(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778254
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】洗浄装置のドッキングステーション、洗浄装置の格納及び引き入れ方法、並びにドッキングステーションとともに使用する洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A24C 5/00 20060101AFI20150827BHJP
B08B 1/00 20060101ALI20150827BHJP
【FI】
A24C5/00
B08B1/00
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-507904(P2013-507904)
(86)(22)【出願日】2011年4月22日
(65)【公表番号】特表2013-531473(P2013-531473A)
(43)【公表日】2013年8月8日
(86)【国際出願番号】PL2011000042
(87)【国際公開番号】WO2011136670
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年3月24日
(31)【優先権主張番号】PL391104
(32)【優先日】2010年4月29日
(33)【優先権主張国】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】510011101
【氏名又は名称】インターナショナル トバコ マシーネリー ポーランド エスピー.ゼット オー.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100160772
【弁理士】
【氏名又は名称】大串 賢
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】アダム ギエルニエフスキー
【審査官】
宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−512556(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/053178(WO,A1)
【文献】
米国特許第06374990(US,B1)
【文献】
米国特許第03889240(US,A)
【文献】
独国特許出願公開第102005018302(DE,A1)
【文献】
特開2008−278888(JP,A)
【文献】
特開2008−212880(JP,A)
【文献】
特開2009−022918(JP,A)
【文献】
国際公開第03/053178(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0286078(US,A1)
【文献】
米国特許第04605117(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/00
B08B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこ産業で使用する設備用のドッキングステーション(1,1′,1″)であって、洗浄装置(3)を格納する格納手段(2,2′,2″)を設けた、ドッキングステーションにおいて、
該ドッキングステーション(1,1′,1″)は、
マスフローの端面の存在を示す信号と、
前記洗浄装置(3)の端面の存在を示す信号と
を受信するよう構成し、
該ドッキングステーション(1,1′,1″)は、たばこ産業で使用する設備のチャネル(4)内に前記格納手段(2,2′,2″)を引き入れた後に、前記洗浄装置(3)の引き入れ又は引き出しを開始する手段(14,22)を備え、
前記格納手段(2,2′,2″)は、前記洗浄装置を引き入れる又は引き出す位置で、マスフローの端面の存在を示す前記信号に応答して、たばこ産業で使用する設備のチャネル(4)内に、前記格納手段(2,2′,2″)を引き入れるよう構成し、
前記格納手段(2,2′,2″)は、たばこ産業で使用する設備のチャネル(4)内に洗浄装置(3)の端面の存在を示す前記信号に応答して、前記格納手段(2,2′,2″)を前記設備のチャネル(4)から引き出すよう構成した、ドッキングステーション。
【請求項2】
請求項1に記載するドッキングステーションにおいて、前記格納手段は、揺動可能に取り付けたトラフ(2)とした、ドッキングステーション。
【請求項3】
請求項1及び2に記載のドッキングステーションにおいて、前記格納手段は、たばこ産業で使用する、設備のチャネル(4)に対して、ほぼ直交する方向に移動する、ほぼ水平なプラットフォーム(2′)とした、ドッキングステーション。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、格納手段は、ほぼ垂直方向に延びているじょうご(2″)の形状とした、ドッキングステーション。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、さらに、マスフローの端面の存在を示す前記信号を発生するセンサ(17)を備えた、ドッキングステーション。
【請求項6】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、さらに、制御ユニットのメモリからのデータに基づくマスフローの端面の存在を示す前記信号を発生する制御手段を備えた、ドッキングステーション。
【請求項7】
請求項6に記載のドッキングステーションにおいて、前記制御手段は、たばこ産業で使用する、設備のチャネル(4)におけるマスフローの仮想モデルに基づく、マスフローの端面の存在を示す前記信号を発生するよう構成した、ドッキングステーション。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、前記洗浄装置(3)の引き入れ又は引き出しを開始する手段は、プッシャ(14)とした、ドッキングステーション。
【請求項9】
請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、前記洗浄装置(3)の引き入れ又は引き出しを開始する手段は、搬送コンベヤ(22)とした、ドッキングステーション。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のドッキングステーションにおいて、たばこ産業で使用する設備の前記チャネル(4)内における前記洗浄装置(3)の端面の存在を示す信号を発生するセンサ(10)を設けたことを特徴とする、ドッキングステーション。
【請求項11】
洗浄装置(3)を格納し、またたばこ産業で使用する設備のチャネル(4)内に前記洗浄装置(3)を引き入れる方法において、
前記洗浄装置(3)を、格納位置にあるドッキングステーション(1,1′,1″)に格納する段階と、
前記洗浄装置(3)を引き入れる位置で、マスフローの端面の存在を示す信号を発生する段階と、
マスフローの端面の存在を示す信号に応答して、格納手段(2,2′,2″)をたばこ産業で使用する前記設備のチャネル(4)に引き入れる段階と、
前記洗浄装置(3)の引き入れ又は引き出しを開始する手段(14,22)によりたばこ産業で使用する設備のチャネル(4)内への洗浄装置(3)の前記引き入れ又は引き出しを開始する段階と
を有する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記設備のチャネル(4)への、前記格納手段(2,2′,2″)の引き入れを、マスフローの端面のセンサ(17)が発生するマスフローの端面の存在を示す前記信号に応答して実行する、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、前記設備のチャネル(4)内への前記格納手段(2,2′,2″)の引き入れを、制御ユニットのメモリからのデータに基づいて発生するマスフローの端面の存在を示す前記信号に応答して実行する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記設備のチャネル(4)内への前記格納手段(2,2′,2″)の引き入れを、たばこ産業で使用する、設備のチャネル(4)内におけるマスフローの仮想モデルに基づいて生成する、マスフローの端面の存在を示す前記信号に応答して実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、洗浄装置のドッキングステーション、洗浄装置の格納及び引き入れ方法、並びにドッキングステーションとともに使用する洗浄装置、とくに、たばこ産業で使用する設備チャネルの洗浄工程に適合可能な洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ産業の搬入作業における問題は、製品品目(ブランド)毎に効率的及び効果的に仕分けることである。シガレット(巻きたばこ)、フィルタロッド、シガー(葉巻)、シガリロ(細い葉巻)のような製品のマスフロー(質量流)の搬送チャネルは、多くの場合極めて複雑であり、さらに、運用基準及びこれらの基準を運用するオペレータのための搬送ライン上で稼働する。製品品目を変更するとき、製品を取り除くために洗浄を必要とする、搬送チャネルの各セクションにおける開始部と終端部へのアクセスは、多くの場合、困難であり、毎度時間がかかる。製品の堆積に影響を受けやすいチャネルを形成する搬送装置の接続ゾーンへのアクセスも困難である。
【0003】
そのため、たばこ産業で使用される設備の系統的な洗浄は、通常業務である。さらに、製品品目を変更する前には、毎回、洗浄が必要である。この作業は、技術的な理由、すなわち、先の生産から到来する製品すべてを取り除くよう導入された。
【0004】
従来技術で既知の一般的な解決方法は以下の通りである。まず、生産ラインの停止、設備チャネルの断面に充填するスポンジのチャネル内への手動引き入れ、および設備に沿うスポンジの動きを観察しながらの設備稼働スタート、その後、再度の設備停止、および洗浄している設備の反対側端部でのスポンジ取り出しを行う。
【0005】
従来既知の解決方法の欠点は、まず設備を停止させ、また設備チャネルにスポンジを手動で引き入れる必要があることである。この作業は、ダウンタイムを引き起こし、また搬送チャネル内にスポンジを適切に配置することを保証するものではない。この工程中、先に生産した品目の、最後の製品に対するダメージを避けることはできず、さらに、スポンジを設備チャネルから手動で取り出すために、設備を再度停止させなければならない。設備チャネルへのアクセスの困難さに起因して、この作業もまた、ダウンタイムを引き起こす。
【0006】
従来技術において、自動洗浄装置及び格納ステーションは既知であるが、従来技術の解決方法は、製品、例えばフィルタロッドのマスフローに対する干渉で特徴付けられ、既知の装置の作動現場に直接位置する製品バッチにダメージを与えることになる。
【0007】
特許文献1(国際公開第2003/05178号)には、洗浄装置に引込むプラットフォームを、例えばフィルタロッドのマスフロー内に引き入れることが記載されており、ステーションは、洗浄台車を引き入れることができる自由空間を形成するバー又は1対のフレームによって、マスフローを強制的に分割する。
【0008】
従来既知の解決方法の欠点は、搬送した製品に機械的ダメージを加える恐れがある、マスフローの機械的強制分割にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2003/05178号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来技術において起こる問題を解決する、すなわち、たばこ産業で使用する設備の過剰なダウンタイムを回避し、並びに、マスフローの形式で搬送する製品の機械的ダメージを回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的、たばこ産業で使用する設備を洗浄する洗浄装置のためのドッキングステーションであり、本発明ドッキングステーションには、洗浄装置を収納する格納手段を設ける。格納手段は、洗浄装置を出入りさせる位置で、マスフローの端面の存在を示す信号に応答して、たばこ産業で使用する、設備のチャネルに引き入れるよう構成する。ドッキングステーションには、格納手段をたばこ産業で使用する設備のチャネルに引き入れた後に、洗浄装置の引き入れ又は引き出しを開始する手段を設ける。さらに、格納手段は、設備のチャネルにおいて、洗浄装置の端面の存在を示す信号に応答して、たばこ産業で使用する設備のチャネルから引き出すよう構成する。
【0012】
本発明によるステーションは、格納手段を、回動するトラフとして構成したことを特徴とする。
本発明によるステーションは、格納手段は、たばこ産業で使用する設備のチャネルに対して、ほぼ直交する方向に移動する、ほぼ水平なプラットフォームとして構成したことを特徴とする。
【0013】
本発明によるステーションは、格納手段を、ほぼ垂直方向に延びているじょうごの形状として構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明によるステーションは、さらに、マスフローにおける端面の信号を発生するセンサを有することを特徴とする。
【0015】
本発明によるステーションは、さらに、制御ユニットのメモリ内のデータに基づいて、マスフローの端面の信号を発生する、制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によるステーションは、制御手段は、たばこ産業で使用する設備のチャネルにおけるマスフローの仮想モデルに基づいて、マスフローの端面を示す信号を発生するよう構成したことを特徴とする。
【0017】
本発明によるステーションは、洗浄装置の引き入れ又は引き出しを開始する手段をプッシャとして構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明によるステーションは、洗浄装置の引き入れ又は引き出しを開始する手段を、搬送コンベヤとして構成したことを特徴とする。
【0019】
本発明によるステーションは、たばこ産業で使用する設備のチャネル内における洗浄装置の端面の存在を示す信号を発生するセンサを設けたことを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の目的は、洗浄装置を格納し、またたばこ産業で使用する設備内に洗浄装置を引き入れる方法であり、本発明方法は、以下の段階、すなわち、格納位置にあるドッキングステーション内に洗浄装置を格納する段階と、洗浄装置を引き入れる位置で、マスフローの端面を示す信号を発生する段階と、マスフローの端面の存在を示す信号に応答して、格納手段を設備のチャネルに引き入れる段階と、洗浄装置の引き入れ又は引き出しを開始する手段により、該引き入れ又は引き出しを開始する段階と、を有する。
【0021】
本発明による方法は、設備のチャネルへの、格納手段の引き入れを、マスフローの端面を検出するセンサが発生するマスフローの端面の存在を示す信号に応答して、実行することを特徴とする。
【0022】
本発明による方法は、設備のチャネルへの格納手段の引き入れを、制御ユニットのメモリ内のデータに基づいて生成するマスフローの端面の存在を示す信号に応答して、実行することを特徴とする。
【0023】
本発明による方法は、設備のチャネル内への格納手段の引き入れを、たばこ産業で使用する設備のチャネル内におけるマスフローの仮想モデルに基づいて生成する、マスフロー端面の存在を示す信号に応答して実行することを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明の目的は、本発明によるドッキングステーションに使用する洗浄装置であり、本発明洗浄装置は、その両端に、たばこ産業で使用する設備のチャネル内における洗浄装置の端面の存在を示す信号を発生することを可能にする識別マーカを設けたことを特徴とする。
【0025】
本発明による解決方法の利点は、設備のチャネル内に洗浄装置を手動で配置する必要性を排除することにより、たばこ産業における設備のチャネルの洗浄に関連するダウンタイムを最小化させることを確実にすることである。チャネルへの洗浄装置の配置が、それぞれ繰り返し可能であることも利点である。さらに、空いた空間を生ずるときの、生産における自然中断中に、ステーション及び洗浄装置の双方を引き入れるため、搬送した製品に対する機械的ダメージを回避することができる。さらに、ステーションは、信号受信ステーションの機能を満たし、これにより、設備のチャネルから洗浄装置を引き出すことに関連するダウンタイムの継続期間を大幅に短縮化することにも貢献する。
【0026】
本発明の目的を、図面における好適な実施形態につき、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態のドッキングステーションを、その内部に配置した洗浄装置とともに示し、洗浄装置を搬送チャネル内に引き入れる前の状態を示す。
【
図2】ドッキングステーションから洗浄装置を押し出しているときの、
図1の装置を示す。
【
図3】洗浄装置を、搬送チャネル内に配置した後の、
図1の装置を示す。
【
図4】搬送チャネル内に洗浄装置を引き入れる前の、第2実施形態のドッキングステーションを、その内部に配置した洗浄装置とともに示し、洗浄装置を搬送チャネル内に引き入れる前の状態を示す。
【
図5】ドッキングステーションから洗浄装置を押し出しているときの、
図4の装置を示す。
【
図6】洗浄装置を、搬送チャネル内に配置した後の、
図4の装置を示す。
【
図7】本発明の第1及び第2の実施形態の両方において使用すべき、代替的な搬送システムを示す。
【
図8】第3実施形態におけるドッキングステーションを、その内部に配置した洗浄装置とともに示し、洗浄装置を搬送チャネル内に引き入れる前の状態を示す。
【
図9】ドッキングステーションから洗浄装置を押し出しているときの、
図8の装置を示す。
【
図10】洗浄装置を、搬送チャネル内に配置した後の、
図8の装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
図1〜
図3は、マルチセグメント洗浄装置3を格納するためのトラフ2を備えた、ドッキングステーション1(ステーションと略称する場合もある)を示す。トラフ2は、搬送チャネル4の上方に配置し、トラフの底面が、棒状物品5のマスフロー搬送チャネル頂壁を形成する。
【0029】
棒状物品5の搬送ルートの一部を構成する、
図1〜
図3に示すチャネル4は、ベルトコンベヤによって成形する。頂壁は、ドッキングステーション1の前方のベルト6および、後方のベルト7で形成するとともに、チャネル4の底壁は、ベルト8及び9で構成し、ベルト8の終端部及びベルト9の開始部をドッキングステーション1内に配置する。ステーション1には、トラフ2上の洗浄装置3の存在を制御するセンサ10を設けるとともに、洗浄装置自体には、センサ12手段によって搬送チャネル4内にある洗浄装置3の検出に供する識別マーカ11を設ける。マーカ11は、洗浄装置3の最外側セグメントで、これらセグメントの両側に配置する。
【0030】
ドッキングステーション1にはアクチュエータ13を設け、このアクチュエータ13の機能は、トラフ2を、トラフ上に配置した洗浄装置3とともに降下させるものである。さらに、ステーション1から洗浄装置3を引き出すようアクチュエータ15により駆動されるプッシャ14を設ける。トラフ2を、アクチュエータ15とともに、トラフ2の端部に配置したピボット16に、揺動可能に取り付ける。ドッキングステーション1にはセンサ17を設け、このセンサ17は、チャネル4への棒状物品5の充填を制御するものでチャネル4の頂壁表面の上方に配置する。
【0031】
図1に示す状況は、チャネル4内のマスフローが中断され、この中断をセンサ17が検出した状況である。棒状物品5がセンサ17の下方にないことを示す信号が、洗浄装置3を引き入れる許可となる。
【0032】
図2は、トラフ2をアクチュエータ13によって降下させた後、プッシャ14を使用するアクチュエータ15によるチャネル4内への洗浄装置3の引き入れを開始した状況を示す。センサ12の機能は、洗浄装置3の最外側のセグメントに配置したマーカ11を検出することである。
図2の状況において、マーカ11で動作したセンサ12が発生した信号は、洗浄装置3の第1セグメントが、搬送チャネル4内に引き入れられたことを示す信号である。
【0033】
図3は、洗浄装置3全体が搬送チャネル4内に引き入れられ、またセンサ12が、最後のセグメントに位置するマーカ11を検出するときの状況を示す。センサ12が発生した信号は、洗浄装置3の最後のセグメントを、搬送チャネル4内に引き入れられたことを示す。アクチュエータ13で駆動されるトラフ2は初期位置にあり、同様に、アクチュエータ15はプッシャ14とともに初期位置にある。
【0034】
第1実施形態による洗浄装置の動作原理を以下に説明する。マスフローをなす棒状物品5が、搬送チャネル4内で移動する間、洗浄装置3のドッキングステーション1は初期位置にある、すなわち、洗浄装置3が、トラフ2上でステーション1内にあり、また搬送チャネル4に引き入れる準備ができており、この準備完了状態を、洗浄装置3の存在を制御するセンサ10からの信号によって、確認した状態にある。棒状物品5は、
図1に示す矢印の方向に従って流れるフローである。センサ17から生ずる、搬送チャネル4内におけるマスフローの終了又は中断を示す信号で、洗浄装置3の搬送チャネル4内への引き入れを可能にするよう、ステーション1はその状態を変更する。すなわち、アクチュエータ13は、トラフ2を、トラフ上に配置した洗浄装置3とともに降下させる。マスフローの終了又は中断に関する情報は、アクチュエータのメモリ、例えば、搬送チャネル4におけるマスフローに関する情報を記憶するシフトレジスタからもたらされる場合もある。
【0035】
図2は、アクチュエータ15により駆動されるプッシャ14手段によって、洗浄装置3を、ドッキングステーション1から押し出し、また搬送チャネル4内に洗浄装置3を挿入することを開始した状態にある、ステーション1を示す。
図2に示す状況において、洗浄装置3の第1(最初の)セグメントに配置したマーカ11は、搬送チャネル4内における洗浄装置3の存在を制御するセンサ12を作動させ、この結果、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが開始したことを示す信号を、制御システムに送信する。搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れを継続するとともに、その後の段階で、アクチュエータ15の運動で始まった、ステーション1の洗浄装置3の引き入れは、ベルト7及び9の運動で、強制執行され、また継続し、これらベルトの運動は、ベルト間に位置する洗浄装置の第1(最初の)セグメントを引き出し、その後、順次のセグメントを引き出す。洗浄装置は、マスフローにおける最後の棒状物品5の後方で搬送チャネル4内を移動する。
【0036】
図3は、洗浄装置3の最後のセグメントに位置するマーカ11が、センサ12の前方を移動することで、このセンサを作動させ、この結果、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが完了したこと示す信号を発生する状況を示す。こうすることで、制御システムは、洗浄装置全体が搬送チャネル4内に引き入れられたことの確認を得る。洗浄装置3全体を、搬送チャネル4内に引き入れた後、アクチュエータ13は、トラフ2を初期位置まで持ち上げ、アクチュエータ15は、プッシャ14も初期位置に移動させる。しかし、洗浄装置は、棒状物品5のマスフローの後方で搬送チャネル4内を移動し続ける。
【0037】
(第2実施形態)
図4〜
図6において、マルチセグメント洗浄装置3用の格納庫として機能する、水平なプラットフォーム2′を設けた、ドッキングステーション1′を示す。プラットフォーム2′は搬送チャネル4の上方に位置し、プラットフォーム2′の底面は棒状物品5よりなるマスフロー用の搬送チャネル4の頂壁を形成する。
【0038】
図4〜
図6に示す搬送チャネル4は、ベルトコンベヤで形成する。頂壁は、ドッキングステーション1′の前方のベルト6及び後方のベルト7で形成するとともに、ベルト8の終端部及びベルト9の開始部をドッキングステーション1′内に配置し、搬送チャネル4の底壁は、ベルト8及び9で構成する。ステーション1′には、プラットフォーム2′の上の洗浄装置3の存在を制御するセンサ10を設けるとともに、洗浄装置自体には、センサ12による、搬送チャネル4内にある洗浄装置3の検出に供する識別マーカ11を設ける。マーカ11は、洗浄装置3の最外側セグメントの両側に配置する。ドッキングステーション1′には、プラットフォーム2′を、上に配置した洗浄装置3とともに降下させる機能を有するアクチュエータ13を設ける。さらに、アクチュエータ15によって駆動して洗浄装置3を押し出すよう構成したプッシャ14を設ける。プラットフォーム2′は、アクチュエータ15とともに、搬送チャネル4に、ほぼ直交する方向に、直線的に移動できるよう取り付ける。ドッキングステーション1′にはセンサ17を設け、このセンサ17は、搬送チャネル4に棒状物品5を装填するのを制御するものであり、搬送チャネル4の頂壁表面の上方に配置する。
【0039】
図4に示す状況は、チャネル4内のマスフローが中断され、このことをセンサ17が検出した状況である。棒状物品5がないことを示す信号が、洗浄装置3を引き入れる許可をなす。
図5は、プラットフォーム2′をアクチュエータ13によって降下した後、プッシャ14を使用してアクチュエータ15により搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが開始した状況を示す。センサ12の機能は、洗浄装置3の最外側のセグメントに配置した識別マーカ11を検出することである。
【0040】
図5に示す状況において、マーカ11で作動したセンサ12が発生する信号は、洗浄装置3の最初のセグメントを、搬送チャネル4内に引き入れたことを示す信号である。
図6は、洗浄装置3全体を搬送チャネル4内に引き入れ、センサ12が、最後のセグメントに配置したマーカ11を検出したときの状況を示す。センサ12が発生した信号は、搬送チャネル4内に、洗浄装置3の最後のセグメントを引き入れたことを示す。アクチュエータ13によって駆動するプラットフォーム2′が初期位置にあり、同様に、アクチュエータ15がプッシャ14とともに、初期位置にある。
【0041】
第2実施形態による洗浄装置の動作原理を、以下に説明する。マスフローをなす棒状物品5が搬送チャネル4内を移動する間、洗浄装置3のドッキングステーション1′は初期位置にある。すなわち、洗浄装置3が、プラットフォーム2′上でステーション1′内にあり、搬送チャネル4内に引き入れる準備ができており、この準備完了状態を、洗浄装置3の存在を制御するセンサ10からの信号によって確認した状態にある。棒状物品5は、図に示す矢印の方向に従って流れるフローである。センサ17から生ずる、搬送チャネル4内におけるマスフローの終了又は中断を示す信号で、搬送チャネル4内に洗浄装置3を引き入れることを可能にするよう、ステーション1′はその状態を変更する。すなわち、アクチュエータ13は、プラットフォーム2′を、その上に配置した洗浄装置3とともに降下させる。マスフローの終了又は中断に関する情報は、制御ユニットのメモリ、例えば、搬送チャネル4におけるマスフローに関する情報を記憶するシフトレジスタからもたらされる場合もある。
【0042】
図5は、洗浄装置3をドッキングステーション1′から押し出し、また、アクチュエータ15で駆動されるプッシャ14により搬送チャネル4内に洗浄装置3を挿入することが開始したときの状態にある、ステーション1′を示す。
図5に示す状況において、洗浄装置3の第1(最初の)セグメントに配置した、識別マーカ11は、搬送チャネル内における洗浄装置の存在を制御するセンサ12を作動させ、この結果、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが開始したことを示す信号を、制御システムに送信する。搬送チャネル4内への洗浄装置の引き入れを継続するとともに、その後の段階で、プッシャ14の運動で始まった、ステーション1′の洗浄装置3の引き入れは、ベルト7及び9の運動で、強制執行され、また継続し、これらベルトの運動は、ベルト間に位置する洗浄装置の第1セグメント3を引き出し、その後、順次のセグメントを引き出す。洗浄装置3は、マスフローにおける最後の棒状物品5の後方で搬送チャネル4内を移動する。
【0043】
図6は、洗浄装置3の最後のセグメントに位置するマーカ11が、センサ12の前方を移動することで、このセンサを作動させ、この結果、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが完了したことを示す信号を発生する状況を示す。このようにして、制御システムは、洗浄装置全体が搬送チャネル4内に引き入れられたことの確認を得る。洗浄装置3全体を、搬送チャネル4内に引き入れられた後、アクチュエータ13が、トラフ2′を初期位置まで持ち上げ、アクチュエータ15は、プッシャ14も初期位置に移動させる。しかし、洗浄装置は、棒状物品5のマスフローの後方でチャネル4内を移動し続ける。
【0044】
図7は、本発明の実施形態1及び2の双方に使用できる、代替的な運搬システムを示し、この場合、コンベヤベルト22を使用し、洗浄装置3をこれらコンベヤベルト間に配置した状態で、ドッキングステーション1内で洗浄装置3を移動させる機能を有する。コンベヤベルト22は、洗浄装置3とともに、アクチュエータ13によって、傾動又は降下させられた後に、コンベヤベルト22が洗浄装置3の移動を開始する。第1(最初の)セグメントを、搬送チャネル4の空間内に引き入れた後に、ベルト7及び9が、さらに洗浄装置3を引き出す。
【0045】
(第3実施形態)
図8〜
図10において示す、洗浄装置のためのドッキングステーション1″には、マルチセグメント洗浄装置3を格納するよう作用する、じょうご2″を備える。じょうご2″の底端部は、棒状物品5によるマスフロー用の、搬送チャネル4頂壁を形成する。
【0046】
棒状物品5用搬送ルートの一部を構成する、
図8〜
図10に示す搬送チャネル4は、ベルトコンベヤで形成する。頂壁は、ドッキングステーションの前方のベルト6及び後方のベルト7で形成するとともに、搬送チャネル4の底壁は、ベルト8及び9で構成し、ベルト8の終端部及びベルト9の開始部をドッキングステーション1″内に配置する。ステーション1″には、じょうご2″内の洗浄装置3の存在を制御するセンサ10を設けるとともに、洗浄装置自体には、センサ12が搬送チャネル4内にある洗浄装置3を検出するのに供するマーカ11を設ける。マーカ11は、洗浄装置3における最外側のセグメントの両側に配置する。ドッキングステーション1″にはアクチュエータ13を設け、このアクチュエータ13は、じょうご2″を、じょうご内に配置した洗浄装置3とともに、降下させる機能を有する。じょうご2″は、ほぼ垂直方向に直線的に移動できるように取り付ける。ドッキングステーション1″にはセンサ17を設け、このセンサ17は、搬送チャネル4への棒状物品5の装填を制御するものであり、搬送チャネル4の頂壁表面の上方に配置する。
【0047】
図8は、チャネル4内のマスフローが中断し、このことをセンサ17が検出した状況である。棒状物品5がセンサ17の下方にないことを示す信号が、洗浄装置3を引き入れる許可をなす。
【0048】
図9は、じょうご2″をアクチュエータ13によって降下させ、洗浄装置3を搬送チャネル4内に挿入した後の状況を示す。センサ12の機能は、洗浄装置の最外側のセグメントに取り付けたマーカ11を検出することである。
図9の状況において、洗浄装置3の最初のセグメントにおけるマーカ11で作動したセンサ12が発生する信号は、搬送チャネル4内に、洗浄装置3の最初のセグメントを引き入れたことを示す信号である。
【0049】
図10は、洗浄装置全体を、搬送チャネル4内に引き入れ、またセンサ12が、最後のセグメントに位置するマーカ11を検出したときの状況を示す。このときセンサ12が発生した信号が、搬送チャネル4内に、洗浄装置3の最後のセグメントを引き入れたことを示す。
【0050】
第3実施形態による洗浄装置の動作原理を以下に説明する。マスフローの状態となる棒状物品5が搬送チャネル4内を移動する間、洗浄装置3のドッキングステーション1″は初期位置にある、すなわち、洗浄装置3が、ステーション1″におけるじょうご2″内にあり、また搬送チャネル4内に引き入れる準備ができている状態にあり、この準備完了状態を、洗浄装置3の存在を制御するセンサ10からの信号によって確認する。物品は、図示の矢印方向に流れるフローとなる。センサ17が検出する、搬送チャネル4内のマスフローの終了又は中断(
図8参照)の信号で、搬送チャネル4内に洗浄装置3を引き入れ可能となるようにする状態に、ステーション1″が位置を変更する。アクチュエータ13は、じょうご2″を、じょうご内に位置する洗浄装置3とともに降下させる。重力下で、洗浄装置3は、じょうご2″から脱出し、またその最初のセグメントが、ベルト7及び9間で、搬送チャネル4内に滑り込む(
図8参照)。
【0051】
図9に示す状況において、洗浄装置3の最初のセグメントに取り付けたマーカ11は、搬送チャネル4内における洗浄装置の存在を制御するセンサ12を作動させ、この結果、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが開始したことを示す信号を発生する。洗浄装置3の搬送チャネル4内への引き入れは継続するとともに、ステーション1″の洗浄装置3のさらなる引き出しは、ベルト7及び9の移動によって強制執行され、これらベルトは、ベルト間に位置する洗浄装置の最初のセグメントを引っ張り、この後順次のセグメントを引っ張る。洗浄装置3は、マスフローにおける最後の棒状物品5の後方で移動する。
【0052】
図10は、洗浄装置3の最後のセグメントに位置するマーカ11が、センサ12の前方を移動することで、このセンサを作動させ、結果として、搬送チャネル4内への洗浄装置3の引き入れが完了したことを示す信号を発生するときの状況を示す。洗浄装置3全体が搬送チャネル4内に引き入れられた後、アクチュエータ13が、じょうご2″を初期位置まで持ち上げる。しかし、洗浄装置は、棒状物品5のマスフローの後方で搬送チャネル4内を移動し続ける。
【0053】
第1及び第2の実施形態によるドッキングステーションは、「反転」した形態として搬送チャネルの下側に組み込むときでも、何らの変更なしに、収容機能が動作する。搬送チャネルの上方での収容機能を果たすためにドッキングステーションを使用するには、付加的な係合手段、例えば、フック、歯、又はドッキングステーション内に洗浄装置を引き入れることを可能にする類似の手段を組み入れる必要がある。一方、ドッキングステーション内への洗浄装置の引き入れを開始する手段として、コンベヤベルトを使用することは、その都度、「標準」形態、すなわち搬送チャネルの上方に存在する形態でも、収容機能における適正動作を確実なものとする。第3実施形態によるドッキングステーションも、搬送チャネルの下方に配置する形態での、収容機能の作動を確実に行う。
【符号の説明】
【0054】
1,1′,1″ 洗浄装置のドッキングステーション
2 トラフ
2′ プラットフォーム
2″ じょうご
3 洗浄装置
4 搬送チャネル
5 棒状物品
6,7,8,9 ベルトコンベヤ
10 ドッキングステーション内に洗浄装置存在するのを検出するセンサ
11 洗浄装置のマーカ
12 洗浄装置の端面の検出器
13 アクチュエータ
14 プッシャ
15 アクチュエータ
16 トラフの回転軸
17 搬送チャネルの装填センサ
22 コンベヤベルト