【課題を解決するための手段】
【0014】
このような装置では、第1のセンサ手段が、好ましくは搬送方向において成形領域より前に、好ましくは位置決め手段に(特に、搬送方向に20cm未満の距離で)近接して配置されるように備えられ、基材ウェブの位置を検出する。これによって制御変数を得て、制御変数によってシーケンスをモニターできる。第1のセンサ手段は、例えば、長手方向エッジ部の少なくとも一方を検出することによって、および/または搬送方向に好ましくは連続的に延びる「特徴部」、特に、マークを検出することによって、基材ウェブの位置を検出できる。
【0015】
好ましくは、第1のセンサ手段は、基材の長手方向エッジ部の少なくとも一方の位置を検出する超音波センサを備える。超音波センサは、不具合を起こしにくいため適している。基材の長手方向エッジ部は特に特徴的な領域であり、検出されやすい。さらに、1つより多くの超音波センサを用いて、長手方向の両エッジ部を検出することが考えられる。これによって、潜在的に正確性が増し、例えば、基材ウェブの幅等の各第2のパラメータを導きうる。
【0016】
位置決め手段を、好ましくは搬送方向において成形領域より前に、好ましくは位置決め手段に(特に、搬送方向に20cm未満の距離で)近接して配置する。
【0017】
メインクレームの特徴を有する装置は、請求項1のプリアンブル部分に記載の装置を有する先行技術に比べて、高効率で特に高品質のチューブ体の製造が可能であり、作業者の手作業の介在をもはや必要としない。これは、例えば、超音波エッジ部センサおよび/または光学撮像手段などの第2のセンサ手段によって達成され、第2のセンサ手段は、成形領域に好ましくはチューブ成形手段の高さに追加的に備えられ(すなわち、チューブ形成手段が基材に直接作用する領域または接触する領域が延在する搬送方向部分に)または搬送方向上流側の領域(搬送方向部分)に追加的に備えられ、および/または搬送方向において成形領域より後に追加的に備えられて、基材の「特徴部」を検出するように機能する。成形領域とは、本明細書では、チューブ成形手段が基材をウェブ形状からチューブ形状に成形する領域(搬送方向部分)を意味するものとし、この領域は概してチューブ成形手段が基材に直接作用する領域にわたって延在する、すなわち、この領域は、搬送方向においてチューブ成形手段すなわち基材に直接作用する領域より前および/または後に延在する。これにより、成形領域は、例えばチューブ成形手段が成形ベルトを有する場合、基材の領域も含み、その領域においては、基材はすでにチューブ形状で成形ベルトを通って導かれるが、成形ベルトとは接触していない。先行技術では、センサ手段が成形領域より前に配置されているのは明らかである。基材位置が単純なウェブ形状のためにここでの検出が容易だと思われるからであり、位置決め手段の出来るだけ近くに配置することは迅速な調整には不可欠と思われるからである。しかし、本発明に記載されたように追加的な第2のセンサ手段を搬送方向において成形領域より後に配置すると、チューブ成形手段の基材位置への影響も位置決め手段の調整で考慮されうるという驚くべき有利な点があることがわかった。
【0018】
検出した「特徴部」によって、融着手段での接触領域の周方向の位置についての、および/またはそれに対応する値についての結果が引き出されうる。好ましくは、基材の「特徴部」は、接触領域そのものの周方向の位置、基材の一方の長手方向エッジ部の位置および/または基材上のマークである。融着手段での接触領域の特に正確な位置合わせのためには、マークは好ましくは搬送方向に連続して延在し、その結果、常にずれの検出ができ、それに応じた補正ができる。
【0019】
特に、接触領域の周方向の位置は、検出対象である「特徴部」としてふさわしいが、基本的な条件がわかっている(特に基材ウェブの幅がわかっている)場合は、搬送方向の決められた位置で基材のエッジ部の周方向の位置を検出することも考えられる。というのは、例えば、融着手段での接触領域の周方向の位置は融着手段からの(搬送方向の)距離とマンドレルの幾何学的形状とによって間接的に判定可能だからである。同様の態様で、基材の長手方向エッジ部から所定の距離にある、基材上のマークを検出することが考えられる。チューブ成形手段(成形手段)を、(例えば、成形ロールおよび/または成形ベルトとして)少なくとも部分的にマンドレルの搬送方向上流側に配置することが好ましい。
【0020】
第1の制御手段が備えられ、該第1の制御手段は、第1のセンサ手段の測定値に応じて位置決め手段を作動することで、基材ウェブを、チューブ成形手段より前で搬送方向に対して横方向で所定位置に保ち、その結果、必要に応じて所要の位置からのずれを打ち消す。これにより、チューブ成形手段の前での基材ウェブ位置の変動による接触位置での変動を初期段階で回避できる。
【0021】
さらに、第2の制御手段が備えられ、該第2の制御手段は、第2のセンサ手段のセンサ信号に応じて位置決め手段を作動して、その結果、接触領域を、融着位置に向かって周方向に導く、または接触領域を融着位置で保つ。第2の制御手段は、間接的に、すなわち例えば第1の制御手段を介して位置決め手段を作動でき、第2の制御手段の出力信号が入力信号として第1の制御手段に入力されて、例えば、2つの部分制御部(それらの制御器は第2および第3の制御手段によって形成されうる)によるカスケード制御の形態が実現される。あるいは、制御手段が直接的に、すなわちさらなる制御手段を通さず、特にさらなる(内方)制御回路を通さずに、位置決め手段を作動することが考えられる。
【0022】
第2の制御手段および第1の制御手段は、第2のセンサ手段とさらに第1のセンサ手段との両方の測定値を考慮してともに位置決め手段に作用し、好ましくは第1の制御手段は、第2の制御手段の一部であってもよくまたは組み込まれて一体化されてもよい、すなわち、例えばマイクロコントローラの形態で共用制御手段として構成されてもよい。そして、第2および第1のセンサ手段の測定値を特にアルゴリズム的に結合(例えば重み付け平均化)することによって、位置決め手段に適切な制御信号を送出して、融着周方向位置に向けて周方向の接触領域を調節するまたは周方向の接触領域を融着周方向位置に保つ。
【0023】
本発明によって、作業者による手作業の介在無しに自動的に、接触領域を恒久的に融着位置に保つこと、または任意のずれに対してより迅速に対応することが可能となる。これにより、接触領域外での「融着ミス」による無駄を減らす。概して、本発明は融着シームの質を改良してそれによってチューブの質、特にその弾力性を改良する。
【0024】
接触領域は、本明細書において例えば、2つの長手方向エッジ部領域のオーバーラップ領域として実現されうる。また、接触領域は、基材の2つの長手方向エッジ部の当接端として実現され、「突き合わせ融着」という技術用語で知られるように、2つの長手方向エッジ部は(マンドレルの周囲で)同じ径方向高さで互いに隣接して置かれ、融着手段で互いに融着されることも考えられる。
【0025】
請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示する少なくとも2個の特徴のすべての組合せは、本発明の範囲内にある。反復を避けるため、方法に関して開示される特徴は、装置に関して開示され、請求されるものとみなされるべきである。装置に関して開示される特徴は、方法に関して開示され、請求されるものとみなされるべきである。
【0026】
第2のセンサ手段を、搬送方向において、特に融着位置から1m未満の距離で、好ましくは約20cmから約80cmの距離で近接して配置すると特に有利であることがわかった。これによって、接触位置(または接触領域)のずれを、位置決め手段と融着手段との間の基材ウェブの残りの移動で打ち消すことができる。特に好ましくは、第2のセンサ手段を、融着位置に近接して、例えば、搬送方向にマンドレルの高さで、好ましくはマンドレルからの半径方向距離で、すなわち、マンドレルの横に、特にマンドレルの上方に配置する。
【0027】
好ましくは、位置決め手段は、好ましくは平坦なままの、すなわちウェブ形状の基材を、搬送方向および/または周方向に対して横方向に調整するように具体化されている。これによって、 成形手段への取込位置を変更でき、これによって接触領域の周方向の位置も変更できる。
【0028】
位置決め手段が、搬送方向(移送方向または表面の広がり)に対して垂直におよび/または基材の搬送方向に角度をつけて配置したスイベル軸の周りをある角度範囲でピボット回転できる少なくとも1つのローラを備えることが、本発明の範囲に含まれる。このピボット運動のために、好ましくは、電動、空気圧または油圧作動用駆動装置を用いる。ローラは基材の動きに従って純粋に受動的に可動(回転)しうる。または駆動装置によって能動的に回転駆動されてもよい。
【0029】
さらに、第1の制御手段は、さらに位置決め手段を作動し、位置決め手段の上流側または下流側に取り付けられることが考えられる。これによって、先行技術から既知である、位置決め手段近傍のセンサ手段によってウェブエッジ部位置を制御する有利な点と、(基材へのチューブ成形手段の影響も考慮した)成形領域における、および/または成形領域の後における、本発明によるセンサ手段を用いた基材位置の制御の有利な点とを同時に得ることができる。
【0030】
また、特に有利な態様では、第2および/または第1の制御手段が、制御回路の制御器、例えば、PID制御器または適応制御器として構成されてもよく、特に好ましくは、第2の制御手段は、外方
(外部とも称することがある)制御回路の制御器として構成されて、その補正変数(出力信号)を、基準変数(入力信号または目標値)として、内方
(内部とも称することがある)制御回路の制御器として構成される第1の制御手段に供給する。このように形成されたカスケード制御によって、横方向のウェブ位置に関する条件を、第2のセンサ手段が検出する値とさらに第1のセンサ手段が検出する値との両方によって、位置決め手段を介して有利に変更できる。これによって、基材ウェブの所要の位置が、第2のセンサ手段が検出する測定値を用いて第2の制御手段によって効果的に得られ、第1のセンサ手段が検出する測定値を用いて第1の制御手段によって、確実にこの所要の位置が維持される。
【0031】
本明細書では、バイパスが備えられてもよく、その結果、外方制御回路は(効果的に)1つの制御回路となり、第2の制御手段は直接、位置決め手段を作動して、それによって、例えば、特定の場合には融着周方向位置と接触領域が離れることに対してより早い対応が可能となる。さらに、内方制御回路での不具合もこれによって速やかに解消されうる。
【0032】
第1のセンサ手段を、例えば、基材ウェブの両方の長手方向エッジ部を検出することで、基材ウェブの幅を検出できるように構成して配置することが有利であることがさらにわかった。これによって、異なる幅の基材ウェブを用いることが容易となる。特に、基材ウェブのエッジ部位置を「特徴部」として検出する場合、基材ウェブの幅は、接触領域の位置を(算術的に)判定するために不可欠な情報である。幅情報があれば、基材ウェブの一方のエッジ部の位置を検出すれば十分である。他方のエッジ部の位置は、幾何学上の一般的な条件によって(幅情報を共に用いて)定められるからである。その結果、第2のセンサ手段は1つのエッジ部センサを有するだけでもよい。
【0033】
好ましくは、細長く、好ましくは円筒状のマンドレルが、基材ウェブの搬送方向における、チューブ成形手段の下流側に配置され、チューブ成形手段では、好ましくはマンドレルの周囲に基材を置く。マンドレルは、その幾何学的形状および頑強さのために、チューブ体の機械的な成形に用いるのに特に好適である。
【0034】
好ましくは、融着後、好ましくは冷却工程の後に、チューブ形状を切断手段(カッター)によって個別のチューブ体に分割してもよい。個別のチューブ体および/またはチューブ形状片を製造プロセスから分離および/またはマーク付け出来る手段を備えることは製造において特に効果的で効率的であることがわかった。例えば、品質要件を満たしていない(可能性のある)チューブ体を吹き出し手段で経路から吹き出すか動力手段で機械的に排出してもよい。代わりにまたはさらに、個々のチューブ体に、品質に従って例えば色別にマーク付けをしてもよい。
【0035】
作製されるチューブ体を確実に高品質とするために、本発明のさらなる発展において、接触領域の周方向の位置が所定範囲の値(角度範囲)にあてはまるかどうかをモニターして、接触領域がこの閾値にあてはまらず、そのため融着位置が接触領域に全く合致しない範囲にあるチューブ体またはチューブ形状片を分離またはマーク付けすることが、有利に提供される。融着シームが最適でない場合、チューブ体の品質特性を、特に圧縮強度および耐久性に関して保証されない。制御手段は、そのため第2のセンサ手段が検出する接触領域の周方向の位置に応じて、分離および/またはマーク付けを行う手段を作動させる。
【0036】
周方向に閉じられるチューブ状のチューブ体を製造する方法は同様に本発明の範囲内にあり、基材ウェブは、搬送方向に搬送され、成形領域でチューブ成形手段によってチューブ形状に成形される。基材を、好ましくは平行な第1の長手方向エッジ部と第2の長手方向エッジ部との間の接触領域で融着手段によって融着する。搬送方向に対して横方向の基材ウェブの位置を、例えば位置決め手段によって変更することができる。成形領域で、好ましくは搬送方向において、融着手段より1m未満、好ましくは0.2mから0.8mだけ手前で、接触領域の周方向の位置が、好ましくはマンドレル上で、第2のセンサ手段によって検出されて、第2の制御手段が第2のセンサ手段のセンサ信号に応じて位置決め手段を作動する。その結果、第2のセンサ手段が検出する接触領域が、融着周方向位置に向かって周方向に調節される(導かれる)か、融着周方向位置で保たれる。
【0037】
本明細書では、ウェブ形状の基材は位置決め手段によって搬送方向に対して横方向で所要の位置に保たれ、特に所要の位置は第2のセンサ手段の測定値に応じて修正変更される。所要の位置を維持するために、特に第1のセンサ手段の測定値が考慮され、それには基材ウェブのエッジ部を検出する超音波センサが特に有利であることがわかった。
【0038】
さらに、位置決め手段が検出した測定値から個々のチューブ体の品質についての結果を引き出すことが有利であるがわかった。これらは、それぞれの品質に応じて個別に取り扱われてもよく、例えば、仕分け、マーク付けおよび/または分離されてもよい。
【0039】
さらなる発展によれば、個々のチューブ体またはチューブ形状片の仕分けおよび/またはマーク付けのために、これらが融着手段に位置していた期間における測定値に応じて、分離手段によって、これらを残りのチューブ体から分離される。測定値を個々のチューブ体または各チューブ形状片に割り当てることができるように、例えば、実際のタイムスタンプをチューブ体または各チューブ形状片と、測定値との両方に割り当てることができる。ある期間内において測定値が十分でないと判定されると、特定の期間に当てはまるタイムスタンプのついたチューブ体または各チューブ形状片が分離されて、特には吹き出されて分離される。好ましくは、欠陥の検出のため時間遅延を伴って分離が行われて、その結果、欠陥が検出される前に融着したチューブ体が分離されてもよく、それによって、ふるい分けが可能となる。分離手段は、チューブ体または各チューブ形状片を一般の経路から吹きだして、例えば、回収容器内に入れることのできる、例えば、加圧ノズルによって構成されてもよい。
【0040】
好ましくは、タイムスタンプは、個々のチューブ体または各チューブ形状片に、特に第2のセンサ手段を通る際に個別におよび/または特定の頻度で割り当てられる。融着状態が特定の期間で(接触領域が許容範囲外で検出されたために)不十分であると検出されると、その要素(チューブ体または各チューブ形状片)がタイムスタンプを活用して分離手段によって分離されてもよい。これにより、例えば、分離されるべきタイムスタンプを有するエレメントがノズルを通り過ぎる時にノズルが作動してエレメントに的を絞って吹き出される。
【0041】
好ましくは、基材は、多層ラミネートである。さらに好ましくは、気体および/または液体に対して透過を遮断する効果が高い少なくとも1層のバリア層を備える。バリア層として、例えば、少なくとも1つの金属フォイルまたはメタライゼーション層を用いることができ、および/または、例えば、EVOH、PA、PETGなどの少なくとも1層のプラスチックバリア層を用いることができる。
【0042】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細が好ましい例示的実施形態の以下の記述から、図面を参照して、明らかになるであろう。