(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御回路は、前記第1のモードから前記第2のモードに移行する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、小さくし、前記第2のモードから前記第3のモードに移行する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を短くする
ことを特徴とする請求項1に記載のLED照明調光回路。
LED素子の調光を制御するLED照明調光回路であって、電源電圧が供給される電源端子と、接地に接続される接地端子と、前記電源端子に接続され、且つ前記LED素子のアノード側が接続される第1の出力端子と、前記LED素子のカソード側が接続される第2の出力端子と、前記第1の出力端子に一端が接続され、前記第2の出力端子に他端が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他端に一端が接続されたコイルと、前記コイルの他端に一端が接続されたスイッチ素子と、前記スイッチ素子の他端に一端が接続され、前記接地端子に他端が接続された抵抗と、前記電源端子にカソードが接続され、前記コイルの他端にアノードが接続されたダイオードと、前記LED素子の調光率を示す調光信号に応じて、スイッチ制御信号により前記スイッチ素子の動作を制御する制御回路と、を備えるLED照明調光回路によるLED照明調光方法であって、
前記調光信号が第1の調光率を示す第1のモードにおいて、前記スイッチ素子をオンするオン期間と前記スイッチ素子をオフするオフ期間からなるスイッチング周期を固定することで前記スイッチング周期の逆数であるスイッチング周波数を固定し、
前記調光信号が前記第1の調光率から前記第1の調光率よりも低い第2の調光率までの第1の調光区間の調光率を示す第2のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、小さくすることで、前記スイッチング周波数を上げ、
前記調光信号が前記第2の調光率から前記第2の調光率よりも低い第3の調光率までの第2の調光区間の調光率を示す第3のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を短くすることで、前記スイッチング周波数を上げ、
前記調光信号が前記第3の調光率から前記第3の調光率よりも低い第4の調光率までの第3の調光区間の調光率を示す第4のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記オン期間を短くしつつ、前記オフ期間を長くして、スイッチング周波数を可聴周波数に近くなるように下げ、
前記調光信号が前記第4の調光率の調光率を示す第5のモードにおいて、前記オン期間を固定し、且つ前記オフ期間を前記第4のモードにおけるオフ期間よりも長い期間に固定することで、前記スイッチング周波数を下げ、
前記第5のモードにおけるスイッチング周波数は、前記第1のモードにおけるスイッチング周波数より低く、前記第2から第4のモードにおけるスイッチング周波数は、前記第1および第5のモードにおけるスイッチング周波数よりも高い、
ことを特徴とするLED照明調光方法。
【発明の開示】
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従ったLED照明調光回路は、
LED素子の調光を制御するLED照明調光回路であって、
電源電圧が供給される電源端子と、
接地に接続される接地端子と、
前記電源端子に接続され、且つ前記LED素子のアノード側が接続される第1の出力端子と、
前記LED素子のカソード側が接続される第2の出力端子と、
前記第1の出力端子に一端が接続され、前記第2の出力端子に他端が接続されたコンデンサと、
前記コンデンサの他端に一端が接続されたコイルと、
前記コイルの他端に一端が接続されたスイッチ素子と、
前記スイッチ素子の他端に一端が接続され、前記接地端子に他端が接続された抵抗と、
前記電源端子にカソードが接続され、前記コイルの他端にアノードが接続されたダイオードと、
前記LED素子の調光率を示す調光信号に応じて、スイッチ制御信号により前記スイッチ素子の動作を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記調光信号が第1の調光率を示す第1のモードにおいて、前記スイッチ素子をオンするオン期間と前記スイッチ素子をオフするオフ期間からなるスイッチング周期を固定し、
前記調光信号が前記第1の調光率から前記第1の調光率よりも低い第2の調光率までの第1の調光区間の調光率を示す第2のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、小さくし、
前記調光信号が前記第2の調光率から前記第2の調光率よりも低い第3の調光率までの第2の調光区間の調光率を示す第3のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を短くする
ことを特徴とする。
【0010】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第2のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が上昇する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、大きくする
ことを特徴とする。
【0011】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第3のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が上昇する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を長くする
ことを特徴とする。
【0012】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記調光信号が前記第3の調光率から前記第3の調光率よりも低い第4の調光率までの第3の調光区間の調光率を示す第4のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記オン期間を短くしつつ、前記オフ期間を長くする
ことを特徴とする。
【0013】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第4のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が上昇する場合、前記オン期間を長くしつつ、前記オフ期間を短くする
ことを特徴とする。
【0014】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記調光信号が前記第4の調光率の調光率を示す第5のモードにおいて、前記オン期間を固定し、且つ前記オフ期間を前記第4のモードにおけるオフ期間よりも長い期間に固定する
ことを特徴とする。
【0015】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、前記第1のモードから前記第2のモードに移行する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、小さくし、前記第2のモードから前記第3のモードに移行する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を短くする
ことを特徴とする。
【0016】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、大きくする
ことを特徴とする。
【0017】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第3のモードから前記第2のモードに移行する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を長くする
ことを特徴とする。
【0018】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第3のモードから前記第4のモードに移行する場合、前記オン期間を短くしつつ、前記オフ期間を長くする
ことを特徴とする。
【0019】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、前記第4のモードから前記第3のモードに移行する場合、前記オン期間を長くしつつ、前記オフ期間を短くする
ことを特徴とする。
【0020】
前記LED照明調光回路において、
前記制御回路は、
前記第4のモードから前記第5のモードに移行する場合、前記オン期間を維持したまま、前記オフ期間を前記第4のモードにおけるオフ期間よりも長い期間にし、
前記第5のモードから前記第4のモードに移行する場合、前記オン期間を維持したまま、前記オフ期間を前記第5のモードにおけるオフ期間よりも短い期間にする
ことを特徴とする。
【0021】
前記LED照明調光回路において、
前記第1のモードにおける前記第1の調光率に対応する前記スイッチング周期の逆数であるスイッチング周波数は、可聴周波数より高い
ことを特徴とする。
【0022】
LED素子の調光を制御するLED照明調光回路であって、電源電圧が供給される電源端子と、接地に接続される接地端子と、前記電源端子に接続され、且つ前記LED素子のアノード側が接続される第1の出力端子と、前記LED素子のカソード側が接続される第2の出力端子と、前記第1の出力端子に一端が接続され、前記第2の出力端子に他端が接続されたコンデンサと、前記コンデンサの他端に一端が接続されたコイルと、前記コイルの他端に一端が接続されたスイッチ素子と、前記スイッチ素子の他端に一端が接続され、前記接地端子に他端が接続された抵抗と、前記電源端子にカソードが接続され、前記コイルの他端にアノードが接続されたダイオードと、前記LED素子の調光率を示す調光信号に応じて、スイッチ制御信号により前記スイッチ素子の動作を制御する制御回路と、を備えるLED照明調光回路によるLED照明調光方法であって、
前記調光信号が第1の調光率を示す第1のモードにおいて、前記スイッチ素子をオンするオン期間と前記スイッチ素子をオフするオフ期間からなるスイッチング周期を固定し、
前記調光信号が前記第1の調光率から前記第1の調光率よりも低い第2の調光率までの第1の調光区間の調光率を示す第2のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記スイッチング周期を、前記オン期間と前記オフ期間の比率を維持したまま、小さくし、
前記調光信号が前記第2の調光率から前記第2の調光率よりも低い第3の調光率までの第2の調光区間の調光率を示す第3のモードにおいて、前記調光信号が示す調光率が低下する場合、前記オフ期間を固定したまま、前記オン期間を短くする
ことを特徴とする。
【0023】
本発明に係るLED照明調光回路では、調光時にスイッチング周波数が高くなりすぎないようにスイッチ素子のオフ幅を変調させ、限られた周波数範囲で最大の調光範囲を可能にする。
【0024】
調光は、5つのモードで行う。すなわち、最大電流でLED素子を発光させる最大電流モードと、ピーク電流を下げて調光を行う周波数変調モードと、オフ幅を固定してオン幅のみ狭めるオフ幅固定モードと、オフ幅を伸ばして、オン幅を狭めるオフ幅変調モードと、最小電流でLED素子を発光させる最小電流モードと、の5つのモードを連続して実行する。
【0025】
このように、スイッチ素子のオン幅を狭めながら同時にスイッチ素子のオフ幅を広げると、周波数変動範囲を狭くすることができる。
【0026】
そして、調光率が低い時(暗い時)にスイッチング周波数を下げる制御であるため可聴周波数に近くなる時は、電流(エネルギー)は最小となっている。
【0027】
したがって、LED照明調光回路のスイッチ素子のスイッチングに起因する音はユーザに聞こえにくくなる。
【0028】
一方、従来技術では、電流(エネルギー)が最大の時に可聴周波数に近くなるため、LED照明調光回路のスイッチ素子のスイッチングに起因する音はユーザに聞こえやすい。
【0029】
以上のように、本発明に係るLED照明調光回路は、狭い周波数変動範囲で広い調光範囲を実現できる。
【0030】
特に、効率が良く、ノイズが少ない電流臨界モードの利点を生かしつつ、周波数変動を小さくすることができる。
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るLED照明調光回路100の構成の一例を示す図である。また、
図2は、
図1に示すLED照明調光回路100の各モードにおける動作波形の一例を示す図である。
【0034】
図1に示すように、LED照明調光回路100は、電源端子TBと、接地端子TEと、第1の出力端子TOUT1と、第2の出力端子TOUT2と、コンデンサCと、コイルLと、抵抗Rと、スイッチ素子SWと、制御回路CONと、を備える。
電源端子TBは、電源電圧が供給されるようになっている。この電源端子TBにバッテリ(電源)Bの正極が接続される。
【0035】
接地端子TEは、接地に接続されるようになっている。この接地端子TEにバッテリ(電源)Bの負極が接続される。
【0036】
第1の出力端子TOUT1は、電源端子TBに接続され、且つLED素子Aのアノード側が接続されるようになっている。
【0037】
第2の出力端子TOUT2は、LED素子Aのカソード側が接続されるようになっている。
【0038】
コンデンサCは、第1の出力端子TOUT1に一端が接続され、第2の出力端子TOUT2に他端が接続されている。
【0039】
コイルLは、コンデンサCの他端に一端が接続されている。
【0040】
スイッチ素子SWは、コイルLの他端に一端が接続されている。
【0041】
抵抗Rは、スイッチ素子SWの他端に一端が接続され、接地端子TEに他端が接続されている。
【0042】
ダイオードDは、電源端子TBにカソードが接続され、コイルLの他端にアノードが接続されている。
【0043】
制御回路CONは、LED素子Aの調光率を示す調光信号REFに応じて、スイッチ制御信号GATEによりスイッチ素子SWの動作を制御するようになっている。なお、スイッチ素子SWは、例えば、コイルLの他端に一端が接続され、抵抗Rの一端に他端が接続され、上記スイッチ制御信号GATEがゲートに供給されるMOSトランジスタ(
図1の例では、nMOSトランジスタ)である。
【0044】
ここで、例えば、制御回路CONは、調光信号REFが第1の調光率x1を示す第1のモード(最大電流モード)M1において(
図2の時刻ta以前)、スイッチ素子SWをオンするオン期間t1とスイッチ素子SWをオフするオフ期間t2からなるスイッチング周期を固定するようになっている。
【0045】
そして、第1のモードM1における第1の調光率x1に対応するスイッチング周期の逆数であるスイッチング周波数は、可聴周波数より高くなるように設定されている。
【0046】
なお、第1の調光率x1は、例えば、100%である。
【0047】
また、制御回路CONは、調光信号REFが第1の調光率x1から第1の調光率x1よりも低い第2の調光率x2までの第1の調光区間I1の調光率を示す第2のモード(周波数変調モード)M2において(
図2の時刻ta〜時刻tb)、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、小さくするようになっている。
【0048】
なお、制御回路CONは、この第2のモードM2において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、大きくするようになっている。
【0049】
なお、制御回路CONは、第1のモードM1から第2のモードM2に移行する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、小さくするようになっている。
【0050】
一方、制御回路CONは、第2のモードM2から第1のモードM1に移行する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、大きくするようになっている。
【0051】
また、制御回路CONは、調光信号REFが第2の調光率x2から第2の調光率x2よりも低い第3の調光率x3までの第2の調光区間I2の調光率を示す第3のモード(オフ幅固定モード)M3において(
図2の時刻tb〜時刻tc)、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を短くするようになっている。
【0052】
なお、制御回路CONは、この第3のモードM3において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を長くするようになっている。
【0053】
なお、制御回路CONは、第2のモードM2から第3のモードM3に移行する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を短くするようになっている。
【0054】
一方、制御回路CONは、第3のモードM3から第2のモードM2に移行する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を長くするようになっている。
【0055】
また、制御回路CONは、調光信号REFが第3の調光率x3から第3の調光率x3よりも低い第4の調光率x4までの第3の調光区間I3の調光率を示す第4のモード(オフ幅変調モード)M4において(
図2の時刻tc〜時刻td)、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、オン期間t1を短くしつつ、オフ期間t2を長くするようになっている。
【0056】
なお、制御回路CONは、この第4のモードM4において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、オン期間t1を長くしつつ、オフ期間t2を短くするようになっている。
【0057】
なお、制御回路CONは、第3のモードM3から第4のモードM4に移行する場合、オン期間t1を短くしつつ、オフ期間t2を長くするようになっている。
【0058】
一方、制御回路CONは、第4のモードM4から第3のモードM3に移行する場合、オン期間t1を長くしつつ、オフ期間t2を短くするようになっている。
【0059】
なお、第4の調光率x4は、例えば、0%から1%の間の値(
図2の例では、0.2%)である。
【0060】
また、制御回路CONは、調光信号REFが第4の調光率x4の調光率を示す第5のモード(最小電流モード)M5において(
図2の時刻td以降)、オン期間t1を固定し、且つオフ期間t2を第4のモードM4におけるオフ期間t2よりも長い期間に固定するようになっている。
【0061】
なお、制御回路CONは、第4のモードM4から第5のモードM5に移行する場合、オン期間t1を維持したまま、オフ期間t2を第4のモードM4におけるオフ期間t2よりも長い期間にするようになっている。
【0062】
一方、制御回路CONは、第5のモードM5から第4のモードM4に移行する場合、オン期間t1を維持したまま、オフ期間t2を第5のモードM5におけるオフ期間t2よりも短い期間にするようになっている。
【0063】
以上のように、LED照明調光回路100は、調光信号REFに応じて、LED素子Aの調光を制御するようになっている。なお、調光信号REFは、例えば、使用者の操作に応じてマイコン(図示せず)から出力される。
【0064】
次に、以上のような構成を有するLED照明調光回路100の動作の一例について説明する。
【0065】
例えば、
図2の時刻ta以前では、制御回路CONは、制御モードが第1のモード(最大電流モード)M1になる。そして、制御回路CONは、スイッチ素子SWをオンするオン期間t1とスイッチ素子SWをオフするオフ期間t2からなるスイッチング周期を固定する。
【0066】
そして、制御回路CONは、第1のモードM1から第2のモードM2に移行する場合(時刻ta)、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、小さくする。
【0067】
次に、
図2の時刻ta〜時刻tbでは、制御回路CONは、制御モードが第2のモード(周波数変調モード)M2になる。そして、制御回路CONは、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、小さくする。
【0068】
なお、既述のように、制御回路CONは、この第2のモードM2において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、大きくする。
【0069】
また、既述のように、制御回路CONは、第2のモードM2から第1のモードM1に移行する場合、スイッチング周期を、オン期間t1とオフ期間t2の比率を維持したまま、大きくする。
【0070】
そして、制御回路CONは、第2のモードM2から第3のモードM3に移行する場合(時刻tb)、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を短くする。
【0071】
次に、
図2の時刻tb〜時刻tcでは、制御回路CONは、制御モードが第3のモード(オフ幅固定モード)M3になる。そして、制御回路CONは、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を短くする。
【0072】
なお、既述のように、制御回路CONは、この第3のモードM3において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を長くする。
【0073】
また、既述のように、制御回路CONは、第3のモードM3から第2のモードM2に移行する場合、オフ期間t2を固定したまま、オン期間t1を長くするようになっている。
【0074】
そして、制御回路CONは、第3のモードM3から第4のモードM4に移行する場合(時刻tc)、オン期間t1を短くしつつ、オフ期間t2を長くする。
【0075】
次に、
図2の時刻tc〜時刻tdでは、制御回路CONは、制御モードが第4のモード(オフ幅変調モード)M4になる。そして、制御回路CONは、調光信号REFが示す調光率が低下する場合、オン期間t1を短くしつつ、オフ期間t2を長くする。
【0076】
なお、既述のように、制御回路CONは、この第4のモードM4において、調光信号REFが示す調光率が上昇する場合、オン期間t1を長くしつつ、オフ期間t2を短くする。
【0077】
なお、既述のように、制御回路CONは、第4のモードM4から第3のモードM3に移行する場合、オン期間t1を長くしつつ、オフ期間t2を短くする。
【0078】
そして、制御回路CONは、第4のモードM4から第5のモードM5に移行する場合(時刻td)、オン期間t1を維持したまま、オフ期間t2を第4のモードM4におけるオフ期間t2よりも長い期間にする。
【0079】
次に、
図2の時刻td以降では、制御回路CONは、制御モードが第5のモード(最小電流モード)M5になる。そして、制御回路CONは、オン期間t1を固定し、且つオフ期間t2を第4のモードM4におけるオフ期間t2よりも長い期間に固定する。
【0080】
なお、既述のように、制御回路CONは、第5のモードM5から第4のモードM4に移行する場合、オン期間t1を維持したまま、オフ期間t2を第5のモードM5におけるオフ期間t2よりも短い期間にする。
【0081】
ここで、
図3は、
図1に示すLED照明調光回路100および従来のLED照明調光回路の調光率とスイッチング周波数と関係を示す特性図である。
【0082】
図3に示す従来のLED照明調光回路では、調光率の大きさに拘わらず、周波数変調モードを採用している。すなわち、従来のLED照明調光回路では、調光率が低下する場合、スイッチング周期を、オン期間とオフ期間の比率を維持したまま、小さくし、一方、調光率が上昇する場合、スイッチング周期を、オン期間とオフ期間の比率を維持したまま、大きくする。
【0083】
したがって、調光率が0%に近づくと、スイッチング周波数が最大になり(200kHz以上)、調光率が100%に近づくと、スイッチング周波数が最低になる。
【0084】
すなわち、従来のLED照明調光回路では、スイッチ素子のエネルギーが高くなる調光率が100%近傍で、スイッチング周波数が可聴周波数(例えば、20kHz)より低くなる。
【0085】
したがって、従来のLED照明調光回路では、人の耳にスイッチングノイズが聞こえ得る。
【0086】
さらに、従来のLED照明調光回路では、調光率が0%近傍で、スイッチング周波数が高く(200kHz以上)なるので、効率が低下するとともにスイッチ素子の制御が困難になる。
【0087】
一方、実施例1に係るLED照明調光回路100では、既述のように、調光率の大きさに合わせて、制御モードを変更している。
【0088】
これにより、
図3に示すように、調光率が0%近傍で、スイッチング周波数が低くなり(20kHz程度)、調光率が100%に近づくと、スイッチング周波数が低くなる(60kHz程度)。
図3の例では、スイッチング周波数の最大値でも、150kHz程度である。
【0089】
すなわち、実施例1のLED照明調光回路100では、スイッチ素子のエネルギーが高くなる調光率が100%近傍で、スイッチング周波数が可聴周波数(例えば、60kHz)より高くできる。
【0090】
このように、実施例1のLED照明調光回路100では、最大の調光率でスイッチング周波数が可聴周波数(例えば、20kHz)より高くなるように設定されている。
【0091】
以上のように、本発明に係るLED照明調光回路では、調光時にスイッチング周波数が高くなりすぎないようにスイッチ素子のオフ幅を変調させ、限られた周波数範囲で最大の調光範囲を可能にする。
【0092】
調光は、5つのモードで行う。すなわち、最大電流でLED素子を発光させる最大電流モードと、ピーク電流を下げて調光を行う周波数変調モードと、オフ幅を固定してオン幅のみ狭めるオフ幅固定モードと、オフ幅を伸ばして、オン幅を狭めるオフ幅変調モードと、最小電流でLED素子を発光させる最小電流モードと、の5つのモードを連続して実行する。
【0093】
このように、スイッチ素子のオン幅を狭めながら同時にスイッチ素子のオフ幅を広げると、周波数変動範囲を狭くすることができる。
【0094】
そして、調光率が低い時(暗い時)にスイッチング周波数を下げる制御であるため可聴周波数に近くなる時は、電流(エネルギー)は最小となっている。
【0095】
したがって、LED照明調光回路のスイッチ素子のスイッチングに起因する音はユーザに聞こえにくくなる。
【0096】
一方、従来技術では、電流(エネルギー)が最大の時に可聴周波数に近くなるため、LED照明調光回路のスイッチ素子のスイッチングに起因する音はユーザに聞こえやすい。
【0097】
以上のように、本発明に係るLED照明調光回路は、狭い周波数変動範囲で広い調光範囲を実現できる。
【0098】
特に、効率が良く、ノイズが少ない電流臨界モードの利点を生かしつつ、周波数変動を小さくすることができる。
【0099】
なお、実施例は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【0100】
また、実施例では、スイッチ素子としてMOSトランジスタを選択した場合について説明したが、バイポーラトランジスタや他のスイッチ素子を選択するようにしてもよい。