示された先行技術において、静電気作動を備えたマイクロミラーは、垂直コームドライブ(combdrive)タイプ及び平行平板型に分類される。米国特許第6,838,738B1号は、垂直コームドライブの作動されたマイクロミラーを開示したが、これは、装置設計及び製作にいくつかの欠点を有する。まず第1に、材料の同一層を使用するより高いフィンガ及びより短いフィンガの設計は、いくつかの初期重複区域を有し、これは、作動に対して影響を与える。この初期重複区域の電場は、ミラー作動に対して、反対に寄与する。第2に、マイクロミラーは、頂部表面の反射メタルフィルムの残留応力及び操作中の環境振動等を克服するために、一定の最小厚さを有してその機械的強さを維持することを必要とする。20ミクロンよりも薄い材料が、マイクロミラーの望ましくないより高い曲率半径(ROC)を生じさせる。20ミクロンの厚さの材料を使用してより高いフィンガ及びより短いフィンガを作る場合には、先のステップ(ステップ830)でより高い空間配列(topography)が形成されたため、プロセスステップ840で良好なフォトリソグラフィを有することが非常に困難である。フォトリソグラフィをうまく取り扱うことができる場合でさえ、より細いフィンガギャップを犠牲にしなければならず、これは今度は、結果として、より高い作動電圧(actuation voltage)になる。第3に、米国特許第6,838,738B1号では、ミラー表面の反射メタルフィルム及びワイヤ結合用の結合パッドのメタルフィルムの両方に、1つのメタルコーティングが使用される。両方のメタルフィルム用の要件は、きわめて異なっている。ミラー表面の反射メタルフィルムの要件は、前記光波長内のより高い反射性及び低残留応力である。通常、このメタルフィルムは、容易な残留応力制御のために非常に薄い。一方、結合パッドの結合メタルフィルムの要件は、容易なワイヤ結合及び良好な導電性のために、より厚いメタルフィルムである。通常、この結合メタルフィルムは、より厚く、ストレスが多い。米国特許第6,838,738B1号の1つのメタルコーティングプロセスは、マイクロミラーのより高いROCか、不良反射性及び/又は不良配線結合か、のいずれかを引き起こす。第4に、米国特許第6,838,738B1号は、ウェット構造物剥離プロセスステップ890を開示したが、これは、フィンガ等のマクロ構造物の静止摩擦を引き起こす。静止摩擦は、欠陥のある装置を招く。最後だからといって重要でないということではなく、既存の且つ避けることができないプロセス欠陥のため、垂直コームドライブアクチュエータは、横向き又は斜め(side way)に回転する傾向があり、そのため、固定フィンガ及び可動フィンガの接触から電気ショートが発生する。そのような電気ショートは、装置を永久的に破壊する可能性がある。望ましくない横向き又は斜め回転をどのように防止するかに関しては、米国特許第6,838,738B1号には示されていない。
【0007】
垂直コームドライブアクチュエータと比較すると、平行プレート静電気アクチュエータは、すべての先行技術において下記の幾つかの不利点を有する。まず第1に、マイクロミラーの平行プレート静電気アクチュエータの引き込み現象(pull−in effect)が、一定の作動電圧下で制御可能な傾斜角範囲を限定する。作動電圧が固定電極と可動ヒンジミラーとの間に加えられるときには、結果として得られる静電引力が、ミラーを固定電極に向けて引き、ヒンジミラーの傾斜を創出する。初期には、変形したヒンジからの機械的な復元力が、静電気力と均衡し、ミラーを制御可能な位置に保つ。しかし、作動電圧がさらに増加し且つヒンジミラーの傾斜が固定電極とミラーとの間の初期ギャップの三分の一を超えるときには、電極とミラーとの間の静電気力はヒンジの機械的な復元力をしのぎ、ヒンジミラーはスナップ(snap)し、固定電極に物理的に接触する。ミラーの使用可能且つ制御可能な傾斜範囲は、非常に限定されており、ミラーと固定電極との間のギャップのほんの三分の一である。第2に、小さな制御可能な傾斜範囲内で、平行プレート静電気アクチュエータは、直線作動を提供しない。言い換えると、ミラー傾斜角度は、作動電圧との直線性を有さない。第3に、より高い作動電圧が、帯電、傾斜角ドリフティング(tilting angle drifting)の問題を引き起こす。ミラーのより大きな制御可能な傾斜角を有するために、固定電極とミラーとの間のギャップは、増大しなければならない。増大したギャップは、結果として、より高い作動電圧になる。より高い駆動電圧が、マイクロミラー装置の誘電材料に帯電を生じさせ、これが今度は、ミラーの望ましくない傾斜角ドリフティングを生じさせる。第4に、傾斜中の可動ミラーと固定電極との間の圧搾空気(squeezed air)は、空気減衰になる。可動ミラーと固定電極との間の空間は非常に小さいため、マイクロミラーの速い傾斜/切換は、ミラーと電極との間の空気を圧縮させるか又は減圧させる。そのため、圧搾空気からの空気減衰は、ミラーの傾斜/切換スピードを効果的に下げる。最後に、特にマイクロミラーの複雑な作動電極(actuation electrode)及び電気配線を作るときには、マイクロファブリケーションプロセスは高価で複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様によれば、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)マイクロミラーが提供される。マイクロミラーは、ミラー支持部分と、対向するアンカー部分と、ミラー支持部分をアンカー部分に接続する可撓性のあるヒンジ部分と、を有する本体を含む。ミラー支持部分は、ミラー支持表面と、第1のコーム縁と、第1のコーム縁に対向する第2のコーム縁と、第1のコーム縁及び第2のコーム縁の各々から外向きに延出するコームフィンガと、を有する。第1の固定電極が、ミラー支持部分の第1のコーム縁から間隔をおかれ、ミラー支持部分に向けて外向きに延出するコームフィンガを有して、第1のコーム縁のコームフィンガと相互作用し且つ可撓性のあるヒンジ部分のまわりに第1の方向に本体のミラー支持部分の運動時にインターレースする。印加される前に、第1のコーム縁に沿ったコームフィンガが1つの水平平面に位置決めされ、第1の固定電極のコームフィンガは別の水平平面上にある。第2の固定電極は、ミラー支持部分の第2のコーム縁から間隔をおかれ、ミラー支持部分に向けて外向きに延出するコームフィンガを有して、第2のコーム縁のコームフィンガと相互作用し且つ可撓性のあるヒンジのまわりに第2の方向に本体のミラー支持部分の運動時にインターレースする。印加される前に、第2のコーム縁に沿ったコームフィンガは1つの水平平面に位置決めされ、第2の固定電極のコームフィンガは別の水平平面上にある。
【0009】
別の態様によれば、ミラー支持部分と、対向するアンカー部分と、ミラー支持部分をアンカー部分に接続する可撓性のあるヒンジ部分と、を有する本体から構成されるマイクロミラーを作る方法が提供され、ミラー支持部分のコームは、アンカー部分のコームと相互作用する。第1のステップは、フォトリソグラフィ及び部分シリコンエッチングを使用して、ミラー支持部分の上部部分と、対向するアンカー部分の上部部分と、ヒンジ部分の上部部分と、シリコンウエハの一対の上部コームと、を形成することを含む。第2のステップは、部分的にエッチングされたシリコンウエハをキャリアウエハに結合することを含む。第3のステップは、フォトリソグラフィ及び部分シリコンエッチングを使用して、ミラー支持部分の下部部分と、対向するアンカー部分の下部部分と、ヒンジ部分の下部部分と、シリコンウエハの一対の下部コームと、を形成することを含む。
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴は、添付の図面を参照して、下記の説明からより明らかになり、図面は、例示のみの目的であり、本発明の範囲を図示された特定の単数又は複数の実施形態に限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】先行技術として表示した、静電気アクチュエータの平行平板型を使用するマイクロミラーの斜視図である。
図2】2方向回転の静電気垂直コームドライブアクチュエータを使用するマイクロミラーの斜視図である。
図3】1方向回転の静電気垂直コームドライブアクチュエータを使用するマイクロミラーの斜視図である。
図4】シリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハの斜視図である。
図5】ディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)後のシリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハの斜視図である。
図6】キャリアウエハの斜視図である。
図7】支持構造物及びキャビティを形成するためのシリコンエッチング後のシリコンキャリアウエハの斜視図である。
図8】支持構造物及びキャビティを形成するためのガラスエッチング後のガラスキャリアウエハの斜視図である。
図9】キャリアウエハと結合されたSOIウエハの斜視図である。
図10】SOIのハンドルウエハをエッチングした後の結合したウエハの斜視図である。
図11】SOIの埋込酸化物の部分エッチングの斜視図である。
図12a】SOIの埋込酸化物のフルパターンの斜視図である。
図12b図12aのSOIの埋込酸化物のフルパターンの詳細斜視図である。
図13】ミラー場所における酸化物をエッチングした後のSOIの埋込酸化物の斜視図である。
図14】ミラーの頂部に低応力で薄い反射メタルフィルムを置き、パターニングした後の結合したウエハの斜視図である。
図15】結合パッド及び電気接続の区域の酸化物をエッチングした後のSOIの埋込酸化物の斜視図である。
図16】結合パッド及び電気接続区域の頂部により厚いメタルフィルムを置きパターニングした後の結合したウエハの斜視図である。
図17a】メタルフィルムの頂部により厚いフォトレジストを置きパターニングした後の結合したウエハの斜視図である。
図17b図17aに例示された結合したウエハの詳細斜視図である。
図18a】SOIウエハのデバイスシリコンを通してDRIEエッチングした後の結合したウエハの斜視図である。
図18b図18aに例示された結合したウエハの詳細斜視図である。
図19a】下部コームフィンガの頂部で埋込酸化物をRIE(リアクティブイオンエッチング)エッチングした後の結合したウエハの斜視図である。
図19b図19aに例示された結合したウエハの詳細斜視図である。
図20a】下部コームフィンガを形成するためのDRIEエッチング後の結合したウエハの斜視図である。
図20b図20aに例示された結合したウエハの詳細斜視図である。
図21a】残っている埋込酸化物及びフォトレジストをエッチングした後の最終マイクロミラー装置の斜視図である。
図21b図21aに例示された最終マイクロミラー装置の詳細斜視図である。
図22a】テーパ形状ヒンジ構成の斜視図である。
図22b】ダブルビームヒンジ構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好適な実施形態、MEMSマイクロミラーは、全体として、参照符号21によって識別され、以下、図1図22bを参照して、説明される。
【0013】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本開示は、本発明の原則の例証としてみなされるべきであり且つ本発明の広い態様を例示された実施形態に限定する意図はないとの理解を備えた本発明の好適な実施形態が、図面に示され、本明細書に詳細に記載される。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、構造物の様々な要素の相対的サイズは、実際の装置とは異なってもよい。
【0014】
平行平板アクチュエータを備えたマイクロミラーの先行技術の1つが、図1に示される。メタルフィルム等の反射性材料でコーティングされたミラー21が、アンカー10及び18に接続される2つのヒンジ12及び16によって支持される。2つの固定された作動電極14及び15が、ミラー21の下に位置する。ミラー、ヒンジ及びアンカーは、高濃度にドープされた導電性シリコンから作ることができる。作動電圧がミラー21と電極14との間に加えられるときには、結果として得られる静電気力が、ミラー21を電極14に向けて引き、ヒンジを変形させる。変形したヒンジの機械的な復元力と静電気力が均衡するときには、ミラー21は安定する。引き込み現象、傾斜角ドリフティング及び圧搾空気減衰(squeezed air damping)等の平行平板静電気アクチュエータの前述した不利点は、マイクロミラーの不良性能をもたらす。加えて、平行平板静電気アクチュエータは、非常に複雑で生産高が低い高価な製造方法を使用する。
【0015】
垂直静電気コームドライブが、図2に示される。平行平板静電気アクチュエータに対する垂直コームドライブの利点は、より高い作動力密度、より良好な作動直線性、引き込み現象がないことである。本発明のマイクロミラー設計及びマイクロミラーの製作は、傾斜角ドリフティング及び圧搾空気減衰を排除する。マイクロミラー21は、ヒンジ26及び27を通してアンカー17及び18に固定される。固定電極19及び20は、固定上部コームフィンガ22及び24を有する。可動下部コームフィンガ23及び25は、ミラー12の外側縁にある。作動電圧が可動フィンガ23と固定コームフィンガ24との間に加えられる場合には、結果として得られる静電気力が、ヒンジ26及び27のまわりに反時計回りにミラー21を引き、ヒンジ26及び27を変形させる。変形したヒンジ26及び27の結果として得られた機械的な復元力と静電気力が均衡するときに、ミラーは安定位置に到達する。作動電圧が固定上部コームフィンガ22と可動コームフィンガ25との間に加えられる場合には、ミラー21は、ヒンジ26及び27のまわりを時計回りに回転する。
【0016】
本発明は、異なる上部及び下部のフィンガ設計を使用して、ミラー回転の方向制御を達成する。図2に示された垂直コームドライブ設計は、2つの固定電極19及び20を有し、マイクロミラー21が電気的に接地されるときに、固定電極19及び20のいずれに加えられた電圧は、時計回りか又は反時計回りかのいずれかの2つの異なる方向に、ミラーを傾斜して独立して回転させることができる。
【0017】
図3に示された垂直コームドライブ設計は、異なる上部及び下部のコームフィンガ配列を有する。ミラー21は、その外側縁に上部コームフィンガ29及び下部フィンガ23を有する。固定電極19は、固定下部コームフィンガ28を有し、一方、固定電極20は、固定上部コームフィンガ24を有する。ミラー21及び関連上部フィンガ29及び下部フィンガ23が電気的に接地されるときに、電位が固定電極19及び20に同時に加えられる場合には、ミラーは、反時計回りに回転する。ミラー21の両側部縁のコームドライブは、一緒に作用してミラーを同一方向に作動する。そのような設計の利点は、一定のミラー傾斜角用の作動電圧の減少、及び、ヒンジにかかる結果として生じる不均衡な力の排除であり、これが、所望のミラー回転に加えてミラーの上又は下のピストン運動を生じさせる。
【0018】
下記のプロセスの記載は、マイクロミラーのマイクロファブリケーション方法及び設計を説明する。他に多くの代替のマイクロファブリケーション方法があるが、マイクロミラー及び垂直コームドライブ構造物用の代表的な製作方法を与えるのみである。マイクロミラー及び垂直コームドライブアクチュエータ構造物設計は、本発明では同一のままである。マイクロミラー装置を製作するための主要プロセスステップのみが記載される。
【0019】
マイクロミラー及び対応する垂直コームドライブアクチュエータは、図4に示されるシリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハの単一クリスタルデバイスシリコン(crystal device silicon)から作られる。比較的より薄い単一クリスタルデバイスシリコン層32が、埋込酸化物(Buried Oxide)(BOX)33でハンドルシリコンウエハ34に結合される。この出発原料SOIウエハは、SOIウエハ販売店から直接購入することができるか、又は、融着及びエッチバックプロセス等の公知の方法を使用してそのような材料を作ることができる。単一クリスタルデバイスシリコンは、良好な導電性を有するために高濃度にドープされなければならない。マイクロミラーに単一クリスタルシリコンを使用する理由は、残留応力がないこと、優秀な機械的材料特性、及び光学的品質表面仕上げである。
【0020】
フォトリソグラフィプロセスが、その後の部分シリコンディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)のために単一クリスタルシリコン層で行われる。DRIEエッチングの深さは、たとえば、単一クリスタルシリコンのおよそ半分の厚さでありうる。部分シリコンDRIEの目的は複数である。図5において、領域35のシリコンDRIEは、シリコン材料の部分を除去して上部垂直コームフィンガを形成するものであり、一方、領域36及び37のシリコンDRIEは、背面で、それぞれ、マイクロミラー及び作動アームである。部分シリコンエッチングは、ミラー及び作動支持アーム構造物の強さ及びミラーの平坦さ等を犠牲にすることなく、マイクロミラー及び作動支持アームの質量を減少し、マイクロミラーの共鳴周波数を増加する。部分シリコンDRIEエッチングを使用して、ヒンジ高さを薄くし、それをより柔軟性にすることもでき、したがって、必要とされる作動電圧は、より少ない。
【0021】
図6に示されたハンドル又はキャリアウエハ38は、パイレックス(登録商標)ガラス又は正規シリコンウエハ(regular silicon wafer)でありうる。垂直コームドライブアクチュエータのアンカーを支持するために支持構造物を形成し、且つ、圧搾空気減衰を減少するか又は排除するためにマイクロミラー下で深いキャビティを形成した後に、キャリアウエハ38は、融着、陽極接合又は他の結合技術のいずれかを使用することによって、SOIウエハに結合される。
【0022】
図7において、キャリアウエハ38が正規シリコンウエハである場合には、リソグラフィ及びシリコンDRIEを行って、DRIEによってマイクロミラー下でサポータ40及び深いキャビティ39を形成するか、又は、キャリアウエハを通して単にエッチングして、マイクロミラー下に穴を残す。水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)のウェットシリコン異方性エッチング等の他のエッチング方法を、このエッチングに加えることができる。シリコンエッチング後且つSOIウエハとの融着前に、SOIの単一クリスタルシリコンデバイス層がキャリアシリコンウエハとの電気的絶縁を有するために、非常に薄い熱酸化物41がキャリアシリコンウエハ上で増大する。
【0023】
パイレックスガラスがキャリアウエハとして選ばれる場合には、フッ化水素酸(HF)の等方性ガラスエッチングが、図8のガラスエッチングによって、サポータ42及び深いキャビティ43を形成する。ガラスキャリアウエハのマイクロミラー下に貫通穴を形成して、空気減衰をさらに減少することができる。貫通穴は、ガラスキャリアウエハの背面から、ウェットHFエッチング、単にサンドブラスト、又は、レーザマイクロマシニングを使用して、作ることができる。
【0024】
図7及び図8を参照すると、光学VOA(可変光減衰器)等の用途のために、ミラー位置を切り換える間にミラーの安定化時間を減少するために一定の圧搾空気減衰が必要とされる。また、低い駆動電圧が高い優先順位を有する。そのような用途のために、参照符号73及び74によって識別される薄いメタルフィルムが、より浅いキャビティ39及び43の底部に置かれパターニングされる。パターニングされたメタルフィルムの部分73が、底部駆動電極を形成しており、図1の設計と同様に、マイクロミラーを下方に引く。この特別な作動力が、垂直コームドライブを助けて、マイクロミラーの合計作動電圧をさらに減少する。パターニングされたメタルフィルムの他方の部分74は、マイクロミラーに電気的に接続されることが多く、これを使用して、露出したガラスか、又は、マイクロミラーに面する薄い熱酸化物41を遮蔽する。そうでなければ、これらの誘電性材料上に蓄積した帯電が、望ましくない傾斜角ドリフティングを生じさせうる。
【0025】
SOIウエハは、図9に示された陽極接合を使用して、パイレックスガラスキャリアウエハ45に結合される。パイレックスガラスキャリアウエハがミラーの場所下でエッチングされた貫通穴を有する場合には、このウエハは、エンチャント(enchant)がガラスキャリアウエハの穴を通ってSOIウエハのデバイスシリコンを攻撃するのを防止するために、KOH又はTMAH槽内でのSOIハンドルウエハ除去中に、ガラス側部で保護されなければならない。保護方法は、ガラスウエハ全体を封止し且つKOH又はTMAH槽内のSOIウエハのハンドルウエハ34を露出するのみであるウエハ保護ホルダを使用すると簡単に行うことが出来る。ガラスキャリアウエハが、マイクロミラー下で深いエッチングキャビティを有するのみである場合には、特別な保護を有する必要はないが、それは、ガラスウエハ45自体が、KOH又はTMAHシリコンエッチング中に単一クリスタルシリコンデバイス層へ良好な保護を提供するからである。SOIウエハの埋込酸化物層33が、KOH又はTMAHシリコンエッチング用のエッチングストップ層として使用される。SOIハンドルウエハ除去後の結合したウエハが、図10に示される。
【0026】
垂直コームドライブアクチュエータの作動安定性を有することが非常に重要である。自己整合プロセスが加えられて、隣接するコームフィンガの間の等しいギャップを達成する。隣接するコームフィンガの間のいずれの等しくないギャップが、静電気力の非対称を生じさせ、これが今度は結果として、可動コームフィンガの横向きスナッピング運動(sideway snapping movement)等の垂直コームドライブの故障になる。
【0027】
図11に示された埋込酸化物層33は保たれ、自己整合プロセス用のシリコンDRIEエッチングマスキング材料として使用される。フォトリソグラフ後に、埋込酸化物層の部分RIE(リアクティブイオンエッチ(Reactive Ion Etch))エッチングが行われて、下部コームフィンガのエッチングマスキング層を作るための準備をする。酸化物部分エッチング領域47が図11に示される。
【0028】
その後のフォトリソグラフは、部分酸化物エッチング後に行われる。フォトレジストの層は、パターニングのためにウエハにコーティングされる。埋込酸化物層の合計厚さがほんの2〜3ミクロンであるため、フォトリソグラフィには高い空間配列問題はなく、高いフォトリソグラフィ分解能を維持することができる。このフォトリソグラフィ後に、酸化物RIEが行われて、ヒンジ51a及び51b、ヒンジアンカー56a及び56b、第一垂直コームドライブアクチュエータ52a、52b、52c及び52dの埋込酸化物パターンを有し、ミラー位置を検出するための垂直コームドライブフィンガバンク53a及び53b、第一垂直コームドライブアクチュエータ用のアーム54a及び54b、結合パッド49a、49b、50a及び50b、並びに、機械的ストップ55a及び55bをモニタする。機械的ストップ55a及び55bは、偶然のショック等の一定の環境下で望ましくない過変位(over displacement)を防止するために使用される(図12a)。図12bの詳細図において、上部コームフィンガは、DRIEエッチングマスク層として埋込酸化物33の完全厚さを有し、一方、下部コームフィンガは、DRIEエッチングマスク層として埋込酸化物33の部分的な厚さのみを有する。
【0029】
支持アームのテーパ状形状は、望ましくない横向きマイクロミラー回転を減少するという利点を有する。また、ヒンジの場所は、マイクロミラーから離れて位置し、その目的も、望ましくない横向きマイクロミラー回転を抑えることである。
【0030】
ミラー表面の良好な反射性を有するために、金フィルム等の反射メタルフィルムがミラー表面に置かれる。低応力メタルフィルムが必要であるが、それは、高いメタルフィルム応力が、ミラーの望ましくないより高い曲率半径(ROC)を生じる可能性があるからである。通常、低残留応力を備えたメタルフィルムの非常に薄い層が加えられる。図13は、ミラー領域60の埋込酸化物33が、標準フォトリソグラフィックパターニング及びエッチングプロセスを使用して、エッチングされることを示す。図14は、低残留応力を備えたメタルフィルム61の非常に薄い層がシリコンミラーの頂部に加えられるのを示す。
【0031】
結合パッド及び電気接続用の区域には、より厚いメタルフィルムが必要とされる。低電気抵抗を備えたこのより厚いメタルフィルムは、幾分のフィルム残留応力を有する可能性があるが、それは、結合パッド及び電気接続区域が、薄いフィルムの残留応力に対してあまり感度がよくないからである。図15は、結合パッド及び電気接続区域の埋込酸化物33が、標準フォトリソグラフィックパターニング及びエッチングプロセスを使用して、エッチングされるのを示す。図16は、幾分の残留応力を備えたメタルフィルム62のより厚い層が、結合パッド49a、49b、50a、50b及び電気接続区域63の頂部に加えられるのを示す。
【0032】
DRIEがマイクロミラーを剥離し下部及び上部のコームフィンガを形成する前に、マイクロミラー上のすべてのメタルフィルム、結合パッド及び電気接続区域は、DRIEエッチング中に強いプラズマエッチングから保護されなければならない。フォトレジスト64の非常に厚い層が、標準リソグラフィプロセスを使用してウエハ上にコーティングされパターニングされる(図17a)。フォトリソグラフィのより高い解像度は必要とされないが、それは、パターニングされたフォトレジストが、エッチング保護のためのみに使用されるからである。図17bの詳細図において、薄いメタルフィルム61及びより厚いメタルフィルム62が、より厚いフォトレジスト64の下にある。頂部に埋込酸化物を備えたコームフィンガは、厚いフォトレジストの保護をしない。
【0033】
シリコンDRIEエッチングを使用して、図18に示されるように、単一クリスタルデバイスシリコン34を通ってエッチングする。マイクロミラー72は、剥離されて自由になる。図18bの詳細図において、上部コームフィンガ70及びアーム54aは、頂部に残されたより厚い埋込酸化物を有し、一方、下部コームフィンガ71は、残されたより薄い埋込酸化物を有する。再度、ヒンジ51a及び51b、アンカー56a及び56b、及び、機械的ストップ55a及び55bは、頂部に残されたより厚い埋込酸化物を有する。
【0034】
その後の酸化物RIEを使用して、下部フィンガ71上のいずれの残っている酸化物をエッチングし(図19)、一方、上部コームフィンガ70、アーム54、ヒンジ51、アンカー56、機械的ストップ55は、依然として、頂部に残された幾分の残っている酸化物を有する(図19b)。
【0035】
最後のシリコンDRIEエッチングを使用して、下部コームフィンガ上のシリコンをエッチングしてその最終形状を形成し、一方、上部コームフィンガ70は、残っている酸化物33によって保護される。酸化物リアクティブイオンエッチング(Reactive Ion Etching)(RIE)プロセスは、上部コームフィンガ、アーム、ヒンジ、及び、アンカー上のいずれの残っている酸化物をエッチングすることである。酸素プラズマ又は等価のフォトレジストアッシングプロセスを行って、すべての厚いフォトレジストを除去する。マイクロミラー及びその対応する垂直コームドライブアクチュエータの最終形状及びミラー位置ディテクタが、図21に示される。図21bは、上部及び下部のコームフィンガの最終形状を示す。
【0036】
結合パッド49a及び49bは、機械的ストップ55a及び55b、アンカー56a及び56b、V字形ヒンジ51a及び51b、並びに、支持アーム54a及び54bを通して、マイクロミラー72に電気的に接続される。アクチュエータ(52a、52b及び53c及び52d)の支持アーム54a及び54b及び位置ディテクタ(53a及び53b)に接続されたすべてのコームフィンガは、動くことができ、ミラー72と同一の電位にある。
【0037】
前述のように、垂直コームドライブは、図2及び図3に示された異なる設計変化を有することができ、そのため、ミラーは、1つの方向又は2つの方向に作動されることができる。図21の垂直コームドライブの設計構成は、図3に示された設計構成と同一である。図21において、52a、52c及び53aのすべての固定コームドライブフィンガは上部フィンガであり、一方、52b、52d及び53bのすべての固定コームドライブフィンガは下部フィンガである。再度、52a、52c及び53aのすべての可動コームドライブフィンガは下部フィンガであり、一方、52b、52d及び53bのすべての固定コームドライブフィンガは上部フィンガである。
【0038】
結合パッド49a又は49bが電気的に接地され、電位がメタル層63に加えられるときには、ミラー72は、52a、52b、52c及び52dによって、同時に同一回転に向けて作動される。ミラー72は、図21の矢印によって示された方向に傾斜する。すべての垂直コームドライブアクチュエータ52a、52b、52c及び52dが一緒に作用してマイクロミラー72を同一方向に作動するため、この設計のアプローチは、作動電圧を有意に減少し、一方、マイクロミラーのより速い静止が依然として維持される。このマイクロミラー設計構成は、特に、5ボルト未満等の低い駆動電圧を備えた可変光減衰器(VOA)では特に有用である。
【0039】
いくつかの適用のために、実際のミラー回転を電気的にモニタすることが必要である。本発明は、検知構造物を提供して、マイクロミラーの回転を電気的に検出する。本発明は、垂直コームドライブ53a及び53bを利用し、これらは、電気的に絶縁されており、アクチュエータ52a、52b、52c及び52dから機械的に分離されている。53a及び53bの可動及び固定のコームフィンガは、もはや静電気アクチュエータを形成しない。代わりに、それらは、マイクロミラーがアクチュエータ52a、52b、52c及び52dによって回転されるときに、可変電気キャパシタを形成している。ミラー72がアクチュエータ52a、52b、52c及び52dによって作動されるときには、垂直コームドライブ53a及び53bの固定フィンガと可動フィンガとの間の相対位置は変化する。この位置の変化は、結果として、結合パッド50a(及び/又は50b)と結合パッド49a又は49bとの間のキャパシタンスの変化になる。
【0040】
ヒンジ設計はまた、垂直コームドライブアクチュエータの作動安定性に非常に重要である。ヒンジは、ミラーを支持してミラーが予想される方向に回転するのを可能にするための屈曲を提供するだけではなく、マイクロミラーのいずれの望ましくない横向き運動も抑える。本発明のマイクロミラーは、そのような必要性に合致するためにヒンジ形状設計の真実性(verities)を有することができる。V字形ヒンジは、先の記載及びプロセスに既に呈されている。テーパ形状ヒンジ及びダブルビームヒンジ等の他のヒンジ設計もまた、本発明に使用される(図22)。V字形ヒンジ、テーパ形状ヒンジ及びダブルビームヒンジ設計は、プロセスの不完全さのため垂直コームドライブアクチュエータの側部スナッピング又は横向き不安定性を防止する点で、非常に良好な安定性を提供する。マイクロファブリケーションプロセスの不完全さは、コームドライブアクチュエータの横向きスナッピングを生じさせる主な理由の1つである。
【0041】
本明細書において、「備える」「から成る」(comprising)という語は、非限定的な意味で使用され、その語に続く品目が含まれ、特に述べられていない品目を排除しないということを意味する。不定冠詞「a」による要素の参照は、要素が1つであり1つしかないことをコンテキストが明らかに要求するものでない限り、2つ以上要素のが存在する可能性を排除しない。
【0042】
前述の特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示された実施形態に修正を行ってもよいことは、当業者には明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図21a
図21b
図22a
図22b