(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778243
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】ソノトロード
(51)【国際特許分類】
B65B 51/22 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
B65B51/22
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-500432(P2013-500432)
(86)(22)【出願日】2011年3月15日
(65)【公表番号】特表2013-522135(P2013-522135A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2011053919
(87)【国際公開番号】WO2011117119
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】10157256.8
(32)【優先日】2010年3月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591007424
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェーグラー、ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダーノ、フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】マンシン、セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】メランドリ、アントーニオ
(72)【発明者】
【氏名】ロベ、マグヌス
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−504370(JP,A)
【文献】
特開平07−002231(JP,A)
【文献】
特開2002−337821(JP,A)
【文献】
特開2001−233309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B06B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向(A)に沿って細長い封止表面(14)を画定するヘッド(15)と、
互いに別個であり、それぞれ少なくとも1つの圧電素子(13)を備える少なくとも1つの第1の駆動ユニット(12)及び1つの第2の駆動ユニット(12)と
を備えるソノトロード(1)であって、
前記第1の駆動ユニット(12)及び前記第2の駆動ユニット(12)が、使用時に前記封止表面(14)を横断する第2の方向(B)に沿って所与の波長を有する波で前記ヘッド(15)の振動を引き起こすように、使用時に独自の発生器に電気的に接続可能であり、
前記第2の方向(B)に沿って測定される前記ヘッド(15)の高さ(H)が、前記第2の方向(B)の方向に前記振動の前記波長の半分に実質上等しく、
前記ソノトロード(1)が、
前記第1の方向(A)及び前記第2の方向(B)を横断して前記ヘッド(15)を貫通する少なくとも1つの第1のスロット(23)と、
使用時に前記ヘッド(15)の前記振動の振幅がゼロに実質上等しい、少なくとも有限数の節点(20)と、
前記節点(20)の少なくともいくつかが位置し、前記ヘッド(15)を第1の部分(21)と第2の部分(22)とに分割する平面(P)とをさらに備える、ソノトロード(1)において、
前記少なくとも1つの第1のスロット(23)が、前記第1の部分(21)の中を、前記平面(P)から特定の距離のところまで完全に延びることを特徴とするソノトロード(1)。
【請求項2】
前記第1の部分(21)が前記封止表面(14)を画定すること、及び前記第1のスロット(23)が前記第1の部分(21)内で長さ全体にわたって延びることを特徴とする、請求項1に記載のソノトロード。
【請求項3】
前記駆動ユニット(12)が前記第2の部分(22)に接続されること、及び前記第2の部分(22)内で長さ全体にわたって延びる少なくとも1つの第2のスロット(27)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のソノトロード。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2のスロット(27)が、前記少なくとも1つの第1のスロット(23)に対して平面(P)の反対側に延び、前記第2の方向(B)に沿って前記少なくとも1つの第1のスロット(23)の延長線上にあることを特徴とする、請求項3に記載のソノトロード。
【請求項5】
前記ヘッド(15)が、無数の前記節点(20)を画定して前記平面(P)上に位置する連続する第1の縁部(20)を備え、前記少なくとも1つの第1のスロット(23)が、前記封止表面(14)と前記第1の縁部(20)との間を延びることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項6】
前記ヘッド(15)を収容し、使用時に包装機械に接続可能である筐体(30)を備えること、及び前記ヘッド(15)が前記第1の縁部(20)に沿って前記筐体(30)に接続されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項7】
奇数の前記駆動ユニット(12)を備えることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項8】
前記筐体(30)が、
前記第1の部分(21)及び前記第2の部分(22)の一方(21)を収容する箱状の要素(31)と、
前記第1の部分(21)及び前記第2の部分(22)の他方(22)を収容する区画を画定する少なくとも1つの追加の要素(45、49、50)とを備え、
前記箱状の要素(31)が、前記第1の縁部(20)が接するように構成された第2の縁部(36)を備え、
前記箱状の要素(31)の前記第2の縁部(36)が、前記第1の縁部(20)を所与の位置で維持するように、前記追加の要素(45、49、50)の前記少なくとも1つに接続されることを特徴とする、請求項6又は7のいずれか一項に記載のソノトロード。
【請求項9】
前記第2の方向(B)に沿って前記第1の縁部(20)と前記箱状の要素(31)との間に位置する第1の封止リング(40)と、
前記第1の縁部(20)に対して前記第1の封止リング(40)とは反対側にあり、前記第2の方向(B)に沿って前記第1の縁部(20)と前記少なくとも1つの追加の要素(45、49、50)との間に位置する第2の封止リング(42)と
を備えることを特徴とする、請求項8に記載のソノトロード。
【請求項10】
前記第1の封止リング(40)及び前記第2の封止リング(42)が、前記第1の方向(A)及び第2の方向(B)を横断して前記ヘッド(15)のそれぞれの肩部(70、71)と前記箱状の要素(31)のリリーフ(34)との間に位置することを特徴とする、請求項9に記載のソノトロード。
【請求項11】
包装材料を封止する封止手段(1、9)を備える、封止パッケージを作製する包装機械であって、
前記封止手段(1)がアンビル(9)及びソノトロード(1)を備える、包装機械において、
前記ソノトロード(1)が請求項1から10までのいずれか一項に記載のソノトロード(1)であることを特徴とする包装機械。
【請求項12】
前記ソノトロード(1)の前記第1の駆動ユニット(12)及び前記第2の駆動ユニット(12)に電気的に接続された独自の発生器を備えることを特徴とする、請求項11に記載の包装機械。
【請求項13】
請求項8から10までのいずれか一項に応じて、前記アンビル及び前記ソノトロード(1)が、それぞれ第1のジョー(6)及び第2のジョー(6)によって運搬され、前記第2のジョー(6)が、前記第1の箱状の要素(31)の前記第2の縁部(36)に固定され、
前記封止パッケージが、使用時に、垂直経路(Q)に沿って供給された包装材料の管(2)から作製され、食品が連続的に充填され、等間隔の断面で把持されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の包装機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソノトロードに関する。
【背景技術】
【0002】
フルーツジュース、低温殺菌又はUHT(超高温度処理)牛乳、ワイン、トマトソースなどの多くの注ぐことができる食品は、消毒された包装材料から作られたパッケージに入れて販売される。
【0003】
このタイプのパッケージの典型的な例は、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られている液体又は注ぐことができる食品向けの平行6面体状のパッケージであり、積層されたストリップ包装材料を折り畳んで封止することによって作られる。
【0004】
包装材料は多層構造を有し、この構造は、剛性及び強度のために基層を実質上備え、また繊維性材料、たとえば紙、又は鉱物充填ポリプロピレン材料の層と、熱融着プラスチック材料、たとえばポリエチレン膜の複数の層とを備えることができ、これらの層が基層の両面を被覆する。
【0005】
UHT牛乳などの長期保存用の製品向けの無菌パッケージの場合、包装材料はまた、気体及び光遮断材料、たとえばアルミニウム箔又はエチル・ビニル・アルコール(EVOH)の層を備え、この層は、熱融着プラスチック材料層の上に重ねられ、また別の熱融着プラスチック材料層で被覆されて、最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0006】
知られているように、そのようなパッケージは完全に自動の包装機械上で作られ、この機械上には、ウェブで供給される包装材料から連続する管が形成される。包装材料のウェブは、たとえば過酸化水素溶液などの化学消毒剤を塗布することによって、包装機械自体の上で消毒され、化学消毒剤は、包装材料の表面から加熱することによって消毒後に除去、たとえば気化され、そのように消毒された包装材料のウェブは、閉鎖された無菌環境内で維持され、垂直の管を形成するように長手方向に折り畳んで封止される。
【0007】
管には、消毒又は無菌処理された食品が上部から充填され、2対のジョーによって等間隔の断面で把持される。より具体的には、これらの対のジョーは、周期的且つ連続的に管に作用して管の包装材料を封止し、それぞれ横断封止バンドによって互いに接続されたピローパックの連続した帯を形成する。
【0008】
ピローパックは、関連する封止バンドを切断することによって分離され、次いで最終の折畳みステーションへ運搬され、そこで機械的に折り畳まれて、完成した平行6面体状になる。
【0009】
第1の代替形態では、包装機械は、2つの形成アセンブリを備え、これらの形成アセンブリは、それぞれのガイドに沿って動くことができ、管と周期的に相互作用して管の包装材料を熱融着する。各形成アセンブリは、それぞれのガイドに沿って前後に動くことができるスライドと、底部でそれぞれのスライドにヒンジで取り付けられており、管と協働して管を封止する閉鎖位置と、管から取り外された開放位置との間を動く2つのジョーとを備える。
【0010】
第2の代替形態では、包装機械は2つのチェーン・コンベアを備え、これらのコンベアは、それぞれの無限経路を画定し、それぞれの数のジョーを具備する。2つの経路は、実質上互いに面して互いに対して平行なそれぞれの分岐を有し、これらの分岐間に包装材料の管が供給され、したがって一方のコンベア上のジョーは、それぞれの経路の分岐に沿って他方のコンベア上の対応するジョーと協働して、複数の連続する断面で管を把持し、パックを封止及び切断する。
【0011】
遮断材料としてアルミニウム層をもつ無菌パッケージの場合、管の断面は通常、アルミニウム層内に漏れ電流を誘導して熱融着プラスチック材料を局部的に溶融させることによって封止される。
【0012】
より具体的には、各対のジョーの一方は、非導電材料から作られた本体と、本体上の座面内に収容されたインダクタとを備え、他方のジョーは、ゴムなどの可撓性材料から作られた圧力パッドを有する。
【0013】
インダクタは、関連する1対のジョーが管を把持したときに通電され、プラスチック被覆材料を熱融着することによって管の断面を封止する。
【0014】
アルミニウム又は他の導電材料層をもたないパッケージの場合、管の断面は通常、包装材料を内部で局部的に加熱するホットプレートを使用して封止される。
【0015】
より具体的には、ジョーの一方はホットプレートを装備し、他方は通常、1つ又は複数の可撓性材料の圧力パッドを有する。一般に「ホットプレート」封止と呼ばれるこの方法は、ホットプレートと包装材料との間で比較的長期の接触を必要とする。
【0016】
包装材料の局部的な溶融を加速させ、その結果パッケージ作製速度を増大させるために、超音波封止デバイスがますます使用されている。超音波封止デバイスは、機械的振動発生器又はソノトロードと、各対のそれぞれのジョーに付設され、互いに協働して超音波振動によって包装材料を加熱する、たとえば同じ出願人の名による特許文献1から知られているアンビルとを実質上備える。
【0017】
より正確には、特許文献1に開示されているソノトロードは、ヘッドと、交互に圧電セラミック板及び導電金属シートの積層体から構成される独自の駆動ユニットとを実質上備える。
【0018】
ヘッドは、第1の方向に沿って延びる封止表面を画定し、駆動ユニットは、封止表面の反対側でヘッドに付設される。
【0019】
駆動ユニットは、交流電流発生器に結合される。このようにして、圧電セラミック板は、電気的な供給電圧を機械的な歪みに変換し、それによってヘッドの振動、したがって横断封止バンドの封止を引き起こす。
【0020】
具体的には、ソノトロードは半波共振器を構成し、すなわち第1の方向に対して直交する第2の方向に沿ってソノトロードの長さ全体は、ヘッドの振動の波長の半分から構成される。
【0021】
特許文献1に記載されているタイプの超音波封止デバイスは、以下の欠点を有する。
【0022】
より長い横断封止バンドが望ましいとき、たとえば特に高いパッケージを横断して封止する場合、追加の長さにわたって複数の前述のソノトロードが相互接続される。
【0023】
しかし、ソノトロードの相互接続中の避けられない誤りにより、そのようなソノトロード間で均一でない振動を生成する可能性が高い。したがって、その結果得られる横断封止バンドは不均一になることがある。
【0024】
この欠点を克服するために、同じ出願人の名による国際出願第2007/020208号は、単一の発生器によって給電される3つの従動ユニットを収容する一体型のソノトロードを開示している。より詳細には、ソノトロードのそれぞれの凹部内へ駆動ユニットが固定され、それぞれ複数の圧電素子を有する。
【0025】
さらに、国際出願第2007/020208号に開示されているソノトロードは、互いに隣接する駆動ユニットのそれぞれの対の間に構成された1対のスロットを備える。
【0026】
最後に、ソノトロードは、ソノトロードをジョーの枠に固定するために複数、具体的には3対のS字状のフックを備える。各対のS字状のフックは、ソノトロードの両方の側部表面上に構成されており、ソノトロードに溶接又は一体形成することができる。したがって、ソノトロードは、S字状のフックで振動することができない。言い換えれば、S字状のフックは、ソノトロードのそれぞれの節点を画定し、そのようなソノトロードの「いわゆる」節面上に位置する。
【0027】
より正確には、スロットは、ソノトロードの封止表面に対して直交し、連続する2対のS字状のフック間を延びる。具体的には、スロットは、S字状のフックの上下両方に延びる。したがって、スロットは、ソノトロードの節面を貫通する。
【0028】
本出願人は、国際出願第2007/020208号に開示されているソノトロードの振動が、いくつかの追加の寄生周波数によって不安定になることを見出した。
【0029】
したがって、その結果得られる横断封止バンドはやはり、完全には均一且つ連続にすることができない。さらに、これらの追加の寄生周波数の結果、ソノトロード上にさらなる疲労応力を生じさせ、その結果、残りの疲労寿命を低減させる。
【0030】
かなり長い封止バンドを生成することができ、その振動が前述の追加の周波数による影響を受けても可能な限り小さいソノトロードを得ることが、当業界内で必要とされている。
【0031】
ソノトロード内の水の澱みによる電力損失を可能な限り低減させ、その結果生じる有効封止時間の低減を制限し、したがって封止バンドが部分的に封止されないまま残るリスクを制限することも、当業界内で必要とされている。
【0032】
最後に、ソノトロードの寄生周波数を可能な限り遠ざけることも、当業界内で必要とされている。
【0033】
欧州特許出願第1241099号は、ジョーの一方に固定された筐体と、並列に構成されて筐体内に収容された3つの個別のソノトロードとを備える超音波封止デバイスを開示している。
【0034】
封止デバイスはまた、互いに隣接する2つのソノトロードのヘッド間にそれぞれ位置する2つの梁状の中間支持部を備える。
【0035】
具体的には、各ソノトロードのヘッド内には、いかなるスロットも存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】欧州特許第615907号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明の一目的は、前述の必要の少なくとも1つを満たすように設計されたソノトロードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明によって、請求項1に記載のソノトロードが提供される。
【0039】
本発明の好ましい非限定的な実施例について、添付の図面を参照して例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】見やすいように一部を除去した、本発明によるソノトロードの分解斜視図である。
【
図2】組み立てた後の
図1のソノトロードの斜視図である。
【
図3】見やすいように一部を除去した、
図1及び
図2のソノトロードのヘッドの前面斜視図である。
【
図4】見やすいように一部を除去した、
図1及び
図2のソノトロードのヘッドの背面斜視図である。
【
図5】
図3の線V−Vに沿って切り取った断面図である。
【
図6】複数の圧電素子が取り付けられた、
図3及び
図4のソノトロードのヘッドの斜視図である。
【
図7】包装材料の管の封止段階中の
図1から
図4のソノトロードの概略図である。
【
図8】ジョー及びジョーに取り付けられた
図1から
図7のソノトロードを示す図である。
【
図9】
図2のいくつかの細部の断面の拡大斜視図である。
【
図10】知られているソノトロードのインピーダンスのモジュール及び位相のグラフを、振動周波数の関数として、封止力を一定の値として示す図である。
【
図11】本発明によるソノトロードの機械インピーダンスのモジュール及び位相のグラフを、振動周波数の関数として、封止力を一定の値として示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1の符号1は、本発明によるソノトロードを全体として示す。
【0042】
ソノトロード1は、知られているデバイス(図示せず)によって垂直経路Q(
図7)に沿って供給される包装材料の管2から、低温殺菌又はUHT牛乳、フルーツジュース、ワインなどの注ぐことができる食品の封止パッケージを作製する包装機械(図示せず)内に組み込むことができる。
【0043】
管2は、知られているように、熱融着シート材料のウェブを長手方向に折り畳んで封止することによって形成され、消毒又は無菌処理された食品が上部から連続的に充填される。
【0044】
包装機械は、知られているように、包装材料の管2と周期的且つ連続的に相互作用して管2を等間隔の断面に沿って把持、超音波封止、及び切断する少なくとも1対の形成アセンブリ3(
図8には1つだけ示す)を備える。より具体的には、形成アセンブリ3は管2と相互作用して、まずは管を、それぞれの横断封止バンド5によって互いに接続されたパッケージの垂直な帯4に変換し、次いで横断封止バンド5に沿って管2を切断する。
【0045】
各形成アセンブリ3(ここでは、本発明を明確に理解するために必要なものとして記載しているにすぎない)は、ジョー6(
図8)とカウンタジョー(counterjaw)とを実質上備え、ジョー6及びカウンタジョーは、管2の両側に位置し、それぞれ機械的振動発生器又はソノトロード1及びアンビル9を支持し、また開放形状と、関連する断面で管2を把持及び封止してパッケージ帯4の関連する封止バンド5を形成する閉鎖形状との間を経路Pに対して交差方向に動くことができる。
【0046】
包装機械の第1の代替形態では、形成アセンブリ3は、それぞれのガイドに沿って動き、管2と周期的に相互作用して管2の包装材料を熱融着する。各形成アセンブリ3は、それぞれのガイドに沿って前後に動くことができるスライドと、底部でそれぞれのスライドにヒンジで取り付けられており、管2と協働して管2を封止する閉鎖位置と、管2から取り外された開放位置との間を動くジョー6及びカウンタジョーとを備える。
【0047】
第2の代替形態では、包装機械は2つのチェーン・コンベアを備え、これらのコンベアは、それぞれの無限経路を画定し、それぞれの数のジョー6及び対応するカウンタジョーを具備する。2つの経路は、実質上互いに面して互いに対して平行なそれぞれの分岐を有し、これらの分岐間に包装材料の管2が供給され、したがって一方のコンベア上のジョー6は、それぞれの経路の前記分岐に沿って他方のコンベア上の対応するカウンタジョーと協働して、複数の連続する断面で管を把持し、パックを封止及び切断する。
【0048】
ソノトロード1は(
図1から
図6及び
図9)、
方向Aに沿って延びる封止表面14を画定する一体型のヘッド15と、
ヘッド15に接続されており、それぞれ複数の積層された圧電素子13(
図6)を備える、複数、図示の実施例では3つの駆動ユニット12と、
ヘッド15を収容する筐体30とを実質上備える。
【0049】
包装機械はまた、使用時にすべての駆動ユニット12に電気的に接続される独自の交流電流発生器(図示せず)を備える。
【0050】
より詳細には、ヘッド15は、互いに対向する1対の壁16、17、及び互いに対抗し、壁16と壁17との間に位置する1対の壁18、19によって区切られる。
【0052】
ソノトロード1は半波共振器を構成し、すなわち方向Bに沿ってソノトロード1の長さ全体は、ヘッド15の振動の波長の半分から構成される。
【0053】
具体的には、封止表面14に直交する方向Bに沿って測定されるヘッド15の高さHは、使用時に方向B(
図5)に沿って振動する波の波長の半分に等しい。
【0054】
その結果、方向Bに沿った圧電素子13の延長部は、方向Bに沿ったヘッド15の延長部内に収まる。
【0055】
このようにして、
図5に示すように、ヘッド15の振動の最大振幅は、封止表面14で実現される。
【0056】
ヘッド15は、ヘッド15の振動の節線を画定する、閉じた線の形状の連続する縁部20を備える。
【0057】
言い換えれば、縁部20の点は、駆動ユニット12の圧電素子13がヘッド15の残り部分の振動を引き起こすときに実質上振動しない。
【0058】
さらに、縁部20の点は、いわゆる節面、具体的には方向Bに直交するいわゆる節面Pを画定する。
【0059】
縁部20は、方向Aに対して平行な2つの区間25と、区間25に直交し、両端で区間25に対して丸められた2つの区間26とを実質上備える。
【0060】
さらに、平面Pは、ヘッド15を第1の部分21と第2の部分22とに分割する。
【0061】
ヘッド15はまた、肩部70及び肩部71を備える(
図9)。縁部20は、方向Bに沿って肩部70と肩部71との間に位置し、肩部70、71から突出する。
【0062】
駆動ユニット12は、平面P上に位置するそれぞれの端部(
図1)を有する。
【0063】
部分21、22はそれぞれ、壁16、17を備える。
【0064】
部分21の厚さは、最初は一定であり、次いで表面14から縁部20の方へ進むと増大する。
【0065】
部分21、22は、方向Bに沿って細長く、壁18から壁19までヘッド15を貫通するそれぞれの対のスロット23、27をさらに備える。
【0066】
スロット23は部分21内を完全に延び、スロット27は部分22内を完全に延び、またスロット23、27は平面Pから特定の距離のところまで延びると有利である。言い換えれば、スロット23、27は、互いから切り離されており、平面Pと交差しない。
【0067】
言い換えれば、スロット23、27は、平面Pから特定の距離のところで遮られる。
【0068】
具体的には、スロット23は、縁部20と封止表面14との間の長さ全体にわたって延びる。
【0069】
スロット27は、スロット23に対して縁部20の反対側に延び、方向Bに沿ってそれぞれのスロット23の延長線上に構成される。
【0070】
部分22は、それぞれの駆動ユニット12に対して、複数、図示の実施例では3つの座部24を画定する。
【0071】
ヘッド15は、縁部20に沿って筐体30に接続される。
【0072】
筐体30は(
図1及び
図2)、
ヘッド15の部分22を収容する箱状の要素31と、
封止表面14とは反対側の要素31の側面と協働する板32と、
封止リング41を介在して、要素31とは反対側の板32の側面の一部分と協働する板33と、
圧電素子13を発生器に接続し、板32とは反対側の板33の側面の追加の部分と協働するコネクタ35とを備える。
【0073】
要素31は、板32とは反対側に、端縁部36を備える。
【0074】
縁部36は方形であり、方向Aに対して平行な2つの長辺37a、37bと、辺37a、37bに直交し、辺37aと辺37bとの間に位置する2つの短辺38a、38bとを備える。
【0075】
図9に示すように、要素31はまた、リリーフ34と、リリーフ34に対して丸められた肩部72とを備える。より正確には、リリーフ34は、肩部72と縁部36の内側プロファイルとの間を延びる。
【0076】
方向Bに沿って縁部20と要素31の肩部72との間には封止リング40が位置し、肩部70と肩部72に隣接するリリーフ34の一部分との間に取り付けられる。
【0077】
同じように、肩部71とリリーフ34の端部部分73との間には封止リング42が取り付けられる。
【0078】
筐体30は、
板46、方向Aに対して平行に細長く、板46から下方へ突出するクロスバー47、及び方向Aに沿って隔置され、クロスバー47とは反対側で板46から突出する複数、図示の実施例では4つのスペーサ48を画定する要素45と、
複数のねじによって要素45に付設される板49と、
クロスバー50とをさらに備える。
【0079】
封止リング42は、方向Bに沿って縁部20とクロスバー50との間に位置する。
【0080】
要素45、板49、及びクロスバー50は、ヘッド15の部分21を収容する中空の区画を画定する。
【0081】
クロスバー47は、複数のねじ51によって端縁部36の辺37aに接続され、クロスバー50は、複数のねじ52によって端縁部36の辺37bに接続される。
【0082】
このようにして、ねじ51、52は、それぞれ端縁部36の辺37a、37bに沿って要素45及びクロスバー50を要素31に接続する。
【0083】
筐体30は、複数、図示の実施例では4つのねじ60a、60b、60c、60dによってジョー6に接続される。
【0084】
より正確には、ねじ60a、60bは、クロスバー50の対向する端部によって画定された第1の孔及び端縁部36の辺37aの対向する端部によって画定された第2の孔を貫通して、ジョー6に締め付けられる。
【0085】
ねじ60c、60dは、クロスバー47の対向する端部によって画定された第3の孔及び端縁部36の辺37bの対向する端部によって画定された第4の孔を貫通して、ジョー6に締め付けられる。
【0086】
このようにして、ねじ60a、60b、60c、60dは、辺38a、38bの対向する端部で、筐体30をジョー6に接続する。
【0087】
図7を参照すると、アンビル9は、図示の実施例では、特許文献1に記載及び図示されているタイプのものであり、ナイフ65を収容するための座部64を間に画定する2つの別個の上部部分61及び底部部分62によって実質上画定される。非常に簡単に言えば、ナイフ65は、アンビル9の座部64内部に摺動するように収容されており、知られている作動デバイス(図示せず)によって、横断封止バンド5のところで管2を切断し、その結果、形成アセンブリ3から出てくるパッケージを帯4から切り離して、完成した形状に折り畳むように制御される。
【0088】
本明細書では以下、ソノトロード1の動作について、2つのジョー6及びカウンタジョーのみを参照して、ジョー6及びカウンタジョーが閉鎖形状にあり、断面で管2を把持している形状から説明する。
【0089】
そのような形状では、ソノトロード1はアンビル9と協働し、ソノトロード1とアンビル9との間に管2の断面が把持される。
【0090】
この段階で、発生器は、駆動ユニット12に所与の値の交流電流を供給し、その結果、圧電素子13、したがってソノトロード1の超音波振動を引き起こす。
【0091】
ソノトロード1の超音波振動は、管2の封止及び封止バンド5の形成を引き起こす。
【0092】
具体的には、ソノトロード1が振動するとき、連続する閉じた縁部20は振動しない。
【0093】
実際には、縁部20は、筐体30の要素31の端縁部36に接するように構成され、
筐体30の要素31は、端縁部36の辺37a、37bに沿って要素45及びクロスバー50に接続され、
筐体30の端縁部36は、ジョー6に接続される。
【0094】
言い換えれば、縁部20は、ソノトロード1の連続する閉じた節線を形成する。
【0095】
駆動ユニット12が停止した後、ジョー6及びカウンタジョーを開放して次の形成サイクルを始める前に、ナイフ65を起動してアンビル9内の座部64から外へ出し、関連する封止バンド5に沿って包装材料を切断し、その結果、管2から関連するピローパックを切り離し、その後、このピローパックを完成した形状に折り畳む。
【0096】
本発明によるソノトロード1の利点は、上記の説明から明らかであろう。
【0097】
具体的には、スロット23、27は、縁部20によって画定される平面Pから特定の距離のところまで、それぞれの部分21、22内を完全に延びる。
【0098】
本出願人は、ヘッド15の連続する節線によって画定される平面Pをスロット23、27が貫通しないという事実に起因して、ソノトロード1の振動には、本説明の導入部分に開示されているソノトロードに影響を与える追加の寄生周波数が実質上存在しないことを見出した。
【0099】
より正確には、本出願人は、
図10に示すように、国際出願第2007/020208号に開示されているものに類似のソノトロードに対して、周波数の関数として、封止力を一定の値として示す、インピーダンスのモジュール及び位相のグラフG、Zが、それぞれ共鳴周波数に近接する低周波の変曲I、Jを有し、また連続する非常に近接した極大及び極小を有することを見出した。
【0100】
変曲I、J並びに非常に近接した極大及び極小の存在は主に、追加の寄生周波数によって励起される追加のモードによる。
【0101】
それとは異なり、
図11に示すように、ソノトロード1に対して、周波数の関数として、封止力を一定の値として示す、インピーダンスのモジュール及び位相のグラフK、Lには、低周波の変曲も、連続する非常に近接した極大及び極小もない。
【0102】
これは、ソノトロード1の振動に前述の追加の周波数がないことによる。
【0103】
その結果、特に長いときでも、ソノトロード1によって実施される横断封止バンド5は特に均一である。これは、同じヘッド15が複数の圧電素子13を収容すること、またスロット23、27が平面Pと交差しないことによる。
【0104】
さらに、スロット23が部分21内のみを延びることにより、水の澱みが部分21のみに制限され、部分22内では実質上防止される。したがって、水の澱みによる電力損失は劇的に低減され、その結果、横断封止バンド5が完全に封止される確率を増大させる。
【0105】
封止リング40、42は、ヘッド15から要素31、45及びクロスバー50への振動の伝達を低減させるのに効果的である。
【0106】
最後に、本出願人は、ソノトロード1が奇数の駆動ユニット12を有するため、偶数の駆動ユニットを有する知られているソノトロードより互いから離れた寄生周波数を呈することを見出した。
【0107】
しかし本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のソノトロード1に変更を加えることができることは明らかである。
【0108】
具体的には、ヘッド15は、縁部20の代わりに、ジョー6に接続された複数の攻撃要素を備えることもできる。
【0109】
この場合、攻撃要素は、ヘッド15のそれぞれの節点を画定して平面P上に位置し、スロット23、27は平面Pから切り離される。