特許第5778251号(P5778251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5778251イリジウムおよび関連する第VIII族の燐光性金属多環化合物に基づくエレクトロルミネセント素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778251
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】イリジウムおよび関連する第VIII族の燐光性金属多環化合物に基づくエレクトロルミネセント素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20150827BHJP
   C07F 15/00 20060101ALI20150827BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20150827BHJP
   C07D 231/54 20060101ALI20150827BHJP
   C07D 235/02 20060101ALI20150827BHJP
   C07D 249/16 20060101ALI20150827BHJP
   C07D 277/60 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   C07F15/00 E
   C09K11/06 660
   C07D231/54
   C07D235/02 C
   C07D249/16
   C07D277/60
【請求項の数】15
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2013-506414(P2013-506414)
(86)(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公表番号】特表2013-526042(P2013-526042A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】AU2011000486
(87)【国際公開番号】WO2011134013
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】2010901797
(32)【優先日】2010年4月28日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】590003283
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル・グローク
(72)【発明者】
【氏名】上野 和則
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ボウン
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・アンドレッセン
【審査官】 濱野 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−197607(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/091958(WO,A1)
【文献】 特開2014−196258(JP,A)
【文献】 特開2011−119576(JP,A)
【文献】 特表2012−516831(JP,A)
【文献】 特開2014−017493(JP,A)
【文献】 特開2008−311607(JP,A)
【文献】 特表2009−526071(JP,A)
【文献】 特開2008−007469(JP,A)
【文献】 特表2013−542175(JP,A)
【文献】 特開2005−170851(JP,A)
【文献】 特開2007−254539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
C07D 231/54
C07D 235/02
C07D 249/16
C07D 277/60
C07F 15/00
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− アノードおよびカソードを含む一対の電極と、
− 前記電極対の間に配置された1層以上の有機化合物層と、
を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、
− 前記有機化合物層の1層以上が燐光材料を含み、
− 前記燐光材料が、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子Mと少なくとも1つの配位子Lとの錯体を含み、ここで前記配位子Lが、
【化1】
からなる群から選択され、ここで
、R、R、R、およびRは、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の前記炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで前記原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでおり、
− 前記アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の前記置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される]と;
からなる群から独立に選択される、有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項2】
前記燐光材料が、1、2または3個の配位子Lと、0、1、または2個の二座配位子L’とを含み、L’が、
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項3】
Lが、
【化3】
からなる群から選択される、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項4】
− アノードとカソードを含む一対の電極と、
− 前記電極対の間に配置された1層以上の有機化合物層と、
を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、
− 前記有機化合物層の1層以上が燐光材料を含み、
− 前記燐光材料が、式(2):
MLL’(2)
を有し、式中、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、
【化4】
からなる群から選択される配位子であり、ここで
、R、R、R、およびRは、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の前記炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで前記原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでおり、
− 前記アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の前記置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される]と;
からなる群から独立に選択され、
− L’は、Lとは異なる構造を有する二座の配位子であり、
− mは、1、2および3から選択される整数であり、
− nは、0、1および2から選択される整数である、
有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項5】
Lが、
【化5】
からなる群から選択される、請求項4に記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項6】
Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子Mと少なくとも1つの配位子Lとの錯体を含む燐光材料であって、前記配位子Lが、
【化6】
からなる群から選択され、ここで
、R、R、R、およびRは、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の前記炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで前記原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでおり、
− 前記アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の前記置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される]と;
からなる群から独立に選択される、燐光材料。
【請求項7】
Lが、
【化7】
からなる群から選択される、請求項6に記載の燐光材料。
【請求項8】
式(2):
MLL’ (2)
を有する燐光材料であって、式中、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、
【化8】
からなる群から選択される配位子であり、ここで
、R、R、R、およびRは、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の前記炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで前記原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでおり、
− 前記アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の前記置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される]と;
からなる群から独立に選択され、
− L’は、
【化9】
からなる群から選択される二座の配位子であり、
− mは、1、2および3から選択される整数であり、
− nは、0および1から選択される整数である、
燐光材料。
【請求項9】
m+n=2または3である、請求項に記載の燐光材料。
【請求項10】
Lが、
【化10】
からなる群から選択される、請求項8または9に記載の燐光材料。
【請求項11】
燐光材料の製造方法であって、
− 金属Mに配位した所望の数の配位子Lを有する生成物を得るのに適した比率で前記Mの前駆錯体と配位子Lとを反応させるステップと、任意にはそれに続いて、
− 前記生成物を、所望の数の配位子L’を前記生成物中に導入するのに適した比率で別の配位子L’と反応させるステップと、
を含む方法であって、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、
【化11】
からなる群から選択される配位子であり、ここで
、R、R、R、およびRは、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリール、および置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の前記炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで前記原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでおり、
− 前記アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の前記置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される]と;
からなる群から独立に選択され、
− L’は、
【化12】
からなる群から選択される、方法。
【請求項12】
Lが、
【化13】
からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項10のいずれか一項に記載の前記燐光材料を含む有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項14】
有機エレクトロルミネセント素子における請求項10のいずれか一項に記載の燐光材料の使用。
【請求項15】
有機エレクトロルミネセント素子における発光材料としての請求項10のいずれか一項に記載の燐光材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規燐光材料およびそれらを含むエレクトロルミネセント素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネセント素子は一般に、アノードとカソードとを形成する電極対と、正孔輸送層、(発光材料(emissive material)を伴う)発光層(emissive layer)および電子輸送層を含む一層または多重層とで構成されている。有機層中に、それぞれアノードおよびカソードから正孔および電子が注入され、こうして、発光材料内部の励起子が結果として得られる。励起子が基底状態に遷移すると、発光材料は光を発出する。
【0003】
Eastman Kodak Co.による最初の研究「Appl.Phys.Lett」、vol.51、pp.913(1987)によると、(電子輸送およびルミネセント材料としての)アルミニウムキノリノール錯体の層と(正孔輸送材料としての)トリフェニルアミン誘導体の層を含んだ有機エレクトロルミネセント素子が、10Vの電圧を印加した状態で約1000cd/mのルミネセンスをもたらした。関連する米国特許の例には、米国特許第4,539,507号明細書、第4,720,432号明細書、第4,885,211号明細書が含まれる。
【0004】
このような素子のルミネセンスは、そのルミネセント材料が蛍光性材料であるかまたは燐光材料であるかに基づいて、蛍光発光と燐光発光という2つの主要なカテゴリーの1つに入り得る。ルミネセンスが得られる機序は、これらの材料カテゴリー間で異なっている。燐光材料はより高い量子収量を提供する傾向にあることから、近年、このような素子における燐光材料の使用に対する関心が高まってきている。
【0005】
一例としては、Baldoらによる研究が、ドーパントとして燐光材料を用いる有望な(有機発光ダイオード)OLEDを明らかにしている。燐光性OLEDの量子収量は、有意な形で改善された(米国特許第6,830,828号明細書)。
【0006】
小分子およびポリマー有機材料の両方を構成要素として含むOLED素子が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,830,828号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
過去20年において、OLEDはその性能の有意な進歩を示してきたが、今なお解決すべき課題は残っている。例えば、発光材料特性を、OLEDが発出できる光の同調性に関して改善することが可能である。したがって、新しいまたは改善された特性を有する新しい燐光材料の開発に対する関心が継続して存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、新しい一定範囲の燐光材料を提供する。本発明は同様に、このような燐光材料を含む新たな有機エレクトロルミネセント素子も提供する。
第1の態様によると、
− アノードとカソードを含む一対の電極と、
− 電極対の間に配置された1つ以上の有機化合物層と、
を含む有機エレクトロルミネセント素子において、
− 有機化合物層または有機化合物層の1つ以上が燐光材料を含み;
− 燐光材料が、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子Mと少なくとも1つの配位子Lとの錯体を含み;ここで配位子Lが、
【化1】
という式(1)で表わされ、式中、
− 環Aは、式(1)に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5員の複素環であり、
− 環Bは、式(1)に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている炭素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基により置換されている5または6員の炭素環または複素環であり、
− 環AおよびBは、式(1)に示した直接共有結合により結合されており、
− 環AおよびBは、連結基(tether)Qを介して連結されており、ここで
− Qは、長さが炭素原子3〜20個である直鎖、分岐または環状アルキル、アリールまたはアルキル−アリール連結基であり、ここで連結基中の炭素原子の1個以上を−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−で置き換えてよく、ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含み、またここで、連結基の任意の炭素、窒素、ケイ素またはリン原子は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、アルキニル、シリルからなる群から選択される1つ以上の置換基、および重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基を含んでいてよく、あるいは2つの置換基は一緒になって環または縮合環系を形成してよい、
有機エレクトロルミネセント素子を提供する。
【0010】
燐光材料は、有機エレクトロルミネセント素子における発光材料として使用可能である。燐光材料は、素子の一層または素子の一層の一成分を形成してよい。例えば、燐光材料は、ホスト材料中のドーパントとして存在している場合があり、ここでホスト材料は、電子輸送材料または正孔輸送材料またはその両方であってよい。
【0011】
素子内で使用される燐光材料の環AおよびB中の考えられる置換基は、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリールおよび置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONH−、−C=N−、−NH−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、ここで原子−Siおよび−P−は、その原子価に基づいて、中性であるための置換基を含んでおり、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択され;
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、さらに連結基Qに連結されてよく、あるいはアルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、2つの点を介してそのコア環(AまたはB)に付着されて、縮合環または環系を形成してよい]と;
からなる群から独立に選択されてよい。
【0012】
第2の態様によると、
− アノードとカソードを含む一対の電極と、
− 電極対の間に配置された1つ以上の有機化合物層と、
を含む有機エレクトロルミネセント素子において、
− 有機化合物層または有機化合物層の1つ以上が燐光材料を含み、
− 燐光材料が、式(2):
MLL’(2)
を有し、式中、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、上述により定義した式(1)で表わされる配位子であり、
− L’は、Lとは異なる構造(different identity)を有する二座の配位子であり、
− mは、1、2および3から選択される整数であり、
− nは、0、1および2から選択される整数である、
有機エレクトロルミネセント素子が提供される。
【0013】
第3の態様によると、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子Mと少なくとも1つの配位子Lとの錯体を含む燐光材料において、配位子Lが、上述により定義した式(1)で表わされる燐光材料が提供される。
【0014】
第4の態様によると
MLL’ (2)
という式(2)を有する燐光材料において、式中、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、上述により定義した式(1)で表わされる配位子であり、
− L’は、Lとは異なる構造を有する二座の配位子であり、
− mは、1、2および3から選択される整数であり、
− nは、0、1および2から選択される整数である、
燐光材料が提供される。
【0015】
第5の態様によると、
燐光材料の製造方法であって、
− 金属Mに配位した所望の数の配位子Lを有する生成物を得るのに適した比率でMの前駆錯体と配位子Lとを反応させるステップと、任意にはそれに続いて、
− 所望の数の配位子L’を生成物中に導入するのに適した比率で、別の配位子L’と生成物を反応させるステップと、
を含む方法であって、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子であり、
− Lは、上述により定義した式(1)で表わされる配位子であり、
− L’は、Lとは異なる構造を有する二座の配位子である、
方法が提供される。
【0016】
第6の態様によると、第3または第4の態様の燐光材料を含む有機エレクトロルミネセント素子が提供される。
【0017】
第7の態様によると、有機エレクトロルミネセント素子における第3または第4の態様の燐光材料の使用も提供される。
【0018】
第8の態様によると、有機エレクトロルミネセント素子における発光材料としての第3または第4の態様の燐光材料の使用も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る有機エレクトロルミネセント素子の基本的構造の概略図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る有機エレクトロルミネセント素子の基本的構造の概略図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る有機エレクトロルミネセント素子の基本的構造の概略図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る有機エレクトロルミネセント素子の基本的構造の概略図である。
図5】室温における以下で10として例証される化合物の発光スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願の有機エレクトロルミネセント素子において使用するための燐光材料は、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択される金属原子Mと、式(1)の少なくとも1つの配位子Lとの錯体を含む。
【0021】
燐光材料は、一部の実施形態において、ホモレプティック(すなわち、式(1)により表わされる配位子Lの範囲内に入る同じ配位子を含むもの)であってよい。
【0022】
代替の実施形態において、燐光材料はヘテロレプティック(すなわち、式(1)により表わされる配位子Lの範囲内に入る異なる配位子を含むか、または式(1)により表わされる配位子Lの範囲内に入る少なくとも1つの配位子と他の配位子(例えば以下で記す式(5)、(6)または(7)を有する二座配位子L’)を含むもの)であってよい。
【0023】
「燐光材料」という表現中の「材料」という用語は、その最も広い意味合いにおいて、所要の金属と式(1)の配位子とを含む任意の化学物質を意味するように使用され、化合物、錯体、ポリマー、モノマーおよび同様の材料に拡大される。燐光材料の一部の形態はポリマー形態であることが理解される。材料が「燐光性」であるという言及は、その材料が、励起子の基底状態への遷移を通して励起の後に光を発出できる特性を有することを表わしている。これは、典型的には三重項励起子状態からのものである。
【0024】
燐光材料は、燐光性錯体、または燐光性有機金属錯体と呼ばれる場合がある。
【0025】
一部の実施形態によると、金属原子はIrである。金属原子としてIrを含むこのような燐光材料は、燐光性イリジウム錯体と呼ばれる場合がある。
【0026】
燐光性イリジウム錯体の場合、イリジウムは、対象配位子と六座配位錯体を形成する傾向をもつ。式(1)の配位子は2つの配位部位でイリジウムに配位する。燐光材料は、式(1)の配位子Lを3個まで含んでいてよく、または、1個または2個の式(1)の配位子および1個以上の追加の配位子を含んでいてよい。
【0027】
金属原子が六座配位であり、錯体の配位子全てが二座配位である場合、燐光材料は、3個の二座配位子、特定的には式(1)の1個〜3個の配位子Lと0、1または2個のさらなる配位子L’を含んでいてよい。
【0028】
燐光材料は、
MLL’ (2)
という式(2)のものであってよく、式中MとLは先に定義された通りであり、L’はLとは異なる構造をもつ二座配位子であり、mは1、2および3から選択される整数であり、nは0、1および2から選択される整数である。
【0029】
金属原子が、Ir、Ru、RhまたはOsの場合などの六座配位である場合、m+nは3である。
【0030】
燐光材料中に存在してよいさらなる配位子L’の詳細が、以下に記されている。
【0031】
金属原子の一部、例えばPtまたはPdの場合、燐光材料は、1個または2個の式(1)の配位子Lと0個または1個の追加の二座配位子を含んでいてよい。したがって、これらの金属原子については、式(2)中、m+n=2である。
【0032】
環A
式(1)により表わされる配位子Lは、少なくとも1個の窒素原子を含む5員の芳香族または非芳香族複素環であるA環を含み、ここで、窒素原子は金属原子に結合し得る(またはこれに結合され得る)。A環内の他の4個の原子は、(Hまたは置換基を含む)炭素、(任意にHまたは一置換基を含む)窒素、酸素および硫黄原子から選択されてよい。
【0033】
本出願に包含されるA環の例は以下の通りである:すなわち、ピラゾール類、ピラゾリン類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、テトラゾール類などのNおよびCを含む環;
オキサゾール類、オキサゾリン類、オキサジアゾール類などのN、CおよびOを含む環;
チアゾール類、チアゾリン類、チアジアゾール類などのN、CおよびSを含む環;
およびそれらの縮合誘導体。これらの環の一部は、以下の例によって示されるが、これらに限定されない:
【化2】
【0034】
一実施形態によると、A環内の式(1)中に示されている窒素原子以外の4個の原子は、炭素または窒素であり、ここで炭素原子はHまたは置換基を含み、窒素原子はHまたは置換基を含んでいてよい。
【0035】
A環内の原子上の考えられる置換基(例えば上述の環Aの例中に示された置換基R1A〜R4A)は、以下のものからなる群から選択され得る:
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基;および
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリールおよび置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、(ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて、中性であるための置換基を含んでいる)、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択され;
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、さらに連結基Qに連結されてよく、あるいはアルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、2つの点を介して環Aに付着されて、縮合環または環系を形成してよい]。
【0036】
環B
式(1)により表わされる配位子Lは、(式(1)に示されているような)金属原子に結合されている(または結合され得る)炭素原子を含む5員または6員の芳香族または非芳香族炭素環または複素環であるB環を含んでいる。
【0037】
B環内の他の4個または5個の原子は、(Hまたは置換基を含む)炭素、(置換されていても未置換であってもよい)窒素、酸素または硫黄原子から選択される。一部の例として、B環を、以下のものからなる群から選択してよい:
− Cのみを含む環、例えばベンゼン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロペンテンおよびシクロペンタジエンなど;
− NとCを含む環、例えばピリジン、ピリダジン類、ピリミジン類、ピロール類、ピラゾール類、ジヒドロピリジン類、ジヒドロピリダジン類、ジヒドロピリミジン類、ピロリン、ピラゾリン類など;
− OとCを含む環、例えばピラン類、ジオキシン類、フラン類、ジヒドロピラン類、ジヒドロフラン類など、;
− SとCを含む環、例えばチオフェン類、ジヒドロチオフェン類など;
− N、CおよびOを含む環、例えばオキサジン類、オキサゾール類、ジヒドロオキサジン類など;
− S、CおよびOを含む環、例えばオキサチアジン類、ジヒドロオキサチアジンなど;
− N、CおよびSを含む環、例えばチアゾール類など;
− N、C、OおよびSを含む環、例えばオキサチアゾール類など、
およびそれらの縮合誘導体。
【0038】
環Bについて考えられる一部の環構造は、以下の例により示されるが、これらに限定されない:
【化3】
【化4】
【化5】
【0039】
一実施形態によると、B環内の示された炭素原子以外の4個または5個の原子は、各々炭素、窒素または硫黄である。
【0040】
B環内の原子上の考えられる置換基(例えば上述の環Bの例中に示された置換基R1B〜R6B)は、以下のものからなる群から選択され得る:
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基;および
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリールおよび置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく、(ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含んでいる)、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択され;
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、さらに連結基Qに連結されてよく、あるいはアルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、2つの点を介して環Bに付着されて、縮合環または環系を形成してよい]。
【0041】
環AおよびBは、式(1)に示した直接共有結合によって、結合されている。
【0042】
環AおよびBは、連結基Qを介しても結合されている。
【0043】
連結基Q
Qは、炭素原子3〜20個の長さの、直鎖、分岐または環状アルキル、アリール、またはアルキル−アリール連結基であり、ここで
− 連結基中の炭素原子の1個以上を−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−、で置き換えてよく(ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含む)、
− 連結基の任意の炭素、窒素、ケイ素またはリン原子は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、アルキニル、シリル、および、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される1つ以上の置換基(例えばR1Q〜R6Qとして以下に記すもの)を含んでいてよく、あるいは2つの置換基は一緒になって環または縮合環系を形成してよい。環または縮合環系は、任意には、環AおよびBの一方または両方に結合または縮合されていてよい。
【0044】
適切な連結基Qの例としては、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
【化6】
【化7】
【化8】
【0045】
連結基は、長さが少なくとも炭素原子3個であるという点が指摘される。AおよびB環からの原子と組合わされた場合、これにより、最小7員の環が形成される。長さ4原子の連結基(炭素またはその代替である)が8員の環を形成し、連結基長が増大するにつれて同様に続く。
【0046】
配位子Lの具体的実施形態
一実施形態によると、配位子Lは、式(3):
【化9】
で示され、式中Qと環Bは先に定義された通りであり、かつ式中、
− AとAは各々、C、N、OおよびSからなる群から独立に選択され、ここでCまたはNは置換されていても未置換であってもよく、
− AとAは、CおよびNからなる群から選択され、ここでCは置換されていても未置換であってもよい。
【0047】
一実施形態によると、配位子Lは、式(4):
【化10】
で示され、式中Qは先に定義された通りであり、かつ式中、
− AとAは各々、C、N、OおよびSからなる群から独立に選択され、ここでCまたはNは置換されていても未置換であってもよく、
− AとAは、CおよびNからなる群から選択され、ここでCは置換されていても未置換であってもよく、
− BとBは各々、C、N、OおよびSからなる群から独立に選択され、ここでCまたはNは置換されていても未置換であってもよく、
− Bが存在する場合、それは、C、N、OおよびSからなる群から選択され、ここでCまたはNは置換されていても未置換であってもよく、
− bは0または1であり、
− Bは、CおよびNからなる群から選択され、ここでCは置換されていても未置換であってもよく、
− BはCである。
【0048】
、A、B、BおよびB上の任意の置換基(存在する場合)は、環AおよびBのための任意の環置換基について先に記述された通りである。
【0049】
一部の実施形態によると、AとAはCまたはNであり、ここでCまたはNは未置換であるかまたは置換されている。一部の実施形態によると、B、BおよびB(存在する場合)は、C、NまたはSから選択され、ここでCまたはNは未置換であるかまたは置換されている。
【0050】
適切な配位子の例としては以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
【化11】
ここで、
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリールおよび置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく(ここで原子−Si−および−P−はその原子価に基づいて置換基を含んでいる)、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択されている]と;
からなる群から独立に選択され得る。
【0051】
さらなる配位子L’
一般に、式(1)の配位子Lの数が金属原子のための全ての配位部位を満たすのに充分でない場合、金属原子と錯化され得るさらなる配位子として、当該技術分野において公知の任意の配位子を使用してよい。これらは、単座または多座、例えば二座、三座、四座などであってよい。二座配位子が好ましい。
【0052】
一部の実施形態によると、さらなる配位子L’は二座配位子である。一部の例としては、以下に記すように、
式(5)の配位子:
【化12】
[式中、
− 環Yは、式中に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合し得る少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5、6または7員の複素環であり、
− 環Y’は、式中に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合し得る少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5、6または7員の複素環であり、
− 環YおよびY’は、直接共有結合によって、あるいは式(5)に示したリンカーJを介して連結されており、ここでJは、存在する場合、環YとY’の両方に共有結合されその原子価に応じて置換されていても未置換であってもよいB、C、O、N、P、SiまたはS原子である];
式(6)の配位子:
【化13】
[式中、
− 環Yは、先に定義された通りであり;
− Zは、共有結合を介して環Yに連結され、Xを介して金属原子に連結された配位子要素であり、
− Xは、アステリスク(*)位で金属Mに結合し得るN、O、SまたはP原子であり、ここでNまたはP原子は未置換であるかまたは置換されている];または、
式(7)の配位子:
【化14】
[式中、
− Gは、2個のO原子に共有結合によって連結されている1個または2個の置換または未置換炭素原子を含む配位子要素であり、
− O原子は各々、アステリスク(*)位で金属Mに結合し得る];
がある。
【0053】
YおよびY’
式(5)および(6)の各々について、YおよびYは各々、未置換であるかまたは1つ以上の置換基により置換される5、6または7員の複素環から独立に選択される。YとY’は、式(5)および式(6)に示した少なくとも1個の窒素原子を含む。
【0054】
YおよびY’環内の他の4、5または6個の原子は、(Hまたは置換基を含む)炭素、(置換されていても未置換であってもよい)窒素、酸素、硫黄および(置換されていても未置換であってもよい)ケイ素原子から選択される。
【0055】
一部の例として、(少なくとも1個の窒素原子を含む)YおよびY’環は、以下のものからなる群から選択されてよい:
− NおよびCを含む環、例えばピラゾール類、ピラゾリン類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、テトラゾール類、ピロリジン類、ピロリン類、ピロール類、イミダゾリジン類、ピラゾリジン類、ピペリジン類、ピリジン類、ジヒドロピリジン類、ピピラジン類、ジヒドロピラジン類、ピラジン類、ピリダジン類、ジヒドロピリダジン類、ジヒドロピリミジン類、ピリミジン類、ジヒドロトリアジン類、トリアジン類、アゼピン類、ジヒドロアゼピン類、テトラヒドロアゼピン類、アゼパン類、ジアゼピン類、ジヒドロジアゼピン類、テトラヒドロジアゼパン類、ジアゼパン類など;
− N、CおよびOを含む環、例えばオキサゾール類オキサゾリン類、オキサジアゾール類、ジオキサゾール類、オキサトリアゾール類、モルホリン類、オキサジン類、ジヒドロオキサジン類、オキサジアジン類、ジヒドロオキサジアジン類など;
− N、CおよびSを含む環、例えばチアゾール類、チアゾリン類、チアジアゾール類、チオモルホリン類、チアジン類、ジヒドロチアジン類など;
− N、C、OおよびSを含む環、例えばオキサチアゾール類など;
およびそれらの縮合誘導体、
ならびに上述の環のシラー含有変異形(sila− containing variant)。
【0056】
YおよびY’環内の原子上の考えられる置換基は、
− ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基と;
− 置換または未置換アルキル、置換または未置換アリールおよび置換または未置換アルキル−アリール[ここで、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上を、−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−からなる群から選択される原子または基で置き換えてよく(ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて、置換基を含んでいる)、
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリール上の置換基は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択され;
− アルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、さらに配位子の別の環に連結されてよく、あるいはアルキル、アリールまたはアルキル−アリールは、2つの点を介して対象の環に付着されて、縮合環または環系を形成してよい]と;
からなる群から独立に選択される。
【0057】
配位子要素J
− Jは、それが存在する場合、B、C、O、N、P、Si、Sから選択され、これはその原子価に応じて置換されていても未置換であってもよい。このような置換基は、以下のものから独立に選択されてよい;
− 炭素原子1〜20個の長さの、直鎖、分岐または環状アルキル、アリール、またはアルキル−アリール基[ここで、直鎖、分岐または環状アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基内の炭素原子の1個以上を−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−で置き換えてよく、またここで、直鎖、分岐または環状アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基の任意の炭素または窒素原子は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、アルキニル、シリル、および重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される1つ以上の置換基を含んでいてよく、あるいは2つの置換基は一緒になって環または縮合環系を形成してよい];または、
− それ自体未置換であっても置換されていてもよい、5、6および7員の炭素環または複素環。
【0058】
5、6および7員の炭素環または複素環の例としては、次のものが含まれる。
− Cを含む環、例えばベンゼン類など;
− NおよびCを含む環、例えばピロリジン類、ピロリン類、ピロール類、イミダゾリジン類、イミダゾリン類、イミダゾール類、ピラゾリジン類、ピラゾリン類、ピラゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、ピペリジン類、ピリジン類、ジヒドロピリジン類、ピピラジン類、ジヒドロピラジン類、ピラジン類、ピリダジン類、ジヒドロピリダジン類、ジヒドロピリミジン類、ピリミジン類、ジヒドロトリアジン類、トリアジン類、アゼピン類、ジヒドロアゼピン類、テトラヒドロアゼピン類、アゼパン類、ジアゼピン類、ジヒドロジアゼピン類、テトラヒドロジアゼパン類、ジアゼパン類など;
− N、CおよびOを含む環、例えばオキサゾリン類、オキサゾール類、オキサジアゾール類、ジオキサゾール類、オキサトリアゾール類、モルホリン類、オキサジン類、ジヒドロオキサジン類、オキサジアジン類、ジヒドロオキサジアジン類など;
− N、CおよびSを含む環、例えばチアゾリン類、チアゾール類、チアジアゾール類など;
− N、C、OおよびSを含む環、例えばオキサチアゾール類、チオモルホリン類、チアジン類、ジヒドロチアジン類など;および
− 上述の環のシラー含有変異形。
【0059】
配位子要素Z
Zは、共有結合を介して環Yに連結されかつXを介して金属原子に結合された配位子要素である。
【0060】
配位子要素Zに関して、「配位子要素」という用語は、配位子を金属原子に付着させる原子Xと環Yとの間に位置設定され得る任意の基または部分を意味する。一例として、配位子要素は以下のものから選択してよい:
− 長さが炭素原子1〜20個である直鎖、分岐または環状アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基[ここで:配位子要素内の炭素原子の1個以上を−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−で置き換えてよく(ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含む)、またここで、配位子要素の任意の炭素、窒素、ケイ素またはホウ素原子は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、アルキニル、シリルからなる群から選択される1つ以上の置換基、および重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基を含んでいてよく、あるいは2つの置換基は一緒になって環または縮合環系を形成してよい];または
− 未置換であっても置換されていてもよい、5、6および7員の炭素環または複素環。
【0061】
5、6および7員の炭素環または複素環の例としては、次のものが含まれる:
− Cを含む環、例えばベンゼン類など;
− NおよびCを含む環、例えばピロリジン類、ピロリン類、ピロール類、イミダゾリジン類、イミダゾリン類、イミダゾール類、ピラゾリジン類、ピラゾリン類、ピラゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、ピペリジン類、ピリジン類、ジヒドロピリジン類、ピピラジン類、ジヒドロピラジン類、ピラジン類、ピリダジン類、ジヒドロピリダジン類、ジヒドロピリミジン類、ピリミジン類、ジヒドロトリアジン類、トリアジン類、アゼピン類、ジヒドロアゼピン類、テトラヒドロアゼピン類、アゼパン類、ジアゼピン類、ジヒドロジアゼピン類、テトラヒドロジアゼパン類、ジアゼパン類など;
− N、CおよびOを含む環、例えばオキサゾリン類、オキサゾール類、オキサジアゾール類、ジオキサゾール類、オキサトリアゾール類、モルホリン類、オキサジン類、ジヒドロオキサジン類、オキサジアジン類、ジヒドロオキサジアジン類など;
− N、CおよびSを含む環、例えばチアゾリン類、チアゾール類、チアジアゾール類など;
− N、C、OおよびSを含む環、例えばオキサチアゾール類、チオモルホリン類、チアジン類、ジヒドロチアジン類など;および
− 上述の環のシラー含有変異形。
【0062】
配位子要素X
Xは、N、O、SまたはP原子から選択される。Xは、アステリスク(*)位で、金属Mと一価の結合を形成する。
【0063】
原子XがNまたはPである場合、NとPは、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール(ここで、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール中の炭素原子の1個以上は、N、O、S、PまたはSiで置換えられてよく、前記置換用原子はHあるいは原子の原子価のため必要とされる別の置換基を含む)、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アルキニルまたはシリルからなる群から選択される1つ以上の置換基を含んでいてよい。
【0064】
配位子要素G
Gは、1個または2個の置換または未置換炭素原子を含む配位子要素であり、さらに縮合環系の一部を形成する場合がある。適切な置換基には、アルキル、アリール、アルケニル、ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルキニル、シリルおよび、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基が含まれる。任意には、2つの置換基は一緒になって、1つの環または縮合環系を形成してよい。Gは単結合または二重結合を介して2個のO原子に共有結合によって連結される。
【0065】
式(5)、(6)および(7)の配位子L’の例としては、以下のものが含まれる:
【化15】
【0066】
錯体:
前述した通り、燐光材料は
MLL’ (2)
という式(2)を有し、式中MとLは先に定義した通りであり、L’はLとは異なる構造をもつ二座配位子であり、mは1、2および3から選択される整数であり、nは0、1および2から選択される整数である。一実施形態によると、m+n=3である。
【0067】
上述したさまざまな実施形態を組合わせると、本発明の一実施形態の燐光材料は、
MLL’ (2)
という式(2)を有し、
− Mが、Ir、Pt、Rh、Pd、RuおよびOsから選択され、
− Lが、式(1):
【化16】
の配位子であり、式中、
− 環Aは、式(1)に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5員の複素環であり、
− 環Bは、式(1)に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている炭素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基により置換されている5または6員の炭素環または複素環であり、
− 環AおよびBは、式(1)に示した直接共有結合により結合されており、
− 環AおよびBは、連結基Qを介して連結されており、ここで
− Qは、長さが炭素原子3〜20個である直鎖、分岐または環状アルキル、アリールまたはアルキル−アリール連結基であり、ここで連結基中の炭素原子の1個以上を−O−、−S−、−CO−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−NH−、−CONH−、−C=N−、−Si−および−P−で置き換えてよく、ここで原子−Si−および−P−は、その原子価に基づいて置換基を含み、またここで、連結基の任意の炭素、窒素、ケイ素またはリン原子は、ハロゲン、シアノ、アミド、イミン、イミド、アミジン、アミン、ニトロ、ヒドロキシ、エーテル、カルボニル、カルボキシ、カルボネート、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスホネート、スルフィド、スルホン、スルホキシド、アルケニル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、アルキニル、シリル、および重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基からなる群から選択される1つ以上の置換基を含んでいてよく、あるいは2つの置換基は一緒になって環または縮合環系を形成してよく、ここで環または縮合環は、任意には、環AおよびBの一方または両方に付着または縮合されていてよく、
− mは、1、2および3から選択される整数であり、
− L’は、式(5)の配位子:
【化17】
[式中、
− 環Yは、式中に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5、6または7員の複素環であり、
− 環Y’は、式中に示したアステリスク(*)位で金属原子に結合されている少なくとも1個の窒素原子を含む、未置換であるかまたは1つ以上の置換基で置換された5、6または7員の複素環であり、
− 環YおよびY’は、直接共有結合によって、あるいは式(5)に示したリンカーJを介して連結されており、ここでJは、存在する場合、環YとY’の両方に共有結合されその原子価に応じて置換されていても未置換であってもよいB、C、O、N、P、SiまたはS原子である];
式(6)の配位子:
【化18】
[式中、
− 環Yは、先に定義された通りであり;
− Zは、共有結合を介して環Yに連結され、Xを介して金属原子に連結された配位子要素であり、
− Xは、アステリスク(*)位で金属Mに結合されたN、O、SまたはP原子であり、ここでNまたはP原子は未置換であるかまたは置換されている];または
式(7)の配位子:
【化19】
[式中、
− Gは、2個のO原子に共有結合によって連結されている1個または2個の置換または未置換炭素原子を含む配位子要素であり、
− O原子は各々、アステリスク(*)位で金属に結合されている];
から選択される二座配位子であり、
− nは、0、1および2から選択される整数であり、
− m+n=2または3である。
【0068】
燐光材料の調製
本発明の燐光材料は、例えば
− Nonoyama、M.、Bull.Chem Soc.Jpn.、1974、47、767
− Sergey Lamansky、Peter Djurovich、Drew Murphy、Feras Abdel−Razzaq、Raymond Kwong、Irina Tsyba、Manfred Bortz、Becky Mui、Robert BauおよびMark E.Thompson、Inorg.Chem.2001、40、1704−1711
− Sergey Lamansky、Peter Djurovich、Drew Murphy、Feras Abdel−Razzaq、Hae−Eun Lee、Chihaya Adachi、Paul E.Burrows、Stephen R.ForrestおよびMark E.Thompson、J.Am.Chem.Soc.2001、123、4304−4312
の中に記載されているものなどの合成手順を用いることによって調製可能である。
【0069】
燐光材料は、
− 金属Mに配位した所望の数の配位子Lを有する生成物を得るのに適した比率で金属Mの前駆錯体と配位子Lとを反応させるステップと、任意にはそれに続いて、
− 生成物を、所望の数の配位子L’を生成物中に導入するのに適した比率で、別の配位子L’と反応させるステップと、
によって簡単に調製可能である。
【0070】
この技術の一例について、代表的金属としてIrを用いて以下で記述する。ただし、他の金属を含む対応する燐光材料を対応する技術によって調製することができることが認識される。
【0071】
一つの例においては、(金属としての)Irの前駆錯体、すなわち置換可能な配位子(この場合3CHCOCHCOCH配位子)を有する前駆錯体を3モル当量の配位子Lと反応させて、Ir(L)を生成させる。
【化20】
【0072】
別の例では、置換可能な配位子を有するIrの前駆錯体(この場合、錯体は、InCl・3HOであり、配位子は−ClおよびHOである)を2モル当量の配位子Lと反応させて[IrLCl]を生成し、この生成物をもう1モル当量の配位子Lと反応させてIrLを生成させる。
【化21】
【0073】
別の例では、置換可能な配位子を有するIrの前駆錯体(この場合、錯体は、InCl・3HOであり、配位子は−ClおよびHOである)を2モル当量の配位子Lと反応させて[Ir(L)Cl]を生成し、この生成物を1モル当量の配位子L’と反応させてIrLL’を生成させる。
【化22】
【0074】
別の例では、置換可能な配位子(例えばηハプト数のアルケン配位子、この場合1,5−シクロオクタジエン)を有する+1酸化状態のIrの前駆錯体を、3モル当量の配位子Lと反応させて、直接IrLを生成させる。
【化23】
【0075】
化学用語の定義
「複素環」、「複素環の」または「複素環基」という用語は、化学技術分野において充分に理解されており、1〜5個の環および3〜50個(好ましくは5〜20個)の環原子を有し、そのうち少なくとも1つの原子がヘテロ原子である任意の環状基を意味するように使用される。一部の実施形態において、複素環基は具体的には、5員、6員または7員の複素環基(単環複素環基)であるが、これらの基のための任意の置換基は、主複素環に縮合される第2の環を形成してよい。ヘテロ原子は、O、N、S、SiおよびPの1つ以上から選択されてよい。複素環基の1つのサブクラスが、複素芳香族(またはヘテロアリール)基であり、これは、O、NおよびSの1つ以上から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む芳香族基である。このような複素芳香族基も同様に、アリール基の定義の中に入る。燐光材料中のいくつかの部分を構成し得る複素環基の一部の具体例が、以上で概略的に説明されている。「複素環基」、「複素芳香族基」または「ヘテロアリール基」の他の例としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサジアゾリン、インドリン、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノン、ピラゾリン、イミダゾリジン、ピペリジンなどの部分が含まれる。
【0076】
「環式」という用語は、炭素環式(炭素環原子のみを含む)または複素環式(炭素原子と少なくとも1つのヘテロ原子を含む)であってよく、飽和または不飽和であってよい、3〜50個の環原子を有する環状基および連鎖または縮合環系を意味するように、その最も広い意味合いで使用される。環の数は、適切には1〜5個、好ましくは1個または2個である。5員、6員および7員の環状基の場合、これらは、5、6または7個の環原子を含む単環である。一部の実施形態において、環状基は、炭素環すなわち環原子として炭素原子を含む環である。環原子の数が特定されていない他の場合においては、環状基は、任意の適切な数の環原子の単環または各々が任意の適切な数の環原子を含む最高5個の連鎖または縮合環を含んでいてよい。
【0077】
「アルキル」という用語は、1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基または環状アルキル基を意味する。これらはアルカン類から誘導される。直鎖アルキル基の例としてはメチル、プロピルまたはデシルが含まれ、分岐アルキル基の例としてはイソ−ブチル、tert−ブチルまたは3−メチル−へキシルが含まれる。環状アルキル基の例としてはシクロヘキシルおよび縮合アルキル環状環系が含まれる。
【0078】
「アリール」または「アリール基」という用語は、化学技術分野では充分に理解されており、任意の芳香族置換基を意味するように使用される。芳香族置換基は、好ましくは、1個の芳香族環から最高4個の縮合芳香族環および5〜50個の環原子を含む。芳香族基は、4n+2個の非局在化π電子(ここで、nは0または正の整数である(ヒュッケル4n+2則))を含む環状共役された分子実体である。この法則に適合するあらゆる芳香族基が、アリールの定義の中に入る。アリール基は炭素環式(すなわち炭素と水素のみを含む)であってよく、あるいは複素芳香族(すなわち炭素、水素および少なくとも1つのヘテロ原子を含む)であってもよい。アリール基は、単環式例えばフェニル、または多環式アリール基例えばナフチルまたはアントリルであってよい。アリール基の例としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基などが含まれる。「アリール」という用語は同様に、任意の置換度をもつ、芳香族環を記述するためにも使用される。
【0079】
「アルキル−アリール」という用語は、アリール基に連結されたアルキル基を含む基を意味する。
【0080】
「連結基」という用語は、2つの環AとBなどの2つの基を結合する鎖を意味する。
【0081】
「ハロゲン」またはハロという用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0082】
アミドという用語は、−C(O)NRR’基を含む置換基を意味し、ここでRとR’は、先に定義されているH、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される。「イミド」という用語は、−C(O)NRC(O)R’基を含む置換基を意味し、ここでRおよびR’は、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される。「イミン」という用語は、−C(=NR)R’基を含む置換基を意味し、ここでRとR’は、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される。「アミジン」という用語は、−C(=NR)NR’R’’基を含む置換基を意味し、ここでR、R’およびR’’は、H、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される。
【0083】
「アミン」という用語は、アミノ基−NHと同様に第2級および第3級アルキルアミノ、アリールアミノおよびアルキルアリールアミノ基をも意味している。「アリールアミノ基」の例としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、イソプロピルジフェニルアミノ基、t−ブチルジフェニルアミノ基、ジイソプロピルジフェニルアミノ基、ジ−t−ブチルジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基などが含まれる。「アルキルアミノ基」の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジへキシルアミノ基などが含まれる。
【0084】
「ニトロ」とは、−NOを意味する。「シアノ」とは、−C≡Nを意味する。「ヒドロキシ」とは−OHを意味する。
【0085】
「エーテル」とは、エーテル基R−O−R’を含む基を意味し、ここでRとR’は、先に定義したH、アルキル、アリールまたはアルキル−アリール基から選択される。
【0086】
「カルボニル」とは、カルボニル基−C=Oを含む置換基を意味する。このような基の例としては、ケトン類(−COR)、アルデヒド類(−CHO)、カルボン酸類(−COH)、エノン類(−C=O−CR=CR’R’’)、エステル類(−COR)、ハロゲン化アシル類(−COハロゲン)、酸無水物類(−C(=O)−O−C(=O)−R’)およびカルボネート類R−O−C(=O)−O−R’が含まれ、ここでR、R’およびR’’の各々がアルキルまたはアリール基である。「カルボキシル」は、カルボキシレート基(RCO)を含む置換基を意味し、ここでRは例えばアルキルまたはアリールである。「カルバメート」とは、カルバメート基−O−C(=O)−NRR’を含む置換基を意味し、ここでRとR’は典型的にはアルキルまたはアリールであり、あるいは一緒になって1つの環を形成してよい。
【0087】
「ホスフィン」とは、−PRを意味し、ここでRはH、アルキル、アリールまたはアルキル−アリールから選択される。「ホスフェート」は、任意の適切な未端基、例えばH、アリールおよび/またはアルキルを伴う、PO基を含む置換基を意味する。例としては−OP(=O)−(OR)が含まれ、ここで各々のRは独立してH、アルキル、アリールなどである。「ホスホネート」とは、式O=P(OR)R’のホスホネートから1つの原子を除去して誘導された部分を意味する。
【0088】
「スルフィド」とは、例としてRがH、アルキルまたはアリールである−SRを意味する。「スルホン」とは、単位−S(=O)−を含む基、例えばRがアルキルまたはアリールである−S(=O)−Rなどを意味する。「スルホキシド」とは、単位−S(=O)−を含む基、例えばRがアルキルまたはアリールである−S(=O)−Rを意味する。
【0089】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの−C≡C−基を含む、長さが2〜20個の炭素原子である炭化水素鎖を意味する。例としては、ビニル、アリル(その置換変異体を含む)ならびにプロぺニル、ブテニル、ヘプテニル、ヘキセニルなどの全ての異性体が含まれる。「アルキニル」は、少なくとも1つの−C≡C−基を含む、長さが2〜20個の炭素原子である炭化水素鎖を意味する。例としては、プロぺルニ、ブテニル、ヘプテニル、ヘキシニルなどがある。
【0090】
「シリル」とは、式−SiRの部分(式中、Rは任意の置換基、例えばH、アルキル、アリールなどである)、およびシリルエーテル−SiR’OR’’(ここで、R’とR’’は、アルキル、アリールまたはアルキル−アリールなどの任意の適切な置換基である)を意味する。さらなる例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などがある。
【0091】
一部の実施形態によると、配位子は、重合され得る官能基またはポリマー鎖を含む置換基を含んでいてよい。官能基またはポリマー鎖は、−Rlinker−と呼ばれ得る任意の適切な二価の連結基を介して付着されてよい。二価の連結基の例としては−O−、−NH−、−Nアルキル−、−Nアリール−、−アルキル−(例えば−(CH−)、−CO−、−CO−、−アリール−、−ヘテロアリール−およびその組合せが含まれる。組合せには、例えば−O−アリール−、−NH−アリール−、−Nアルキル−アリール−、−(CH−アリール−が含まれる。
【0092】
重合され得る官能基としては、−Rlinker−‘CR=CHRが含まれ、ここでRlinkerは以上で定義した通りであり、Rは水素、アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、Rは水素、水素原子、ニトロ基、アセチル基、アクリレート基、アミド基、シアノ基、カルボキシレート基、スルホネート基、アリール、アルキルまたは複素環基である。これらの置換基の各々は、先に特定されたA環のための考えられる置換基の一定範囲から選択される1つ以上のさらなる置換基によってさらに置換されてよい。モノマーセグメントの付着点は、‘Cとマークされた炭素原子を介したものである。その後モノマーを重合して、燐光材料のポリマーバージョンを形成してよい。重合され得る官能基の他の例としては、アミノ酸類、ラクタム類、ヒドロキシ酸類、ラクトン類、ハロゲン化アリール類、ボロン酸類、アルキン類、エポキシド類およびホスホジエステル類がある。
【0093】
一対の置換基が一緒になって1つの環または縮合環系を形成する場合、この環は、サイズが5〜20個の原子である単環であってよく、ここで環は、炭素環または複素環(すなわち原子は炭素およびテヘロ原子から選択される)、またはサイズが5〜50個の原子であり、2〜4個の環を含む縮合環系である。縮合環系は同様に、対象化合物の他の環(例えば式(1)の配位子Lの場合AまたはB環など)に縮合されてよい。適切な環および縮合環の例としては、環状物に関して前述したものが含まれる。
【0094】
燐光材料の特性
環AおよびBのための環原子の適切な組合せ、ならびにこれらの環に対する置換基、補助配位子L’および連結基Qの長さおよび構造の選択を通して、材料からの燐光発光の色を制御することができる。したがって、本発明の燐光材料は、400〜800nmの発光色を生成するように同調できる有機エレクトロルミネセント素子を製造する目的で使用可能である。
【0095】
有機エレクトロルミネセント素子
本発明は、
− アノードとカソードを含む一対の電極と、
− 電極対の間に配置された1層以上の有機化合物層と、
を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、
− 有機化合物層の1つ以上が燐光材料を含む有機エレクトロルミネセント素子を提供する。
【0096】
本発明に係る有機エレクトロルミネセント素子は、アノードとカソードの間に整列された有機化合物層で構成されている。
【0097】
有機相は以下のもので構成されていてよい:
− 本出願の燐光材料でドープされた単層、または
− 本出願の燐光材料でドープされてよい層を少なくとも1層含む多重層、または
− 本出願の燐光材料で全体が構成されていてよい層を少なくとも1層含む多重層。
【0098】
本出願の有機エレクトロルミネセント素子において、本出願の上述の燐光材料を含む有機化合物層は、電極対(カソードとアノード)の間で他の層(他の層が存在する場合)と別個にまたはそれらと合わせて形成されてよい。適切な成形技術としては、真空蒸着または溶液法が含まれる。
【0099】
有機化合物層の厚みは、好ましくは多くとも10μm未満、より好ましくは0.5μm未満、さらに一層好ましくは0.001〜0.5μmであってよい。
【0100】
本発明の具体的実施形態について、本発明の素子について考えられる一定範囲の配置を示す添付図面を参照しながら、ここでさらに詳細に説明する。これらの実施形態は単なる一例として提供されており、本発明の範囲を限定するよう意図されたものではないということが理解される。
【0101】
本出願の実施形態の有機エレクトロルミネセント素子は、図1に示されている式(1)により定義される化合物のみで構成された単層構造を有していてもよいし、または、図2、3および4に示されている2つ以上の層の多層構造であってもよい。
【0102】
より具体的には、図1は、本発明の有機エレクトロルミネセント素子の第1の実施形態の概略的断面図である。図1中、有機エレクトロルミネセント素子は、基板1、(基板1上に被着された)アノード2、(アノード2上に被着された)発光層3、および(発光層3上に被着された)カソード4を含む。この実施形態において、発光層3は、単一の有機化合物タイプの層を形成する。この単層は全体が、その独自の特性に基づいたまたはホストまたはドーパントとこの材料の特性の組合せを通した正孔輸送能力、電子輸送能力およびルミネセンス能力(電子と正孔の再結合に付随する)を有する化合物で構成されていてよい。一部の実施形態によると、本出願の燐光材料は、ドーパントとして役立つことができる。他の実施形態によると、本出願の燐光材料は、正孔または電子輸送層として機能できる。
【0103】
図1中、発光層3は好ましくは、5nm〜1μm、より好ましくは5〜50nmの厚みを有していてよい。
【0104】
図2は、正孔輸送層5と電子輸送層6とを含む多層タイプの素子の形をした本発明の有機エレクトロルミネセント素子の別の実施形態を示す。
【0105】
図2を参照すると、有機エレクトロルミネセント素子は、基板1と(基板1上に被着された)アノード2を含む。正孔輸送層5は、アノード2の上に被着されている。電子輸送層6は、正孔輸送層5上に被着され、電子輸送層6上にカソード4が被着されている。この実施形態では、正孔輸送層5と電子輸送層6は、発光層3を形成するためのドーパントとして、本出願の燐光材料を含んでいる。
【0106】
図2の実施形態において、正孔輸送層5と電子輸送層6の各々は、5nm〜1μm、より好ましくは5nm〜50nmの厚みを有していてよい。
【0107】
図3は、正孔輸送層5、発光層3および電子輸送層6を含む多層タイプの素子の形をした本発明の有機エレクトロルミネセント素子の別の実施形態を示している。図3において、有機エレクトロルミネセント素子は、基板1、(基板1上に被着された)アノード2、(アノード2上に被着された)正孔輸送層5、(正孔輸送層5上に被着された)発光層3、(発光層3上に被着された)電子輸送層6および(電子輸送層6上に被着された)カソード4を含む。この実施形態において、正孔輸送層5、発光層3および電子輸送層6の各々は、正孔輸送化合物、発光化合物および電子輸送層化合物をそれぞれに使用するか、あるいはこれらの種類の化合物の混合物として使用することにより形成されてよい。本出願の燐光材料は、発光層3を形成でき、または正孔輸送層5の成分(例えばドーパント)であり得、あるいは電子輸送層6の成分(例えばドーパント)でもあり得る。
【0108】
図4は、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3および電子輸送層6を含む多層を伴う本発明の有機エレクトロルミネセント素子の別の実施形態を示している。図4において、有機エレクトロルミネセント素子は、基板1、(基板1上に被着された)アノード2、(アノード2上に被着された)正孔注入層7、(正孔注入層7上に被着された)正孔輸送層5、(正孔輸送層5上に被着された)発光層3、(発光層3上に被着された)電子輸送層6および(電子輸送層6上に被着された)カソード4を含む。この実施形態において、正孔注入層7、正孔輸送層5、発光層3および電子輸送層6の各々は、正孔注入化合物、正孔輸送化合物、発光化合物および電子輸送化合物をそれぞれに使用するか、あるいはこれらの種類の化合物の混合物として使用することにより形成されてよい。本出願の燐光材料は、発光層3を形成でき、または正孔輸送層5あるいは電子輸送層6内の成分(例えばドーパント)でもあり得る。
【0109】
図1、2、3および4において、各々の層は、低分子量化合物またはポリマー化合物あるいは低分子量化合物とポリマー化合物の混合物を用いて真空蒸着または湿式法によって形成されてよい。層3、5および6の各々の厚みは、好ましくは1nm〜1μmの範囲内であってよい。カソードとアノードの厚みは各々、好ましくは100〜200nmであってよい。
【0110】
図1、2、3および4に示されている素子内の有機層構造は、それぞれ基本構造を表わしており、したがって、所望の特性に応じて構造を適切に最適化してもよい。適切な修正の例としては、1つ以上の追加層の包含がある。
【0111】
例えば、正孔輸送層を改変して、(アノード上に被着された)正孔注入層と(正孔注入層上に被着された)正孔輸送層を含み入れてもよい。
【0112】
図1、2、3および4のもの以外の素子構造のより具体的な実施形態を以下に示すが、これに限定されるわけではない:
(1)アノード/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/カソード、
(2)アノード/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/カソード、
(3)アノード/電荷阻止層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/カソード、
(4)アノード/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷阻止層/カソード、
(5)アノード/無機半導体/電荷阻止層/正孔輸送層/発光層/電荷阻止層/カソード、
(6)アノード/電荷阻止層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷阻止層/カソード、
(7)アノード/電荷阻止層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/カソード、
(8)アノード/電荷阻止層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/電荷阻止層/カソード。
【0113】
上述の実施形態において、より好ましい素子構造は(1)、(2)、(3)、(7)および(8)であるが、これは限定的なものではない。一部の実施形態によると、本出願の燐光材料は、発光層としてかまたは正孔輸送層または電子輸送層内のドーパントとして形成されてよい。一部の実施形態によると、有機エレクトロルミネセント素子内の発光材料として、または正孔輸送層内のドーパントとして、または電子輸送層中のドーパントとしての本出願の燐光材料の使用が提供される。
【0114】
一部の実施形態において、本出願の燐光材料は、正孔注入材料、正孔輸送化合物(または材料)、電子輸送化合物および/または追加の発光化合物の1つ以上との組合せの形で使用されてよく、例として以下のものを含んでいてよい:
【0115】
例示的正孔輸送材料/化合物には、以下のものが含まれる:
【化24】
【化25】
【化26】
【0116】
例示的電子輸送材料/化合物には、以下のものが含まれる:
【化27】
【化28】
【化29】
【0117】
アノード(例えば図中の2)用の材料としては、大きい仕事関数を有するものを使用することが好ましく、その例としては、金属例えば金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウムおよびその合金;金属酸化物類、例えば酸化錫、酸化亜鉛、インジウム亜鉛酸化物(IZO)およびインジウム錫酸化物(ITO)および導電性ポリマー類、例えばPEDOT:PSS、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンおよびその誘導体が含まれ得る。これらの化合物は、単独で、または2つ以上の種と組合せた形で使用されてよい。
【0118】
カソード(例えば図中の4)用の材料としては、通常4.0eV未満の比較的小さい仕事関数を有するものを使用することが好ましく、その例としては、金属例えばナトリウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、カリウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、クロムおよびその合金または酸化物が含まれてよい。
【0119】
電荷阻止層は、実施形態(3)〜(8)で言及する通り漏電電流を回避するため、いずれかの電極に隣接して被着されてよい。電荷阻止材料としては、無機化合物を使用することが好ましく、その例には、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、酸化リチウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化バナジウムが含まれる。
【0120】
本発明の有機エレクトロルミネセント素子用の基板(例えば図に示された1)は、任意の適切な材料、例えば金属またはセラミクスで作られた不透明の基板、またはガラス、石英、プラスチック類などの任意の適切な透明材料で作られた透明な基板を含んでいてよい。
【0121】
本出願の素子は、積層有機エレクトロルミネセント(EL)素子の形で提供され得る。本出願は、同様に、ディスプレーおよび光源を含む、本発明の有機エレクトロルミネセント素子を含む電子素子にも拡大される。
【実施例】
【0122】
以下では、調製の実施例および素子の実施例を用いて、本発明を詳述するが、本発明は、これらの実施例に限定されるよう意図されたものではない。
【0123】
実施例1
【化30】
トルエン(100ml)中のNaH(80%、1.9g、62.8mmol)の懸濁液に対して、トルエン(50mL)中の6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(5g、31.2mmol)およびギ酸エチル(5mL、61.4mmol)の溶液を0℃で滴下により添加した。添加が完了した時点でメタノール(0.01mL)を加え、反応を室温まで温めた。2時間後、NHCl水(20mL)を添加することで反応を急冷し、EtOAc(100mL)中に抽出し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。EtOH(50mL)中に粗製生成物を溶解させ、ヒドラジン水和物(2.3mL、36.8mmol)を添加した。反応混合物を、95℃の油浴温度で加熱した。1.5時間後、反応を後処理(work up)した。溶液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。ヘプタンからの沈殿により、粗製N−Hピラゾールが得られ、これを、さらなる精製なしで使用した。H NMR(200MHz,CDCl)7.78−7.74(1H,m,ArH)、7.47(1H,s,pzH)、7.26−7.20(3H,m,ArH)、2.86−2.80(4H,m,CHCH)、2.12−2.00(2H,m,CH)。DMF(10mL)中に、粗製ピラゾール(4g、21.7mmol)およびKCO(3g、21.7mmol)を取込んだ。その後ヨードメタン(1.4mL、21.7mmol)を添加し、反応混合物を1時間、80℃の油浴温度で撹拌した。次に、反応を室温まで冷却させ、水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機相をさらに2回水(2×100mL)で洗浄した。組合せた有機相を、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させてHNMRにより6:1の比でN−メチル化ピラゾールの混合物を得た。シリカ上でのクロマトグラフィ(溶離剤としてCHCl)により精製することで、2.8g(収量65%)の所望のN−メチルピラゾール1(NOESYにより確認された最初の溶離異性体)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)7.97−7.93(1H,m,ArH)、7.27−7.16(4H,m,3xArHおよびpzH)。3.92(3H,s,NCH)、2.83−2.70(4H,m,CHCH)、2.13−2.00(2H,m,CH)。生成物を、GC−MSにより確認した、m/z=198。
【0124】
実施例2
【化31】
0℃で、トルエン(100mL)中のNaH(0.58g、19.5mmol)の懸濁液に対し、トルエン(50mL)中の2−フルオロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(2mL、13mmol)およびギ酸エチル(1.6mL、19.5mmol)の溶液を、滴下により添加した。添加が完了した時点で、メタノール(0.05ml、1.302mmol)を加え、反応を室温で撹拌した。ガス発生を観察した。1.5時間後にH NMRにより反応を監視し、これはおよそ50%の転換を示した。その後さらに1当量のNaH(0.58g)と1.5当量のEtOCHO(1.5mL)を添加し、反応を一晩室温で撹拌した。HNMR分析によって反応を完了とみなした。NHCl水(50mL)を添加することで反応を急冷し、EtOAc(100mL)中に抽出した。有機相を水(100mL)と食塩水(100mL)で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。その後EtOH(50mL)中に粗製反応生成物を取込み、ヒドラジン水和物(0.98ml、19.5mmol)を添加した。反応を90℃の油浴温度で加熱し、その後室温まで冷却し、溶媒を濃縮した。粗製生成物を沈下させ、ヘプタンで洗浄し、黄色固体として単離した(2.2g、収量84%)。H NMR(200MHz,CDCl)7.50−7.44(2H,m,ArHおよびpzH)、7.18−7.10(1H,m,ArH)、6.94−6.85(1H,m,ArH)、2.86−2.77(4H,m,CHCH)、2.10−2.97(2H,m,CH)。DMF(25mL)中に粗製ピラゾール(5g、24.7mmol)を取込み、ヨードメタン(2.3ml、37.1mmol)とKCO(5.1g、37.1mmol)を添加した。反応混合物を100℃の油浴温度で1時間加熱した。その後、反応を室温まで冷却し、水(100mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。その後、有機相を2回水(2×100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。(HNMRにより)6:1の位置異性体混合物として、粗製生成物を得た。シリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤として、CHClからCHCl中の2%MeOHまで)により精製を実施した。所望のN−メチルピラゾール2を、第1の溶離異性体(3.2g、収量60%)として単離し、NOESYにより確認した。H NMR(400MHz,CDCl)7.70−7.67(1H,m,ArH)、7.20(1H,s,pzH)、7.11−7.07(1H,m,ArH)、6.88−6.83(1H,m,ArH)、3.91(3H,s,NCH)、2.79−2.73(4H,m,CHCH)、2.02−1.99(2H,m,CH)。
【0125】
実施例3
【化32】
水素化ナトリウム(2.00g、66.8mmol)をTHF(100mL)中に懸濁させ、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(5mL、33.4mmol)を滴下により添加した。反応を2時間還流にて加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却させ、シリンジを介してトリフルオロ酢酸エチル(5.9ml、50mmol)を添加した。撹拌を2時間室温で続行した。0.5MのKHSO(100mL)で急冷することで反応を後処理し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機相を水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、粗製N−H−ピラゾールを得、これをさらなる精製無しで使用した。N−H−ピラゾールをEtOH中に取込み、ヒドラジン水和物(2.5mL、50.1mmol)を添加した。反応を1時間80℃の油浴温度で撹拌し、その後室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。粗製ピラゾールを単離し、さらなる精製無しで使用した。H NMR(400MHz,CDCl)、7.53−7.51(1H,m,ArH)、7.33−7.21(3H,m,ArH)、2.93(2H,m,CH)、2.82(2H,m,CH)、2.07−2.10(2H,m,H)。粗製ピラゾール(3.9g、15.4mmol)、KCO(4.3g、30.9mmol)およびヨードメタン(1.1mL、17mmol)をDMF(30mL)中において室温で組合せ、1時間撹拌した。水(100mL)で希釈しEtOAc中に抽出することにより、反応を後処理した。有機相をさらに2回水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製生成物を(H NMRにより)1:1の位置異性体混合物として単離し、これをシリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤としてのヘキサン中10%のEtOAc)によって精製した。所望のN−メチルピラゾール3を1.8g(収量46%)単離した(NOESYにより確認された最初の溶離異性体)。H NMR(CDCl,400MHz)7.90−7.92(1H,m,ArH)、7.30−7.17(3H,m,ArH)、4.03(3H,brs,NCH)、2.84−2.76(4H,m,CHCH)、2.12−2.06(2H,m,CH)。19F(CDCl,188MHz)−58.4ppm。
【0126】
実施例4
【化33】
250ml入りの一口フラスコに、1.8g(9.1mmol)のピラゾール配位子1、1.3g(3.6mmol)のIrClおよび2−エトキシエタノールと水の3:1混合物48mlを投入した。混合物を20分間Nで脱気し、125℃の油浴温度で2.5時間窒素雰囲気下で加熱した。この時間の後、NMR分析により反応は完了した。真空下で溶媒を除去し、22mlのアセトン中で残渣を還流させて副産物を除去した。生成物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、1.95g(69%)の所望のダイマー4を得た。H NMR(200MHz,CDCl)、7.35(4H,s,pzH)、6.59−6.37(8H,m,ArH)、5.70−5.59(4H,m,ArH)、3.80(12H,s,NCH)、3.10−2.86(16H,m,CH)、2.27−1.75(8H,m,CH)ppm。ESI−MS:m/z計算値[C2626191Ir35Cl655.1、実際値655.2;m/z計算値[C2626191Ir] 585.2、実際値585.2。
【0127】
あるいは、配位子1を、Pt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0128】
実施例5
【化34】
50ml入りの一口フラスコに、1.2g(5.55mmol)のフルオロ−ピラゾール配位子2、783mg(2.22mmol)のIrClおよび2−エトキシエタノールと水の3:1混合物30mlを投入した。混合物を20分間Nで脱気し、125℃の油浴温度で1時間窒素雰囲気下で加熱した。この時間の後、NMR分析により反応は完了した。真空下で溶媒を除去し、20mlのアセトン中で残渣を還流させて副産物を除去した。生成物を濾過により収集し、真空下で乾燥させて、1.3g(72%)の所望のダイマー5を得た。H NMR(200MHz,CDCl)、7.20(4H,s,pzH)、6.50−6.39(4H,m,ArH)、6.11−5.98(4H,m,rH)、3.57(12H,s,NCH)、3.05−2.82(16H,m,CH)、2.15−2.01(4H,m,CH)、1.95−1.72(4H,m,CH)ppm.19F NMR(188MHz,CDCl)−116.10ppm.ESI−MS:m/z計算値[C2624191Ir35Cl691.1、実際値691.0;m/z計算値[C2624191Ir]621.2、実際値621.2。
【0129】
あるいは、配位子2を、Pt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0130】
実施例6
【化35】
ピラゾール3(1g、3.76mmol)と塩化イリジウム(III)(0.571g、1.71mmol)をエトキシエタノール(10ml)/水(3ml)中で組合せ、脱気した。反応混合物を130℃の油浴温度でN雰囲気下で4時間加熱した。その後反応を室温まで冷却し、濃縮した。反応残渣をCHCl中に取込み、水、飽和NaHCO水および塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。EtOで粗製生成物を処理し、黄色沈殿物を濾過した。ダイマー6(1g、収量77%)を、さらなる精製無しで使用した。H NMR(200MHz,CDCl)、6.53−6.43(8H,m,ArH)、5.55−5.50(4H,m,ArH)、4.06(12H,brs,NCH)、3.17−2.94(16H,m,CHCH)、2.26−2.13(4H,m,CHH)、1.91−1.79(4H,m,CHH)。19F(CDCl,188MHz)−57.5ppm。ESI−MS:m/z計算値[C2824191Ir35Cl791.1、実際値791.1;m/z計算値[C2824191Ir] 723.2、実際値723.2。
【0131】
あるいは、配位子3を、Pt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0132】
実施例7
【化36】
ダイマー4(100mg、0.08mmol)、ピコリン酸(25mg、0.20mmol)および炭酸ナトリウム(90mg、0.85mmol)を4mlの2−エトキシエタノール中に取込んだ。混合物をNで脱気し、60℃の油浴温度で窒素雰囲気下で1時間加熱した。この時間の後、NMR分析により示される通り、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、CHClを添加し、余剰のNaCOを濾過した。残留する溶液をその体積の半分まで削減し、生成物をn−ヘキサン中に沈殿させ濾過により収集して76mg(67%)の所望のテヘロレプティック錯体7を得た。
H NMR(200MHz,CDCl)、8.35−8.25(1H,m,pyH)、7.89−7.79(2H,m,pyH)、7.38−7.28(1H,m,pyH)、7.13(1H,s,pzH)、7.06(1H,s,pzH)6.67−6.48(4H,m,ArH)、6.17−6.09(1H,m,ArH)、5.86−5.75(1H,m,ArH)、3.84(3H,s,NCH)、3.02(3H,s,NCH)3.12−2.73(8H,m,CH)、2.23−1.84(4H,m,CH)ppm。EI−MS:m/z計算値C3230191IrN707.2、実際値707.2。
【0133】
実施例8
【化37】
ダイマー5(1.19g、0.9mmol)、2−(3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピリジン(457mg、2.26mmol)および炭酸ナトリウム(958mg、9mmol)を159mlの2−エトキシエタノール中に溶解させた。混合物をNで脱気し、90℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。この時間の後、NMR分析により示される通り反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、CHClを添加し、余剰のNaCOを濾過した。溶媒を除去し、残渣をシリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤として、EtOAc:ヘキサン混合物)により精製して、1.29gの所望の生成物8(収量86%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)8.21−8.10(1H,m,ArH)、7.84−7.66(2H,m,ArH)、7.06−6.96(1H,m,ArH)、6.93−6.87(2H,m,ArH)、6.75−6.58(2H、m,ArH)、6.40−6.22(2H,m,ArH)、3.12−2.99(4H,m,CH)、2.96(3H,s,NCH)、2.94(3H,s,NCH)、2.88−2.62(4H,m,CH)、2.17−1.96(4H,m,CH)、1.32(9H,s,C(CHppm。19F NMR(CDCl,188MHz)−112.6、−114.9ppmEI−MS:m/z計算値C3737191IrN 822.3、実際値822.4。
【0134】
実施例9
【化38】
ダイマー6(50mg、0.033mmol)、2−(3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル)ピリジン(17mg、0.082mmol)および炭酸ナトリウム(8.74mg、0.082mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)中に取込み、80℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl中で希釈し、セライトパッドを通して濾過した。シリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤として4:1のEtOAc/ヘキサン)により、粗製生成物の精製を行なって、50mgの所望の生成物9(収量82%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)8.21−8.16(1H,m,ArH)、7.74−7.73(1H,m,ArH)、7.63−7.61(1H,m,ArH)、7.06−6.99(1H,m,ArH)、6.73−6.67(4H,m,ArH)、6.13−6.09(1H,m,ArH)、5.97−5.89(1H,m,ArH)、3.24(3H,s,NCH)、3.15(3H,s,NCH)、3.08−2.98(8H,m,CH)、2.21−1.99(4H,m,CH)1.32(9H,s,C(CH。EI−MS:m/z計算値C3937191IrN 922.3、実際値922.3。構造は、x線結晶学により確認された。
【0135】
実施例10
【化39】
ダイマー5(150mg、0.11mmol)、2−(3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5−イル)ピリジン(69mg、0.34mmol)および炭酸ナトリウム(121mg、1.14mmol)を20mlの2−エトキシエタノール中に溶解させた。混合物をNで脱気し、80℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。この時間の後、NMR分析により示される通り反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、CHClを添加し、余剰のNaCOを濾過した。溶媒を除去し、残渣をシリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤として、EtOAc)により精製して、144mgの所望の生成物10(収量77%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)9.38(1H,d,J=1.4Hz,pyzH)、8.25(1H,d,J=3.1Hz,pyzH)、7.74(1H,dd,J=3.1,1.4Hz,pyzH)、6.93(1H,s,pzH)、6.91(1H,s,pzH)、6.77−6.57(2H,m,ArH)、6.45−6.21(2H,m,ArH)、3.11−2.98(4H,m,CH)2.96(3H,s,NCH)、2.92(3H,s,NCH)、2.89−2.59(4H,m,CH)、2.18−1.91(4H,m,CH)、1.33(9H,s,C(CHppm。19F NMR(CDCl,188MHz)−112.4、−115.3ppmESI−MS:m/z計算値[C3636191IrN+1]824.2、実際値824.2。295.15Kでの発光λ(340nmの励起λ、THF)572nm。Q.Y.0.10(無水、THF)。
【0136】
この化合物の発光スペクトルは、図5に示されている。
【0137】
実施例11
【化40】
ダイマー4(150mg、0.12mmol)、2−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン(43mg、0.3mmol)および炭酸ナトリウム(128mg、1.2mmol)を21mlの2−エトキシエタノール中に溶解させた。混合物をNで脱気し、80℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。この時間の後、NMR分析により示される通り反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、CHClを添加し、余剰のNaCOを濾過した。溶媒を除去し、残渣をシリカ上のクロマトグラフィ(溶離剤として、EtOAc:NEt、99:1)により精製して、130mgの所望の生成物11(収量74%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)7.76−7.52(4H,m,ArH)、7.03−6.94(2H,m,ArH)、6.90−6.81(1H,m、ArH)、6.76−6.67(1H,m,ArH)、6.66−6.54(4H,m,ArH)、6.14−6.03(1H,m,ArH)、6.03−5.91(1H,m,ArH)、3.12−2.96(4H,m,CH)3.03(6H,s,NCH)、2.95−2.64(4H,m,CH)、2.26−1.84(4H,m,CH)ppm。EI−MS:m/z計算値C3432191IrN 729.2、実際値729.2。
【0138】
実施例12
【化41】
ダイマー5(150mg、0.11mmol)、2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェノール(78mg、0.34mmol)および炭酸ナトリウム(121mg、1.1mmol)を20mlの2−エトキシエタノール中に溶解させた。混合物をNで脱気し、90℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。この時間の後、NMR分析により示される通り、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、CHClを添加し、余剰のNaCOを濾過した。溶媒を除去し、残渣を、溶離剤としてEtOAc:ヘキサン混合物を用いたシリカ上のクロマトグラフィにより精製して、155mgの所望の生成物12(収量80%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)7.73−7.59(1H,m,ArH)、7.57−7.37(1H,m,ArH)、7.22−6.99(3H,m,ArH)、6.98−6.80(3H,m,ArH)、6.64−6.36(4H,m,ArH)、6.31−5.99(2H,m,ArH)3.81(3H,s,NCH)、3.35(3H,s,NCH)3.22−2.59(8H,m,CH)、2.22−1.76(4H,m,CH)ppm。19F NMR(CDCl,188MHz)−112.1、−115.4ppm EI−MS:m/z計算値C3932191IrNOS 847.2、実際値847.2。
【0139】
実施例13
【化42】
ダイマー6(50mg、0.03mmol)、トロポロン(10mg、0.08mmol)および炭酸ナトリウム(8.74mg、0.08mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)中に取込み、80℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl中で希釈し、セライトパッドを通して濾過した。粗製生成物をメタノール/水(10mL、9:1)で処理し、褐色沈殿物を濾過して精製済み生成物13(50mg、72%)を得た。H NMR(200MHz,CDCl)7.34−7.24(3H,m,CH)、7.12−7.06(2H,m,CH)、6.58−6.56(4H,m,ArH)、5.94−5.86(2H,m,ArH)、3.96(6H,brs,NCH)、3.10−2.85(8H,m,CH)、2.27−2.16(2H,m,CHH)2.05−1.90(2H,m,CHH)。EI−MS:m/z計算値C3529191IrN 842.2、実際値842.3。
【0140】
実施例14
【化43】
ダイマー6(100mg、0.06mmol)、メタクリル酸(14μL、0.16mmol)および炭酸ナトリウム(17mg、0.16mmol)をエタノール/水(4:1、5mL)中に取込み、90℃の油浴温度で窒素雰囲気下で90分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl(20mL)中で希釈し、水(20mL)、飽和NaHCO(20mL)で洗浄し、無水MgSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、所望の生成物14(0.1g、75%)を黄色固体として得た。H NMR(200MHz,CDCl)6.55−6.50(4H,m,ArH)、6.04(1H,brs,CHH)、5.79−5.77(2H,m,ArH)、5.43(1H,brs,CHH)、4.17(6H,brs,NCH)、3.13−2.91(8H,m,CH)、2.23−2.15(2H,m,CHH)2.03−1.93(2H,m,CHH)、1.90(3H,brs,CH)。EI−MS:m/z計算値C3229191IrN 808.2、実際値808.2。
【0141】
実施例15
【化44】
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−1−オン(1g、6.2mmol)を、窒素雰囲気下でCHCl(10mL)中のトリメチルオキソニウム テトラフルオロボレート(0.92g、6.2mmol)と組合わせた。2時間後、反応を後処理した。溶媒を蒸発させ、粗製材料をジエチルエーテルで処理し、沈殿物を濾過した。1.5g(91%)の1−メトキシ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[c]アゼピンテトラフルオロボレートを無色の固体として単離した。H NMR(200MHz,CDCl)7.73−7.64(2H,m,ArH)、7.53−7.39(2H,m,ArH)4.48(3H,s,OCH)、3.60(2H,t,J=6.7Hz,CH)2.91(2H,t,J=7.3Hz,CH)、2.54−2.30(2H,m、CH)。さらなる精製無く、1−メトキシ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[c]アゼピンテトラフルオロボレート(0.15g)をアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(1mL)中に取込み、反応を100℃の油浴温度で1時間加熱した。反応を室温まで冷却し、溶媒を高真空下で蒸発させた。粗製残渣を10%のHCl(水)/EtOH(1:1、10mL)中に取込み、2時間還流にて加熱した。反応を室温まで冷却させ、溶媒を濃縮させた。飽和NaHCO(50mL)を添加することでpHを調整し、粗製生成物をCHCl(2×50mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカ上のクロマトグラフィ(1:1のEtOAc/ヘキサン)で精製することで、純粋な6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[c]イミダゾ[1,2−a]アゼピン15が70mg(66%)得られた。H NMR(400MHz,CDCl)、7.78−7.75(1H,m,ArH)、7.35−7.28(2H,m,ArH)、7.22−7.24(1H,m,ArH)、7.11(1H,d,J=1.2Hz,ArH)、6.99(1H,d,J=1.2Hz,ArH)、3.90(2H,t,J=6.7Hz、CH)、2.71(2H,t,J=7.0 Hz,CH)、2.31(2H,m,CH)。
【0142】
実施例4−14に概略説明されている要領で配位子15をIrClと反応させてトリスヘテロレプティック錯体を形成してよい。あるいは、配位子15をPt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0143】
実施例16
【化45】
1,2−プロパンジオール(1mL)中で[ビス(1,5−シクロペンタジエン)イリジウム(I)]テトラフルオロボレート(47mg、0.09mmol)と6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[c]イミダゾ[1,2−a]アゼピン15(70mg、0.38mmol)とを組合わせ、凍結−圧送−解凍法で脱気した。反応混合物を180℃の油浴温度で18時間加熱した。反応を室温まで冷却させ、脱気水を添加した。黄色沈殿物を濾過により収集した。余剰の遊離配位子をメタノールでの洗浄により除去し、単一のfac異性体(対称な異性体を示すNMRスペクトル内の単一の信号セットによって判定される)としてトリス(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[c]イミダゾ[1,2−a]アゼピン−N,C)イリジウム(III)16が残された。H NMR(400MHz,CDCl)6.83(3H,d,J=1.4Hz,ArH)、6.76−6.74(3H,m,ArH)、6.60−6.52(6H,m,ArH)、6.38(3H,d,J=1.4Hz,ArH)、4.29−4.19(6H,m,CH)、3.17−3.04(6H,m,CH)、2.28−2.16(6H,m,CH))。EI−MS:m/z計算値C3633191IrN 741.9、実際値742.2。
【0144】
実施例17
【化46】
トルエン(10ml)中に2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−1−オン(0.92g、5.7mmol)を溶解させ、PCl(1.188g、5.7mmol)を添加した。反応混合物を120℃の油浴温度で1時間加熱した。その後、反応を室温まで冷却し、真空下で乾燥状態になるまで濃縮した。残渣をトルエン(10mL)中に再度溶解させ、再度蒸発させて、全てのPOCl副産物を確実に除去した。粗製残渣を次にトルエン(20mL)中に取込み、トリエチルアミン(0.95ml、6.85mmol)とピバロヒドラジド(0.729g、6.28mmol)を添加し、反応混合物を還流にて3時間加熱した。Tlc分析は、所望の生成物の存在を示した。反応を室温まで冷却し、EtOAc(30mL)で希釈した。次に、有機相をNaOH水(2N、20mL)で洗浄した。10%のHCl水(2×20mL)で洗浄することによって、有機相から生成物を抽出した。水相のpHを、2NのNaOHでpH11に調整し、生成物をCHCl(100mL)中に抽出した。有機相をMgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。薄茶色の固体が得られ、これをシリカ上のクロマトグラフィ(ヘキサン中の60%から80%まで増加するEtOAc)によって精製して、オフホワイトの固体として17を得た(0.97g、収量70%)。H NMR(200MHz,CDCl)7.84−7.76(1H,m,ArH)、7.42−7.37(2H,m,ArH)、7.29−7.25(1H,m,ArH)、4.00(2H,t,J=6.6Hz,CH)、2.69(2H,t,J=7.1Hz,CH)、2.28(2H,tt,J=6.6H,J=7.1Hz、CH)、1.52(9H,s,tBu)。
【0145】
実施例4〜16に概略説明されている要領で配位子17をIrと反応させてトリスヘテロレプティックまたはホモレプティック錯体を形成してよい。あるいは、配位子17をPt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0146】
実施例18
【化47】
ジエチルエーテル(20ml)中の6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(1.6g、10.0mmol)の溶液に対して0℃で30分かけて滴下にて臭素(1.59g、0.5ml)を添加した。溶液を一晩撹拌して、ゆっくりと室温にした。その後、反応をジエチルエーテル(150ml)で希釈し、分液漏斗に移した。チオサルフェート水(2×100mL)と水(2×100mL)で有機相を洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して2.47gの粗製薄黄色液を得、これをシリカ上のクロマトグラフィ(100%のペトロリウム・スピリット(40〜60)から8:2のペトロリウムスピリット:DCMまでの勾配溶離)により精製して、薄黄色の液体として6−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オンを得た(2.69g、48%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.58(1H,d,J=7.6Hz,ArH)、7.40(1H,t,J=7.5Hz,ArH)、7.28(1H,t,J=7.6Hz,ArH)、7.18(1H,d,J=7.6Hz,ArH)、4.86−4.84(1H,m,CHH),3.05−2.98(1H,m,CHH)、2.92−2.85(1H,m,CHH)、2.41−2.35(1H,m,CHH)、2.31−2.25(1H,m,CHH)、2.05−1.97(2H,m,CHH)。DMF(10ml)中の6−ブロモ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(239mg、1.0mmol)とチオアセトアミド(100mg、1.3mmol)を80℃の油浴温度で33時間加熱した。この時間の後、溶液を室温まで冷却し、溶媒を真空内で除去した。粗製残渣をCHCl(150ml)で希釈し、飽和NaHCO水(50mL)および水(2×50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて、オレンジ色の粗製油を得た。シリカ上のクロマトグラフィ(100%のCHClから9:1のCHCl:EtOAcまでの勾配溶離)による精製から、透明無色の油として18を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.97−7.95(1H,d,ArH)、7.29−7.26(1H,m,ArH)、7.21−7.16(2H,m,ArH)、2.94−2.86(2H,m,CH)2.77−2.74(2H,m,CH)、2.68(3H,s,CH)、2.20−2.14(2H,m,CH)。
【0147】
実施例4〜16に概略説明されている要領で配位子18をIrと反応させてトリスヘテロレプティックまたはホモレプティック錯体を形成してよい。あるいは、配位子18をPt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0148】
実施例19
【化48】
カリウムtert−ブトキシド(2.5g、22.2mmol)をエタノール(25ml)中に取込み、混合物を常温で30分間撹拌した。次に6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(1.0g、6.25mmol)を添加し、混合物を室温でさらに30分間撹拌した。亜硝酸tert−ブチル(1.35g、13.1mmol)を滴下により添加し、結果として得た溶液を室温で一晩撹拌した。反応を水(25mL)で希釈し、赤味を帯びた溶液を濃HClで酸性化した(pH1〜3)。酸性混合物を次にジエチルエーテルで抽出し、分離し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて、粗製固体を得た。シリカ上のクロマトグラフィ(勾配溶離、100%のペトロリウム・スピリット(40〜60)から100%のDCM、さらに9:1のDCM:EtOAc混合物まで)による精製から、6−(ヒドロキシイミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オンを、薄黄褐色の固体として得た(0.56g、48%)。TLC分析によりケトオキシムが消費されたことが示されるまで、(ヒドロキシイミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−5−オン(567mg、3.0mmol)、酢酸アンモニウム(900mg、11.6mmol)、およびプロピオンアルデヒド(0.22ml、3.0mmol)を、室温で酢酸(30ml)中で撹拌した。次に、減圧下の蒸発によって酢酸を除去した。粗製残渣を300mlのDCM中で希釈した。その後、飽和NaHCO(150mL)、水(2×150mL)で有機相を洗浄し、無水MgSO上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去することで、暗褐色を帯びた油として480mgの粗製材料を得た。シリカ上のクロマトグラフィ(100%DCMから95%DCM、5%MeOHまでの勾配溶離)による精製から、N−ヒドロキシイミダゾール19(260mg、40%)を薄褐色の油として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.96(1H,brs,OH)、7.67−7.66(1H,m,ArH)、7.04−6.96(3H,m,ArH)、2.77−2.74(2H,m,CH)、2.69−2.67(2H,m,CH)、2.68−2.58(2H,q,J=7.6Hz,CH)、1.89−1.84(2H,m,CH)、1.04−1.00(3H,t,J=7.6Hz,CH)。
【0149】
実施例4〜16に概略説明されている要領で配位子19をIrと反応させてトリスヘテロレプティックまたはホモレプティック錯体を形成してよい。あるいは、配位子19をPt、Rh、Pd、RuまたはOsから誘導された他の金属試薬と反応させてもよい。
【0150】
実施例20
以下の要領で有機エレクトロルミネセント素子を製造した:
ITOパターン化ガラス基板をアセトンおよびイソプロパノール中で連続的に15分間音波処理し、乾燥させた。その後PEDOT:PSSを、1分間4000rpmのスピン速度でITOの上面にスピンコーティングし、ホットプレート上において15分間150℃で焼成した。PEDOT:PSS層の厚みは40nmであると判定された。この後、基板をグローブボックス内に移し、3000rpmのスピン速度で1分間、PEDOT:PSS層の上面に発光層をスピンコーティングし、30分間80℃で焼成した。クロロベンゼン中に溶解したPVK、PBD、TPDおよび化合物10から成る溶液を用いて、発光層を形成した。4つの成分の重量比は、65:25:9:6であった。発光層の厚みは、90nmであると判定された。その後、1×10−5Paの真空下で、TPBi(正孔阻止層、20nm)、LiF(電子注入層、1nm)およびA1(カソード、120nm)の層を続いて被着させた。
【0151】
アノードとカソードの間に電圧が印加された時点で、素子は最大波長565nmの光を発出した。CIE色座標は(0.49;0.49)であった。最大電流効率は、1800cd/mの輝度および15Vの電圧で20cd/Aであった。最大輝度は、21Vで20000cd/mであった。
【0152】
この例は、本明細書中で開示されている燐光材料が本明細書で開示されている有機エレクトロルミネセント素子内に含まれる場合、素子は光を発出するということを明らかに実証している(図5も参照のこと)。
【0153】
本明細書における任意の先行技術刊行物に対する言及は、その刊行物が、オーストラリアまたは他のいずれかの国において周知の一般知識の一部を成すことの承認となるものではないということを理解すべきである。
【0154】
以下のクレーム中ならびに以上の本発明の説明において、明示的な言語または含意に起因して文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」またはその変異形例えば「comprises」または「comprising」は、包含的意味合いで、すなわち記載された特徴の存在を特定するものの本発明のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在または付加を排除しないように使用される。
図1
図2
図3
図4
図5