(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5778348
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月16日
(54)【発明の名称】モバイル端末機
(51)【国際特許分類】
G06F 21/86 20130101AFI20150827BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20150827BHJP
H05K 1/18 20060101ALN20150827BHJP
【FI】
G06F21/86
H04M1/02 C
!H05K1/18 F
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-533185(P2014-533185)
(86)(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公表番号】特表2015-501460(P2015-501460A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(86)【国際出願番号】KR2012006997
(87)【国際公開番号】WO2014034981
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2013年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】513128969
【氏名又は名称】ブルーバード インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,チャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャン ウン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キ ナム
【審査官】
青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0215938(US,A1)
【文献】
米国特許第03941964(US,A)
【文献】
特開2010−068404(JP,A)
【文献】
特開2001−357371(JP,A)
【文献】
特開2001−265660(JP,A)
【文献】
特表2012−509585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/86
H04M 1/02
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立て及び組立て解除可能なケースと、
前記ケースの内部に配され、複数の伝導性領域と少なくとも1つの非伝導性領域とを有する変調感知パターン(tamper detect pattern)が設けられる印刷回路基板(PCB)と、
前記ケースと前記印刷回路基板との間に配され、前記ケースの組立て時に、前記複数の伝導性領域のうち、一部を電気的に連結し、前記ケースの組立て解除時に、前記伝導性領域のうち、一部の電気的連結を解除する伝導性領域連結ユニットと、
前記伝導性領域に電気的に連結され、前記伝導性領域の互いに間の電気的連結状態を感知する伝導性領域連結感知回路と、を含み、
前記伝導性領域は、
第1伝導性領域と、
前記伝導性領域連結ユニットを通じて前記第1伝導性領域と連結され、前記第1伝導性領域を仮想の中心として前記第1伝導性領域の周り方向に沿って互いに離隔して配される複数の第2伝導性領域と、
前記第2伝導性領域の間に少なくとも一部が配される第3伝導性領域と、を含み、
前記第3伝導性領域は、
前記複数の第2伝導性領域の間に配される第1非接触部と、
前記第1非接触部と前記第1伝導性領域とに隣接して配され、前記非伝導性領域の間に配される第2非接触部と、
前記第1非接触部よりも前記第1伝導性領域からさらに離隔する位置に配される第3非接触部と、を含むことを特徴とするモバイル端末機。
【請求項2】
前記第1伝導性領域は、
前記変調感知パターンの中央領域に円状または多角状に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項3】
前記複数の第2伝導性領域の各第2伝導性領域は、所定の曲率を有するアーク(arc)状に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項4】
前記複数の第2伝導性領域は、互いに等角度間隔で配されることを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項5】
前記第2非接触部は、
前記第1伝導性領域に行くほど幅が増加することを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項6】
前記非伝導性領域は、
前記第1伝導性領域と前記第2伝導性領域との間に配される第1非伝導性領域部と、
前記第1非伝導性領域部から延び、前記第2伝導性領域と前記第1非接触部との間に配される第2非伝導性領域部と、
前記第1非伝導性領域部から延び、前記第2非接触部と前記第1伝導性領域との間に配される第3非伝導性領域部と、
を含む請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項7】
前記伝導性領域連結ユニットは、
互いに離隔して配され、前記第2伝導性領域に連結される複数の接触レッグ(leg)と、
前記複数の接触レッグに連結され、前記第1伝導性領域に対して接近及び離隔する方向に移動可能な接触ヘッドと、
を含む請求項1に記載のモバイル端末機。
【請求項8】
前記接触レッグは、
前記第2伝導性領域に接触して支持される支持部と、
前記支持部で前記第2伝導性領域から離隔する方向に延び、前記接触ヘッドと連結される連結部と、
を含む請求項7に記載のモバイル端末機。
【請求項9】
前記連結部は、
前記接触ヘッドを前記第1伝導性領域から離隔する方向に付勢させることを特徴とする請求項8に記載のモバイル端末機。
【請求項10】
前記接触ヘッドは、円形または多角形のプレート状に設けられることを特徴とする請求項7に記載のモバイル端末機。
【請求項11】
前記接触ヘッドは、円形のプレート状に設けられ、
前記接触ヘッドは、
前記接触レッグと連結される第1プレート部と、
前記第1プレート部と連結され、下方に突出する形状を有する第2プレート部と、
前記第2プレート部と連結され、下方に突出する形状を有する第3プレート部と、
を含む請求項10に記載のモバイル端末機。
【請求項12】
前記第3プレート部は、所定の直径を有する円状に設けられ、
前記第1プレート部と前記第2プレート部は、前記第3プレート部と同じ中心点を有する環状に設けられることを特徴とする請求項11に記載のモバイル端末機。
【請求項13】
前記変調感知パターンは、円状を有し、
前記複数の第2伝導性領域は、前記第1伝導性領域を仮想の中心として対称に配される4つの伝導体からなることを特徴とする請求項1に記載のモバイル端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル端末機に係り、より詳細には、変調(tamper)行為を感知することができるモバイル端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル端末機(Mobile Terminal)は、場所に関係なく、移動しながら自在に使える端末機であって、クレジットカードなどに使われる決済端末機(payment terminal)、携帯電話のような移動通信端末機、そして、個人携帯端末機と呼ばれるPDA(Personal Digital Assistant)などが代表的である。したがって、ここで使われる‘モバイル端末機’という用語は、これらをいずれも含む用語であるが、以下、説明の便宜上、決済端末機に限定して説明する。
【0003】
決済端末機は、多様な重要データ(例えば、個人情報など)を保存または処理している。したがって、決済端末機には、このような重要データをハッキング(hacking)するハードウェア的またはソフトウェア的変調(tampering)行為を感知することができる変調感知器具の使用が必須である。
【0004】
このような変調行為のうち、最も代表的なものが決済端末機を分解して重要データをハッキングすることである。すなわち、内部に印刷回路基板が配されたケースを組立て解除して、印刷回路基板に装着されたさまざまな回路部品から重要データをハッキングすることである。
【0005】
したがって、従来技術による決済端末機は、このようなケースの組立て解除を認識するケース組立て解除認識部と、ケース組立て解除認識部と連結されて、ケースの組立て解除時に、重要データを削除するハッキング遮断部と、を含む。
【0006】
このような組立て解除認識部は、スイッチング方式で構成されてケースの組立て及び組立て解除を認識する。すなわち、組立て解除認識部は、印刷回路基板に設けられ、2つの伝導性(conductive)部材が互いに離隔して配される変調感知パターンと、印刷回路基板とケースとの間で移動可能に設けられ、移動によって2つの伝導性部材を電気的に連結する移動部材と、を含む。
【0007】
このような組立て解除認識部は、ケースの組立て時に、移動部材が伝導性部材に接触することによって、ケースの組立てを認識し、ケースの組立て解除時に、移動部材が伝導性部材から接触解除されることによって、ケースの組立て解除を認識する。
【0008】
ところで、変調行為がさらに高度化されて組立て解除認識部を撹乱する変調方法が表われている。
【0009】
このような変調方法は、導電性液体を使うものであって、まず、ケースに小さな穴を開けた後、変調感知パターンに導電性液体を注入することである。
【0010】
このように、変調感知パターンに導電性液体が投入されれば、互いに離隔した2つの伝導性部材が導電性液体によって電気的に連結されることによって、ケースの組立て解除によって移動部材が伝導性部材に接触解除されても、組立て解除認識部がケースの組立て解除を認識することができない。
【0011】
したがって、変調感知パターンに導電性液体を注入する方式のように、組立て解除認識部を撹乱する変調行為に対応することができるモバイル端末機の開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、ケースの組立て解除が感知されないように意図された変調行為を無力化させることによって、重要なデータに対するハッキングを防止することができるモバイル端末機を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面によれば、組立て及び組立て解除可能なケースと、前記ケースの内部に配され、複数の伝導性領域と少なくとも1つの非伝導性領域とを有する変調感知パターン(tamper detect pattern)が設けられる印刷回路基板(PCB)と、前記ケースと前記印刷回路基板との間に配され、前記ケースの組立て時に、前記複数の伝導性領域のうち、一部を電気的に連結し、前記ケースの組立て解除時に、前記伝導性領域のうち、一部の電気的連結を解除する伝導性領域連結ユニットと、前記伝導性領域に電気的に連結され、前記伝導性領域の互いに間の電気的連結状態を感知する伝導性領域連結感知回路と、を含み、前記伝導性領域は、第1伝導性領域と、前記伝導性領域連結ユニットを通じて前記第1伝導性領域と連結され、互いに離隔して配される複数の第2伝導性領域と、前記第2伝導性領域の間に少なくとも一部が配される第3伝導性領域と、を含むモバイル端末機が提供されうる。
【0014】
前記第1伝導性領域は、前記変調感知パターンの中央領域に円状または多角状に設けられうる。
【0015】
前記複数の第2伝導性領域は、前記第1伝導性領域を仮想の中心として前記第1伝導性領域の周り方向に沿って互いに離隔して配置される。
【0016】
第2伝導性領域は、所定の曲率を有するアーク(arc)状に設けられうる。
【0017】
前記複数の第2伝導性領域は、互いに等角度間隔で配置される。
【0018】
前記第3伝導性領域は、前記第2伝導性領域の間に配される第1非接触部と、前記第1非接触部と前記第1伝導性領域とに隣接して配され、前記非伝導性領域の間に配される第2非接触部と、前記第1非接触部よりも前記第1伝導性領域からさらに離隔する位置に配される第3非接触部と、を含みうる。
【0019】
前記第2非接触部は、前記第1伝導性領域に行くほど幅が増加する。
【0020】
前記非伝導性領域は、前記第1伝導性領域と前記第2伝導性領域との間に配される第1非伝導性領域部と、前記第1非伝導性領域部から延び、前記第2伝導性領域と前記第1非接触部との間に配される第2非伝導性領域部と、前記第1非伝導性領域部から延び、前記第2非接触部と前記第1伝導性領域との間に配される第3非伝導性領域部と、を含みうる。
【0021】
前記伝導性領域連結ユニットは、互いに離隔して配され、前記第2伝導性領域に連結される複数の接触レッグ(leg)と、前記複数の接触レッグに連結され、前記第1伝導性領域に対して接近及び離隔する方向に移動可能な接触ヘッドと、を含みうる。
【0022】
前記接触レッグは、前記第2伝導性領域に接触して支持される支持部と、前記支持部で前記第2伝導性領域から離隔する方向に延び、前記接触ヘッドと連結される連結部と、を含みうる。
【0023】
前記連結部は、前記接触ヘッドを前記第1伝導性領域から離隔する方向に付勢させることができる。
【0024】
前記接触ヘッドは、円形または多角形のプレート状に設けられうる。
【0025】
前記接触ヘッドは、円形のプレート状に設けられ、前記接触ヘッドは、前記接触レッグと連結される第1プレート部と、前記第1プレート部と連結され、下方に突出する形状を有する第2プレート部と、前記第2プレート部と連結され、下方に突出する形状を有する第3プレート部と、を含みうる。
【0026】
前記第3プレート部は、所定の直径を有する円状に設けられ、前記第1プレート部と前記第2プレート部は、前記第3プレート部と同じ中心点を有する環状に設けられうる。
【0027】
前記変調感知パターンは、円状を有し、前記複数の第2伝導性領域は、前記第1伝導性領域を仮想の中心として対称に配される4つの伝導体からなりうる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態は、変調感知パターンの第2伝導性領域が互いに離隔して配され、第3伝導性領域の一部が第2伝導性領域の間に配されることによって、第1伝導性領域と第2伝導性領域とを強制的に連結させるために投入される導電性流体によって、第3伝導性領域が、第2伝導性領域、または第1伝導性領域と連結されて、伝導性領域連結感知回路を通じて変調行為を感知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態によるモバイル端末機の内部配置構造が概略的に示された図面である。
【
図3】
図1の変調感知パターンと伝導性領域連結ユニットとが示された分解斜視図である。
【
図4】
図1の変調感知パターンに伝導性領域連結ユニットが配された斜視図である。
【
図5】
図3の伝導性領域連結ユニットを下側から見た斜視図である。
【
図7】
図1の伝導性領域連結ユニットがケースの組立てによって加圧された状態が示された動作状態図である。
【
図8】
図1の伝導性領域連結ユニットがケースの組立て解除によって加圧解除された状態が示された動作状態図である。
【
図9】
図1の変調感知パターンに導電性流体が投入された状態が示された図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。但し、本発明を説明するに当って、既に公知された機能あるいは構成についての説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略する。
【0032】
以下で使われるモバイル端末機は、クレジットカードなどに使われる決済端末機、携帯電話のような移動通信端末機、そして、個人携帯端末機と呼ばれるPDAを含む用語であるが、説明の便宜上、モバイル端末機と表示する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるモバイル端末機の内部配置構造が概略的に示された図面であり、
図2は、
図1の印刷回路基板の平面図であり、
図3は、
図1の変調感知パターンと伝導性領域連結ユニットとが示された分解斜視図であり、
図4は、
図1の変調感知パターンに伝導性領域連結ユニットが配された斜視図であり、
図5は、
図3の伝導性領域連結ユニットを下側から見た斜視図であり、
図6は、
図3の変調感知パターンの平面図であり、
図7は、
図1の伝導性領域連結ユニットがケースの組立てによって加圧された状態が示された動作状態図であり、
図8は、
図1の伝導性領域連結ユニットがケースの組立て解除によって加圧解除された状態が示された動作状態図であり、
図9は、
図1の変調感知パターンに導電性流体が投入された状態が示された図面である。
【0034】
図1ないし
図9に示したように、本発明の実施形態によるモバイル端末機は、組立て及び組立て解除可能なケース110と、ケース110の内部に配され、複数の伝導性(conductive)領域120と少なくとも1つの非伝導性領域Nとを有する変調感知パターン130が設けられる印刷回路基板(PCB)140と、ケース110と印刷回路基板140との間に配され、ケース110の組立て時に、複数の伝導性領域120のうち、一部を電気的に連結し、ケース110の組立て解除時に、伝導性領域120のうち、一部の電気的連結を解除する伝導性領域連結ユニット150と、伝導性領域120に電気的に連結され、伝導性領域120の互いに間の電気的連結状態を感知する伝導性領域連結感知回路160と、を含む。
【0035】
ケース110は、組立て時に、印刷回路基板140を取り囲んで印刷回路基板140を保護する。本実施形態で、ケース110は、上部ケース111と下部ケース112とを含む。
【0036】
印刷回路基板140には、変調感知パターン130が設けられる。本実施形態で、変調感知パターン130は、円状を有するが、本発明の権利範囲が、これに限定されず、多角状からなることもある。
【0037】
また、変調感知パターン130は、変調行為をさらに正確に感知するために、多数個設けられる。本実施形態では、説明の便宜上、印刷回路基板140に変調感知パターン130が6つ設けられたもので説明する。
【0038】
このような変調感知パターン130は、複数の伝導性領域120と少なくとも1つの非伝導性領域Nとを有する。
【0039】
本実施形態で、伝導性領域120は、電気を通電させる伝導体からなる。このような伝導性領域120は、第1伝導性領域121と、伝導性領域連結ユニット150を通じて第1伝導性領域121と連結され、互いに離隔して配される複数の第2伝導性領域122、123、124、125と、第2伝導性領域122、123、124、125の間に少なくとも一部が配される第3伝導性領域126と、を含む。
【0040】
そして、第1伝導性領域121、第2伝導性領域122、123、124、125及び第3伝導性領域126は、非伝導性領域Nによって分離されている。
【0041】
このような伝導性領域120と非伝導性領域Nとに対する詳しい内容は、説明の便宜上、後述する。
【0042】
一方、伝導性領域連結ユニット150は、ケース110と印刷回路基板140との間に配され、ケース110の組立て時には、第1伝導性領域121と第2伝導性領域122、123、124、125とを電気的に連結し、ケース110の組立て解除時には、第1伝導性領域121と第2伝導性領域122、123、124、125との電気的連結を解除する。
【0043】
このような伝導性領域連結ユニット150は、互いに離隔して配され、第2伝導性領域122、123、124、125に連結される複数の接触レッグ151と、複数の接触レッグ151に連結され、第1伝導性領域121に対して接近及び離隔する方向に移動可能な接触ヘッド156と、を含む。
【0044】
接触レッグ151は、第2伝導性領域122、123、124、125に半田付け(soldering)などを通じて連結される。このような接触レッグ151は、第2伝導性領域122、123、124、125に接触して支持される支持部152と、支持部152で第2伝導性領域122、123、124、125から離隔する方向に延び、接触ヘッド156と連結される連結部153と、を含む。
【0045】
連結部153は、接触ヘッド156を第1伝導性領域121から離隔する方向に付勢させる。すなわち、連結部153は、ケース110の組立て解除時に、弾性復元力を通じて接触ヘッド156を第1伝導性領域121から離隔させる。
【0046】
結局、接触ヘッド156は、ケース110の組立て時には、加圧されて連結部153の弾性復元力を勝って第1伝導性領域121に接触し、ケース110の組立て解除時には、連結部153の弾性復元力によって第1伝導性領域121から接触解除される。
【0047】
このような接触ヘッド156は、円形または多角形のプレート状に設けられうる。
【0048】
本実施形態で、接触ヘッド156は、円形のプレート状に設けられる。このような接触ヘッド156は、接触レッグ151と連結される第1プレート部157と、第1プレート部157と連結され、下方に突出する形状を有する第2プレート部158と、第2プレート部158と連結され、下方に突出する形状を有する第3プレート部159と、を含む。
【0049】
第3プレート部159は、所定の直径を有する円状に設けられる。また、第1プレート部157と第2プレート部158は、第3プレート部159と同じ中心点を有する環状に設けられる。
【0050】
一方、本実施形態によるモバイル端末機は、接触ヘッド156を第1伝導性領域121の方向に加圧する加圧部材170をさらに含む。このような加圧部材170は、上部ケース111自体に設けられることもあり、別途に設けられて上部ケース111と伝導性領域連結ユニット150との間に配置されることもある。
【0051】
このように、本実施形態によるモバイル端末機は、第2プレート部158と第3プレート部159とが下方(第1伝導性領域121の方向)に突出することによって、ケース110の組立て時に、過度な加圧力が不要であり、第3プレート部159と第1伝導性領域121との接触が容易である。
【0052】
一方、第1伝導性領域121は、変調感知パターン130の中央領域に円状または多角状に設けられる。本実施形態では、説明の便宜上、第1伝導性領域121が円状に設けられたもので説明する。
【0053】
複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、伝導性領域連結ユニット150を通じて第1伝導性領域121と連結される。このような複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、第1伝導性領域121を仮想の中心として第1伝導性領域121の周り方向に沿って互いに離隔して配される。
【0054】
複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、所定の曲率を有するアーク状に設けられる。また、複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、本実施形態では、互いに等角度間隔で配される。また、複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、本実施形態では、第1伝導性領域121を仮想の中心として対称に配される。
【0055】
本実施形態で、複数の第2伝導性領域122、123、124、125は、
図1ないし
図9に示したように、4つで構成される。このように、本実施形態によるモバイル端末機には、互いに離隔する多数個の第2伝導性領域122、123、124、125が設けられることによって、第2伝導性領域122、123、124、125と第1伝導性領域121とを強制的に電気的連結する変調行為をさらに難しくする。
【0056】
すなわち、多数個の第2伝導性領域122、123、124、125のうち、1つの第2伝導性領域122を強制的に第1伝導性領域121と連結した後に、ケース110を組立て解除する場合でも、ケース110の組立て解除によって、他の第2伝導性領域123、124、125は、第1伝導性領域121と電気的に連結されないために、伝導性領域連結感知回路160が、ケース110の組立て解除を感知することができる。
【0057】
一方、第3伝導性領域126は、少なくとも一部が第2伝導性領域122、123、124、125の間に配される。このような第3伝導性領域126は、
図6に詳しく示したように、第2伝導性領域122、123、124、125の間に配される第1非接触部127と、第1非接触部127と第1伝導性領域121とに隣接して配され、非伝導性領域Nの間に配される第2非接触部128と、第1非接触部127よりも第1伝導性領域121からさらに離隔する位置に配される第3非接触部129と、を含む。
【0058】
第1非接触部127は、第2伝導性領域122、123、124、125の間に配される。このように、第1非接触部127が、第2伝導性領域122、123、124、125の間に配されることによって、変調感知パターン130に導電性流体Yが投入される場合、第1非接触部127が、第2伝導性領域122、123、124、125と電気的に連結される。このような第3伝導性領域126の第1非接触部127と第2伝導性領域122、123、124、125との電気的連結は、伝導性領域連結感知回路160によって感知され、それにより、データ削除などの方法によって重要データのハッキングを防止することができる。
【0059】
第2非接触部128は、第1非接触部127と第1伝導性領域121とに隣接して配され、非伝導性領域Nの間に配される。
【0060】
このように、第2非接触部128は、第1伝導性領域121に隣接して配されることによって、変調感知パターン130に導電性流体Yが投入される場合、第2非接触部128が、第1伝導性領域121と電気的に連結される。このような第2非接触部128と第1伝導性領域121との電気的連結は、伝導性領域連結感知回路160によって感知され、それにより、データ削除などの方法によって重要データのハッキングを防止することができる。
【0061】
また、第2非接触部128は、第1伝導性領域121に行くほど幅が増加する。すなわち、第2非接触部128、第1伝導性領域121に行くほど面積が広くなることによって、変調行為によって投入される導電性流体Yと接触する可能性が多くなって、変調行為の感知可能性をさらに高める。
【0062】
第3非接触部129は、第1非接触部127よりも第1伝導性領域121からさらに離隔する位置に配される。結局、第3非接触部129は、
図6に詳しく示したように、第2伝導性領域122、123、124、125に隣接して配されることによって、変調感知パターン130に導電性流体Yが投入される場合、第3非接触部129が、第2伝導性領域122、123、124、125と電気的に連結される。このような第3非接触部129と第2伝導性領域122、123、124、125との電気的連結は、伝導性領域連結感知回路160によって感知され、それにより、データ削除などの方法によって重要データのハッキングを防止することができる。
【0063】
一方、非伝導性領域Nは、第1伝導性領域121と第2伝導性領域122、123、124、125との間に配される第1非伝導性領域部N1と、第1非伝導性領域部N1から延び、第2伝導性領域122、123、124、125と第1非接触部127との間に配される第2非伝導性領域部N2と、第1非伝導性領域部N1から延び、第2非接触部128と第1伝導性領域121との間に配される第3非伝導性領域部N3と、を含む。
【0064】
以下、このような構成を有するモバイル端末機の動作を
図1ないし
図9を参照して説明する。
【0065】
まず、ケース110の組立て時には、
図7に示したように、伝導性領域連結ユニット150が、ケース110の組立てによって加圧され、それにより、第3プレート部159が、第1伝導性領域121に接触される。このような第3プレート部159と第1伝導性領域121との電気的連結は、伝導性領域連結感知回路160によって感知される。
【0066】
次に、ケース110の組立て解除時には、
図8に示したように、伝導性領域連結ユニット150が、ケース110の組立て解除によって加圧解除され、それにより、第3プレート部159が、第1伝導性領域121から接触解除される。
【0067】
このような第3プレート部159と第1伝導性領域121との電気的連結解除は、伝導性領域連結感知回路160によって感知されることによって、ケース110の組立て解除を伴う変調行為を感知することができる。
【0068】
次に、
図9に示したように、ハッキングのために変調感知パターン130に導電性流体Yが投入された場合には、第3伝導性領域126が、第2伝導性領域122、123、124、125、または第1伝導性領域121と電気的に連結される。このような第3伝導性領域126と第2伝導性領域122、123、124、125との電気的連結、または第3伝導性領域126と第1伝導性領域121との電気的連結は、伝導性領域連結感知回路160によって感知される。
【0069】
結局、伝導性領域連結感知回路160は、第1伝導性領域121と第2伝導性領域122、123、124、125とを導電性流体Yを通じて強制的に連結した後、ケース110の組立て解除を伴う変調行為を感知することができる。
【0070】
このように、本実施形態によるモバイル端末機は、変調感知パターン130の第2伝導性領域122、123、124、125が互いに離隔して配され、第3伝導性領域126の一部が、第2伝導性領域122、123、124、125の間に配されることによって、第1伝導性領域121と第2伝導性領域122、123、124、125とを強制的に連結させるために投入される導電性流体Yによって、第3伝導性領域126が、第2伝導性領域122、123、124、125、または第1伝導性領域121と連結されて、伝導性領域連結感知回路160を通じて変調行為を感知することができる。
【0071】
以上、図面を参照して、本実施形態について詳しく説明したが、本実施形態の権利範囲が、前述した図面及び説明に限定されるものではない。
【0072】
このように、本発明は、記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲から外れずに多様に修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するものと言わなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、クレジットカードなどに使われる決済端末機、携帯電話のような移動通信端末機、そして、個人携帯端末機と呼ばれるPDAのような端末機産業に利用されうる。