(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778273
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】交換可能なセンサプレートを備える圧力スキャナアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01L 19/04 20060101AFI20150827BHJP
【FI】
G01L19/04
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-519838(P2013-519838)
(86)(22)【出願日】2011年7月14日
(65)【公表番号】特表2013-531256(P2013-531256A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】US2011044066
(87)【国際公開番号】WO2012009570
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2014年6月25日
(31)【優先権主張番号】61/365,231
(32)【優先日】2010年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508032239
【氏名又は名称】クーライト・セミコンダクター・プロダクツ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】デローザ,ルー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ヴェールト,ジョセフ
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4633642(JP,B2)
【文献】
特許第3068994(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの交換可能なセンサプレートと、
前記交換可能なセンサプレートの各々に配置されるメモリチップとを備え、
前記交換可能なセンサプレートの各々は、感知された圧力条件を実質的に示す信号を送信する少なくとも1つの圧力センサを有し、
前記メモリチップは、対応する前記交換可能なセンサプレート上の前記圧力センサの各々のための補正係数を記憶するとともに、
前記交換可能なセンサプレートの各々に配置される少なくとも1つのマルチプレクサをさらに備え、前記マルチプレクサの各々は、対応する前記交換可能なセンサプレート上の圧力センサの各々から、前記感知された圧力条件を示す信号を受け取り、最終出力を送信することを特徴とする圧力スキャナアセンブリ。
【請求項2】
前記マルチプレクサの各々を、前記各センサのコモンモード電圧を測定するように構成することにより、前記各圧力センサの温度が測定されることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項3】
前記最終出力がアナログ形式であることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項4】
前記マルチプレクサの各々と電気通信する少なくとも1つの多重化ラインをさらに備え、前記多重化ラインの各々は、前記最終出力に送信される信号および補正係数を選択するよう構成されることを特徴とする請求項3に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項5】
前記最終出力がデジタル形式であることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項6】
前記マルチプレクサの各々と電気通信する少なくとも1つのアナログ・デジタル・コンバータをさらに備え、前記アナログ・デジタル・コンバータは、前記圧力センサによって送信された信号をデジタル信号に変換することを特徴とする請求項5に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項7】
前記各アナログ・デジタル・コンバータは、対応する前記交換可能なセンサプレート上の前記マルチプレクサを制御し、前記最終出力に送信されるデジタル信号および補正係数を選択することを特徴とする請求項6に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項8】
前記各アナログ・デジタル・コンバータから前記最終出力を受け取るように構成される中央マイクロプロセッサをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項9】
前記各交換可能なセンサプレート上に配置され、前記マルチプレクサと前記アナログ・デジタル・コンバータとの間に設置される増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記マルチプレクサおよび対応する前記アナログ・デジタル・コンバータが、1つのユニットに組み合わされることを特徴とする請求項6に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項11】
前記アナログ・デジタル・コンバータは、前記交換可能なセンサプレート上に配置されることを特徴とする請求項6に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項12】
前記交換可能なセンサプレートの各々は、ハーメチックコネクタを介して、前記圧力スキャナアセンブリの本体に接続されることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項13】
閉じた空洞内に前記圧力センサの各々を密封するカバーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項14】
前記圧力センサがピエゾ抵抗圧力センサであることを特徴とする請求項1に記載の圧力スキャナアセンブリ。
【請求項15】
圧力スキャナアセンブリ内の少なくとも1つの交換可能なセンサプレート上に配置される少なくとも1つの圧力センサを介して印加圧力を感知することと、
前記交換可能なセンサプレートの各々に配置されるマルチプレクサに、前記印加圧力を実質的に示す信号を送信することと、
前記圧力センサの各々のための補正係数を読み取ることとを備え、前記補正係数は、前記交換可能なセンサプレートの各々に配置されるメモリチップに記憶されることを特徴とする圧力測定方法。
【請求項16】
最終出力に送信される信号および補正係数を選択することをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記選択することは、前記マルチプレクサの各々と電気通信する少なくとも1つの多重化ラインによって実行されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記最終出力がアナログ形式であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記選択することは、前記マルチプレクサの各々と電気通信する少なくとも1つのアナログ・デジタル・コンバータによって実行されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記最終出力がデジタル形式であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C119(e)の下、2010年7月16日に出願された米国特許仮出願第61/365,231号の優先権を主張するものであり、当該出願は、ここに完全に示したかのように、全体として参照することにより本願に含まれる。
【背景技術】
【0002】
圧力スキャナアセンブリは、広範な圧力範囲を有する多数の圧力センサ(例えば8,16,32,64個等)を1つの小さな箱に内蔵して組み合わせる高精度で低コストの装置である。さらに具体的に言うと、圧力センサは、圧力スキャナアセンブリの小さな箱に対応して丁度収まる大きさのいくつかのセンサプレートに収容される。各圧力センサは、印加圧力源の圧力を計測し、続いてその圧力を示す出力を作り出すように構成される。この出力は、その後、電気コネクタを介して、データロギングシステムに送信される。この出力はアナログ形式でもデジタル形式でもよい。
【0003】
圧力スキャナアセンブリからのデータは、その後実際の圧力測定値に関連付けられなければならない。各センサのゲインおよびオフセットは、生の電圧値から圧力測定値に変換するために使用されなければならない。大抵の圧力スキャナアセンブリでは、出力データはまた熱的誤差を補償するために補正されなければならない。通常、これはデータ収集システムに相関係数および補正係数を手動で入力することによりなされ、時間がかかるものである。また、補正係数を記憶したメモリチップを圧力スキャナアセンブリに組み込んでもよいが、メモリチップは、圧力センサが誤動作したり、交換されたりする度にアップデートおよび/または再調整されなければならない。
【0004】
多くの実施態様では、センサプレートは、圧力スキャナアセンブリに組み込まれており、使用者によって容易に交換されることができない。それどころか、使用者は、必要なセンサプレートや個々のセンサを交換するために、製造者に圧力スキャナアセンブリを送らなければならない。これは時間がかかり、且つ費用がかかり得るものである。他の実施態様では、圧力センサは取り外し可能なセンサプレートに取り付けられ、必要であれば、使える圧力センサを有するセンサプレートが、故障した圧力センサが取り付けられたセンサプレートと取替えられるようになっている。しかしながら、これらの実施態様では、取替用圧力センサは、同じ圧力範囲であること、および/または、同様の補正係数を有することが必要である。したがって、もし異なる圧力パラメータの下で作動するよう構成されたセンサプレートが取替用センサプレートとして使用されると、逆に圧力スキャナアセンブリ全体の電子機器の妨げとなってしまう。
【0005】
これらの制限のため、圧力スキャナアセンブリの電子機器構成を邪魔することなく、または、組み込まれたメモリチップを再調整および/またはアップデートすることなく、センサプレートが、同じまたは異なる圧力範囲の他のセンサプレートと交換されることができる、交換可能なセンサプレートを有する圧力スキャナが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の様々な実施形態は、少なくとも1つの交換可能なセンサプレートを備える圧力スキャナアセンブリを提供する。ここで、当該交換可能なセンサプレートの各々は、感知された圧力条件を実質的に示す信号を送信する少なくとも1つの圧力センサを有する。圧力スキャナアセンブリは、交換可能なセンサプレートの各々に組み込まれるメモリチップをさらに備え、当該メモリチップは、対応する交換可能なセンサプレート上の各々の圧力センサの補正係数を記憶する。
【0007】
いくつかの実施形態では、圧力スキャナアセンブリは、各々の交換可能なセンサプレート上に組み込まれる少なくとも1つのマルチプレクサをさらに備えてもよい。ここで、当該各々のマルチプレクサは、対応する交換可能なセンサプレート上の各々の圧力センサから、感知された圧力条件を示す信号を受け取り、最終出力を送信するように構成される。
【0008】
また、いくつかの実施形態は、各マルチプレクサと電気通信する少なくとも1つの多重化ラインを含む。ここで、当該各々の多重化ラインは、最終出力に送信される信号および補正係数を選択するよう構成される。当該最終出力はアナログ形式でもデジタル形式でもよい。
【0009】
さらに具体的に言うと、アナログ圧力スキャナアセンブリの実施形態は、各々の交換可能なセンサプレートが、感知された圧力条件を実質的に示す信号を送信する少なくとも1つの圧力センサを有する少なくとも1つの交換可能なセンサプレートと、対応する交換可能なセンサプレート上の各々の圧力センサのための補正係数を記憶する、各々の交換可能なセンサプレート上に取り付けられたメモリチップと、対応する交換可能なセンサプレート上の各々の圧力センサから信号を受け取り、最終アナログ出力を送信するよう構成される、各々の交換可能なセンサプレート上に取り付けられた少なくとも1つのマルチプレクサとを備えてもよい。
【0010】
アナログ圧力スキャナアセンブリは、各マルチプレクサと電気通信する少なくとも1つの多重化ラインをさらに備えてもよい。ここで、各々の多重化ラインは、最終出力に送信される信号および補正係数を選択するよう構成される。
【0011】
さらに、デジタル圧力スキャナアセンブリの実施形態は、各々の交換可能なセンサプレートが、感知された圧力条件を実質的に示す信号を送信する少なくとも1つの圧力センサを有する少なくとも1つの交換可能なセンサプレートと、対応する交換可能なセンサプレート上の各々の圧力センサのための補正を記憶する、各々の交換可能なセンサプレート上に取り付けられたメモリチップと、各々の圧力センサからアナログ信号を受け取るよう構成された、各々の交換可能なセンサプレート上に取り付けられた少なくとも1つのマルチプレクサと、各々の交換可能なセンサプレート上に取り付けられ、対応する交換可能なセンサプレート上のマルチプレクサと電気通信してアナログ信号をデジタル信号に変換する、少なくとも1つのアナログ・デジタル・コンバータとを備えてもよい。
【0012】
この実施形態では、各アナログ・デジタル・コンバータは、対応するセンサプレート上のマルチプレクサを制御し、最終デジタル出力で送信されるデジタル信号および補正係数を選択する。あるデジタル圧力スキャナアセンブリの実施形態では、各アナログ・デジタル・コンバータから最終デジタル出力を受け取るよう構成される中央マイクロプロセッサをさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の典型的な実施形態に従って、圧力スキャナアセンブリの実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本発明の典型的な実施形態に従って、アナログ圧力スキャナアセンブリの実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本発明の典型的な実施形態に従って、デジタル圧力スキャナアセンブリの実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の典型的な実施形態に従って、デジタル圧力スキャナアセンブリの典型的な実施形態を示す。
【
図5】
図5は、温度および加えられた圧力の両方を計測できるピエゾ抵抗圧力センサの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の好適な実施形態が詳細に説明されるが、他の実施形態も考えられることが理解されるべきである。したがって、発明が、以下の記載または図面に示される詳細な構成要素の構造および配置の範囲に限定されることを意図するものではない。発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施されたり実行されたりすることができる。また、好適な実施形態を述べる際、明確さを目的として、特定の専門用語が用いられる。
【0015】
この明細書および添付の請求項では、単数形形式の「a」、「an」および「the」は、文脈が別な方法で明確に指示しなければ、複数の指示対象を含むことも言及しておかなければならない。
【0016】
また、好適な実施形態を述べる際、明確さを目的として、専門用語が用いられる。各用語は、当業者には明らかなように最も広い意味をもくろむものであり、同じ目的を成し遂げるために同様の方法で動作する、技術的に同等のものをすべて含むことを目的とする。
【0017】
ここで範囲は、「約(about)」または「およそ(approximately)」のある特定の値から、および/または、「約(about)」または「およそ(approximately)」の別の特定の値までと表現されることがある。このような範囲が示された場合、別の実施形態は、ある特定の値から、および/または、もう一つの特定の値まで、を含むものとする。
【0018】
「からなる(comprising)」または「含む(containing)」、「含む(including)」は、合成物または品目、方法に、少なくとも指名された合成物または成分、粒子、方法ステップが存在することを意味し、たとえ、他の合成物、材料、粒子、方法ステップが指名されたものと同じ機能を有するとしても、これら他の合成物、材料、粒子、方法ステップの存在を除外するものではない。
【0019】
1つまたは複数の方法ステップの言及は、追加の方法ステップまたは明確に特定された方法ステップの間に介在する方法ステップの存在を除外するものではないことも理解されなければならない。同様に、装置またはシステム内の1つまたは複数の構成要素が、追加の構成要素または明確に特定された構成要素の間に介在する構成要素を除外するものではないことも理解されなければならない。
【0020】
ここで図面を参照すると、図中、同様の数字は同様の要素を示し、本発明の典型的な実施形態がここで述べられる。本発明の図および記載は、本発明を明確に理解するのに適切である要素を説明するために簡略化されており、一方、明確さを目的として、典型的な圧力スキャナアセンブリ、その製造方法および使用方法に見られる多くの他の要素を除外している。当業者は、本発明を実施するために、他の要素が好ましい、および/または、必要であると認識するだろう。しかしながら、そのような要素はその分野において周知であり、本発明のより深い理解を容易にするものではないから、そのような要素の議論はここでは行わない。
【0021】
本発明の典型的な発明では、少なくとも1つの交換可能なセンサプレートを備える圧力スキャナアセンブリが提供される。各センサプレートは、印加圧力を計測し、印加圧力を実質的に示す出力信号を送信する少なくとも1つの圧力センサを備える。圧力スキャナアセンブリは、交換可能なセンサプレートの各々に取り付けられたメモリチップをさらに備えてもよく、当該メモリチップは、対応するセンサプレート上の圧力センサの各々の補正係数を記憶する。
【0022】
圧力スキャナアセンブリ100の典型的な実施形態を
図1に示す。圧力スキャナアセンブリ100は、少なくとも1つのセンサプレート105を備える。当業者は、圧力スキャナアセンブリが、2つ以上のセンサプレート105、例えば限定されるものではないが、2つまたは4つのセンサプレートを備えてもよいことを十分理解するだろう。
【0023】
センサプレート105は、圧力スキャナアセンブリ100の本体内に丁度収まる大きさとなるように構成され、使用者によって容易に取り外して交換できる。したがって、使用者は、圧力検出範囲をコントロールし、および/または、故障したセンサプレート105(または定期保守を必要とするもの)を正しく動作するセンサプレートに交換するために、センサプレート105を容易に交換することができる。この構成により、大きなコストおよび長い故障時間を発生させることなく、使用者が1つまたは複数のセンサプレート105を迅速に交換し、圧力スキャナアセンブリ100を使用し続けることができるという使用者にとって大きな利益を得ることができる。センサプレート105は、多くの材料で形成することができ、多くの寸法、例えば限定されるものではないが、約0.5インチ×2.5インチの寸法とすることができる。
【0024】
各センサプレート105は、少なくとも1つの圧力センサ110を備える。しかしながら、当業者は、各センサプレート105が、2つ以上の圧力センサ110、例えば限定されるものではないが、8個のセンサまたは16個のセンサを有してもよいことを十分理解するだろう。圧力センサ110は、印加圧力を計測し、印加圧力を実質的に示す信号を出力する。圧力センサ110は、例えば限定されるものではないが、ピエゾ抵抗圧力センサを採用できる。圧力センサ110は、同じ圧力範囲を計測するように構成してもよいし、対照的に、圧力センサ110は、異なる圧力範囲を計測するように構成してもよい。この広い圧力範囲の許容範囲により、圧力スキャナアセンブリ100は、多数の圧力範囲をスキャンおよび切り替えすることができ、こうして圧力スキャナアセンブリ100のスループットおよび生産性が増大する。
【0025】
図1に示すように、各センサ110は、電子ボード115に接続される。電子ボード115は、いくつかの電子機器、例えば限定されるものではないが、実施形態で必要とされる通り、マルチプレクサ、メモリチップおよび/またはアナログ・デジタル・コンバータを備え、これらはここでさらに述べられる。圧力スキャナアセンブリ100はまた、圧力センサ110および電子ボード115を、カバーとセンサプレートとの間に形成される閉じた空洞内に密封するよう構成されたカバー125を備える。このようにして、センサプレート105の最上部は、外部環境から遮断され続け、基準圧力が加えられて圧力センサ110により正確に計測されることができる。さらに、電子ボード115は、ハーメチックコネクタを介して圧力スキャナアセンブリ100の本体に接続している。このコネクタにより、密封された空洞を維持しながら、電気信号が出ていくことができる。
【0026】
本発明の圧力スキャナアセンブリ100は、アナログ形式またはデジタル形式で出力するよう構成される。
図2は、本発明の典型的な実施形態に従ったアナログ圧力スキャナアセンブリ200の図である。アナログ圧力スキャナアセンブリ200は、少なくとも1つのセンサプレート205を備える。上述したように、各センサプレート205は複数の圧力センサ210を備えてもよく、圧力センサ210は、印加圧力を計測し、印加圧力に実質的に比例した信号を出力するよう構成される。各センサプレート200は、交換可能であり、同じまたは異なる圧力範囲のセンサプレートに交換されてもよい。アナログ圧力スキャナアセンブリ200は、各センサプレート205に取り付けられるメモリチップ215をさらに備える。メモリチップ215は、熱的誤差および通常各個々の圧力センサ210と関連する他の誤差を訂正するため、対応するセンサプレート205上の各圧力センサ210に対する係数を備え、さらに圧力信号を実際の圧力測定値に相互に関連付ける。したがって、各センサプレート205は、対応するセンサプレート205上に取り付けられた各個々の圧力センサ210に特有のメモリチップ215を有するので、センサプレート205は、アナログ圧力スキャナアセンブリ200を再調整することなく、またはメモリチップ215を手動でアップデートすることなく、容易に交換され、置き換えられる。
【0027】
アナログ圧力スキャナアセンブリ200は、各々のセンサプレート205上に取り付けられた少なくとも1つのマルチプレクサ220、および、各マルチプレクサと電気通信する少なくとも1つの多重化ライン225をさらに備える。各センサプレート205が複数のマルチプレクサ220を備え、さらに、アナログ圧力スキャナアセンブリ200が複数の多重化ライン225を備えることが理解されなければならない。マルチプレクサ220は、対応するセンサプレート205上に取り付けられた各々の圧力センサ210から圧力信号を受信する。多重化ライン225は、各々のセンサプレート205上に取り付けられたマルチプレクサ220と電気的に通信し、どの圧力センサ信号が出力ライン230を介して出力されるか選択するために2進数アドレスを使用する。典型的な実施形態では、出力はアナログ出力である。多重化ライン225はまた、選択された圧力センサ信号に対応する適切なメモリチップ215および補正係数を選択するために2進数アドレスを使用する。この通信は、1つの多重化ラインでなされてもよいし、またはその代わりに、多数の多重化ラインでなされてもよい。また、アナログ増幅器が、マルチプレクサの後段に、各個々のセンサプレート上か、主スキャナアセンブリ上のどちらかに置かれてもよい。
【0028】
図3および4は、本発明の典型的な実施形態に従ったデジタル圧力スキャナアセンブリ300の図である。上述のアナログ圧力スキャナアセンブリ200のように、デジタル圧力スキャナアセンブリ300もまた、交換可能なセンサプレート305を備え、各センサプレート305は、圧力センサ310、メモリチップ315およびマルチプレクサ320を備える。しかしながら、デジタル圧力スキャナアセンブリ300は、アナログ・デジタル・コンバータ(A/D)325をさらに備える。ある実施形態では、A/D325は、スペースを節約するために、
図3に示すようにセンサプレート305上に取り付けられる。他の実施形態では、A/D325は、
図4に示すように、デジタル圧力スキャナアセンブリ300内に取り付けられ、センサプレート305から独立している。これにより、センサプレート305のコストおよびサイズが減少する。両実施形態において、A/D325は、マルチプレクサ320を制御し、アナログ圧力スキャナアセンブリ200のように、どの圧力センサ信号が出力されるかを選択する。その後、A/D325は、選択された圧力センサ信号からのアナログデータをデジタル信号に変換し、デジタル圧力スキャナアセンブリ300内に設けられる中央マイクロプロセッサ330にそのデータを送る。そしてマイクロプロセッサ330は各々のセンサプレート305上に取り付けられたメモリチップ315を読み込み、デジタルデータを読み取るために、各選択された圧力センサ310に対応する補正係数を使用する。マイクロプロセッサ330とメモリチップ315との間の通信は、A/D325と同じデジタルラインで実行されてもよいし、別個のラインで実行されてもよい。マイクロプロセッサは、別個の出力制御ラインを通して直接マルチプレクサを制御することもまた理解される。
【0029】
各センサプレート305は、センサプレート305上に取り付けられる圧力センサ310の数および要求されるデータ転送速度に依存して、1つ以上のA/D325を有することが理解されるべきである。各々のセンサプレート305上に取り付けられたA/D325を有することで、A/D325と圧力センサ315とがごく接近して、高い雑音排除性をもたらす。また、アナログ信号が、さもなければA/D325と圧力センサ310との間に配置される機械的なコネクタを通ることを避けられるので、高い雑音排除性をもたらす。デジタル圧力スキャナアセンブリ300は、A/D325のために高レベル測定信号を生成する目的で、各センサプレート305上でマルチプレクサ320とA/D325との間に配置される増幅器をさらに備えてもよい。
【0030】
述べたように、アナログ圧力スキャナアセンブリ200の実施形態、および、デジタル圧力スキャナアセンブリ300の実施形態ともに、センサプレート205/305上に取り付けられたメモリチップ215/315を備える。この構成により、多くの異なる圧力範囲の圧力センサが、大掛かりな再調整または新しいデータ点の入力をしなくても、圧力スキャナアセンブリに容易に追加されることができる。このようにして、単独の圧力スキャナアセンブリは、例えば5 PSI(ポンド毎平方インチ:1PSI=6894.757Pa) differential(差圧)、15 PSI absolute(絶対圧)および100 PSI absolute(絶対圧)の圧力範囲を同時に正確に測定することができる。
【0031】
本発明の別な利点として、マルチプレクサの特有の構成により、同じ測定システムを使用して、圧力と同様にセンサ温度の計測が可能である。例として、
図5は、温度および印加圧力の両方を測定可能なピエゾ抵抗圧力センサ400を示す。アナログ出力スキャナの場合、マルチプレクサは、それらの間の差分よりはむしろピエゾ抵抗ブリッジ405の両側の測定を可能にさせる別個の入力を有するよう構成されることができる。当業者は、これらの2つのコモンモード測定を平均することにより、ピエゾ抵抗ブリッジの抵抗の値が、ブリッジ405に直列に固定スパン抵抗410があるという条件で、計算されることを十分理解するだろう。ブリッジの抵抗はブリッジ温度に比例するので、この値はブリッジ温度の計算に使用されることができる。同様に、デジタル出力スキャナでは、圧力を測定するのに使用されるのと同じA/Dが、温度を測定するために使用されることができる。この温度データはその後、全温度範囲にわたる圧力を正確に計算するために、メモリに記憶された補正係数と一緒に、内部マイクロプロセッサまたは外部システムのどちらかで使用することができる。
【0032】
多くの特性および利点が、構造および機能の詳細とともに、前述の記載で説明された。発明はいくつかの形で開示されたが、当業者にとって、本発明の精神および要旨を逸脱しない範囲で、および、以下の請求項に記載されるものと同等のものの範囲で、特に形、サイズおよび部品の配置のことで、多くの改良、追加および削除がなされ得ることは明らかである。したがって、教示した内容によって示唆される他の改良または実施形態は、特に、ここに付加される請求項の広さおよび範囲に含まれるように保有される。