【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明は、ノズル及びノズルを通して1次空気流を生成するための手段を含む送風機組立体を提供する。ノズルは、1次空気流を噴出するための少なくとも1つの出口を含み、かつ開口部を形成し、それを通して送風機組立体の外側からの2次空気流が、少なくとも1つの出口から放出された1次空気流によって引き込まれる。1次及び2次空気流が合わさって形成された空気流の少なくとも1つのパラメータをユーザによって調節することを可能にするために、ノズルは、調節可能な構成とされている。
【0007】
合体空気流の少なくとも1つのパラメータは、合体空気流のプロフィール、配向、方向、流量(例えば、1秒間当たりのリットルで測定された時)、及び速度のうちの少なくとも1つを含むことができる。従って、ノズルの構成を調節することにより、ユーザは、合体空気流を、例えば、送風機組立体の近くの人に向く又は人から遠ざかる角度に向けるのに、合体空気流が送風機組立体から前方に放出される方向を調節することができる。代替的に又は追加的に、ユーザは、空気流の経路内のユーザの数を増減させるために、合体空気流のプロフィールを拡大するか又は制限することができる。別の代替形態として、ユーザは、例えば、幾人かのユーザを冷却するために比較的広い空気流を提供するように、比較的狭い空気流の回転により空気流の配向を変えることができる。
【0008】
ノズルは、いくつかの個別の構成の1つを使用するように調節可能とすることができる。ノズルは、ノズルの構成がユーザによって後で調節することができないように、選択構成にロックすることができる。しかし、ノズルは、ユーザが送風機組立体の使用中に必要に応じてノズルの構成を調節することを可能にするために、選択構成から解除可能又はそうでなければ移動可能にすることができることが好ましい。
【0009】
ノズルの構成は、ユーザによって手動で調節することができ、又はノズルの構成は、例えば、送風機組立体のユーザインタフェースのユーザ操作に応答して送風機組立体の自動機構によって自動的に調節することができる。このユーザインタフェースは、送風機組立体の本体上に位置することができ、又はユーザインタフェースは、送風機組立体に無線で接続した遠隔制御によって設けることができる。
【0010】
ノズルの構成は、ノズルの少なくとも1つの部分の位置、形状、又は状態を変更することによって調節することができる。ノズルのこの部分は、ノズルの構成を調節するために回転し、平行移動し、ピボット回転し、拡張し、後退し、拡大し、収縮し、摺動し、又はそうでなければノズルの別の部分に対して移動することができる。
【0011】
例えば、開口部の大きさ及び形状は、固定することができるので、ノズルの一部は、ノズルの構成を調節するために開口部に対して移動することができる。代替的に又は追加的に、少なくとも1つの出口の大きさ及び形状は、固定することができるので、ノズルの一部は、ノズルの構成を調節するように少なくとも1つの出口に対して移動することができる。ノズルのこの移動可能な部分は、少なくとも1つの出口の上流側又は下流側に位置することができるが、好ましい実施形態では、ノズルの移動可能な部分は、少なくとも1つの出口の下流に位置する。
【0012】
ノズルは、第1の部分と、第1の部分に対して移動可能であり、それによってノズルの構成を調節する第2の部分とを含むことができる。上述のように、ノズルのこの第2の部分は、開口部に対して移動可能にすることができ、開口部は、ノズルの第2の部分がそれに対して移動する時に固定された構成のままとなるようにすることができる。代替的に又は追加的に、ノズルのこの第2の部分は、少なくとも1つの出口に対して移動可能にすることができ、出口は、ノズルの第2の部分がそれに対して移動する時に固定された構成のまとなるようにすることができる。
【0013】
ノズルの第2の部分は、好ましくは、流れ案内部材を含む。流れ案内部材は、合体空気流の上述の少なくとも1つのパラメータを変更するために少なくとも1次空気流に選択的に露出することができる。代替的に又は追加的に、開口部又は少なくとも1つの空気出口に対する流れ案内部材の位置及び配向の少なくとも一方は、合体空気流の上述の少なくとも1つのパラメータを変更するように調節することができる。
【0014】
ノズルの第2の部分は、好ましくは、ノズルの第1の部分に対して回転可能である。代替的に又は追加的に、ノズルの第2の部分は、ノズルの第1の部分に対して摺動移動可能とすることができる。
【0015】
ノズルの第2の部分は、ノズルの外面上に装着することができる。ノズルの第2の部分は、ノズルの構成を変更するためにこの外面の上を移動することができる。
【0016】
ノズルの第2の部分は、例えば、送風機組立体によって発生する合体空気流のパラメータを変更するために、収容位置と少なくとも1つの展開位置の間でノズルの第1の部分に対して移動可能にすることができる。収容位置において、ノズルの第1の部分は、空気流から遮蔽することができるのに対して、展開位置の各々では、ノズルの第1の部分は、送風機組立体によって発生する空気流のパラメータをそれぞれの異なる量だけ調節するように合体空気流に露出することができる。例えば、展開位置の各々では、ノズルの第2の部分は、それぞれの異なる量だけ空気流に露出することができる。
【0017】
ノズルの第2の部分は、送風機組立体によって発生する合体空気流が第1のパラメータ、例えば、第1の配向、第1の形状、又は第1の方向を有する第1の位置と、送風機組立体によって発生する合体空気流が第1のパラメータとは異なる第2のパラメータ、例えば、第2の配向、第2の形状、又は第2の方向を有する第2の位置との間で移動可能にすることができる。各位置において、ノズルの第2の部分は、1次空気流に露出することができる。
【0018】
ノズルの第1の部分は、少なくとも1つの出口から下流に位置することができる。ノズルの第1の部分は、好ましくは、ノズルの第2の部分が収容位置と少なくとも1つの展開位置の間で移動する時に少なくとも1つの出口に対して固定位置に維持される。少なくとも1つの展開位置において、ノズルの第2の部分は、好ましくは、ノズルの第1の部分から下流に位置する。
【0019】
ノズルの第1の部分は、好ましくは、少なくとも1つの出口が空気流を誘導するようにその上に配置された面を含む。好ましくは、少なくとも1つの出口が空気流を誘導するように配置された面は、コアンダ面を含む。コアンダ面は、公知のタイプの面であり、その上で、面に近い出力オリフィスを出た流体流れがコアンダ効果を示す。流体は、面に殆ど「粘着して」又は「密着して」面の上を近接して流れる傾向がある。コアンダ効果は、1次空気流がコアンダ面にわたって誘導される同伴の既に十分に実証された方法である。コアンダ面の特徴の説明及びコアンダ面の上の流体流れの効果は、Reba、「Scientific American」、214巻,1966年6月の84から92ページのような論文に見出すことができる。コアンダ面を使用して、送風機組立体の外側からの空気の増加した量が、少なくとも1つの出口から放出された空気によって開口部を通して引き込まれる。
【0020】
好ましい実施形態では、空気流は、送風機組立体のノズルを通して作り出される。以下の説明では、この空気流は、1次空気流と呼ぶ。1次空気流は、ノズルから放出され、好ましくは、コアンダ面の上を通る。1次空気流は、ノズルを取り囲む空気を同伴し、ノズルは、1次空気流及び同伴空気の両方をユーザに供給する空気増幅器として作用する。同伴空気は、本明細書では以下に2次空気流と呼ぶ。2次空気流は、部屋空間、領域、又はノズルを取り囲む外部環境から、及び置き換えによって送風機組立体の周囲の他の領域から引き込まれ、ノズルによって形成された開口部を主に通過する。同伴2次空気流と合体したコアンダ面にわたって誘導される1次空気流は、ノズルによって形成された開口部から前方に放出されるか又は放出される全体の空気流に等しい。
【0021】
1次空気流がその上で誘導される面は、好ましくは、少なくとも1つの出口から下流に拡散器部分を含む。拡散器部分は、従って、コアンダ面の一部を形成することができる。拡散器部分は、好ましくは、軸線の周りに延び、好ましくは、軸線の方向に又は軸線から離れる方向にテーパ付きである。
【0022】
ノズルの面はまた、送風機組立体によって発生する合体空気流を誘導するために拡散器部分の下流に位置し、かつそれに対して角度をなす案内部分を含むことができる。案内部分は、好ましくは、内向きに、すなわち、拡散器部分に対して軸線の方向にテーパがつけられている。案内部分は、それ自体軸線の方向に又は軸線から離れる方向にテーパがつけられていてもよい。例えば、拡散器部分は、軸線から離れる方向にテーパがつけられていてもよく、案内部分は、軸線の方向にテーパがつけられていてもよい。代替的に、拡散器部分は、軸線から離れる方向にテーパがつけられていてもよく、案内部分は、実質的に円筒形とすることができる。
【0023】
ノズルの面は、切り欠き部分を含むことができ、ノズルの第2の部分は、少なくとも部分的に切り欠き部分を覆うように移動可能である。面は、複数のきり欠き部分を含むことができ、ノズルの第2の部分は、少なくとも部分的に切り欠き部分の少なくとも1つを覆うように移動可能である。例えば、ノズルの第2の部分は、望ましい量だけ切り欠き部分の選択された1つを覆うように面に対して移動可能にすることができる。代替的に、ノズルの第2の部分は、望ましい量だけ切り欠き部分の各々を同時に覆うように移動可能にすることができる。
【0024】
切り欠き部分は、ノズルの周りに規則的に又は不規則的に離間させることができる。切り欠き部分は、好ましくは、環状アレイで配置される。切り欠き部分は、同じか又は異なる大きさ及び/又は形状を有することができる。その又は各切り欠き部分は、あらゆる望ましい形状を有することができる。好ましい実施形態では、その又は各切り欠き部分は、ほぼ弓形である形状を有するが、その又は各々切り欠き部分は、円形、長円形、多角形、又は不規則形とすることができる。
【0025】
その又は各切り欠き部分は、面の拡散器部分に又は面の案内部分に位置することができる。その又は各切り欠き部分は、好ましくは、ノズルの前縁に又は前縁の方向に位置する。例えば、ノズルは、案内部分の両側に位置する切り欠き部分を含むことができる。これらの切り欠き部分は、ノズルの側部先端に、及び/又はノズルの上部及び/又は下部先端に位置することができる。
【0026】
ノズルの第2の部分は、ほぼ環状の形状とすることができ、ユーザによってコアンダ面に対して回転することができる。これは、切り欠き部分の1つ又はそれよりも多くを選択的に覆うことを可能にすることができる。ノズルの第2の部分の内面は、好ましくは、案内部分の内面と実質的に同じ形状を有する。
【0027】
ノズルの面の切り欠き部分を覆うノズルの第2の部分の配置の代替形態として、ノズルの第2の部分は、収容位置と、ノズルの第2の部分がノズルの面から下流側に位置する少なくとも1つの展開位置との間で移動可能にすることができる。その収容位置において、ノズルの第2の部分は、ノズルの第2の部分が合体空気流から遮蔽されるように面の周りに延びることができる。上述のように、ノズルの第2の部分は、ノズルの外面上に位置することができるが、代替的に、ノズルの第2の部分は、その収容位置にある時にノズル内に位置することができる。ノズルの第2の部分は、次に、ノズルから引き出されてノズルの第2の部分をノズルの第2の部分の収容位置から展開位置に移動させることができる。例えば、ノズルの前部は、ノズルの第2の部分が、ノズルから第2の部分をその展開位置の1つに引き出すように引っ張られるスロットを含むことができる。収容位置からのノズルの第2の部分の引き出しを容易にするために、タブ又は他の把持可能部材が、第2の部分上に位置することができる。
【0028】
ノズルの第2の部分は、合体空気流のプロフィールを変えるための案内面を含むことができる。案内面は、上述の案内部分と類似の構成を有することができる。案内面は、円筒形又は切頭円錐形状を有することができる。案内面は、好ましくは、ノズルの面に対して内向きにテーパ付きである。展開位置において、案内面は、合体空気流を送風機組立体の前方に位置するユーザの方向に集中させるために、面から離れるように延びる方向に内向きに収束することができる。
【0029】
上述のように、ノズルの第2の部分は、好ましくは、ほぼ環状の形状であり、かつノズルの他の部分に対して移動可能である輪の形態にすることができる。
【0030】
ノズルは、好ましくは、開口部の周りに延びるループの形態である。
【0031】
ノズルは、1次空気流が放出される単一出口を有することができる。代替的に、ノズルは、1次空気流のそれぞれの部分を各々放出する複数の出口を含むことができる。この場合には、出口は、好ましくは、開口部の周りに離間する。ノズルは、好ましくは、1次空気流を受け取るためのかつ1次空気流を出口まで搬送するための口部を含む。口部は、好ましくは、開口部の周りに、より好ましくは、連続的に開口部の周りに延びる。
【0032】
出口におけるノズルの対向する面間の間隔は、好ましくは、0.5mmから5mmの範囲にある。ノズルは、開口部が、内部通路によって囲まれる封入開口部であるように、開口部の周りに、好ましくは、連続的に開口部の周りに延びる内部通路を含むことが好ましい。
【0033】
ノズルは、好ましくは、空気流を生成するための上述の手段を収容する基部上に装着される。好ましい送風機組立体では、ノズルを通して空気流を生成するための手段は、モータによって駆動する羽根車を含む。
【0034】
第2の態様において、本発明は、ノズル及びノズルを通して空気流を生成するための手段を含み、ノズルが、内部通路と、内部通路から空気流の少なくとも一部分を受け取るための少なくとも1つの出口と、この少なくとも1つの出口に隣接して位置し、かつこの少なくとも1つの出口が空気流の上述の少なくとも一部分を誘導するようにその上に配置された面とを含み、ノズルが、調節可能な構成を有することを特徴とする送風機組立体を提供する。
【0035】
第3の態様において、本発明は、送風機組立体のためのノズルを提供し、ノズルは、1次空気流を放出するための少なくとも1つの出口を含み、かつ送風機組立体の外側からの2次空気流が少なくとも1つの出口から放出された1次空気流によって引き込まれる開口部を形成し、ノズルは、第1の部分及び第1の部分に対して移動可能である第2の部分を含む。ノズルの第1の部分は、少なくとも1つの出口から上流又は下流に位置することができる。第2の部分は、好ましくは、それが空気流から遮蔽される収容位置と、それが第1の部分から下流に位置することができる展開位置との間で第1の部分に対して移動可能である。ノズルの各部分は、空気流が上述の少なくとも1つの出口によってその上に誘導される面を含むことができる。
【0036】
第4の態様において、本発明は、ノズルが、内部通路と、内部通路から空気流の少なくとも一部分を受け取るための少なくとも1つの出口と、この少なくとも1つの空気出口に隣接して位置し、かつ空気流のこの少なくとも一部分を誘導するためにその上に上述の少なくとも1つの出口が配置された面とを含み、ノズルが、調節可能な構成を有することを特徴とする送風機組立体のためのノズルを提供する。ノズルは、好ましくは、それが空気流から遮蔽される収容位置と、それが面から下流に位置する展開位置との間で移動可能な移動可能部分を含む。
【0037】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2から第4の態様の各々にも等しく適用可能であり、逆も同じである。
【0038】
次に、本発明の好ましい特徴を単に一例として添付の図面を参照して以下に説明する。