(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記触媒により前記側壁及び前記底壁に対して触媒層を形成する工程において、前記底壁及び前記側壁に対して表面粗化及び触媒活性化を行う工程を少なくとも含む導電化フロー工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
前記底壁及び前記側壁に対して表面粗化を行う工程は、化学的粗化であり、前記化学的粗化は、化学試薬で前記底壁及び前記側壁に対して侵蝕又は分子内開環により粗化を行う工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
前記底壁及び前記側壁に対して表面粗化を行う工程は、的粗化であり、前記物理的粗化は、前記底壁及び前記側壁に対して機械的粗化を行う工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
前記触媒により前記側壁及び前記底壁に対して触媒層を形成する工程の前に、前記底壁に対して前記上表面及び前記下表面に連通する導通孔を穿設し、前記導通孔が導通孔壁を有し、前記上表面の所定の収容部及び前記下表面の所定の収容部と連通することにより、前記上表面の所定の収容部の電気回路が前記導通孔壁に形成され、前記下表面の所定の収容部の電気回路に電気的に接続する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
前記基板の材質は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、液晶高分子、エポキシ樹脂及びアラミドからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
前記露光及び現像の工程は、現像液を使用する工程をさらに含み、前記現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又は炭酸ナトリウムのいずれかを含有したものから選択されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル印刷回路板の製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル印刷回路板は、前駆基板の半製品を加工製造することにより得られたものである。この前駆基板には、後続の加工、製造を容易に行うことができるように、1層の金属メッキ補助層、例えばニッケルを予め被覆する必要がある。一般に、これらの基板の材質表面には、金属が付着することはもともと困難である。このため、従来より、前駆基板を形成するために、金属溶射法(metal spraying)、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、蒸着法、及びドライメッキ法等という処理方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、いずれもその前駆基板上のニッケル層の厚さが厚く、又はメッキが容易ではなく、メッキ時間がかかりすぎるという問題が生じる。厚さが厚すぎると、現在の製品の微小化の趨勢に不利となり、メッキし難く、メッキの所要時間がかかりすぎると、スループットの向上が制限され、コストが嵩むという問題が生じることになる。
【0003】
上述の従来の方法では、解決できない難点があるほか、その製造された前駆基板の半製品は、技術資源及び材料源がいずれも上流の供給メーカによってコントロールされているため、この半製品を基礎とする製造工程及び最終製品は、生産、生産製造時に与えられたコストを受動的に受けるしかなく、材料源を自主的に決めることができず、これにより、製品性能を向上するという前提下でコスト制御管理の問題を根本的に解決することはできなくなる。
【0004】
さらに、前駆基板に電気回路を形成するためには、金属メッキ補助層、例えばニッケルを予め前駆基板に完全にメッキして、耐めっきフォトレジストにより銅をニッケルと選択的に結合し電気回路を形成した後、元に戻って過剰なエッチング方法により前駆基板における電気回路分布と関係のない銅又はニッケルを除去することが一般的である。しかしながら、このような方法は、ニッケル又は銅材料が過剰に浪費され、コストが嵩むことがある。コストは効果的に低下しないのみならず、上述の従来方法により形成された電気回路は、それに付着するためのニッケル層の基板上における分布(被覆率)が限られ、電気回路の付着安定性の向上が限られているため、製品の歩留まりが低下する。また、電気回路と基板との間における一部の箇所に、強固な架け橋となる金属メッキ補助層が設けられていないため、その後、金属と基板との間の膨張係数の相違によって外部温度が変化することで回路板内部に余計な間隙又はその他の構造上の崩壊が生じ、電気伝送品質又は使用寿命に影響を及ぼすことがあり、この問題は、多層型フレキシブル印刷回路板においては特に顕著である。
【0005】
従って、本発明者は、上記の問題点を改善するために、鋭意検討を行なった結果、合理的な設計で且つ上記の問題点を有効に改善する本発明を完成するに至った。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を示す。
【
図2A】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2B】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2C】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2D】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2E】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2F】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2G】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図2H】本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図である。
【
図3A】本発明に係る導電化フローにおいて運用された化学メカニズムを模式的に説明した図である。
【
図3B】本発明に係る導電化フローの工程フロー図を示す。
【
図4A】本発明に係る多層型フレキシブル印刷回路板の断面構造の変化模式図である。
【
図4B】本発明に係る多層型フレキシブル印刷回路板の断面構造の変化模式図である。
【
図4C】本発明に係る多層型フレキシブル印刷回路板の断面構造の変化模式図である。
【
図4D】本発明に係る多層型フレキシブル印刷回路板の断面構造の変化模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の技術及び技術的特徴がより容易に理解できるように、以下、本発明について実施の形態及び図面を参照しながら詳しく説明するが、添付図面はあくまでも参考と説明のためのものにすぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0013】
(実施形態)
図1、
図2A、
図2B、
図2Cは、本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法の工程フロー図、及び前記工程フロー図を参照した断面構造の変化模式図をそれぞれ示す。本発明は、フレキシブル印刷回路板の製造方法を提供し、この方法は、以下の工程を含む。上表面111と下表面112とを有する表面11を有する基板10を用意する(ステップS101)。この基板10は、原材料であり、その材質は、ポリイミド(Polyimide,PI)、ポリエチレンナフタレートポリエステル(Polyethylene Terephthalate Polyester,PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate,PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene,PTFE)、液晶高分子(Liquid Crystal Polymer,LCP)、エポキシ樹脂(Epoxy)及びアラミド(Aramid)等の数種類の高分子重合物であってもよい。以下、ポリイミドを基板10の材質とすることを好適例として説明する。
【0014】
ポリアミド酸層PAA(polyamic acid,PAA)を基板10の表面11に形成する。ここで注意すべき点は、表面11には上表面111及び下表面112が含まれるが、図面における符号標示は、主に上表面111である表面11を例に説明する(下表面112の部分についても同様であり、詳しい説明を省略する)。また、説明の簡単化のために、上述のように、ポリアミド酸の英語略語PAAをポリアミド酸の素子符号として直接示す。
【0015】
次に、ポリアミド酸層PAAに対して第1のプリキュアリング(pre curing)工程を行う。第1のプリキュアリング工程の作用条件は、ポリアミド酸層PAAが半熟化状態となるように、少なくとも摂氏280度〜350度又はそれ以上の高温でポリアミド酸層PAAに対してベーキングを行う(ステップS103)ことが好ましい。従って、半熟化されたポリアミド酸は、液体、高流動性に近いものからペースト状かつ流動しにくいものに変換してしまう。このように、ポリアミド酸層PAAの上方にその他の材料を塗布、堆積することができ、支持力を失うことなく、製造工程をスムーズに行うことができる。
【0016】
ポリアミド酸層PAAに一層の耐めっきフォトレジストPRを塗布し、該耐めっきフォトレジストPR及びポリアミド酸層PAAに対して第2のプリキュアリング工程(ステップS105)を行う。第2のプリキュアリング工程の作用条件は、耐めっきフォトレジストPRとその下方のポリアミド酸層PAAとの接合効果がよりよくなるように、摂氏75度〜110度でベーキングを行うことが好ましい。また、耐めっきフォトレジストPRの種類は、何ら限定されないが、ポジ型耐めっきフォトレジスト(positive photoresist)又はネガ型耐めっきフォトレジスト(negative photoresist)であってもよい。耐めっきフォトレジストPRの設置は、接合又は塗布により行うことができる。
【0017】
図1、
図2D、
図2Eに示すように、上述の製造方法に続き、現像液を用いて印刷回路配置パターンに応じて耐めっきフォトレジストPRに対して露光及び現像を行うことで、前記現像液により耐めっきフォトレジストPRの一部を除去するとともに、この除去された耐めっきフォトレジストPRの下方のポリアミド酸層PAAを除去し、基板10の表面11の一部を露出させ、残余の耐めっきフォトレジストPR、及び耐めっきフォトレジストPRの下方の残余のポリアミド酸層PAAを残すことで、所定の収容部Pを共同で限定する。上述の露光及び現像工程を行う現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)又は炭酸ナトリウムのいずれかを含有したものから選択される。現像液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含有した場合は、重量パーセント濃度が2.38%であり、pH値が11〜13であるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液である。現像液に炭酸ナトリウムを含有した場合は、重量パーセント濃度が2.1%であり、pH値が9〜11である炭酸ナトリウム溶液である(ステップS107)。所定の収容部Pは、少なくとも側壁P11及び底壁P12を含む内壁面P1を有し、上述の残余のポリアミド酸層PAAの側辺PAA1には前記側壁P11が定義し、上述の一部露出された基板10の表面11には上述の底壁P12が定義される。
【0018】
図2Eに示すように、本発明は、ステップS107の後、さらに必要に応じて以下のステップS108(図示せず)を含んでもよい。このステップでは、レーザ加工により、底壁P12に対して上表面111及び下表面112に連通する導通孔12を穿設し、導通孔12は、上表面111の所定の収容部P及び下表面112の所定の収容部Pと連通し、導通孔12は、導通孔壁121を有する。従って、さらに
図2F、
図2Gに示すように、底壁P12は、さらに導通孔壁121と接続し、所定の収容部Pは、導通孔12に連通することで、上表面111の所定の収容部Pの電気回路E1は、さらに延在し、導通孔壁121に形成し、下表面112の所定の収容部Pの電気回路(図示せず)に電気的に接続することができる。また、レーザードリル加工された基板10又は底壁P12自体に対してプラズマの洗浄を行うことにより、レーザ加工後に伴って基板10又は底壁P12に生じた屑を除去する。
【0019】
ステップS108に続き、
図1、
図2E、
図2Fを参照すると、
図2Fは、ステップS109、ステップS111、ステップS113を実行した後の結果を模式的に示した図である。導通孔12が存在した場合、本発明に係る製造方法は、触媒により所定の収容部Pの側壁P11、底壁P12、及び導通孔壁121に対して触媒層20(ステップS109)を形成することができる。前記触媒は、パラジウム(Pd)触媒であることが好ましい。次に、触媒層20と結合するための第1の導電層30を形成する。パラジウム触媒は、この触媒層20において、金属の付着に寄与する媒体として機能するものである。これにより、第1の導電層30が底壁P12、側壁P11及び導通孔壁121に固着する(ステップS111)ことに間接的に寄与する。しかしながら、導通孔12が存在しない場合、触媒層20及び第1の導電層30が形成可能な部位は、前記導通孔壁121を含まなくてもよい。好ましくは、第1の導電層30は、厚さが50nm〜5000nmであり、銅、ニッケル、クロム、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1つから選択され、また、第1の導電層30は、媒体付着補助としての触媒層20により側壁P11及び底壁P12に間接的に固着し、若しくはさらに導通孔壁121を含んでもよい。言い換えれば、この方法は、無電解メッキ方法に属する。従って、第1の導電層30も無電解メッキ層に属する。
【0020】
ここで注意すべき点は、本発明に係る方法において、触媒層20及び第1の導電層30を形成する前に、耐めっきフォトレジストPRが既に存在し、しかも、前記印刷回路配置パターンに応じて露光、現像され、所定の収容部Pが予め形成される。従って、電気回路のレイアウトは、既に所定の収容部Pが形成されたために前もって形成され、しかも、電気回路が基板10に形成される過程では、より選択性及び効率を有し、また、電気回路が既に所定の収容部Pのために前もってレイアウトされているため、基板10全体に対して触媒層20及び第1の導電層30の全面的な塗布を予め行う必要はない。従って、良好な選択性を有するほか、材料コストの節約にも寄与する。
【0021】
前記ステップS111に続き、
図2Fに示すように、残余の耐めっきフォトレジストPRを除去することで残余の耐めっきフォトレジストPRの下のポリアミド酸層PAA(ステップS113)を露出させ、さらに、
図2F、
図2Gに示すように、ステップS115及びステップS117が含まれている。残余のポリアミド酸層PAAをキュアリングすることで、基板10の表面11に熟化させる。従って、所定の収容部Pの周りに位置するポリアミド酸層PAAは、ポリイミド層PIに変換され、前駆基板10aに形成され(ステップS115)、前駆基板10aに対して第2の導電層40が直接電気めっきされる。ポリイミド層PI自体は、直接電気めっきすることができないため、前駆基板10aの所定の収容部Pのみにおいて第2の導電層40の電気めっきを選択的に完成することができるとともに、これにより前記印刷回路配置パターンに応じて電気回路(E1又はE1’)を形成することができる(ステップS117)。電気回路E1を例にすると、電気回路E1は、触媒層20、第1の導電層30及び第2の導電層40を含み、側壁P11上の触媒層20は、側壁P11から所定の収容部Pに向けて順次に第1の導電層30、第2の導電層40と連続的な側面分層構造を形成する。好ましくは、ポリアミド酸層PAAをポリイミド層PIとなるようにキュアリングする作用条件は、摂氏290度以上であり、窒素充満の環境下においてポリアミド酸に赤外線を照射する。
【0022】
最後に、
図2Hに示すように、前駆基板10aの表面に対して電気絶縁層Iを形成する(ステップS119)ことにより、前駆基板10aの表面上の電気回路E1及びポリイミド層PIを被覆する。好ましくは、電気絶縁層Iは、ポリイミドカバーレイ(polyimide coverlay)、ポリアミド酸((polyamic acid, PAA)、エチレンテレフタレート(ethylene Terephthalate)、ポリエチレン、液晶高分子、エポキシ樹脂、ポリフェニレン・サルファイド(polyphenylene sulfide)、及び感光性カバーフィルム(photosensitive cover film)からなる群から選ばれる少なくとも1つである。より詳しくは、前駆基板10aの表面には、所定の収容部Pにおける第1の導電層30、及び所定の収容部P又は第1の導電層30に対して高さが高い新しく熟化されたポリイミド層PIの表面がさらに含まれる。電気めっきされた第2の導電層40は、金属層であり、典型的には導電材料とよく用いられる銅(Cu)であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0023】
図2Hに示すように、ポリイミド、パラジウム及びニッケルをそれぞれ基板10、触媒層20及び第1の導電層30の材料とすることを例に説明するが、それらに限定されるものではない。
図1及び
図3Aに示すように、ステップS109において、導電化フローをさらに含む。その目的は、主にポリイミドを成分とする基板10の表面11のパラジウム触媒に対する捕獲能力を増加し、さらにパラジウム触媒とニッケルとの組み合わせにより、基板10の表面11に間接的に第1の導電層30を形成することである。従って、パラジウム触媒は、ニッケルがどのように基板10に固着するかという点において、中間媒体又は基盤の役割を果たしている。言い換えれば、第1の導電層30のニッケル及び触媒層のパラジウムは、パラジウムニッケル合金となることができる。
【0024】
図2F、
図3A及び
図3Bに示すように、所定の収容部Pの内壁面P1、例えば内壁面P1の底壁P12、側壁P11又は導通孔壁121のパラジウム触媒に対する捕獲能力を増加するために、上述の導電化フローは、内壁面P1又は導通孔壁121に対して、脱脂工程(ステップS201)、酸塩基変性工程(ステップS203)、粗化工程(ステップS205)、触媒化工程(ステップS207)、及び触媒活性化工程(ステップS209)を行う。ここで、成分がポリイミドである内壁面P1の導電化を例に説明する(導通孔壁121の導電化処理も同様である)。特に内壁面P1に対して粗化工程(ステップS205)を行う場合は、化学的粗化又は物理的粗化の工程をさらに含む。前記化学的粗化工程は、化学試薬により内壁面P1に対して侵蝕又は分子内開環により粗化を行う工程を含み、前記物理的粗化工程は、内壁面P1に対して機械的に粗化を行う工程を含み、いずれの工程も、内壁面P1のパラジウム触媒に対する捕獲を促進することができる。分子内開環は、ミクロ的にみれば、基板10の内壁面P1の材料の分子構造に対して開環により分子構造上の不均一を生成することで、パラジウム触媒の内壁面P1に対する結合を促進する。言い換えれば、ポリイミド分子構造上に開環することを例にすると、ミクロ的にみれば、内壁面P1を粗化させる意味及び目的が存在している。これにより、基板10の内壁面P1にパラジウム触媒イオンを捕獲できるメカニズムを生成させ、パラジウム触媒イオンが内壁面P1に容易に付着するようにすることで、触媒層20を形成する。
【0025】
さらに詳しくは、化学的分子内開環の粗化は、
図3Aの基板導電化フローにおいて運用された化学メカニズム説明模式図に示すように、その原理が、主にアルカリ性の試薬によりポリイミド層PIのイミド官能基(O=C−N−C=0)のうちのいずれかのC−Nシングルボンドが断裂し、ポリイミドの開環となるに加えて、パラジウム触媒の使用により、パラジウム触媒を媒体として、ニッケルとポリイミドとの密着性が増加し、この無電解メッキの動作が完了する。しかしながら、
図2Eに示すように、内壁面P1には側壁P11をさらに含み、その成分は、まだ十分熟化されていないポリアミド酸であり、また、ポリアミド酸は、ポリイミドが環化される前の物質であるため、側壁P11は、当然ながら導電化フローの一環となり、しかも予め開環する必要がないため、パラジウム触媒を側壁P11に結合させる導電化効果は、より好ましい。
【0026】
図3Bを参照して、
図2E、
図2Fに示すように、分子内開環を好ましい粗化例として説明すると、上述導電化フローにおいて、下記の工程を行う。
【0027】
前記脱脂工程は、摂氏45度〜55度で、pH値10〜11であるアミンアルコール系試薬(H
2NCH
2CH
2CH
2OH、試薬番号ES−100)により、基板10の表面11上の内壁面P1に対して1〜3分間の洗浄を行い、油脂を除去する。
【0028】
前記表面酸塩基変性工程は、摂氏35度〜45度で、pH値7.5〜8.5である弱アルカリ、例えば炭酸ナトリウム(試薬番号ES−FE)により、基板10の表面11上の側壁P11に対して1〜3分間の洗浄を行い、基板10の表面ないし側壁P11の一般の酸塩基特性を回復させるとともに、残余のES−100を除去する。しかしながら、前の各工程の反応条件に応じて、次にこの工程を省略することで、より好ましい効果を達成することができる。
【0029】
前記表面粗化工程は、化学的なものであり、摂氏45度〜55度で、pH値11〜12である無機強アルカリ、例えば、水酸化カリウム(ただし必ずしもこれに限定されない)(試薬番号ES−200)により、内壁面P1に対してアルカリの変性を行い、作用時間は1〜3分間であり、ポリイミドのO=C−N−C=Oのうちのいずれか1つのC−Nシングルボンドを断裂させ、ポリイミドの開環となる。
【0030】
前記触媒化工程は、触媒により内壁面P1に吸着すことにより触媒層20を形成する工程を含む。より詳しくは、この工程は、パラジウム触媒イオン及び開環されたポリイミドに生じたホルミルグループ(O=C−O
−)により化学的結合を生成する(硫酸パラジウムを含有した錯化合物(complex compound)のH
2SO
4・Pd
4であるES−300試薬を使用し、最終pH値が5.5〜6.5で、作用温度は摂氏45度〜55度で、作用時間は1〜4分間である)。
【0031】
触媒活性化工程は、金属により触媒層20に吸着することにより、基板10の表面に前記第1の導電層30を形成する。より詳しくは、この工程にはES−400の試薬が使用される。ES−400は、パラジウム触媒イオンを活性化するために、その主要成分がホウ素(pH値は6〜8であり、作用温度は摂氏30度〜40度であり、作用時間は1〜3分間である)であり、金属(ニッケル)の付着が可能である状態にさせる。次に、さらにES−500試薬を使用し、このES−500は、主成分がNiSO
4・
6H
2O及NaH
2PO
2である(pH値8〜9で、作用温度は摂氏35度〜45度であり、作用時間は3〜5分間である)。この場合、ニッケルは、パラジウム触媒を中間媒体としたため、基板10の表面に付着することが容易となり、容易に脱落することはない。形成されたニッケル層(第1の導電層)は、厚さが上述のように50〜200nm(Nanometer)であり、上述ES−500成分の作用により、析出された無電解メッキに燐含有率が低い(2〜3%)特色を有するため、第1の導電層30の応力が低く、析出速度が約100nm/5分間であり、従来の方法より析出速度が速く、長時間にわたる生産に伴う時間、費用のコスト負担が節約されることになる。
【0032】
因みに、本発明の図面において、触媒層20、第1の導電層30、又は上表面111、下表面112、孔壁121等は、説明の簡単化のために、いずれも層に分けて明確に示されている。実際には、基板10の上表面111、下表面112、及び孔壁121のそれぞれの表層において、第1の導電層30、触媒層20がそれらの表層に結合された接続関係上、互いに融合する融合層(図示せず)をさらに備えてもよい。このことは、本発明に係る製造方法により製造されたフレキシブル印刷回路板によれば、その表面11(例えば底壁P12)又は側壁P11等の部位と、触媒層20、第1の導電層30の各材料層との間に、より緊密な接合効果が生じることが可能であることを意味する。
【0033】
上述の製造方法によれば、
図2G、
図2Hに示すように、本発明は、表面11に、耐めっきフォトレジストPRによって被覆されたポリアミド酸層PAAが露光、現像及びキュアリングされ、凹入成形されたポリイミド層PIが形成され、少なくとも一つの所定の収容部Pが限定されるフレキシブル印刷回路板をさらに提供する。言い換えれば、前記所定の収容部Pが耐めっきフォトレジストPR及びポリアミド酸層PAAにおいて露光、現像されることで、一部の耐めっきフォトレジストPR及び一部のポリアミド酸層PAAが同時に除去された後、残余の耐めっきフォトレジストPR及び残余のポリアミド酸層PAAによって限定される。次に、残余の耐めっきフォトレジストPRを除去し、ポリアミド酸層をキュアリングして形成されたポリイミド層PIは、実に残余のポリイミド層である。従って、より詳しくは、所定の収容部Pは、残余のポリイミド層によって限定されるものであると言える。
【0034】
所定の収容部Pは、側壁P11と底壁P12とを含む内壁面P1を有し、積層ユニットC1を収容する。積層ユニットC1は、少なくとも触媒層20と、第1の導電層30と、第2の導電層40とを含む。触媒層20は、パラジウム触媒を含み、少なくとも所定の収容部Pの内壁面P1に位置することが好ましい。第1の導電層30は、触媒層20に結合される。第2の導電層40は、第1の導電層30の表面に形成され、側壁P11にある触媒層20は、側壁P11から順次に第1の導電層30、第2の導電層40と連続的な側面分層構造を形成し、積層ユニットC1は、電気回路E1として構成される。このことから、本発明に係る積層ユニットC1の構造において、底壁P12より上から下へ延在する触媒層20、第1の導電層30、及び第2の導電層40のほか、側壁P11上の第1の導電層30は、さらに側壁P11から順次に第1の導電層30、第2の導電層40と連続的な側面分層構造を形成するため、所定の収容部Pの積層ユニットC1の両側に電気めっきに寄与する触媒層20及び第1の導電層30をさらに備えてもよいことが分かる。従って、積層ユニットC1に対して格別かつ好ましい安定効果を提供することができる。このように、積層ユニットC1は、所定の収容部Pにさらに良好的に固着され、膨張係数の相違によって積層ユニットC1と内壁面P1との間には回路板内部において余計な間隙又はその他の構造上の崩壊という潜在的障害が生じる問題を減少させることができる。また、電気回路E1’及びそれに含まれる積層ユニットC1’は、上述したものと同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0035】
好ましくは、基板10の材質は、ポリイミド(Polyimide,PI)、ポリエチレンナフタレートポリエステル(Polyethylene Terephthalate Polyester,PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate,PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluorethylene,PTFE)、液晶高分子(Thermotropic Liquid Crystal Polymer,LCP)、エポキシ樹脂(Epoxy)及びアラミド(Aramid)等の数種類の高分子重合物である。第1の導電層30は、厚さが50nm〜180nmであり、銅、ニッケル、クロム、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1つから選択される無電解メッキ層であってもよい。また、好ましくは、基板10の表面11には上表面111及び下表面112が含まれるため、所定の収容部Pは、上表面111及び下表面112に位置する。また、基板10には上表面111の所定の収容部P及び下表面112の所定の収容部Pに連通される導通孔12が縦向きに開設され、積層ユニットC1の触媒層20及び第1の導電層30は、底壁P12から導通孔12の孔壁121に沿って塗布延在し、これにより、第2の導電層40は、さらに導通孔12へ延在することで、上表面111の積層ユニットC1及び下表面112の積層ユニットC1と互いに電気的に接続される。
【0036】
ここで注意すべき点は、本発明に係るフレキシブル印刷回路板の製造方法によれば、
図1のステップS101を始め、ステップS101〜S110を繰り返すことで、さらに多層型フレキシブル印刷回路板を製造することができる点である。この多層型フレキシブル印刷回路板は、同様に、前の実施例又は
図2Hに示すフレキシブル印刷回路板100の構造特徴を有する。特に、触媒層20が側壁P11から順次に第1の導電層30、第2の導電層40と連続的な側面分層構造を形成する積層ユニットC1の電気回路E1(
図2H)の特徴である。言い換えれば、触媒層20のパラジウム触媒は、所定の収容部Pにおける電気回路E1の両側に位置してもよい。従って、フレキシブル印刷回路板100は、
図4B、4Cに示すように、上述の繰り返し工程に応じてさらに多層型フレキシブル印刷回路板200を形成することができる。この方法工程について、ここでは詳しい説明を省略する。
【0037】
図4A、
図4B及び
図4Cに示すように、
図2Hのフレキシブル印刷回路板100を始め、
図1及び前の実施例の導電化フローの工程を繰り返すことで、多層型フレキシブル印刷回路板200を製造することができる。多層型フレキシブル印刷回路板200は、少なくとも電気絶縁層Iを含む。電気絶縁層Iの材質は、基板10の材質と同様であってもよい。電気絶縁層Iの一面は、基板10の表面11上の電気回路E1及び内壁面P1に被覆され、他面には第2のポリイミド層PI’が塗布され、第2のポリイミド層PI’の表面上のある適当な箇所には、少なくとも一つの第2の所定の収容部P’が凹設され、第2の所定の収容部P’は、同様に第2の内壁面P1’を有してもよい。第2の内壁面P1’は、第2の側壁P11’及び第2の底壁P12’を含み、第2の所定の収容部P’は、第2の積層ユニットC2を収容する。第2の積層ユニットC2は、少なくとも第2の触媒層20’、他の第1の導電層30’、他の第2の導電層40’を含む。第2の触媒層20’は、少なくとも第2の所定の収容部P’の内壁面P1’に位置する。第1の導電層30’は、第2の触媒層20’に結合され、第2の導電層40’は、第1の導電層30’の表面に形成される。側壁P11’上の第2の触媒層20’は、第2の側壁P11’から順次に第1の導電層30’、第2の導電層40’と連続的な側面分層構造を形成する。第2の積層ユニットC2は、他の電気回路E2として構成される。
【0038】
多層型フレキシブル印刷回路板の好適例として、
図4Cに示すように、多層型フレキシブル印刷回路板200は、上表面111及び下表面112に分布される2層の電気回路(例えば電気回路E1)を有するフレキシブル印刷回路板であり、さらに電気回路E1の上方に別途形成された電気回路E2が加えられる。
図4Cに示すように、電気回路E1と電気回路E2との間には電気絶縁層Iが介在されているが、必要である場合には、電気回路E1と電気回路E2との間は、依然として電気絶縁層Iを貫通する導通孔(図示せず)により互いに電気的に接続してもよい。基板10の下方の電気回路(図示せず)を加えると、
図4に示すものは、4層型電気回路(2+1+1)を有する多層型フレキシブル印刷回路板200の好適例である。
図4Dに示すものは、10層型電気回路(2+4+4)を有する多層型フレキシブル印刷回路板300の好適例である。その最外層には電気絶縁層I”が被覆されている。
【0039】
また、上述の技術内容をまとめると、
図2F及び
図2Gに示すように、本発明は、表面にポリイミド層PIが形成された基板10を含む前駆基板10aをさらに提供する。ポリイミド層PIには、少なくとも一つの所定の収容部Pが凹設され、所定の収容部Pは、側壁P11及び底壁P12を含む内壁面P1を有し、積層ユニット(C1又はC1’)を収容する。積層ユニットC1を例にすると、積層ユニットC1は、少なくとも触媒層20、第1の導電層30を含み、触媒層20は、少なくとも所定の収容部Pの内壁面P1に位置するため、触媒層20が所定の収容部Pの側壁P11に位置してもよいことを含む。第1の導電層30は、触媒層20に結合される。
【0040】
好ましくは、基板10の材質は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、液晶高分子、エポキシ樹脂及びアラミド等の数種類の高分子重合物である。触媒層20は、パラジウム触媒を含む。第1の導電層30は、厚さが50nm〜5000nmであり、銅、ニッケル、クロム、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1つから選択される無電解メッキ層であってもよい。
【0041】
上述に続いて、前駆基板10aに関する実施例において、第2の導電層40は、必ずしも必要であるものではない。第2の導電層40の代わりとして第1の導電層30を用いてもよい。言い換えれば、第1の導電層30は、必要に応じて厚みを大幅に増加することで前駆基板10aのポリイミドPIの表面を被覆してもよい。当然ながら、必要に応じて凹設された所定の収容部Pに分布され、若しくは所定の収容部Pに充填してもよい。このように、前駆基板10aにより、下流の技術者は、後続的な加工製造を容易に行うことができる。
【0042】
また、同様に、
図2A、
図2Eに示すように、本実施例の前駆基板10aは、当然ながら前の実施例と同様に、上表面111の所定の収容部P及び下表面112の所定の収容部(図示せず)に連通される導通孔12が縦向きに開設され、また、第1の導電層30は、導通孔12に延在し、若しくは導通孔12に充填してもよい。それらに関する関連技術内容について、上述の技術内容と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0043】
上述のように、上述の製造方法によれば、本発明は、材料の浪費を効果的に回避することができる製造工程を達成するとともに、フレキシブル印刷回路板における電気回路のめっきに対して両側に触媒層(例えばパラジウム)、第1の導電層(例えばニッケル)のめっき固着寄与を別途提供するため、歩留まり、伝送品質及び製品寿命の向上に寄与することができる。また、本発明に係る新規かつ従来と異なる製造工程は、厚さがより薄くなるほか、材料を自主的に決定することができ、コストを削減する効果を奏することができる。
【0044】
上述したものは、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の特許請求の範囲に基づいてなされた均等の変化及び修飾は、本発明の特許請求の範囲に入るものである。